JP2022171543A - 酸化染毛剤 - Google Patents

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Yoshimi Ito
誠 唐渡
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朋也 園田
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Abstract

【課題】4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤において、染毛力を維持したまま、彩度が高く、移染性を抑制することができる酸化染毛剤を提供する。【解決手段】(A)カプラー、及び(B)一般式(1)に示す化合物を含有する酸化染毛剤において、前記(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上であり、前記(A)カプラーの含有量と、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量との質量比(B/A)が0.5以下であることを特徴とする酸化染毛剤である。JPEG2022171543000012.jpg43166(ここで、Rは、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したアルキル基、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したモノ-又はポリヒドロキシアルキル基、直鎖又は分枝したモノ-又はポリアミノアルキル基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、4,5-ジアミノピラゾール誘導体及びカプラーを含有する酸化染毛剤に関する。
例えばアルカリ剤及び酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤、例えば過酸化水素を含有する第2剤とから構成される酸化染毛剤が知られている。アルカリ剤は、第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させる。酸化剤は、毛髪中のメラニン色素を分解するとともに、毛髪内部で酸化染料重合体を形成させる。アルカリ剤が除去された後、毛髪のキューティクルが閉じて、酸化染料重合体が毛髪内部に封入される。
酸化染毛剤は、種々の染料を使用することにより様々な色調に毛髪を染色することができる。そのような酸化染料として、4,5-ジアミノピラゾール誘導体が知られており、4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤は、鮮やかな赤みを呈することができる。例えば、特許文献1には、4,5-ジアミノ-1-ヒドロキシエチルピラゾール及びその塩、アニオン性界面活性剤および特定のノニオン性界面活性剤を含むゲル状酸化染毛剤組成物が記載されている。
特開2011-213628号公報
4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤は、移染性が悪い(色移りが多い)という問題がある。しかし、4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤において、移染性を抑制するために、4,5-ジアミノピラゾール誘導体の含有量を少なくすると、染毛力及び彩度が劣ることになる。
本発明の課題は、4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤において、染毛力を維持したまま、彩度が高く、移染性を抑制することができる酸化染毛剤を提供することである。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤において、酸化染料の一種であるカプラーを多く含有することにより、染毛力を維持したまま、彩度が高く、移染性を抑制することができることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、(A)カプラー、及び(B)一般式(1)に示す化合物を含有する酸化染毛剤において、前記(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上であり、前記(A)カプラーの含有量と、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量との質量比(B/A)が0.5以下であることを特徴とする酸化染毛剤である。
Figure 2022171543000001
(ここで、Rは、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したアルキル基、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したモノ-又はポリヒドロキシアルキル基、直鎖又は分枝したモノ-又はポリアミノアルキル基を示す。)
この特徴によれば、本発明の酸化染毛剤は、染毛力を維持したまま、彩度が高く、移染性を抑制することができる。
さらに、本発明の酸化染毛剤は、前記(B)一般式(1)に示す化合物が、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール又は/及びその硫酸塩であることを特徴とする酸化染毛剤である。
この特徴によれば、本発明の酸化染毛剤は、より染毛力を向上することができる。
さらに、本発明の酸化染毛剤は、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量が0.3質量%以下であることを特徴とする酸化染毛剤である。
この特徴によれば、本発明の酸化染毛剤は、より移染性を抑制することができる。
さらに、本発明の酸化染毛剤は、前記(A)カプラーの含有量と、前記酸化染毛剤に含まれる(C)染料中間体の含有量との質量比(C/A)が0.4以下であることを特徴とする酸化染毛剤である。
この特徴によれば、本発明の酸化染毛剤は、良好な脱染性能を有することができる。
さらに、本発明の酸化染毛剤は、前記(A)カプラーが、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩を含み、前記(A)カプラー中における前記(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量が30質量%以上であることを特徴とする酸化染毛剤である。
この特徴によれば、本発明の酸化染毛剤は、染毛力をより向上することができる。
4,5-ジアミノピラゾール誘導体を含有する酸化染毛剤において、染毛力を維持したまま、彩度が高く、移染性を抑制することができる酸化染毛剤を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を含めて説明する。
[酸化染毛剤]
本発明の酸化染毛剤は、(A)カプラー、及び(B)一般式(1)に示す化合物を含有する酸化染毛剤において、前記(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上であり、前記(A)カプラーの含有量と、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量との質量比(B/A)が0.5以下であること、を特徴とする酸化染毛剤である。
