明 細 書
一剤式染毛剤組成物
技術分野
[0001 ] 本発明は、 カプラーを使用することなく染め上がりの色味を変化させるこ とのできる一剤式染毛剤組成物に関する。
背景技術
[0002] 従来、 インドール類、 インドリン類等のメラニン前駆体を使用した空気酸 化型染毛剤組成物が知られている (例えば、 特許文献 1〜3参照) 。 しかし 、 これらの染毛剤は、 染め上がりの色味を変えるには、 メラニン前駆体だけ ではなく、 カプラーを併用する必要があった。
[0003] 特許文献 1 :特公平 8-32618号公報
特許文献 2:特開 2003-55175号公報
特許文献 3:特開 2002-322038号公報
発明の開示
[0004] 本発明は、 次の成分 (A)〜 (C)を含有する pH 8〜1 1の一剤式染毛剤組成物を 提供するものである。
[0005] (A) 5, 6-ジヒドロキシィンドールと 5, 6-ジヒドロキシィンドール- 2-カルボ ン酸との組み合わせ
(B) (b1 )ァスコルビン酸又はその塩、 (b2)亜硫酸又はその塩のいずれか一 方
(C) アルカリ剤
[0006] 更に本発明は、 上記一剤式染毛剤組成物の成分 (B)として、 (b1)、 (b2)のい ずれか一方を選択することにより、 染毛後に得られる色味を調整する方法を 提供するものである。
発明を実施するための形態
[0007] 本発明は、 カプラーを使用することなく染め上がりの色味を変化させるこ とができる空気酸化型染毛剤組成物に関する。
[0008] 本発明者らは、 メラニン前駆体を使用した空気酸化型染毛剤組成物におい て、 メラニン前駆体として特定の 2種類を併用すると共に、 特定の 2種の酸 化防止剤のいずれか一方、 及びアルカリ剤を使用することにより、 上記課題 を解決できることを見出した。
[0009] 成分 (A)のメラニン前駆体として、 5, 6-ジヒドロキシインドールと 5, 6-ジヒ ドロキシインドール- 2-カルボン酸を併用することにより、 髪を自然な色合い に染めることができ、 また染め上がりの色を調整することができる。 5, 6-ジ ヒドロキシインドールと 5, 6-ジヒドロキシインドール- 2-カルボン酸のモル比 は、 50: 50〜999: 1、 更には 80: 20〜99: 1の範囲とすることが好ましい。 ここで、 5, 6-ジヒドロキシインドール及び 5, 6-ジヒドロキシインドール- 2-力 ルボン酸は、 逆相 HPLCによリ定量することができる。
[0010] 成分 (A)の化合物の含有量は、 染色性、 安定性の点から、 合計で、 本発明の 染毛剤組成物中の 0. 05〜 5重量%、 更には 0. 1〜 2重量%が好ましい。
[0011 ] 成分 (B)の酸化防止剤としては、 (b1)ァスコルビン酸又はその塩、 (b2)亜硫 酸又はその塩のいずれかを使用する。 ァスコルビン酸塩、 亜硫酸塩としては 、 ナトリウム塩が挙げられる。 (b1)を使用した場合、 赤みを帯びた茶色が得 られ、 (b2)を使用した場合、 青みを帯びた黒っぽい灰色が得られる。
[0012] 成分 (B)の含有量は、 染色性及び色調制御の点から、 本発明の染毛剤組成物 中の 0. 01〜 5重量%が好ましく、 更には 0. 05〜2重量%、 更には 0. 1〜 1重量 %が好ましい。
[0013] 成分 (C)のアル力リ剤としては、 通常の染毛剤に使用されるもの、 例えば、 アンモニア水;モノ一、 ジ一又はトリエタノールァミン等のアルカノールァ ミン類; プチルァミン、 ベンジルァミン等のアルキル又はァラルキルァミン 類; アルギニン、 リジン、 ヒスチジン等の塩基性アミノ酸類;水酸化ナトリ ゥム、 水酸化力リゥム、 炭酸ナ卜リゥム、 炭酸力リゥム等の無機塩基類;及 び炭酸グァニジンやアミノ酸類が挙げられ、 なかでも染色力の点からモノエ タノールァミンが好ましい。
[0014] 成分 (C)のアル力リ剤は、 単独で又は 2種以上を組み合わせて使用すること
ができ、 その含有量は、 染色性の点から、 本発明の染毛剤組成物中の 0. 01〜2 0重量%、 更には 0. 1〜10重量%が好ましい。
