WO2010090143A1 - (メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法は、熱源機で冷却された冷熱媒を晶析器に供給し、粗(メタ)アクリル酸溶液から(メタ)アクリル酸結晶化物を得る結晶化工程と;前記晶析器から排出された冷熱媒を、冷却せずに前記晶析器に返送する調整工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液を系外に排出する発汗工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る融解工程とを、この順番で行うことを特徴とする。本発明によれば、高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られる。
Description
本発明は、晶析操作を有する(メタ)アクリル酸の製造方法に関する。
従来、(メタ)アクリル酸を工業的に合成する方法として、(メタ)アクリル酸製造原料を接触気相酸化する方法が知られている。(メタ)アクリル酸製造原料が接触気相酸化して生成した(メタ)アクリル酸含有ガスは、例えば、液媒体で捕集され、粗(メタ)アクリル酸溶液として回収され、さらに、蒸留、放散、抽出や晶析等の方法により精製される。
粗(メタ)アクリル酸を晶析により精製する場合、例えば、動的晶析装置や静的晶析装置が用いられることが、一般に知られている。粗メタクリル酸溶液を晶析により精製する方法として、例えば特許文献1には、粗メタクリル酸溶液を結晶化および融解して、精製する方法が開示されている。特許文献1では、融解が2回に分けて行われ、1回目の融解(発汗工程)で得られた融解液は系外に排出され、2回目の融解で得られた融解液を精製メタクリル酸として回収している。特許文献2には、結晶化時の結晶の脱落を防止し、結晶の融解を迅速に行えるようにすることを目的として、結晶の析出面に複数の突状部を設けた動的晶析装置が開示されている。特許文献3には、掻き取り手段を備えた晶析装置を用いてアクリル酸の晶析を行うにあたり、精製アクリル酸の重合を防止するために、融解アクリル酸に重合防止剤を添加し、これを結晶に循環供給する方法が開示されている。
特許文献1~3に開示された方法では、結晶化工程、発汗工程、および融解工程とにより粗(メタ)アクリル酸溶液から精製(メタ)アクリル酸を製造している。しかし、当該方法により得られる精製(メタ)アクリル酸は、精製されているもののわずかな不純物が含まれている。従って、さらに高い純度の精製(メタ)アクリル酸が得られれば、より好ましい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られる(メタ)アクリル酸の製造方法を提供することにある。
本発明では、結晶化工程、発汗工程、および融解工程とを含む(メタ)アクリル酸の製造方法において、発汗工程の前段に、晶析器から排出された冷熱媒を、冷却せずに前記晶析器に返送する調整工程を設けることで、より高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られることが明らかになった。すなわち、前記課題を解決することができた本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法とは、熱源機で冷却された冷熱媒を晶析器に供給し、粗(メタ)アクリル酸溶液から(メタ)アクリル酸結晶化物を得る結晶化工程と;前記晶析器から排出された冷熱媒を、冷却せずに前記晶析器に返送する調整工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液を系外に排出する発汗工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る融解工程とを、この順番で行うところに特徴を有する。
調整工程を設けることにより、晶析器の出口と入口とでの冷熱媒の温度が均一化され、晶析器内の冷熱媒の温度が均一化される。その結果、晶析器内の(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が均一化される。従って、本発明では、引き続く発汗工程において、(メタ)アクリル酸結晶化物が均等に一部融解して結晶間や結晶表面に存在する不純物が効果的に除去され、融解工程により、より高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られるようになる。
調整工程では、晶析器から排出された冷熱媒を、熱源機を介さずに前記晶析器に返送することが好ましい。前記構成により、晶析器から排出され、当該晶析器に返送するまでの冷熱媒の温度差を小さくできる。
調整工程は、1分以上10分以下行うことが好ましい。調整工程を1分以上行うことで、晶析器内の冷熱媒の温度が十分均一化され、調整工程を10分以下とすることで、製造効率を大きく低下させずに(メタ)アクリル酸を製造できる。
調整工程では、晶析器から排出され前記晶析器に返送するまでの冷熱媒の温度差が、1.0℃以内であることが好ましい。前記温度差が1.0℃以内であれば、晶析器内の冷熱媒の温度が十分均一化され、最終的により高純度の精製(メタ)アクリル酸を得やすくなる。
本発明の製造方法はアクリル酸の製造方法であり、融解工程において、アクリル酸結晶化物を融解し、精製アクリル酸の温度が18℃以上25℃以下の範囲、かつ、温熱媒と精製アクリル酸との温度差が5℃以上25℃以下の範囲となるように、精製アクリル酸を得ることが好ましい。このように精製アクリル酸と温熱媒の温度を制御して融解工程を行うことにより、アクリル酸結晶化物の融解速度が高められ、その結果、アクリル酸の生産性が向上する。
アクリル酸結晶化物は、精製アクリル酸で濡らしながら融解することが好ましい。また、精製アクリル酸を晶析器に循環して、アクリル酸結晶化物を融解することが好ましい。このようにアクリル酸結晶化物を融解することにより、アクリル酸結晶化物をより効率的に融解できるようになる。
本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法によれば、より高純度の精製(メタ)アクリル酸を得ることができる。
