JP2022171540A - 酸化染毛剤 - Google Patents

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Yoshimi Ito
誠 唐渡
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朋也 園田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上でき、さらに酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる酸化染毛剤を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決するために、第1剤と第2剤を混合することにより得られる酸化染毛剤であって、(A)カプラーを含有し、(A)成分の含有量に対する(B)染料中間体の含有量の質量比(B/A)が0.4以下であり、前記(A)成分の含有量が0.3質量%以上であり、(C)アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする酸化染毛剤が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、カプラーを含有する酸化染毛剤に関する。
例えばアルカリ剤及び酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤、例えば過酸化水素を含有する第2剤とから構成される酸化染毛剤が知られている。アルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させる。酸化剤は、毛髪中のメラニン色素を分解するとともに、毛髪内部で酸化染料重合体を形成させる。アルカリ剤が除去された後、毛髪のキューティクルが閉じて、酸化染料重合体が毛髪内部に封入される。
毛髪内部の酸化染料重合体は、容易に分解しないため、脱染性能が低く、通常酸化染毛剤を用いて染毛処理を行った後、別の色に再染毛する場合、一旦脱染剤を用いて脱染処理する必要があった。さらに一度の脱染処理では十分に脱染できない場合もあった。
従来より、毛髪内部の暗い色調の酸化染料重合体を脱染剤による脱染処理を行うことなく分解させ、毛髪をクリアな明るい色調に再染色するために用いられる酸化染毛剤が知られている。例えば特許文献1に開示される酸化染毛剤は、染料の主成分としてジアミン系の染料中間体等を含有することにより、脱染性能を向上させている。
国際公開第2009/057228号
本発明の課題は、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上でき、さらに酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる酸化染毛剤を提供することである。
発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、カプラーの含有量に対する染料中間体の比率を特定の質量比とし、さらにアニオン性界面活性剤を配合することにより、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上でき、さらに容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1剤と第2剤を混合することにより得られる酸化染毛剤であって、
(A)カプラーを含有し、
(A)成分の含有量に対する(B)染料中間体の含有量の質量比(B/A)が0.4以下であり、
前記(A)成分の含有量が0.3質量%以上であり、
(C)アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上することができる。さらに、本発明の酸化染毛剤は、(C)アニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる。
また、本発明は、さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、第1剤と第2剤が混合することにより得られる酸化染毛剤において、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちをより抑制することができる。
また、本発明は、前記(C)成分が第1剤に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、酸化染毛剤の第1剤の乳化安定性を向上することができる。
また、本発明は、前記第1剤中の(A)成分中に2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩を含有し、前記第1剤中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.6質量%以上、又は2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩及び他のカプラーの含有量の合計量が3.0質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載の酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、染毛力をより向上することができる。また、上記の(A)成分が第1剤に含有されていても、第1剤にアニオン性界面活性剤が含有されていることにより十分な乳化安定性を得ることができる。
また、本発明は、前記1剤中の(C)成分が、分子中に炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素鎖を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、酸化染毛剤の第1剤の乳化安定性をより向上することができる。
また、本発明は、前記(C)成分が一方の剤に含有されており、
(D)カチオン性界面活性剤がもう一方の剤に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、第1剤と第2剤が混合することにより得られる酸化染毛剤において、垂れ落ちをさらに抑制することができる。
本発明によれば、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上でき、さらに酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる酸化染毛剤を提供することができる。
本発明は、第1剤と第2剤を混合することにより得られる酸化染毛剤であって、
(A)カプラーを含有し、
(A)成分の含有量に対する(B)染料中間体の含有量の質量比(B/A)が0.4以下であり、
前記(A)成分の含有量が0.3質量%以上であり、
(C)アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする酸化染毛剤である。
