明 細 書
重合性液晶化合物及びそれを含有する重合性液晶組成物並びにそれら を用いて得られる重合体
技術分野
[0001] 本発明は、重合性と液晶性とを有する重合性液晶化合物及びそれを含有する組成 物並びにそれらを用いて得られる重合体に関する。そして、その用途は、表示装置 や記録材料等の光学特性を有する材料、特に液晶ディスプレイ用の偏光板及び位 相差板等の光学補償フィルムである。
背景技術
[0002] 液晶表示装置の表示品位の向上や軽量化等の要求から、偏光板や位相差板等の 光学補償フィルムとして、内部の分子配向構造が制御された高分子フィルムの要求 が高まっている。そのため、重合性液晶化合物が有する光学異方性を利用したフィ ルムの開発がなされている。ここで用いられる重合性液晶化合物は、一般に、重合性 基と液晶構造部位 (スぺーサ一部とメソゲン部を有する構造部位)とを有する液晶化 合物であり、重合性基としてアクリル基が広く用いられている。このような重合性液晶 化合物を用いて得られる重合体は、紫外線等の放射線を照射し、重合性液晶化合 物を重合させて得ることが一般的である。例えば、アクリル基を有する特定の重合性 液晶性化合物を支持体間に担持し、該化合物を液晶状態に保持しつつ放射線を照 射して重合する方法が知られている。(例えば、特許文献 1参照)
[0003] また、アクリル基を有する 2種類の重合性液晶化合物の混合物、又は該混合物に力 ィラル液晶を混合した組成物に光重合開始剤を添加し、紫外線を照射することで重 合体が得られることが知られている。(例えば、特許文献 2参照)
上記のようにして得られる重合体フィルムは、偏光板や位相差板用等として、屋内 で使用されるモニターやテレビ等表示装置だけではなぐ自動車内等のような高温環 境で利用される表示装置にも搭載される。重合性液晶化合物を用いるフィルムは、そ のガラス転移温度 (以下、 Tgと称す。)が使用環境温度以下の場合、特に高温環境 下では、分子の微視的な揺らぎが発生するため配向が乱れ、光学異方性が著しく低
下する場合がある。また、高温環境下において、透明性を維持することは表示装置 用材料として非常に重要である。
[0004] 特許文献 1:特開昭 62— 70407号公報
特許文献 2:特開平 9 - 208957号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、光学異方性を有すると共に、高温 においても透明性を安定的に維持し得、かつ Tgが高く耐熱性に優れた重合体を与 える重合性液晶化合物、及びそれを含有する重合性液晶組成物、並びにそれらを 用いて得られる重合体を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ラタトン環と液 晶構造部位とを有する重合性液晶化合物である、 aーメチレン γ—プチ口ラタトン 部位を有する重合性液晶化合物が、光学異方性を有し、高温でも透明性を安定的 に維持し得、かつ、 Tgが高く耐熱性に優れた重合体を与えることを見出し、本発明を 兀成し 7こ。
即ち、本発明は、
1. 下記の式 [1]で表されることを特徴とする、重合性液晶化合物、
[化 1] [ 1]
〔式 [1]中、 nは 2〜9の整数である。 X1は、式 [2]又は式 [3]
(CH2)mCH3 [3]
(式 [3]中、 mは 4〜8の整数である。)を表す。〕
2. 1の重合性液晶化合物の少なくとも 1種を含有する重合性液晶組成物、
3. 1の重合性液晶化合物の少なくとも 1種と、この重合性液晶化合物以外のその 他の重合性液晶化合物とを含有する重合性液晶組成物、
4. その他の重合性液晶化合物が、下記式 [5]で表される 3の重合性液晶組成物、 [化 3]
(式 [5」中、 n'は 1〜6の整数である。 )
5. 1の重合性液晶化合物を重合して得られる重合体、
6. 2〜4の ヽずれかの重合性液晶組成物を重合して得られる重合体、
7. 1の重合性液晶化合物を用いて得られるフィルム、
8. 2〜4の 、ずれかの重合性液晶組成物を用いて得られるフィルム
を提供する。
発明の効果
[0007] 本発明の重合性液晶化合物は、 Tgが高 、重合体を与える。そして、この重合性液 晶化合物を含有する組成物も、光学異方性を有し、かつ高温環境下における透明 性を安定的に維持できる重合体を与える。これらの重合体は、偏光板や位相差板等 の光学異方性フィルムとして利用可能である。更に、そのフィルムは高温環境下での 利用に有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0008] 以下、本発明を更に詳しく説明する。
[用語の定義]
この明細書における用語の使い方は次の通りである。用語「重合性液晶化合物」は 、分子中にアクリル基やラタトン環等の重合可能部位と液晶構造部位とを有し、かつ 液晶相を呈する化合物を意味する。上記の液晶構造とは、一般に液晶分子を表す 場合に用いられる、スぺーサ一部とメソゲン部とを有する構造を意味する。用語「液
晶組成物」は、液晶相を呈する特性を有する組成物を意味する。また、用語「液晶性 」は、液晶相を呈することを意味する。
[0009] [重合性液晶化合物]
本発明に係る重合性液晶化合物は、下記の式 [1]で表され、具体的には、ラタトン 環と液晶構造部位とを有する化合物であって、 aーメチレン γ プチ口ラタトン部 位を有する重合性液晶化合物である。
[0010] [化 4] [ 1]
〔式 [1]中、 ηは 2〜9の整数である。 X1は、式 [2]又は式 [3]
[化 5]
(式 [3]中、 mは 4〜8の整数である。)を表す。〕
[0011] この化合物において、 α—メチレン γ ブチロラタトン構造は、これを用いて得ら れる重合体に高 、Tgや耐熱性を付与するために有効である。
式 [1]中、メチレン基の繰り返し部位は、所謂スぺーサ一部と呼ばれる部位である。 ここで、 nは、メチレン基の繰り返し数を表し、 2〜9の整数である。好ましくは 2〜5で あり、より好ましくは 2〜4である。
式 [1]において、 X1は、式 [2]又は式 [3]で表される基であり、式 [3]の mは、 4〜8 の整数である。
[0012] このような式 [1]で表される重合性液晶化合物は、スメクチック相ゃネマチック相と いった液晶相を示す。この特性は、偏光板や位相差板といった光学異方性を利用す る用途分野において有用である。
上記の重合性液晶化合物の例として以下に示す(1)〜(18)の化合物等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない
[0020] [化 13]
(CH2)2一 O CN
[0027] [化 20] (CH
2)
3— O (CH,)
6CH
3 (15)
[0028] [化 21]
[0031] このような重合性液晶化合物の中で、 nが 2〜5の整数であり、 X1が式 [3]であり、か つ mが 6の化合物は、等方性液体状態になる温度が低ぐ安定な液晶性を示し、高 Vヽ Tgを有する重合体が得られ易 、ため好ま 、。
[0032] [重合性液晶化合物の合成]
本発明の重合性液晶化合物は、有機合成化学における手法を組み合わせることに よって合成することができる。合成方法は特に限定されな 、。
例えば、 exーメチレン γ—プチ口ラタトン構造を有する化合物は、以下の合成ス キーム(Α)で表される、タラガ等 (P.Talaga, M.Schaeffer, C.Benezra and J丄. Stampf, S ynthesis, 530(1990》の提案する手法を用いて合成することができる。その手法とは、 SnClを用いて 2— (ブロモメチル)アクリル酸(2- (bromomethyl)propenoic acid)とァ
2
ルデヒド又はケトンを反応させる方法である。
[0033] [化 24]
〔式中、 Rは一価の有機基を表し、 Amberlyst (登録商標) 15は、イオン交換榭脂(ロー ム エンド ハース製 商品名)である。〕
[0034] 上記の合成スキーム(A)中の Rとして、式 [4]で表され、かつ、 X1が式 [2]又は式 [3
]で表される基であるアルデヒド (R—CHO)を用いる。つまり、 X1が式 [2]又は式 [3] である式 [4]で表される化合物を原料として、合成スキーム (A)の手法を用いることで 本発明の重合性液晶化合物を得ることができる。
なお、 2— (ブロモメチル)アクリル酸(2- (bromomethyl)propenoic acid)は、ラマラー ン等(K. Ramarajan et al)が提案する方法で得ることができる。 [K. Ramarajan, K. Ka malingam, D.J.O'Donnell and K.D. Berlin, Organic synthesis, vol 61, 5り- 59 (1983) ] [0035] [化 25]
(式中、 n、 X1は上記と同じ。 )
[0036] [化 26]
(mは 4〜8の整数である。 )
[0037] また、式 [4]で表される化合物は、一級アルコールィ匕合物の酸ィ匕により得ることがで きる。この一級アルコール化合物は、ブロモアルコールとフエノール化合物とを反応さ
せることによって得ることができる。用いるブロモアルコールとフエノール化合物は、巿 販品なので入手が容易である。これらの反応の詳細は、以下の合成スキーム (B)で 示される。
[0038] [化 27]
HO- (CH2)n+「0 \
(B)
HO - (CH2)n+「0、 -Ύ} OHC-(CH2)-0^ →
(式中、 nは 2〜9の整数を、 PCCはピリジ-ゥムクロ口クロマートを示す。 X1は上記と 同じ。)
[0039] また、 n= 3及び 4の場合には、ブロモアルコール化合物の分子内環化反応を防ぎ 、収率を向上させるため、予めテトラヒドロビラ-ルエーテルなどでヒドロキシル基の保 護を行うことが好ましい。これらの反応の詳細は、以下の合成スキーム (C)で示される
[0040] [化 28]
HO-(CH
2)
n+1-Br
THPO - (CH
2)
n+ 1— Br HPO-(CH
2)
n+1-0-d X
1
HCi
THF
THPO— (CH2)n+厂 0 X1 ► HO- (CH2)n+「0~^
HO- (CH2)11+厂
(式中、 nは 3又は 4の整数を、 PCCはピリジ-ゥムクロ口クロマートを示す。 X1は上記 と同じ。)
[重合性液晶組成物]
本発明の重合性液晶組成物は、式 [ 1 ]で表される重合性液晶化合物のうち少なく
とも 1種を含有する。重合性液晶組成物に含まれる式 [ 1 ]で表される重合性液晶化 合物は、 1種でも 2種以上の混合物でもよいが、室温でェナンチオト口ピックな液晶相 を呈することが好ましい。 2種以上混合する場合は、重合性液晶化合物を適宜選択し 混合することができる。
また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明の重合性液晶化合物に、 以下に示す特定化合物を混合することもできる。混合する特定化合物は、複数種を 組み合わせて用いることもできる。この特定ィ匕合物は、液晶性を呈する化合物又は液 晶性を呈しない化合物のいずれでも良い。そしてこれらの特定ィ匕合物は、アクリル基 やラタトン環等の重合性基を有していても、有していなくても良い。そして、上記の特 定化合物が重合性基を有する場合、単官能性であっても、多官能性であっても良い