Figure 2022171543000002
(ここで、Rは、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したアルキル基、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したモノ-又はポリヒドロキシアルキル基、直鎖又は分枝したモノ-又はポリアミノアルキル基を示す。)
染毛剤は、染毛効果の持続性、すなわち堅牢度を尺度として、一時染毛剤、半永久染毛剤、永久染毛剤に分類されている。本発明の酸化染毛剤は、酸化染料を含む染毛剤であり、永久染毛剤に分類される。酸化染毛剤は、酸化剤と酸化染料とを別の剤に分けて流通し、酸化染料を毛髪内部で発色させるものである。通常、酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを備える。酸化染毛剤は、第1剤及び第2剤を混合して毛髪へ使用することもできるし、第1剤と第2剤とを別々に毛髪へ使用することもできる。ここで、「混合して毛髪へ使用する」とは、一度の塗布操作で複数の剤からなる酸化染毛剤を毛髪に適用することを意味し、例えば混合容器等を用いて直前に第1剤と第2剤とを混合して毛髪に適用する操作だけでなく、第1剤と第2剤とをコーム等に取り、毛髪上でコーム等を用いて混合する操作も含む概念である。
酸化染毛剤は、上記のように、第1剤及び第2剤からなる2剤式のものが代表的であるが、これに限定されず、第1剤及び第2剤に含有される各成分の一部を別剤として構成し、3剤以上からなる多剤式であってもよい。例えば、2剤式の第1剤について、カプラー及び任意成分であるアルカリ剤を含有する剤と、それ以外の組成を有する剤の2つに分け、3剤式の酸化染毛剤として構成してもよい。この場合、乳化安定性がより向上する。また、酸化染毛剤を毛髪に適用する手段としては、櫛、ブラシ、刷毛、アプリケーター等の塗布具を用いて毛髪に適用すればよい。また、手袋を着用した手で酸化染毛剤を毛髪に適用してもよい。
本発明の酸化染毛剤を形成する各剤の形態は、どのような形態であってもよく、25℃における剤型が、例えば、水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、固形状等が挙げられる。エアゾール、ノンエアゾール等の剤型とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。固形状の剤型の場合、分散剤を配合してもよい。
また、各剤の混合後の酸化染毛剤が、毛髪に適用できる剤型であれば特に限定されず、具体例として25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。刷毛での取り易さや毛髪への伸び及び密着性が向上して、塗布操作性に優れるという観点から、クリーム状、ペースト状とすることが好ましい。一部の剤に粉末状や固形状のものが含まれていてもよい。また、使用時に泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器、振とう容器等を使用すればよく、混合用容器及び混合用器具での酸化染毛剤の混合による自己発泡で形成しても、酸化染毛剤を振とう容器に充填して振とうにより泡を形成してもよい。ミスト状とする場合には、噴霧器を使用すればよい。
粉末状の(A)カプラーと粉末状の酸化剤とを使用することにより、(A)カプラー及び酸化剤を同一の剤中に保存する構成を採用してもよい。粉末状の剤が用いられる場合、使用時に溶媒に溶解させる。
本発明の酸化染毛剤を2剤式の酸化染毛剤とした場合において、第1剤と第2剤との混合比は、混合物中の各成分の濃度、混合性、適用方法等を考慮して適宜設定されるが、好ましくは0.1~10:1で、より好ましくは0.5~2:1である。
酸化染毛剤を3剤式以上の組成物又は粉末状の剤を含む組成物とした場合であっても、本発明の効果を奏する限りにおいて依然として本発明に含まれるものとする。
次に、本発明の酸化染毛剤における各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量については、特に断りがない場合には、各剤を混合した酸化染毛剤中の含有量を示す。
<(A)カプラー>
カプラーとは、酸化染料の一種である。酸化染料は、(A)カプラー及び(C)染料中間体に分類される。
カプラーとしては、主としてm-ジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類が挙げられ、具体的には例えば、レゾルシン、5-アミノ-o-クレゾール、m-アミノフェノール、α-ナフトール(1-ナフトール)、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、トルエン-3,4-ジアミン、2,6-ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N-ジエチル-m-アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、3,3’-イミノジフェニール、タンニン酸及びそれらの塩等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
(A)カプラーとしては、好ましくは2,4-ジアミノフェノキシエタノール、5-アミノ-o-クレゾール、2,6-ジアミノピリジン、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール及びそれらの塩を用いることが好ましく、特に好ましくは、染毛力の観点から、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩である。
カプラーの種類は、所望する毛髪の色調に応じて1種又は2種以上を選択して使用することができる。また、その含有量は、(A)カプラーの総含有量として0.3質量%以上である。その下限値として、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上であると、染毛力を向上することができる。
(A)カプラーの含有量の上限値は、適宜設定されるが、(A)カプラーの総含有量として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3.5質量%以下である。(A)カプラーの含有量が10質量%以下であると、脱染性能をより向上でき、可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上できる。なお、(A)カプラーが塩である場合、(A)カプラーの含有量はその脱塩型での値とする。
<(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩>
(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩は、酸化剤による酸化重合に起因して発色可能なカプラーの一種である。
(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩をカプラーとして含有する場合、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩に基づく染毛力の観点から、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩が、全(A)カプラーにおいて、主成分として含まれることが好ましい。(A)カプラーにおける(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量は、特に制限されないが、例えば、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることがよりさらに好ましい。