これにより、本発明の酸化染毛剤は、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上することができる。さらに、本発明の酸化染毛剤は、(C)アニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる。
本発明の酸化染毛剤は、多剤式酸化染毛剤、好ましくは2剤式酸化染毛剤として用いることができる。2剤式酸化染毛剤は、酸化染料を含む第1剤及び酸化剤を含む第2剤からなり、使用に際して、第1剤と第2剤が混合されて使用される。本発明における酸化染毛剤とは、多剤式の酸化染毛剤の、例えば第1剤と第2剤の混合物の状態を示し、その組成とは、例えば第1剤と第2剤の混合物の組成を示す。
以下、本発明の酸化染毛剤の成分について例示する。尚、成分の含有量を示す質量%の数値は、水等の可溶化剤を使用する場合、それらも含めた剤型中における数値である。
[(A)カプラー]
本発明の酸化染毛剤は、カプラーを含有する。(A)カプラーの具体例としては、例えば2,4-ジアミノフェノキシエタノール、レゾルシン、5-アミノ-o-クレゾール、m-アミノフェノール、α-ナフトール(1-ナフトール)、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、m-フェニレンジアミン、トルエン-3,4-ジアミン、2,6-ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N-ジエチル-m-アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、それらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。一種の(A)成分を単独で使用してもよく、二種以上の(A)成分を組み合わせて使用してもよい。(A)カプラーとしては、好ましくは2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2,6-ジアミノピリジン、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、1-ナフトール、5-アミノ-o-クレゾール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、m-アミノフェノール、レゾルシン、及びそれらの塩が使用でき、染毛力の観点から特に好ましくは2,4-ジアミノフェノキシエタノール及びそれらの塩である。
本発明の酸化染毛剤中には(A)カプラーは0.3質量%以上含有される。これにより、酸化染毛剤の染毛力を向上することができる。染毛力の観点から、下限値は、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上、よりさらに好ましくは0.7質量%以上である。上限値は、適宜設定されるが、脱染性能、垂れ落ち抑制、及び乳化安定性の向上の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3.5質量%以下である。(A)カプラーの含有量が10質量%以下であると、脱染性能をより向上でき、可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上できる。なお、(A)カプラーが塩である場合、(A)カプラーの含有量はその脱塩型での値とする。
酸化染毛剤の第1剤には、(A)カプラーは0.6質量%以上含有されることが好ましい。染毛力の観点から、下限値は、より好ましくは0.8質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上、よりさらに好ましくは1.2質量%以上、最も好ましくは1.4質量%以上である。上限値は、脱染性能、垂れ落ち抑制、及び乳化安定性の向上の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは14質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、最も好ましくは7質量%以下である。(A)カプラーの含有量が20質量%以下であると、脱染性能をより向上でき、可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上できる。なお、(A)カプラーが塩である場合、(A)カプラーの含有量はその脱塩型での値とする。
また、2,4-ジアミノフェノキシエタノールの酸化染毛剤中での好ましい配合量は、下限値は、染毛力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.25質量%以上である。上限値は、垂れ落ち抑制、乳化安定性の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以下である。
また、2,4-ジアミノフェノキシエタノールの酸化染毛剤の第1剤中での好ましい配合量は、下限値は、染毛力の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上である。上限値は、垂れ落ち抑制、乳化安定性の観点から、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは6質量%以下であり、よりさらに好ましくは4質量%以下である。
また、2,6-ジアミノピリジン、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノールの酸化染毛剤の第1剤中での好ましい配合量は、下限値は、染毛力の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。
[(B)染料中間体]
本発明の酸化染毛剤は染料中間体を含有してもよい。染料中間体としては、主としてo-又はp-のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料前駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。
具体的には、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール、p-フェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン(p-トルイレンジアミン)、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、o-クロル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-m-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4-ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が例示される。これらの染料中間体は、所望する色調に応じて1種又は2種以上を選択して使用することができる。
