JP2020143016A - 染毛剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 毛髪を鮮やかに染色し、色持ちが良く、経日安定性に優れた染毛剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 (A)酸化染料、(B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、(C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、及び、(D)酸化剤を含有し、(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5である染毛剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、染毛剤組成物に関する。更に詳しくは、酸化染料及び特定の酸性直接染料、L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、及び酸化剤を含有し、毛髪を鮮やかに染毛し、色持ちがよく、経日安定性に優れた染毛剤組成物に関する。
従来、染毛剤としては酸化染料を用いた酸化染毛剤が知られており、酸化染料やアルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含有する第2剤からなる2剤式のものが広く使われている。
このような2剤式酸化染毛剤では、酸化染料が毛髪内に浸透し酸化重合することにより染毛される。また染毛と同時に、第1剤に含有されているアルカリ剤が、第2剤に含有されている酸化剤を分解して発生させる酸素によって毛髪中のメラニンを分解脱色するため、毛髪の明度を上げることが可能である。そのため酸化染毛剤は染毛効果が高く、色持ちが良好であり、明るく染めることが可能であるが、鮮やかな色調を表現することが困難であるという問題点がある。
一方、酸性直接染料を用いた酸性染毛料も普及している。例えば、特許文献1では、酸性直接染料、芳香族アルコールなどの染色助剤、酸化剤を含有し、かつ、染毛時の混合物のpHを7.5〜11に調整した染毛剤が報告されている。
また、特許文献2では、酸性直接染料、アルカリ及び高分子系増粘剤を含む第1液と、過酸化水素を含むpHが4以下である第2液との2種類の溶液を混合して、pH9.0以上で、特定粘度とした組成物を毛髪に塗布する毛髪脱色染色方法が報告されている。
これらの染毛剤は明るく鮮やかな色調を表現することができるが、染毛効果や色持ちは不十分である。
また特許文献3では、特定量の酸化染料中間体、酸性直接染料および酸化剤を含有する染毛剤組成物が報告されている。本組成物においては毛髪を明るくしながら鮮やかな色調を表現することができるが、酸化染料の酸化重合を防止するために配合されている酸化防止剤により、酸性直接染料が分解され、経日安定性に優れないという問題がある。
特開平3−287521号公報 特開平8−157345号公報 特開平11−302138号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、毛髪を鮮やかに染色し、色持ちが良く、経日安定性に優れた染毛剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、(A)酸化染料、(B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、(C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、及び、(D)酸化剤を含有し、(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5である染毛剤組成物が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)(A)酸化染料、(B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、(C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、を含み、(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5である第1剤と、(D)酸化剤を含有する第2剤、とを含む染毛剤組成物。
(2)(A)酸化染料、(B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、(C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、及び、(D)酸化剤を含有し、(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5であること、を特徴とする染毛剤組成物。
(3)さらに(E)アルカリ剤を含有する、上記(1)又は(2)に記載の染毛剤組成物。
(4)染毛剤組成物の全量に対して、(A)成分の配合量が0.05〜2.0質量%であり、(B)成分の配合量が0.03〜1.5質量%であり、(C)成分の配合量が0.002〜1.0質量%であり、(D)成分の含有量が0.3〜6.0質量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の染毛剤組成物。
(5)(E)成分の含有量が、染毛剤組成物全量に対して0.2〜5.0質量%である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の染毛剤組成物。
本発明によれば、経日安定性が良好でありながら、毛髪を鮮やかに染毛し、さらに色持ちに優れた染毛剤組成物を提供することができる。すなわち本発明により、鮮やかさ、色持ち、及び経日安定性の3つの効果を同時に発揮することができる。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
(A)酸化染料(以下(A)成分と言う場合もある。)
酸化染料としては酸化染料中間体、カプラーが挙げられる。酸化染料中間体としては、例えば、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール などのフェニルアミン類及びそれらの塩を挙げられる。
塩としては、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩などを挙げられる。酸化染料中間体の配合量は、必要に応じて適宜に設定すれば良い。