[0042] このような特定ィ匕合物は、重合性基を有しない化合物であって液晶性を示すィ匕合 物、重合性基を有しない化合物であって液晶性を示さない化合物、重合性基を有し 液晶性を示すィ匕合物であって本発明の重合性液晶化合物以外のもの(その他の重 合性液晶化合物)、そして、重合性基を有する化合物であって液晶性を示さない化 合物である。これらの具体例として、下記に示す(19)〜(33)の化合物、ネマチック 液晶、強誘電性液晶、多官能アタリレート化合物及び市販の液晶組成物等を挙げる ことができるが、これらに限定されるものではない。
[0053] [化 39]
o o
^^0— (CH2)4— (29)
[0054] [化 40]
[0056] [化 42]
(32)
[0057] 特に、式 (20)〜(21)の化合物を含む下記一般式 [5]で示される、本発明の重合 性液晶化合物以外の、重合性基を有し液晶性を示すィ匕合物(その他の重合性液晶 化合物)が好適である。
(式 [5」中、 n'は 1〜6の整数である。 )
[0059] 上述したとおり、特定ィ匕合物は、 1種又は 2種以上を組み合わせて用いることができ るが、その際、混合する特定化合物が液晶性を示す場合、その使用量は、式 [1]で 表される重合性液晶化合物 100質量部に対して特定ィ匕合物 300質量部以下が好ま しい。また、混合する特定ィ匕合物が液晶性を示さない場合、その使用量は、式 [1]で 表される重合性液晶化合物 100質量部に対して特定ィ匕合物 20質量部以下が好まし ぐより好ましくは、 10質量部以下である。
[0060] 本発明の重合性液晶組成物は、その重合反応性を向上させる目的として、光開始 剤及び熱重合開始剤や増感剤を添加することもできる。
光開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、 ベンゾフエノン等のベンゾフエノン類、ジエトキシァセトフエノン等のァセトフエノン類、 ベンジルジメチルケタール等のベンジルケタール類などを挙げることができる。このよ
うな光開始剤は複数種を組み合わせて用いることもでき、その添加量は、式 [1]で表 される重合性液晶化合物の合計量又は式 [1]で表される重合性液晶化合物とその 他の液晶性化合物の合計量 (以下、合計重合性液晶性化合物と称す。)の 100質量 部に対して 5質量部以下が好ましぐより好ましくは 0. 5〜2. 0質量部である。
[0061] 熱重合開始剤としては、例えば、 2, 2 ァゾビスイソプチ口-トリル等が挙げられる 。このような熱重合開始剤は複数種を組み合わせて用いることもでき、その添加量は 、合計重合性液晶化合物の 100質量部に対して 5質量部以下が好ましぐより好まし くは。. 5〜2. 0質量部である。
光増感剤としては、例えば、アントラセン等のアントラセン系光増感剤が挙げられる このような光増感剤は複数種を組み合わせて用いることもでき、その添加量は、合 計重合性液晶化合物の 100質量部に対して 5質量部以下が好ましい。
上記の光開始剤は、熱重合開始剤及び光増感剤のうち少なくとも 1種と組み合わ せて用いることができる。
[0062] 本発明の重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を 添カロしてもよい。安定剤としては、例えば、ヒドロキノン等、ヒドロキノンモノメチルエー テル等のヒドロキノンモノアルキルエーテル類、 4 t ブチルカテコール等が挙げら れる。このような安定剤は複数種を組み合わせて用いることもでき、その添加量は、 合計重合性液晶化合物の 100質量部に対して 0. 1質量部以下が好ましい。
[0063] また、本発明の重合性液晶組成物は、基板との密着性を向上させる目的で、密着 促進剤を含んでいてもよい。このような密着促進剤の具体例としては、トリメチルクロ口 シラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメ チルクロロシラン等のクロロシラン類;トリメチルメトキシシラン、ジメチルジェトキシシラ ン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエ二ルジメトキシシラ ン、フエ-ルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類;へキサメチルジシラザン、 N, N,—ビス(トリメチルシリル)ゥレア、ジメチルトリメチルシリルァミン、トリメチルシリルイ ミダゾール等のシラザン類;ビュルトリクロロシラン、 γ—クロ口プロピルトリメトキシシラ ン、 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン、 γ—メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
、 γ —グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ— (Ν—ピベリジ-ル)プロピルトリメト キシシラン等のシラン類;ベンゾトリァゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミ ダゾール、 2—メルカプトべンズイミダゾール、 2—メルカプトべンゾチアゾール、 2—メ ルカプトべンゾォキサゾール、ゥラゾール、チォゥラシル、メルカプトイミダゾール、メ ルカプトピリミジン等の複素環状ィ匕合物; 1, 1—ジメチルゥレア、 1, 3—ジメチルウレ ァ等の尿素化合物またはチォ尿素化合物等を挙げることができる。
[0064] このような密着促進剤は複数種を組み合わせて用いることもでき、その添加量は、 合計重合性液晶化合物の 100質量部に対して 1質量部以下が好ましい。
さらに、本発明の重合性液晶組成物には、粘度調整等を目的として有機溶媒を添 カロすることもできる。その際、有機溶媒を含有した状態で、液晶性を呈さなくてもかま わない。
[0065] 有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル類;ベンゼ ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類; Ν, Ν—ジメチルホルムアミド、 Ν—メ チルー 2—ピロリドン等の極性溶媒;酢酸ェチル、酢酸ブチル、乳酸ェチル等のエス テル類; 3—メトキシプロピオン酸メチル、 2—メトキシプロピオン酸メチル、 3—メトキシ プロピオン酸ェチル、 2—メトキシプロピオン酸ェチル、 3—エトキシプロピオン酸ェチ ル、 2—エトキシプロピオン酸ェチル等のアルコキシエステル類;エチレングリコール ジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジアルキル エーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジェチル エーテル、ジエチレングリコールメチルェチルエーテル、ジプロピレングリコールジメ チルエーテル等のジグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチ ノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノメチ ノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノェチノレエーテノレ等のグリコーノレモノアノレキノレエ ーテノレ類;ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジエチレングリコーノレモノェチ ノレエーテノレ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ ェチルエーテル等のジグリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノ メチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ェチルセ口ソルブアセテート等 のグリコールモノアルキルエーテルエステル類;シクロへキサノン、メチルェチルケトン
、メチルイソブチルケトン、 2—へプタノン等のケトン類などを挙げることができる。
[0066] これらの有機溶媒は単独でも 2種類以上を組み合わせて用いることもできる。これら の中でも地球環境、作業環境への安全性等の観点から、プロピレングリコールモノメ チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸ェチル、シ クロへキサノンが望ましい。
[0067] 本発明の重合性液晶組成物は、基板との親和性を向上させる目的で、界面活性剤 を含んでいてもよい。このような界面活性剤は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界 面活性剤、ノ-オン系界面活性剤など特に限定されないが、基板との親和性改善効 果の高 、フッ素系界面活性剤が好ま 、。
フッ素系界面活性剤の具体例としては(以下、商品名)、エフトップ EF301、 EF30 3、 EF352 ( (株)トーケムプロダクツ製)、メガファック F171、 F173、 R— 30 (大日本 インキ化学工業 (株)製)、フロラード FC430、 FC431 (住友スリーェム (株)製)、アサ ヒガード AG710、サーフロン S— 382、 SC101、 SC102、 SC103、 SC104、 SC10 5、 SC106 (旭硝子 (株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま た、界面活性剤は、複数種を組み合わせて用いることもできる。
[0068] 好ましい重合性液晶組成物の例としては、式 [1]で表される重合性液晶化合物 10 0質量部及び光開始剤 5質量部以下からなる液晶組成物や、式 [1]で表される重合 性液晶化合物 100質量部、液晶性を示さない特定ィ匕合物 20質量部以下及び光開 始剤 5質量部以下力もなる液晶組成物、式 [1]で表される重合性液晶化合物 100質 量部、液晶性を示す特定ィ匕合物 300質量部以下及び光開始剤 5質量部以下力もな る液晶組成物などが挙げられる。
[0069] 本発明の重合性液晶組成物を得る方法は特に限定されない。重合性液晶組成物 の成分を一度に混合しても良いし、順次混合しても良い。その際、一つの成分が複 数種の化合物力もなる場合は、あらかじめそれらを混合した状態でその他の成分を 混合しても良ぐ個別に順次添加しても良い。
本発明の重合性液晶組成物は、光学異方体を製造する際に、液晶状態で光重合 にお 、て意図しな 、熱重合の誘起を防止し、分子の均一な配向状態の固定を容易 にするために、室温においてェナンチオト口ピックな液晶相を示すことが好ましい。ま
た、重合性液晶組成物が有機溶媒を含有する場合は、溶媒を除去した際に、室温に ぉ ヽてェナンチォトロピックな液晶相を示すことが好まし 、。
[0070] [重合体及びフィルム]
本発明の重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物は、光を照射することや加熱 によって重合体とすることができる。なお、本発明の重合性液晶化合物又は重合性 液晶組成物から重合体を得る場合は、上記の重合性液晶組成物で述べた光開始剤 、熱重合開始剤、増感剤等をそれぞれ記載の量で用いることができる。また、重合性 液晶化合物の場合は、合計重合性液晶性化合物 100質量部を重合性液晶化合物 1 00質量部と置き換えた量に対応する量で用いることができる。
