JP4353915B2 - タイヤ用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤのトレッドゴムおよび/またはサイドウォールゴムとして使用することにより燃費と操縦安定性とをともに向上させることが可能なタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年タイヤにおいては、特に高速走行時の制動性能等の操縦安定性や乗り心地性能の向上がますます強く要求されている。タイヤの制動性能を向上させる方法としては、タイヤの前後剛性を高くする方法等が従来用いられており、たとえば高剛性のトレッドを形成する方法が知られている。
一方、スパイクタイヤの粉塵公害を防止するためにスパイクタイヤの使用禁止が法制化され、寒冷地では該スパイクタイヤに代わりスタッドレスタイヤが使用されるようになっている。スタッドレスタイヤにおいては、たとえばブロックパターンを細分化してエッジを効かせる方法、ゴム硬度を低減させてタイヤの接地面積を増加させる方法等によってグリップ性能を向上させたものが現に使用されている。しかし、上記のような方法においては、ブロックの倒れ込みによるトラクション性能の低下や、ゴム硬度を低くすることによる操縦安定性の低下等の問題がある。
また地球環境保護の観点から自動車の低燃費化も進められており、自動車用タイヤにおいては、転がり抵抗の小さいタイヤが所望されている。
グリップ性能を確保しつつ操縦安定性を向上させる方法としては、たとえば微粒子カーボンの充填により高剛性化したトレッドを用いる方法が従来検討されている。しかしこのようなトレッドを用いた場合、転がり抵抗が高くなることによって燃費性能が悪化する場合があり、高い操縦安定性と低燃費とを両立することは困難であるという問題がある。
特許文献1には、タイヤの硬度、動的弾性率、耐摩耗性等の諸特性を損なわず、タイヤの製造コストを低減させる目的で、ゴム成分に対して古紙を配合して得られ、特にビードエーペックスに対して用いられるゴム組成物が提案されている。
特許文献2には、タイヤの製造コストを大幅に低減するとともに、得られたタイヤの硬度、動的弾性率、耐摩耗性等の基本特性を損なうことなく、特に雪氷路面上でのコーナリング特性および前後方向の制動性能を改善する目的で、ゴム成分100重量部に対して古紙を0.5重量部以上で12重量部以下、シリカを5重量部以上で100重量部以下配合したタイヤ用ゴム組成物が提案されている。
特許文献3には、氷上グリップ性能を大幅に向上させ、かつ、省資源、環境保護の観点から廃棄物である古紙を有効に活用することにより、タイヤの製造コストを大幅に低減しうるスタッドレスタイヤを得る目的で、天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴム100重量部に対し、短繊維2〜15重量部、古紙1〜6重量部およびシリカ5〜30重量部を含有するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物が提案されている。
特許文献1〜3によれば、グリップ性能およびタイヤの操縦安定性の向上が可能であるが、これらのゴム組成物においては転がり抵抗が高くなる場合があり、燃費の低減と環境安定性の向上とを両立することは困難である。
特開2002−37929号公報 特開2002−226634号公報 特開2002−249619号公報
本発明は上記の課題を解決し、タイヤの基本性能を維持しながら、低コストで低燃費と良好な操縦安定性とを両立させることが可能なタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
トレッドゴムおよび/またはサイドウォールゴムとして使用されるタイヤ用ゴム組成物であって、ゴム成分の100質量部に対し、原料紙を細片化し、さらに叩解することにより得られる紙繊維を0.5〜10質量部の範囲内、シランカップリング剤を0.1〜3質量部の範囲内でそれぞれ含有し、該紙繊維の平均長さ(L)と平均直径(D)との比(L)/(D)が10〜2000の範囲内でかつ該平均長さ(L)が10〜3000μmの範囲内であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明において用いられる上記の原料紙は、新聞古紙および/またはクラフト紙であることが好ましい。
本発明において配合される紙繊維の平均直径(D)は1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における複素弾性率E*が5〜20MPaの範囲内であることが好ましい。さらに、温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における損失正接tanδが0.04〜0.2の範囲内であることもまた好ましい。