カプラーとしては、主としてm−のジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類が挙げられ、具体的にはレゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、ハイドロキノン、ジフェニルアミン、1,5−ジヒドロキシナフタレン及びそれらの塩等が挙げられる。酸化染毛剤におけるカプラーの配合量は、必要に応じて適宜に設定すれば良い。
(A)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分の配合量は、仕上がり時の明るさの観点から、染毛剤組成物の全量に対して0.05〜2.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
(B)酸性直接染料(以下(B)成分と言う場合もある)
(B)成分は、ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3、ACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料である。
これらの酸性直接染料は、長期保管しても染毛剤中に含まれる酸化防止剤によって分解されにくく、また、染毛剤を混ぜ合わせた際にも酸化剤によってすぐには分解されにくいという効果を発揮するものである。
酸性直接染料の配合量は、染毛剤組成物の全量に対して、0.03〜1.5質量%含むことが好ましく、0.05〜1.0質量%含むことがより好ましい。配合量が、0.03質量%以上である場合、染毛色が鮮やかとなり、1.5質量%以下であると、染色後の毛髪からの色流れが少なくなり、地肌染まりが少なくなる傾向にある。
(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、希望の色味に応じて配合することができる。
(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率((A)成分の配合量/(B)成分の配合量)は、質量比で0.05〜50であることが好ましく、0.07〜20であることがより好ましい。上記範囲内であると、染毛色は鮮やかとなり、色持ちが良くなる傾向にある。
(C)L−アスコルビン酸、L−システインおよびそれらの塩類(以下(C)成分と言う場合もある)
(C)成分は、L−アスコルビン酸、L−システインおよびそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種である。L−アスコルビン酸の塩類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
L−システインの塩類としては、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられる。(C)成分は、酸化染料の酸化防止効果の観点から、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、L−システイン塩酸塩が好ましく、L−アスコルビン酸、L−システイン塩酸塩がより好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率((C)成分の配合量/[(A)成分の配合量+(B)成分の配合量])が質量比で0.01〜5となるようにすればよく、0.01〜1.5がより好ましく、0.01〜1.0が更に好ましい。
上記比率が0.01より大きい場合、長期保管中の酸化染料の酸化発色が少なくなり、5より小さい場合、酸性染料の分解が少なくなり経時安定性が良好になる傾向にある。
(C)成分はさらに、他の酸化防止剤と組み合わせて使用することもできる。他の酸化防止剤としては、亜硫酸塩類、N−アセチルシステインおよびその塩類、システアミンおよびその塩類、チオグリコール酸およびその塩類、チオグリセリン他等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、染毛剤組成物の全量に対して、0.002〜1.0質量%含むことが好ましい。
(D)酸化剤(以下(D)成分と言う場合もある)
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどが挙げられる。
酸化剤としては、酸化染料の発色および毛髪損傷防止の観点から、過酸化水素が好ましい。
(D)成分の含有量は、使用時における酸化染料の酸化重合促進の観点から、染毛剤組成物の全量に対して0.3〜6.0質量%含むことが好ましく、0.5〜4.5質量%含むことがより好ましい。
(E)アルカリ剤(以下(E)成分と言う場合もある)
アルカリ剤としては、1種又は2種以上のアルカリ剤を挙げることができる。
アルカリ剤の種類は限定されないが、アンモニア、アルカノールアミン類、有機アミン類、塩基性アミノ酸類及びそれらの塩や無機アルカリを挙げることができる。
アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
有機アミン類としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等を挙げることができる。
塩基性アミノ酸類としては、アルギニン、リジン等を挙げることができる。
無機アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩又は炭酸水素塩を挙げることができる。
これらの中でも、毛髪の明度向上に有効なアンモニア、モノエタノールアミン及びそれらの塩の少なくとも1種が好ましい。また、刺激を低減するといった観点からは、アンモニア及びモノエタノールアミンの少なくとも1種に炭酸塩を併用することが好ましい。
このような炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどを挙げることができる。
(E)成分は、仕上がりの明るさ、刺激、毛髪へのダメージの観点から、染毛剤組成物の25℃でのpHが8.5〜12となるように含有させることが好ましく、さらにpHが8.8〜11の範囲内となるように含有させることがより好ましい。
(E)成分の含有量は特に限定されないが、染毛剤組成物全量に対して、0.2〜5.0質量%含まれることが好ましく、1.5〜4.0質量%含まれることがより好ましい。
(F)その他の成分
