明 細 書
光学フィルター 技術分野
[0001] 本発明は、層状粘土鉱物に色素カチオン及び有機陽イオン力 sインターカレーシヨン されてなる無機有機複合体、及び必要に応じてバインダー樹脂を含有する光学フィ ルターに関する。該光学フィルタ一は、特に、画像表示装置用の光学フィルタ一とし て有用である。
背景技術
[0002] 特定の光に対して強度の大きい吸収を有する化合物は、 CD— R、 DVD-R, DV D + R、青色レーザ記録ディスク等の光学記録媒体の記録層や、液晶表示装置 (LC D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクト口ルミネッセンスディスプレイ(ELD )、陰極管表示装置 (CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像表示装 置の光学要素として用いられてレ、る。
[0003] 例えば、画像表示装置における光学要素の用途としては、基板上に着色画素を形 成し、白色光を透過させてモノクロである表示部をカラー表示する機能を持つカラー フィルターの光吸収剤がある。画像表示装置は、赤、青、緑の三原色の光の組合せ でカラー画像を表示しているが、カラー画像を表示する光には、緑と赤の間の 550〜 600nm等の表示品質の低下をきたす光が含まれており、また、 750〜; UOOnmの赤 外リモコンの誤作動の原因となる光も含まれている。一方、カラー画像を表示する際 あるいは赤外線リモコンの操作の際に、光学フィルターにおいて上記の不要な波長 の光を選択的に吸収する機能が求められており、同時に、蛍光灯等の外光の反射や 映り込みを防止するために 480〜500nm及び 540〜560nmの波長光を吸収するこ とも必要とされている。そこで、画像表示装置等には、これらの波長の光を選択的に 吸収する光吸収性化合物(光吸収剤)を含有する光学フィルターが、カラーフィルタ 一とは別に使用されている。
[0004] 従来、光学フィルターを製造するには、特定の波長の光を選択的に吸収する光吸 収性化合物(光吸収剤)を含有する光学フィルムを、粘着剤層を介してガラス等の透
明基板に貼合させていた。そのため、製造工程が多くなりコストが高いこと、また光学 フィルターを薄層化することが困難であることが問題となっていた。
[0005] 下記特許文献 1には、粘着剤層に色素及びカーボンブラックを含有する電子ディス プレイ用フィルムが開示されており、下記特許文献 2には、色素を含有する粘着剤が 開示されており、下記特許文献 3には、色素を含有する粘着剤を用いたディスプレイ 用フィルターが開示されている。
[0006] しかし、粘着剤層において色素化合物の光や熱等による劣化を抑制することは困 難であり、十分な光学特性を確保できる光学フィルタ一は得られていなかった。
[0007] また、下記特許文献 4には、染料が粘土にインターカレーシヨンされて成る色材を含 有する水性インクが開示されており、下記特許文献 5には、粘土鉱物の層間に有機 陽イオン及びインター力ラントが保持されてなる粘土鉱物複合体が開示されており、 下記特許文献 6には、陽イオン交換性無機層状化合物に対し、脂肪族 4級アンモニ ゥムイオン及び陽イオン性レーザー色素を担持した蛍光発光性層状無機有機複合 体が開示されている力 S、これらの色材ゃ着色複合体を光学フィルターにおいて用い ること、あるいはこれらの色材ゃ粘土鉱物複合体を用いることにより光学フィルターの 耐湿熱性が向上することは何等示唆されて!/、なレ、。
[0008] 特許文献 1:特開 2003— 82302号公報
特許文献 2:特開 2004— 107566号公報
特許文献 3:特許 3311720号公報
特許文献 4 :特開平 10— 77427号公報
特許文献 5 :特開平 2— 293315号公報
特許文献 6 :特開 2004— 2491号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本出願人は、色素化合物及び層状粘土鉱物の混合物を含有する光学フィルター について出願している(国際公開第 2006/137272Α1)。
しかし、該色素化合物及び該層状粘土鉱物を粘土鉱物複合体として分離、乾燥し ないでそのまま光学フィルターに用いると、 4級アンモニゥム塩等の有機溶媒に不溶
な成分が残存し、得られる光学フィルターの耐湿熱性が低下したり、層状粘土鉱物の 層間イオンである有機陽イオンと色素カチオンとのイオン交換が起こりに《層状粘土 鉱物の仕込み量が増加し、結果として塗液が増粘したり粘土鉱物複合体の凝集を招 いたり、コストが高くなつたりするという問題があった。
従って、本発明の目的は、粘着剤層においても耐光性及び耐湿熱性に優れた光 学フィルターを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明者等は、検討を重ねた結果、特に粘着剤層において、層状粘土鉱物に色 素カチオン及び有機陽イオン力 Sインターカレーシヨンされた粘土鉱物複合体を使用 することにより、上記課題を解決し得ることを知見した。
[0011] 本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、少なくとも粘土鉱物複合体を含有 する光学フィルターであって、該粘土鉱物複合体が、層状粘土鉱物 (ィ)に色素カチ オン(口)及び有機陽イオン (ハ)がインターカレーシヨンされてなる粘土鉱物複合体( 二)であることを特徴とする光学フィルターを提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 以下、本発明の光学フィルターについて、好ましい実施形態に基づき詳細に説明 する。
[0013] 本発明の光学フィルタ一は、少なくとも粘土鉱物複合体を含有し、該粘土鉱物複合 体として、層状粘土鉱物 (ィ)に色素カチオン (口)及び有機陽イオン (ハ)力 Sインター カレーシヨンされてなる粘土鉱物複合体 (二)を含有する。
[0014] 本発明に係る層状粘土鉱物 (ィ)としては、天然物又は化学的合成物あるいは層間 にリチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等を有するもの、それらの置換 体、誘導体又はそれらの混合物を用いることができ、具体例としては、スメクタイト、力 ォリン鉱物、雲母、タルク、緑泥石、ハイド口タルサイト、バーミキユライト、フッ素バーミ キュライト等を挙げることができる。スメクタイトとしては、ヘクトライト、サボナイト、スチ ブンサイト、パイデライト、モンモリロナイト、ベントナイト、ノントロナイト等が挙げられ、 カオリン鉱物としては、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディカイト、クリソタイノレ、 リザーダイト、ァメサイト、パイ口フェライト等が挙げられ、雲母 (粘土鉱物)としては、 Li
型フッ素テニオライト、 Na型フッ素テニオライト、 Na型四ケィ素フッ素雲母合成マイ力 を挙げること力 Sでき、中でもスメクタイト及び雲母力 機能性が高いため好ましい。
[0015] 上記スメクタイトの中でも、不純物を除去するために精製したスメクタイトが好ましぐ 高分子バインダーや有機溶媒と親和性の高い親油性スメクタイトがさらに好ましい。 該親油性スメクタイトは、上述したスメクタイト系粘土鉱物をベースにし、これらのスメ クタイトを第四級アンモニゥムイオン等で処理して親油性を付与したものである。 従って、親油性スメクタイトを用いる場合、以下に説明する有機陽イオン (ハ)は該 親油性スメクタイトの層間イオンとして存在する。
上記スメクタイトとしては市販されているものを使用することもでき、例えば、ルーセ ンタイト SWN、 SWF (親水性スメクタイト:コープケミカル社製)、ルーセンタイト STN 、 STN— A、 SPN、 SEN, SAN、 SAN2C、 SAN210、 STF、 SSN、 SSN— A、 S AN312— A、 SAN2C— A、 SAN210— A (親油性スメクタイト:コープケミカル社製 )、クニピア T (モンモリロナイト;クニミネ工業社製)、エスベン N— 400、エスベン N— 400FP (モンモリロナイト:ホージユン社製)、ベントン (東新化成社製)等を使用する こと力 Sできる。これらの中でも不純物を除去するために精製した STN— A、 SSN— A 、 SAN210— A、 SAN312—A及び SAN2Cを使用すること力 粘土鉱物複合体を 形成した場合に凝集しに《分散性が高いので好ましい。
