JP6102719B2 - ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物 - Google Patents

ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6102719B2
JP6102719B2 JP2013260262A JP2013260262A JP6102719B2 JP 6102719 B2 JP6102719 B2 JP 6102719B2 JP 2013260262 A JP2013260262 A JP 2013260262A JP 2013260262 A JP2013260262 A JP 2013260262A JP 6102719 B2 JP6102719 B2 JP 6102719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
cellulose
cellulose fiber
dispersion
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013260262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014139303A (ja
Inventor
日出子 赤井
日出子 赤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013260262A priority Critical patent/JP6102719B2/ja
Publication of JP2014139303A publication Critical patent/JP2014139303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102719B2 publication Critical patent/JP6102719B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明はゴムの改質剤に関し、詳しくはセルロース繊維を用いたゴム改質剤に関する。
本発明はまた、このゴム改質剤を含むゴム改質剤分散液、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物、及び加硫ゴム組成物に関する。
ゴムに繊維を混合して硬度やモジュラスなどを改善する技術は既に知られており、径が太い繊維はゴムへ分散しやすいが、耐疲労性などの物性が低下し、径が細いと逆に耐疲労性は向上するが、繊維同士が凝集したり、絡まったりしてゴムへの分散性が悪化する傾向がある。
そこで、特許文献1では、断面が海島構造を持つ混紡糸繊維をゴムに分散させて、混合時の剪断力によってフィブリル化させることによってゴムとの接触面積を増し、分散性と耐疲労性を両立させた繊維が提案されている。しかしながら、この繊維は樹脂の相分離によって海島構造を形成するため、太さや長さが不均一であり、直径は1μm及び0.7μmと太く、ゴムとの接触面積が十分大きいとは言えず、大きな補強効果は期待できない。
特許文献2には、耐摩耗性向上を目的として補強剤である澱粉と共に0.1μmと微細な直径をもつバクテリアセルロースをジエン系ゴムに混ぜると、澱粉単独で配合する場合に比べて耐摩耗性指数が向上することが開示されている。しかし、セルロース単体では加工性に問題があるとされ、澱粉をセルロースの5倍以上配合している。バクテリアセルロースは水中ではナノサイズに分散しているが、ゴム中では凝集しやすい傾向があることから、澱粉の配合によって、分散性の向上を図ったものと考えられるが、この澱粉により補強効果が相殺され、補強効果としては未だ十分ではないと予想される。
一方、特許文献3には、ミクロフィブリル化セルロースの水分散液とゴムラテックスを、混合してから凝固、洗浄、脱水、乾燥してゴム/セルロースマスターバッチを得る方法が開示されている。しかし、ミクロフィブリル化セルロースの水分散液の粘度が高いと、ゴム中によく分散されないという問題があった。
特開平10−7811号公報 特開2005−133025号公報 特開2009−84564号公報
本発明は、セルロース繊維を用いたゴム改質剤であって、破壊強度が高く、エネルギ−ロスの小さいゴム組成物を得ることができるゴム改質剤を提供することを課題とする。
本発明者が鋭意検討した結果、特定の物性を有するセルロース繊維をゴム改質剤として用いることにより、上記課題を解決できることがわかり本発明に到達した。
すなわち、本発明は、未変性セルロース繊維からなるゴム改質剤であって、該セルロース繊維の数平均繊維径は80nm以下であり、該セルロース繊維は、0.1重量%の水分散液としたときの、25℃において測定される、ずり速度100s−1における粘度が3mPa・s未満であることを特徴とするゴム改質剤、に存する。
本発明はまた、該ゴム改質剤を含有するゴム改質剤分散液、該ゴム改質剤とゴムラテックスとを含有するゴムラテックス分散液、該ゴム改質剤とゴムとを含有するゴム組成物、該ゴムラテックス分散液を用いて製造されたゴム組成物、及び該ゴム組成物を加硫して製造された加硫ゴム組成物、に存する。
本発明のゴム改質剤によれば、破壊強度が高く、エネルギ−ロスの小さいゴム組成物を得ることができる
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[ゴム改質剤]
本発明のゴム改質剤は、セルロース繊維からなるゴム改質剤であって、該セルロース繊維の数平均繊維径は80nm以下であり、該セルロース繊維は、0.1重量%の水分散液としたときの、25℃において測定される、ずり速度100s−1における粘度(以下、この粘度を単に「水分散液粘度」と称す場合がある。)が3mPa・s未満であることを特徴とする。
以下に、本発明のゴム改質剤を構成する、数平均繊維径80nm、かつ水分散液粘度3mPa・s未満の条件を満たすセルロース繊維(以下、「本発明のセルロース繊維」と称す場合がある。)の好適物性及びその製造方法について説明する。
<セルロース繊維の数平均繊維長及び数平均繊維径>
本発明のセルロース繊維は、その数平均繊維長が1000nm以下であることが好ましく、900nm以下であることがより好ましい。セルロース繊維の数平均繊維長の下限は通常は200nm以上である。セルロース繊維の繊維長が長くなると、繊維同士がからみあう確率が上がり、水分散液粘度が高くなるため好ましくない。
また、本発明のセルロース繊維は、その数平均繊維径が通常80nm以下であり、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。また、セルロース繊維の数平均繊維径の下限は通常は2nm以上である。セルロース繊維の平均繊維径が大きくなると、ゴム改質効果が小さくなり好ましくない。
尚、セルロース繊維の繊維長及び繊維径は、繊維を乾燥させて、走査型電子顕微鏡(以下SEM)や透過型電子顕微鏡(以下TEM)、原子間力顕微鏡(以下AFM)、X線小角散乱(以下SAXS)等で観察して計測することにより求めることができる。
<セルロース繊維の水分散液粘度>
本発明のセルロース繊維の水分散液粘度は、3mPa・s未満であればよいが、好ましくは2.9mPa・s未満、より好ましくは2.8mPa・s未満、さらに好ましくは2.7mPa・s未満であり、通常は1.0mPa・s以上である。セルロース繊維の水分散液粘度がこの範囲であることにより、破壊強度が高く、エネルギーロスの少ないゴム組成物を提供することができる。