本発明の染毛剤には、上記の必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を配合することができる。
このようなその他の成分としては、ニトロ染料、油剤、界面活性剤、シリコーン類、高分子化合物、ペプチド、アミノ酸系成分、溶剤、保湿剤、キレート剤、植物抽出物、生薬抽出物、防腐剤、香料、顔料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
「ニトロ染料」としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC青2、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC橙1等が挙げられる。
「油剤」としては、特に種類は限定されず、高級アルコール、シリコーン類、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、ロウ類、エステル類等が例示される。
「高級アルコール」としては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール、及び水添ラノリンアルコール等の飽和又は不飽和の直鎖状の高級アルコールを挙げることができる。
「シリコーン類」としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を挙げることができる。
「油脂」としては、例えば、ローズヒップ油、ツバキ油、ヒマワリ油、アボカド油、コメヌカ油、マカダミアナッツ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、メドウフォーム油、アーモンド油、シア脂、ミンク油等を挙げることができる。
「炭化水素」としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等を挙げることができる。
「高級脂肪酸」としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等を挙げることができる。
「ロウ類」としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等を挙げることができる。
「エステル類」としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソオクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、カプリル酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル等を挙げることができる。
これらの中でも、乳化安定性、毛髪への塗布のしやすさ、指通り向上の観点から、特に高級アルコール、シリコーン類、炭化水素が好ましい。
高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールがより好ましい。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体がより好ましい。炭化水素としては、パラフィン、流動パラフィン、ワセリンがより好ましい。
「界面活性剤」として種類は特に限定されず、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性イオン性の各種界面活性剤の内から任意に選択して含有させることが出来る。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアルジモニウムクロリド)、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びクオタニウム−91等が例示される。
アニオン性界面活性剤としては、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸等のアルキルリン酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノエチル、リン酸ジセチル等のリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステル等が例示される。
両性イオン性界面活性剤としては、以下の(1)〜(5)が例示される。
(1)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウラミドプロピルベタイン)、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(2)デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩又はトリエタノールアミン塩。
(3)ココアンホ酢酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ココアンホプロピオン酸Na(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、ラウロアンホ酢酸Na(N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン)、オリーブアンホ酢酸Na、カカオ脂アンホ酢酸Na、ゴマアンホ酢酸Na、スイートアーモンドアンホ酢酸Na、ステアロアンホ酢酸塩、パームアンホ酢酸Na、ピーナッツアンホ酢酸Na、ヒマワリ種子アンホ酢酸Na、綿実アンホ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノカルボン酸塩。
(4)ココアンホジ酢酸Na、ココアンホジプロピオン酸Na、及びラウロアンホジ酢酸Na等のN−アシルアミノエチル−N−カルボキシメトキシエチルアミノカルボン酸塩。
(5)ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシン。
本発明の染毛剤組成物は、通常は多剤式に構成される。即ち、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて(E)成分を含む第1剤と、(D)成分である酸化剤を含む第2剤との2剤式又は、(A)成分及び(C)成分を配合した第1剤と、(B)成分を配合した第2剤と、(D)成分を配合した第3剤との3剤式等に構成される。作業の簡便性の観点から2剤式に構成されることが好ましい。また、必要に応じて、これらの第1剤、第2剤、第3剤に加え、例えば染毛補助剤を付加した多剤式としてもよい。