[0016] 上記雲母の中でも、不純物を除去するために精製した雲母が好ましぐ高分子バイ ンダーや有機溶媒と親和性の高い膨潤性雲母がさらに好ましい。
上記雲母としては市販されているものを使用することもでき、例えば、ソマシフ(膨潤 性雲母:コープケミカル社製)、ミクロマイ力(非膨潤性雲母:コープケミカル社製)等 が挙げられる。
[0017] 本発明に係る色素カチオン(口)は、特に制限されず、従来の光学フィルターに使 用されて!/、る公知のシァニン化合物等のカチオンを!/、ずれも用いることができ、単独 で又は複数を組み合わせて用いることもできる。
[0018] 上記色素カチオン(口)としては、具体的には、シァニン化合物、ジィモニゥム化合 物、アミニゥム化合物、ァゾ化合物の金属塩、ァゾメチン色素化合物、トリアリールメタ ン色素化合物、ナフタルイミド化合物、ナフトラクタム化合物、ォキサジン化合物、チ
ァジン化合物、ァザキサンテン化合物、キノリン化合物、インダミン色素化合物、ロー ダミン色素化合物、スクァリリウム系化合物、スチリル系色素化合物等のカチオンが 挙げられる。中でもシァニン化合物のカチオン及びジィモニゥム化合物のカチオンが 、層状粘土鉱物にインターカレーシヨンされて粘土鉱物複合体を形成した場合に、紫 外線や水分等の外部からの影響を受けにくいため耐光性及び耐湿熱性が高ぐ極 性の低レ、有機溶媒との親和性もよ!/、ため好まし!/、。本発明に係る色素カチオン(口) は、一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
[0019] 上記シァニン化合物のカチオンとしては、具体的には、下記一般式 (I)で示される 化合物を挙げる事ができる。
(式中、環 Aは下記(a)、 (b)又は(d)で表される基であり、環 Bは下記 (b)又は(c)で 表される基であり、 Qはポリメチン鎖を構成する、鎖中に環構造を含んでもよい連結 基を表し、該ポリメチン鎖中の水素原子はハロゲン原子、シァノ基、水酸基、アルキ ル基、アルコキシ基、ァリール基又はその置換基で置換されていてもよい。 )
[0021] [化 2]
(式中、
R
2、 R
3、 R
4、 R
5、 R
6、 R
7、 R
2°、 R
21、 R
22及び R
23は、各々独立に、水素原子
、水酸基、置換基を有してもよい炭素原子数;!〜 8のアルキル基、置換基を有しても よい炭素原子数 1〜8のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数 6〜30のァ リール基、置換基を有してもよい炭素原子数 7〜30のァリールアルキル基、ハロゲン 原子、ニトロ基、シァノ基又は下記一般式 (Π)で表される置換基を表し、 R
1及び R
2、 R 4及び R
5、 R
6及び R
7、 R
2°及び R
21、 R
21及び R
22あるいは R
22及び R
23は、それぞれ連結 して炭素原子数 3〜; 12の炭素環又は複素環を形成してもよぐ X
1及び X
2は、各々独
立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、—CR
8R
9— —NH 又は— NY
a を表し R
8及び R
9は、各々独立に、置換基を有してもよい炭素原子数;!〜 8のアルキル基、 置換基を有してもよ V、炭素原子数 6 30のァリール基、置換基を有してもよ V、炭素 原子数 7 30のァリールアルキル基、下記一般式 (Π)で表される置換基又は下記一 般式 (III)で表される置換基を表し、
Υ
3及び Υ
4は、各々独立に、水素原 子、置換基を有してもよい炭素原子数;!〜 8のアルキル基、置換基を有してもよい炭 素原子数 1 8のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数 6 30のァリール 基、置換基を有してもよい炭素原子数 7 30のァリールアルキル基、又は下記一般 式(II)で表される置換基を表し、該アルキル基中のメチレン基は Ο 又は CO— で置換されていてもよい。 )
[0022] [化 3]
(式中、 Ra R'は、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素原子数;!〜 4のアルキル 基を表し、該アルキル基中のメチレン基は O 又は一 CO で置換されて!/、てもよ ぐ Zは直接結合又は置換基を有してもよい炭素原子数 1 8のアルキレン基を表し、 該ァノレキレン基中のメチレン基は一〇一、 S CO COO OCO— - SO —NH— —CONH NHCO N = CH 又は CH = CH 一で置換されていてもよぐ Mは金属原子を表す。 )
(式中、 R1U R "は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭 素原子数 1 4のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素原子数 1 4のアルコキ
シ基を表し、 R1Qと Ruとは連結して炭素原子数 3〜; 12の炭素環又は複素環を形成し てあよい。 )
[0024] 上記一般式 (I)中、 Qで表されるポリメチン鎖を構成する、鎖中に環構造を含んでも よい連結基としては、下記(1)〜(; 10)で表される基が好ましい。
[0025] [化 5]
(式中、 R14 R15 R16 R17 R18及び R19は、各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン 原子、シァノ基、炭素原子数 6 30のァリール基、ジフエニルァミノ基、炭素原子数 1 8のアルキル基又は炭素原子数 1 8のアルコキシ基を表し、 Z'は、水素原子、水 酸基、ハロゲン原子、シァノ基、ジフエ二ルァミノ基、炭素原子数 6 30のァリール基 、炭素原子数 7 30のァリールアルキル基又は炭素原子数 1 8のアルキル基を表 し、該アルキル基又はァリールアルキル基のアルキレン部分は、エーテル結合又は チォエーテル結合で置換されていてもよい。 )
[0026] 上記一般式(I)において、 R
1, R
2 R
3 R
4 R
5 R
6 R
7 R
8 R
9 R
2。、 R
21 R
22 R
23
Y
3及び Y
4で表される置換基を有してもよい炭素原子数 1 8のアルキル 基としては、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、 s—ブチル、 tーブチノレ 、イソブチル、ァミル、イソァミル、 tーァミル、へキシル、シクロへキシル、シクロへキシ ノレメチノレ、シクロへキシノレェチノレ、へプチノレ、イソへプチノレ、 t プチノレ、 n—ォクチ
ノレ、イソォクチノレ、 tーォクチル、 2—ェチルへキシル、トリフルォロメチル、トリクロロメ チル、トリブロモメチル、 1 , 2 ジクロロェチル、 3, 3, 3 トリフルォロプロピル等が挙 げられ、 R
1, R
2 R
3 R
4 R
5 R
6 R
7 R
2。、 R
21 R
22 R
23
Y
3及び Y
4で表 される置換基を有してもよい炭素原子数 1 8のアルコキシ基としては、メトキシ、エト キシ、イソプロポキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチ/レオキシ、イソペンチ/レオキシ、 へキシルォキシ、ヘプチルォキシ、ォクチルォキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、トリ フルォロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリブロモメトキシ等が挙げられ、
R
2 R