本発明はまた、上記のタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、トレッドおよび/またはサイドウォールに対して、所定の紙繊維とシランカップリング剤とを配合したゴム組成物を用いることにより、乗り心地性能、耐摩耗性、耐屈曲亀裂成長性等のタイヤの基本性能を大きく損なうことなく、製造コストを低減し、かつ燃費の低減と操縦安定性の向上とを同時に実現する空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明は、トレッドゴムおよび/またはサイドウォールゴムとして使用されるタイヤ用ゴム組成物であって、ゴム成分の100質量部に対し、原料紙を細片化し、さらに叩解することにより得られる紙繊維を0.5〜10質量部の範囲内、シランカップリング剤を0.1〜3質量部の範囲内でそれぞれ含有し、該紙繊維の平均長さ(L)と平均直径(D)との比(L)/(D)が10〜2000の範囲内でかつ該平均長さ(L)が10〜3000μmの範囲内であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合される紙繊維とは、原料紙を裁断、粉砕等により短繊維化し、さらに叩解による解繊および短繊維化を施したものを指す。本発明においては、タイヤ用ゴム組成物に対して上記の紙繊維を含有させることにより、タイヤ用ゴム組成物の剛性を低コストで高めることができるとともに、該紙繊維の種類および配合量を適宜設定することにより、該剛性を簡便かつ任意に制御できる。ゴム成分の100質量部に対して紙繊維の配合量が0.5質量部以上であれば、紙繊維を配合することによるタイヤ用ゴム組成物の高剛性化を低コストで十分行なうことができ、10質量部以下であれば耐摩耗性の低下を防止できる。紙繊維の配合量はさらに1質量部以上、さらに2質量部以上とされることが好ましく、また8質量部以下、さらに5質量部以下とされることが好ましい。
本発明において配合される紙繊維の平均長さ(L)は10〜3000μmの範囲内とされる。平均長さが10μm以上であれば紙繊維によるタイヤ用ゴム組成物の補強効果が所望の程度得られ、3000μm以下であればタイヤ用ゴム組成物中の紙繊維の分散不良や該タイヤ用ゴム組成物の物性不均一が防止され、また耐摩耗性の低下を防止できる。上記の平均長さ(L)は、50μm以上、さらに100μm以上であることがより好ましく、また、1000μm以下、さらに800μm以下であることがより好ましい。
本発明においては、紙繊維の平均長さ(L)と平均直径(D)との比(L)/(D)が、10〜2000の範囲内とされる。上記(L)/(D)が10以上であれば、ゴム成分と紙繊維との接触面積が大きくタイヤ用ゴム組成物の補強効果が所望の程度得られるため、剛性の高いタイヤ用ゴム組成物が得られる。また2000以下であればタイヤ用ゴム組成物中の紙繊維の分散性が一定以上確保でき、タイヤ用ゴム組成物の物性のばらつきが防止されるとともに、製造時のハンドリング性も確保できる。上記(L)/(D)は、20以上、さらに40以上であることがより好ましく、また1500以下であることがより好ましい。
また、本発明においては、紙繊維の平均直径(D)は、1〜100μmの範囲内とされることが好ましい。平均直径が1μm以上である場合、紙繊維によるタイヤ用ゴム組成物の補強効果および製造時のハンドリング性が良好であり、100μm以下である場合、タイヤ用ゴム組成物中の紙繊維の分散不良や該タイヤ用ゴム組成物の物性不均一が防止される。平均直径(D)は、さらに2μm以上、さらに5μm以上とされることがより好ましく、また、さらに80μm以下、さらに50μm以下とされることがより好ましい。
本発明において配合される紙繊維は、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプ等のパルプ化法で得られるパルプ、ケナフ、バガス、竹、コットン、海藻等を由来とする非木材パルプ、使用済コピー用紙、古新聞紙、古段ボール紙等の古紙を脱墨して得られる古紙パルプ、等から得られる原料紙の1種または2種以上の混合物を用いて調製されることができるが、新聞古紙および/またはクラフト紙を原料紙とする紙繊維が好ましく用いられる。新聞古紙はリサイクルが可能である点で好ましく、クラフト紙は物理的強度が比較的大きい紙繊維が得られる点で好ましい。ここで、クラフト紙とは、クラフトパルプ(KP)を抄紙して得られる紙の全般を指し、未晒クラフト紙および晒クラフト紙を含む。クラフトパルプは、化学パルプに分類されるものの主流であり、一般に比較的長い繊維長を有することから、クラフト紙は強度に優れる紙として包装用途等に広く使用される。クラフトパルプとしては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプのいずれも使用できるが、針葉樹クラフトパルプは繊維長が比較的長いため本発明においては特に好ましい。
クラフトパルプは、一般に以下のような方法で製造される。まず原料となるチップの不純物を除去するとともに、厚みや長さ等を一定範囲内に均一化する。次にチップを苛性ソーダ、硫化ソーダ等の薬品で、たとえば150〜160℃程度の高温で蒸煮し、チップ中の主にリグニンを溶出させ、パルプ化する。溶出リグニンおよび薬品をパルプと分離するための洗浄工程を経た後、該パルプをたとえば酸素およびアルカリで処理すること等により、パルプ中の残存リグニンをさらに溶出させる。最後に異物除去、洗浄を行ない、未晒クラフトパルプを得ることができる。未晒クラフトパルプはさらに漂白工程を経ることによって晒クラフトパルプとされることができる。未晒クラフトパルプを抄紙することにより未晒クラフト紙、晒クラフトパルプを抄紙することにより晒クラフト紙をそれぞれ製造することができる。
本発明において配合される紙繊維は、原料紙を細片化し、さらに叩解して繊維状とすることにより得られる。細片化した原料紙を叩解した場合、原料紙中の繊維の解繊および繊維長の短小化が生じる。よって叩解により得られた紙繊維の表面積は叩解しないものと比べて著しく大きくなり、シランカップリング剤と反応する紙繊維の面積を大きくすることができるため、タイヤ用ゴム組成物の補強効果が高くなるとともに、該タイヤ用ゴム組成物のtanδを低減する効果も得られる。
