以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る液晶表示装置を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す液晶表示装置が含んでいるリターデイション基板を示す断面図である。
図1及び図2において、X方向及びY方向は表示面に対して平行であり且つ互いに交差した方向であり、Z方向はX方向及びY方向に対して垂直な方向である。ここでは、一例として、X方向及びY方向は、互いに直交しているとする。
図1に示す液晶表示装置は、IPS方式を採用したアクティブマトリクス液晶表示装置である。
この液晶表示装置は、液晶表示パネルとバックライト(図示せず)とを含んでいる。液晶表示パネルは、アレイ基板10と対向基板20と液晶層30と一対の偏光板40とを含んでいる。
アレイ基板10は、基板110を含んでいる。基板110は、ガラス板又は樹脂板などの光透過性基板である。
基板110の一方の主面上では、走査線と共通電極120bとが配列している。
走査線は、各々がX方向に延びており、後述する画素の行に対応してY方向に配列している。各走査線は、画素の列に対応して、各々がY方向に突き出た複数の突出部を含んでいる。これら突出部は、ゲート120aを構成している。
共通電極120bは、電極本体と配線部とを含んでいる。
電極本体は、例えば、画素に対応してX方向とY方向とに配列している。各電極本体の少なくとも一部は、例えば、Y方向に対して斜め方向に延びた部分を含んでいる。ここでは、一例として、各電極本体は、長さ方向がY方向に対して+45°の角度を為している部分と−45°の角度を為している部分とがY方向に交互に繋がってなる三角波形状を有しているとする。
配線部は、各々がX方向に延びており、画素の行に対応してY方向に配列している。各配線部は、X方向に配列した電極本体を互いに電気的に接続している。
走査線及び共通電極120bは、絶縁層130で被覆されている。絶縁層130のうち、ゲート120aを被覆している部分は、ゲート絶縁膜として利用する。絶縁層130は、基板110を被覆している場合、典型的には透明である。
絶縁層130上では、半導体層140が、画素に対応してX方向とY方向とに配列している。各半導体層140は、ゲート120aを跨るように形成されている。この半導体層140には、ゲート120aと向き合い、チャネルとして使用するチャネル領域と、これを間に挟んでX方向に配列し、ソース及びドレインとして使用する不純物拡散領域とを含んでいる。ゲート120aとゲート絶縁膜と半導体層140とは、スイッチング素子である薄膜トランジスタを構成している。
絶縁層130上では、信号線150aと画素電極150b1及び150b2とが更に配列している。
信号線150aは、各々がY方向に延びており、画素の列に対応してX方向に配列している。
画素電極150b1及び150b2は、対を成している。画素電極150b1と画素電極150b2との対は、画素に対応してX方向とY方向とに配列している。対を成している画素電極150b1と画素電極150b2とは、共通電極120bの電極本体をそれらの間に介在させている。画素電極150b1及び電極本体の互いに向き合った端面は略平行である。同様に、画素電極150b2及び電極本体の互いに向き合った端面は略平行である。画素電極150b1及び150b2は、光透過性を有していてもよく、光透過性を有していなくてもよい。
各画素電極150b1は、半導体層140の一方の不純物拡散領域を被覆している。これにより、各画素電極150b1は、スイッチング素子を介して信号線150aに接続されている。また、各画素電極150b1と、これと対を成している画素電極150b2とは、互いに電気的に接続されている。各画素は、この液晶表示パネルのうち、対を成している画素電極150a及び150b並びにそれらに挟まれた領域に対応した部分である。
絶縁層130とスイッチング素子と信号線150aと画素電極150b1及び150b2とは、配向膜160で被覆されている。配向膜160は、電圧無印加状態において、液晶層30が含んでいる液晶分子を、例えば、そのメソゲンの長さ方向の方位角がY方向に対して略平行となるように配向させる。配向膜160は、例えば、ラビング処理及び光配向処理などの配向処理を施したポリイミド膜などの透明樹脂層である。
対向基板20は、基板210を含んでいる。基板210は、配向膜160と向き合っている。基板210は、ガラス板又は樹脂板などの光透過性基板である。
基板210の配向膜160との対向面には、カラーフィルタ層220と固体化液晶層230と複屈折性層240と配向膜260とがこの順に形成されている。カラーフィルタ層220は、固体化液晶層230と複屈折性層240との間に介在していてもよく、複屈折性層240と配向膜260との間に介在していてもよい。或いは、カラーフィルタ層220は、対向基板20に設ける代わりに、アレイ基板10に設けてもよい。
カラーフィルタ層220は、基板210の一方の主面上で配列した着色領域220a乃至220cを含んでいる。