本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法は、熱源機で冷却された冷熱媒を晶析器に供給し、粗(メタ)アクリル酸溶液から(メタ)アクリル酸結晶化物を得る結晶化工程と;前記晶析器から排出された冷熱媒を、冷却せずに前記晶析器に返送する調整工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液を系外に排出する発汗工程と;前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る融解工程とを有する。本発明では、結晶化工程、調整工程、発汗工程、および融解工程をこの順番で行い(以下、前記結晶化工程から融解工程に至る操作を「晶析操作」と称する場合がある)、粗(メタ)アクリル酸溶液から精製(メタ)アクリル酸を得る。
結晶化工程では、熱源機で冷却された冷熱媒を晶析器に供給する。結晶化工程で使用される熱源機は、冷熱媒を冷却するものであれば、特に限定されない。熱源機としては、熱源として蒸気や液化ガスが用いられる多管式熱交換器が挙げられる。また熱源機として、冷熱媒と温熱媒の両方を供給できる冷凍機を用いてもよい。冷凍機としては、吸収式冷凍機(アンモニア吸収式、水-臭化リチウム式等)、圧縮式冷凍機、吸着式冷凍機等を使用できる。
冷熱媒は、熱源機と晶析器で液体状態を維持するものであれば特に限定されない。冷熱媒とは、熱源機で冷却された熱媒を意味する。冷熱媒は、発汗工程や融解工程で使用される温熱媒と、同一であっても異なっていてもよい。冷熱媒としては、エチレングリコール水溶液、グリセリン水溶液、メタノール水溶液等を用いることができる。
熱源機から排出される冷熱媒の温度は、粗(メタ)アクリル酸溶液の凝固点未満であれば特に限定されない。粗(メタ)アクリル酸溶液の凝固点は、(メタ)アクリル酸濃度および不純物組成に応じて変化する。例えば、アクリル酸濃度80質量%~95質量%でその他の不純物の大半が水である粗アクリル酸溶液であれば、凝固点は概ね-5℃超、13.5℃以下となる。
熱源機から排出される冷熱媒の温度は、晶析器に供する(メタ)アクリル酸溶液の凝固点により適宜調整することが好ましく、例えばアクリル酸濃度80質量%~95質量%の溶液の場合は、-5℃以下が好ましく、-10℃以下がより好ましく、また-40℃以上が好ましく、-30℃以上がより好ましい。前記のように、熱源機から排出される冷熱媒の温度の上限は粗(メタ)アクリル酸溶液の凝固点未満であればよいが、結晶化を効率的に行う点から、熱源機から排出される冷熱媒の温度は-5℃以下であることが好ましい。一方、熱源機から排出される冷熱媒の温度が-40℃未満の場合は、熱源機での冷却負荷が増え、高仕様の熱源機が必要となったり、熱源機の消費エネルギーが増大するおそれがあるため、熱源機から排出される冷熱媒の温度は-40℃以上であることが好ましい。
結晶化工程では、結晶化の進行状況に応じて、晶析器に供給する冷熱媒の温度を適宜調整してもよい。冷熱媒は、互いに異なる温度を有する2種類以上を用いてもよい。例えば、-10℃~-5℃の範囲の冷熱媒と-30℃~-15℃の範囲の冷熱媒とを2種類用いてもよい。ただし、小スケールの晶析装置を用いる場合には、熱源機から所望の温度の冷熱媒を抜き出し、その温度のまま晶析器に供給してもよい。
晶析器は、粗(メタ)アクリル酸溶液を晶析できるものであれば特に限定されない。晶析器としては、伝熱面を有するものが好ましい。この場合、晶析器は、内部が伝熱面により、冷熱媒または温熱媒が供給される部分(熱媒存在部)と、粗(メタ)アクリル酸溶液および/または(メタ)アクリル酸結晶化物が存在する部分(結晶化物存在部)とに区分されていることが好ましい。
伝熱面を有する晶析器としては、一般に熱交換器として用いられる装置を採用することができ、特に液体同士で熱交換を行う熱交換器として用いられる装置を採用することが好ましい。例えば、一枚のプレートが配置され、または複数枚のプレートが間隔を隔てて積層され、熱媒存在部と結晶化物存在部とがプレートを介して交互に配置されたプレート式熱交換器;複数本の管が容器内に配列され、管の内外で熱交換を行う多管式(シェル・アンド・チューブ式)熱交換器;外管の中に内管が配置され、内管の内外で熱交換を行う二重管式熱交換器等を採用することができる。なお、多管式熱交換器、二重管式熱交換器で用いられる管の断面形状は特に限定されない。
本発明の製造方法で使用される晶析器は、粗(メタ)アクリル酸溶液を被膜状に流下させながら(Falling Film形式)結晶化する、いわゆる動的結晶化できるものが好ましい。また、融解液を循環し、落下被膜状に流下させながら(Falling Film形式)融解できるものが好ましい。そのような晶析器としては、回分式動的晶析装置を用いることができる。例えば、SulzerChemtech社スイスの層結晶化装置や、特公昭53-41637号公報に開示される晶析装置等を使用することができる。
結晶化工程では、冷熱媒を晶析器に供給するとともに、粗(メタ)アクリル酸溶液を晶析器に供給する。その結果、粗(メタ)アクリル酸溶液が冷熱媒により冷却され、(メタ)アクリル酸結晶化物が生成する。結晶化工程では、粗(メタ)アクリル酸を、晶析器の結晶化物存在部と、結晶化物存在部の入口と出口とをつなぐ循環流路との間を循環させて、結晶化させることが好ましく、その結果、効率的に結晶化を行うことができるようになる。
粗(メタ)アクリル酸溶液は、(メタ)アクリル酸とそれ以外の不純物を含む液体であれば特に限定されない。前記不純物としては、未反応の(メタ)アクリル酸製造原料、捕集液媒体(水など)、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、アセトン、アクロレイン、フルフラール、ホルムアルデヒド等が含まれる。本発明の製造方法で使用される粗(メタ)アクリル酸溶液は、(メタ)アクリル酸濃度が80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸濃度が80質量%以上であれば、粗(メタ)アクリル酸溶液を結晶化することが容易となる。なお、前記(メタ)アクリル酸濃度の上限は特に限定されない。