3 R
4 R
5 R
6 R
7 R
8 R
9 R
2° R
21 R
22 R
23 Y\ Y
1, Y
2 Y
3及び Y
4で表される置換基を有 してもよい炭素原子数 6 30のァリール基としては、フエニル、ナフチル、 2 メチル フエニル、 3—メチルフエニル、 4—メチルフエニル、 4—ビュルフエニル、 3—イソプロ ピルフエニル、 4 イソプロピルフエニル、 4 ブチルフエニル、 4 イソブチルフエ二 ノレ、 4— tーブチノレフエニノレ、 4 キシノレフエニノレ、 4ーシクロへキシノレフエニノレ、 4 —ォクチルフエニル、 4— (2 ェチルへキシノレ)フエニル、 4 ステアリルフエニル、 2 , 3 ジメチルフエニル、 2, 4 ジメチルフエニル、 2, 5 ジメチルフエニル、 2, 6— ジメチルフエニル、 3, 4 ジメチルフエニル、 3, 5 ジメチルフエニル、 2, 4 ジ t ブチルフエニル、 2, 5 ジー t ブチルフエニル、 2, 6 ジー t ブチルフエニル、 2, 4 ジ— t ペンチルフエニル、 2, 5 ジ— t ァミルフエニル、 2, 5 ジ— t ォ クチルフエニル、 2, 4 ジクミルフエニル、シクロへキシルフェニル、ビフエニル、 2, 4 , 5—トリメチルフエニル等が挙げられ、
R
2 R
3 R
4 R
5 R
6 R
7 R
8 R
9 R
2° R
21 R
22 R
23
Y
3及び Y
4で表される置換基を有してもよい炭素原子数 7 3 0のァリールアルキル基としては、ベンジル、フエネチル、 2—フエニルプロパン— 2— ィル、ジフエニルメチル、トリフエニルメチル、スチリノレ、シンナミル、 2—フエニルプロ パン 2—ィル、ジフエニルメチル等が挙げられ、 R R
2 R
3 R
4 R
5 R
6 R
7 R
2° R
21 R
22及び R
23で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、 ヨウ素原子等が挙げられ、 R
1及び R
2 R
4及び R
5 R
6及び R
7 R
2°及び R
21 R
21及び R
22 あるいは R
22及び R
23が連結して炭素環又は複素環を形成する炭素原子数 3〜; 12の 有機基としては、ベンゼン、ナフタレン、クロ口ベンゼン、ブロモベンゼン、メチルベン ゼン、ェチルベンゼン、メトキシベンゼン、エトキシベンゼン等の芳香族環;フラン環、
ベンゾフラン環、ピロール環、チォフェン環、ピリジン環、キノリン環、チアゾール環等 の複素環;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘプ タン、シクロオクタン等の脂肪族環が挙げられる。なお、 Y
a
Υ
2 Υ
3及び Υ
4におけ るアルキル基中のメチレン基は Ο 又は一 CO で置換されて!/、てもよ!/、。
[0027] 上記一般式(Π)において、 〜 で表される炭素原子数 1 4のアルキル基として は、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、 s ブチル、 tーブチル、イソブ チル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が O で置換された基としては、 メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、 2—メ トキシェチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が CO で置換された基 としては、ァセチル、 1 カルボニルェチル、ァセチルメチル、 1 カルボニルプロピ ル、 2—ォキソブチル、 2—ァセチルェチル、 1 カルボニルイソプロピル等が挙げら れ、 Zで表される置換基を有してもよい炭素原子数 1 8のアルキレン基としては、メ チレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、 1 , 3 ブタンジィル、 2— メチルー 1 , 3—プロパンジィル、 2—メチルー 1 , 3—ブタンジィル、 2—メチルー 1 , 4 ブタンジィル、ペンタメチレン、 1 , 4 ペンタンジィル、 2, 4 ペンタンジィル、 2— メチルー 1 , 4 ペンタンジィル、へキサメチレン、ヘプタメチレン、オタタメチレン、ェ タン 1 , 1 ジィル、プロパン 2, 2—ジィル等が挙げられ、該アルキレン基中のメ チレン基が一 O S CO COO OCO— - SO―、— NH — CONH NHCO—— N = CH 又は一 CH = CH で置換された基としては 、メチレンォキシ、エチレンォキシ、ォキシメチレン、チオメチレン、カルボニルメチレ ン、カルボニルォキシメチレン、メチレンカルボニルォキシ、スルホニルメチレン、アミ ノメチレン、ァセチルァミノ、エチレンカルボキシアミド、ェタンイミドイル、エテュレン、 プロぺニレン等が挙げられ、 Mで表される金属原子としては、 Mは Fe Co Ni Ti Cu Zn Zr Cr Mo Os Mn Ru Sn Pd Rh Pt Ir等が挙げられる。
[0028] 上記一般式 (III)にお!/、て、 R1Q R13で表されるハロゲン原子、 R1Q R13で表される 置換基を有してもよ V、炭素原子数;!〜 4のアルキル基、 R1Q R13で表される置換基を 有してもよい炭素原子数 1 4のアルコキシ基及び R1Qと R11とが連結して炭素環又は 複素環を形成する炭素原子数 3〜; 12の有機基としては、上記一般式 (I)で例示のも
のが挙げられる。
[0029] 上記一般式 (I)で表されるシァニン化合物のカチオンの中でも、下記一般式 (V)で 表されるものが、製造コストが小さぐ且つ粘土鉱物複合体を形成した場合に耐光性 、耐熱性及び耐湿熱性が高いので、光学フィルタ一として更に好ましい。
[0030] [化 6]
(式
、 X
2、 Y
1及び Y
3は上記一般式 (I)と同じであり、 Qは、上記 一般式 (I)と同じである。 )
[0031] 上記一般式 (V)で表されるシァニン化合物のカチオンの中でも、下記一般式 (IV) で表されるものが、粘土鉱物複合体を形成した場合に、特に粘着剤層における耐熱 性及び耐湿熱性が高レ、ので、光学フィルタ一として特に好ましレ、。
[0032] [化 7]
(式中、 Qは、上記一般式 (I)と同じであり、 Y1及び X1は上記一般式 (I)における環 A として表される基である上記(a)と同じであり、 Y3及び X2は上記一般式 (I)における環
Bとして表される基で る上記(c)と同じである。 )
[0033] 本発明に係る上記一般式 (I)で表されるシァニン化合物のカチオンの具体例として は、下記化合物 Νο· ;!〜 49が挙げられる。
[0034] [化 8]
化合物 化合物
[0036] [化 10]
[0037] [化 11]
[0038] [化 12]
化合物 No.33 化合物 No.34
[0040] [化 14]
[0041] 上記ジィモニゥム化合物のカチオンとしては、具体的には下記一般式 (VI)で表さ れる化合物を挙げることができる。
[0042] [化 15]