(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.1質量%~5質量%である。その含有量の下限値として、好ましくは0.15質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.25質量%以上である。また、その含有量の上限値として、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量が0.1質量%以上であると、染毛力をより一層発揮することができる。なお、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩が塩である場合、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量は、その脱塩型での値とする。
<染料中間体>
(C)染料中間体は、酸化染料に分類される染料である。本発明の酸化染毛剤には、(C)染料中間体として、特定の構造を有する複素環式化合物が含有される。
<4,5-ジアミノピラゾール誘導体>
本発明の酸化染毛剤は、下記(B)一般式(1)に示す化合物を含有する。
Figure 2022171543000003
(ここで、Rは、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したアルキル基、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したモノ-又はポリヒドロキシアルキル基、直鎖又は分枝したモノ-又はポリアミノアルキル基を示す。)
前記(B)一般式(1)に示す化合物としては、下記式(2)に示す1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール又は/及びその硫酸塩が好ましい。
Figure 2022171543000004
前記(B)一般式(1)の化合物からなる染料中間体は、他の染料中間体と比較して高い彩度を示す。
本発明の酸化染毛剤における、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.006~0.6質量%である。下限値としては、染毛力及び彩度の観点から、好ましくは0.012質量%以上であり、より好ましくは0.018質量%以上であり、さらに好ましくは0.03質量%以上である。上限値としては、移染性及び脱染性能の観点から、好ましくは0.42質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.18質量%以下である。0.6質量%以下とすることにより、移染性を抑制することができ、0.006質量%以上とすることにより、十分な染毛力及び彩度を得ることができる。なお、(B)一般式(1)に示す化合物が塩である場合、(B)一般式(1)に示す化合物の含有量はその脱塩型での値とする。
前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量の、前記(A)カプラーの含有量に対する質量比(B/A)は、0.5以下である。下限値としては、好ましくは0.0025以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.01以上である。上限値としては、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下である。(B/A)が0.5以下であると、移染性を十分に抑制することができ、良好な脱染性能を発揮することができる。(B/A)が0.0025以上であると、十分な彩度を発揮することができる。なお、前記(A)カプラー及び前記(B)一般式(1)に示す化合物が塩である場合、前記質量比の算出に用いられる含有量は、前記(A)カプラー及び前記(B)一般式(1)に示す化合物の脱塩型での値とする。
<その他の染料中間体>
本発明の酸化染毛剤は、前記(B)一般式(1)に示す化合物で示した以外の染料中間体を含有してもよい。前記(B)一般式(1)に示す化合物で示した以外の染料中間体は、主としてo-又はp-のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料前駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。具体的には、p-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノール、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、o-クロル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-m-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4-ジアミノフェノール、p-トルイレンジアミン(トルエン-2,5-ジアミン)、4,4'-ジアミノジフェニルアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン及びそれらの塩類等が挙げられる。塩の具体例としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。1種の染料中間体を単独で使用してもよく、2種以上の染料中間体を組み合わせて使用してもよい。本発明の酸化染毛剤は、前記(A)カプラー、(B)一般式(1)に示す化合物及び前記その他の染料中間体の具体例以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料を適宜含有してもよい。
前記(A)カプラーの含有量に対する、前記(B)一般式(1)に示す化合物も含めた全(C)染料中間体の含有量の質量比(C/A)は、特に制限されないが、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.15以下であり、よりさらに好ましくは0.1以下である。かかる質量比(C/A)が0.4以下であると、脱染性能を向上できる。なお、前記(A)カプラー、前記(B)一般式(1)に示す化合物及び前記(C)染料中間体が塩である場合、前記質量比の算出に用いられる含有量は、(A)、(B)、(C)ともにそれらの脱塩型での値とする。
前記(C)染料中間体の含有量の上限は、前記含有量の質量比(C/A)の範囲内において適宜設定されるが、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以下である。前記(C)染料中間体の含有量が1質量%以下であると、移染性及び脱染性能をより向上でき、可溶化剤を使用する場合、可溶化剤に対する溶解性を向上できる。なお、前記(C)染料中間体が塩である場合、前記(C)染料中間体の含有量はその脱塩型での値とする。
染料中間体同士の重合体、又は染料中間体とカプラーとの重合物は、アルカリ剤や酸化剤で分解されにくいといった特徴をもつため、次回以降に明るい色調に染毛処理できないという問題があった。本発明の酸化染毛剤は、前記(A)カプラーに対して、前記(B)一般式(1)に示す化合物や、前記(B)一般式(1)に示す化合物を含めた全(C)染料中間体を所定比率以下で含有することにより、アルカリ剤にて分解されやすい重合物を形成するため、脱染性能に優れ、次回以降のヘアカラーへの影響が少なくなる。それにより、次回のヘアカラーを考慮せずに様々なヘアカラーを楽しむことができる。
