JP6213641B2 - 微細繊維状セルロース - Google Patents

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Description

本発明は、微細繊維状セルロースに関する。
近年、石油資源の代替および環境意識の高まりから、再生産可能な天然繊維を利用した材料が着目されている。天然繊維の中でも、繊維径が10〜50μmのセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品としてこれまでにも幅広く使用されてきた。
また、セルロース繊維としては、繊維径がナノメートルオーダーの微細繊維状セルロースも知られている(特許文献1)。例えば、特許文献1には、叩解したパルプを解繊して得た重合度500以上の微細繊維状セルロースが記載されている。
微細繊維状セルロースにおいては、近年、様々な用途に対して使用が検討されている。例えば、微細繊維状セルロースをエマルション樹脂と混合した後、脱水することにより、繊維強化複合樹脂を得ることが検討されている。
特開2012−036529号公報
通常、微細繊維状セルロースはスラリーの形態で得られる。しかしながら、特許文献1に記載の微細繊維状セルロースは、スラリー化した際に粘度が高くなることがあった。
また、特許文献1に記載の微細繊維状セルロースは、エマルション樹脂と混ぜ合わされた際に凝集物を形成しやすかった。
本発明は、スラリー化した際の粘度が低く、エマルション樹脂と混ぜ合わされた際に凝集物を形成しにくい微細繊維状セルロースを提供することを目的とする。
本発明の微細繊維状セルロースは、平均繊維幅が200nm以下、重合度が50以上500以下であり、下記式(1)で表される極性基または下記式(2)で表される極性基を有し、前記極性基の含有量が0.06〜2.0mmol/gである。
式(1) (−O−PO 2−)・Xp+ 2/p
式(2) (−OCO−R−COO・Yq+
(ここで、pは1または2である。Xp+ p/2は、p=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、p=2のとき、アルカリ土類金属の陽イオンまたは多価金属の陽イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。qは1〜3の自然数。Yq+は、q=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、q=2または3のとき、アルカリ土類金属イオンまたは多価金属イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。Rは、飽和−直鎖状炭化水素基、飽和−分岐鎖状炭化水素基、飽和−環状炭化水素基、不飽和−直鎖状炭化水素基、不飽和−分岐鎖状炭化水素基、芳香族基、および単結合のいずれかである。)
本発明の微細繊維状セルロースが式(1)で表される極性基を有する場合には、以下の製造方法によって製造することが好ましい。
セルロースを分解する分解工程と、分解工程後のセルロースを、リン原子を含むオキソ酸またはその塩で処理することによって、セルロースに極性基(1)を形成する極性基導入工程と、極性基(1)を形成したセルロースをアルカリ溶液によって処理するアルカリ処理工程と、アルカリ処理後のセルロースを微細化して解繊する解繊工程とを有する微細繊維状セルロースの製造方法。
本発明の微細繊維状セルロースが式(2)で表される極性基を有する場合には、以下の製造方法によって製造することが好ましい。
セルロースを分解する分解工程と、分解工程後のセルロースを、カルボン酸系化合物により処理することによって、セルロースに極性基(2)を形成する極性基導入工程と、極性基(2)を形成したセルロースをアルカリ溶液によって処理するアルカリ処理工程と、アルカリ処理後のセルロースを微細化して解繊する解繊工程とを有する微細繊維状セルロースの製造方法。
これらの製造方法では、前記範囲の平均繊維幅、重合度及び極性基含有量の微細繊維状セルロースを容易に製造でき、また、特殊な薬品を使用しなくてもよいため、低コストである。
本発明の微細繊維状セルロースは、スラリー化した際の粘度が低く、エマルション樹脂と混ぜ合わされた際に凝集物を形成しにくい。
<第1実施形態>
本実施形態の微細繊維状セルロースは、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細く且つ短いI型結晶構造のセルロース繊維あるいは棒状粒子である。
微細繊維状セルロースがI型結晶構造を有していることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークを有することで同定することができる。
微細繊維状セルロースの、X線回折法によって求められる結晶化度は、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。結晶化度が前記下限値以上であれば、耐熱性と低線熱膨張率発現の点でさらに優れた性能が期待できる。結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求めることができる(Segalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
(繊維幅)
本実施形態の微細繊維状セルロースは、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅(平均繊維径)が200nm以下のセルロースである。微細繊維状セルロースの平均繊維幅は100nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。微細繊維状セルロースの平均繊維幅が前記上限値を超えると、微細繊維状セルロースとしての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
一方、微細繊維状セルロースの平均繊維幅は1nm以上であり、2nm以上であることが好ましい。微細繊維状セルロースの平均繊維幅が前記下限値未満であると、セルロース分子として水に溶解してしまうため、微細繊維状セルロースとしての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