酸化染毛剤中において、全(B)染料中間体の含有量に対する(A)カプラーの含有量の質量比(B/A)は、0.4以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下である。かかる質量比(B/A)が0.4以下であると、脱染性能を向上できる。なお、(A)カプラー及び(B)染料中間体が塩である場合、上記質量比の算出に用いられる含有量は、(A),(B)ともにそれらの脱塩型での値とする。
酸化染毛剤中における(B)染料中間体の含有量の上限は、上記含有量の質量比(B/A)の範囲内において適宜設定されるが、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、特に好ましくは酸化染毛剤は(B)染料中間体を実質的に含有しない。本発明において「実質的に含有しない」とは、含有量が0.1質量%以下であることを意味する。(B)染料中間体の含有量が1質量%以下であると、脱染性能をより向上でき、可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上できる。なお、(B)染料中間体が塩である場合、(B)染料中間体の含有量はその脱塩型での値とする。
[(C)アニオン性界面活性剤]
本発明の酸化染毛剤は、(C)アニオン性界面活性剤を含有する。(C)アニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化染毛剤の粘度が向上し、毛髪への適用時における酸化染毛剤の垂れ落ちなどを抑制することができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが例示される。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンのいずれであってもよい。
より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEステアリルエーテル硫酸ナトリウム、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、POEラウリルエ-テルリン酸及びその塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩類(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、N-ラウロイルメチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、高級脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの高級脂肪酸の塩が例示される。これらの中でも好ましくはセチル硫酸ナトリウム、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム、乳化安定性の観点から特に好ましくはセチル硫酸ナトリウムが挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤は1又は2種以上を使用することができる。
酸化染毛剤中の(C)アニオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、例えば0.01~10質量%である。下限値は、酸化染毛剤の垂れ落ち抑制の観点から、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.07質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値は、酸化染毛剤の粘度調整の観点から、好ましくは7.5質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは2質量%以下である。
また、本発明の酸化染毛剤においては、(C)アニオン性界面活性剤が酸化染毛剤の第1剤に含有されることが好ましい。(A)カプラーの含有量が0.6質量%以上である酸化染毛剤の第1剤においては乳化安定性が低下する傾向があるが、(C)アニオン性界面活性剤を含有することにより、第1剤の乳化安定性を向上することができる。
酸化染毛剤の第1剤中の(C)アニオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、例えば0.02~20質量%である。下限値は、乳化安定性のさらなる向上と酸化染毛剤の垂れ落ちをより抑制する観点から、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.8質量%以上である。上限値は、酸化染毛剤の粘度調整の観点から、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下であり、よりさらに好ましくは4質量%以下である。
また、本発明の酸化染毛剤は、第1剤の(A)成分に2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩を含有することが好ましい。1剤中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.6質量%以上、又は2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩及び他のカプラーの含有量の合計量が3質量%以上であることがより好ましい。1剤中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.9質量%以上であることがさらに好ましい。酸化染毛剤中の第1剤中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.6質量%以上、又は2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩及び他のカプラーの含有量の合計量が3質量%以上とすると酸化染毛剤の染毛力を向上することができるが、第1剤の乳化安定性が低下する恐れがある。このような場合においても、酸化染毛剤の第1剤に上記したようにアニオン性界面活性剤を含有させることにより、十分な乳化安定性を得ることができる。2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩は、塩酸塩であることが好ましい。
また、上記した乳化安定性を向上する観点から、第1剤のアニオン性界面活性剤は分子中に炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素鎖を有することが好ましい。このようなアニオン性界面活性剤としては、例えば、セチル硫酸ナトリウム、N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
また、酸化染毛剤中における(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の質量比(C/A)は、例えば0.005以上10以下である。下限値としては、垂れ落ち抑制の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.05以上である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは7.5以下であり、より好ましくは5以下である。