上記の細片化は、原料紙がたとえば長さ10〜2000μm程度、幅1〜200μm程度の大きさになるまで行なわれることができる。
再片化された原料紙を叩解することにより、本発明において用いられる紙繊維が調製される。叩解条件は、原料紙の種類、目的とするタイヤ用ゴム組成物の物性等に応じて適宜選択され得るが、コストが比較的安価であるという点で、叩解が乾式で行なわれることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、紙繊維とともに、ゴム成分の100質量部に対してシランカップリング剤が0.1〜3質量部の範囲内で配合される。紙繊維はセルロースを主成分として含有する。セルロース分子はD−グルコピラノースがβ1,4結合により連なった構造を有するため、分子骨格中に多くのヒドロキシ基を含む。また紙繊維の他の構成成分にも多くのヒドロキシ基が存在する。よって、タイヤ用ゴム組成物にシランカップリング剤を配合することにより、紙繊維中のヒドロキシ基とシランカップリング剤とを反応させ、ゴム分子と紙繊維の構成分子とをシランカップリング剤を介して結合させることができる。これにより、タイヤ用ゴム組成物中のゴム成分と紙繊維とが強固に結合し、タイヤ用ゴム組成物の損失正接tanδを低減することができるため、本発明においては、タイヤ用ゴム組成物の高剛性化による操縦安定性の向上と、損失正接tanδの低減による転がり抵抗の低減の結果生じる燃費の低減という効果とが同時に実現される。
本発明において、ゴム成分100質量部に対するシランカップリング剤の配合量が0.1質量部以上であれば、タイヤ用ゴム組成物の補強効果に対するシランカップリング剤の寄与が十分得られ、タイヤ用ゴム組成物における熱損失の抑制、高剛性化および損失正接tanδの低減が可能であり、3質量部以下であれば、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない他、コストの過剰な上昇を防止できる点で好ましい。シランカップリング剤の配合量は、さらに0.2質量部以上、さらに0.5質量部以上であることが好ましく、また、さらに2.5質量部以下、さらに2質量部以下であることが好ましい。
また、シランカップリング剤の配合量は、紙繊維の配合量に対して5〜40質量%の範囲内、さらに10〜30質量%の範囲内とされることが好ましい。シランカップリング剤の配合量が紙繊維の配合量に対して5質量%以上である場合、該シランカップリング剤による紙繊維とゴム成分とのカップリング作用が十分発揮され、40質量%以下である場合、過剰のシランカップリング剤を配合することによるコストの上昇を防止できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、ショアA硬度が40〜75の範囲内に設定されることが好ましい。該硬度が40以上であればタイヤの操縦安定性が所望の程度確保でき、75以下であれば乗り心地が良好である。なお該ショアA硬度は、ISO−7619に準拠して測定することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における複素弾性率E*が5〜20MPaの範囲内であることが好ましい。複素弾性率E*が5MPa以上であれば、タイヤ用ゴム組成物が十分に高剛性であるため、タイヤの制動性能が良好になる。また複素弾性率E*が20MPa以下であれば、良好な乗り心地性能を維持できる。複素弾性率E*はさらに6MPa以上、さらに7MPa以上とされることが好ましく、また、さらに18MPa以下、さらに16MPa以下とされることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における損失正接tanδは0.04〜0.2の範囲内であることが好ましい。損失正接tanδが0.04以上であれば乗り心地性能が良好であり、0.2以下であれば制動性能が良好であるとともに低燃費である。損失正接tanδは、さらに0.05以上、さらに0.06以上とされることが好ましく、また、さらに0.15以下、さらに0.10以下とされることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いた場合の複素弾性率E*においては、トレッド表面における周方向の複素弾性率E*aと該周方向と垂直をなす方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが、1.1以上とされることが好ましく、また6以下とされることが好ましい。上記の比E*a/E*bが1.1以上である場合乗り心地性能を大きく低下させることなく良好な操縦安定性を得ることが可能であり、6以下である場合トレッドの物性が不均一や耐摩耗性の低下が防止される。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物をサイドウォールに用いた場合の複素弾性率E*においては、サイドウォール表面における周方向の複素弾性率E*cとラジアル方向の複素弾性率E*dとの比E*c/E*dが、1.1以上とされることが好ましく、また6以下とされることが好ましい。上記の比E*c/E*dが1.1以上である場合乗り心地性能を大きく低下させることなく良好な操縦安定性を得ることが可能であり、6以下である場合サイドウォールの物性不均一や耐屈曲亀裂成長性の低下が防止される。