本発明において、セルロース繊維の水分散液粘度は、0.1重量%のセルロース繊維の水分散液に対して、B型粘度計を用い、JIS K7117−1に準拠して、以下の方法で測定される。
例えば、ブルックフィールド社製デジタル粘度計「BROOKFIELD LV VISCOMETER DV−I Prime」を用い、ギャップ間0.0005インチ、温度25℃、サンプル量0.7mlで、60回転/分、100回転/分での粘度をそれぞれ測定し、この値からずり速度100s−1の粘度値を内挿して求める。
このように、水分散液粘度が3mPa・s未満であるセルロース繊維は、例えば、セルロース繊維の繊維長や繊維径を制御したり、特定の処理を施したり、またはセルロースに置換基を導入するなどの方法により製造することができる。
即ち、前述の数平均繊維長、数平均繊維径となるようにセルロース繊維の繊維長や繊維径を制御することで、水分散液としたときの粘度を制御することができるが、単に繊維長のみを短くしたり、繊維径のみを小さくするだけではなく、セルロース繊維の繊維長と繊維径をともに小さくすることが、水分散液粘度3mPa・s未満の条件を満たす上で特に好ましい。
また、前述の数平均繊維長、数平均繊維径を満たす微細セルロース繊維を得るために、後述するような解繊処理を施す際に十分に解繊を行ったり、解繊不良の繊維を除去する操作を行うことが好ましい。即ち、解繊処理における解繊が不十分であるために、繊維同士がくっついていたり、分岐構造があったり、繊維先端のみ解繊されて毛羽立った構造があると、水分散液粘度は高くなるため、このような構造を残さないよう、十分に解繊したり、解繊不良の繊維は除去したりすることが好ましい。
また、繊維同士の相互作用が強いと、水分散液粘度が高くなる場合があるので、相互作用がないような構造が好ましい。ここで、相互作用が強いとは、例えばπ電子相互作用、水素結合やイオン会合しやすい構造を持つ場合などである。これに対して、セルロース繊維が電荷を持つと、繊維同士が反発するため、繊維同士の相互作用は小さくなり好ましい。
<セルロース繊維の製造方法>
以下、本発明のセルロース繊維の製造方法について、具体的に説明する。尚、本発明のセルロース繊維の製造方法については、以下の方法に限定されるものではない。
本発明のセルロース繊維を製造するには、下記に示すようなセルロース含有物から一般的な精製工程を経て不純物を除去したものをセルロース繊維原料として用い、これを解繊処理することが好ましい。
(セルロース含有物)
セルロース含有物としては、例えば、針葉樹や広葉樹等の木質(木粉等)、コットンリンターやコットンリント等のコットン、さとうきびや砂糖大根等の絞りかす、亜麻、ラミー、ジュート、ケナフ等の靭皮繊維、サイザル、パイナップル等の葉脈繊維、アバカ、バナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、竹等の茎幹繊維などの植物由来原料、バクテリアが産生するバクテリアセルロース、バロニアやシオグサ等の海草やホヤの被嚢等の天然セルロースが挙げられる。これらの天然セルロースは、結晶性が高いので低線膨張率、高弾性率になり好ましい。特に、植物由来原料から得られるセルロース繊維が好ましい。
(セルロース繊維原料)
セルロース繊維原料は上記セルロース含有物を通常の方法で精製して得られる。
例えば、ベンゼン−エタノールや炭酸ナトリウム水溶液で脱脂した後、亜塩素酸塩で脱リグニン処理を行い(ワイズ法)、アルカリで脱ヘミセルロース処理をすることにより得られる。また、ワイズ法の他に、過酢酸を用いる方法(pa法)、過酢酸過硫酸混合物を用いる方法(pxa法)なども精製方法として利用される。また、適宜、更に漂白処理等を行うものである。
精製処理には、分散媒として一般的に水が用いられるが、酸または塩基、その他の処理剤の水溶液であってもよく、この場合には、最終的に水で洗浄処理してもよい。
また、セルロース繊維原料は、一般的な化学パルプの製造方法、例えばクラフトパルプ、サリファイドパルプ、アルカリパルプ、硝酸パルプの製造方法によって得られるものであってもよい。
すなわち、セルロース繊維原料としては、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ、広葉樹漂白クラフトパルプ、針葉樹漂白クラフトパルプ、リンターパルプなどを用いてもよい。
また、セルロース繊維原料としては砕木パルプ、例えば、SGW(Stone Groundwood)、あるいは亜硫酸ソーダなどで軽度に化学処理した後、砕木化するCGP(Chemical Groundwood Pulp)等も使用可能であり、針葉樹、広葉樹の砕木パルプが好ましく使用される。
尚、セルロース含有物を木材チップや木粉などの状態に破砕してもよく、この破砕は、精製処理前、処理の途中、処理後、いずれのタイミングで行ってもかまわない。
セルロース含有物を精製して得られるセルロース繊維原料の精製度合いは特に定めはないが、油脂、リグニンが少なく、セルロース成分の含有率が高い方がセルロース繊維原料の着色が少なく好ましい。セルロース繊維原料のセルロース成分の含有率は好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
また、セルロース繊維原料のセルロース成分は結晶性のα−セルロース成分と非結晶性のヘミセルロース成分に分類できる。結晶性のα−セルロース含有率が多い方が、ゴム組成物とした際に低線膨張係数、高弾性率、高強度の効果が得られやすいため好ましい。セルロース繊維原料のα−セルロース含有率は好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
セルロース繊維原料の繊維径は特に制限されるものではないが、通常、数平均繊維径としては1μmから1mmである。一般的な精製を経たものは50μm程度である。
セルロース繊維原料の数平均繊維長は通常、0.1mmから10mm程度である。
(変性セルロース繊維)
本発明のゴム改質剤に用いられる本発明のセルロース繊維は、セルロースの水酸基の一部が他の基で置換された、変性セルロース繊維であってもよい。本発明のゴム改質剤が変性セルロース繊維を含むことで、後工程におけるゴムとの複合化の際、ゴムとの親和性が上がり好ましい。
尚、本発明のゴム改質剤は、未変性セルロース繊維または変性セルロース繊維のみからなるものであってもよく、未変性セルロース繊維と変性セルロース繊維との混合物であってもよい。
変性セルロース繊維を製造するには、例えば、セルロースに対し、化学的処理や酸化処理により、セルロースの水酸基に他の基を導入する。この他の基の導入はセルロース繊維原料に対して行ってもよいし、解繊処理後のセルロース繊維に対して行ってもよい。
セルロースの水酸基に導入する他の基としては、カルボキシ基、アシル基、イソシアネート基、アルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基、アミノ基、カルボン酸基由来の基、リン酸基由来の基などの1種または2種以上が挙げられる。
アシル基として具体的には、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
イソシアネート基として具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等が挙げられる。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。
これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、