また、第1剤中における(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の質量比(C/A)は、例えば0.005以上10以下である。下限値としては、乳化安定性の抑制の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.05以上である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは7.5以下であり、より好ましくは5以下である。
また、酸化染毛剤中における(A)成分と(B)成分の含有量の合計量に対する(C)成分の含有量の質量比(C/(A+B))は、例えば0.005以上10以下である。下限値としては、垂れ落ち抑制の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.05以上である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは7.5以下であり、より好ましくは5以下である。
また、第1剤中における(A)成分と(B)成分の含有量の合計量に対する(C)成分の含有量の質量比(C/(A+B))は、例えば0.005以上10以下である。下限値としては、乳化安定性の抑制の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.05以上である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは7.5以下であり、より好ましくは5以下である。
[(D)カチオン性界面活性剤]
本発明の酸化染毛剤は、(D)カチオン性界面活性剤を含有することが好ましい。(C)アニオン性界面活性剤に加えて(D)カチオン性界面活性剤を含有することにより、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤が相互作用し複合体を形成し、その結果、酸化染毛剤の粘度調整により、垂れ落ちをより抑制することができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
好ましくは、アルキル4級アンモニウム塩類であり、さらに好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩であり、特に好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩である。
モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。特に好ましくは、垂れ落ち抑制の観点から、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムである。
ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジアルキル(12~15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12~18)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
酸化染毛剤中の(D)成分の含有量は、特に制限されないが、例えば0.01~10質量%である。下限値は、酸化染毛剤の垂れ落ちをより抑制する観点から、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。上限値は、酸化染毛剤の粘度調整の観点から、好ましくは7.5質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
酸化染毛剤における、(C)成分の含有量に対する(D)成分の含有量の質量比(D/C)は、特に制限されないが、例えば0.01~100である。下限値としては、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上である。上限値としては、好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下である。(D/C)を上記範囲内とすることにより、酸化染毛剤の垂れ落ちをより抑制することができる。
酸化染毛剤における、(A)成分の含有量に対する(D)成分の含有量の質量比(D/A)は、特に制限されないが、例えば0.01~100である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは10以下であり、より好ましくは7.5以下であり、さらに好ましくは5以下である。
酸化染毛剤における、(A)成分と(B)成分の含有量の合計量に対する(D)成分の質量比(D/(A+B))は、特に制限されないが、例えば0.01~100である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは10以下であり、より好ましくは7.5以下であり、さらに好ましくは5以下である。
酸化染毛剤における、(A)成分と(B)成分の含有量の合計量に対する(C)成分と(D)成分の含有量の合計量の質量比((C+D)/(A+B))は、特に制限されないが、例えば0.01~100である。上限値としては、染毛力の観点から、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは5以下である。下限値としては、垂れ落ち抑制及び乳化安定性の観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上であり、さらに好ましくは0.03以上である。
また、前記(C)成分が一方の剤に含有されており、(D)カチオン性界面活性剤がもう一方の剤に含有されていることが好ましい。具体的には、第1剤にアニオン性界面活性剤が含有されている場合は、第2剤にカチオン性界面活性剤が含有され、一方、第1剤にカチオン性界面活性剤が含有されている場合は、第2剤にアニオン性界面活性剤が含有される。これにより、本発明の酸化染毛剤は、第1剤と第2剤を混合して得られる酸化染毛剤において、垂れ落ちをさらに抑制することができる。
また、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤は、第1剤又は第2剤にはいずれか一方のみが含有されていることが好ましい。これにより、第1剤及び第2剤の乳化安定性を保つことができ、第1剤と第2剤の混合後の酸化染毛剤において、垂れ落ちをさらに抑制することができる。また、(C)アニオン性界面活性剤の含有量に対する(A)カプラーの含有量の質量比(A/C)及び/又は(D)カチオン性界面活性剤の含有量に対する(A)カプラーの含有量の質量比(A/D)を適宜調整することにより、酸化染毛剤の垂れ落ちをさらに抑制することができる。