結晶化工程では、熱源機で冷却された冷熱媒が晶析器に供給され、粗(メタ)アクリル酸溶液と熱交換されて加熱され、晶析器から排出される。そのため、冷熱媒の温度は、晶析器の入口よりも出口の方が高温となる。結晶化工程では、粗(メタ)アクリル酸溶液から(メタ)アクリル酸を結晶化させて、不純物は極力結晶化させずに液体状態を保つことで(メタ)アクリル酸を精製しているため、結晶化工程では粗(メタ)アクリル酸溶液の全てが結晶化することはない。従って、冷熱媒の温度は、結晶化工程全般において、晶析器の入口よりも出口の方が高温となる。このことは、結晶化工程において、晶析器内で生成した(メタ)アクリル酸結晶化物が、不均一な温度分布を有することを意味する。
結晶化工程においては、例えば、結晶化の進行に伴い晶析器に供給する冷熱媒の温度を徐々に下げ、所定量の結晶化物が得られた時点で、結晶化工程を終了するか、晶析器に供給する冷熱媒の温度を低温に一定に保つように操作する。結晶化工程では一般に、最終的な晶析器の入口と出口の冷熱媒の温度差は、2℃~5℃程度となる。
結晶化工程では、晶析器から排出された冷熱媒は、熱源機に返送されて冷却され、再び晶析器に供給される。結晶化工程では、晶析器で受熱し温度が高くなった冷熱媒を、熱源機で再び冷却することにより、冷熱媒を循環利用することが好ましい。
結晶化工程で結晶化せずに残った粗(メタ)アクリル酸溶液(以下、「残留母液」と称する場合がある)は、結晶化工程の最後、調整工程、または発汗工程で、系外に排出する。残留母液を発汗工程で系外に排出する場合は、発汗工程で生じた融解液とともに系外に排出することが効率的である。
晶析法により粗(メタ)アクリル酸溶液から精製(メタ)アクリル酸を得る場合、結晶化工程の後、すぐに発汗工程に移行するのが一般的である。なお、発汗工程とは、(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより、得られた融解液を系外に排出する工程を意味する。発汗工程により、結晶間や結晶表面に存在する不純物が洗い流され、引き続き行われる融解工程において、より高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られるようになる。しかし、前記説明したように、結晶化工程では、晶析器内で生成した(メタ)アクリル酸結晶化物が、不均一な温度分布を有している。具体的には、晶析器の冷熱媒入口側で(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が低くなり、晶析器の冷熱媒出口側で(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が高くなる。このように、(メタ)アクリル酸結晶化物が晶析器内で不均一な温度分布を有している場合、結晶化工程の後すぐに発汗工程に移ると、(メタ)アクリル酸結晶化物の融解が均一に行われず、高温の(メタ)アクリル酸結晶化物が優先的に融解されるようになる。その結果、(メタ)アクリル酸結晶化物の高温部分では純度の高い(メタ)アクリル酸結晶化物まで融解したり、逆に(メタ)アクリル酸結晶化物の低温部分では結晶間や結晶表面に存在する不純物が十分除去されなくなる。
そこで、本発明の製造方法では、結晶化工程と発汗工程との間に、晶析器から排出された冷熱媒を冷却せずに晶析器に返送する調整工程を設ける。晶析器から排出された冷熱媒を冷却せずに晶析器に返送することで、晶析器の入口と出口とでの冷熱媒の温度が理想的には均一化され、晶析器内の冷熱媒の温度が均一化されることとなる。その結果、晶析器内の(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が均一化されると考えられる。従って、調整工程に引き続き発汗工程を行うことで、(メタ)アクリル酸結晶化物が、晶析器内での結晶化位置によらず均等に一部融解し、結晶間や結晶表面に存在する不純物が効果的に除去できるようになる。またその結果、融解工程により、より高純度の精製(メタ)アクリル酸が得られるようになる。
調整工程において、晶析器から排出された冷熱媒を冷却せずに晶析器に返送する方法としては、例えば、晶析器の出口と入口とをつなぐ短絡流路を設け、当該短絡流路を通じて晶析器から排出された冷熱媒を晶析器に返送すればよい。また、晶析器から排出された冷熱媒を、稼働していない熱源機を通して、晶析器に返送してもよい。
調整工程では、管路やポンプ等から不可避的に熱の授受が行われる場合を除き、積極的に加熱または冷却しない。また、不可避的に熱の授受が行われる場合でも、その授受量はできるだけ少ない方が好ましい。例えば、晶析器から排出された冷熱媒を、稼働していない熱源機を通して晶析器に返送する場合は、熱源機に残存した冷熱により冷熱媒が冷却される場合があり、従って、晶析器から排出された冷熱媒は熱源機を介さずに晶析器に返送することが好ましい。
調整工程では、晶析器の出口と入口とでの冷熱媒の温度差が小さい方が好ましい。すなわち、晶析器から排出され、当該晶析器に返送するまでの冷熱媒の温度差が小さい方が好ましい。具体的には、前記温度差は1.0℃以内が好ましく、0.5℃以内がより好ましい。前記温度差が1.0℃以内であれば、晶析器内の冷熱媒の温度が十分均一化され、最終的により高純度の精製(メタ)アクリル酸を得やすくなる。
晶析器の出口と入口とでの冷熱媒の温度差を小さくするためには、晶析器から排出された冷熱媒ができるだけ短い経路で晶析器に返送されることが好ましい。具体的には、晶析器の出口と入口とをつなぐ短絡流路を設け、当該短絡流路を通じて晶析器から排出された冷熱媒を晶析器に返送することが好ましい。短絡流路には、必要に応じて、冷熱媒を晶析器に返送するためのポンプを設けてもよい。
調整工程は、少なくとも1分以上行うことが好ましく、2分以上行うことがより好ましい。調整工程を1分以上行うことにより、晶析器内の冷熱媒の温度が十分均一化され、さらに晶析器内で冷熱媒と(メタ)アクリル酸結晶化物とが熱交換されて、晶析器内の(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が均一化されやすくなる。一方、調整工程は、10分以下行うことが好ましく、5分以下行うことがより好ましい。調整工程を10分超行っても、晶析器内の冷熱媒や(メタ)アクリル酸結晶化物の温度はそれ以上均一化されにくく、調整工程の時間が長くなることで製造効率が低下する。