ナフトイル基等の炭素数2〜12のアシル基、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基、カルボキシ基、カルボン酸基由来の基、リン酸基由来の基が好ましい。
化学的処理により上記の他の基を導入する方法としては、特に限定されるものではないが、セルロース繊維原料または解繊処理後のセルロース繊維と次に挙げるような化学修飾剤とを反応させる方法がある。この反応条件についても特に限定されるものではないが、必要に応じて溶媒、触媒等を用いたり、加熱、減圧等を行うこともできる。
化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテル、リン酸またはリン酸誘導体よりなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
また、酸化処理等を行うことにより、セルロース繊維を構成するセルロースに対し、カルボキシ基を導入することができる。また、同時にホルミル基が導入される場合もある。
カルボキシ基を有することにより、カルボキシ基の負電荷でセルロース繊維の表面が覆われてセルロース繊維間に反発力が生じるようになるため、水分散液粘度を小さくすることができ、また、ゴムラテックス中への分散性が向上するとともに、解繊性が高まる効果が得られると推測される。
酸化処理の具体的な方法として特に制限はないが、酸化性を有するガス(以下「酸化性ガス」という)にセルロース繊維原料を接触させる方法や、酸化性化学種を含む溶液にセルロース繊維原料を懸濁または浸漬させる方法等が挙げられる。
酸化性ガスとしては、特に限定されるものではないが、オゾン、塩素ガス、フッ素ガス、二酸化塩素、亜酸化窒素等が挙げられ、これらの2種以上を含むものであってもよい。特にオゾンは、空気、酸素ガス、酸素添加空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給することで適時、使用場所で必要量を発生させることができ、また、オゾン発生装置は市販されており、簡便に利用できるので好ましい。
オゾンを酸化性ガスとして用いる場合、オゾンの添加量は、セルロース繊維原料の乾燥質量に対して0.1〜1000重量%であることが好ましく、1〜100重量%がより好ましく、5〜50重量%であることがさらに好ましい。
酸化性化学種としては、一般にアルコールをアルデヒドまたはカルボン酸に酸化することができる試薬を用いることができ、特に限定されるものではないが、六価クロム酸硫酸混液、ジョーンズ試薬(無水クロム酸の硫酸酸性溶液)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC試薬)などのクロム酸酸化試薬、スワーン(Swern)酸化などに使われる活性化ジメチルスルホキシド試薬、また、触媒的な酸化が生じるテトラプロピルアンモニウムペルルテナード(TPAP)や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)などのN−オキシル化合物(特開2008−1728号公報)などが挙げられる。特に、TEMPOによるセルロース繊維の酸化は水分散液中で温和な条件で進行することが知られており好ましい。
上記の酸化処理の後に、さらに酸化処理の工程を追加してもよい。酸化処理の追加によって、セルロース繊維中のホルミル基をカルボキシ基まで酸化することで、より解繊性が向上し、また加熱時の着色を抑制する効果が得られるのでより好ましい。
追酸化処理に用いられる化学種としては、特に限定されるものではないが、亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩が挙げられる。具体的には、亜塩素酸ナトリウムの0.1〜5重量%水溶液を塩酸、酢酸などの酸を加えてpHを4〜5に調製した溶液に、上記酸化処理後のセルロース繊維原料を懸濁させ、一定時間、例えば1〜100時間保持することにより追酸化処理を行うことができる。この追酸化処理時の温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃である。
追酸化処理後のセルロース繊維原料は、水で十分に懸濁洗浄することが好ましい。セルロース繊維原料が強酸性、または強塩基性の状態で保管すると、セルロースの結晶性が低下してしまい、ゴム組成物にした時に高い破壊強度、低いエネルギ−ロスが得られない可能性があるため、洗浄する際には、洗浄した水のpHが4〜9の範囲になるまで洗浄を繰り返すことが好ましい。
上記の酸化処理、追酸化処理は、セルロース繊維原料に対して行ってもよく、解繊処理後のセルロース繊維に対して行ってもよい。
本発明のセルロース繊維を構成するセルロースが、カルボキシ基、リン酸由来の基またはその他の基によって変性されている場合は、セルロース繊維に対して通常0.1〜2.0mmol/gの割合で他の基が導入されていることが好ましい。2種以上の基を有する場合、これらの合計で、セルロース繊維に対し、通常0.1〜2.0mmol/g導入されていることが好ましい。
セルロース繊維への他の基の導入量を多くすることは後工程におけるゴムとの複合化の際、ゴムとの親和性が上がり好ましいが、少な過ぎると、これらの基を導入したことによるゴムとの親和性の向上効果を十分に得ることができない場合がある。
ここで、他の基の導入量、例えば、カルボキシ基またはリン酸由来の基のセルロース繊維への導入量は、以下の方法で求めることができる。
(カルボキシ基の導入量)
カルボキシ基の導入量の算出方法については、TAPPI T237 cm−08(2008) を用いて算出した。具体的には、酸性基(ここではカルボキシ基)の導入数をより広範囲まで算出可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液について、前記試験液の濃度が実質的に4倍となるように、炭酸水素ナトリウム/塩化ナトリウム=3.36g/23.40gに変更し、さらに置換基導入前後のセルロース繊維における算出値の差を実質的な置換基導入量とした以外は、TAPPI T237 cm−08(2008) に準じて算出する。
(リン酸由来の基の導入量)
リン酸由来の基のセルロースへの導入量については、TAPPI T237 cm−08(2008) を用いて算出した。具体的には、セルロースに導入されたリン酸由来の酸性基の導入量をより広範囲まで算出可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液を、水酸化ナトリウム1.60gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液に変更し、さらに置換基導入前後のセルロース繊維における算出値の差を実質的な置換基導入量(1価の酸性基)として、TAPPI T237 cm−08(2008) に準じて算出した。さらに多価の酸性基であるリン酸由来の基の導入量を算出するため、前記得られた置換基導入量を、リン酸由来の基の酸価数で除した数値を、リン酸由来の基の導入量とした。
(酵素処理)
本発明のセルロース繊維を製造する際、後述の解繊処理に先立ち、酵素処理を行ってもよい。
酵素処理は、セルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解によって開裂し、解重合を引き起こすセルラーゼ系酵素を用いて行われ、酵素処理によりセルロース繊維原料を解繊して繊維径、繊維長を小さくすることができる。
酵素処理は、通常、セルロース繊維原料の水分散液に対してセルラーゼ系酵素を添加することにより行われる。
