WO2007049514A1 - 内装パネルアッセンブリ及びエアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

　ドア部の基端側部分が補強された内装パネルアッセンブリ及びこの内装パネルアッセンブリを備えたエアバッグ装置が提供される。インフレータ６３が作動するとエアバッグ６２が膨張を開始する。このエアバッグ６２がドア部４４を裏側から押圧することにより、テアライン４１～４３が断裂し、ドア部４４が室内側へ回動しながら開き出す。ドア部４４の基端側にリブ４５が設けられ、該基端側が補強されている。ヒンジ部５３とフラップ部５１との連繋部に開口５８を設け、リブ４５Ａの一端側が該開口５８内に入り込むようにリブ４５Ａを長く延設してもよい。フラップ部５１からヒンジ部５３へ張り出す張出片５９を設け、この張出片５９をドア枠４４の基端側に振動溶着等によって固着してもよい。

Description

明 細 書

内装パネルアッセンブリ及びエアバッグ装置

発明の分野

[0001] 本発明は、自動車の助手席等に設置される内装パネルアッセンプリ及びエアバッ グ装置に関するものであり、特にエアバッグの膨張時に内装パネルのドア部が室内 側に回動しながら開放するタイプのエアバッグ装置に関する。

発明の背景

[0002] 自動車に設置される助手席用エアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、この エアバッグが取り付けられたリテーナと、該エアバッグを膨張させるためのインフレ一 タ (ガス発生器)と、該リテーナの前方に配置されたリツド又はインパネドア部等を備え ている。

[0003] インフレータがガスを発生すると、エアバッグが膨張を開始し、リツド又はインパネの ドア部がテアラインに沿って開裂して押し開かれ、エアバッグが車両室内に展開し、 乗員を保護する。

[0004] インパネのドア部を裏打ちしたエアノッグドア支持構造が特開 2004— 161182号 に記載されている。

[0005] 第 6, 7図は同号公報の図 9, 11に記載の構造を示すものであり、内装パネル (この 場合はインストルメントパネル） 10の裏面にテアライン 11, 12, 13が設けられ、ドア部 14が設定されている。このドア部 14付近の裏面にドア枠 20が固着されている。このド ァ枠 20は、ドア部 14に固着したフラップ部 21と、該フラップ部 21を囲む枠部 22と、 該フラップ部 21と枠部 22とをつなぐヒンジ部 23と、該枠部 22から立設された脚部 24 とを有する。枠部 22はドア部 14の周囲の内装パネル 10の裏面に固着されている。ヒ ンジ部 23は略 U字形に湾曲しており、ドア部 14には固着されず、ドア部 14力も離隔 している。

[0006] 脚部 24の引掛孔 25に対しリテーナ 30のフック部 31が掛止されている。該リテーナ 30内にエアノッグ 32 (第 7図）が折り畳まれて収容され、インフレータ 33によって膨 張可能とされている。 [0007] インフレータが作動すると、エアバッグ 32が膨張を開始する。このエアバッグ 32がド ァ部 14を裏側力も押圧することにより、テアライン 11〜13が断裂し、第 7図の通り、ド ァ部 14が室内側へ回動しながら開き出す。

[0008] ヒンジ部 23は、ドア部 14の開放変位及び浮上移動を許容する。

特許文献 1：特開 2004— 161182号

[0009] 上記従来例においては、ドア部 14の基端側部分 14bがフラップ部 21で裏打ちされ ていない。

発明の概要

[0010] 本発明は、このドア部の基端側部分が補強された内装パネルアッセンプリ及びこの 内装パネルアッセンプリを備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。

[0011] 本発明の第 1アスペクトの内装パネルアッセンブリは、エアバッグに裏側力 押圧さ れることにより車両室内側へ回動して開放するドア部を有した内装パネルと、該内装 パネルの該ドア部及びその周囲の裏面に固着されたドア枠とを備えた内装パネルァ ッセンプリであって、該ドア枠は、該ドア部に固着されたフラップ部と、該フラップ部を 囲み、該ドア部の周囲の内装パネル裏面に固着された枠部と、該フラップ部と枠部と を連結しており、前記ドア部のうち開放時の基端側部分に対面し、且つ該基端側部 分からは離隔しているヒンジ部と、該枠部力 立設された脚部とを備えている内装パ ネルアッセンプリにお 、て、該ドア部の該基端側部分を補強する補強手段を備えたこ とを特徴とするものである。

[0012] 補強手段は、前記ドア部の裏面に設けられていてもよい。

[0013] 該補強手段はリブであってもよい。

[0014] 該リブは該枠部とフラップ部とを結ぶ方向に延設されて 、てもよ!/、。

[0015] 前記フラップ部のうち該ヒンジ部に臨む箇所に開口が設けられており、前記リブは 該開口内にまで延設されていてもよい。

[0016] 前記補強手段は、前記フラップ部に連なり、フラップ部から前記ドア部の基端側部 分の裏面に延出し、該裏面に固着された延出片であってもよい。

[0017] 前記内装パネルのドア部の基端側部分の裏面には、前記枠部に沿ってテアライン が設けられていてもよい。 [0018] 第 2アスペクトのエアバッグ装置は、第 1アスペクトの内装パネルアッセンプリと、該 内装パネルのドア部の裏側に対畤して配置されたリテーナと、該リテーナに収容され たエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテーナと前記ド ァ枠の脚部とを接続している接続部材とを備えてなることを特徴とするものである。 図面の簡単な説明