調整工程では、工程の初期段階においては、晶析器から排出され晶析器に返送される冷熱媒の温度が、結晶化工程の終期段階において晶析器から排出される冷熱媒の温度とほぼ等しくなるが、調整工程が進むに従い、一般に、冷熱媒が管路やポンプ等から受熱して、冷熱媒の温度が上昇する傾向を示す。この場合、冷熱媒の温度が(メタ)アクリル酸結晶化物の融点未満の範囲に収まるように、調整工程の時間を適宜調整する。好ましくは、晶析器から排出され晶析器に返送される冷熱媒の温度は、(メタ)アクリル酸結晶化物の融点の5℃以上低い温度範囲に維持する。
調整工程に引き続いて発汗工程を行う。発汗工程では、晶析器に温熱媒を供給し、(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液を系外に排出する。
温熱媒とは、熱源機で加熱された熱媒を意味する。温熱媒は、熱源機と晶析器で液体状態を維持するものであれば特に限定されない。熱源機としては、前記例示した熱源機を使用することができ、冷凍機を使用してもよい。温熱媒としては、冷熱媒として例示した物質を用いることができる。
熱源機から排出される温熱媒の温度は、(メタ)アクリル酸結晶化物の融点超であれば特に限定されない。熱源機から排出される温熱媒の温度は、好ましくは15℃以上であり、より好ましくは25℃以上であり、また45℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。前記のように、熱源機から排出される温熱媒の温度の下限は結晶化した(メタ)アクリル酸の融点超であればよいが、融解を効率的に行う点から、熱源機から排出される温熱媒の温度は15℃以上であることが好ましい。一方、熱源機から排出される温熱媒の温度が45℃を超える場合は、晶析器において(メタ)アクリル酸の重合反応が起こり、操作の継続が困難になったり、得られる(メタ)アクリル酸の純度や収率が落ちるおそれがある。また、熱源機での加熱負荷が増え、高仕様の熱源機が必要となったり、熱源機の消費エネルギーが増大するおそれがある。そのため、熱源機から排出される温熱媒の温度は45℃以下であることが好ましい。
発汗工程および後述する融解工程では、融解の進行状況に応じて、晶析器に供給する温熱媒の温度を適宜調整してもよい。発汗工程と後述する融解工程とを比較すると、晶析器に供給する温熱媒の温度は、発汗工程より融解工程の方が高い方が好ましい。
発汗工程では、晶析器に温熱媒を供給し、(メタ)アクリル酸結晶化物を加熱して、(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解する。その結果、(メタ)アクリル酸結晶化物の結晶間や結晶表面に存在する不純物が除去され、引き続き行われる融解工程において、より純度の高い精製(メタ)アクリル酸が得られるようになる。
発汗工程では、(メタ)アクリル酸結晶化物の1質量%~10質量%を融解することが好ましい。(メタ)アクリル酸結晶化物を前記割合で一部融解することで、融解工程で得られる精製(メタ)アクリル酸の純度と収量とを効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液は、系外に排出する。なお、系外に排出するとは、一旦晶析器から排出することを意味する。系外に排出した融解液は、別の結晶化工程に供する粗(メタ)アクリル酸溶液として使用してもよく、また晶析より前段の任意の工程に戻してもよい。なお、結晶化工程で発生し、系外に排出した残留母液も、系外に排出した融解液と同様に扱えばよい。
発汗工程の後、融解工程を行う。融解工程では、晶析器に温熱媒を供給し、(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る。融解工程で使用される温熱媒は、発汗工程で使用される温熱媒について説明した通りであり、発汗工程で使用される温熱媒と同一の物質を用いることが効率的である。融解工程により、粗(メタ)アクリル酸溶液より純度が高められた精製(メタ)アクリル酸が得られる。本発明の製造方法によれば、調整工程を設けることにより、より高純度の精製(メタ)アクリル酸を得ることができる。
融解工程では、温熱媒の供給に伴い先に溶ける融解液を、晶析器の結晶化物存在部と、結晶化物存在部の入口と出口とをつなぐ循環流路との間を循環させて、残存する(メタ)アクリル酸結晶化物の融解を促進させることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸の重合防止の点から、重合防止剤を晶析器の結晶化物存在部に供給することが好ましい。
本発明の製造方法がアクリル酸の製造方法である場合、融解工程では、アクリル酸結晶化物を融解し、精製アクリル酸の温度が18℃以上25℃以下の範囲、かつ、温熱媒と精製アクリル酸との温度差が5℃以上25℃以下の範囲となるように、精製アクリル酸を得ることが好ましい。このように融解工程を行うことで、アクリル酸結晶化物を迅速に融解することができ、その結果、アクリル酸の生産性が向上する。
アクリル酸結晶化物を融解して得られる精製アクリル酸の温度と温熱媒の温度の測定箇所について、図1を参照しながら説明する。図1には、本発明の製造方法で使用可能な晶析装置が示されている。晶析器1は、伝熱面として機能する晶析管2を備える。晶析器1は、晶析管2の内外面で、冷熱媒または温熱媒が供給される熱媒存在部3と、粗(メタ)アクリル酸溶液および/または(メタ)アクリル酸結晶化物が存在する結晶化物存在部4とに区分されている。冷熱媒と温熱媒は、入口3aを通って晶析器1の熱媒存在部3に供給され、出口3bを通って晶析器1から排出される。晶析器1にはまた、粗(メタ)アクリル酸溶液および/または精製(メタ)アクリル酸を晶析器1に循環させるための循環流路8が設けられ、循環流路8には循環ポンプ13が備わっている。