セルラーゼを産生する微生物としては、好気性細菌、嫌気性細菌、動物や昆虫の消化器官に存在するルーメン細菌、放線菌、酵母、糸状菌(子嚢菌や担子菌など)などが挙げられ、それぞれ多様なセルラーゼを産生する。
セルラーゼ系酵素としては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属などが産生するセルラーゼ系酵素が挙げられる。このようなセルラーゼ系酵素は試薬や市販品として購入可能である。例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、セルラーゼ系酵素GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。これらのセルラーゼ系酵素の中でも糸状菌セルラーゼ系酵素が好ましく、糸状菌セルラーゼ系酵素の中でもトリコデルマ菌(Trichoderma reesei、あるいはHyporea jerorina、糸状菌の一種である子嚢菌)が産生するセルラーゼ系酵素はセルラーゼ系酵素の種類が豊富で、産生性も高いため特に好ましい。
ヘミセルラーゼ系酵素とは、ヘミセルロースを加水分解する酵素である。ヘミセルラーゼ系酵素の中でもキシランを分解する酵素であるキシラナーゼ(xylanase)、マンナンを分解する酵素であるマンナーゼ(mannase)、アラバンを分解する酵素であるアラバナーゼ(arabanase)が挙げられる。また、ペクチンを分解する酵素であるペクチナーゼもヘミセルラーゼ系酵素として使用することができる。ヘミセルラーゼ系酵素を産生する微生物はセルラーゼ系酵素も産生する場合が多い。
ヘミセルロースは植物細胞壁のセルロースミクロフィブリル間にあるペクチン類を除いた多糖類である。ヘミセルロースは多種多様で植物の種類や細胞壁の壁層間でも異なる。木材においては針葉樹の2次壁ではグルコマンナンが主成分であり、広葉樹の2次壁では4−O−メチルグルクロノキシランが主成分である。そのため、針葉樹から微細繊維状セルロースを得るためにはマンナーゼを使用する方が好ましく、広葉樹の場合はキシラナーゼを使用する方が好ましい。
セルラーゼ系酵素のセルロース繊維原料に対する添加量は0.1〜3重量%が好ましく、0.3〜2.5重量%がより好ましい。セルラーゼ系酵素の添加量が0.1重量%未満であると酵素による解繊効率が低下するおそれがあり、3重量%を超えて添加するとセルロースが糖化されて、微細セルロース繊維の収率が低下するおそれがある。
セルラーゼ系酵素処理時のセルロース繊維原料の水分散液のpHは弱酸性領域であるpH3.0〜6.9が好ましいが、セルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択してもよい。
また、ヘミセルラーゼ系酵素による処理を行う際のセルロース繊維原料の水分散液のpHは弱アルカリ性領域であるpH7.1〜10.0が好ましいが、ヘミセルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択してもよい。
酵素処理時のセルロース繊維原料の水分散液の温度は30〜70℃が好ましく、35〜65℃がさらに好ましく、40〜60℃が特に好ましい。温度が30℃未満であると酵素活性が低下して処理時間が長くなるので好ましくない。温度が70℃を超えると酵素が失活するので好ましくない。処理時間は酵素の種類や温度、pHで調整するが、30分〜24時間が好ましい。処理時間が30分未満であると酵素処理の効果がほとんど発現しないおそれがある。24時間を超えると酵素によりセルロース繊維の分解が進みすぎて、得られる微細セルロース繊維の数平均繊維長が短くなりすぎるおそれがある。
なお、酵素が活性なままで残留しているとセルロース繊維の分解が進み過ぎるので、所定時間、酵素で反応させた後のセルロース繊維原料の水分散液に20重量%程度の水酸化ナトリウム水溶液を分散液のpHが12程度になるように添加して酵素を失活させるか、あるいはセルロース繊維原料の水分散液の温度を90℃まで上昇させて、失活させる方法が通常とられる。水酸化ナトリウム水溶液を加える方が簡便ではあるが、その後の洗浄処理において脱水性が悪化するおそれがあるので、その対処が必要になる。水洗は、セルロース繊維の2〜4重量倍量の水で行なえばよく、これにより酵素はほとんど残留しなくなる。
(解繊処理)
前述のセルロース繊維原料を、解繊処理することにより、セルロース繊維の数平均繊維径や数平均繊維長を制御することができ、数平均繊維径80nm以下で、水分散液粘度3mPa・s未満を満たす本発明のセルロース繊維を得ることができる。
解繊処理の具体的な方法としては、特に制限はないが、例えば、直径1mm程度のセラミック製ビーズをセルロース繊維原料濃度0.1〜10重量%、例えば1重量%程度のセルロース繊維原料の分散液(以下、「セルロース繊維分散液」と称す場合がある。)に入れ、ペイントシェーカーやビーズミル等を用いて振動を与え、セルロース繊維原料を解繊する方法などが挙げられる。
なお、セルロース繊維分散液の分散媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合液を使用することができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコール−モノ−t−ブチルエーテル等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、その他水溶性の有機溶媒の1種または2種以上を用いることができる。分散媒は、有機溶媒と水との混合液または水であることが好ましく、特に水であることが好ましい。
解繊方法としては、ブレンダータイプの分散機や高速回転するスリットの間に、セルロース繊維分散液を通して剪断力を働かせて解繊する方法(高速回転式ホモジナイザーを用いる方法)や、高圧から急に減圧することによって、セルロース繊維間に剪断力を発生させて解繊する方法(高圧ホモジナイザー法を用いる方法)、「マスコマイザーX(増幸産業)」のような対向衝突型の分散機等を用いる方法などが挙げられる。特に、高速回転式ホモジナイザーや高圧ホモジナイザーによる処理を採用することにより、解繊の効率が向上する。
これらの処理で解繊する場合は、セルロース繊維原料としての固形分濃度が0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、特に0.3重量%以上、また10重量%以下、特に6重量%以下のセルロース繊維分散液に対して解繊処理を行うことが好ましい。この解繊処理に供するセルロース繊維分散液中の固形分濃度が低過ぎると処理するセルロース繊維原料量に対して液量が多くなり過ぎ効率が悪く、固形分濃度が高過ぎると流動性が悪くなるため、解繊処理に供するセルロース繊維分散液は適宜水を添加するなどして濃度調整する。
なお、このような高圧ホモジナイザーによる処理、高速回転式ホモジナイザーによる処理の後に、超音波処理を組み合わせた解繊(微細化)処理を行ってもよい。
[ゴム改質剤分散液]
本発明のゴム改質剤分散液は、本発明のゴム改質剤と分散媒とを含有するものである。このゴム改質剤分散液には、その他、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤等が含まれていてもよい。
分散媒としては、例えば、水、アルコール、ケトン、エーテル、グリコールエーテル、環状エーテル、アミド、芳香族系炭化水素、非プロトン性極性分散媒などが挙げられる。これらの分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ゴム改質剤の分散媒として使用される溶媒は、後の工程で溶媒を除去する工程があることから沸点が高すぎないことが好ましい。溶媒の沸点は300℃以下が好ましく、200℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましい。また、取扱い性などの点から、70℃以上が好ましい。