なお本発明のタイヤ用ゴム組成物の複素弾性率E*および損失正接tanδは、該タイヤ用ゴム組成物を空気入りタイヤのトレッドおよび/またはサイドウォールとして形成し、リムに該空気入りタイヤを装着し規定内圧を充填した状態でのタイヤ最大幅位置において測定される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に使用されるゴム成分としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムが好ましく挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
本発明において使用されるシランカップリング剤としては、たとえば含硫黄シランカップリング剤が好ましく用いられる。含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明においては、必要に応じてその他のカップリング剤、たとえばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤等を使用することも可能である。本発明におけるシランカップリング剤は単独でも2種以上の組合せでも使用され得る。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他ゴム製品において一般的に配合される以下の成分を適宜配合することができる。
充填剤としては、たとえばシリカをゴム成分100質量部に対してたとえば5質量部以上100質量部以下で配合することができる。シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、たとえば補強材として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。シリカの配合量が5質量部以上であればタイヤ用ゴム組成物に対する補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上し、100質量部以下であれば、タイヤ用ゴム組成物の製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を防止できる。
上記で使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば50〜300m2/g、さらに100〜200m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が50m2/g以上である場合、タイヤ用ゴム組成物に対する補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上する。一方該窒素吸着比表面積が300m2/g以下である場合、タイヤ用ゴム組成物の加工性が良好であり、操縦安定性も十分確保される。ここで窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、その他、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
ここでカーボンブラックはゴム成分100質量部に対して10質量部以上、150質量部以下で配合されることが好ましい。ここでカーボンブラックの物性は窒素吸着比表面積(BET法)が70〜300m2/gの範囲内、DBP吸油量が5〜300ml/100gの範囲内、ヨウ素吸着量が146〜152mg/gの範囲内のものが、タイヤ用ゴム組成物に対する補強効果の点で好適である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤およびスコーチ防止剤等を添加することが可能である。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などが挙げられる。
チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などが挙げられる。
グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などが挙げられる。
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などが挙げられる。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、等が挙げられる。
さらに、本発明のタイヤ用ゴム組成物には必要に応じて可塑剤を配合することができる。具体的には、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤として、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
図1は、本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。タイヤ1は、トレッド部3と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の内方端に位置するビード部4とを具える。またビード部4、4間にはカーカス5が架け渡されるとともに、このカーカス5のラジアル方向外側にタガ効果を有するベルト層6が配される。
該カーカス5は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部3からサイドウォール部2を経てビード部4のビードコア7の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部5aによって係止される。