[0015] 更に、 本発明の染毛剤組成物には、 使用性、 塗布性、 粘着性の点から、 増 粘ポリマーを含有させることができる。 増粘ポリマーは、 非イオン性、 ィォ ン性のいずれのものでもよい。 非イオン性の増粘ポリマーとしては、 ヒドロ キシェチルセルロース (例えば、 ダイセル化学工業社: SE-850, 長瀬産業: セロサイズ HECQP52000H) 、 カルボキシメチルセルロースナトリウム (例えば 、 ダイセル化学工業社: CMCダイセル 1220) 、 ヒドロキシェチルセルロースヒ ドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナ卜リ ゥム (例えば、 特開平 1 1 -12139号公報の製造例 1記載の化合物) 、 ヒドロキ シプロピルメチルセルロース (例えば、 信越化学社: メ 卜ローズ 60SH-10000 ) 、 グァーガム (例えば、 大日本住友製薬社: ファイバロン S ) 、 プルラン (例えば、 林原株式会社: プルラン P卜 20) 、 ヒドロキシプロピルキトサン ( 例えば、 一丸フアルコス社:キトフィルマー HV-10) 、 キトサン ' d卜ピロリ ドンカルボン酸塩 (例えば、 ユニオン■カーバイド社: カイトマ一 PC) 等の 多糖型ポリマー;その他、 ポリビニルピロリ ドン (BASF社: Luv i sko l K-12、 K-30、 PVP K-120) 、 ポリビニルアルコール (日本合成化学社: ゴーセノール EG-40) 、 ビニルアルコール Ζビニルアミンコポリマー (エアープロダクト社 : VA-120-HC I ) 、 高重合度ポリエチレングリコール (日本ユニオン 'カーバ ィド社:ポリオックス WSRN-60K) などが挙げられる。
[0016] ァニオン性の増粘ポリマーとしては、 カラギーナン (例えば、 三菱レーョ ン社: ソァギーナ LX22、 ML210) 、 キサンタンガム (例えば、 大日本住友製薬 社:エコーガム T ) 、 ゥエランガム (例えば、 三晶株式会社: K1 C376、 K1A96 ) 、 ヒドロキシプロピルキサンタンガム (例えば、 大日本住友製薬社: ラボ ールガム EX) 等の多糖型ポリマー;その他、 ポリアクリル酸 (Noveon社: 力 ーポポール 941、 981 ) 、 アクリル酸■メタクリル酸アルキル共重合体 (Noveo n社: カーボポール ETD2020) 、 低級アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸 共重合体の末端不飽和ジェン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又
はそのモノアルキルエステル (I SP社:スタビリーゼ 06、 スタビリーゼ QM) な どが挙げられる。
[0017] カチオン性の増粘ポリマーとしては、 ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はァ ンモニゥム基を含むか、 又はジァリル 4級アンモニゥム塩を構成単位として 含む水溶液のもの、 例えばカチオン化セルロース誘導体 (例えば、 ライオン 社: レオガード G、 同 GP, ユニオンカーバイド社:ポリマー JR-125、 同 JR-400 、 同 JR-30M、 同 LR-400、 同 LR-30M, ナショナルスターチアンドケミカル社: セルコート H-100、 同 L-200) 、 カチオン化グァーガム誘導体 (例えば、 ロー ディア社:ジャガー C-13S、 同 C-17, 大日本住友製薬社:ラポールガム CG-M、 同 CG-M7、 同 CG-M8M) 等の多糖型ポリマー;その他、 ジァリル 4級アンモニゥ ム塩の重合体又は共重合体 (力ルゴン社:マーコート 100、 同 280、 同 295、 同 550) 、 4級化ポリビニルピロリドン誘導体 (アイエスピー■ジャパン社:ガ フコー卜 734、 同 755、 同 755N) 等が挙げられる。