着色領域220a乃至220cは、吸収スペクトルが互いに異なっている。即ち、着色領域220a乃至220cは、カラーフィルタ層220に白色光を照射したときにスペクトルが異なる光を透過させる。例えば、着色領域220aは、着色領域220bと比較して、主としてより波長の長い光を透過させ、着色領域220cは、着色領域220bと比較して主としてより波長の短い光を透過させる。ここでは、一例として、白色光を照射したときに、着色領域220aは赤色光を透過させ、着色領域220bは緑色光を透過させ、着色領域220cは青色光を透過させるとする。
着色領域220a乃至220cは、画素の列に対応して配列している。着色領域220aは、Y方向に各々が延び、X方向に配列した複数の帯状パターンを形成している。着色領域220bは、Y方向に各々が延び、着色領域220aとX方向に隣り合うように配列した複数の帯状パターンを形成している。着色領域220cは、Y方向に各々が延び、着色領域220a及び220bとX方向に隣り合うように配列した複数の帯状パターンを形成している。即ち、着色領域220a乃至220cは、ストライプ配列を形成している。
着色領域220a乃至220cは、他の配列を形成していてもよい。例えば、着色領域220a乃至220cは、正方配列又はデルタ配列を形成していてもよい。
固体化液晶層230は、リターデイション層である。固体化液晶層230は、サーモトロピック液晶化合物又は組成物を重合及び/又は架橋させてなる。
固体化液晶層230は、カラーフィルタ層220を間に挟んで基板210と向き合っている。
固体化液晶層230とカラーフィルタ層220との間には、配向膜が介在していてもよい。この配向膜としては、例えば、垂直配向膜を使用することができる。
固体化液晶層230は、基板210とカラーフィルタ層220との間に介在していてもよい。但し、カラーフィルタ層220が基板210と固体化液晶層230との間に介在した構造を採用した場合、ほぼ平坦な表面上にカラーフィルタ層220を形成することができる。また、この場合固体化液晶層230は、カラーフィルタ層220の製造に必要な熱処理に曝されることがない。
固体化液晶層230は、Z方向に対して垂直に配列した領域230a乃至230cを含んでいる。領域230a乃至230cは、それぞれ着色領域220a乃至220cと向き合っている。
領域230a乃至230cの各々において、メソゲンは配向構造を形成している。即ち、領域230a乃至230cの各々は、屈折率異方性を有している。
領域230a乃至230cの各々は、メソゲンの長さ方向がZ方向にほぼ平行な方向に揃ったホメオトロピック配向に対応した正のCプレートである。即ち、領域230a乃至230cの各々は、Z方向に光学軸を有しており、Z方向の屈折率がこれに垂直な方向の屈折率と比較してより大きい。
領域230a乃至230cは、Z方向の屈折率が異なっている。ここでは、一例として、領域230aは領域230bと比較してZ方向の屈折率がより大きく、領域230cは領域230bと比較してZ方向の屈折率がより小さいとする。
例えば、領域230a乃至230cの各々において、メソゲンの配向の程度は略均一である。そして、領域230aは領域230bと比較してメソゲンの配向の程度がより大きく、領域230cは領域230bと比較してメソゲンの配向の程度がより小さい。
なお、或る領域の「メソゲンの配向の程度」は、その領域におけるメソゲンの配向度を意味する。メソゲンの配向度は、その領域の全体に亘って一定であってもよく、Z方向に沿って変化していてもよい。例えば、或る領域においては、下面付近で配向度がより高く、上面付近で配向度がより低くてもよい。この場合、「メソゲンの配向の程度」は、メソゲンの配向度の厚さ方向についての平均を示す。或る領域が他の領域と比較して配向の程度がより大きいことは、それら領域の屈折率異方性を比較することにより確認することができる。
領域230a乃至230cは、厚さ方向リターデイションRthが異なっている。例えば、領域230bの厚さ方向リターデイションRthに対する領域230aの厚さ方向リターデイションRthの比は1.15乃至1.45の範囲内にあり、領域230bの厚さ方向リターデイションRthに対する領域230cの厚さ方向リターデイションRthの比は0.70乃至0.90の範囲内にある。
ここで、領域230a乃至230cの各々の「厚さ方向リターデイションRth」は、或る特定の波長における面内屈折率nx及びny並びに厚さ方向屈折率nzと厚さdとから算出することができる。具体的には、領域230aの厚さ方向リターデイションRthは、或る特定の波長、ここでは535nmにおける領域230aの屈折率nx及びnyの平均から屈折率nzを引いた値と厚さdとの積[(nx+ny)/2−nz]×dである。また、領域230bの厚さ方向リターデイションRthは、先の特定の波長における領域230bの屈折率nx及びnyの平均から屈折率nzを引いた値と厚さdとの積[(nx+ny)/2−nz]×dである。そして、領域230cの厚さ方向リターデイションRthは、先の特定の波長における領域230cの屈折率nx及びnyの平均から屈折率nzを引いた値と厚さdとの積[(nx+ny)/2−nz]×dである。なお、典型的には、領域230a乃至230cの各々において、屈折率nx及びnyはほぼ等しい。
固体化液晶層230は、厚さが不均一であってもよいが、典型的には、その全体に亘って均一な厚さを有している。この場合、固体化液晶層230の光学特性の制御が容易である。
固体化液晶層230は、パターニングされていてもよいが、典型的には連続膜である。固体化液晶層230が連続膜である場合、その製造プロセスにおいて、未重合及び未架橋のサーモトロピック液晶化合物又は組成物を除去するための現像を行う必要がない。