本発明の酸化染毛剤は、特に制限されないが、25℃における粘度が、例えば、1000~100000mPa・sである。垂れ落ち抑制の観点から、下限値は、好ましくは2000mPa・s以上であり、より好ましくは5000mPa・s以上であり、さらに好ましくは10000mPa・s以上である。毛髪への適用の際の操作性の観点から、上限値は、好ましくは50000mPa・s以下であり、より好ましくは40000mPa・s以下であり、さらに好ましくは30000mPa・s以下である。酸化染毛剤の粘度は、上記したように、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤の添加、増粘剤の添加などにより調整することができる。酸化染毛剤の混合粘度は、TVB-10型粘度計などのB型粘度計を用いて行うことができ、25℃、1分間の条件でそれぞれの粘度に適したローターを用いて測定することができる。
[アルカリ剤]
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものである。アルカリ剤としては、例えば、アルカノールアミン、アンモニア、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジン等が例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が例示され、硫酸塩としては硫酸アンモニウムなどが例示され、塩化物としては塩化アンモニウムが例示され、有機アミンとしては2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、グアニジンが例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩等が例示され、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。特に好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニア、モノエタノールアミンである。
酸化染毛剤におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.5~10質量%である。下限値として、より好ましくは0.75質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。上限値として、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
酸化染毛剤の第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは1.0~20質量%である。下限値として、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。上限値として、より好ましくは14質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。
[(E)ヨウ素化合物]
酸化染毛剤は(E)ヨウ素化合物を含有してもよい。(E)ヨウ素化合物は、ヨウ素化合物を構成するヨウ素が過酸化水素を分解させて、酸化染料の重合を促進することで、染毛力を向上させる。(E)ヨウ素化合物による染毛力向上効果は、(B)染料中間体の配合量が少ない場合、又は配合しない場合に、より強く発揮される。ヨウ素化合物は通常、酸化染毛剤の第1剤に含有される。(E)ヨウ素化合物としては、ヨウ素(I)の他、可溶化剤中で遊離する対イオンを伴うヨウ化物、使用時にヨウ素を遊離する化合物等が挙げられる。ヨウ化物の具体例としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化アンモニウム等のヨウ化物のアルカリ金属塩や、ヨウ化水素、ヨウ化セシウム、ヨウ化銀等が挙げられる。特に好ましくはヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化ナトリウムである。また、ヨウ素を含有する天然素材、例えばヨウ化ニンニクエキス等のヨウ化物を含有するエキス等を適用してもよい。一種の(E)成分を単独で使用してもよく、二種以上の(E)成分を組み合わせて使用してもよい。
酸化染毛剤中における(E)ヨウ素化合物の含有量の下限値は、適宜設定されるが、例えば0~3質量%である。染毛力の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、よりさらに好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.015質量%以上、最も好ましくは0.02質量%以上である。上限値は、適宜設定されるが、脱染性能の向上の観点から、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.75質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。
[油性成分]
本発明の酸化染毛剤は油性成分を含有してもよい。油性成分は、例えば、高級アルコール、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン油、フッ素油等が例示される。これらの油性成分から、1種又は2種以上を選んで用いることができる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、フィトステロール、フィトスタノール、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、エルゴステロール等が挙げられる。これらの中でも乳化安定性及び垂れ落ち抑制の観点から、好ましくは、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールである。
油脂は、トリグリセリドすなわち脂肪酸とグリセリンとのトリエステルである。例えば、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
ロウ類は、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである。例えば、ミツロウ(蜜蝋)、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。
炭化水素は、炭素と水素よりなる化合物である。例えば、流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、イソパラフィン類、オゾケライト、セレシン、ポリエチレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、合成スクワラン、スクワレン、水添スクワラン、リモネン、テレビン油等が挙げられる。これらの中でも乳化安定性と操作性の観点から、特に好ましくは、流動パラフィン、ワセリンである。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