微細繊維状セルロースの電子顕微鏡観察による平均繊維幅の測定は以下のようにして行う。微細繊維状セルロース含有スラリーを調製し、該スラリーを親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストして透過型電子顕微鏡(TEM)観察用試料とする。幅広の繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面の操作型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍、20000倍、50000倍あるいは100000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の幅(繊維の短径)を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維幅を読み取る。このように読み取った繊維幅を平均して平均繊維幅を求める。
微細繊維状セルロースの最大繊維幅は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。微細繊維状セルロースの最大繊維幅が前記上限値以下であれば、エマルション樹脂と混ぜ合わせて得た複合樹脂の強度が高く、また、複合樹脂の透明性を確保しやすいため、透明用途に好適である。
(重合度)
微細繊維状セルロースの重合度は50以上500以下であり、50以上500未満であることが好ましく、100以上460以下であることがより好ましく、150以上400以下であることがさらに好ましい。微細繊維状セルロースの重合度が前記下限値未満であると、「繊維状」とはいえず、補強剤として使用することが困難になる。一方、微細繊維状セルロースの重合度が前記上限値以上であると、微細繊維状セルロースをスラリー化したときのスラリー粘度が高くなりすぎて分散安定性が低くなる。また、エマルション樹脂と混合した際に凝集物を形成することもある。
微細繊維状セルロースの重合度は、以下の方法により測定する。
微細繊維状セルロース(遠心分離後の上澄み液、濃度約0.5質量%をポリ四フッ化エチレン製シャーレ上に展開し、60℃にて乾燥して、ドライシートを得る。得られたドライシートを分散媒に分散させて、Tappi T230に従い、パルプ粘度を測定する。また、前記分散媒のみで粘度を測定してブランクテストを行い、ブランク粘度を測定する。パルプ粘度をブランク粘度で割った数値から1を引いて比粘度(ηsp)とし、下記式を用いて、固有粘度([η])を算出する。
[η]=ηsp/(c(1+0.28×ηsp))
式中のcは、粘度測定時のセルロース濃度を示す。
そして、下記式から本発明における重合度(DP)を算出する。
DP=1.75×[η]
この重合度は、粘度法によって測定された平均重合度であることから、「粘度平均重合度」と称されることもある。
(平均繊維長)
微細繊維状セルロースの平均繊維長は、0.03〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。平均繊維長が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースを樹脂に配合した際の強度向上効果が充分に得られる。平均繊維長が前記上限値以下であれば、微細繊維状セルロースを樹脂に配合した際の分散性がより良好となる。繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
(平均アスペクト比)
微細繊維状セルロースの平均アスペクト比は10〜300の範囲内であることが好ましく、25〜250の範囲内であることがより好ましく、50〜200の範囲が最も好ましい。平均アスペクト比が前記下限値以上であれば、樹脂やゴムの補強剤として、より好適になる。軸比が前記上限値以下であれば、スラリー化したときの粘度がより低くなる。
平均アスペクト比は、以下の方法により求める。
すなわち、前記電子顕微鏡画像から観察された各々の繊維についてランダムに40本を選んで、各々のアスペクト比、つまり(繊維長)/(繊維幅)を求める。本発明の平均アスペクト比は、前記40本のアスペクト比の平均値である。
(式(1)で表される極性基)
第1実施形態の微細繊維状セルロースは、上記式(1)で表される極性基(以下、「極性基(1)」という。)を有する。
第1実施形態の微細繊維状セルロースにおける極性基(1)の含有量は0.06〜2.0mmol/gであり、0.1〜1.0mmol/gであることが好ましく、0.2〜0.6mmol/gであることがより好ましい。極性基(1)の含有量が前記範囲であることにより、微細繊維状セルロースの水和性が高くなり過ぎず、スラリー化した際の粘度が低くなる。極性基(1)の含有量が前記上限値を超えると、水和性が高くなりすぎて微細繊維状セルロースが溶解するおそれがある。
極性基(1)の含有量は、セルロース1g当たりの極性基(1)の含有量であり、TAPPI T237 cm−08(2008)を応用して測定する。具体的には、セルロースに導入された酸性基の導入量をより広範囲まで測定可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液を、水酸化ナトリウム1.60gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液に変更し、さらに極性基(1)導入前後のセルロース繊維における測定値の差を実質的な極性基(1)含有量とした以外は、TAPPI T237 cm−08(2008)に準じて測定する。
また、当該酸性基含有量測定方法は、基本的には1価の酸性基(カルボキシ基)の導入量測定方法であることから、多価の酸性基である極性基(1)の導入量は、前記1価の酸性基の含有量として得られた極性基(1)含有量を、極性基(1)の酸価数2で除した数値とする。
極性基(1)において、pは1または2である。
p+ 2/pは、p=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、p=2のとき、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等)の陽イオンまたは多価金属(例えば、鉄、アルミニウム等)の陽イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
前記Xp+ 2/pの中でも、p=1のものが好ましく、さらには、アルカリとして物質が汎用的かつ安価であり、また微細繊維状セルロースの収率も向上することから、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびアンモニウムイオンがより好ましい。