複屈折性層240は、固体化液晶層230を被覆している。複屈折性層240は、Z方向に対して垂直な光学軸を有している。複屈折性層240は、この光学軸に平行な第1面内方向の屈折率が、Z方向に対して垂直であり且つ第1面内方向に垂直な第2面内方向の屈折率及びZ方向の屈折率と比較してより大きい。ここでは、一例として、第1面内方向は、Y方向に対して平行であるとする。
複屈折性層240は、延伸フィルムであってもよいが、典型的には、液晶化合物又は組成物を重合及び/又は架橋させてなる。即ち、複屈折性層240は、典型的には、メソゲンの長さ方向がZ方向に対してほぼ垂直な一方向に揃ったホモジニアス配向に対応した正のAプレートである。
複屈折性層240が液晶化合物又は組成物を重合及び/又は架橋させてなる場合、複屈折性層240と固体化液晶層230との間には、配向膜が介在していてもよい。この配向膜としては、例えば、ラビング処理及び光配向処理などの配向処理を施した透明樹脂層を使用することができる。
複屈折性層240は、パターニングされていてもよいが、典型的には連続膜である。また、複屈折性層240は、典型的には、その全面に亘って均一な光学特性を有している。そして、複屈折性層240は、典型的には、その全面に亘って厚さが均一である。
配向膜260は、複屈折性層240を被覆している。配向膜260は、電圧無印加状態において、液晶層30が含んでいる液晶分子を、例えば、そのメソゲンの長さ方向の方位角がY方向に対して略平行となるように配向させる。配向膜260は、例えば、ラビング処理及び光配向処理などの配向処理を施したポリイミド膜などの透明樹脂層である。
なお、基板210とカラーフィルタ層220と固体化液晶層230と複屈折性層240とは、リターデイション基板を構成している。リターデイション基板は、他の構成要素を更に含んでいてもよい。例えば、リターデイション基板は、ブラックマトリクスを更に含んでいてもよい。或いは、リターデイション基板から、カラーフィルタ層220を省略してもよい。
アレイ基板10と対向基板20とは、枠形状の接着剤層(図示せず)を介して貼り合わされている。アレイ基板10と対向基板20と接着剤層とは、中空構造を形成している。
液晶層30は、液晶化合物又は液晶組成物からなる。この液晶化合物又は液晶組成物は、流動性を有しており、アレイ基板10と対向基板20と接着剤層とに囲まれた空間を満たしている。アレイ基板10と対向基板20と接着剤層と液晶層30とは、液晶セルを形成している。
ここでは、一例として、液晶層30が含んでいる液晶化合物は、棒状のメソゲンを含んだ誘電率異方性が正の液晶分子であり、電圧無印加時に液晶分子のメソゲンはX方向にほぼ平行に配向しているとする。また、電圧印加時には、液晶分子のメソゲンは、Z方向に対してほぼ垂直であり且つX方向に対して傾いた方向、例えば、X方向に対して+45°又は−45°の角度を成している方向に配向することとする。そして、電圧印加時における液晶セルのリターデイションは、可視光線の波長の1/2となるようにする。具体的には、電圧印加時における液晶セルのリターデイションは、例えば535nmの1/2とする。或いは、電圧印加時における液晶セルのリターデイションは、領域220aに対応した部分では領域220aが透過させる光の波長の1/2とし、領域220bに対応した部分では領域220bが透過させる光の波長の1/2とし、領域220cに対応した部分では領域220cが透過させる光の波長の1/2とする。
偏光板40は、液晶セルの両主面に貼り付けられている。これら偏光板40は、直線偏光板であり、典型的には、それらの透過軸が直交するように配置されている。ここでは、一例として、アレイ基板10に貼り付けられた偏光板40はX方向に平行な透過軸を有している直線偏光板であり、対向基板20に貼り付けられた偏光板40はY方向に平行な透過軸を有している直線偏光板であるとする。
バックライトは、アレイ基板10に貼り付けられた偏光板40を間に挟んで液晶セルと向き合っている。バックライトは、例えば、液晶セルに向けて白色光を照射する。
上述した構成は、多色画像を表示する液晶表示装置の光学補償に高い有効性を示す。これを示すシミュレーションの結果を以下に説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照しながら説明したのとほぼ同様の液晶表示装置について行ったシミュレーションの結果を例示するが、本発明はこれらに限られるものではない。
まず、このシミュレーションにおいて共通に設定した条件について説明する。
(共通条件1−偏光板)
偏光板40は、単体での波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ40.24%、43.52%及び43.95%であり、2枚を透過軸が平行となるように配置した時の波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ32.19%、37.57%及び38.28%であり、2枚を透過軸が直交するように配置した時の波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ0.015%、0.004%及び0.001%の偏光子を有していると仮定した。偏光子の両面には、光透過率が100%であって、面内の屈折率が波長によらず1.5005であり、厚さ方向の屈折率が波長によらず1.5000であり、厚さが80μmである保護層が貼り合わされているとした。これら偏光板40の分光透過特性を図3乃至図5に示す。