分散媒としての芳香族系炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
ケトン(ケトン基を有する液体を指す)としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。この中でも、好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノンであり、より好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、フラン、ジベンゾフランなどが挙げられる。この中でも、好ましくは、ジエチルエーテル、フランである。
非プロトン性極性分散媒としては、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
本発明のゴム改質剤分散液におけるセルロース繊維(ゴム改質剤)の含有量は特に限定されないが、粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、分散液全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
なお、本発明のゴム改質剤分散液中には、セルロース繊維(未変性セルロース繊維)と変性セルロース繊維の一方のみが含まれていてもよく双方が含まれていてもよい。
[ゴムラテックス分散液]
本発明のゴムラテックス分散液は、本発明のゴム改質剤とゴムラテックスとを含有するものである。
本発明のゴムラテックス分散液は上述の本発明のゴム改質剤分散液にゴムラテックスを添加混合して調製することができるが、この方法に限らず、本発明のゴムラテックス分散液の調製に際しては、前述のセルロース繊維原料をそのままゴムラテックスと混合し、この混合液の中で解繊処理を行ってもよい。この場合、セルロース繊維原料がゴムラテックス中に分散された状態のものとなり、これを解繊処理することで、セルロース繊維原料が解繊される結果、前述の数平均繊維径と水分散液粘度を満たす本発明のゴム改質剤を含有する本発明のゴムラテックス分散液を得ることができる。
この場合の解繊処理について、以下に説明する。
セルロース繊維原料を分散させる分散媒としては、通常水が用いられるが、有機溶媒等上述したゴム改質剤分散液の分散媒を利用してもよい。その場合は、通常、セルロース繊維原料は水分散液の状態にあるので、あらかじめセルロース繊維原料の水分散液中の水を有機溶媒に置換してもよい。溶媒置換工程において溶媒を置換する方法は特に限定されないが、セルロース繊維原料を含有する水分散液から濾過などにより水を除去し、ここに解繊時使用する有機溶媒を添加し、攪拌混合し、再度濾過により有機溶媒を除去する方法が挙げられる。有機溶媒の添加と濾過を繰り返すことで、分散液中の媒体を水から有機溶媒に置換することができる。
なお、使用する有機溶媒が非水溶性の場合、水溶性の有機溶媒に一度置換した後、非水溶性の有機溶媒に置換してもよい。
次に、セルロース繊維原料と分散媒を含有するセルロース繊維原料分散液と、ゴムラテックスとを混合する。混合に際しては、分散液にゴムラテックスを直接加えて混合してもよい。
この解繊前のゴムラテックス分散液中におけるセルロース繊維原料の含有量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液中におけるゴムの固形分量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、2重量%以上が好ましく、2.5重量%以上がより好ましく、95重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液における溶媒(分散媒)の含有量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、97.5重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液中のゴム成分(ゴムの固形分)と溶媒との重量比は特に限定さないが、得られる解繊後のゴムラテックス分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、溶媒の含有量は、ゴム成分100重量部に対して、5〜2000重量部が好ましく、25〜1000重量部がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液中においてセルロース繊維原料とゴム成分との重量比は特に限定さないが、セルロース繊維原料の含有量は、セルロース繊維原料及びゴム成分の合計量(100重量%)に対して、2.5重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、4重量%以上がさらに好ましく、97.5重量%以下が好ましく、97重量%以下がより好ましく、95重量%以下がさらに好ましい。
この解繊前のゴムラテックス分散液に対して、解繊処理を施す際の解繊処理の方法は、
前記のセルロース繊維原料の解繊処理方法と同様である。
解繊工程を経て得られたゴムラテックス分散液中には、解繊されたセルロース繊維が均一に分散しており、セルロース繊維の凝集や沈降が抑制され、優れた液安定性を有する。
本発明のゴムラテックス分散液中におけるセルロース繊維の含有量は使用される出発原料であるセルロース繊維原料量によって適宜調整されるが、分散液の安定性の点から、分散液全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
なお、ゴムラテックス分散液中の溶媒、ゴム成分の含有量は、上述した解繊前のゴムラテックス分散液の各成分の含有量と同じであり、好適な範囲も同じである。
また、ゴムラテックス分散液中のセルロース繊維の含有量は、ゴム成分100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。ゴムラテックス分散液中のセルロース繊維の含有量が少ないと補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
本発明のゴムラテックス分散液には、セルロース繊維、ゴム成分の他に、従来ゴム工業で使用される他の配合剤を添加してもよい。このような配合剤としては、例えば、他の補強材としてシリカ粒子やカーボンブラック、セルロース繊維以外の繊維などの、無機、有機のフィラー、シランカップリング剤、加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などが挙げられる。
このうち、加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用することが可能である。有機過酸化物としては従来ゴム工業で使用される各種のものが使用可能であるが、中でも、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン及びジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができ、中でも硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴムラテックス分散液中の加硫剤の配合量としては、ゴム成分100重量部に対して硫黄の場合、通常7.0重量部以下、好ましくは6.0重量部以下である。また、通常1.0重量部以上、好ましくは3.0重量部以上、中でも4.0重量部以上である。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、本発明のゴム改質剤とゴムとを含有することを特徴とする。または、本発明のゴム組成物は、本発明のゴムラテックス分散液を用いて製造される。本発明のゴム組成物は加硫前のものであっても加硫後のものであってもよい。