本実施形態の微細繊維状セルロースは、本発明の効果を損なわない範囲で、極性基(1)及びセルロースが元々有するヒドロキシ基以外の他の極性基を有しても構わない。
(微細繊維状セルロースの製造方法)
上記微細繊維状セルロースを製造する方法としては、分解工程と極性基導入工程とアルカリ処理工程と解繊工程とを有する製造方法が挙げられる。
以下、各工程について詳細に説明する。
[セルロース原料]
微細繊維状セルロースの原料(以下、「セルロース原料」という。)としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましい。
セルロース原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
[分解工程]
分解工程は、セルロース原料に含まれるセルロースを分解する工程である。分解工程としては、目的の重合度及び極性基含有量が得られやすいことから、酵素を用いてセルロースを分解する酵素処理、または、硫酸を用いてセルロースを分解する硫酸処理を施すことが好ましい。特に、上記微細繊維状セルロースが容易に得られることから、酵素処理がより好ましい。酵素処理及び硫酸処理以外の処理でセルロースを分解しても構わない。酵素処理及び硫酸処理以外の処理としては、加熱加圧状態から瞬時に非加圧状態とする爆砕処理などが挙げられる。
分解工程において酵素処理を施す場合、酵素反応効率を向上させるために、酵素処理の前に機械的破砕処理を施すことが好ましい。粉砕方法は乾式、湿式のいずれでもよい。
粉砕処理に用いる粉砕機としては、グラインダー、圧力ホモジナイザー、シュレッダー、カッターミルなどのせん断式粉砕機、ジョークラッシャーやコーンクラッシャーなどの圧縮式粉砕機、インパクトクラッシャーなどの衝撃式粉砕機、あるいはロールミル、スタンプミル、エッジランナーミル、ロッドミルなどの中砕機等が挙げられ、これらの中から、最終の用途やコストの点から適宜選択することができる。
また、粉砕機として、パルプを離解する離解機あるいは、パルプを叩解するリファイナーを使用することもできる。
また、酵素処理の前には、セルロース原料を分散媒で希釈して、セルロース濃度が0.2〜20質量%の分散液にすることが好ましい。分散媒としては水、有機溶剤のいずれも使用できるが、水が好ましい。
酵素処理で使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
酵素処理で使用するセルロース分解酵素は、各種セルロース分解酵素を、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で混合して調製してもよいが、市販のセルラーゼ製剤を用いてもよい。市販されているセルラーゼ製剤には、上記した各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム属(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス属(Trametes)、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
酵素または酵素混合物のエンド型グルカナーゼの活性(以下、「EG活性」という。非晶部に対する分解活性)とセロビオヒドロラーゼの活性(以下、「CBHI活性」という。結晶部に対する分解活性)の比(EG活性/CBHI活性)が0.06以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、1以上であることがさらに好ましい。EG活性とCBHI活性の比が前記下限値以上であれば、酵素処理後のセルロース繊維のアスペクト比が大きくなり、微細繊維状セルロースの収率が高くなる。
EG活性とCBHI活性の比は20以下が好ましく、10以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。
上記EG活性は下記のように測定される。
濃度1%(W/V)のカルボキシルメチルセルロース(CMCNa High viscosity; Cat No 150561, MP Biomedicals, Inc.)の基質溶液(濃度100mM、pH5.0の酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液含有)を調製する。測定用酵素を予め緩衝液(前記同様)で希釈する(希釈倍率は下記酵素溶液の吸光度が下記グルコース標準液から得られた検量線に入ればよい)。90μlの前記基質溶液に前記希釈して得られた酵素溶液10μlを添加し、37℃、30分間反応させる。
検量線を作成するために、イオン交換水(ブランク)、グルコース標準液(濃度0.5〜5.6mMから少なくとも濃度が異なる標準液4点)を選択し、それぞれ100μlを用意し、37℃、30分間保温する
前記反応後の酵素含有溶液、検量線用ブランクおよびグルコース標準液に、それぞれ300μlのDNS発色液(1.6質量%のNaOH、1質量%の3,5−ジニトロサリチル酸、30質量%の酒石酸カリウムナトリウム)を加えて、5分間煮沸し発色させる。発色後直ちに氷冷し、2mlのイオン交換水を加えてよく混合する。30分間静置した後、1時間以内に吸光度を測定する。
吸光度の測定は96穴マイクロウェルプレート(269620、NUNC社製)に200μlを分注し、マイクロプレートリーダー(infiniteM200、TECAN社製)を用い、540nmの吸光度を測定する。
ブランクの吸光度を差し引いた各グルコース標準液の吸光度とグルコース濃度を用い検量線を作成する。酵素溶液中のグルコース相当生成量は酵素溶液の吸光度からブランクの吸光度を引いてから検量線を用いて算出する(酵素溶液の吸光度が検量線に入らない場合は前記緩衝液で酵素を希釈する際の希釈倍率を変えて再測定を行う)。1分間に1μmoleのグルコース等量の還元糖を生成する酵素量を1単位と定義し、下記式からEG活性を求める。
EG活性=緩衝液で希釈して得られた酵素溶液1mlのグルコース相当生成量(μmole)/30分×希釈倍率
[福井作蔵, “生物化学実験法 (還元糖の定量法)第二版 ”, 学会出版センター、p23〜24 (1990年)参照]
上記CBHI活性は下記のように測定される。