図3は、シミュレーションにおいて仮定した各偏光板の分光透過特性を示すグラフである。図4は、各々が図3に示す分光透過特性を有している2枚の偏光板を透過軸が平行となるように重ねてなる積層体の分光透過特性を示すグラフである。図5は、各々が図3に示す分光透過特性を有している2枚の偏光板を透過軸が垂直となるように重ねてなる積層体の分光透過特性を示すグラフである。図中、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。
(共通条件2−ガラス基板)
ガラス基板110及び210は、屈折率及び透過率はそれぞれ波長によらず1.5及び100%であると仮定した。ガラス基板110及び210の厚さは0.7mmとした。
(共通条件3−カラーフィルタ)
着色領域220aは、波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ0.4%、0.1%及び94.3%であり、C光源のもとで、色度座標x及びyがそれぞれ0.650及び0.335であり、3刺激値のYが20.1である赤色着色領域であるとした。
着色領域220bは、波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ0.2%、82.3%及び0.7%であり、C光源のもとで、色度座標x及びyがそれぞれ0.275及び0.600であり、3刺激値のYが53.7である緑色着色領域であるとした。
着色領域220cは、波長450nm、535nm及び630nmにおける透過率がそれぞれ82.4%、8.6%及び0.1%であり、C光源のもとで、色度座標x及びyがそれぞれ0.135及び0.102であり、3刺激値のYが11.6である青色着色領域であるとした。
着色領域220a乃至220cの屈折率は何れも波長によらず1.7であり、厚さは1.8μmであると仮定した。
着色領域220a乃至220cの色特性を表1に纏める。また、着色領域220a乃至220cの分光透過特性を図6乃至8に示す。
図6は、シミュレーションにおいて仮定した赤色着色領域の分光透過特性を示すグラフである。図7は、シミュレーションにおいて仮定した緑色着色領域の分光透過特性を示すグラフである。図8は、シミュレーションにおいて仮定した青色着色領域の分光透過特性を示すグラフである。図中、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。
(共通条件4−液晶層)
液晶層30は、波長450nm、535nm及び630nmにおける長軸方向、即ちメソゲンの長さ方向の屈折率がそれぞれ1.5508、1.5559及び1.5593であり、波長450nm、535nm及び630nmにおける短軸方向、即ち長軸方向と直交する方向の屈折率がそれぞれ1.4604、1.4702及び1.4768であるとした。液晶層30の厚さは3.6μmとした。X方向に対するメソゲンの長さ方向の方位角は、黒表示状態(電圧無印加状態)では0°であり、白表示状態(電圧印加状態)においては、両界面から0.2μmまでの領域では0°であり、その他の領域では45°とした。また、プレチルト角は、黒表示状態及び白表示状態の双方で1°とした。そして、透過率は波長によらず100%と仮定した。
図9に、シミュレーションにおいて仮定した液晶層の屈折率を示す。図9において、横軸は波長を示し、縦軸は屈折率を示している。また、図中、「長軸」及び「短軸」はそれぞれ長軸方向及び短軸方向の屈折率を示している。
(共通条件5−正のCプレート)
領域230a乃至230cの各々は、厚さ方向に遅相軸を有する1軸性の光学異方性素子であるとした。領域230a乃至230cの各々の波長450nm、535nm及び630nmにおける平均屈折率はそれぞれ1.6045、1.5932及び1.5831とし、波長535nmにおける複屈折率を1としたときの波長450nm及び630nmにおける複屈折率の相対値はそれぞれ1.0916及び0.9525とした。そして、領域230a乃至230cの各々の透過率は、波長によらず100%であると仮定した。
ここで、「平均屈折率」は、光学軸に平行な方向の屈折率nzと、この光学軸に対して垂直であり且つ互いに直交する2方向の屈折率nx及びnyとの平均(nx+ny+nz)/3である。また、「複屈折率」は、屈折率nzと屈折率nxとの差nz−nxである。なお、屈折率nyは、屈折率nxと等しい。
図10に、シミュレーションにおいて仮定した固体化液晶層の各領域の屈折率を示す。図11に、シミュレーションにおいて仮定した固体化液晶層の各領域の複屈折率比を示す。図10において、横軸は波長を示し、縦軸は屈折率を示している。また、図11において、横軸は波長を示し、縦軸は複屈折率比、即ち、波長535nmにおける複屈折率を1とした場合の複屈折率の相対値を示している。
(共通条件6−正のAプレート)
複屈折性層240は、面内に遅相軸を有している1軸性の光学異方性素子であるとした。複屈折性層240の光学特性は、光学軸の向きが異なること以外は固体化液晶層230と同様であるとした。
(共通条件7−表示装置の構成)