本発明の酸化染毛剤は、染料中間体の含有量が微量であるため、例えば特定の染料中間体に対してアレルギーを有する対象者にも使用できる可能性がある。
<ヨウ素化合物>
本発明の酸化染毛剤は、ヨウ素化合物を含有してもよい。ヨウ素化合物は、ヨウ素化合物を構成するヨウ素が過酸化水素を分解させて、酸化染料の重合を促進することで、染毛力を向上させる。ヨウ素化合物は通常、酸化染毛剤の第1剤に含有される。ヨウ素化合物としては、ヨウ素(I)の他、可溶化剤中で遊離する対イオンを伴うヨウ化物、使用時にヨウ素を遊離する化合物等が挙げられる。ヨウ化物の具体例としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化アンモニウム等のヨウ化物のアルカリ金属塩や、ヨウ化水素、ヨウ化セシウム、ヨウ化銀等が挙げられる。また、ヨウ素を含有する天然素材、例えばヨウ化ニンニクエキス等のヨウ化物を含有するエキス等を適用してもよい。一種のヨウ素化合物を単独で使用してもよく、二種以上のヨウ素化合物を組み合わせて使用してもよい。
酸化染毛剤中におけるヨウ素化合物の含有量は、特に制限されないが、例えば、0~3質量%である。下限値は、適宜設定されるが、染毛力の観点から、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.015質量%以上であり、特に好ましくは0.02質量%以上である。上限値は、適宜設定されるが、脱染性能の向上の観点から、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.75質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。
<酸化剤>
酸化剤は第2剤に含有する成分であり、酸化力を有する物質であればよい。酸化剤は、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンを分解する作用を有するものである。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酢酸及びその塩、過ギ酸及びその塩、過マンガン酸塩、臭素酸塩塩等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を酸化助剤として含有してもよい。
本発明の酸化染毛剤における酸化剤の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1~15質量%、より好ましくは1~9質量%である。酸化剤として過酸化水素を含有する場合、その安定性を向上させる安定化剤として、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、又はその塩等を配合することが好ましい。
<アルカリ剤>
アルカリ剤は、毛髪を膨張させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものである。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、カルバミン酸塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩基性アミノ酸、塩化物、有機アミン、水酸化物等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジン等が例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、カルバミン酸塩としては、カルバミン酸アンモニウム等が例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が例示され、硫酸塩としては、硫酸アンモニウム等が例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩等が例示され、塩化物としては、塩化アンモニウム等が例示され、有機アミンとしては、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールが例示され、水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が例示される。これらの中でも、アンモニア、アルカノールアミン、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムが好ましい。アルカリ剤は、通常、第1剤に含まれる。
酸化染毛剤におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、下限値として、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.75質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。上限値として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、下限値として、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。上限値として、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは14質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。
[その他の成分]
本発明の酸化染毛剤は、前記成分以外にも、必要に応じて以下の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、直接染料、油性成分、界面活性剤、多価アルコール、アスコルビン酸、無水亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ポリ塩化ジメチルジメチレンピペリジニウム液(ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム液)、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化水溶性高分子、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液等のキレート剤、塩化ナトリウム等の無機塩、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、pH調整剤、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤、可溶化剤、安定剤等が挙げられる。
<直接染料>
直接染料は、色を有する化合物であり、毛髪に付着又は浸透して染毛する染料である。例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、HC染料、分散染料等がある。これら直接染料は単独で配合しても良く、組み合わせて配合しても良い。
前記酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等を例示できる。