(式中、 R31、 R32、 R33、 R34、 R35、 R36、 R37及び R38は、各々独立に、水素原子又は置換 基を有してもよい炭素原子数 1〜8のアルキル基を表し、 R39、 R4°、 R41及び R42は、各 々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数 1〜8のアル キル基又は置換基を有してもょレ、アミノ基を表し、該アルキル基中のメチレン基は、 —O 又は CH = CH で置換されていてもよぐ nは 1〜4の数を表す。 ) 上記一般式 (VI)にお!/、て、 R31、 R32、 R33、 R34、 R35、 R36、 R37、 R38、 R39、 R4°、 R41及 び R42で表される置換基を有してもよい炭素原子数 1〜8のアルキル基としては、上記 一般式 (I)における I^〜R7等で示したものが挙げられ、 R39、 R4°、 R41、及び R42で表さ れるハロゲン原子としては、上記一般式 (I)における I^〜R7等で示したものが挙げら れ、 R39、 R4°、 R41及び R42で表される置換基を有してもよいアミノ基としては、アミ入ェ チルァミノ、ジメチルァミノ、ジェチルァミノ、ブチルァミノ、シクロペンチルァミノ、 2— ェチルへキシルァミノ、ドデシルァミノ、ァニリノ、クロ口フエニルァミノ、トルイジノ、ァニ シジノ、 N メチルーァニリノ、ジフエニルァミノ,ナフチルァミノ、 2—ピリジノレアミノ、メ トキシカルボニルァミノ、フエノキシカルボニルァミノ、ァセチルァミノ、ベンゾィルァミノ 、ホノレミノレアミノ、ビバロイルァミノ、ラウロイルァミノ、力ルバモイルァミノ、 N, N ジメ チルァミノカルボニルァミノ、 N, N ジェチルァミノカルボニルァミノ、モルホリノカル ボニルァミノ、メトキシカルボニルァミノ、エトキシカルボニルァミノ、 t ブトキシカルボ ニルァミノ、 n ォクタデシルォキシカルボニルァミノ、 N メチルーメトキシカルボ二 ノレアミノ、フエノキシカルボニルァミノ、スルファモイルァミノ、 N, N ジメチルアミノス ノレホニルァミノ、メチルスルホニルァミノ、ブチルスルホニルァミノ、フエニルスルホニ ルァミノ等が挙げられる。
[0044] 本発明に係る上記一般式 (VI)で表されるジィモニゥム化合物 具体例 としては、下記化合物 No. 50〜57が挙げられる。
[0045] [化 16]
化合物 Νο.50 化合物 Νο.51
化合物 Νο.52 化合物 Νο.53
化合物 Νο.55
化合
これらの色素カチオン(口)は、単独で用いる場合には上記一般式 (IV)で表される 化合物(以下、単に (IV)ともいう)や、上記一般式 (VI)で表される化合物(以下、単に (
VI)とも!/、う)が好まし!/、が、複数を組み合わせて用いる場合も(IV)及び (VI)を一種 又は二種併用するのが好ましい。 (IV)と (VI)を併用する場合、(IV)と (VI)の質量比は 、 1 : 1〜; 1 : 100が好ましぐ 1 : 5〜; 1 : 50が特に好ましい。
(IV)と (VI)を併用する方法は、粘土鉱物複合体の調製の際、層状粘土鉱物中に (I V)と(VI)の両方をインター力レートさせる方法でもよぐ (IV)をインター力レートさせた 粘土鉱物と (VI)をインター力レートさせた粘土鉱物を混合する方法でもよ!/、。
[0047] 上記有機陽イオン (ハ)としては、四級アンモニゥムイオン、ホスホニゥムイオン等が 挙げられる。
四級アンモニゥムイオンとしては、アルキル基、ァリール基又はァリールアルキル基 を有するものが好ましぐ中でもアルキル基の炭素原子数が 1〜20であるもの、ァリー ル基の炭素原子数が 6〜30であるもの、あるいはァリールアルキル基の炭素原子数 力 S7〜30であるものが、色素カチオン (ィ)により置換された場合においても有機溶媒 との親和性が高ぐまた有機溶媒に分散しても適度な粘性を持つので望ましい。四級 アンモニゥムイオンとしては、具体的には、テトラメチルアンモニゥムイオン、テトラエ チルアンモニゥムイオン、テトラー n—デシルアンモニゥムイオン、テトラー n—ドデシ ルアンモニゥムイオン、トリオクチルメチルアンモニゥムイオン、トリメチルステアリルァ
ニゥムイオン、ジメチルステアリルべンジルアンモニゥムイオン、下記 [化 17]で示され る化合物等が挙げられる。
また、上記ホスホニゥムイオンとしては、例えば、アルキルホスホニゥムイオン、ァリ ールホスホニゥムイオン等が挙げられる。
(式中、 R24、 IT5、 R2°及び 7は、各々独立に、炭素原子数が 1〜20のアルキル基で ある。 )
[0049] 本発明に係る粘土鉱物複合体 (二)は、上記層状粘土鉱物 (ィ)に、上記色素カチ オン(口)及び上記有機陽イオン (ハ)がインターカレーシヨンされて形成される。層状 粘土鉱物 (ィ)、色素カチオン (口)及び有機陽イオン (ハ)の割合は、層状粘土鉱物( ィ) 1部に対し、好ましくは色素カチオン(口) 0. 01 -0. 9部、より好ましくは 0. 1〜0· 5部であり、好ましくは有機陽イオン(ハ) 0· ;!〜 0· 99部、より好ましくは 0. 5〜0· 9 部である。有機陽イオン (ハ)が 0. 1部未満では、色素カチオン(口)の含有量が少な くなるので粘土鉱物複合体 (二)の添加量が多くなり、 0. 9部より多いと、有機溶媒へ の分散性が低くなつて光学フィルターの加工性が低下する恐れがある。尚、本発明 に係る色素カチオン(口)が複数種の混合物である場合は、本発明に係る色素カチォ ン(口)の使用量は、その合計量とする。
[0050] 本発明に係る粘土鉱物複合体 (二)は、特に限定されないが、例えば以下の方法で 調製すること力できる。親油性を付与するため、予め有機陽イオン (ハ)をインター力 レートさせた親油性の層状粘土鉱物 (ィ)を用いる場合、層状粘土鉱物 (ィ)を有機溶 媒に分散させて懸濁液としたもの、及び色素カチオン(口)とァニオンとの塩を有機溶 媒に溶解させたものを混合し、層状粘土鉱物 (ィ)の層間イオンである有機陽イオン( ノ、)の一部を色素カチオン(口)でイオン交換し、得られた生成物を分離、精製、乾燥 して、粘土鉱物複合体 (二)を得る。
[0051] 本発明に係る層状粘土鉱物 (ィ)が親水性の場合、 ω層状粘土鉱物 (ィ)を水中に 分散させて懸濁液とし、該層状粘土鉱物の層間イオンを有機陽イオン (ハ)でイオン 交換し、次いで酸をこの分散液が弱塩基性〜酸性になる量加えて酸処理し、得られ た生成物を分離、乾燥する、あるいは (ii)層状粘土鉱物を水に分散させ、分散液中 に酸をこの分散液が弱塩基性〜酸性になる量添加して酸処理し、得られた層状粘土 鉱物を水中に分散させて懸濁液とし、該層状粘土鉱物の層間イオンを有機陽イオン (ハ)でイオン交換し、得られた生成物を分離、乾燥する。次に、乾燥した生成物を上 記親油性の層状粘土鉱物 (ィ)を用いる場合と同様にして、該生成物の層間イオンで ある有機陽イオン (ハ)の一部を、色素カチオン(口)でイオン交換して粘土鉱物複合 体 (二)を得る。
上記で得られた生成物を粘土鉱物複合体として分離、乾燥しな V、でそのまま光学
フィルター用の塗液として用いると、 4級アンモニゥム塩等の有機溶媒に不溶な成分 が残存して、得られる光学フィルターの耐湿熱性が低下したり、層状粘土鉱物 (ィ)の 層間イオンである有機陽イオン (ハ)と色素カチオン(口)とのイオン交換が起こりにくく 層状粘土鉱物 (ィ)の仕込み量が増加し、結果として塗液が増粘したり粘土鉱物複合 体 (二)の凝集を招いたり、コストが高くなつたりするので好ましくな!/、。
[0052] 本発明に係るバインダー樹脂(ホ)としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、でんぷん 、セルロース誘導体、アルギン酸等の天然高分子材料、あるいは、ポリメチルメタタリ レート、ポリビュルブチラール、ポリビュルピロリドン、ポリビュルアルコール、ポリ塩化 ビニノレ、スチレン ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリエステノレ、ポリエーテノレ、 ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、環状ォレフィン樹 脂等の合成高分子材料、粘着剤等が挙げられる。
[0053] 上記粘着剤としては、例えば、シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の粘着剤、ポリ ビュルブチラール系粘着剤、ポリビュルエーテル系粘着剤、エチレン 酢酸ビュル 系粘着剤、ポリオレフイン系粘着剤、 SBR系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の合わ せガラス用透明粘着剤を用いることができ、中でもアクリル系粘着剤、特に酸性アタリ ル系粘着剤が好ましく用いられる。また、有機溶媒;付着付与剤;軟化剤;耐光性付 与剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;可塑剤;消泡剤;レ リング剤;分散剤;硬化剤等 を併用すること力できる。