図1及び図2を参照しながら説明した液晶表示装置において、アレイ基板10に貼り付けられた偏光板40はX方向に平行な透過軸を有している直線偏光板であり、対向基板20に貼り付けられた偏光板40はY方向に平行な透過軸を有している直線偏光板であるとした。複屈折性層240は、Y方向に対して平行な遅相軸を有しているとした。そして、共通条件1乃至6において光学特性を規定したもの以外の構成要素については、その光学特性は液晶表示装置の表示特性に影響を及ぼさないこととした。
また、波長が535nmの光についての領域230bの厚さ方向リターデイションRthは−210nmとし、波長が535nmの光についての複屈折性層240の面内リターデイションReは130nmであるとした。なお、複屈折性層240の面内リターデイションReは、その遅相軸に平行な方向の屈折率nxと進相軸に平行な方向の屈折率nyとの差nx−nyと厚さdとの積(nx−ny)×dである。
<シミュレーション1>
固体化液晶層230は、その全体に亘って厚さが2.20μmであるとした。領域230aについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.667であるとした。領域230bについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.657であるとした。領域230cについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.650であるとした。
この条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、Z方向を基準とした極角が45°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ540、750、780及び550であった。また、Z方向を基準とした極角が60°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ200、200、220及び200であった。
固体化液晶層230について設定した光学特性を表2に纏める。また、シミュレーションによって得られたコントラスト比及び視野角特性を表3及び図12に示す。
図12は、シミュレーション1によって得られたコントラスト比の視野角依存性を示すグラフである。図中、実線で描いた円の外周に記載している角度は方位角を表し、円の中心からの距離は極角を表している。なお、円の中心における極角は0°であり、実線で描いた円の位置における極角は80°である。また、円内の曲線はコントラスト比が等しい座標を結ぶことにより得られたものであり、これら曲線に付している数値はコントラスト比を表している。
<シミュレーション2>
固体化液晶層230は、その全体に亘って厚さが2.45μmであるとした。領域230aについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.667であるとした。領域230bについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.650であるとした。領域230cについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.639であるとした。
この条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、Z方向を基準とした極角が45°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ780、900、940及び790であった。また、Z方向を基準とした極角が60°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ300、240、260及び300であった。
固体化液晶層230について設定した光学特性を表4に纏める。また、シミュレーションによって得られたコントラスト比及び視野角特性を表5及び図13に示す。なお、図13に示すグラフは、コントラスト比の視野角依存性を、図12に関して説明したのと同様に描いている。
<シミュレーション3>
固体化液晶層230は、その全体に亘って厚さが2.67μmであるとした。領域230cについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.667であるとした。領域230bについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.646であるとした。領域230aについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.633であるとした。
この条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、Z方向を基準とした極角が45°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ790、750、780及び790であった。また、Z方向を基準とした極角が60°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ310、210、230及び310であった。