ベルト層6は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して例えば45°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。さらにベルト層6の外側にバンド層(図示せず)を設けても良く、このときバンド層は低モジュラスの有機繊維コードを、タイヤ赤道とほぼ平行に螺旋巻きした連続プライで形成する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、たとえば図1に示される空気入りタイヤにおけるトレッド部3および/またはサイドウォール部2に対して用いられる。なお本発明に係る空気入りタイヤの構造は上述のものに限定されない。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1〜表3に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、それぞれバンバリーを用い約150℃で5分間混練し、さらに硫黄および加硫促進剤を加えて2軸オープンロールを用い約80℃で5分間練り込んで、トレッドゴム組成物またはサイドウォールゴム組成物を得た。これらのゴム組成物を用いてゴムシートを作製し、タイヤのトレッドまたはサイドウォールとして成型し、150℃、35分、25kgf(245.16625N)の条件で加硫を行なって試験用タイヤ(サイズ 195/65R15)を作製した。
(複素弾性率E*、損失正接tanδ)
上記で得られた試験用タイヤのトレッドまたはサイドウォールから、幅4mm×長さ30mm×厚さ1.5mmの短冊状試料を作製し、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメータを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪み±1%の条件で複素弾性率E*および損失正接tanδを測定した。
(引張強度)
JIS−K6251に準じ、3号ダンベルを用いて引張方向がタイヤ周方向に対して平行になるように、上記で得られた試験用タイヤのトレッドまたはサイドウォールからサンプルを打ち抜き、引張試験を実施して100%伸張時のモジュラス(M100)を測定した。
(耐摩耗性)
上記で得られた試験用タイヤ(サイズ 195/65R15)のトレッドから試験片を作製し、岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/min、負荷荷重4.5kg、かつ落砂量15g/minでスリップ率50%にて該試験片の摩耗を測定し、従来例1および3を100として指数表示した。値が大きい程耐摩耗性に優れる。
(耐屈曲亀裂成長性能)
上記で得られた試験用タイヤのサイドウォールにつき、JIS−K6260による屈曲亀裂試験に準じ、デマッチャ屈曲亀裂試験機を用いて亀裂成長性をテストした。なおテストは、該試験用タイヤからサンプルを切り出し、規定のクラックを与え、該クラックが1mm成長するのに要する屈曲回数を測定し、従来例2を100として指数表示した。
(操縦安定性)
上記で作製した試験用タイヤを車に装着し、テストコースにて40〜100km/hで走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ性のフィーリング試験による操縦安定性の評価、および乗り心地性能の評価を行なった。評価は下記の基準により5点満点で行ない、2人のドライバーの平均値を、表1については従来例1、表2については従来例2、表3については従来例3をそれぞれ100とする指数により表わした。数値が大きいほど操縦安定性および乗り心地が良いことを表わす。
5点:従来例より優れる。
4点:従来例よりやや優れる。
3点:従来例と同等である。
2点:従来例よりやや劣る。
1点:従来例より劣る。
(転がり抵抗)
転がり抵抗試験機を用いて転がり抵抗係数(RRC)につき評価し、表1については従来例1、表2については従来例2をそれぞれ100とした指数で表した。値が小さい程転がり抵抗が小さく、燃費が向上する傾向にある。
(ゴム硬度Hs)
JIS K6253に準ずる方法によりゴム硬度を測定した。
(氷上におけるトラクション性能)
表3の配合成分から得たトレッドゴム組成物を用いて厚さ3mmのトレッドシートを作製し、乗用車用のスタッドレスタイヤを製造した(195/65R15)。このタイヤを乗用車に装着し、北海道旭川のテストコース、気温−6〜−1℃にて、氷上登坂路でのトラクションのフィーリングテストを行ない、氷上の実車性能を評価した。結果は従来例3を100とした指数表示で表した。値が大きい程トラクション性能に優れる。
Figure 0004353915
Figure 0004353915
Figure 0004353915
注1:NRは、タイ製の「RSS♯3」である。
注2:BRは、宇部興産社製の「BR130B」である。
注3:カーボンブラックIは、三菱化学社製の「N220」である。
注4:紙繊維Iは、三共精粉社製のクラフト紙粉砕品「ミルファイブ100」(クラフト紙の裁断・叩解品)である。
注5:紙繊維IIは、クラフト紙の裁断品(サイズ:2mm×2mm×0.5mm)である。
注6:老化防止剤は、精工化学社製の「オゾノン6C」である。
注7:ワックスは、大内新興化学社製の「サンノックワックス」である。
注8;アロマオイルは、出光興産社製の「ダイアナプロセスAH40」である。
注9:ステアリン酸は、日本油脂社製の「桐」である。
注10:酸化亜鉛は、東邦亜鉛社製の「銀嶺R」である。