精製アクリル酸の温度とは、循環流路8を流れる精製アクリル酸の温度を意味し、具体的には、晶析器1の出口4bから循環ポンプ13までの間に設置した温度計により測定される。温熱媒の温度とは、熱媒を晶析器1に導入する流路(入口3aに繋がる流路)を流れる温熱媒の温度を意味し、具体的には、晶析器1の入口3aの近くに設置した温度計により測定される。精製アクリル酸の温度は、温熱媒の温度を制御することにより、所望の温度範囲に調整することができる。従って、精製アクリル酸の温度および温熱媒と精製アクリル酸との温度差をそれぞれ、18℃~25℃および5℃~25℃の範囲内に調整するには、温熱媒の温度を適宜制御することにより達成することができる。
アクリル酸結晶化物を融解して得られる精製アクリル酸の温度が18℃未満では、融解自体が遅く、このため融解終了までに時間がかかり、生産性が低下する。Falling Film形式の融解では晶析管内で圧上昇が起こり、最悪の場合には装置停止に至るおそれがある。一方、アクリル酸結晶化物を融解して得られる精製アクリル酸の温度が25℃を超える場合、精製アクリル酸が25℃超の温度に達するまでに時間がかかり、生産性が低下する。
温熱媒とアクリル酸結晶化物を融解して得られる精製アクリル酸との温度差が5℃未満であったり、融解操作中に5℃未満となることがあると、融解自体が遅くなり、このため融解終了までに時間がかかり、生産性が低下する。Falling Film形式の融解では晶析管内で圧上昇が起こり、最悪の場合には装置停止に至るおそれがある。一方、温熱媒とアクリル酸結晶化物を融解して得られる精製アクリル酸との温度差が25℃を超えたり、あるいは融解操作中に25℃を超えるようなことがあると、アクリル酸の重合が起こりやすくなる。
融解工程では、アクリル酸結晶化物を、アクリル酸結晶化物を融解して得られた精製アクリル酸で濡らしながら融解することが好ましい。例えば、精製アクリル酸を晶析器に循環して、アクリル酸結晶化物を融解することが好ましい。このようにアクリル酸結晶化物を融解することにより、アクリル酸結晶化物をより効率的に融解できるようになる。
本発明の製造方法では、結晶化工程、調整工程、発汗工程、および融解工程を、この順番で複数回行ってもよい。この場合、融解工程で得られた精製(メタ)アクリル酸を、再び結晶化工程に粗(メタ)アクリル酸溶液として供する。このように結晶化工程から融解工程に至る晶析操作を複数回繰り返すことで、より純度の高い精製(メタ)アクリル酸を得ることができる。好ましくは、晶析操作を3~5回繰り返す。
本発明の製造方法は、複数の晶析器を使用し、晶析操作を並行して行ってもよい。例えば2つの晶析器を使用する場合を想定すると、一方の晶析器で結晶化工程と調整工程とを行っている間に、他方の晶析器で発汗工程と融解工程とを行うようにすることが好ましい。この場合、一方の晶析器には冷熱媒が供給され、他方の晶析器には温熱媒が供給されることとなるため、冷熱媒と温熱媒とを供給する熱源機として冷凍機を用いれば、冷凍機から発生する温熱と冷熱の両方が晶析操作のいずれかの工程で使用されることとなり、効率的である。
本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法は、さらに、粗(メタ)アクリル酸溶液を得る工程を有することが好ましい。粗(メタ)アクリル酸溶液を得る工程は、(メタ)アクリル酸製造原料から接触気相酸化反応により(メタ)アクリル酸含有ガスを得る接触気相酸化反応工程と、前記(メタ)アクリル酸含有ガスを液媒体で捕集する捕集工程とを有していることが好ましい。また、前記捕集工程の代わりに、前記(メタ)アクリル酸含有ガスを凝縮する凝縮工程を有していてもよい。さらに、前記捕集工程や凝縮工程で得られた(メタ)アクリル酸溶液の(メタ)アクリル酸含有率を上げることを目的に、前記捕集工程または凝縮工程の後段に精製工程(例えば、蒸留精製工程)を設けてもよい。本発明の(メタ)アクリル酸の製造方法は、このような粗(メタ)アクリル酸溶液を得る工程により得られた粗(メタ)アクリル酸を用いて、好適に行うことができる。
接触気相酸化反応工程では、(メタ)アクリル酸製造原料としてプロパン、プロピレン、(メタ)アクロレイン、またはイソブチレン等を用い、これを分子状酸素により接触気相酸化させ、(メタ)アクリル酸含有ガスを得る。接触気相酸化反応は、従来公知の酸化触媒を用いて行うことが好ましい。
捕集工程では、前記接触気相酸化反応工程で得られた(メタ)アクリル酸含有ガスを、捕集塔において液媒体で捕集し、(メタ)アクリル酸溶液を得る。前記液媒体としては、水、(メタ)アクリル酸含有水、または高沸点溶剤(ジフェニルエーテルやジフェニル等)等を用いることができる。本発明では、捕集工程で得られた(メタ)アクリル酸溶液を、粗(メタ)アクリル酸溶液として結晶化工程に供してもよい。また、前記(メタ)アクリル酸含有ガスを凝縮して得られた(メタ)アクリル酸溶液を、粗(メタ)アクリル酸溶液として結晶化工程に供してもよい。
次に、図1を参照して、本発明の製造方法の実施態様の一例を説明する。なお、本発明は図面に示された実施態様に限定されるものではない。
晶析器1は、伝熱面として機能する晶析管2を備える。晶析器1は、晶析管2の内外面で、冷熱媒または温熱媒が供給される熱媒存在部3と、粗(メタ)アクリル酸溶液および/または(メタ)アクリル酸結晶化物が存在する結晶化物存在部4とに区分されている。
結晶化工程では、熱源機で冷却された冷熱媒を、入口3aを通って晶析器1の熱媒存在部3に供給し、晶析器1に供給された冷熱媒は、出口3bを通って晶析器1から排出される。結晶化工程では、熱媒ライン上のバルブ11,12は開いており、晶析器1の入口3aと出口3bとをつなぐ短絡流路5に設けられたバルブ6の開閉により入口3aに入る熱媒の温度を所望の値に調整する。ただし、小スケールの晶析装置を用いて、熱源機から所望の温度の冷熱媒を抜き出し、その温度のまま晶析器に供給する場合は、結晶化工程においてバルブ6は閉じていてもよい。粗(メタ)アクリル酸溶液は、入口4aを通って晶析器1の結晶化物存在部4に所定量供給され、晶析管2内で冷却され、晶析管2の内表面に(メタ)アクリル酸結晶化物が生成する。晶析管2内で結晶化せずに晶析器1の下部に流下した粗(メタ)アクリル酸溶液は、循環ポンプ13により、出口4bと入口4aとをつなぐ循環流路8を通って、再び晶析器1に供給される。結晶化工程で結晶化せずに残った粗(メタ)アクリル酸溶液は、残留母液として、晶析器1の下部に貯めておく。なお、結晶化工程および調整工程では、流路10のバルブ9は閉じている。