また、フィルムを得る方法としては、 2枚の基板間に重合性液晶化合物又は重合性 液晶組成物を狭持し、光を照射して重合する方法、スピンコートする方法やキャスト 等の方法により基板に重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を塗布し、光を照 射する方法等が挙げられる。
[0071] 基板には、ガラス、石英、プラスチックシート、カラーフィルター、トリァセチルセル口 ース (TAC)等のプラスチックフィルム等を用いることができる。そして、これらの基板 の一方に、 ITO等の機能性薄膜が形成されたガラス、プラスチックシート、プラスチッ クフィルム、ステンレススチール、クロム又はアルミ等の金属をメツキ又は蒸着したベ ルトゃドラムなどを使用することも可能である。また、フィルムの配向性を向上する目 的で、基板に配向処理を施すことが好ましい。配向処理の方法としては、一般的に知 られている、ポリイミド前駆体、ポリイミド、又はポリビュルシンナメート等を含有する配 向材を塗布し、ラビング又は偏光紫外線を照射して配向処理する方法、二酸化ケィ 素の斜法蒸着膜を形成する方法や、ラングミュア一膜を形成する方法などを挙げるこ とがでさる。
[0072] 2枚の基板間に重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を狭持する方法では、 スぺーサ一等によって 2枚の基板間に空隙を形成したセルを作成し、毛細管現象や セルの空隙を減圧する等の方法で重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物をセ ルに注入した後、光を照射して重合する。
また、より簡便な方法としては、スぺーサ一等を設けた基板上に、重合性液晶化合
物又は重合性液晶組成物を載せてから、もう一方の基板を重ね合わせてセルを作成 し、光を照射して重合する方法もある。その際、重合性液晶化合物又は重合性液晶 組成物は、流動化したものを用いても良いし、基板に載せてから加熱等により流動化 させても良い。但し、もう一方の基板を重ね合わせる前に、重合性液晶化合物又は 重合性液晶組成物を流動化させる必要がある。
[0073] 重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を塗布する方法では、これら化合物ま たは液晶組成物を塗布する工程と光や熱によって重合する工程の途中に、必要に 応じてホットプレート等で加熱する工程を加えても良い。この工程は、特に、有機溶媒 を含有する重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物を用いる場合は、有機溶媒を 除去できるので有効である。
上記の ヽずれの方法にお!、ても、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が液 晶相を呈する状態で重合することで、配向した光学異方性を有するフィルムを得るこ とがでさる。
[0074] また、隣り合うドメイン毎に異なる配向を有するマルチドメイン状態の重合体を得る ためには、重合の工程でマルチドメインィ匕する方法や基板の配向処理をマルチドメイ ン化する方法が用いられる。
重合の工程でマルチドメインィ匕する方法は、液晶状態の重合性液晶化合物又は重 合性液晶組成物に、マスクを介して紫外線を露光して重合したドメインを形成し、残り のドメインは、等方性液体状態で重合する方法等が挙げられる。
[0075] また、基板の配向処理をマルチドメイン化する方法は、基板に形成した配向材にマ スクを介してラビングする方法やマスクを介して紫外線を照射する方法等が挙げられ る。このような方法により、ラビングされたドメイン及び紫外線を照射したドメインが配 向処理された部分であり、その他は未処理部分であるマルチドメインィ匕された基板が 得られる。このマルチドメインィ匕された基板上に形成された重合性液晶化合物又は 重合性液晶組成物は、配向材層の影響を受けて、マルチドメインィ匕する。このような 配向処理方法の他に、電場、磁場を利用する方法も使用することができる。
[0076] 本発明の重合性液晶化合物及びそれを用いた重合性液晶組成物は、光学異方性 を有するフィルムの形成用に利用でき、偏光板や位相差板等に好適に用いることが
できる。そして、このフィルムは、高温での透明性が良好なため、車載用表示装置等 の高温環境下で使用される電子機器に好適に利用できる。
実施例
[0077] 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は 、下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定方法は以 下のとおりである。
[0078] [1]NMRの測定
化合物を重水素化クロ口ホルム(CDC1 )に溶解し、 300MHzの1 H— NMR (日本
3
電子 (株)製)を用いて測定した。但し、実施例 3においては、重水素化クロ口ホルム の代わりに重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO— d6)を用いた。
[2]IR測定
化合物は臭素化カリウムを用いてペレットに成形し、それを、 NEXUS670FT— IR (Nicolet製)を用いて測定した。
[3]MS (FAB + )測定
化合物の質量スペクトルを、 日本電子 (株)製 JEOL LX— 1000を用いて測定し た。
[4]液晶相の観察
液晶相の同定は、ホットステージ (MATS— 2002S、東海ヒット製)上で、試料を加 熱し、偏光顕微鏡((株)ニコン製)を用いて観察して行った。相転移温度はマックサイ エンス製示差走査熱分析装置 (DSC3100SR) (以下、 DSCと称す。)を用い、スキ ヤンスピード (Scan Rate) 10°CZ分の条件で測定した。(但し、実施例 6は 5°CZ分で 測定を行った)
[0079] [5]分子量測定
分子量測定は、サンプルをテトラヒドロフラン (以下、 THFと称す。 )に 0. 2質量%の 割合で溶解させ、 JASCO製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、 GPCと称す。) を用いて測定した。その際、昭和電工 (株)製カラム(SHODEX GPC KF-803L )を用いた。この測定により、ポリスチレン換算した数平均分子量及び重量平均分子 量を得た。
但し、実施例 9においては、サンプルをジメチルホルムアミド(以下、 DMFと称す) に 0. 2質量%の割合で溶解し、昭和電工 (株)製 GPC (SHODEX GPC 101)、 昭和電工 (株)製カラム(SHODEX KD— 803、 KD805)を用いて測定し、ポリエ チレングリコール換算した数平均分子量及び重量平均分子量とした。
[0080] [6]ガラス転移温度測定
ガラス転移温度 (Tg)は、マックサイエンス製示差走査熱分析装置 (DSC3100SR )を用い、スキャンスピード(Scan Rate) 10°CZ分の条件で測定した。
[7] 5%質量減少温度
マックサイエンス製熱重量分析装置 (TG - DTA2000 - SR)を用 V、て測定し、試 料の質量減少が 5%となる温度を 5%質量減少温度とした。
[8]透過率測定
透過率は、東京電色製 Spectral Haze Meter (TC-1800H)を用いて、波長 550nm の透過率を測定した。
[9]フィルムのリタデーシヨン値
フィルムのリタデーシヨン値は、リタデーシヨン測定装置 (オーク製)を用いて測定し た。但し、実施例 17、実施例 18、実施例 19及び比較例 3は、リタデーシヨン測定装 置 (RETS— 100 大塚電子 (株)製)を用いて測定した。
[0081] [実施例 1]重合性液晶化合物 (Z1)の合成
冷却管付き 100mlナスフラスコに、 4 シァノ 4,一ヒドロキシビフエノール 5. Og ( 25. 6mmol)、 6 ブロモ 1—へキサノール 4. 6g (25. 6mmol)、炭酸カリウム 7. Og (50mmol)、及びアセトン 50mlをカ卩えて混合物とし、 64°Cで 24時間攪拌しなが ら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し黄色の湿潤固体を得た。その後 、この固体と水 70mlを混合し、ジェチルエーテル 50mlをカ卩えて抽出した。抽出は 3 回行った。
分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で 溶媒を留去し、黄色の固体を得た。この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、カラムクロ マトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0.063 -0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル =1Z1)により精製した。ここで得られた溶液力 溶媒を留去し、白色
の固体を 6. 9g得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から 、この白色固体が、下記の合成スキーム (i)に示される中間体ィ匕合物(PI)であること を確認した。 (収率 91%)
1H-NMR(DMSO-d6) δ : 1.26(m, 6H), 1.69(m, 2H), 3.37(t, 2H), 4.03(t, 2H), 7.06(d, 2H), 7.69(d, 2H), 7.85(m, 4H).
[化 44]
(PI)
[0083] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコにピリジ-ゥムクロ口クロマート(以下、 PCCと 称す。) 2. 2g (10. Ommol)と CH CIを 30. Oml入れて撹拌混合した状態で、上記
2 2
と同様にして得られた中間体化合物(P1) 2. 95g (10. Ommol)を CH CI (50. Oml
2 2
)に溶解した溶液を滴下し、 40°Cで 0. 5時間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁 に付着したオイル状物を除 、た溶液に、ジェチルエーテル 90mlを加えて減圧濾過 した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ ゲル 60 0.063— 0.200mmメルク社製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = lZl)で精 製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、無色の固体を 2. 8g得た。この固体 を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色の固体力 下記の合 成スキーム (ii)に示される中間体ィ匕合物(Q1)であることを確認した。(収率 93%)。 'H-NMRCCDCl ) δ : 1.84(m, 6H), 2.50(m, 2H), 4.02(m, 2H), 6.99(d, 2H), 7.53(d, 2
3
H), 7.91(m, 4H), 9.80(s, 1H).