前記塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等を例示できる。
前記天然染料としては、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素、ヘナ等を例示できる。
前記ニトロ染料としては、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩等を例示できる。
前記HC染料としては、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等を例示できる。
前記分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等を例示できる。
酸化染毛剤における直接染料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001~10質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上である。上限値として、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
<油性成分>
油性成分は、例えば、高級アルコール、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン油、フッ素油等が例示される。これらの油性成分から、1種又は2種以上を選んで用いることができる。油性成分を含有することにより、染毛性を向上することができる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、フィトステロール、フィトスタノール、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、エルゴステロール等が挙げられる。これらの中でも、乳化安定性及び操作性の観点から、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
油脂は、トリグリセリドすなわち脂肪酸とグリセリンとのトリエステルである。例えば、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
ロウ類は、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである。例えば、ミツロウ(蜜蝋)、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。
炭化水素は、炭素と水素よりなる化合物である。例えば、流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、イソパラフィン類、オゾケライト、セレシン、ポリエチレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、合成スクワラン、スクワレン、水添スクワラン、リモネン、テレビン油等が挙げられる。これらの中でも、乳化安定性及び操作性の観点から、ワセリン、流動パラフィンが好ましい。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
エステル類は、脂肪酸とアルコールとの脱水反応によって得られる化合物である。例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルへキシル、エチルヘキサン酸セチル(2-エチルヘキサン酸セチル)、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、脂肪酸(C10-30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン油は、有機基のついたケイ素と酸素が化学結合により交互に連なった合成高分子である。例えば、ジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコン)、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコノール)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650~10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
前記のうち、アミノ変性シリコーンとしては、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:トリメチルシリルアモジメチコン)等が挙げられる。
酸化染毛剤における油性成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1~20質量%である。下限値として、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、よりさらに好ましくは1質量%以上であり、特に好ましくは2質量%以上である。上限値として、より好ましくは17質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、よりさらに好ましくは12質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
なお、以下の記載において、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。また、アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEモノ脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEラノリン、POEフィトステロール等が挙げられる。
POE、POPの繰り返し単位数としては、例えば、2~100が挙げられ、界面活性作用を示すものであればいずれのものも使用可能である。
酸化染毛剤におけるノニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001~30質量%である。下限値として、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.2質量%以上である。上限値として、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、よりさらに好ましくは7質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
好ましくはアルキル4級アンモニウム塩類であり、さらに好ましくはモノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩であり、特に好ましくはモノアルキル型4級アンモニウム塩である。
製剤安定性の観点からモノアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。特に好ましくは、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムである。
ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジアルキル(12~15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12~18)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