調整工程では、熱媒ライン上のバルブ11,12を閉め、短絡流路5のバルブ6を開け、出口3bを通って晶析器1から排出された冷熱媒を、短絡流路5を経由してポンプ7により、晶析器1に返送する。晶析器1の出口3bから晶析器1の入口3aに至る流路には、熱源機等の冷却手段が設けられていないため、冷熱媒は冷却せずに晶析器1に返送されることとなる。調整工程により、晶析器1の入口3aと出口3bにおける冷熱媒の温度が均一化され、その結果、晶析管2の内表面に生成した(メタ)アクリル酸結晶化物の温度が均一化される。
発汗工程では、熱媒ライン上のバルブ11,12を開け、温熱媒を晶析器1の熱媒存在部3に供給し、晶析管2の内表面に生成した(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解する。発汗工程および融解工程では、短絡流路5に設けられたバルブ6は閉じている。発汗工程では、流路10のバルブ9を開け、発汗工程で生成した(メタ)アクリル酸融解液を、前記残留母液とともに、流路10を通じて系外に排出する。
融解工程では、温熱媒を晶析器1の熱媒存在部3に供給し、晶析管2の内表面に生成した(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る。精製(メタ)アクリル酸は、晶析器1の下部(底部)から抜き出して、循環ポンプ13により循環流路8を通って晶析器1の頂部に循環し、(メタ)アクリル酸結晶化物上を流下させる。これにより、循環した精製(メタ)アクリル酸は、アクリル酸結晶化物を濡らしながら落下して、(メタ)アクリル酸結晶化物の融解を促進する。すなわち、精製(メタ)アクリル酸は、循環流路8を通って、再び晶析器1に返送することで、(メタ)アクリル酸結晶化物を効率よく融解することができる。得られた精製(メタ)アクリル酸は、流路10のバルブ9を開け、流路10を通じて系外に排出し、回収する。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
プロピレンの接触気相酸化反応によって得られた反応ガスを捕集塔に導入し、捕集用水溶液と接触させた。捕集塔の塔底より、アクリル酸90.0質量%、水3.2質量%、酢酸1.9質量%、マレイン酸0.6質量%、アクリル酸二量体1.5質量%、フルフラール0.07質量%、ベンズアルデヒド0.27質量%、ホルムアルデヒド0.06質量%、ハイドロキノン0.1質量%、その他の不純物2.3質量%の組成を有する粗アクリル酸溶液を回収した。前記の粗アクリル酸溶液の製造は、特開2005-15478号公報の実施例1と同様の方法により行った。捕集塔から回収した粗アクリル酸溶液の温度は91℃であった。
プロピレンの接触気相酸化反応によって得られた反応ガスを捕集塔に導入し、捕集用水溶液と接触させた。捕集塔の塔底より、アクリル酸90.0質量%、水3.2質量%、酢酸1.9質量%、マレイン酸0.6質量%、アクリル酸二量体1.5質量%、フルフラール0.07質量%、ベンズアルデヒド0.27質量%、ホルムアルデヒド0.06質量%、ハイドロキノン0.1質量%、その他の不純物2.3質量%の組成を有する粗アクリル酸溶液を回収した。前記の粗アクリル酸溶液の製造は、特開2005-15478号公報の実施例1と同様の方法により行った。捕集塔から回収した粗アクリル酸溶液の温度は91℃であった。
得られた粗アクリル酸溶液を、冷却後、晶析操作に供した。晶析器は、上部に、長さ6m、内径70mmの金属製の晶析管が3本備えられ、晶析管外面から冷却および加熱可能な二重ジャケット構造を有し、下部に貯蔵器を有していた。晶析器は、循環ポンプにより貯蔵器中の液体を管上部へ移送し、液体を管内壁面に落下被膜(falling film)状に流すことができるものであった。ジャケットは、サーモスタットで一定温度になるように制御されていた。
結晶化工程では、熱源機により冷却された冷熱媒を晶析管の外側に供給するとともに、粗アクリル酸溶液を、晶析管の内側に上部から供給した。粗アクリル酸溶液は、晶析管の内表面を被膜状に流下させ、その結果、晶析管の内表面にアクリル酸結晶化物が生成した。冷熱媒は、熱源機と晶析器との間を循環させた。結晶化の進行に伴い、冷熱媒の温度を下げ、所定量のアクリル酸結晶化物が得られた時点で、結晶化工程を終了した。結晶化工程では、冷熱媒の温度を最終的に-15℃まで下げ、また、晶析器の入口と出口の冷熱媒の最終的な温度差は約5℃であった。
引き続き、調整工程として、熱源機での冷熱媒の冷却を止めて、冷熱媒を晶析器に供給し続けた。その結果、晶析器入口と出口とにおける冷熱媒の温度差は0.2℃以内となった。調整工程は、5分間行った。
引き続き、発汗工程として、温熱媒を晶析器に供給した。温熱媒は、晶析器出口における温度がアクリル酸結晶化物の融点付近になるように、晶析器への供給温度を調整した。発汗工程では、アクリル酸結晶化物の約2~5質量%が融解し、得られた融解液を、結晶化工程の残留母液とともに、晶析器から排出した。
引き続き、融解工程として、37℃の温熱媒を晶析器に供給し、アクリル酸結晶化物を完全に融解し、精製アクリル酸を得た。この際、精製アクリル酸は、晶析器の下部から引き抜き、それを晶析管の上部に返送して循環させた。
融解工程で得られた精製アクリル酸を、粗アクリル酸溶液として再び結晶化工程に供し、さらに、調整工程、発汗工程、および融解工程に至る2回目の晶析操作を行った。同様に、3回目および4回目の晶析操作を行った。なお、3回目および4回目の融解工程では、重合防止剤としてp-メトキシフェノールの5質量%アクリル酸溶液を加えた。
4回の晶析操作を経て得られた精製アクリル酸は、アクリル酸を99.94質量%含み、他に水85質量ppm、酢酸420質量ppm、マレイン酸2質量ppm、フルフラール0.2質量ppm、ベンズアルデヒド0.1質量ppm、ホルムアルデヒド0.0質量ppm、アクリル酸二量体47質量ppmを含んでいた。
比較例1
調整工程を行わなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、精製アクリル酸を得た。4回の晶析操作を経て得られた精製アクリル酸は、アクリル酸を99.92質量%を含み、他に水123質量ppm、酢酸530質量ppm、マレイン酸3質量ppm、フルフラール0.2質量ppm、ベンズアルデヒド0.2質量ppm、ホルムアルデヒド0.0質量ppm、アクリル酸二量体85質量ppmを含んでいた。比較例1で得られた精製アクリル酸の不純物含有量は、実施例1のものより多い結果となった。