[0018] これらのうち、 多糖型増粘ポリマー、 更にはセルロース骨格又はキサンタ ンガム骨格を有する天然高分子系のものが好ましい。 増粘ポリマーは、 単独 で又は 2種以上を組み合わせて使用することができる。 増粘ポリマーの含有 量は、 使用性、 塗布性の点から、 本発明の染毛剤組成物中の 0. 05〜10重量% 、 更には 0. 1〜 7重量%、 更には 0. 1〜 5重量%、 更には 0. 1〜 3重量%、 更に は 0. 2〜 3重量%が好ましい。 また、 塗布性、 液だれのしにくさの点から、 本 発明の染毛剤組成物の粘度は 100〜8000mPa■ s、 更には 300〜5000mPa■ sであ ることが好ましい。 なお、 ここでの粘度は、 25°C、 B型回転粘度計で、 6 rpm で 1分間回転させた後の値とする。
[0019] 更に、 本発明の染毛剤組成物には、 染色性を向上させる観点から、 芳香族 アルコールを含有させることができる。 芳香族アルコールとしては、 ベンジ ルォキシエタノール、 ベンジルアルコール、 フエネチルアルコール、 フエ ニルプロピルアルコール、 桂皮アルコール、 ァニスアルコール、 P-メチルベ ンジルアルコール、 ひ, ひ-ジメチルフエネチルアルコール、 ひ-フエニルエタ ノール、 フエノキシエタノール等が挙げられる。 これらのうち、 ベンジルォ
キシェタノール、 ベンジルアルコールが好ましい。
[0020] 芳香族アルコールは、 単独で又は 2種以上を組み合わせて使用することが できる。 芳香族アルコールの含有量は、 染色性の向上、 塗布性の点から、 本 発明の染毛剤組成物中の 0. 01〜10重量%、 更には 0. 5〜 5重量%が好ましい。
[0021 ] 本発明の染毛剤組成物には、 発泡性や塗布性の向上の点から、 更に界面活 性剤を含有させることができる。 そのような界面活性剤としては、 非イオン 界面活性剤、 ァニオン界面活性剤、 カチオン界面活性剤、 両性界面活性剤の いずれを使用することもできる。
[0022] 非イオン界面活性剤としては、 ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、 ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、 高級脂肪酸ショ糖エステル、 ポ リグリセリン脂肪酸エステル、 高級脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタ ノールアミド、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ポリオキシエチレンソル ビタン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、 ァ ルキルサッカライド系界面活性剤、 アルキルアミンオキサイド、 アルキルァ ミドアミンォキサイド等が挙げられる。 これらのうち、 次の一般式(1 )
[0023] [化 1 ]
H3C-(CH2)— CH— (CH2)— CH3
0(CH CH20)xH
[0024] 〔式中、 m及び nは合計 7〜25、 好ましくは 7〜20、 更には 9〜1 1となる数 を示し、 Xは重量平均で 6〜16、 好ましくは 6〜12、 更には 8〜10の数を示 す。 〕
で表される第 2級アルコールのポリエトキシレートが好ましく、 更にはポリ ォキシエチレントリデシルエーテル (日本触媒社: ソフタノール 90, 一般式( 1 )において m + n = 9〜1 1、 x = 9 ) が好ましい。
[0025] 非イオン界面活性剤は、 単独で又は 2種以上を組み合わせて使用すること ができる。 非イオン界面活性剤の含有量は、 使用性や塗布性の点から、 本発 明の染毛剤組成物中の 0. 1〜5重量%、 更には 0. 5〜3重量%が好ましい。