エステル類は、脂肪酸とアルコールとの脱水反応によって得られる化合物である。例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルへキシル、エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、脂肪酸(C10-30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン油は、有機基のついたケイ素と酸素が化学結合により交互に連なった合成高分子である。例えば、ジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコン)、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコノール)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650~10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
上記のうち、アミノ変性シリコーンとしては、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:トリメチルシリルアモジメチコン)等が挙げられる。
酸化染毛剤における油性成分の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.1~20質量%である。下限値として、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、よりさらに好ましくは1質量%以上であり、特に好ましくは2質量%以上である。上限値としては、より好ましくは17質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、よりさらに好ましくは12質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。これら油性成分を含有することにより、2,4-ジアミノフェノキシエタノール及びそれらの塩が配合された第1剤または酸化染毛剤のニオイ発生を抑制し褪色を抑制することができる。
[その他の界面活性剤]
その他の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
なお、以下の記載において、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。また、アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEモノ脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEラノリン、POEフィトステロール等が挙げられる。
POE、POPの繰り返し単位数としては、例えば、2~100が挙げられ、界面活性作用を示すものであればいずれのものも使用可能である。
酸化染毛剤におけるノニオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.001~30質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.2質量%以上である。上限値として、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、よりさらに好ましくは7質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエトキシエチル-N’-カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメトキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;等が挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
酸化染毛剤における両性界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.001~5質量%である。下限値として、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上である。上限値として、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
酸化染毛剤における全ての界面活性剤の総含有量としては、特に制限されないが、好ましくは0.01~50質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
[多価アルコール]
本発明の酸化染毛剤は、多価アルコールを含有していてもよい。多価アルコールの具体例としては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。また、これらの多価アルコールは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。グリコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG1000、PEG1500、PEG1540など)、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどが挙げられる。グリセリンの具体例としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。一種の多価アルコールを単独で使用してもよく、二種以上の多価アルコールを組み合わせて使用してもよい。
[その他の成分]
本発明の酸化染毛剤は、上記成分以外にも、必要に応じて以下の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、直接染料、無水亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液等のキレート剤、酸、pH調整剤、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤が挙げられる。
<直接染料>
本発明の酸化染毛剤は直接染料を含有してもよい。直接染料は、色を有する化合物であり、毛髪に付着、又は浸透して染毛する染料であれば特に制限されるものではない。例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、HC染料、分散染料等が挙げられる。染毛力の観点から酸性染料を含むことが好ましい。
また、これらの直接染料は、所望する毛髪の色調に応じて単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
酸性染料の具体例としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられる。
塩基性染料の具体例としては、例えば、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 75、Basic Blue 99、Basic Blue 124、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。