[0084] [化 45]
[0085] 最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Ql) 3. Og (10. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 1. 65g (10. Ommol)、 Amberlyst (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 1. 6g、 THF16. Oml、 塩化スズ(Π) 1. 9g (10. Ommol)、及び純水 4. Omlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 7 時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 30mlと混合し、 そこにジェチルエーテル 50mlをカ卩えて抽出した。抽出は 3回行った。
[0086] 抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶 液から溶媒を留去し黄色固体を得た。この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出 液:へキサン Z酢酸ェチル =2Zl)により精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留 去して、白色の固体を 1. 5g得た。この固体を NMR、 IR、 MSで測定した結果、この 白色の固体が、下記の合成スキーム (iii)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z1) であることを確認した。(収率 41%)
各測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CDC1 ) δ : 1.57(m, 6H), 1.85(m, 2H), 2.60(m, 1H), 3.05(m, 1H), 4.01(t, 2
3
H), 4.54(m, 1H), 5.63(m, 1H), 6.23(m, 1H), 7.00(d, 2H), 7.52(d, 2H), 7.68(m, 4H). IR (KBr, cm"1) :2934, 2228, 1761, 1664.
MS (FAB + ) :361 (M + )
また、この重合性液晶化合物 (Zl)の液晶性を観察した結果、 84°Cで等方性液体 状態となり、降温時に 61°Cで液晶相(ネマチック相)へ相転移した。
(Zl)
[0088] [実施例 2]重合性液晶化合物 (Z2)の合成
冷却管付き 500mlナスフラスコに、 p— (トランス一 4—ヘプチルシクロへキシル)フ ェノール 20. 0g (72. 9mmol)、 6—ブロモ— 1—へキサノール 13. 2g (72. 9mmol )、炭酸カリウム 23. 2g (160. Ommol)、及びアセトン 250mlをカ卩えて混合物とし、 6 4°Cで 48時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し淡い褐 色の湿潤な固体を得た。その後、この固体と純水 150mlを混合し、ジェチルエーテ ル 80mlをカ卩えて抽出した。抽出は 3回行った。
分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で 溶媒を留去し、淡い褐色の湿潤な固体を得た。この固体を酢酸ェチル 8mlに溶解し 、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製)、溶出 液:へキサン Z酢酸ェチル =2Zl)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を 留去し、淡乳白色の固体を 24. 3g得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に 示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下記の合成スキーム (iv)に示される中 間体化合物(P2)であることを確認した。(収率 89%)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.26— 1.65(m, 21H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
0, (m, 1H), 3.63(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
(P2)
[0090] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC2. 2g (10. Ommol)と CH CIを 30.
2 2
Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体化合物 (P2) 3. 8g (10. Ommol)を CH CI (30. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40°Cで 0. 5時間さ
2 2
らに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジェチ ルエーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿 潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク社製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル =2ZDで 精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 3. Og得た。こ の固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体 力 下記の合成スキーム (V)に示される中間体ィ匕合物(Q2)であることを確認した。 ( 収率 80%)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20— 1.65(m, 19H), 1.83, (m, 6H), 2.
3
40(m, 1H), 2.45(t, 2H), 3.93, (t, 2H), 6.80(d, 2H), 7.10(d, 2H), 9.78(s, 1H).
[0091] [化 48]
(Q2)
最後に、冷却管付き 50mけスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q2) l. 9g (5. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 0. 8g (5. Ommol) , Amb
61¾^ (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 0. 8g、 THF8. Oml、塩ィ匕 スズ(11) 0. 95g (5. Ommol)、及び純水 2. Omlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 24時間 攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 30mlと混合し、そこ にジェチルエーテル 30mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機層に 、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し 淡い褐色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液カゝら溶媒を留去して、白色の固体を 0. 94g得た。 この固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果、この白色の固体が、下記の合成スキ ーム (vi)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z2)であることを確認した。 (収率 43% )
各測定結果を以下に示す。
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.87(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20- 1.90(m, 21H), 1.84(m, 6H), 2.4
3
0(m, 1H), 2.60(m, 1H), 3.04(m, 1H), 3.93(t, 2H), 4.52(m, 1H), 5.61(m, 1H), 6.23(m, 1H), 6.81(d, 2H), 7.12(d, 2H).
IR (KBr, cm"1) :2921, 1758, 1672.
MS (FAB + ) :440 (M + )
また、この重合性液晶化合物 (Z2)の液晶性を観察した結果、 74°Cで等方性液体 状態となり、降温時に 65°Cでスメクチック A相へ相転移し、 58°Cでスメクチック X相(N ot Determined bmectic Phaseノへ 移した。
[0093] [化 49]
(Z2)
[0094] [実施例 3]重合性液晶化合物 (Z3)の合成
冷却管付き 100mlナスフラスコに、 4 シァノ 4,一ヒドロキシビフエノール 5. 0g ( 25. 6mmol)、 10 ブロモ—1—デカノール 6. lg (25. 6mmol)、炭酸カリウム 7. 0 g (50mmol)、及びアセトン 50mlを加えて混合物とし、 64°Cで 48時間攪拌しながら 反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し黄色の湿潤固体を得た。その後、 この固体と水 70mlを混合し、ジェチルエーテル 50mlをカ卩えて抽出した。抽出は 3回 行った。
分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で 溶媒を留去し、黄色の固体を得た。この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、カラムクロ マトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 1Z1)により精製した。ここで得られた溶液力 溶媒を留去し、白色 の固体を 8. 2g得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から 、この白色固体が、下記の合成スキーム (vii)に示される中間体ィ匕合物(P3)であるこ とが確認された。(収率 91%)
NMR(DMSO— d6) δ : 1.26(m, 14H), 1.69(m, 2H), 3.37(t, 2H), 4.03(t, 2H), 7.06(d , 2H), 7.69(d, 2H), 7.85(m, 4H).
次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC1. 08g (5. Ommol)と CH CIを 15.
2 2
Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体化合物 (P3) 1. 76g (5. Ommol)を CH CI (50. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40°Cで 0. 5時間さ
2 2
らに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジェチ ルエーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿 潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = lZl)で精 製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、無色の固体を 1. 5g得た。この固体 を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色の固体力 下記の合 成スキーム (vii)に示される中間体化合物(Q3)であることを確認した。(収率 84%)。 'H-NMRCCDCl ) δ : 1.47(m, 10H), 1.64(m, 2H), 1.83(m, 2H), 2.43(m, 2H), 4.00(m,
3
2H), 6.99(d, 2H), 7.53(d, 2H), 7.67(m, 4H), 9.76(s, 1H).
[0096] 最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q3) l. lg (3. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 0. 50g (3. Ommol)、 Am 61¾^ (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 0. 5g、THF5. 3ml、塩化 スズ(11) 0. 60g (3. Ommol)、及び純水 1. 3mlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 6時間 攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 20mlと混合し、そこ にジェチルエーテル 50mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機層に 、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し 黄色固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、白色の固体を 0. 79g得た。こ の固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果、この白色の固体が、下記の合成スキ ーム (vii)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z3)であることを確認した。(収率 63 %)
各測定結果を以下に示す。
'H-NMRCCDCl ) δ : 1.33(m, 12H), 1.47(m, 2H), 1.81(m, 2H), 2.60(m, 1H), 3.06(m,
3
1H), 4.00(t, 2H), 4.52(m, 1H), 5.62(m, 1H), 6.22(m, 1H), 7.00(d, 2H), 7.51(d, 2H), 7.66(m, 4H).
IR (KBr, cm"1) :2934, 2231, 1750, 1664.
MS (FAB + ) :418 (M + )
重合性液晶化合物 (Z3)の液晶相を観察した結果、 79°Cで等方性液体状態となり 、降温時に 62°Cでネマチック相へ相転移した。
[0098] [実施例 4]重合性液晶化合物 (Z4)の合成
冷却管付き 500mlナスフラスコに、 4 シァノ 4,一ヒドロキシビフエノール 9. 8g ( 50. Ommol)、 3 ブロモ 1—プロノ V—ル 7. Og (50. Ommol)、炭酸カリウム 13. 8g (100mmol)、及びアセトン 150mlをカ卩えて混合物とし、 64°Cで 48時間攪拌しな 力 反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し黄色の湿潤固体を得た。その 後、この固体と水 140mlを混合し、ジェチルエーテル 100mlを加えて抽出した。抽 出は 3回行った。分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過し た後に減圧下で溶媒を留去し、黄色の固体を得た。
この固体をへキサン Z酢酸ェチル =2Zlを用い、再結晶により精製した。白色の 固体を 8. 7g得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、こ の白色固体が、下記の合成スキーム (viii)に示される中間体ィ匕合物(P4)であること が確認された。(収率 70%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 2.09(m, 2H), 3.90(t, 2H), 4.20(t, 2H), 6.99(d, 2H), 7.52(d, 2H)
3
, 7.66(m, 4H).
[0099] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC4. 32g (20. Ommol)と CH CIを 50
2 2
. Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合物 (P4) 5 . 06g (20. Ommol)を CH CI (50. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40。Cで 0. 5時
2 2
間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジ
ェチルエーテル 100mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色 の湿潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカ ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = lZl)で精 製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、無色の固体を 3. 2g得た。この固体 を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色の固体力 下記の合 成スキーム (viii)に示される中間体化合物(Q4)であることを確認した。 (収率 64%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 2.98(t, 2H), 4.39(t, 2H), 6.99(d, 2H), 7.55(d, 2H), 7.69(m, 4H)
3
, 9.90(s, 1H).