[0026] ァニオン界面活性剤としては、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキル 又はアルケニルエーテル硫酸塩、 アルキル又はアルケニル硫酸塩、 ォレフィ ンスルホン酸塩、 アルカンスルホン酸塩、 飽和又は不飽和脂肪酸塩、 アルキ ル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、 ひ-スルホン脂肪酸塩、 N-ァシルァ ミノ酸型界面活性剤、 リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、 スルホコハ ク酸エステル等が挙げられる。 これらのうち、 硫酸塩型界面活性剤が好まし く、 なかでも、 次の一般式 (2)
R-0- ( C2 H 40) a- S 03M (2)
〔式中、 Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数 8〜18のアルキル基又はアルケニル基 を示し、 aは 0又は正の整数を示し、 Mはアルカリ金属、 アルカリ土類金属 又はアンモニゥムを示す。 〕
において a = 0である硫酸塩 30〜70重量0 /o、 a = 1である硫酸塩 14〜27重量 %、 a = 2である硫酸塩 5〜20重量%を含有し、 かつ a = 0〜 2である硫酸 塩の合計が全硫酸塩の 75重量%以上である硫酸塩型界面活性剤が好ましい。 このような硫酸塩型界面活性剤は、 エアゾールの形態とした場合における吐 出液の泡をクリーミーかつ安定なものとするうえで特に好ましい。
[0027] 硫酸塩型界面活性剤は、 吐出液をクリーミーかつ安定な泡とする点から、 一般式 (2)におけるェチレンォキシド付加モル数 aの分布が、 a = 0が 30〜70 重量0 /o、 a = 1が 14〜27重量0 /o、 a = 2が 5〜20重量%であるものが使用さ れるが、 a = 0が 35〜65重量0 /o、 a = 1が 14〜24重量0 /o、 a = 2が 7〜18重 量%であるのが好ましく、 更には a = 0が 50〜60重量%、 a = 1が 15〜20重 量%、 a = 2が 8〜14重量%であるのがより好ましい。 更に、 この硫酸塩型界 面活性剤成分中の a = 0〜 2である硫酸塩の比率は、 同様の観点から、 75重 量%以上とされるが、 全硫酸塩の 75〜90重量%であることが好ましい。
[0028] 一般式 (2)中の Mは、 良好な泡立ちの観点から、 ナトリウム又はアンモニゥ ムであることが好ましく、 泡感触の観点から、 アンモニゥムがより好ましい
[0029] 上記のような硫酸塩型界面活性剤としては、 具体的には、 ポリオキシェチ
レン(1)ラウリルエーテル硫酸ナ卜リゥム塩、 ポリオキシェチレン(1)ラウリ ルエーテル硫酸アンモニゥム塩が含まれる。
[0030] このような硫酸塩型界面活性剤は、 例えば、 高級アルコール R O Hに対し て、 0. 85〜1. 35倍モルの酸化エチレンを付加させて得られたアルコールェ卜 キシレートを、 0. 95〜1. 0当量の5 03を用ぃて硫酸化した後、 水酸化ナトリウ ム又はアンモニアで中和することで製造することができる。
[0031 ] ァニオン界面活性剤の含有量は、 クリーミーかつ安定な泡の点から、 本発 明の染毛剤組成物中の 0. 5〜20重量%、 更には 1〜15重量%が好ましい。
[0032] カチオン界面活性剤としては、 イミダゾリン開環型第四級アンモニゥム塩 、 モノ長鎖アルキル第四級アンモニゥム塩、 ジ長鎖アルキル第四級アンモニ ゥム塩等が挙げられる。 これらのうち、 一般式 (3)で表されるモノ又はジ長鎖 アルキル型カチオン界面活性剤が好ましい。
[0033] [化 2]
[0034] 〔式中、 Z 1は炭素数 12〜28のアルキル基を示し、 Z2はメチル基又は炭素数 12 〜28のアルキル基を示し、 A-はハロゲン化物イオンを示す。 〕