調整工程を行わなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、精製アクリル酸を得た。4回の晶析操作を経て得られた精製アクリル酸は、アクリル酸を99.92質量%を含み、他に水123質量ppm、酢酸530質量ppm、マレイン酸3質量ppm、フルフラール0.2質量ppm、ベンズアルデヒド0.2質量ppm、ホルムアルデヒド0.0質量ppm、アクリル酸二量体85質量ppmを含んでいた。比較例1で得られた精製アクリル酸の不純物含有量は、実施例1のものより多い結果となった。
実施例2
実施例1で得られた粗アクリル酸溶液を、実施例1で使用した晶析器を用いて、晶析操作に供した。晶析操作では、次の通り、結晶化工程と発汗工程と融解工程とを行った(動的結晶化)。結晶化工程では、貯蔵器に粗アクリル酸溶液を供給し、循環ポンプにより晶析管壁面に落下皮膜状に流し、ジャケットの温度を凝固点以下に下降させ、約60~90質量%を壁面に結晶化させた。発汗工程では、循環ポンプを停止させ、ジャケットの温度を凝固点付近にまで上昇させ、アクリル酸結晶化物の約2~5質量%を発汗させた。発汗後、得られた融解液を結晶化工程の残留母液とともにポンプで汲み出した。融解工程では、ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、アクリル酸結晶化物を融解し、得られた精製アクリル酸をポンプで汲み出した。融解開始後、精製アクリル酸は装置上部に循環し、アクリル酸結晶化物上に流下させた。
実施例1で得られた粗アクリル酸溶液を、実施例1で使用した晶析器を用いて、晶析操作に供した。晶析操作では、次の通り、結晶化工程と発汗工程と融解工程とを行った(動的結晶化)。結晶化工程では、貯蔵器に粗アクリル酸溶液を供給し、循環ポンプにより晶析管壁面に落下皮膜状に流し、ジャケットの温度を凝固点以下に下降させ、約60~90質量%を壁面に結晶化させた。発汗工程では、循環ポンプを停止させ、ジャケットの温度を凝固点付近にまで上昇させ、アクリル酸結晶化物の約2~5質量%を発汗させた。発汗後、得られた融解液を結晶化工程の残留母液とともにポンプで汲み出した。融解工程では、ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、アクリル酸結晶化物を融解し、得られた精製アクリル酸をポンプで汲み出した。融解開始後、精製アクリル酸は装置上部に循環し、アクリル酸結晶化物上に流下させた。
融解工程で得られた精製アクリル酸を、粗アクリル酸溶液として再び結晶化工程に供し、さらに、発汗工程および融解工程に至る2回目の晶析操作を行った。同様に、3回目および4回目の晶析操作を行った。
融解工程では、1回目~4回目の晶析操作のいずれにおいても、温熱媒の温度を37℃に調整した。1回目の晶析操作の融解工程においては、循環開始時の融解液(精製アクリル酸)の温度は12℃であり、ここから循環する融解液(精製アクリル酸)の温度を徐々に上昇させ、20℃となった時点で融解操作を停止した。2回目以降の晶析操作の融解工程では、アクリル酸結晶化物の凝固点はいずれも1回目のそれと異なるものとなるので、2回目以降においては、1回目の融解工程の融解液(精製アクリル酸)の温度(12℃)より0℃~1.5℃高い温度から始め、20℃まで徐々に上昇させた後、20℃となった時点で融解操作を停止した。従って、1回目~4回目の晶析工程の融解液(精製アクリル酸)の温度は12℃~20℃であり、また、温熱媒と融解液(精製アクリル酸)との温度差は17℃~25℃の範囲であった。
4回の晶析操作を繰り返した結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を3.30kg/時で得た。得られた精製アクリル酸中にはポリマーは認められなかった。得られた精製アクリル酸中の他の成分は、水100質量ppm、酢酸450質量ppm、マレイン酸3質量ppm、フルフラール0.4質量ppm、ベンズアルデヒド0.1質量ppm、ホルムアルデヒド0.0質量ppm、アクリル酸二量体30質量ppmであった。アクリル酸の精製収率は99.0%であった。
比較例2
実施例2において、融解工程で温熱媒の温度を39℃に調整し、かつ、融解液(精製アクリル酸)の到達温度を28℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。融解工程では、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差が最大30℃を超える時があった。その結果、99.91質量%の純度を有する精製アクリル酸を3.09kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中には少量のポリマーの存在が認められた。
実施例2において、融解工程で温熱媒の温度を39℃に調整し、かつ、融解液(精製アクリル酸)の到達温度を28℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。融解工程では、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差が最大30℃を超える時があった。その結果、99.91質量%の純度を有する精製アクリル酸を3.09kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中には少量のポリマーの存在が認められた。
比較例3
実施例2において、融解工程で融解液(精製アクリル酸)の到達温度を17℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。なお、融解液(精製アクリル酸)の温度が17℃に到達した時点において、まだアクリル酸結晶化物が残っていたため、17℃の融解液(精製アクリル酸)の循環を続ける必要があった。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.35kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。なお、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差は5℃~25℃の範囲であった。