最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q4) 2. 5g (10. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 1. 65g (10. Ommol)、 Amberlyst (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 1. 6g、 THF16. Oml、 塩化スズ(Π) 1. 9g (10. Ommol)、及び純水 4. Omlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 24 時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 30mlと混合し、 そこにジェチルエーテル 50mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機 層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液力も溶媒を留 去し黄色固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク社製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl) により精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、白色の固体を 0. 8g得た。こ の固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色の固体が、下 記の合成スキーム (viii)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z4)であることを確認 した。(収率 25%)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 2.18(m, 2H), 2.76(m, 1H), 3.15(m, 1H), 4.19(m, 2H), 4.84(m, 1
3
H), 5.68(m, 1H), 6.27(m, 1H), 7.00(d, 2H), 7.52(d, 2H), 7.68(m, 4H).
重合性液晶化合物 (Z4)の液晶相を観察した結果、 95°Cで等方性液体状態となり 、降温時に 63°Cでネマチック相へ相転移した。
[0101] [化 51]
[0102] [実施例 5]重合性液晶化合物 (Z5)の合成
冷却管付き 500mlのナスフラスコに、 p— (トランス一 4 ヘプチルシクロへキシル) フエノール 10. 0g (36. 4mmol)、 10 ブロモ 1—デカノール 8. 6g (36. 4mmol) 、炭酸カリウム 11. lg (80. Ommol)、及びアセトン 150mlをカ卩えて混合物とし、 64 °Cで 24時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し淡い褐 色の固体を得た。その後、この固体と純水 100mlを混合し、ジェチルエーテル 50ml を加えて抽出した。抽出は 3回行った。分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを 加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、淡い褐色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 5mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 6 0 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)により精製 した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去し、淡乳白色の固体を 8. 6g得た。この固 体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下 記の合成スキーム (ix)に示される中間体化合物(P5)であることを確認した。(収率 5 5%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.26— 1.65(m, 29H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
0(m, 1H), 3.63(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
[0103] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC2. 2g (10. Ommol)と CH C1を 30.
Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体化合物 (P5) 4. 3g (10. Ommol)を CH CI (30. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40°Cで 0. 5時間さ
2 2
らに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジェチ ルエーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿 潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル(3ml)に溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリ 力ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)で 精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 3. Og得た。こ の固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体 力 下記の合成スキーム (ix)に示される中間体ィ匕合物(Q5)であることを確認した。( 収率 69%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20— 1.65(m, 27H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
l(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.80(d, 2H), 7.10(d, 2H), 9.76(s, 1H).
最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q5) 2. 14g (5. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 0. 8g (5. Ommol) , Am 61¾^ (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 0. 8g、 THF8. Oml、塩ィ匕 スズ(11) 0. 95g (5. Ommol)、純水 2. Omlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 24時間攪拌 して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 2mlと混合し、そこにジェ チルエーテル 30mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機層に、無水 硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し淡 ヽ褐 色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去して、白色の固体を 1. 66g得た。 この固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果、この白色の固体が、下記の合成スキ ーム (ix)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z5)であることを確認した。(収率 67% )
各測定結果を以下に示す。
H— NMR(CDCl ) δ : 0.87(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20— 1.45(m, 29H), 1.87(m, 6H), 2.4
3
0(m, IH), 2.60(m, IH), 3.03(m, IH), 3.93(t, 2H), 4.52(m, IH), 5.61(m, IH), 6.22(m,
IH), 6.81(d, 2H), 7.12(d, 2H).
IR (KBr, cm"1) :2921, 1759, 1672.
MS (FAB + ) :496 (M + )
重合性液晶化合物 (Z5)の液晶相を観察した結果、 70°Cで等方性液体状態となり 、降温時に 49°Cでスメチック相へ相転移した。
[化 52]
[実施例 6]重合性液晶化合物 (Z6)の合成
冷却管付き 500mlナスフラスコに、 p— (トランスー4 ペンチルシクロへキシル)フ ェノール 10. Og (40. 6mmol)、 6 ブロモ 1—へキサノール 7. 35g (40. 6mmol )、炭酸カリウム 11. lg (80. Ommol)、及びアセトン 150mlをカ卩えて混合物とし、 64 °Cで 24時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去して淡い 褐色の湿潤な固体を得た。その後、この固体と純水 100mlを混合し、ジェチルエー テル 50mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。分液した有機層は、無水硫酸マグ ネシゥムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、淡い褐色の湿潤な 固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 5mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 6
0 0.063— 0.200mm メルク製)、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)により精製 した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去し、淡乳白色の固体を 11. 9g得た。この固 体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下 記の合成スキーム (X)に示される中間体化合物(P6)であることを確認した。(収率 86 %)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.20— 1.65(m, 17H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
0(m, 1H), 3.63(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
[0107] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC4. 3g (20. Ommol)と CH CIを 50.
2 2
Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体化合物 (P6) 6. 9g (20. Ommol)を CH CI (50. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40°Cで 0. 5時間さ
2 2
らに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジェチ ルエーテル 100mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿 潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル(3ml)に溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリ 力ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)で 精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 6. Og得た。こ の固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体 力 下記の合成スキーム (X)に示される中間体ィ匕合物(Q6)であることを確認した。 ( 収率 87%)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20— 1.65(m, 15H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
0(m, 1H), 2.45(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.80(d, 2H), 7.10(d, 2H), 9.78(s, 1H).
[0108] 最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q6) 5. 2g (15. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 2. 5g (15. Ommol)、 A mberlyst (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 2. 4g、 THF24. Oml、 塩化スズ(II) 2. 9g (15. Ommol)、及び純水 6. Omlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 24 時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 30mlと混合し、 そこにジェチルエーテル 30mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機 層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液力も溶媒を留
去し淡 、褐色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去して、白色の固体を 3. 6g得た。こ の固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果、この白色の固体が、下記の合成スキ ーム (X)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z6)であることを確認した。 (収率 58% )
各測定結果を以下に示す。
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.87(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20- 1.60(m, 17H), 1.86(m, 6H), 2.4
3
0(m, IH), 2.60(m, IH), 3.05(m, IH), 3.93(t, 2H), 4.53(m, IH), 5.62(m, IH), 6.22(m, IH), 6.81(d, 2H), 7.10(d, 2H).
IR (KBr, cm"1) :2921, 1758, 1672.
MS (FAB + ) :412 (M + )
重合性液晶化合物 (Z6)の液晶相を観察した結果、 66°Cで等方性液体状態となり 、降温時に 46°Cでスメチック相へ相転移した。
[化 53]
[実施例 7]重合性液晶化合物 (Z7)の合成
冷却管付き 500mlナスフラスコに、 p— (トランス一 4—ヘプチルシクロへキシル)フ
ェノール 9. 0g (32. 7mmol)、 4—ブロモ— 1—ブタノール 5. 0g (32. 7mmol)、炭 酸カリウム 10. 0g (66. Ommol)、及びアセトン 150mlをカ卩えて混合物とし、 64°Cで 4 8時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し淡い褐色の湿 潤な固体を得た。その後、この固体と純水 50mlを混合し、ジェチルエーテル 30mlを 加えて抽出した。抽出は 3回行った。分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加 えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、淡い褐色の湿潤な固体を得た。 この固体を酢酸ェチル 8mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 6 0 0.063— 0.200mm メルク製)、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)により精製 した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去し、淡乳白色の固体を 1. 3g得た。この固 体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下 記の合成スキーム (xi)に示される中間体ィ匕合物(P7)であることを確認した。(収率 1 1. 5%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.27(m, 17H), 1.84(m, 6H), 2.40(m, 1
3
H), 3.74(t, 2H), 3.97(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
次に、冷却管付き 100ml三口フラスコに PCC1. 08g (3. 75mmol)と CH CIを 15
2 2
. Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合物 (P7) l . 30g (3. 75mmol)を CH C1 (15. Oml)に溶解した溶液を滴下し、 40。Cで 0. 5時
2 2
間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジ ェチルエーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色 の湿潤な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル(3ml)に溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリ 力ゲル 60 0.063-0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)で精 製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 1. 20g得た。この 固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下記の合成スキーム (xi)に示される中間体化合物(Q7)であることを確認した。(収 率 93%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.21(m, 15H), 1.83(m, 4H), 2.11(m, 2
3
H), 2.40(m, 1H), 2.65(t, 2H), 3.97(t, 2H), 6.80(d, 2H), 7.10(d, 2H), 9.83(s, 1H).
[0112] 最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q7) l. 2g (3. 5mmol)、 2—(ブロモメチル)アクリル酸 0. 58g (3. 5mmol)、Am 61¾^ (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 0. 56g、THF5. 6ml、塩 ィ匕スズ(11) 0. 67g (3. 5mmol)、及び純水 1. 4mlをカ卩えて混合物とし、 70°Cで 7時 間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 20mlと混合し、そ こにジェチルエーテル 30mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機層 に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去 し淡い褐色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 2mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 0. 42g得 た。この固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果、この淡乳白色の固体力 下記の 合成スキーム (xi)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z7)であることを確認した。 ( 収率 29%)
各測定結果を以下に示す。
- NMR(CDCl ) δ : 0.87(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.27(m, 17), 1.87(m, 6H), 2.40(m, IH
3
), 2.64(m, IH), 3.07(m, IH), 3.97(t, 2H), 4.59(m, IH), 5.63(m, IH), 6.23(m, IH), 6.
81(d, 2H), 7.13(d, 2H).
IR (KBr, cm"1): 2922, 1756, 1664.