[0054] 上記アクリル系粘着剤としては特に限定されず、カルボキシル基、水酸基、アミド基 、アミノ基、エポキシ基等の反応性官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する 単量体の単独重合体ある V、は複数種を組み合わせた共重合体、又は上記反応性官 能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体や ビュル系単量体のようなエチレン性不飽和二重結合を有する単量体との共重合体を 用いることができ、必要に応じて粘着剤の凝集力を向上させるために、硬化剤として 、金属キレート系化合物、イソシァネート系化合物、メラミン化合物、エポキシ系化合 物、アミン系化合物、アジリジン系化合物、ォキサゾリン化合物等の架橋剤を含有す るあのを用いること力でさる。
[0055] 上記アクリル系粘着剤としては市販のものを用いることができ、例えば、デービーボ
ンド 5541 (ダイアポンド社製)、 SKダイン AS— 1925、 KP— 2230、 SK- 1811L ( 綜研化学社製)、 DX2— PDP— 19 (日本触媒社製)、 AT— 3001 (サイデン化学社 製)、オリバイン BPS5896 (東洋インキ社製)、 CS— 9611 (日東電工社製)等が挙げ られる。
[0056] 本発明の光学フィルターにおいて、上記粘土鉱物複合体 (二)及び上記バインダー 樹脂(ホ)の使用量は、特に制限されないが、通常、次のようにして使用される。例え ば、粘着剤層を有する本発明の光学フィルターを造る場合には、バインダー樹脂(ホ )である粘着剤の固形分 100質量部に対し、層状粘土鉱物複合体 (二)を 0. 000;!〜 50質量部、好ましくは 0. 001-5. 0質量部、及びメチルェチルケトン等の溶剤を 0. ;!〜 1000質量部、好ましくは 1. 0〜500質量部として粘着剤溶液を調製し、この粘 着剤溶液を、易密着処理をした PETフィルム等の透明支持体に塗布した後、乾燥さ せ、厚さ 2〜400 μ m、好ましくは 5〜40 μ mの粘着剤層を有する光学フィルターを 得る。更に、本発明に係る必須成分及び任意成分を本発明の光学フィルターに含有 させる場合も、各成分の配合割合は、上述の配合割合に順じればよい。
[0057] 本発明に係る粘土鉱物複合体 (二)及びバインダー樹脂 (ホ)や、光吸収剤、各種 安定剤等の任意成分を本発明の光学フィルターに含有させる方法として、透明支持 体及び任意の各層から選択される任意の隣合う二者間の粘着剤層に含有させる方 法を採用する場合には、本発明に係る粘土鉱物複合体 (二)等を粘着剤に含有させ た後、該粘着剤を用いて、上述した透明支持体及び任意の各層のうちの隣合う二者 を接着すればよい。更に粘着剤層の表面に、易密着したポリエチレンテレフタレート フィルム等の公知のセパレータフイルムを設けることもできる。
[0058] 本発明の光学フィルタ一は、液晶表示装置 (LCD)、プラズマディスプレイパネル( PDP)、エレクト口ルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、 CC Dイメージセンサ、 CMOSセンサ、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像表 示装置用、分析装置用、半導体装置製造用、天文観測用、光通信用、眼鏡レンズ、 窓等の用途に用いることができる。
[0059] 本発明の光学フィルタ一は、画像表示装置用として用いる場合、通常ディスプレイ の前面に配置される。例えば、光学フィルターをディスプレイの表面に直接貼り付け
てもよく、ディスプレイの前に前面板や電磁波シールドが設けられている場合は、前 面板又は電磁波シールドの表側(外側)又は裏側(ディスプレイ側)に光学フィルター を貝占り付けてもよい。
[0060] 画像表示用として用いる場合、本発明の光学フィルターには、色調調整等のため に、 480〜500nm以外の波長の光を吸収する光吸収剤を用いたり、外光の反射や 映り込みを防止するために、本発明に係る色素カチオンとァニオンの塩以外の 480η m〜500nm対応の光吸収剤を用いてもよい。また、画像表示装置がプラズマデイス プレイの場合、本発明に係る色素カチオンとァニオンの塩以外の 750〜1 100nm対 応の近赤外線吸収剤を用いてもよ!/、。
[0061] 色調調整用の上記光吸収剤としては、 550〜600nmのオレンジ光の除去のため に用いられるものとして、トリメチンインドリウム化合物、トリメチンべンゾォキサゾリゥム 化合物、トリメチンべンゾチアゾリゥム化合物等のトリメチンシァニン誘導体;ペンタメ チンォキサゾリゥム化合物、ペンタメチンチアゾリゥム化合物等のペンタメチンシァニ ン誘導体;スクァリリウム色素誘導体;ァゾメチン色素誘導体;キサンテン色素誘導体; ァゾ色素誘導体;ピロメテン色素誘導体;ァゾ金属錯体誘導体:ローダミン色素誘導 体;フタロシアニン誘導体;ポルフィリン誘導体;ジピロメテン金属キレート化合物等が 挙げられる。
[0062] また、外光の映り込み防止用の 480〜500nm対応の上記光吸収剤としては、モノ メチンシァユン誘導体;トリメチンインドリウム化合物、トリメチンォキサゾリゥム化合物、 トリメチンチアゾリゥム化合物、インドリデントリメチンチアゾニゥム化合物等のトリメチン シァニン誘導体;メロシアニン誘導体;フタロシアニン誘導体;ナフタロシアニン誘導 体;ポルフィリン誘導体;ジピロメテン金属キレート化合物等が挙げられる。
[0063] また、赤外リモコン誤作動防止用の 750〜; UOOnm対応の近赤外線吸収剤として は、ペンタメチンべンゾインドリウム化合物、ペンタメチンべンゾォキサゾリゥム化合物 、ペンタメチンべンゾチアゾリゥム化合物等のペンタメチンシァニン誘導体;ヘプタメ チンインドリウム化合物、ヘプタメチンべンゾインドリウム化合物、ヘプタメチンォキサ ゾリゥム化合物、ヘプタメチンべンゾォキサゾリゥム化合物、ヘプタメチンチアゾリゥム 化合物、ヘプタメチンべンゾチアゾリゥム化合物等のヘプタメチンシァニン誘導体;ジ
ィモニゥム化合物;アミニゥム化合物;スクァリリウム誘導体;ビス(スチルベンジチオラ ト)化合物、ビス(ベンゼンジチォラト)ニッケル化合物、ビス(カンファージチォラト)二 ッケル化合物等のニッケル錯体;スクァリリウム誘導体;ァゾ色素誘導体;フタロシア二 ン誘導体;ポルフィリン誘導体;ジピロメテン金属キレート化合物等が挙げられる。
[0064] 本発明の光学フィルターにおいて、上記の色調調整のための光吸収剤、 480—50 Onm対応の光吸収剤及び近赤外線吸収剤は、本発明に係る粘土鉱物複合体 (二) と同一の層に含有されていてもよぐ別の層に含有されていてもよい。それらの使用 量はそれぞれ、通常、本発明に係る粘土鉱物複合体 (二) 100質量部に対し、 10〜5 000質量部である。
[0065] 本発明の光学フィルターの代表的な構成としては、透明支持体に、必要に応じて、 下塗り層、反射防止層、ハードコート層、潤滑層、粘着剤層等の各層を設けたものが 挙げられる。本発明に係る粘土鉱物複合体 (二)及びバインダー樹脂 (ホ)や、光吸収 剤、各種安定剤等の任意成分を本発明の光学フィルターに含有させる方法としては 、特に制限されるわけではないが、それらを透明支持体及び任意の各層から選択さ れる任意の隣合う二者間の粘着剤層に含有させる方法が好ましい。