酸化染毛剤におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01~10質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.2質量%以上である。上限値として、より好ましくは7.5質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、よりさらに好ましくは1.5質量%以下である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが例示される。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンのいずれであってもよい。
より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、POEラウリルエ-テルリン酸及びその塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩類(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、N-ラウロイルメチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、高級脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの高級脂肪酸の塩が例示され、1又は2種以上を使用することができる。
酸化染毛剤におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01~5質量%である。下限値として、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.07質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、よりさらに好ましくは2質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下である。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエトキシエチル-N’-カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメトキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
酸化染毛剤における両性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001~5質量%である。下限値として、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上である。上限値として、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
酸化染毛剤における全ての界面活性剤の総含有量としては、特に限定されないが、好ましくは0.01~50質量%である。下限値として、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。上限値として、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
<多価アルコール>
本発明の酸化染毛剤は、さらに多価アルコールを含有してもよい。(F)多価アルコールを含有する場合、製剤安定性を向上させることができる。(F)多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。一種の多価アルコールを単独で使用してもよく、二種以上の多価アルコールを組み合わせて使用してもよい。製剤安定性の観点から、特にポリエチレングリコールが好ましい。
<可溶化剤>
可溶化剤は、例えば、剤型を液状等にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2-ベンジルオキシエタノール、N-アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。一種の可溶化剤を単独で使用してもよく、二種以上の可溶化剤を組み合わせて使用してもよい。これらの中で、第1剤中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、混合物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
<水溶性ポリマー>
水溶性ポリマーは、酸化染毛剤に適度な粘度を与える。そのため、酸化染毛剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物型高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム(ポリクオタニウム-6)(マーコート100:メルク社製)、イタコン酸とポリオキシエチレン(以下、「POE」という)アルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。一種の水溶性ポリマーを単独で使用してもよく、二種以上の水溶性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。
酸化染毛剤におけるpHはアルカリ性が好ましく、例えば、好ましくは8.5以上であり、より好ましくは8.75以上であり、さらに好ましくは9.0以上である。酸化染毛剤におけるpHが8.5以上であれば、より優れた染毛効果を発揮することができる。
酸化染毛剤におけるpHの調整は、リン酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて調整することができる。
本発明の酸化染毛剤のpHは、第1剤及び第2剤の1:1混合物の10%溶液における測定値である。測定方法としては、HORIBA社製 pH-METER F-22等のpHメータ等を用いて測定することができる。
本発明の酸化染毛剤における粘度は、特に制限されないが、25℃における粘度が、例えば、1000~100000mPa・sである。垂れ落ち抑制の観点から、下限値は、好ましくは2000mPa・s以上であり、より好ましくは5000mPa・s以上であり、さらに好ましくは10000mPa・s以上である。毛髪への適用の際の操作性の観点から、上限値は、好ましくは50000mPa・s以下であり、より好ましくは40000mPa・s以下であり、さらに好ましくは30000mPa・s以下である。酸化染毛剤の粘度は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤の添加、水溶性ポリマーなどの増粘剤の添加などにより調整することができる。酸化染毛剤の混合粘度は、TVB-10型粘度計などのB型粘度計を用いて行うことができ、25℃、1分間の条件でそれぞれの粘度に適したローターを用いて測定することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではなく、また、これらの実施例によって本発明の技術範囲が限定されるものでもない。
[酸化染毛剤の評価]
(酸化染毛剤の調製)