96穴マイクロウェルプレート(269620、NUNC社製)に1.25mMの4−メチル−ウンベリフェリル−セルロビオサイド(濃度125mM、pH5.0の酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液に溶解した)32μlを分注し、100mMのグルコノ−1,5−ラクトン4μlを添加する。さらに、前記同様の緩衝液で希釈(希釈倍率は下記酵素溶液の蛍光発光度が下記標準液から得られた検量線に入ればよい)した測定用酵素液4μlを加え、37℃、30分間反応させた後、500mMのグリシン−NaOH緩衝液(pH10.5)200μlを添加し、反応を停止させる。
前記同様の96穴マイクロウェルプレートに検量線の標準液として4−メチル−ウンベリフェロン標準溶液40μl(濃度0〜50μMの少なくとも濃度が異なる標準液4点)を分注し、37℃、30分間加温した後、500mMのグリシン−NaOH緩衝液(pH10.5)200μlを添加する。
マイクロプレートリーダー(FluoroskanAscentFL、Thermo−Labsystems社製)を用い、350nm(励起光460nm)における蛍光発光度を測定する。標準液のデータから作成した検量線を用い、酵素溶液中の4−メチル−ウンベリフェロン生成量を算出する(酵素溶液の蛍光発光度が検量線に入らない場合は希釈率を変えて再測定を行う)。1分間に1μmolの4−メチル−ウンベリフェロンを生成する酵素の量を1単位とし、下記式からCBHI活性を求める。
CBHI活性=希釈後酵素溶液1mlの4−メチル−ウンベリフェロン生成量(μmole)/30分×希釈倍率
硫酸処理によってセルロースを分解する場合、具体的には、硫酸水溶液にセルロース原料を添加し、加熱する。
硫酸水溶液の濃度としては、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。硫酸水溶液の濃度が前記下限値以上であれば、充分にセルロースを分解でき、前記上限値以下であれば、取り扱い性に優れる。
硫酸処理の際の加熱温度は、10〜120℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。加熱温度が前記下限値以上であれば、セルロースの分解反応を容易に制御できる。加熱においては、硫酸水溶液における水の消失を防ぐために、蒸発した水分を凝縮させて還流することが好ましい。
[極性基導入工程]
極性基導入工程は、分解工程後のセルロース原料を、リン原子を含むオキソ酸(以下、「リンオキソ酸」という。)またはその塩で処理することによって、セルロースに極性基(1)を形成する工程である。
極性基導入工程では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、少なくとも(HPO2−を有するリンオキソ酸またはその塩とが脱水反応して、下記反応式(A)のように、極性基(1)を形成する。
−OH + HPO 2− → −O−PO 2− + HO (A)
リンオキソ酸としては、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸などが挙げられる。
リンオキソ酸の塩としては、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アルカリ塩などが挙げられる。
リンオキソ酸またはその塩は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記の中でも、低コストで扱い易く、リン酸基の導入効率が高まることからリン酸または/およびリン酸のナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
セルロース原料に対するリンオキソ酸またはその塩の質量割合は、セルロース原料100質量部に対してリンオキソ酸またはその塩が、リン元素量として0.2〜500質量部が好ましく、1〜400質量部がより好ましく、2〜200質量部が最も好ましい。リンオキソ酸またはその塩の割合が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えても、収率向上の効果は頭打ちとなり、無駄にリンオキソ酸またはその塩を使用するだけである。
極性基導入工程における加熱処理温度は、セルロースの熱分解温度の点から、250℃以下であることが好ましい。また、セルロースの加水分解を抑える観点から、加熱処理温度は100〜170℃であることが好ましい。さらに、加熱処理の際にリンオキソ酸またはその塩を添加した系に水が含まれている間の加熱については、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下で加熱して充分にスラリーの水分を除去乾燥するとよい。その後は、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。また、スラリー中の水分を除く際には減圧乾燥機を用いてもよい。
また、加熱処理の際には系に尿素などの高温で溶融する有機化合物を共存させても構わない。高温で溶融する有機化合物を共存させると、セルロースが膨潤し、また該有機化合物が溶融することで固液反応場を提供でき、リン酸基形成の効率を向上させることができる。
[アルカリ処理工程]
アルカリ処理工程は、極性基を形成したセルロースを、Xp+・(OHで表されるアルカリ化合物を含むアルカリ溶液によって処理する工程である。該アルカリ処理によって、セルロースに極性基(1)が形成される。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、極性基を形成したセルロースを浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ化合物におけるXp+は、p=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、p=2または3のとき、アルカリ土類金属イオンまたは多価金属イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。なお、Xp+が、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、アルカリ土類金属の陽イオンまたは多価金属の陽イオンのものは無機アルカリ化合物であり、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンのものは有機アルカリ化合物である。