[0066] 上記透明支持体の材料としては、例えば、ガラス等の無機材料;ジァセチルセル口 ース、トリァセチノレセノレロース(TAC)、プロピオニノレセノレロース、ブチリノレセノレロース 、ァセチノレプロピオニノレセノレロース、ニトロセノレロース等のセノレロースエステノレ;ポリア ミド;ポリイミド;ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレ ート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ 1 , 4ーシクロへキ サンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン 1 , 2 ジフエノキシェタン 4, 4'ージ カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエ チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフイン;ポリ酢酸ビュル、ポリ 塩化ビュル、ポリフッ化ビュル等のビュル化合物;ポリメチルメタタリレート、ポリアタリ ル酸エステル等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスル ホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂 等の高分子材料が挙げられる。透明支持体の透過率は 80%以上であることが好まし く、 86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、 2%以下であることが好ましぐ 1
%以下であることがさらに好ましい。屈折率は、 1. 45〜; 1. 70であることが好ましい。
[0067] 上記透明支持体中には、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フエノール系、リン系等 の酸化防止剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機微粒子等を添加したり、また、透明 支持体には、各種の表面処理を施すことができる。
[0068] 上記無機微粒子としては、例えば、二酸化珪素、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭 酸カルシウム等が挙げられる。
[0069] 上記各種表面処理としては、例えば、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火 焰処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロ一放電処理、活性プラズマ処理、レー ザ一処理、混酸処理、オゾン酸化処理等が挙げられる。
[0070] 上記下塗り層は、光吸収剤を含有する光吸収層を設ける場合に、透明支持体と光 吸収層との間に用いる層である。上記下塗り層は、ガラス転移温度が— 60〜60°Cの ポリマーを含む層、光吸収層側の表面が粗面である層、又は光吸収層のポリマーと 親和性を有するポリマーを含む層として形成する。また、下塗り層は、光吸収層が設 けられていない透明支持体の面に設けて、透明支持体とその上に設けられる層(例 えば、反射防止層、ハードコート層)との接着力を改善するために設けてもよぐ光学 フィルターと画像表示装置とを接着するための接着剤と光学フィルターとの親和性を 改善するために設けてもよい。下塗り層の厚みは、 21 111〜20 111力 S好ましく、 5nm 〜5 μ mカより好ましく、 20nm〜2 μ mカさらに好ましく、 50nm〜l μ mカさらにまた 好ましぐ 80nm〜300nm力 S最も好ましい。ガラス転移温度が 60〜60°Cのポリマ 一を含む下塗り層は、ポリマーの粘着性で、透明支持体とフィルタ一層とを接着する 。ガラス転移温度が— 60〜60°Cのポリマーは、例えば、塩化ビュル、塩化ビニリデン 、酢酸ビニノレ、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロ口プレン、アタリノレ酸エステノレ、 メタクリル酸エステル、アクリロニトリル又はメチルビュルエーテルの重合又はこれらの 共重合により得ることができる。ガラス転移温度は、 50°C以下であることが好ましぐ 4 0°C以下であることがより好ましぐ 30°C以下であることがさらに好ましぐ 25°C以下で あることがさらにまた好ましぐ 20°C以下であることが最も好ましい。下塗り層の 25°C における弾性率は、 l〜1000MPaであることが好ましぐ 5〜800MPaであること力 S さらに好ましぐ 10〜500MPaであることが最も好ましい。光吸収層の表面が粗面で
ある下塗り層は、粗面の上に光吸収層を形成することで、透明支持体と光吸収層とを 接着する。光吸収層の表面が粗面である下塗り層は、ポリマーラテックスの塗布によ り容易に形成することができる。ラテックスの平均粒径は、 0. 02〜3〃111でぁることカ 好ましぐ 0. 05〜1 111であることがさらに好ましい。光吸収層のバインダーポリマー と親和性を有するポリマーとしては、アクリル樹脂、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼ イン、でんぷん、ポリビュルアルコール、可溶性ナイロン及び高分子ラテックス等が挙 げられる。また、本発明の光学フィルターには、二以上の下塗り層を設けてもよい。下 塗り層には、透明支持体を膨潤させる溶剤、マット剤、界面活性剤、帯電防止剤、塗 布助剤、硬膜剤等を添加してもよい。
[0071] 上記反射防止層においては、低屈折率層が必須である。低屈折率層の屈折率は、 上記透明支持体の屈折率よりも低い。低屈折率層の屈折率は、 1. 20〜; 1. 55であ ること力 S好ましく、 1. 30〜; 1. 50であることがさらに好ましい。低屈折率層の厚さは、 5 0〜400nmであること力 S好ましく、 50〜200nmであること力 Sさらに好ましい。低屈折 率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマーからなる層(特開昭 57— 34526号、特開平 3— 130103号、特開平 6— 115023号、特開平 8— 313702号、特開平 7— 16800 4号の各公報記載)、ゾルゲル法により得られる層(特開平 5— 208811号、特開平 6 299091号、特開平 7— 168003号の各公報に記載)、あるいは微粒子を含む層( 特公昭 60— 59250号、特開平 5— 13021号、特開平 6— 56478号、特開平 7— 92 306号、特開平 9— 288201号の各公報に記載)として形成することができる。微粒 子を含む層では、微粒子間又は微粒子内のミクロボイドとして、低屈折率層に空隙を 形成すること力できる。微粒子を含む層は、 3〜50体積%の空隙率を有することが好 ましぐ 5〜35体積%の空隙率を有することがさらに好ましい。
[0072] 広い波長領域の反射を防止するためには、上記反射防止層において、低屈折率 層に加えて、屈折率の高い層(中'高屈折率層)を積層することが好ましい。高屈折 率層の屈折率は、 1. 65-2. 40であることカ好ましく、 1 · 70〜2· 20であることカさ らに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折 率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、 1. 50〜; 1. 90であ ること力 S好ましく、 1. 55〜; 1. 70であることがさらに好ましい。中'高屈折率層の厚さ
は、 51 111〜100 111であることが好ましぐ lOnm lO ^ mであることがさらに好まし く、 301 111〜1 111であることが最も好ましい。中'高屈折率層のヘイズは、 5%以下で あること力 S好ましく、 3%以下であることがさらに好ましぐ 1 %以下であることが最も好 ましい。中'高屈折率層は、比較的高い屈折率を有するポリマーバインダーを用いて 形成すること力できる。屈折率が高いポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン共重合 体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、アクリル系樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、 環状 (脂環式又は芳香族)イソシァネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタン 等が挙げられる。その他の環状 (芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや 、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重 結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応により形成されたポリ マーを用いてもよい。