MS (FAB + ) :412 (M + )
重合性液晶化合物 (Z7)の液晶相を観察した結果、昇温時、 66°Cでスメックチク A 相に相転移し、 75°Cで等方性液体状態となり、降温時に 72°Cでスメックチク A相へ 相転移し、 62°Cでスメックチク X相へ相転移した。
[0113] [化 54]
HO (:CH2)6CH. HO (:CH2)4Br
[0114] [実施例 8]重合性液晶化合物 (Z8)の合成
冷却管付き 500mlナスフラスコに、 p— (トランス一 4—ヘプチルシクロへキシル)フ ェノール 20. 0g (72. 9mmol)、 3—ブロモ—1—プロパノール 10. lg (72. 9mmol) 、炭酸カリウム 23. 2g (160. Ommol)、及びアセトン 250mlを加えて混合物とし、 64 °Cで 48時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し淡い褐 色の湿潤な固体を得た。その後、この固体と純水 100mlを混合し、ジェチルエーテ ル 60mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。分液した有機層は、無水硫酸マグネ シゥムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、淡い褐色の湿潤な固 体を得た。
この固体を酢酸ェチル 12mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0.063— 0.200mm、メルク製)、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)により精 製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去し、淡乳白色の固体を 18. 3g得た。この 固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体力 下記の合成スキーム (xii)に示される中間体化合物(P8)であることを確認した。(収 率 76%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.27(m, 15H), 1.83(m, 4H), 2.03(m, 2
3
H), 2.40(m, 1H), 3.87(t, 2H), 4.11(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
[0115] 次に、冷却管付き 200ml三口フラスコに PCC4. 3g (20. Ommol)と CH C1を 50.
2 2
Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体化合物 (P8) 6. 7g (20. Ommol)を CH C1 (50. Oml)に溶解した溶液を滴下し、室温で 2時間さら
2 2
に撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジェチル エーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿潤 な固体を得た。
この固体を酢酸ェチル(5ml)に溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリ 力ゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)で 精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 3. 5g得た。こ の固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳白色の固体 力 下記の合成スキーム (xii)に示される中間体化合物(Q8)であることを確認した。 (収率 53%)
'H-NMRCCDCl ) δ : 0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.27(m, 15H), 1.83(m, 4H), 2.40(m, 1
3
H), 2.87(t, 2H), 4.31(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H), 9.86(s, 1H).
最後に、冷却管付き 50mlナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合 物(Q8) 3. 3g (10. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 1. 65g (10. Ommol)、 Amberlyst (登録商標)15 (ローム エンド ハース社 商品名) 1. 6g、 THF16. Oml、 塩ィ匕スズ(Π) 1. 90g (10. Ommol)、及び純水 4. Omlをカロえて混合物とし、 70°Cで 2 4時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水 30mlと混合し 、そこにジェチルエーテル 50mlをカ卩えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有 機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を 留去し淡!ヽ褐色の固体を得た。
この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シ リカゲル 60 0.063— 0.200mm メルク製、溶出液:へキサン Z酢酸ェチル = 2Zl)に より精製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去して、淡乳白色の固体を 1. 92g得 た。この固体を NMR、 IR及び MSで測定した結果を以下に示す。この結果から、こ の淡乳白色の固体力 下記の合成スキーム (xii)に示される目的の重合性液晶化合 物 (Z8)であることを確認した。(収率 48%)
。 00 ¾晷士 ^ w軍、οοε6τ«晷士 ^ 凝 ωφ^軍 _ ί;
^ 軍 ω¾止ヽ 翁 ¾¾ 0。0 #^αΜ¾¾¾^9
、止!^
'Z S. l
ra0 (louiuio '1)§9£ Ό( ιζ)
に ^疆 暴 ^
^ ΐ入): 軍 [6fii¾?第] [8Π0]
° つ 目 (sssiy ORoeuiS
、 0
ο Π ¾@Ψ
、つ 目
V^^ Y:^O0 9 - ^ ^ n^^m ) (sz) ^^ Ψ ^Μ
( + PV)86S:( + 9VJ)SPV
"Ζ99Ϊ '29ZT '1262: (T_^3
•(H2 'Ρ)εΓΖ '{HZ 'Ρ)ΐ8·9 '(Ηΐ '^) Ζ •9 '(Ηΐ '^9"S '(Ηΐ 'ω)08· '{ΗΖ '^ΟΓ^ '(Ηΐ '^)ZVZ '(Ηΐ 'ω)εζ '(Ηΐ '^)0VZ '( Η2 ' '{ ' 8·ΐ '(SI ) ΐ '{ΗΖ 'ω)30·ΐ '(HS ' Ζ8·0: 9 ( !DaD)H N-HT
00T80C/900Zdf/X3d 6ε ZllSll/900Z OAV
あり、 Tgは 85°Cであった。
[0119] [化 56]
[0120] [実施例 10]重合体 (Y2)の合成
冷却管を備えたフラスコに、実施例 6と同様にして得られた重合性液晶化合物 (Ζ6 ) 1. 0g(2. 4mmol)、ジォキサン 2. 4ml、及び AIBN4. Omgを仕込み、フラスコ内 を窒素置換した後、 70°Cで 24時間撹拌して反応させた。得られた反応溶液を 400m 1の純水に投入すると、白色粉末が沈殿した。この白色粉末を濾過した後、 70°Cで真 空乾燥を行 、、下記の重合スキーム (a2)で示す重合性液晶化合物 (Z6)の重合体( Y2)を 0. 9g得た。(収率 90%)
得られた重合体の数平均分子量は 48700、重量平均分子量は 181000であった。 重合体は CH CI、 CH Cl、 THF、トルエンに可溶であった。また、この重合体の 5%
2 2 3
質量減少温度は 379°Cであり、 Tgは 118°Cであつた。
[0121] [化 57]
[0122] [実施例 11]重合体 (Y3)の合成
冷却管を備えたフラスコに、実施例 7と同様にして得られた重合性液晶化合物 (Ζ7 ) 0. 41g (l. Ommol)、ジォキサン 2. Oml、及び AIBN2. Omgを仕込み、フラスコ内 を窒素置換した後、 70°Cで 24時間撹拌して反応させた。得られた反応溶液を 100m 1の純水に投入すると、白色粉末が沈殿した。この白色粉末を濾過した後、 70°Cで真 空乾燥を行 、、下記の重合スキーム (a3)で示す重合性液晶化合物 (Z7)の重合体( Y3)を 0. 37g得た。(収率 90%)
得られた重合体の数平均分子量は 41000、重量平均分子量は 149000であった。 重合体は CH CI、 CH Cl、 THF、トルエンに可溶であった。また、この重合体の 5%
2 2 3
質量減少温度は 373°Cであり、 Tgは 163°Cであつた。
[0123] [化 58]
[0124] [実施例 12]重合体 (Y4)の合成
冷却管を備えたフラスコに、実施例 8と同様にして得られた重合性液晶化合物 (Z8 ) 0. 5g (l. 25mmol)、ジォキサン 1. 3ml、及び AIBN2. Omgを仕込み、フラスコ内 を窒素置換した後、 70°Cで 24時間撹拌して反応させた。得られた反応溶液を 100m 1の純水に投入すると、白色粉末が沈殿した。この白色粉末を濾過した後、 60°Cで真 空乾燥を行 、、下記の重合スキーム (a4)で示す重合性液晶化合物 (Z8)の重合体( Y4)を 0. 45g得た。(収率 90%)
得られた重合体の数平均分子量は 68000、重量平均分子量は 225000であった。 重合体は CH CI、 CH Cl、 THF、トルエンに可溶であった。また、この重合体の 5%
2 2 3
質量減少温度は 365°Cであり、 Tgは 174°Cであつた。
[0125] [化 59]
[0126] [実施例 13]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 2と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z2) 50mg、実施例 7と同様にして得 られた重合性化合物 (Z7) 50mg、及び実施例 8と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z8) 50mgを CH C1 0. 5mlに溶解した後、溶媒を留去して無色の固体を得た。こ
2 2
の固体 0. 150gと、光重合開始剤としてチバ'スペシャルティ'ケミカルズ製ィルガキ ユア(登録商標) 369 (商品名) 1. 5mgとを混合して重合性液晶組成物を得た。
次に、スぺーサーを散布した液晶配向膜付基板をホットプレート上で 100°Cに加熱 しておき、基板のスぺーサー散布面に上記の重合性液晶組成物をのせた。この重合 性液晶組成物に流動性があることを確認し、別の液晶配向膜付基板を、液晶配向膜 が重合性液晶組成物に接触するように重ね合わせてセルを作成した。ここで用いた
液晶配向膜付基板は、 ITO付ガラス基板の ITO面に、液晶配向剤(日産化学工業( 株)製 SE— 1500)をスピンコード塗布し、 230°Cで焼成して厚さ lOOnmの薄膜を形 成後、ラビング処理を施した。そして、一方の液晶配向膜付基板には 6 mのシリカ スぺーサー (触媒化成工業 (株)製 真絲球 SW— D1)を散布した。
このようにして作成したセルに、高圧水銀ランプを用いて 1600mjZcm2の強さの光 を照射して重合性液晶組成物を重合した。得られたセルを偏光顕微鏡でコノスコー プ像を観察したところ、セル内のフィルム(重合物)が、ガラス面に垂直に配向したホメ オト口ピック配列であることを確認した。そして、リタデーシヨン値は 0. 28であった。こ の間、フィルムの配向性は維持されていた。
[実施例 14]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 7と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z7) 50mg、及び実施例 8と同様にし て得られた重合性ィ匕合物 (Z8) 50mgを CH C1 0. 5mlに溶解した後、溶媒を留去し
2 2
て無色の固体を得た。この固体 0. 100gと、光重合開始剤としてチバ 'スペシャルティ •ケミカルズ製ィルガキュア (登録商標) 369 (商品名) 1. Omgとを混合して重合性液 晶組成物を得た。