以下に、本発明のゴム組成物の製造方法について説明する。
なお、本発明のゴム組成物の製造方法は、必要に応じて、以下詳述の複合化工程の前にゴム成分を添加する添加工程を備えていてもよい。
<複合化工程>
複合化工程では、ゴムラテックス分散液を加硫反応させることにより(加硫工程)、セルロース繊維と加硫ゴム成分とを含有するゴム組成物を得る。
本発明のゴム組成物は、本発明のゴムラテックス分散液から、必要に応じて溶媒を除去し、更にゴム成分と前述の各種配合剤を、ゴム用混練機等、公知の方法を用いて混合した後、成形して、公知の方法で加硫反応させることにより得られる。
加硫工程に先立つ成形には、各種の方法が可能であり、例えば、ゴムラテックス分散液を、基板上へ塗布して塗膜状としてもよく、型内に流し込んでもよく、或いは押し出し加工してもよい。この際、必要に応じて、乾燥処理を施して、溶媒を除去してもよい。例えば、本発明のゴムラテックス分散液を用いて、ゴムラテックス中に分散したセルロース繊維から水分を除去し、必要な配合剤を加えてゴム組成物とし、混練りして、未加硫状態で所望の適用部材の形状に合わせて押し出し加工し、成形機上にて通常の方法により成形することにより、加硫前ゴム組成物を形成する。この加硫前ゴム組成物を加硫機中で加熱加圧することにより、加硫ゴム組成物を得ることができる。かかる加硫ゴム組成物は、良好な耐久性を有する。
加硫工程の条件は特に限定されず、ゴム成分を加硫ゴムとすることができる温度以上であればよい。なかでも、有機溶媒を揮発させて除去できる点から、加熱温度は、60℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。なお、セルロース繊維の分解を抑制する点から、加熱温度は250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。加熱時間は、生産性などの点から、通常3分以上、好ましくは5分以上で、180分以下が好ましい。
加熱処理は複数回にわたって、温度・加熱時間を変更して実施してもよい。
<セルロース繊維の含有量>
本発明のゴム組成物におけるセルロース繊維の含有量は目的に応じて適宜調整されるが、補強効果の点から、ゴム組成物全量に対して、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
<セルロース繊維とゴム成分との重量比>
本発明のゴム組成物中に含まれるセルロース繊維とゴム成分との重量比は、本発明のゴムラテックス分散液におけるセルロース繊維とゴム成分との重量比と同じであり、セルロース繊維はゴム成分100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。ゴム組成物中のセルロース繊維含有量が少ないと補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[セルロース繊維の数平均繊維径]
セルロース繊維の数平均繊維径は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下のようにして測定した。ただし、比較例3については、SEMを用いて以下のようにして測定した。
<AFM>
手法:原子間力顕微鏡法(タッピングモード)
探針:未修飾のSi製カンチレバー(NCH)
環境:室温・大気中(湿度50%程度)
装置:ブルカー社製DigitalInstrument NanoscopeIII
データサンプリング数:512×512ポイント
AFM像の種別:高さ像,位相像(繊維一つひとつを認識するため)
画像解析法:AFM観察像から繊維をトレースして、繊維を1本ずつ抽出し、繊維
1本の高さの最高値を繊維の太さとして計測した。この計測値を平均し
て数平均繊維径とした。
<SEM>
30,000倍に拡大したSEM写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出し、最も太い繊維と最も細い繊維を除去した10点の測定値の平均を数平均繊維径とした。
[セルロース繊維の水分散液粘度]
セルロース繊維の水分散液粘度は、前述の方法により、0.1重量%のセルロース繊維の水分散液の25℃、100sec−1における粘度を測定した。
[製造例1:セルロース繊維1(カルボキシ基含有セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製:水分30%、フリーネス600mLcsf)をパルプ乾燥重量として40g採取し、0.1M硫酸500mlに懸濁させて撹拌した。濾紙を用いてこの懸濁液を減圧濾過することにより、希硫酸で湿潤したLBKPを得た。このLBKPをセパラブルフラスコ内に収め、オゾンガス発生機(エコデザイン社製、ED−OG−A10型)から発生するオゾン含有酸素ガス(ガス流速4L/min、オゾン濃度32g/m、オゾン発生量20g/Hr)への通気暴露を5時間行った。その後、このLBKPをイオン交換水で十分に洗浄/脱水することにより、オゾン処理したセルロース繊維を得た。
このオゾン処理後のセルロース繊維50g(固形分濃度20重量%)に、pH4に調整された2重量%亜塩素酸ナトリウム水溶液150gを注ぎ、撹拌した後、室温で48時間静置した。これをイオン交換水で懸濁洗浄を繰り返し行うことにより、カルボキシ基が導入されたセルロース繊維を得た。このセルロース繊維のカルボキシ基量は0.47mmol/gであった(セルロース繊維1)。
[製造例2:セルロース繊維2(カルボキシ基含有セルロース繊維)の調製]
容器にセルロース繊維原料として広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製:水分30%、フリーネス600mLcsf)をパルプ乾燥重量として20g及び空気2Lを加えた後、オゾン濃度200g/mのオゾン/酸素混合気体を15L加え、25℃で2分間振とう、及び6時間静置を順次行った後、容器内のオゾン及び空気を除去してオゾン処理を行った。この操作を2回行い、イオン交換水で十分に洗浄/脱水してオゾン処理したセルロース繊維を得た。
このオゾン処理後のセルロース繊維(固形分濃度20重量%)に対して、塩酸により水溶液pHを4〜5に調整した0.2重量%濃度の亜塩素酸ナトリウム水溶液を200g(セルロース繊維の乾燥重量に対して、亜塩素酸ナトリウムとして3重量%相当)添加して、撹拌した後、室温で48時間静置した。これをイオン交換水で懸濁洗浄を繰り返し行うことにより、カルボキシ基が導入されたセルロース繊維を得た。このセルロース繊維のカルボキシ基量は0.47mmol/gであった(セルロース繊維2)。
[製造例3:セルロース繊維3(酵素処理セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP、王子製紙社製ベイマツ品)を用い、ナイアガラビーター(容量23リットル、東西精器社製)で200分間叩解し、パルプ分散液(パルプ濃度2重量%、叩解後の加重平均繊維長:1.61mm)を得た。