天然染料の具体例としては、例えば、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素、ヘナ等が挙げられる。
ニトロ染料の具体例としては、例えば、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
HC染料の具体例としては、例えば、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Blue No.16、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等が挙げられる。
分散染料の具体例としては、例えば、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。
酸化染毛剤における直接染料の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.001質量%以上20.0質量%以下である。下限値としては、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。一方、上限値としては、より好ましくは15.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以下である。
[剤型]
第1剤、第2剤剤型は特に限定されず、具体例として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固形状等が挙げられる。エアゾール、ノンエアゾール等の剤型とすることもでき、ノンエアゾールの場合、さらにスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。固形状の剤型の場合、分散剤を配合してもよい。
2剤式の酸化染毛剤の第1剤と第2剤の混合比は、酸化染毛剤の混合物中の各成分の濃度、混合性、適用方法等を考慮して適宜設定されるが、好ましくは0.1~10:1で、より好ましくは0.5~2:1である。酸化染毛剤の剤型は、毛髪に適用できる剤型であれば特に限定されず、具体例として25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。刷毛での取り易さや毛髪への伸び及び密着性が向上して、塗布操作性に優れるという観点から、クリーム状、ペースト状とすることが好ましい。また、酸化染毛剤をさらに泡状、ミスト状としてもよい。上述した泡状とする場合には、混合用容器及び混合用器具での酸化染毛剤の混合による自己発泡で形成しても、酸化染毛剤を振とう容器に充填して振とうにより泡を形成してもよく、ノンエアゾールフォーマー、エアゾールフォーマー等の公知の起泡装置を用いてもよい。
酸化染毛剤を毛髪に適用する手段としては、櫛、ブラシ、刷毛、アプリケーター等の塗布具を用いて毛髪に適用すればよい。また、手袋を着用した手で酸化染毛剤を毛髪に適用してもよい。
酸化染毛剤は、2剤式に限定されず、第1剤及び第2剤に含有される各成分の一部を別剤として構成し、3剤式以上に構成してもよい。例えば、2剤式の第1剤について、カプラー及び任意成分であるアルカリ剤を含有する剤と、それ以外の組成を有する剤の2つに分け、3剤式の酸化染毛剤として構成してもよい。この場合、乳化安定性がより向上する。
粉末状の(A)カプラーと粉末状の酸化剤とを使用することにより、(A)カプラー及び酸化剤を同一の剤中に保存する構成を採用してもよい。粉末状の剤が用いられる場合、使用時に上述した溶媒に溶解させる。
酸化染毛剤を3剤式以上の組成物又は粉末状の剤を含む組成物とした場合であっても、本発明の効果を奏する限りにおいて依然として本発明に含まれるものとする。
本発明の酸化染毛剤の作用及び効果について説明する。
(1)本発明の酸化染毛剤において、染料中間体を実質的に含有せず酸化染料としてカプラーのみを含有するか、又はカプラーを全染料中間体に対して所定比率以上含有する。したがって、染毛性能を維持したまま、脱染性能を向上できる。
染料中間体同士の重合体、又は染料中間体とカプラーの重合物は、アルカリ剤や酸化剤で分解されにくいといった特徴をもつため、次回以降に明るい色調に染毛処理できないという問題があった。本発明の酸化染毛剤は、染料中間体を実質的に含有せず酸化染料としてカプラーのみを含有するか、又はカプラーを全染料中間体に対して所定比率以上含有することにより、アルカリ剤にて分解されやすい重合物を形成するため、脱染性能に優れ、次回以降のヘアカラーへの影響が少なくなる。それにより、次回のヘアカラーを考慮せずに様々なヘアカラーを楽しむことができる。
(2)さらに酸化染毛剤が(E)ヨウ素化合物を含有する場合、酸化染料の重合を促進し、染毛力を向上させることができる。
(3)酸化染毛剤は染料中間体を実質的に含有しない又はその含有量が微量であるため、例えば特定の染料中間体に対してアレルギーを有する対象者にも使用できる可能性がある。
(4)また、酸化染毛剤が(C)アニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化染毛剤の粘度を調整し、容器から吐出する際や毛髪に適用した際の垂れ落ちを抑制することができる。また、さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有することにより、垂れ落ちをより抑制することができる。
(5)また、(C)アニオン性界面活性剤が酸化染毛剤の第1剤に含有されることにより、第1剤の乳化安定性を向上することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
(1)実験1.酸化染毛剤の評価
酸化染毛剤として、表1、表2に示す各成分を含有するクリーム状の第1剤、乳液状の第2剤をそれぞれ調製した。以下各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。なお、本実施例においては、2,4-ジアミノフェノキシエタノールは塩酸塩を使用しており、配合量は塩酸塩としての配合量である。
Figure 2022171540000001
Figure 2022171540000002
(脱染性能の評価)
表1、表2に示す各実施例及び比較例について、第1剤及び第2剤を、1:1の質量比で混合して、各例の酸化染毛剤の混合物を調製した。長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)1gに対して、得られた混合物3gを刷毛を用いて塗布した。混合物を毛束に塗布してから40分後に、毛束に付着した混合物を水で洗い流し、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥し、各例の染毛処理毛束を得た。
染毛処理が施された各例の毛束について、上記染毛処理の翌日、下記に示す方法に従い脱染性能又は染毛力について評価を行った。