[0073] さらに高い屈折率を得るため、上記ポリマーバインダー中に無機微粒子を分散して もよい。無機微粒子の屈折率は、 1. 80-2. 80であることが好ましい。無機微粒子 は、金属の酸化物または硫化物から形成することが好ましい。金属の酸化物又は硫 化物としては、酸化チタン(例えば、ルチル、ルチル /アナターゼの混晶、アナター ゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫 化亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが 特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物又は硫化物を主成分とし、さら に他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有 量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素としては、 Ti、 Zr、 Sn、 Sb、 Cu、 Fe、 Mn、 Pb、 Cd、 As、 Cr、 Hg、 Zn、 Al、 Mg、 Si、 P、 S等が挙げられる。被膜形成性で 溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機材料、例えば、各種元素のアルコ キシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例えばキレート化合物) 、活性無機ポリマーを用いて、中 ·高屈折率層を形成することもできる。
[0074] 上記反射防止層の表面には、アンチグレア機能(入射光を表面で散乱させて、膜 周囲の景色が膜表面に移るのを防止する機能)を付与することができる。例えば、透 明フィルムの表面に微細な凹凸を形成してその表面に反射防止層を形成する力、、あ るいは、反射防止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成することによ
り、アンチグレア機能を有する反射防止層を得ることができる。アンチグレア機能を有 する反射防止層は、一般に 3〜30%のヘイズを有する。
[0075] 上記ハードコート層は、上記透明支持体の硬度よりも高い高度を有する。ハードコ ート層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。ハードコート層は、アクリル系 、ウレタン系、エポキシ系のポリマー、オリゴマー又はモノマー(例えば紫外線硬化型 樹脂)等を用いて形成することができる。シリカ系材料力 ハードコート層を形成する ことあでさる。
[0076] 上記反射防止層(低屈折率層)の表面は、潤滑層を形成してもよ V、。潤滑層は、低 屈折率層表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善する機能を有する。潤滑層は、ポリオ ルガノシロキサン (例えばシリコンオイル)、天然ワックス、石油ワックス、高級脂肪酸金 属塩、フッ素系潤滑剤又はその誘導体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さ は、 2〜20nmであることが好ましい。
[0077] 上記有機溶媒としては、特に限定されることなく公知の種々の溶媒を適宜用いるこ とができ、例えば、イソプロパノール等のアルコール類;メチルセ口ソルブ、ェチルセ口 ソノレブ、ブチノレセロソノレブ、ブチノレジグリコーノレ等のエーテノレアノレコーノレ類;アセトン 、メチノレエチノレケトン、メチノレイソブチノレケトン、シクロへキサノン、ジアセトンァノレコー ル等のケトン類、酢酸ェチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシェチル等のエステル類;ァク リル酸ェチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、 2, 2, 3, 3—テトラフル ォロプロパノール等のフッ化アルコール類;へキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン 等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロェタン、クロ口ホルム等の塩素化炭化 水素類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は混合して用いることができ
[0078] また、上記の下塗り層、反射防止層、ハードコート層、潤滑層、光吸収層、粘着剤 層等は、一般的な塗布方法により形成することができる。塗布方法としては、ディップ コート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバー コート法、グラビアコート法、ホッパーを使用するエタストルージョンコート法(米国特 許第 2681294号明細書記載)等が挙げられる。二以上の層を同時塗布により形成し てもよい。同時塗布法については、米国特許第 2761791号、米国特許第 2941898
号、米国特許第 3508947号、米国特許第 3526528号の各明細書及び原崎勇次 著「コーティング工学」 253頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
実施例
[0079] 以下、評価例、比較評価例及び実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。し 力、しながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。尚、 製造例;!〜 4は、本発明に係る粘土鉱物複合体の合成例を示し、評価例;!〜 4は、本 発明に係る粘土鉱物複合体の耐久性評価を示す。
また、実施例;!〜 3は、本発明に係る粘土鉱物複合体を含有する光学フィルターの 作製例を示す。
[0080] [製造例 1]粘土鉱物複合体 1の合成
ルーセンタイト SAN210— A (層状粘土鉱物(ィ);親油性スメクタイト;コープケミカ ル社製) 1 · Ogをメチルェチルケトン 19gに分散した分散液 20g、及び化合物 No. 1 ( 色素カチオン(口) )のビストリフルォロメチルスルホニルイミド塩 0. 3gをメチルェチル ケトン 5. 7gに溶解した溶液 6gを混合し、 1時間撹拌して、ルーセンタイト SAN210 Aの層間イオンである有機陽イオン (ハ)の一部を化合物 No. 1 (色素カチオン(口) )でイオン交換した。メタノール 150mlを加え、析出した固体をろ別し、水洗、メタノー ル洗浄を経て、粘土鉱物複合体 1を 0. 75g得た。
[0081] [製造例 2]粘土鉱物複合体 2の合成
化合物 No. 1のビストリフルォロメチルスルホニルイミド塩 0. 5gをメチルェチルケト ン 5. 5gに溶解した溶液 6gを用いた以外は製造例 1と同様にして、粘土鉱物複合体 2を 0. 64g得た。
[0082] [製造例 3]粘土鉱物複合体 3の合成
ルーセンタイト SAN210— A (層状粘土鉱物(ィ);親油性スメクタイト;コープケミカ ル社製) 1. Ogをメチルェチルケトン 19gに分散した分散液 20g、及び化合物 No. 50 (色素カチオン(口) )のビストリフルォロメチルスルホニルイミド塩 0· 3gをメチルェチル ケトン 5. 7gに溶解した溶液 6gを混合し、 1時間撹拌した。メタノール 150mlを加え、 析出した固体をろ別し、水洗、メタノール洗浄を経て、粘土鉱物複合体 3を 0. 77g得 た。
[0083] [製造例 4]粘土鉱物複合体 4の合成