酸化染毛剤として、表1~5に示す各成分を含有するクリーム状の第1剤、表6に示す各成分を含有する乳液状の第2剤をそれぞれ常法に従い調製することにより、2剤式酸化染毛剤を調製した。以下各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。各表中「成分」欄における(A)~(C)の表記は、本願請求項及び本願明細書記載の各(A)~(C)成分に対応する化合物を示す。
以下表中の2,4-ジアミノフェノキシエタノールと1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールとは、原料である2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩及び1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩を、pH調整剤としてNaOHを用いて中和したものである。2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩は1モルあたり2モルの塩酸を生じ、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩は1モルあたり1モルの硫酸を生じ、2価イオンであるため、2,4-ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩:NaOH=1:2モルの割合で、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩:NaOH=1:2モルの割合で配合することにより中和した。つまり、第1剤中には2,4-ジアミノフェノキシエタノールと1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾールとがフリー態として含有される。
(所定時間放置後の移染性)
各実施例及び比較例について、第1剤及び第2剤を1:1の質量比で混合して、各例の酸化染毛剤の混合物を調製した。長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)1gに対して、得られた混合物3gを刷毛を用いて塗布し、30℃で40分間放置した。その後に、毛束に付着した混合物を水で洗い流し、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。その後、処理後の毛束をJIS染色堅牢度試験用白綿布(JIS L0803準拠)で挟み込み、綿布の上から5kgの荷重をかけた。荷重をかけて1分後の綿布の汚れの程度をパネラー10名が目視にて観察し、以下の基準で評価した。パネラー10名の評価点の平均値を四捨五入した値を各例に用いた酸化染毛剤の評価点とした。その結果を表1~表5の「移染性」欄に示した。
(移染性の評価基準)
5:非常に汚れが目立たない
4:汚れが目立たない
3:ほとんど汚れが目立たない
2:汚れが目立つ
1:非常に汚れが目立つ
(染毛力、彩度及び脱染性能)
各実施例及び比較例について、第1剤及び第2剤を、1:1の質量比で混合して、各例の酸化染毛剤の混合物を調製した。長さ10cmの評価用の白毛の毛束サンプル(ビューラックス社製)(以下、単に毛束という。)1gに対して、得られた混合物3gを刷毛を用いて塗布し、30℃で放置した。混合物を毛束に塗布してから40分後に、毛束に付着した混合物を水で洗い流し、毛束にシャンプー(ホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー)を2回、及びリンス(ホーユー社製のビゲントリートメントリンス)を1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥し、各例の染毛処理毛束を得た。
染毛処理が施された各例の毛束について、上記染毛処理の24時間後、下記に示す方法に従い染毛力、彩度及び脱染性能について評価を行った。
(染毛力の評価方法)
上記のように得られた各例の染毛処理毛束について、パネラー10名が、染色状態を標準光源下にて目視で観察した。目視評価においては、以下の評価基準で染毛力を評価しパネラー10名の評価点の平均値の小数点第1位を四捨五入した値を各例に用いた酸化染毛剤の評価点とした。その結果を表1~表5の「染毛力」欄に示した。
(染毛力の評価基準)
5:染毛力が非常に高い。
4:染毛力が高い。
3:染毛力がやや高い。
2:染毛力が低い。
1:染毛力が非常に低い。
(彩度の評価方法)
上記のように得られた実施例1及び比較例の染毛処理毛束の彩度について、パネラー10名が、標準光源下にて目視で観察した。目視評価においては、以下の評価基準で彩度を評価しパネラー10名の評価点の平均値の小数点第1位を四捨五入した値を各例に用いた酸化染毛剤の評価点とした、その結果を表1~表5の「彩度」欄に示した。
(彩度の評価基準)
5:非常に鮮やかに染まっている。
4:鮮やかに染まっている。
3:やや鮮やかに染まっている。
2:くすんで染まっている。
1:かなりくすんで染まっている。
(脱染性能の評価方法)
上記のように得られた各例の染毛処理毛束に対し、更に一般的な脱色・脱染剤である「レセパウダーブリーチ」(ホーユー社製)を用いて、常法に従い脱染処理を行うことにより脱染処理毛束を得た。
そして、パネラー10名が、脱染処理毛束の染毛色調について、非処理の白毛の毛束との対比により、脱染性が良好であるか否かを標準光源下で目視にて観察した。これらの毛束との対比観察の結果を総合して、脱染性能を評価し、次の基準で判断した。「5点:脱染性能が優れる」、「4点:脱染性能が良好」、「3点:脱染性能がやや良好」、「2点:脱染性能がやや悪い」、「1点:脱染性能が悪い」の5段階で採点し、各パネラーの採点結果から平均値を算出し、以下の基準で評価した。その結果を表1~表5の「脱染性能」欄に示した。
(脱染性能の評価基準)
6:平均値が4.7点以上(非常に優れる)
5:平均値が4.0点以上4.7点未満(優れる)
4:平均値が3.3点以上4.0点未満(良好)
3:平均値が2.6点以上3.3点未満(可)
2:平均値が1.9点以上2.6点未満(やや不良)
1:平均値が1.9点未満(不良)
Figure 2022171543000005
Figure 2022171543000006
Figure 2022171543000007
Figure 2022171543000008
Figure 2022171543000009
Figure 2022171543000010
表1~表4に示すように、実施例に係る本発明の酸化染毛剤は、移染性において評価が3~5となり、全ての実施例において「ほとんど汚れが目立たない」以上の良好な結果を示した。次に、染毛力においては、評価が3~5となり、全ての実施例において「染毛力がやや高い」以上の良好な結果を示した。次に、彩度においては、評価が5となり、実施例1において「非常に鮮やかに染まっている」という良好な結果を示した。また、脱染性能においては、評価が3~6となり、全ての実施例において「可」以上の良好な結果を示した。つまり、移染性、染毛力、及び脱染性能の評価において、全ての実施例が良好な結果となった。また、実施例1においては、移染性、染毛力、脱染性能はもちろんのこと、彩度においても良好な結果を示した。
表1~表5に示すように、実施例と比較例1とを比較すると、比較例1は(A)カプラーを有さない点で実施例と異なる。
比較例1は、(A)カプラーを有さないため、(B)一般式(1)に示す化合物の布への色移りを抑制することができず、また、染料中間体同士の重合物による染色であるため、脱染も容易ではなかった。よって、移染性及び脱染性能が不良であった。一方、実施例は、前述のとおり移染性、染毛力、彩度、脱染性能のいずれの評価においても優良な結果であった。