上記アルカリ金属の陽イオンを含むアルカリ化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の陽イオンを含むアルカリ化合物として、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
多価金属の陽イオンを含むアルカリ化合物としては、水酸化アルミニウム/水酸化ナトリウムの水溶液などが挙げられる。
アンモニウムイオンを含むアルカリ化合物としては、アンモニア水が挙げられる。
脂肪族アンモニウムイオンを含むアルカリ化合物として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
芳香族アンモニウムイオンを含むアルカリ化合物としては、フェニルアミン(アニリン)、ジフェニルアミン、およびトリフェニルアミン等の水溶液が挙げられる。
アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよいが、極性溶媒(水、アルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液およびアンモニア水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程では、極性基導入工程によって形成した全リン酸基を中和するように、アルカリ溶液のアルカリ化合物濃度を調整する。
アルカリ化合物が無機アルカリ化合物である場合には、アルカリ溶液における無機アルカリ化合物の濃度を、0.01〜5質量%とすることが好ましく、0.05〜3質量%とすることがより好ましい。無機アルカリ化合物の濃度を前記下限値以上とすれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上でき、前記上限値以下とすれば、pHが過度に高くなることを抑制でき、アルカリ溶液の取り扱い性が良好になる。
アルカリ化合物が有機アルカリ化合物である場合には、アルカリ溶液における有機アルカリ化合物の濃度を、0.01〜5質量%とすることが好ましく、0.05〜3質量%とすることがより好ましい。有機アルカリ化合物の濃度を前記下限値以上とすれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上でき、前記上限値以下とすれば、pHが過度に高くなることを抑制でき、アルカリ溶液の取り扱い性が良好になる。
アルカリ溶液の25℃におけるpHは9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11〜14であることがさらに好ましい。アルカリ溶液のpHが前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率がより高くなり、pHが14以下であれば、アルカリ溶液の取り扱い性が良好になる。
[解繊工程]
解繊工程は、アルカリ処理後のセルロースを微細化して解繊する工程である。
微細化する前のセルロースは、水で希釈されて、セルロース濃度が0.1〜1.0質量%の分散液にされることが好ましい。セルロース濃度は、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることがさらに好ましい。セルロース濃度が前記下限値以上であれば、解繊効率が高くなり、前記上限値以下であれば、解繊処理中の粘度の上昇を防ぐことができる。
微細化方法としては、各種粉砕装置を用いる方法が挙げられる。粉砕装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなど、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。これらのなかでも、特に、高圧ホモジナイザー、高速回転型解繊機あるいは両者併用が好ましい。
高圧ホモジナイザーは、酵素処理した分散液を加圧し、その加圧した分散液を急激に減圧することにより微細化する装置である。高圧ホモジナイザー処理は1回でもよいが、複数回繰り返すことにより、微細化度をさらに上げて所望の繊維幅の微細繊維を容易に得ることができる。繰り返し数が多い程、微細化の程度を上げることができるが、繰り返し数が多すぎると、コスト高となる。
高圧ホモジナイザーの具体例としては、スギノマシン社製の「スターバースト」、イズミフードマシナリ社製の「高圧ホモゲナイザー」、Rannie社製の「ミニラボ8.3H型」に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、Microfluidics社製の「マイクロフルイダイザー」、吉田機械興業社製の「ナノマイザー」、スギノマシン社製の「アルティマイザー」、白水化学社製の「ジーナスPY」、日本ビーイーイー社製の「DeBEE2000」、NiroSoavi社の「Arieteシリーズ」等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
高速回転型解繊機は、酵素処理した分散液を高速回転させながら狭い空隙を通すことにより高いせん断速度を発生させる装置である。高速回転型解繊機としては、回転体と固定部の間の空隙に処理対象となる分散液を通過させるタイプのものが挙げられる。また、高速回転型解繊機としては、一定方向に回転する内側回転体と、内側回転体の外側を内側回転体とは逆に回転する外側回転体とを有し、内側回転体と外側回転体の間の空隙に処理対象となるパルプ繊維を通過させて分散させるタイプのものが挙げられる。
高速回転型解繊機としては、例えば、エム・テクニック社製の「クレアミックス」、プライミクス社製の「TKロボミクス」、「フィルミックス」、大平洋機工社製の「マイルダー」、「キャビトロン」、「シャープフローミル」等が挙げられる。
解繊処理の後には、平均繊維径および最大繊維径が小さい微細繊維状セルロースが容易に得られることから、解繊処理した分散液を遠心分離することが好ましい。
(作用効果)
本実施形態の微細繊維状セルロースは、重合度が小さめであると共に、極性基(1)の含有量が前記範囲であり、高過ぎない水和性を有するため、スラリー化した際の粘度が低くなる。そのため、スラリーを容易に高濃度化でき、取り扱い性を向上させることもできる。
特許文献1に記載の微細繊維状セルロースでは、重合度が大きく、また、極性基を有さず、水和性が低いため、スラリー化した際の粘度が高かったと思われる。