[0035] カチオン界面活性剤としては、 長鎖アルキル基 (一般式 (3)中の Z 1、 又は Z 1及び Z2) の炭素数が 12〜22であるものが好ましく、 例えば、 ラウリルトリ メチルアンモニゥム塩、 セチルトリメチルアンモニゥム塩、 ステアリルトリ メチルアンモニゥム塩、 ベへニルトリメチルアンモニゥム塩、 ドデシルへキ サデシルジメチルアンモニゥム塩、 ジアルキル(C12_18)ジメチルアンモニゥム 塩等が挙げられる。 また、 一般式 (3)中の A-としては、 塩化物イオン、 臭化物 イオンが好ましい。 これらのうち、 ジ長鎖アルキル型アンモニゥム塩が好ま しい。
[0036] カチオン界面活性剤は、 単独で又は 2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。 カチオン界面活性剤の含有量は、 組成物の安定性及び感触の点か ら、 本発明の染毛剤組成物中の 0. 05〜5重量%、 更には 0.■!〜 1重量%が好ま しい。
[0037] 両性界面活性剤としては、 イミダゾリン系、 カルボべタイン系、 アミドべ タイン系、 スルホベタイン系、 ヒドロキシスルホベタイン系又はアミドスル ホべタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
[0038] これらの界面活性剤の合計含有量は、 本発明の染毛剤組成物中の 0. "!〜 30重 量%、 更には 0. 5〜15重量%が好ましい。
[0039] 本発明の染毛剤組成物には、 成分 (A)以外の染料を含有させる必要はないが 、 更に通常染毛剤に使用されている直接染料を含有させてもよい。
[0040] 直接染料としては、 酸性染料、 ニトロ染料、 分散染料、 塩基性染料、 特開 2 003-342139号公報記載の直接染料等が挙げられる。 酸性染料としては、 青色 1号、 紫色 401号、 黒色 401号、 だいだい色 205号、 赤色 227号、 赤色 106号、 黄 色 203号、 酸性橙 3等が挙げられ、 ニトロ染料としては、 2-ニトロパラフエ二 レンジァミン、 2-ァミノ- 6-クロ口- 4-ニトロフエノール、 3-ニトロ- P-ヒドロ キシェチルァミノフエノール、 4-ニトロオルトフエ二レンジァミン、 4-アミ ノ -3-ニトロフエノール、 4-ヒドロキシプロピルァミノ- 3-ニトロフエノール 、 HC青 2、 HC橙 1、 HC赤 1、 HC黄 2、 HC黄 4、 HC黄 5、 HC赤 3、 Ν, Ν-ビス- (2 -ヒドロキシェチル) -2-ニトロパラフエ二レンジァミン等が挙げられ、 分散染 料としては、 分散紫 1、 分散青 1、 分散黒 9等が挙げられ、 塩基性染料とし ては、 塩基性青 99、 塩基性茶 16、 塩基性茶 17、 塩基性赤 76、 塩基性赤 51、 塩 基性黄 57、 塩基性黄 87、 塩基性橙 31等が挙げられる。 これらのうち、 酸性染 料が好ましく、 更には赤みの少ない黒〜グレーに染色できる点から、 黒色 401 号が好ましい。
[0041 ] 本発明の染毛剤組成物に直接染料を含有させる場合、 その含有量は、 本発 明の染毛剤組成物中の 0. 001〜 5重量%、 更には 0. 01〜 3重量%が好ましい。
[0042] 本発明の染毛剤組成物には、 塗布性及び泡質の向上の点から、 更に、 炭素 数 12〜24の直鎖脂肪族アルコールを含有させることができる。 具体的には、
ミリスチルアルコール、 セチルアルコール、 ステアリルアルコール、 ァラキ ルアルコール、 ベへニルアルコール等が挙げられ、 更にはステアリルアルコ ール、 ベへニルアルコールが好ましい。
[0043] 直鎖脂肪族アルコールは、 単独で又は 2種以上を組み合わせて使用するこ とができ、 またその含有量は、 本発明の染毛剤組成物中の O."!〜 10重量%が好 ましく、 更には 0.■!〜 7重量%、 更には 0.5〜5重量%が好ましい。
[0044] 更に、 本発明の染毛剤組成物には、 泡の質感、 泡の滑リ感、 洗浄時のきし み低減、 乾燥時の滑らかさの点からシリコーン類を含有させることができる 。 このようなシリコーン類としては、 例えば以下に示すものが挙げられる。
[0045] (1) ジメチルポリシロキサン
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