実施例2において、融解工程で融解液(精製アクリル酸)の到達温度を17℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。なお、融解液(精製アクリル酸)の温度が17℃に到達した時点において、まだアクリル酸結晶化物が残っていたため、17℃の融解液(精製アクリル酸)の循環を続ける必要があった。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.35kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。なお、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差は5℃~25℃の範囲であった。
比較例4
実施例2において、融解工程で融解液(精製アクリル酸)の到達温度を28℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.91kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。なお、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差は5℃~25℃の範囲であった。
実施例2において、融解工程で融解液(精製アクリル酸)の到達温度を28℃として、循環ポンプにより融解液(精製アクリル酸)を循環してアクリル酸結晶化物全体を融解した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.91kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。なお、温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差は5℃~25℃の範囲であった。
比較例5
実施例2において、融解工程で温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差が常に2℃以下となるように温熱媒の温度を制御した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。このため、1回目の融解工程における温熱媒の温度は14℃~22℃の間に制御された。この条件により、アクリル酸結晶化物全体が融解するまで融解液(精製アクリル酸)の循環を続けた。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.46kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。
実施例2において、融解工程で温熱媒の温度と融解液(精製アクリル酸)の温度との差が常に2℃以下となるように温熱媒の温度を制御した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸の製造を行った。このため、1回目の融解工程における温熱媒の温度は14℃~22℃の間に制御された。この条件により、アクリル酸結晶化物全体が融解するまで融解液(精製アクリル酸)の循環を続けた。その結果、99.94質量%の純度を有する精製アクリル酸を2.46kg/時で得た。得られた精製アクリル酸の中にはポリマーは認められなかった。
実施例2、比較例2~5の、融解液(精製アクリル酸)温度、温熱媒と融解液(精製アクリル酸)との温度差、生産量(単位時間当たりの精製アクリル酸量)、および精製アクリル酸中のポリマーの有無を表1に示す。
1: 晶析器
2: 晶析管
3: 熱媒存在部
4: 結晶化物存在部
5: 短絡流路
8: 循環流路
2: 晶析管
3: 熱媒存在部
4: 結晶化物存在部
5: 短絡流路
8: 循環流路
Claims (7)
- 熱源機で冷却された冷熱媒を晶析器に供給し、粗(メタ)アクリル酸溶液から(メタ)アクリル酸結晶化物を得る結晶化工程と;
前記晶析器から排出された冷熱媒を、冷却せずに前記晶析器に返送する調整工程と;
前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物の一部を融解することにより得られた融解液を系外に排出する発汗工程と;
前記晶析器に温熱媒を供給し、前記(メタ)アクリル酸結晶化物を融解し、精製(メタ)アクリル酸を得る融解工程とを、この順番で行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸の製造方法。 - 前記調整工程において、晶析器から排出された冷熱媒を、熱源機を介さずに前記晶析器に返送する請求項1に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
- 前記調整工程を1分以上10分以下行う請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
- 前記調整工程において、晶析器から排出され前記晶析器に返送するまでの冷熱媒の温度差が、1.0℃以内である請求項1~3のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸の製造方法。
- 前記製造方法がアクリル酸の製造方法であり、
前記融解工程において、アクリル酸結晶化物を融解し、精製アクリル酸の温度が18℃以上25℃以下の範囲、かつ、温熱媒と精製アクリル酸との温度差が5℃以上25℃以下の範囲となるように、精製アクリル酸を得る請求項1~4のいずれか一項に記載のアクリル酸の製造方法。 - 前記アクリル酸結晶化物を、前記精製アクリル酸で濡らしながら融解する請求項5に記載のアクリル酸の製造方法。
- 前記精製アクリル酸を前記晶析器に循環して、前記アクリル酸結晶化物を融解する請求項5または6に記載のアクリル酸の製造方法。
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