また、従来、微細繊維状セルロースの重合度が大きい程、エマルション樹脂と混合することにより得られる繊維強化複合樹脂の機械的物性が高くなると思われていた。ところが、本発明者らが調べた結果、微細繊維状セルロースの重合度が大きいと、エマルション樹脂に混合した際に凝集物を形成しやすく、機械的強度向上効果が充分に発揮されないケースがあることが判明した。本実施形態の微細繊維状セルロースは重合度が小さいため、エマルション樹脂に混合した際に凝集物を形成しにくい。そのため、得られる繊維強化複合樹脂の機械的物性を充分に向上させることができ、また、良好な外観を容易に得ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の微細繊維状セルロースは、極性基(1)の代わりに下記式(2)で表される極性基(以下、「極性基(2)」という。)を有する以外は、第1実施形態の微細繊維状セルロースと同様のものである。
第2実施形態の微細繊維状セルロースにおける極性基(2)の含有量は0.06〜2.0mmol/gであり、0.1〜1.0mmol/gであることが好ましく、0.2〜1.0mmol/gであることがより好ましい。極性基(2)の含有量が前記範囲であることにより、微細繊維状セルロースの水和性が高くなり過ぎず、スラリー化した際の粘度が低くなる。極性基(2)の含有量が前記上限値を超えると、微細繊維状セルロースが溶解して、粘度が高くなる傾向にある。
極性基(2)の含有量は、セルロース1g当たりの極性基(2)の含有量であり、TAPPI T237 cm−08(2008)を応用して測定する。具体的には、セルロースに導入された酸性基の導入量をより広範囲まで測定可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液を、水酸化ナトリウム1.60gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液に変更し、さらに極性基(2)導入前後のセルロース繊維における測定値の差を実質的な極性基(2)含有量とした以外は、TAPPI T237 cm−08(2008)に準じて測定する。
極性基(2)において、qは1〜3の自然数である。
q+は、q=1のとき、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等)の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、q=2または3のとき、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等)の陽イオンまたは多価金属(例えば、鉄、アルミニウム等)の陽イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
前記Yq+の中でも、q=1のものが好ましく、さらには、アルカリとして物質が汎用的かつ安価であり、また微細繊維状セルロースの収率も向上することから、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびアンモニウムイオンがより好ましい。
極性基(2)におけるRは、後述する極性基導入工程において使用するカルボン酸系化合物の2つのカルボキシ基の間を連結する基であって、各カルボン酸系化合物に由来する基である。具体的には、飽和−直鎖状炭化水素基(例えばマロン酸、コハク酸などに由来)、飽和−分岐鎖状炭化水素基(例えば2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸等に由来)、飽和−環状炭化水素基(例えば1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等に由来)、不飽和−直鎖状炭化水素基(例えばマレイン酸、フマル酸等に由来)、不飽和−分岐鎖状炭化水素基(例えば2−メチル−2−ブテン二酸、イタコン酸等に由来)、芳香族基(例えばフタル酸、イソフタル酸等に由来)、及びそれらに対してカルボキシ基やヒドロキシル基等の官能基が付加した誘導体基(例えばクエン酸、ピロメリット酸等に由来)、または単結合(例えばシュウ酸等に由来)が挙げられる。
極性基(2)におけるRを構成する炭素原子数は20以下であることが好ましく、10以下であることより好ましい。Rを構成する炭素原子数が20を超える場合には、カルボン酸化合物の分子が大きくなりすぎて、セルロース原料に浸透しにくくなるおそれがある。なお、Rを構成する炭素原子数が0のときは単結合であり、Rの両側のエステル基とカルボキシ基は直接結合している。
本実施形態の微細繊維状セルロースは、本発明の効果を損なわない範囲で、極性基(2)及びセルロースが元々有するヒドロキシ基以外の他の極性基を有しても構わない。他の極性基としては、カルボキシ基、アルデヒド基等が挙げられる。他の極性基の含有量は、0.1mmol/g以下であることが好ましい。
セルロースは、カルボキシ基を導入する処理を施さなくても、少量(具体的には0.1mmol/g未満)のカルボキシ基を有している。全極性基の含有量が多くなると、微細繊維状セルロースをスラリー化した際の粘度が高くなる。そのため、本実施形態の微細繊維状セルロースの極性基は、他の極性基を有さず、極性基(2)、セルロースが元々有するヒドロキシ基、及びカルボキシ基のみであることが好ましい。
(微細繊維状セルロースの製造方法)
本実施形態の微細繊維状セルロースを製造する方法としては、極性基導入工程とアルカリ処理工程と解繊工程とを有する製造方法が挙げられる。
本実施形態の製造方法で使用されるセルロース原料は、第1実施形態の製造方法で使用されるセルロース原料と同様である。本実施形態におけるアルカリ処理工程及び解繊工程は、第1実施形態の微細繊維状セルロースを製造する際のアルカリ処理工程と解繊工程と同様である。ただし、アルカリ処理工程では、極性基導入工程によって形成した全カルボン酸基を中和する。
なお、本実施形態における製造方法では、第1実施形態における製造方法とは異なり、分解工程を有さなくてもよい。極性基導入工程とアルカリ処理工程と解繊工程のみで重合度が50以上500以下にならない場合には、分解工程を有してもよい。
[極性基導入工程]
極性基導入工程は、セルロース原料をカルボン酸系化合物により処理して、セルロースに極性基(2)を形成する工程である。
セルロース原料をカルボン酸系化合物により処理する方法としては、セルロース原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法、セルロース原料のスラリーにカルボン酸系化合物を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、工程が簡便で且つカルボキシ基導入の効率が高くなることから、セルロース原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法が好ましい。カルボン酸系化合物をガス化する方法としては、カルボン酸系化合物を加熱する方法が挙げられる。