この重合性組成物を、 2枚の液晶配向膜付基板を、液晶配向膜が内側となるように 、かつラビング方向が角度 180° となるようにして合わせて作成した空のセルにのせ 、このセルを 100°Cのホットプレート上で加熱した。セル上の重合性組成物が液体状 態となり、毛細管現象を利用してセル内に注入されたことが確認できた。ここで用いた 液晶配向膜付基板は、 ITO付ガラス基板の ITO面に、液晶配向剤(日産化学工業( 株)製 SE— 1500)をスピンコード塗布し、 230°Cで焼成して厚さ lOOnmの薄膜を形 成後、ラビング処理を施した。そして、一方の液晶配向膜付基板には 3辺に沿って、 厚みが 25 μ mのフィルムスぺーサ一を付けた。
このようにして作成したセルに、 23°Cで、高圧水銀ランプを用いて 1600miZcm2 の強さの光を照射して重合性液晶組成物を重合した。得られたセルを偏光顕微鏡で コノスコープ像を観察したところ、セル内のフィルム (重合物)が、ガラス面に垂直に配 向したホメオト口ピック配列であることを確認した。また、その透過率は 88. 4%であつ
そして、このセルをホットプレート上で 100°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88 . 4%であった。続いて、このセルを 120°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 4 %であった。更に、このセルを 150°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 3%であ つた。この間、フィルムの配向性は維持されていた。
[0128] [実施例 15]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 14において、液晶配向膜付基板を ITO付ガラス基板に代えて、重合性液 晶組成物を ITO間に狭持するようにして、実施例 14と同様にセルを作成して評価し た。
得られたセルを偏光顕微鏡でコノスコープ像を観察したところ、セル内のフィルム( 重合物)が、ガラス面に垂直に配向したホメオト口ピック配列であることを確認した。ま た、その透過率は 88. 3%であり、リタデーシヨン値は 0. 09であった。
そして、このセルをホットプレート上で 100°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88 . 3%であった。続いて、このセルを 120°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 4 %であった。更に、このセルを 150°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 4%であ つた。この間、フィルムの配向性は維持されていた。
[0129] [実施例 16]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 2と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z2) 50mg、実施例 7と同様にして得 られた重合性化合物 (Z7) 50mg、及び実施例 8と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z8) 50mgを CH C1 0. 5mlに溶解した後、溶媒を留去して無色の固体を得た。こ
2 2
の固体 0. 150gと、光重合開始剤としてチバ'スペシャルティ'ケミカルズ製ィルガキ ユア(登録商標) 369 (商品名)を 1. 5mg混合して重合性液晶組成物を得た。
この重合性組成物を、 2枚の ITO付基板を、 ITO面が内側となるように合わせて作 成した空のセルにのせ、このセルを 100°Cのホットプレート上で加熱した。セル上の 重合性組成物が液体状態となり、毛細管現象を利用してセル内に注入されたことが 確認できた。ここで用いた ITO付基板の一方には、 3辺に沿って、厚みが 25 mのフ イルムスぺーサーを付けた。
このようにして作成したセルに、 23°Cで、高圧水銀ランプを用いて 1600miZcm2 の強さの光を照射して重合性液晶組成物を重合した。このようにして得られたセルを
偏光顕微鏡でコノスコープ像を観察したところ、セル内のフィルム力 ガラス面に垂直 に配向したホメオト口ピック配列であることを確認した。また、その透過率は 88. 1%で あり、リタデーシヨン値は 0. 33であった。
そして、このセルをホットプレート上で 100°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88 . 3%であった。続いて、このセルを 120°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 4 %であった。更に、このセルを 150°Cで 10分間加熱した。その透過率は 88. 6%であ つた。この間、フィルムの配向性は維持されていた。
[0130] [実施例 16]重合性液晶化合物 (Z9)の合成
冷却官付き 500mlのナスフラスコに、 p— (トランスー4一へプチルシクロへキシル) フエノール 25. 0g (91. lmmol)、酢酸 5—ブロモペンチル 19. 05g (91. lmmol)、 炭酸カリウム 24. 9g (180. Ommol)、アセトン 250mlをカ卩えて混合物とし、温度 64 °Cで 48時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液をろ過し、減圧下で溶媒 を留去した後淡!、褐色の湿潤な固体を得た。
この固体をアセトン 100mlに溶解させ、 60°Cの水溶上で攪拌しつつ、それにェタノ ールを 200mlと 10%NaOH水溶液 50mlを加えて 80°Cで攪拌後、反応液よりァセト ンを 3Z4留去した後白色の固体をろ過した。
この固体をエタノールでの再結晶により精製した。ここで得られた白色の固体 30. 6 gを得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この淡乳 白色の固体が、下記の合成スキーム (xiv)に示される中間体ィ匕合物(P9)であること を確認した。 (収率 93%)
1H-NMR(CDC1 ) δ :0.89(t, 3H), 1.10(m, 2H), 1.26— 1.65(m, 19H), 1.83(m, 6H), 2.4
3
0, (m, 1H), 3.68(t, 2H), 3.93(t, 2H), 6.81(d, 2H), 7.11(d, 2H).
[0131] 次に、冷却官付き 500mlの三口フラスコに PCC16. 2g (75. Ommol)と CH C1を 8
2 2
0. Oml入れて撹拌混合した状態で、上記と同様にして得られた中間体ィ匕合物 (P2) 27. 04g (75. Ommol)を CH CI (150. Oml)に溶解した溶液を滴下し、温度 40。C
2 2
で 0. 5時間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶 液に、ジェチルエーテル 90mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、 濃緑色の湿潤な固体を得た。この固体を酢酸ェチル 3mlに溶解し、シリカカラムクロ
マトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0. 063-0. 200mm メルク社製、溶出液:へ キサン Z酢酸ェチル =2Zl)で精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、淡 乳白色の固体を 19. 3g得た。この固体を NMRで測定した結果を以下に示す。この 結果から、この淡乳白色の固体力 下記の合成スキーム (xiv)に示される中間体ィ匕 合物(Q9)であることを確認した。(収率 75%)
1H-NMR(CDC1 ) δ :0.89(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20— 1.65(m, 17H), 1.83, (m, 6H), 2
3
.40(m, 1H), 2.45(t, 2H), 3.93, (t, 2H), 6.80(d, 2H), 7.10(d, 2H), 9.78(s, 1H). 最後に、冷却官付き 300mlのナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体ィ匕 合物(Q9) 19. 3g (56. Ommol)、 2— (ブロモメチル)アクリル酸 9. 24g (56. Ommo 1)、 Amberlyst 15 (ロームアンドハース社登録商標) 9. Og、 THF97. Oml、塩化スズ (11) 10. 6g (56. Ommol)、純水 22. Omlを加えて混合物とし、温度 70。Cで 24時間 攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水 100mlと混合し、そこ にジェチルエーテル 150mlを加えて抽出した。抽出は 3回行った。抽出後の有機層 に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去 し淡い褐色の固体を得た。この固体を酢酸ェチル 15mlに溶解し、シリカゲルカラムク 口マトグラフィー(カラム:シリカゲル 60 0. 063-0. 200mm メルク社製、溶出液: へキサン Z酢酸ェチル =2Zl)により精製した。ここで得られた溶液力も溶媒を留去 して、白色の固体を 14. 7g得た。この固体を NMR、 IRで測定した結果、この白色の 固体が、下記の合成スキーム (xiv)に示される目的の重合性液晶化合物 (Z9)である ことを確認した。(収率 62%)
各測定結果は以下に示す。
1H-NMR(CDC1 ) δ :0.87(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.20- 1.80(m, 19H), 1. 84 (m, 6H) , 2
3
.40(m, 1H), 2.60(m, 1H), 3.06(m, 1H), 3.93(t, 2H), 4.54(m, 1H), 5.61(m, 1H), 6.23 (m, 1H), 6.81(d, 2H), 7.12(d, 2H).
[化 60]
(Z9)
[0133] 重合性液晶化合物 (Z9)の液晶相を観察した結果、昇温時、 33°Cでスメックチク X 相に、 51°Cでスメクチック A相に転移し、 69°Cで等方性液体状態となり、降温時に 65 °Cでスメックチク A相へ相転移し、 49°Cでスメックチク X相 (Not Determined Smectic P hase)へ相転移した。
[0134] [参考例 1]
200ml三口フラスコに、実施例 4と同様にして得られたィ匕合物(P4) 12. 0g、トリエ チルァミン 7. 7ml、ブチルヒドロキシトルエン(BHT) O. 2mg及び THF40mlを混合 して溶解した。この溶液の撹拌下に、アクリル酸クロリド(acryloyl chloride) 4. 6mlを T HF40mlに溶解した溶液を 15分間かけて滴下した。その際、三口フラスコを水浴 (水 温 20°C)して冷却した。滴下した後、そのままの状態で 30分間撹拌した後、フラスコ を水浴から出して、窒素置換し、更に室温で 20間撹拌して反応させた。この反応液 をろ過し、ろ液を 3Z4の容量まで減圧濃縮して力も塩化メチレン 100mlをカ卩えた。こ の溶液を、飽和炭酸ナトリウム溶液 100ml、 0. 5Nの塩酸 100ml、飽和食塩水 100 mlの順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して生成物を得た。こ の生成物をエタノールで再結晶して重合性ィ匕合物 (K1) (6. 0g)を得た。
この重合性ィ匕合物を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この重合 性ィ匕合物力 下記の合成スキーム (XV)に示される化合物 (K1)であることを確認した
1H-NMR(CDC1 ) δ : 2.20(m, 2H), 4.10(t, 2H), 4.40(t, 2H), 5.81(d, 1H), 6.15(m, 1
3
H), 6.41(d, 1H), 6.99(d, 2H), 7.55(d, 2H), 7.66(m, 4H).