該パルプ分散液を脱水してパルプ濃度3重量%にし、0.1重量%硫酸でpH6に調整し、50℃になるまで水浴で温めた後、酵素(セルラーゼ、GC220、ジェネンコア社製)をパルプ(固形分換算)に対して1重量%添加し、50℃で1時間撹拌しながら反応させた。その後、95℃以上で、20分間加熱して、酵素を失活させて酵素処理されたセルロース繊維を得た(セルロース繊維3)。
[実施例1]
製造例1で得られたセルロース繊維1を固形分濃度が0.5重量%となるように水で希釈し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス0.8S)にて20000rpmで60分間、セルロース繊維の解繊処理を行い、ナノ繊維化されたセルロース繊維1(ゴム改質剤1)のスラリー(ゴム改質剤分散液1)を得た。ゴム改質剤1の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は8nmであった。また、ゴム改質剤1の水分散液粘度は1.3mPa・sであった。
次に、天然ゴムラテックス(固形分濃度61重量%)100重量部に対し、ゴム改質剤分散液1をセルロースの固形分量で5重量部となるように加え、脱塩水を加えてゴム改質剤1とゴムの固形分濃度が0.3重量%となるように調整した。次いで、ホモジナイザーを用いて混合し、ゴムラテックス分散液を得た。得られたゴムラテックス分散液中のゴム改質剤1の分散性を目視で評価した結果、分散性は良好であった。
次に、得られたゴムラテックス分散液をバットに入れ、110℃のオーブン中にて乾燥固化し、ゴム改質剤1配合のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物中のゴム改質剤1の分散性を、目視で評価した結果、分散性は良好であった。
得られたゴム組成物(以下、ゴム組成物1という)は、ゴム成分(天然ゴムラテックス)100重量部に対して、ゴム改質剤1を5重量部含む。これにさらに、亜鉛華(1号亜鉛華、浅岡窯業原料社製)3重量部、加硫促進剤(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、和光純薬工業社製)1重量部、硫黄(5%油処理粉末硫黄、鶴見化学工業社製)2重量部、ステアリン酸(和光純薬工業社製)3重量部を配合し、混練を行った。
詳細には、ゴム組成物1に対し、加硫促進剤と硫黄を除く成分を添加し、140℃で3分間混練装置(ラボプラストミルμ、東洋精機社製)を用いて混練することによりゴム組成物2を得た。このゴム組成物2に加硫促進剤と硫黄を添加し、80℃で3分間混練することによりゴム組成物3を得た。このゴム組成物3を160℃で5分間加圧プレス加硫し、厚さ1mmのゴム組成物4(加硫ゴム組成物1)を得た。
得られた加硫ゴム組成物1中のゴム改質剤1の分散性を、目視で評価した結果、分散性は良好であった。
得られた加硫ゴム組成物1を所定のダンベル形状の試験片にし、破断強度、tanδを評価した。
破断強度は、JIS K6251に準じた引っ張り試験により、加硫ゴム組成物1の破断強度を測定し、天然ゴムのみの比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど補強性に優れる(破壊強度が高い)ことを示す。
tanδは、JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れる(エネルギーロスが小さい)ことを示す。
この加硫ゴム組成物1の破断強度は171、tanδは160であった。
[実施例2]
セルロース繊維1に代えて、製造例2で得られたセルロース繊維2を用いた以外は実施例1と同様にして、ゴム改質剤2を得た。ゴム改質剤2の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は5.5nmであった。また、ゴム改質剤2の水分散液粘度は1.3mPa・sであった。
ゴム改質剤としてこのゴム改質剤2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質剤2の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、tanδを測定し、結果を表1に示した。
[実施例3]
セルロース繊維1に代えて、製造例3で得られたセルロース繊維3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゴム改質剤3を得た。ゴム改質剤3の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は7.9nmであった。また、ゴム改質剤3の水分散液粘度は1.6mPa・sであった。
ゴム改質剤として、このゴム改質剤3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質剤3の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、tanδを測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
セルロース繊維を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で、加硫ゴム組成物を得、同様に破断強度、tanδを測定し、破断強度、tanδの測定値をそれぞれ100とした。
[比較例2]
市販のセルロース繊維分散液(セリッシュKY100G、ダイセル化学社製)をゴム改質剤分散液4とした。この分散液に含まれるセルロース繊維の数平均繊維径は100nmであった。また、このセルロース繊維の水分散液粘度は4.8mPa・sであった。
ゴム改質剤として、ゴム改質剤分散液4に含まれるセルロース繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のセルロース繊維の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好とはいえなかった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、tanδを測定し、結果を表1に示した。
[比較例3]
セルロース繊維として広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製:水分30%、フリーネス600mLcsf)を固形分濃度が0.5重量%となるように水で希釈し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製、クレアミックス0.8S)にて20000rpmで60分間処理し、セルロース繊維の解繊処理を行い、ナノ繊維化されたセルロース繊維(ゴム改質剤5)のスラリー(ゴム改質剤分散液5)を得た。このゴム改質剤5の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は100nmであった。またゴム改質剤5の水分散液粘度は2.5mPa・sであった。
ゴム改質剤として、このゴム改質剤5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質剤5の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好とはいえなかった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、tanδを測定し、結果を表1に示した。
以上の実施例1〜3及び比較例1〜3の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006102719