上記のように得られた各例の染毛処理毛束に対し、さらに一般的な脱色・脱染剤である「レセパウダーブリーチ」(ホーユー社製)を用いて、常法に従い脱染処理を行うことにより脱染処理毛束を得た。
そして、パネラー10名が、脱染処理毛束の染毛色調について、脱染非処理の白毛の毛束との対比により、脱染性能が良好であるか否かを標準光源下で目視にて観察した。これらの毛束との対比観察の結果を総合して、脱染性能を評価し、以下の基準で判断した。脱染性能が優れる場合を、優れる(5点)、脱染性能が良好な場合を、良好(4点)、脱染性能がやや良好な場合を、可(3点)、脱染性能がやや悪い場合を、やや不良(2点)、脱染性能が悪い場合を、不良(1点)の5段階で採点し、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.7点以上を「非常に優れる:6」、4.0点以上4.7点未満を「優れる:5」、3.3点以上4.0点未満を「良好:4」、2.6点以上3.3点未満を「可:3」、1.9点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.9点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
(染毛力の評価方法)
上記のように得られた各例の染毛処理毛束について、パネラー10名が、標準光源下で目視にて発色度合いを、以下の基準で評価することにより、発色が良いか否かについて判断した。非常に良く染まっている(5点)、良く染まっている(4点)、染まっている(3点)、染まりが僅かに浅い(2点)、染まりが浅い(1点)の5段階で採点し、そして、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
(垂れ落ち抑制の評価)
上記した脱染性能の評価と同様に酸化染毛剤の混合物を調製し、同様の白毛の毛束1gに対して、得られた混合物3gを刷毛を用いて塗布した。混合物を毛束に塗布してから15分間放置したときの垂れ落ちの少なさについて混合粘度を評価した。優れる(4点)、良好(3点)、可(2点)、及び不良(1点)の4段階で採点し、各パネラーの採点結果について平均値を算出した。平均値が3.6点以上を「◎:優れる」、2.6点以上3.6点未満を「〇:良好」、1.6点以上2.6点未満を「△:可」、及び1.6点未満を「×:不良」とし、評価結果とした。結果を表1、表2に示す。
表1、表2に示されるように、各実施例は、脱染性能、染毛力に優れることが確認された。
また、アニオン性界面活性剤を含有する酸化染毛剤は垂れ落ち抑制効果に優れることが、さらに、アニオン性界面活性剤に加えて、カチオン性界面活性剤を含有する実施例3はより優れた垂れ落ち抑制効果を有することが示された。
(2)実験2.乳化安定性試験
表3、表4に示す第1剤と第2剤を用いて酸化染毛剤を調製した。調製した酸化染毛剤について実験1と同様に脱染性能、染毛力、垂れ落ち抑制を試験し、加えて第1剤の乳化安定性について試験し、結果を表3、表4に示した。なお、本実施例においては、2,4-ジアミノフェノキシエタノールは塩酸塩を使用しており、配合量は塩酸塩としての配合量である。
Figure 2022171540000003
Figure 2022171540000004
(乳化安定性の評価)
乳化安定性の評価は、以下の(a)、(b)2つの試験の結果を総合して判断した。
(a)各例の酸化染毛剤の第1剤を遠沈管に10gを入れ、マイクロ冷却遠心機(クボタ社製)を用いて8000rpm、25℃、1分間の条件で試験し、第1剤が分離したか否かを目視で判断した。
(b)各例の酸化染毛剤の第1剤を4号規格ビンに30g入れ、50℃の恒温槽で1日加温し、第1剤が分離したか否かを目視で判断した。
(評価基準)
◎:試験(a)、(b)のいずれでも分離無し。
〇:試験(a)では分離無し。試験(b)では分離。
×:試験(a)、(b)のいずれでも分離。
実験の結果、第1剤にアニオン性界面活性剤を有することで、第1剤の乳化安定性が向上することが確認できた。また、分子中に炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素鎖を有するアニオン性界面活性剤を用いることで第1剤の乳化安定性がさらに向上することが確認できた。また、第1剤における2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.6質量%以下、及び2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩及び他のカプラーの含有量の合計量が3質量%以下の比較例8においてはアニオン性界面活性剤が含有されない場合でも第1剤の乳化安定性の問題は生じないことが確認できた。
本発明の酸化染毛剤は、ヒトの頭髪、髭、眉毛、すね毛等の体毛を染毛するための染毛剤として利用することができる。その他、ペット等の動物の体毛を染毛するために利用してもよい。
本発明の酸化染毛剤は、美容室、理容室等におけるカラーリング用の染毛剤、セルフカラーリング用の染毛剤に利用することができる。

Claims (6)

  1. 第1剤と第2剤を混合することにより得られる酸化染毛剤であって、
    (A)カプラーを含有し、
    (A)成分の含有量に対する(B)染料中間体の含有量の質量比(B/A)が0.4以下であり、
    前記(A)成分の含有量が0.3質量%以上であり、
    (C)アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする酸化染毛剤。
  2. さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の酸化染毛剤。
  3. 前記(C)成分が第1剤に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化染毛剤。
  4. 前記第1剤中の(A)成分中に2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩を含有し、前記第1剤中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩の含有量が0.6質量%以上、又は2,4-ジアミノフェノキシエタノールの塩及び他のカプラーの含有量の合計量が3質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載の酸化染毛剤。
  5. 前記1剤中の(C)成分が、分子中に炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素鎖を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の酸化染毛剤。
  6. 前記(C)成分が一方の剤に含有されており、
    (D)カチオン性界面活性剤がもう一方の剤に含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化染毛剤。

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