注11:シランカップリング剤は、デグサ社製の「Si266」である。
注12:硫黄は、鶴見化学社製である。
注13:加硫促進剤は、大内新興化学社製の「ノクセラーNS」(N−t−ブチル2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)である。
注14:カーボンブラックIIは、三菱化学社製の「N550」である。
注15:シリカは、日本シリカ社製の「ニプシルVN3」である。
表1の結果から、実施例1〜4のトレッドゴムを用いた場合、紙繊維とシランカップリング剤とが配合されない従来例1と比べて、耐摩耗性が大きく損なわれることがない一方、損失正接tanδの低減によって転がり抵抗係数(RRC)が低くなり、かつ操縦安定性も向上していることが分かる。また、細片化および叩解を行なった紙繊維が配合され、かつシランカップリング剤が配合されていない比較例1および2、細片化のみを行ない、叩解を行なっていない紙繊維とシランカップリング剤とが配合された比較例3、と比べ、実施例1〜4のトレッドゴムにおいては耐摩耗性が良好に維持されていることが分かる。
表2の結果から、実施例5〜8のサイドウォールゴムを用いた場合、紙繊維とシランカップリング剤とが配合されない従来例2と比べて、耐屈曲亀裂成長性能が大きく損なわれることがない一方、損失正接tanδの低減によって転がり抵抗係数(RRC)が低くなり、かつ操縦安定性も向上していることが分かる。また、細片化および叩解を行なった紙繊維が配合され、かつシランカップリング剤が配合されていない比較例4および5、細片化のみを行ない、叩解を行なっていない紙繊維とシランカップリング剤とが配合された比較例6と比べ、実施例5〜8のサイドウォールゴムにおいては耐屈曲亀裂成長性能が良好に維持されていることが分かる。
表3の結果から、実施例9〜11のトレッドゴムを用いた場合、紙繊維が配合されない従来例3と比べて、耐摩耗性が大きく損なわれることがない一方、ドライでの操縦安定性および氷上でのトラクション性能が向上していることが分かる。また、細片化および叩解を行なった紙繊維が多量に配合された比較例7と比べ、実施例9〜11のトレッドゴムにおいては、ゴム硬度Hsおよび複素弾性率E*の過度の上昇が抑えられ、耐摩耗性が良好に維持されていることが分かる。さらに、細片化のみを行ない、叩解を行なっていない紙繊維とシランカップリング剤とが配合された比較例8と比べても、実施例9〜11のサイドウォールゴムにおいては耐摩耗性が良好に維持されていることが分かる。
これらの結果から、本発明に係るタイヤ用ゴム組成物をトレッドおよび/またはサイドウォールに用いた場合、耐摩耗性、耐屈曲亀裂成長性能といったタイヤの基本性能を大きく損なうことなく低燃費と良好な操縦安定性とを両立することが可能であることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、タイヤの基本性能を大きく損なうことなく燃費の低減と操縦安定性の向上とを同時に実現することが可能な空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明に係る空気入りタイヤの断面図の右半分を例示した図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 サイドウォール部、3 トレッド部、4 ビード部、5 カーカス、5a 折返し部、6 ベルト層、7 ビードコア。

Claims (7)

  1. トレッドゴムおよび/またはサイドウォールとして使用されるタイヤ用ゴム組成物であって、ゴム成分の100質量部に対し、原料紙を細片化し、さらに叩解することにより得られる紙繊維を0.5〜10質量部の範囲内、シランカップリング剤を0.1〜3質量部の範囲内でそれぞれ含有し、前記紙繊維の平均長さ(L)と平均直径(D)との比(L)/(D)が10〜2000の範囲内でかつ前記平均長さ(L)が10〜3000μmの範囲内であり、
    トレッドとして用いるタイヤ用ゴム組成物の複素弾性率E*において、トレッド表面における周方向の複素弾性率E*aと該周方向と垂直をなす方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.1以上であり、
    サイドウォールとして用いるタイヤ用ゴム組成物の複素弾性率E*において、サイドウォール表面における周方向の複素弾性率E*cとラジアル方向の複素弾性率E*dとの比E*c/E*dが、1.1以上である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記原料紙が新聞古紙および/またはクラフト紙である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記平均直径(D)が1〜100μmの範囲内である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における複素弾性率E*が5〜20MPaの範囲内である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。。
  5. 温度70℃、周波数10Hz、動歪±1%の測定条件における損失正接tanδが0.04〜0.2の範囲内である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を、サイドウォールゴムに用いた空気入りタイヤ。
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