表1~表5に示すように、実施例と比較例2とを比較すると、比較例2は(B)一般式(1)に示す化合物を含有しない点で実施例と異なる。
ここで、実施例7と比較例2とを比較すると、移染性の評価において、実施例7は「3」であるが、比較例2は「4」を示したことから、移染性は(B)一般式(1)に示す化合物により引き起こされていることが分かる。実施例では、移染性の評価において、いずれも3~5という高評価を示していることから、本発明の酸化染毛剤は、(B)一般式(1)に示す化合物による移染性を抑制することができる。
表1~表5に示すように、実施例と比較例3とを比較すると、比較例3は、(A)カプラーの含有量に対する(B)一般式(1)に示す化合物の含有量の質量比(B/A)が0.5より大きい点で実施例と異なる。
比較例3は、(B/A)が0.5より大きいため、移染性及び脱染性能の評価がともに「1」と不良である。一方、実施例は、移染性の評価では、「3~5」を示し、脱染性能の評価では、「3~6」を示し、移染性及び脱染性能のいずれにおいても高評価であることから、本発明の酸化染毛剤は、(B)一般式(1)に示す化合物による移染性を抑制することができ、また、脱染性能も優良であることが分かる。
表1~表5に示すように、実施例と比較例4とを比較すると、比較例4は、(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上ではない点で実施例と異なる。
比較例4は、(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上でないため、染毛力及び彩度が不良であった。一方実施例は、いずれも良好な染毛力を有していることが分かった。
実施例1と、実施例2~5とを比較すると、(A)カプラーとして異なる化合物を用いているが、移染性、染毛力、及び脱染性能のいずれにおいても、優良な結果を示している。このことから、本発明の酸化染毛剤においては、(A)カプラーとして様々なカプラーを用いることができることが分かる。
また、実施例1は(A)カプラーとして(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノールを用いているが、染毛力において、実施例1の方が、実施例3~5よりも、優良な結果を示している。このことから、(A)カプラーとして(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩が好ましいことが分かる。
実施例1、6、7を比較すると、(B)一般式(1)に示す化合物の含有量が異なる。(B)一般式(1)に示す化合物の含有量が少なくなるにつれて、移染性の評価が向上している。このことから、本発明の酸化染毛剤は、移染性の抑制という観点においては、(B)一般式(1)に示す化合物の含有量は少ない方が好ましいことが分かる。
実施例1、8、9及び10を比較すると、(A)カプラーの含有量に対する(B)一般式(1)に示す化合物の含有量の質量比(B/A)が異なる。(B/A)が小さくなるにつれて、移染性及び脱染性能の評価が向上することがわかる。
また、実施例1と8とを比較すると、(B)一般式(1)に示す化合物の含有量は異なるものの、実施例1は「0.2質量%」、実施例8は「0.15質量%」と近い含有量を有している。一方、(A)カプラーの含有量は、実施例1は「3.5質量%」であるが、実施例8は「0.6質量%」であり、実施例1の方が実施例8より約6倍多く含有している。しかし、実施例1及び8のいずれも、移染性及び脱染性能について優良な結果を示しており、また、染毛力においても実施例1は「5」、実施例8は「3」という良好な結果である。よって、本発明の酸化染毛剤においては、(A)カプラーとして0.3質量%以上含有することにより、十分な染毛力を発揮することができることが分かる。
実施例11~13は、(A)カプラーとして、複数種の化合物を含有しているが、移染性、染毛力、及び脱染性能のいずれの評価においても良好な結果を示している。このことから、本発明の酸化染毛剤は、(A)カプラーとして、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩とそれ以外のカプラーとを併用することができることが分かる。また、実施例12と13とを比較すると、実施例12においては、(A)カプラーの総含有量における(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量は、25質量%であるが、実施例13は、33質量%である。そして、染毛力の結果は、実施例12は「4」であるが、実施例13は「5」である。そうすると、(A)カプラー中における(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量が30質量%以上であると、染毛力が向上することが分かる。
本発明の酸化染毛剤は、ヒトの頭髪、髭、眉毛、すね毛等の体毛を染毛するための染毛剤として利用することができる。その他、ペット等の動物の体毛を染毛するために利用してもよい。
本発明の酸化染毛剤は、美容室、理容室等におけるカラーリング用の染毛剤、セルフカラーリング用の染毛剤に利用することができる。

Claims (5)

  1. (A)カプラー、及び(B)一般式(1)に示す化合物を含有する酸化染毛剤において、
    前記(A)カプラーの含有量が0.3質量%以上であり、
    前記(A)カプラーの含有量と、前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量との質量比(B/A)が0.5以下であることを特徴とする酸化染毛剤。
    Figure 2022171543000011
    (ここで、Rは、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したアルキル基、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝したモノ-又はポリヒドロキシアルキル基、直鎖又は分枝したモノ-又はポリアミノアルキル基を示す。)
  2. 前記(B)一般式(1)に示す化合物が、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール又は/及びその硫酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の酸化染毛剤。
  3. 前記(B)一般式(1)に示す化合物の含有量が0.3質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化染毛剤。
  4. 前記(A)カプラーの含有量と、前記酸化染毛剤に含まれる(C)染料中間体の含有量との質量比(C/A)が0.4以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化染毛剤。
  5. 前記(A)カプラーが、(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩を含み、前記(A)カプラー中における前記(A-1)2,4-ジアミノフェノキシエタノール又は/及びその塩の含有量が30質量%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の酸化染毛剤。

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