極性基導入工程において使用するカルボン酸系化合物は、2つのカルボキシ基を有する化合物、2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。2つのカルボキシ基を有する化合物の中では、2つのカルボキシ基を有する化合物(ジカルボン酸化合物)が好ましい。
2つのカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物や複数のカルボキシ基を含む化合物の酸無水物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
セルロース原料に対するカルボン酸系化合物の質量割合は、セルロース原料100質量部に対して、カルボン酸系化合物が0.1〜500質量部であることが好ましく、10〜200質量部であることがより好ましい。カルボン酸系化合物の割合が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えても、収率向上の効果は頭打ちとなり、無駄にカルボン酸系化合物を使用するだけである。
極性基導入工程の際に用いる装置は特に限定されないが、例えば、攪拌羽根を有する加熱反応容器や回転式加熱反応容器、加熱ジャケットを有する圧力容器や回転式圧力容器、加温ジャケットを有する一軸ミキサーおよび二軸ミキサー、あるいは二軸押出機、多軸混練押出機、加圧ニーダー、双腕式ニーダーなどの加熱装置を有する混練装置を用いてもよい。
処理温度は、セルロースの熱分解温度の点から、250℃以下であることが好ましい。さらに、処理の際に水が含まれている場合には、80〜200℃にすることが好ましく、100〜170℃にすることがより好ましい。
極性基導入工程においては、必要に応じて触媒を用いることもできる。触媒としてはピリジンやトリエチルアミン、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性触媒や、酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることが好ましい。
(作用効果)
本実施形態の微細繊維状セルロースは、重合度が小さめであると共に、極性基(2)の含有量が前記範囲であり、高過ぎない水和性を有するため、スラリー化した際の粘度が低くなる。そのため、スラリーを容易に高濃度化でき、取り扱い性を向上させることもできる。
また、本実施形態の微細繊維状セルロースは重合度が小さいため、エマルション樹脂に混合した際に凝集物を形成しにくい。そのため、得られる繊維強化複合樹脂の機械的物性を充分に向上させることができ、また、良好な外観を容易に得ることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、以下の例において、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」のことである。
(実施例1)
リン酸二水素ナトリウム二水和物1.69g、リン酸水素二ナトリウム1.21gを3.39gの水に溶解させ、リン酸系化合物の水溶液(以下、「リン酸化試薬」という。)を得た。このリン酸化試薬のpHは25℃で6.0であった。
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を、100℃で0.3mol/Lの硫酸水溶液中で15分間還流しながら加熱した後、イオン交換水で充分に洗浄して、硫酸処理パルプを得た。得られた硫酸処理パルプを含水率が80%になるようイオン交換水で希釈し、パルプスラリーを得た。このパルプスラリー15gに前記リン酸化試薬6.29g(乾燥パルプ100部に対してリン元素量として20部)を加え、105℃の送風乾燥機(ヤマト科学株式会社 DKM400)を用い、15分おきに混練しながら質量が恒量となるまで乾燥させた。次いで、150℃の送風乾燥機で1時間加熱処理して、セルロースにリン酸基を導入した。
次いで、リン酸基を導入したセルロースに300mlのイオン交換水を加え、攪拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを300mlのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlを少しずつ添加し、pHが12〜13のアルカリ処理パルプ分散液を得た。このアルカリ処理パルプ分散液を脱水し、300mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに2回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加した後、攪拌して、0.5%のスラリーを得た。このパルプスラリーを、解繊処理装置(エム・テクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用い、21500回転/分の条件で30分間解繊処理して、微細繊維状セルロース分散液を得た。
(実施例2)
針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を、イオン交換水を加えて絶乾固形分1%のスラリーとした。そのスラリーに、エンドグルカナーゼ(Genencor社製GCExtra)を絶乾固形分の1%相当量を加え、撹拌しながらpH5、50℃の条件で6時間処理した後、イオン交換水で充分に洗浄して酵素処理パルプを得た。
得られた酵素処理パルプを含水率が80%になるようイオン交換水で希釈して、酵素処理パルプ分散液を得た。この酵素処理パルプ分散液15gに、実施例1で使用したのと同様のリン酸化試薬6.29g(乾燥パルプ100部に対してリン元素量として20部)を加え、105℃の送風乾燥機(ヤマト科学株式会社 DKM400)を用い、15分おきに混練しながら質量が恒量となるまで乾燥させた。次いで、150℃の送風乾燥機で1時間加熱処理して、セルロースにリン酸基を導入した。