(CH3)3S i 0-[(CH3)2S i 0]b-S i (CH3)3
〔式中、 bは 3〜20000の数を示す。 〕
[0046] (2) ァミノ変性シリコーン
各種のァミノ変性シリコーンが使用できるが、 平均分子量が約 3000〜 10000 0の、 ァモジメチコーン (Amodimethicone) 、 アミノエチルァミノプロピルジ メチコ一ン (Am i noethy I am i nopropy I D i meth i cone) 、 又 Iまアミノプロ t: レジ メチコーン (Aminopropyl D i meth i cone)の名称で INC I辞典 (米国, Internatio nal Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook) 第 10版中に言己載されて いるものが好ましい。 このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いる のが好ましく、 市販品としては、 SM 8704C (東レ 'ダウコーニング社) 、 DC 929 (ダウコーニング社) 、 KT 1989 (GE東芝社) 等が挙げられる。 N含量と しては特に限定はされないが、 0.01〜1重量%が好ましく、 更には 0.05〜0.3 重量%が好ましい。
[0047] (3) その他のシリコーン類
上記以外に、 ポリエーテル変性シリコーン、 メチルフエ二ルポリシロキサ ン、 脂肪酸変性シリコーン、 アルコール変性シリコーン、 アルコキシ変性シ リコーン、 エポキシ変性シリコーン、 フッ素変性シリコーン、 環状シリコー
ン、 アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
[0048] シリコーン類は、 2種以上を併用してもよく、 その含有量は、 本発明の染 毛剤組成物中の 0. 01〜10重量%が好ましく、 更には 0. 05〜6重量%、 更には 0 . 3〜3重量%が好ましい。
[0049] 更に、 本発明の染毛剤組成物には、 他のコンディショニング剤として、 油 剤を含有させることができる。 油剤としては、 スクワレン、 スクヮラン、 流 動パラフィン、 流動イソパラフィン、 シクロパラフィン等の炭化水素類; ヒ マシ油、 カカオ油、 ミンク油、 アポガド油、 ォリーブ油等のグリセリ ド類; ミツロウ、 鯨ロウ、 ラノリン、 カルナゥバロウ等のロウ類;パルミチン酸ィ ソプロピル、 ミリスチン酸イソプロピル、 ミリスチン酸ォクチルドデシル、 ラウリン酸へキシル、 乳酸セチル、 モノステアリン酸プロピレングリコール 、 ォレイン酸ォレイル、 2-ェチルへキサン酸へキサデシル、 イソノナン酸ィ ソノニル、 イソノナン酸トリデシル等のエステル類; 力プリン酸、 ラウリン 酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリン酸、 ベへニン酸、 ォレイン酸 、 ヤシ油脂肪酸、 イソステアリル酸、 イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類; 不飽和又は分岐鎖の高級アルコール;その他イソステアリルグリセリルエー テル、 ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。 これら油剤 は、 2種以上を併用することもでき、 その含有量は、 本発明の染毛剤組成物 中の 0. 2〜2重量%が好ましく、 更には 0. 3〜1. 8重量%、 更には 0. 5〜1. 5重量 %が好ましい。
[0050] 本発明の染毛剤組成物には、 上記成分以外に、 通常の染毛剤に用いられる 成分、 例えば水性媒体、 安定化剤、 緩衝剤、 香料、 感触向上剤、 キレート剤 、 可溶化剤、 防腐剤等を、 目的に応じ、 適宜配合することができる。
[0051 ] 成分 (A)のメラニン前駆体は、 塩基性条件で空気中の酸素と反応しメラニン 色素に変換される。 このため、 本発明の染毛剤組成物の pHは、 8〜11の範囲 、 好ましくは 9〜11の範囲に調整する。