[0019] [図 1]実施の形態に係るエアバッグ装置を示す縦断面図である。

[図 2]図 2aはヒンジ部の断面図であって、図 1の ΠΑ部分の拡大図である。図 2b,図 2 cは図 2aの ΠΒ - ΠΒ線、 IIC - IIC線に沿う断面図である。

[図 3]ドア枠の斜視図である。

[図 4]図 4aは別の実施の形態を示すヒンジ部付近の断面図、図 4bはドア枠の斜視図 である。

[図 5]図 5aは別の実施の形態を示すヒンジ部付近の断面図、図 5bはドア枠の斜視図 である。

[図 6]従来例を示す断面図である。

[図 7]従来例を示す断面図である。

詳細な説明

[0020] 本発明では、内装パネルアッセンプリのドア部の基端側が補強手段で補強されて いるので、この基端側部分の損傷や飛散が防止される。

[0021] また、ドア部の基端側の裏面に、枠部に沿ってテアラインが設けられているときには

、エアバッグ膨張時にこのテアラインに応力が集中し、テアラインの開裂が促進される

[0022] この補強手段はドア部の裏面に設けられるの力 製造が容易で好ましい。

[0023] この補強手段としては、構成が簡易であるところから、リブが好適である。このリブを 、枠部とフラップ部とを結ぶ方向に延在させることにより、補強効果が高いものとなる。 この場合、フラップ部のうちヒンジ部に臨む箇所に開口を設け、リブを該開口内にま で延在させることにより、リブによる補強効果が及ぶエリアを拡張することができる。

[0024] 補強手段は、フラップ部に連なり、フラップ部力 前記ドア部の基端側部分の裏面 に延出し、該裏面に固着された延出片であってもよい。このようにすれば、内装パネ ルは従来と同様のものを用いることが可能である。

[0025] 以下、図面を参照して実施の形態について説明する。

[0026] 第 1図は実施の形態に係るエアバッグ装置を示す縦断面図、第 2a図はヒンジ部の 断面図であって、第 1図の ΠΑ部分の拡大図、第 2b, 2c図は第 2a図の ΠΒ— ΠΒ線に 沿う断面斜視図と、 IIC IIC線に沿う断面図である。第 3図はドア枠の斜視図である。

[0027] 内装パネル（この場合はインストルメントパネル。ただし、リツドであってもよ 、。 ) 40 の裏面にテアライン 41, 42, 43力 S設けられ、該テアライン 41, 42間力 Sドア部 44とな つて 、る。ドア部 44の基端側にリブ 45が設けられて 、る。

[0028] このドア部 44付近の裏面にドア枠 50が固着されている。このドア枠 50は、ドア部 44 に固着したフラップ部 51と、該フラップ部 51を囲む枠部 52と、該フラップ部 51と枠部 52とをつなぐヒンジ部 53と、該枠部 52から立設された脚部 54とを有する。

[0029] 枠部 52はドア部 44の周囲の内装パネル 40の裏面に固着されている。ヒンジ部 53 は略 U字形に湾曲しており、ドア部 44には固着されず、ドア部 44から離隔している。

[0030] 脚部 54の引掛孔 55に対しリテーナ 60のフック部 61が係止されている。該リテーナ 60内にエアバッグ 62が折り畳まれて収容され、インフレータ 63によって膨張可能とさ れている。 64はエアバッグ 62をリテーナ 60に取り付けている取付金具を示す。なお 、エアバッグ 62とリテーナ 60との連結構造はこれに限定されな 、。

[0031] この実施の形態では、リテーナ 60は上方が開いた略長方形の容器状のものであり 、ドア枠 50の脚部 54も略長方形の枠形となっている。枠部 52は、該脚部 54の上端 の全周から側外方へフランジ状に拡開して 、る。

[0032] フラップ部 51は、この実施の形態では 2葉設けられており、各フラップ部 51の基端 側がそれぞれ該枠部 52の内側のうち 1対の長辺部分に対しヒンジ部 53を介して連な つている。フラップ部 51, 51の先端側同士の間には若干のクリアランスがあいており 、前記テアライン 43はこのクリアランスに沿って延在している。

[0033] テアライン 41, 42は、ドア部 44の裏面の基端側に沿って延在している。この実施の 形態では、テアライン 41, 42は枠部 52の内周縁付近に対面して配置されている。

[0034] ドア部 44の基端側は、ヒンジ部 53に対面しており、この部分は前記の通りヒンジ部 53から離隔している。この実施の形態では、このドア部 44の基端側に前記リブ 45が 枠部 52とフラップ部 51とを結ぶ方向に延設されている。リブ 45は、枠部 52の内周縁 の延在方向に間隔をあけて複数個設けられている。このリブ 45はヒンジ部 53内に納 まる長さとなっている。