次いで、リン酸基を導入したセルロースに300mlのイオン交換水を加え、攪拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを300mlのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlを少しずつ添加し、pHが12〜13のアルカリ処理パルプ分散液を得た。このアルカリ処理パルプ分散液を脱水し、300mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに2回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加した後、攪拌して、0.5%のスラリーを得た。このパルプスラリーを、解繊処理装置(エム・テクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用い、21500回転/分の条件で30分間解繊処理して、微細繊維状セルロース分散液を得た。
(実施例3)
広葉樹クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)600ml)を、105℃で3時間乾燥させて水分3%以下の乾燥パルプを得た。次いで、2gの無水マレイン酸をアセトン4gに溶解させて得た無水マレイン酸溶液を前記乾燥パルプ4gに滴下し、攪拌して、乾燥パルプに無水マレイン酸溶液を染み込ませた。次いで、40℃で30分乾燥させることによりアセトンを揮発させた後に、オートクレーブに充填し、100℃のオーブンにオートクレーブごと入れて、2時間処理した。これにより、セルロースにカルボキシ基を導入した。
次いで、0.8%の水酸化ナトリウム水溶液250mLに、無水マレイン酸で処理した乾燥パルプを分散してスラリー状とし、得られたスラリーを攪拌して、パルプをアルカリ処理した。スラリーのpHは12.5程度であった。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。
次いで、水で洗浄後のパルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度0.5%のスラリーを調製した。そのスラリーを、解繊処理装置(エム・テクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間解繊処理した。そして、冷却高速遠心分離機(コクサン社製、H−2000B)を用いて12000Gで10分間遠心分離してから上澄みを回収して、微細繊維状セルロース分散液を得た。
(比較例1)
硫酸水溶液による処理工程を省いた以外は実施例1と同様にして微細繊維状セルロース分散液を得た。
<評価>
[透過型電子顕微鏡観察、結晶形態の確認]
各例微細繊維状セルロース分散液にイオン交換水を添加して固形分濃度0.2%に調整した後、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000G×10分間の条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収した。その上澄み液を水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。乾燥後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL−2000EX)により観察した。その結果、各例の微細繊維状セルロースは、幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることが確認された。
また、各例の微細繊維状セルロースは、X線回折によりセルロースI型結晶を維持していることが確認された。
各実施例及び各比較例において得られた微細繊維状セルロースについて、平均繊維幅、重合度、極性基の含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
また、各実施例及び各比較例において得られたシートについて、シートの引張強度、分散液の粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
[平均繊維幅]
平均繊維幅については、上記段落[0010]に記載の方法で測定した。
[重合度]
重合度については、上記段落[0012]に記載の方法で測定した。
[極性基含有量]
極性基含有量は、極性基(1)については上記段落[0016]に記載の方法で、極性基(2)については上記段落[0045]に記載の方法で測定した。
[分散液の粘度]
濃度0.5%に調整した分散液について粘度を測定した。粘度の測定では、B型粘度計を用い、JIS K7117−1に準じて測定した。
Figure 0006213641
平均繊維幅が200nm以下、重合度が50以上500以下、極性基(1)または極性基(2)の含有量が0.06〜2.0mmol/gである実施例1〜3では、スラリー化した際の分散液の粘度が低かった。
重合度が722である比較例1では、スラリー化した際の分散液の粘度が高かった。

Claims (1)

  1. 微細繊維状セルロースとエマルション樹脂を含み、
    前記微細繊維状セルロースは、平均繊維幅が2〜20nm、重合度が150〜400であり、下記式(1)で表される極性基または下記式(2)で表される極性基をセルロースのエステル置換基として有し、前記極性基の含有量が0.1〜1.0mmol/gである、繊維強化複合樹脂。
    式(1) (−O−PO 2−)・Xp+ 2/p
    式(2) (−OCO−R−COO・Yq+
    (ここで、pは1または2である。Xp+ p/2は、p=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、p=2のとき、アルカリ土類金属の陽イオンまたは多価金属の陽イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。qは1〜3の自然数。Yq+は、q=1のとき、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオン、芳香族アンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、q=2または3のとき、アルカリ土類金属イオンまたは多価金属イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。Rは、不飽和−直鎖状炭化水素基であり、Rを構成する炭素数が2である。)
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