表1より、本発明のゴム改質剤1〜3を用いた実施例1〜3のゴム組成物(加硫ゴム組成物)は、天然ゴムのみである比較例1と比べ、高い破壊強度を示した。また、発熱性の指数である、tanδは、分散性の悪かった比較例2、3と比べて低く、低発熱性であることがわかった。さらに実施例と比較例を比べると、繊維径が小さく、かつ分散液の粘度が低いことで、ゴムラテックス中にセルロース繊維がよく分散し、かつ凝集などを起こさないため、高い破断強度、低いtanδを両立することができたと考えられる。
以上より、本発明のゴム改質剤は、ゴム中で良好に分散し、かつ補強性に優れ、本発明のゴム改質剤によれば、破壊強度が高く、エネルギ−ロスの小さいゴム組成物が得られることがわかった。

Claims (6)

  1. 未変性セルロース繊維からなるゴム改質剤であって、
    該セルロース繊維の数平均繊維径は80nm以下であり、
    該セルロース繊維は、0.1重量%の水分散液としたときの、25℃において測定される、ずり速度100s−1における粘度が3mPa・s未満であることを特徴とする、ゴム改質剤。
  2. 請求項1に記載のゴム改質剤を含有することを特徴とする、ゴム改質剤分散液。
  3. 請求項1に記載のゴム改質剤とゴムラテックスとを含有することを特徴とする、ゴムラテックス分散液。
  4. 請求項1に記載のゴム改質剤とゴムとを含有することを特徴とする、ゴム組成物。
  5. 請求項に記載のゴムラテックス分散液を用いて製造された、ゴム組成物。
  6. 請求項またはに記載のゴム組成物を加硫して製造された、加硫ゴム組成物。
JP2013260262A 2012-12-18 2013-12-17 ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物 Active JP6102719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013260262A JP6102719B2 (ja) 2012-12-18 2013-12-17 ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275798 2012-12-18
JP2012275798 2012-12-18
JP2013260262A JP6102719B2 (ja) 2012-12-18 2013-12-17 ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014139303A JP2014139303A (ja) 2014-07-31
JP6102719B2 true JP6102719B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=51416168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013260262A Active JP6102719B2 (ja) 2012-12-18 2013-12-17 ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6102719B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6473161B2 (ja) * 2015-02-26 2019-02-20 住友ゴム工業株式会社 マスターバッチの製造方法、該製造方法により得られるマスターバッチ、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6712875B2 (ja) * 2016-03-04 2020-06-24 第一工業製薬株式会社 繊維芽細胞増殖促進剤
EP3483202A4 (en) * 2016-07-11 2020-04-01 Nippon Paper Industries Co., Ltd. PROCESS FOR PRODUCING MASTER MIXTURE

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH107811A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Kuraray Co Ltd ゴム補強用短繊維
JP5586833B2 (ja) * 2008-02-21 2014-09-10 花王株式会社 樹脂組成物
JP2012025949A (ja) * 2010-06-25 2012-02-09 Mitsubishi Chemicals Corp 微細セルロース繊維分散液およびセルロース繊維複合体並びにその製造方法
JP5694010B2 (ja) * 2011-03-09 2015-04-01 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014139303A (ja) 2014-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6382793B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP2012025949A (ja) 微細セルロース繊維分散液およびセルロース繊維複合体並びにその製造方法
JP6416749B2 (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤ
JP5865063B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP6146115B2 (ja) セルロース繊維、ゴム組成物、加硫ゴム組成物およびタイヤ
JP2014105233A (ja) ゴム改質材、繊維ゴム分散液およびゴム組成物
JP5676909B2 (ja) ゴム組成物及びゴム組成物の製造方法
JP6048365B2 (ja) ゴム改質材、ゴム改質材分散液、及びゴム組成物
JP2013177540A (ja) ゴム改質材、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物
JP5988843B2 (ja) 複合材料
JP6020334B2 (ja) ゴム改質材、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物
JP6270379B2 (ja) 微細セルロース繊維複合体及びその製造方法
JP6102719B2 (ja) ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物
JP6083376B2 (ja) ゴム改質剤、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物
JP5966859B2 (ja) 微細セルロース繊維分散液の製造方法
JP5884722B2 (ja) 微細セルロース繊維分散液の製造方法
JP2014227525A (ja) 微細セルロース繊維複合体の製造方法
JP2019172858A (ja) ゴム組成物及びゴム組成物の製造方法
JP2014074164A (ja) ゴム改質材、ゴムラテックス分散液、及びゴム組成物
JP6021877B2 (ja) ゴム組成物及びゴム組成物の製造方法
JP2024044892A (ja) ゴム組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6102719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250