化合物 No. 50のビストリフルォロメチルスルホニルイミド塩 0. 5gをメチルェチルケト ン 5. 5gに溶解した溶液 6gを用いた以外は製造例 1と同様にして、粘土鉱物複合体 4を 0. 58g得た。
[0084] (インター力レート状態の確認)
製造例 1〜4で得られた粘土鉱物複合体中における色素カチオンのインターカレー ト状態を、 RINT2000- ULTIMA + (理学電機 (株)製)を使用し、 X線回折を測定し て、粘土鉱物複合体の底面間隔を算出することにより確認した。結果を表 1に示す。 表 1より、粘土鉱物複合体の底面間隔は、 SAN210— Aに比べて広がっていること から、色素カチオンが粘土鉱物複合体中にインター力レートされていることが確認さ れ 。
[0085] [表 1]
[0086] [評価例 1〜4及び比較評価例;!〜 4]耐久性評価
下記の配合にて粘着剤溶液を調製し、易密着処理した 188 a m厚のポリエチレン テレフタレート(PET)フィルムに、該粘着剤溶液をバーコ一ター # 90により塗工した 後、 100°Cで 5分間乾燥させ、塗工面に 0. 9mm厚のガラスを貼り合わせて試験片を 得た。これらの各試験片につ!/、て以下のような耐久性評価を行なった。
<耐光性評価 >
上記で得られた試験片それぞれについて、 UV吸収スペクトルの λ maxでの透過 率を測定し、次いで、 55000ルクスの光を 300時間及び 500時間照射した後、再度 UV吸収スペクトルの λ maxでの透過率を測定し、照射前の透過率を 100としたとき の照射後の透過率の割合を求めて耐光性評価とした。結果を表 2及び 3に示す。 <耐熱性評価 >
上記で得られた試験片それぞれについて、 UV吸収スペクトルの λ maxでの透過
率を測定し、次いで、 80°Cの恒温槽に 300時間及び 500時間放置した後、再度 UV 吸収スペクトルの λ maxでの透過率を測定し、放置前の透過率を 100としたときの放 置後の透過率の割合を求めて耐熱性評価とした。結果を表 2及び 3に示す。
<耐湿熱性評価 >
上記で得られた試験片それぞれについて、 UV吸収スペクトルの λ maxでの透過 率を測定し、次!、で、 60°C/90%RHの恒温恒湿環境下に調整した恒温恒湿槽に 300時間及び 500時間放置した後、再度 UV吸収スペクトルの λ maxでの透過率を 測定し、放置前の透過率を 100としたときの放置後の透過率の割合を求めて耐湿熱 性評価とした。結果を表 2及び 3に示す。
[0087] (評価例 1の配合)
粘土鉱物複合体 1 8. OOmg
アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541:ダイァボンド社製) 4. 68g メチノレ mチノレゲトン 1. 99g
[0088] (評価例 2の配合)
粘土鉱物複合体 2 6. OOmg
アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541:ダイァボンド社製) 4. 68g メチノレ mチノレゲトン 1. 99g
[0089] (比較評価例 1の配合)
化合物 No. 1のビストリフルォロメチルスルホニルイミド塩 2. OOmg アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541:ダイァボンド社製) 4. 68g メチノレ mチノレゲトン 1. 99g
[0090] (比較評価例 2の配合)
ノレ一センタイト SAN210— A 4. OOmg
化合物 No. 1の過塩素酸塩 2. OOmg
アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541:ダイァボンド社製) 4. 68g メチノレ mチノレゲトン 1. 99g
[0091] [表 2]
耐光 ΐ (%) 耐熱 '生 (%) 耐湿熱性 (%)
300hr 500hr 300hr 500hr 300hr 500hr 評価例 1 82. 6 75. 2 92. 0 89. 0 98. 0 97. 8 評価例 2 78. 8 71. 8 85. 6 82. 3 96. 4 94. 3 比較評価例 1 47. 4 39. 6 27. 8 25. 2 52. 4 34. 1 比較評価例 2 68. 7 51. 1 82. 8 73. 3 90. 0 81. 1
[0092] (評価例 3の配合)
粘土鉱物複合体 3 120. OOmg アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541 製) 4. 68g
1. 99g
[0093] (評価例 4の配合)
粘土鉱物複合体 4 90. OOmg アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541 製) 4. 68g
1. 99g
[0094] (比較評価例 3の配合)
化合物 No. ド塩 30. OOmg アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541 製) 4. 68g
1. 99g
[0095] (比較評価例 4の配合)
ルーセンタイト SAN210—A 90. OOmg 化合物 No. ド塩 30. OOmg アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541 製) 4. 68g
1. 99g
[0096] [表 3]
[0097] [実施例 1]光学フィルターの作製 1
下記の配合にて粘着剤溶液を調製し、易密着処理した 188 11 m厚の PETフィルム に、該粘着剤溶液をバーコ一ター # 90により塗布した後、 100°Cで 10分間乾燥させ 、 PETフィルム上に厚さ約 10 mの粘着剤層を有する光学フィルターを得た。この光 学フィルターを日本分光 (株)製紫外可視近赤外分光光度計 V— 570で測定したとこ ろ、 maxが 592nmで半値巾が 43nmであった。
[0098] (配合)
粘土鉱物複合体 1 0. 12g
アクリル系粘着剤(デービーボンド 5541:ダイァボンド社製) 70g
メチノレエチノレケトン 30g
[0099] [実施例 2]光学フィルターの作製 2
アクリル系粘着剤として、デービーボンド 5541に替えて DX2— PDP— 19 (日本触 媒社製)を用い、さらに硬化剤としてコロネート L— 55E (日本ポリウレタン工業社製) を用いた以外は実施例 1と同様にして光学フィルターを作製し、得られた光学フィノレ ターを日本分光 (株)製紫外可視近赤外分光光度計 V— 570で測定したところ、 λ m axは 592nm、半ィ直巾は 43nmであった。
[0100] [実施例 3]光学フィルターの作製 3
粘土鉱物複合体として、粘土鉱物複合体 2の 0. 09gを用いた以外は実施例 1と同 様にして光学フィルターを作製し、得られた光学フィルターを日本分光 (株)製紫外 可視近赤外分光光度計 V— 570で測定したところ、 maxは 592nm、半直巾は 43 nmで ¾>つた 0
[0101] 上記の評価例、比較評価例及び実施例から、以下のことが明らかである。
本発明に係る粘着剤を含有する系において、本発明に係る粘土鉱物複合体を含 有する評価例 1〜4は、粘土鉱物複合体に替えて色素カチオンとァニオンの塩を含 有する比較評価例 1及び 3、並びに粘土鉱物複合体に替えて層状粘土鉱物及び色 素カチオンとァニオンの塩の混合物を含有する比較例 2及び 4に比べて、 300時間 後、 500時間後ともに耐光性、耐熱性及び耐湿熱性に優れる。
従って、本発明に係る粘土鉱物複合体及び本発明に係る粘着剤を含有する本発 明の光学フィルタ一は、実用に耐えうる耐光性を有し、特に耐熱性及び耐湿熱性に
優れる光学フィルタ一として好適である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、耐光性及び耐湿熱性に優れた光学フィルターを提供できる。該 光学フィルタ一は、画像表示装置の表示品質の向上及び外光の映り込み防止に好 適である。