[0035] この実施の形態では、内装パネル 40は熱可塑性合成樹脂製であり、リブ 45は内装 パネル 40と一体に成形されている。フラップ部 51、枠部 52及びヒンジ部 53は、脚部 54と共に合成樹脂により一体に成形されている。フラップ部 51と枠部 52とは、好まし くは振動溶着により内装パネル 40に固着されて 、る。

[0036] このように構成されたエアバッグ装置にぉ 、て、インフレータ 63が作動するとエアバ ッグ 62が膨張を開始する。このエアバッグ 62がドア部 44を裏側から押圧することによ り、テアライン 41〜43が断裂し、ドア部 44が室内側へ回動しながら開き出す。

[0037] 第 7図の場合と同じぐヒンジ部 53は、ドア部 44が上方に浮上移動したり、ドア部 44 の基端側がドア部 44の開放後の内装パネル開放口に入り込んだりすることが許容さ れる。

[0038] この実施の形態では、ドア部 44の基端側にリブ 45が設けられ、該基端側が補強さ れているので、ドア部 44が開放しても該基端側が千切れたりすることがない。また、こ のリブ 45が設けられていることによりドア部 44の基端側の曲げ剛性が高くなつている ので、ドア部 44が開放するときに曲げ応力がテアライン 41, 42に集中し、テアライン 41, 42の断裂が促進される。

[0039] 第 4a, 4b図及び第 5a, 5b図はそれぞれ別の実施の形態を示す説明図である。

[0040] 第 1図〜第 3図の実施の形態では、リブ 45はヒンジ部 53内に納まる長さとなってい る力 第 4a, 4b図のドア枠 50Aのように、ヒンジ部 53とフラップ部 51との連繋部に開 口 58を設け、リブ 45Aの一端側が該開口 58内に入り込むようにリブ 45Aを長く延設 してもよい。このようにすれば、リブ 45Aによる補強範囲が拡張される。

[0041] なお、第 4a, 4b図のその他の構成は第 1図〜第 3図の場合と同一である。

[0042] 本発明では、ドア部 44の基端側をリブ以外の補強手段によって補強してもよ 、。例 えば、第 5a, 5b図に示すドア枠 50Bのように、フラップ部 51からヒンジ部 53へ張り出 す張出片 59を設け、この張出片 59をドア部 44の基端側に振動溶着等によって固着 してちよい。 上記の各形態は本発明の一例であり、本発明は上記の形態に限定されるものでは ない。

本発明を特定の様態を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れるこ となく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。

なお、本出願は、 2005年 10月 26日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 311430)に基づいており、その全体が引用により援用される。

Claims

請求の範囲

エアバッグに裏側から押圧されることにより車両室内側へ回動して開放するドア部 を有した内装パネルと、

該内装パネルの該ドア部及びその周囲の裏面に固着されたドア枠とを備えた内装

該ドア枠は、

該ドア部に固着されたフラップ部と、

該フラップ部を囲み、該ドア部の周囲の内装パネル裏面に固着された枠部と、 該フラップ部と枠部とを連結しており、前記ドア部のうち開放時の基端側部分に対 面し、且つ該基端側部分力 は離隔して 、るヒンジ部と、

該枠部から立設された脚部と

を備えて 、る内装パネルアッセンブリにお 、て、

該ドア部の該基端側部分を補強する補強手段を備えたことを特徴とする内装パネ ルアッセンブリ。

[2] 請求項 1において、前記補強手段は、前記ドア部の裏面に設けられていることを特 徴とする内装パネルアッセンブリ。

[3] 請求項 2にお 、て、該補強手段はリブであることを特徴とする内装パネルアッセンブ y_Q

[4] 請求項 3において、該リブは該枠部とフラップ部とを結ぶ方向に延設されていること を特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[5] 請求項 4において、前記フラップ部のうち該ヒンジ部に臨む箇所に開口が設けられ ており、前記リブは該開口内にまで延設されていることを特徴とする内装パネルアツ センブリ。

[6] 請求項 1にお 、て、前記補強手段は、前記フラップ部に連なり、フラップ部から前記 ドア部の基端側部分の裏面に延出し、該裏面に固着された延出片であることを特徴 とする内装パネルアッセンブリ。

[7] 請求項 6にお 、て、前記延出片は、前記フラップ部の基端側の辺に沿って延在して いることを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[8] 請求項 1にお 、て、前記内装パネルのドア部の基端側部分の裏面には、前記枠部 に沿ってテアラインが設けられていることを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[9] 請求項 1に記載の内装パネルアッセンプリと、

該内装パネルのドア部の裏側に対畤して配置されたリテーナと、

該リテーナに収容されたエアバッグと、

該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、

該リテーナと前記ドア枠の脚部とを接続している接続部材と

を備えてなることを特徴とするエアバッグ装置。