[化 61]
(K l)
[実施例 17]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 1と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Zl) lOOmgと、光重合開始剤として チバガイギ一社製ィルガキュア 369 (商品名) 1. Omg及び界面活性剤の FC4430 ( 3M社製) 0. 3mgをシクロへキサノン 0. 4mlに溶解し、重合性液晶組成物を得た。こ の重合性液晶組成物を、液晶配向膜付基板の液晶配向膜面にスピンコート(lOOOr pm、 20秒間)により塗布し、温度 80°Cのホットプレート上で 60秒間プリベータした後 、室温まで放冷した。このとき、基板上の重合性組成物は液晶状態であった。ここで 用いた液晶配向膜付基板は、 ITO付ガラス基板の ITO面に、液晶配向剤(日産化学 工業社製 SE— 1410)をスピンコード塗布し、温度 230°Cで焼成して厚さ lOOnmの 薄膜を形成後、ラビング処理を施した。
次に、液晶配向膜付基板に形成された塗膜を、窒素雰囲気中で、高圧水銀ランプ を用いて 4000mjZcm2の強さの光を照射して重合性液晶組成物を重合した。この ようにして得られたフィルムは、膜厚が 0. 8 mであり、それを偏光顕微鏡で観察した ところ、フィルム力 基板面に水平配向していることを確認した。そして、その透過率 は 88. 6%であり、リタデーシヨン値は 152nmであった。
このフィルムを温度 95°Cのホットプレート上で 5分間加熱したところ、リタデーシヨン
値は 140nmであった。更に、温度 95°Cのホットプレート上で 5分間加熱したところ、リ タデーシヨン値は 137nm、透過率は 88. 5%であり、フィルムの配向性が維持されて いた。
[0137] [実施例 18]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 1と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Zl) 30mgと、参考例 1と同様にして 得られた化合物 (Kl) 70mgと、光重合開始剤としてチバガイギ一社製ィルガキュア 3 69 (商品名) 1. Omg及び界面活性剤の FC4430 (3M社製) 0. 5mgをシクロへキサ ノン 0. 4mlに溶解し、重合性液晶組成物を得た。この重合性液晶組成物を、液晶配 向膜付基板の液晶配向膜面にスピンコート(1000rpm、 20秒間)により塗布し、温度 80°Cのホットプレート上で 60秒間プリベータした後、室温まで放冷した。このとき、基 板上の重合性組成物は液晶状態であった。ここで用いた液晶配向膜付基板は、 IT O付ガラス基板の ITO面に、液晶配向剤(日産化学工業社製 SE— 1410)をスピンコ ード塗布し、温度 230°Cで焼成して厚さ lOOnmの薄膜を形成後、ラビング処理を施 した。
次に、液晶配向膜付基板に形成された塗膜を、窒素雰囲気中で、高圧水銀ランプ を用いて 4000mjZcm2の強さの光を照射して重合性液晶組成物を重合した。この ようにして得られたフィルムは、膜厚が 0. 8 mであり、それを偏光顕微鏡で観察した ところ、フィルム力 基板面に水平配向していることを確認した。そして、その透過率 は 88. 1%であり、リタデーシヨン値は 126nmであった。
このフィルムを温度 95°Cのホットプレート上で 5分間加熱したところ、リタデーシヨン 値は 140nmであった。更に、温度 95°Cのホットプレート上で 5分間加熱したところ、リ タデーシヨン値は 30nm、透過率は 87. 9%であり、フィルムの配向性が維持されて いた。
[0138] [実施例 19]重合性液晶組成物およびその重合物(フィルム)
実施例 7と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (Z7) l. 00g、実施例 17と同様にして 得られた重合性化合物 (Z9) l. 00g、特定ィ匕合物として日本ィ匕薬 (株)社製 KAYA RAD DPHA (商品名) 0. 10gと、光重合開始剤としてチバガイギ一社製ィルガキュ ァ 369 (商品名) 20. Omg及び界面活性剤の FC4430 (3M社) 10. Omgを、ブチル
ヒドロキシトルエン(BHT) l. Imgとシクロへキサノン 8. 00mlの混合溶媒に溶解して 重合性組成物を得た。この重合性液晶組成物を、 ITO付ガラス基板の ITO面にスピ ンコート(1000rpm、 20秒間)により塗布し、温度 60°Cのホットプレート上で 60秒間 プリベータした後、室温まで放冷した。このとき、基板上の重合性組成物は液晶状態 であった。
次に、 ITO付ガラス基板に形成された塗膜を、窒素雰囲気中で、高圧水銀ランプを 用いて 4000mjZcm2の強さの光を照射して重合性液晶組成物を重合した。このよう にして得られたフィルムは、膜厚が 1 mであり、それを偏光顕微鏡で観察したところ 、フィルム力 基板面に垂直配向していることを確認した。そして、その透過率は 90. 0%であり、リタデーシヨン値は 0. 33nmであった。
このフィルムを温度 200°Cのホットプレート上で 60分間加熱したところ、リタデーショ ン値は 0. 33nm、透過率は 90. 0%であり、フィルムの配向性が維持されていた。
[0139] [比較例 1]
冷却管付き 100ml三口フラスコにトリェチルァミン 1. 17ml (8. 5mmol)、実施例 6 と同様にして得られた中間体 (P6) 2. 5g (7. 2mmol)、及び乾燥したテトラヒドロフラ ン 15. Omlを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌混合した。続いて、メタクリル酸クロライド 0. 82ml(8. 5mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(10. Oml)に溶解した溶液を滴下 し、室温で 3時間さらに撹拌した。反応終了後、反応液を減圧濾過し、減圧下で溶媒 を留去した。残渣をジェチルエーテル 50mlに溶解し、蒸留水 50mlで 3回洗浄し、反 応物を有機層に抽出した。その後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥 し、濾過した後、減圧下で溶媒を留去し無色のオイル状物を 2. 3g得た。
このオイル状物を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、このオイル 状物が、下記の合成スキーム (xiii)に示される化合物 (R1)であることを確認した。( 収率 77%)
1H-NMR(CDC1 ) δ : 0.86(t, 3H), 1.05(m, 2H), 1.15— 1.95(m, 26H), 2.39(m, 1H), 3.9
3
3(m, 2H), 4.13(m, 2H), 5.54(s, 1H), 6.09(s, 1H), 6.81(d, 2H), 7.09(d, 2H).
[0141] 冷却管を備えたフラスコに上記で得られたィ匕合物 (Rl)を 1. 0g (2. 41mmol)、ジ ォキサン 2. 4ml、及び AIBN4. Omgを仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、 70°C で 24時間撹拌して反応させた。得られた反応溶液を 50mlのメタノールに投入し、沈 殿した白色粉末を濾過した後、 40°Cで真空乾燥を行い、重合体 (Y5)を 0. 34g得た 。(収率 34%)
得られた重合体の数平均分子量は 10000、重量平均分子量は 24000であった。 また、この重合体の 5%質量減少温度は 320°Cであり、 Tgは 62°Cであった。
[0142] [化 63]
[0143] [比較例 2]
50ml三口フラスコに、実施例 1と同様にして得られたィ匕合物(P1) 3. Og、トリェチ ルァミン 1. 5ml、ブチルヒドロキシトルエン(BHT) O. lmg及び THFlOmlを混合し て溶解した。この溶液の撹拌下に、アクリル酸クロリド(acryloyl chloride) 0. 9mlを TH FlOmlに溶解した溶液を 15分間かけて滴下した。その際、三口フラスコを水浴 (水 温 20°C)して冷却した。滴下した後、そのままの状態で 30分間撹拌した後、フラスコ を水浴から出して、窒素置換し、更に室温で 20間撹拌して反応させた。この反応液 をろ過し、ろ液を 3Z4の容量まで減圧濃縮して力も塩化メチレン 50mlを加えた。こ の溶液を、飽和炭酸ナトリウム溶液 50ml、 0. 5Nの塩酸 50ml、飽和食塩水 50mlの 順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して生成物を得た。この生 成物をメタノールで再結晶して重合性ィ匕合物 (R2) (1. 7g)を得た。
この重合性ィ匕合物を NMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この重合 性ィ匕合物力 下記の合成スキーム (xvii)に示される化合物 (R2)であることを確認し た。
1H-NMR(CDC1 ) δ : 1.50(m, 4H), 1.73(m, 2H), 1.85(m, 2H), 4.05(t, 2H), 4.20(t, 2H
3
), 5.82(d, 1H), 6.15(m, 1H), 6.41(d, 1H), 6.99(d, 2H), 7.55(d, 2H), 7.66(m, 4H).
[0144] [化 64]
[0145] [比較例 3]
比較例 2と同様にして得られた重合性ィ匕合物 (R2) 50mg、参考例 1と同様にして得 られた重合性化合物 (Kl) 50mgと、光重合開始剤としてチバガイギ一社製ィルガキ ユア 369 (商品名) 1. Omg及び界面活性剤の FC4430 (3M社) 0. 5mgをシクロへキ サノン 0. 4mlに溶解し、組成物を得た。
この組成物を、液晶配向膜付基板の液晶配向膜面にスピンコート(1000rpm、 20 秒間)により塗布し、温度 80°Cのホットプレート上で 60秒間プリベータした後、室温ま で放冷した。このとき、基板上の組成物は液晶状態であった。ここで用いた液晶配向 膜付基板は、 ITO付ガラス基板の ITO面に、液晶配向剤(日産化学工業社製 SE— 1410)をスピンコード塗布し、温度 230°Cで焼成して厚さ lOOnmの薄膜を形成後、 ラビング処理を施した。
次に、液晶配向膜付基板に形成された塗膜を、窒素雰囲気中で、高圧水銀ランプ を用いて 4000mjZcm2の強さの光を照射して組成物を重合した。このようにして得 られたフィルムは、膜厚が 0. であり、それを偏光顕微鏡で観察したところ、フィ ルムが、基板面に水平配向していることを確認した。そして、その透過率は 87. 1% であり、リタデーシヨン値は 124nmであった。
このフィルムを温度 95°Cのホットプレート上で 5分間加熱したところ、リタデーシヨン
値は 3nmであり、透過率は 89. 2%であったが、フィルムに配向乱れが観察された。 産業上の利用可能性
本発明の重合性化合物を含有する重合性液晶組成物は、表示装置用の、偏光板 や位相差板等の光学補償フィルムやマルチドメインフィルム等の光学異方性フィルム 用材料として有用である。