[0052] 本発明の染毛剤組成物は、 繰り返し使用しても染色力を維持し、 また染色 力を向上するため、 エアゾールの形態とすることが好ましい。 エアゾール型
の形態とするには、 本発明の染毛剤組成物をエアゾール原液として、 噴射剤 と共に、 耐圧容器 (エアゾール缶等) に充填すればよい。
[0053] 噴射剤としては、 一般にエアゾール製品に用いられる圧縮ガス、 液化ガス 等が使用でき、 圧縮ガスとしては、 窒素ガス、 炭酸ガス、 アルゴンガス等が 、 液化ガスとしては、 液化石油ガス、 炭素数 3〜 5の揮発性炭化水素、 ジメ チルエーテル等が挙げられる。 これらのうち、 液化石油ガス、 ジメチルエー テルが好ましい。 噴射剤は、 2種以上を併用することもでき、 適度な噴射速 度を得るために、 原液及び噴射剤からなる全組成中に 0. 5〜20重量%、 更には 3〜15重量%含有させるのが好ましい。 また充填後のエアゾール缶の内圧が 0 . 3〜0. 5MPa (25°C) となるように調整するのが好ましい。
[0054] 製品充填時には、 クリンチと同時に脱気を行い、 容器内部に残存する空気 を減少させることが好ましく、 このような脱気操作は内容物の安定化の点で より効果的である。 例えば、 48kPa以下の圧力で脱気操作を行うことが好まし い。
[0055] 本発明の染毛剤組成物は、 室温で使用することもできるが、 ドライヤー等 により熱と酸素を供給することにより、 染色力を向上させることもできる。 実施例
[0056] 実施例 1〜 2及び比較例 1
表 1に示す組成に従ってエアゾール型一剤式染毛剤組成物の原液を調製し 、 この原液をエアゾール用相溶性ビン (東京高分子社) に詰めてクリンチし た後、 原液:ガス比 =90: 10 (重量比) となるように噴射剤として 0. 35MPaの 液化石油ガスとジメチルエーテルの混合物 (混合重量比 =90: 10) を充填し 、 エアゾール型一剤式染毛剤組成物を得た。
得られたエアゾール型一剤式染毛剤組成物につき、 下記に示す試験評価を 行った。 結果を表 1に併記する。
[0057] ■染色性 (Δ Ε ) :
中国人女性の乾燥した白髪の毛束約 1 gに、 各エアゾール型染毛剤組成物 1 gを塗布し、 室温にて 5分間放置し、 シャンプーし、 水洗した。 この染色
操作を 3回繰り返し、 白髪の染色性 (Δ Ε、 ミノルタ CR300) 及び色味を評価 した。
上記染色操作により、 白髪毛束は、 実施例 1ではやや赤みを帯びた茶色に 染まり、 実施例 2ではやや青みを帯びた黒っぽい灰色に染まった。 比較例 1 は黒っぽいグレーに染まり、 色味はほとんど感じられなかった。
[0058] ■保存安定性:
各エアゾール型染毛剤組成物をエアゾール容器に充填し、 40°Cにて 1ヶ月 間保存後の組成物の外観、 吐出性能及び染毛性を製造直後のものと比較、 評 価した。 その結果、 いずれも外観、 吐出性能及び染色性にほぼ変化はなかつ
[0059] [表 1 ]
[0060] 実施例 3〜 4
表 2に示す組成に従ってエアゾール型一剤式染毛剤組成物の原液を調製し 、 この原液をエアゾール用相溶性ビン (東京高分子社) に詰めてクリンチし た後、 原液:噴射剤比 =90: 10 (重量比) となるように噴射剤として 0. 44MPa の LPGを充填し、 エアゾール型一剤式染毛剤組成物を得た。
製造した各エアゾール型一剤式染毛剤について、 下記基準に従い、 低温 ( 5 °C) でのブラシ上での塗布性、 更に高温 (40°C) での塗布性を評価した。 また、 常温 (25°C) での塗布、 5分放置、 シャンプー、 水洗を行い、 髪の感 触を評価した。
ぐ評価法 >
,低温塗布性:
5 °Cにてエアゾール型一剤式染毛剤を吐出し、 泡状態で出るものを 「良好 」 とし、 それ以外を 「不良」 とした。
■高温塗布性:
1 gのエアゾール型一剤式染毛剤を吐出し、 中国人女性の白髪トレス 1 g に塗布後、 40°Cにて 5分間放置し、 液だれを生じないものを 「良好」 とし、 液だれを生じたものを 「不良」 とした。
■処理後の髪の感触:
パネラー 5人が評価し、 感触良好とした人数が 3人以上の場合 「良好」 、 2〜 1人の場合 「並」 、 0人の場合は 「不良」 とした。
[表 2]
2)液だれによる不良 実施例 5
表 3に示す組成に従ってエアゾール型一剤式染毛剤組成物の原液を調製し 、 この原液をエアゾール用相溶性ビン (東京高分子社) に詰めてクリンチし た後、 原液: ガス比 =90 : 10 (重量比) となるように噴射剤として 0. 35MPaの 液化石油ガスとジメチルエーテルの混合物 (混合重量比 =88. 5 : 1 1 . 5) を充 填し、 エアゾール型一剤式染毛剤組成物を得た。
製造したエアゾール型一剤式染毛剤組成物を使用して染毛を行ったところ 、 泡質、 低温時の発泡性、 吐出液のなじみやすさ及び染色性は、 いずれも良 好であった。
[0064] [表 3]
*:両者の混合物におけるエチレンオキサイド付加モル数の分布は、一般式 (2)中、 a=0: 57重量%、3=1: 16重量%、 a=2: 10重量%、a=3以上: 17重量% a = 0 2の合計: 83重量%
[0065] 実施例 6 ~ 7
表 4に示す組成に従ってエアゾール型一剤式染毛剤組成物の原液を調製し 、 この原液をエアゾール用相溶性ビン (東京高分子社) に詰めてクリンチし た後、 原液: ガス比 =95 : 5 (重量比) となるように噴射剤として 0.5MPaの 窒素ガスを充填し、 エアゾール型一剤式染毛剤組成物を得た。
製造した各染毛剤について、 下記基準に従い、 染色性と保存安定性を評価 した。
[0066] ぐ評価法 >
■染色性 (Δ Ε) : 中国人女性の乾燥した白髪トレス約 1 gに、 各エアゾー
ル染毛剤組成物の吐出液各 1 gを塗布し、 室温にて 5分間放置した後、 シャ ンプ一し、 水洗した。 この染色操作を 3回繰り返した後、 毛髪を測色 (ミノ ルタ CR300) することにより、 白髪の染色性を評価した。
4]
表 5に示す組成に従つてエアゾール型一剤式染毛剤組成物の原液 (ジエル タイプ) を調製し、 この原液をエアゾール用相溶性ビン (東京高分子社) に 詰めてクリンチした後、 噴射剤として 0. 5MPaの窒素ガスを充填し、 エアゾー ル型ー剤式染毛剤組成物を得た。
得られたエアゾール型一剤式染毛剤組成物につき、 下記に示す染色性評価 を行った。 結果を表 1に併記する。
[0069] ■染色性 (Δ Ε ) :
中国人女性の乾燥した白髪トレス約 1 gに、 各エアゾール型染毛剤組成物 1 gを塗布し、 室温にて 5分間放置し、 シャンプーし、 水洗した。 この染色 操作を 3回繰り返し、 白髪の染色性 (Δ Ε、 ミノルタ CR300) 及び色味を評価 した。
上記染色操作により、 白髪毛束は、 実施例 8ではグレーに染まり、 実施例 9では茶色〜グレーに染まった。
[0070] [表 5] 原液処方(重量%) 原料
実施例 8 実施例 9
5,6 -ジヒドロキシインドール、 5,6-ジヒドロキシインドール
(Α) 0.3 0.3 - 2 -力ルボン酸混合物(モル比 90: 10)
(Β) ァスコルビン酸 0.3 0.3
(C)モノエタノールァミン 0.5 0.5 黒色 401号 (癸巳化成社) 0.1 7 0.05 ポリオキシエチレントリデシルエーテル
1.5 1.5 (ソフタノール 90, 日本触媒社)
ヒドロキシプロピルキサンタンガム
1.25 1.25 (ラボールガム ΕΧ,大日本住友製薬社)
そ
ベンジルアルコール 0.3 0.3 の
ジメチコン -アミノエチルァミノプロピル'メチルポリシ口
他
キサン共重合体混合物 0.1 0.1 (CF1046,東レ 'ダウコーニング社)
水酸化ナトリウム ¾¾¾ 適量 クェン酸 適至 適量 水 残量 残量
+
口 ΡΤ 100 100
ΡΗ 9 9
25°Cにおける粘度(mPa 's) 10000 10000
3回の染色性(ΔΕ) 48 45