(G)染毛剤組成物の剤型
染毛剤組成物の剤型は特段に限定されず、例えば、ジェル状、液体状、フォーム状、ペースト状、クリーム状等の公知の各種剤型が選択されるが、水中油滴型のエマルションの形態を持つペースト状やクリーム状が好ましく、クリーム状の剤型がさらに好ましい。また、本発明の染毛剤組成物は、1剤式で(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び必要に応じて(E)成分の各成分をそれぞれ粉末状とし、使用時に水等の溶解液に溶かして毛髪に適用するものとすることもできる。
以下の表に示す実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、表中の数値は質量%を示す。
各例における第1剤、第2剤を調合後、第1剤、第2剤を1:1(質量比)で混合して塗布用組成物を調製した直後に、その塗布用組成物1.5gをヤク毛毛束(約1g)に塗布した。これらのヤク毛毛束を30分間放置後、水洗、風乾することによりヤク毛毛束の染色処理を完了した。染色処理が施されたヤク毛毛束について、5名の評価者にて以下の評価を行った。
(1)色調の鮮やかさ
染色したヤク毛毛束を目視にて観察し、色調について、(5)非常に鮮やかな色調、(4)鮮やかな色調、(3)やや鮮やかな色調、(2)鮮やかさがやや不十分、(1)鮮やかさが不十分の5段階で色調を官能評価した。なお、3.5のように、それぞれの中間の評価を行う場合もある。
(2)第1剤及び第2剤の経日安定性
各実施例及び比較例における第1剤及び第2剤をアルミチューブ充填し、密閉後、45℃で3ヶ月間保存した。保存した第1剤、第2剤を1:1(質量比)で混合して塗布用組成物を調製した直後に、その塗布用組成物1.5gをヤク毛毛束(約1g)に塗布した。これらのヤク毛毛束を30分間放置後、水洗、風乾することによりヤク毛毛束の染色処理を完了した。染色処理が施されたヤク毛毛束について、以下の評価を行った。
染色したヤク毛毛束を目視にて観察し、色調について、(5)非常に鮮やかな色調、(4)鮮やかな色調、(3)やや鮮やかな色調、(2)鮮やかさがやや不十分、(1)鮮やかさが不十分の5段階で色調を官能評価した。なお、3.5のように、それぞれの中間の評価を行う場合もある。
(3)色持ち
染色したヤク毛毛髪を2本準備し、1本はその後未処理とし、うち1本は45℃10%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(2E.O.)水溶液に30分間浸漬し、その後十分に水洗し風乾させた。目視にて2本の色調差を観察し、褪色の程度について、(5)色落ちがほとんど無く色持ちは非常に良好、(4)やや色落ちはあるものの色持ちは良好、(3)色落ちがあるも色持ちはやや良好、(2)色落ちがやや大きく色持ちはやや不良、(1)色落ちが非常に大きく色持ちは不良の5段階で官能評価した。なお、3.5のように、それぞれの中間の評価を行う場合もある。
Figure 2020143016
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「評価結果」
表1、2記載の配合例による各実施例、比較例について、上記の評価基準に照らして(1)色調の鮮やかさ、(2)第1剤及び第2剤の経日安定性、(3)色持ちを評価した。結果は、評価者5名の平均を示す。
本発明の全ての実施例においては、(1)色調の鮮やかさ、(2)第1剤及び第2剤の経日安定性、(3)色持ちの全ての項目について、それぞれ評価基準が3以上となり合格と評価でき染毛剤として十分な効果を発揮するものであった。
これに対し、比較例のものは、上記3項目のうちのいずれかが3未満の評価となり、本発明において規定された量のA、B、C、D成分の全ての成分が、一つでも満たさなければ、染毛剤としての十分な効果を発揮できないことが確認できた。
本発明によれば、経日安定性が良好でありながら、毛髪を鮮やかに染毛し、さらに色持ちに優れた染毛剤組成物を提供することが可能となる。

Claims (5)

  1. (A)酸化染料、
    (B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、
    (C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、を含み、
    (B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5である第1剤と、
    (D)酸化剤を含有する第2剤、
    とを含む染毛剤組成物。
  2. (A)酸化染料、
    (B)ACID RED 51、ACID RED 52、ACID RED 87、FOOD RED 1、ACID ORANGE 7、ACID YELLOW 3及びACID VIOLET 43からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性直接染料、
    (C)L−アスコルビン酸、L−システイン及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤、及び、
    (D)酸化剤を含有し、
    (B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の比率が、質量比で0.05〜50であり、(A)成分及び(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の比率が質量比で0.01〜5であること、
    を特徴とする染毛剤組成物。
  3. さらに(E)アルカリ剤を含有する、請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
  4. 染毛剤組成物の全量に対して、(A)成分の配合量が0.05〜2.0質量%であり、(B)成分の配合量が0.03〜1.5質量%であり、(C)成分の配合量が0.002〜1.0質量%であり、(D)成分の含有量が0.3〜6.0質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の染毛剤組成物。
  5. (E)成分の含有量が、染毛剤組成物全量に対して0.2〜5.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の染毛剤組成物。
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