固体化液晶層230について設定した光学特性を表6に纏める。また、シミュレーションによって得られたコントラスト比及び視野角特性を表7及び図14に示す。なお、図14に示すグラフは、コントラスト比の視野角依存性を、図12に関して説明したのと同様に描いている。
<シミュレーション4>
固体化液晶層230は、その全体に亘って厚さが2.77μmであるとした。領域230cについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.667であるとした。領域230bについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.644であるとした。領域230aについては、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.629であるとした。
この条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、Z方向を基準とした極角が45°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ670、570、600及び670であった。また、Z方向を基準とした極角が60°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ260、170、180及び260であった。
固体化液晶層230について設定した光学特性を表8に纏める。また、シミュレーションによって得られたコントラスト比及び視野角特性を表9及び図15に示す。なお、図15に示すグラフは、コントラスト比の視野角依存性を、図12に関して説明したのと同様に描いている。
<シミュレーション5>
比較のために、以下のシミュレーションを行った。即ち、固体化液晶層230は、その全体に亘って厚さが1.91μmであるとした。そして、領域230a、230b及び230cは、同一の光学特性を有していることとした。具体的には、領域230a、230b及び230cの全てについて、波長535nmにおけるZ方向の屈折率が1.667であるとした。
この条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、Z方向を基準とした極角が45°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ440、580、590及び450であった。また、Z方向を基準とした極角が60°である場合のコントラスト比は、X方向を基準とした方位角が45°、135°、225°及び315°であるときにはそれぞれ160、200、210及び160であった。
固体化液晶層230について設定した光学特性を表10に纏める。また、シミュレーションによって得られたコントラスト比及び視野角特性を表11及び図16に示す。なお、図16に示すグラフは、コントラスト比の視野角依存性を、図12に関して説明したのと同様に描いている。
<評価>
シミュレーション1乃至5において設定した厚さ方向リターデイションの比と、これらシミュレーションによって得られたコントラスト比の平均値とを表12に纏める。なお、表12において、「230a/230b」は、領域230bの厚さ方向リターデイションRthに対する領域230aの厚さ方向リターデイションRthの比を表し、「230c/230b」は、領域230bの厚さ方向リターデイションRthに対する領域230cの厚さ方向リターデイションRthの比を表している。
表12に示すように、領域230aの厚さ方向リターデイションRthを領域230bの厚さ方向リターデイションRthの約0.70乃至0.90倍とし、領域230cの厚さ方向リターデイションRthを領域230bの厚さ方向リターデイションRthの約1.15乃至1.45倍とした場合、領域230a、230b及び230cの光学特性を同一とした場合と比較して、優れた視野角特性を達成できる。即ち、シミュレーション1乃至5の結果から、図1及び図2を参照しながら説明した構成は、多色画像を表示する液晶表示装置の光学補償に高い有効性を示すことが分かる。
なお、ここには示していないが、固体化液晶層230と複屈折性層240との積層順を逆にしたこと以外はシミュレーション1乃至4について説明したのとほぼ同様の条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、固体化液晶層230と複屈折性層240との積層順を逆にすると、光学補償の効果が小さくなることが分かった。
また、ここには示していないが、複屈折性層240の光学軸をX方向に対して平行としたこと以外はシミュレーション1乃至4について説明したのとほぼ同様の条件のもとでシミュレーションを行った。その結果、複屈折性層240の光学軸の向きを変化させると、光学補償の効果が小さくなることが分かった。
次に、図1及び図2を参照しながら説明した液晶表示装置が含んでいるリターデイション基板の製造方法について説明する。
図17乃至図19は、リターデイション基板の製造方法の一例を概略的に示す断面図である。
この方法では、まず、光透過性基板210を準備する。光透過性基板210は、例えば、ガラス板又は樹脂板である。基板210は、硬質であってもよく、可撓性を有していてもよい。
基板210は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、基板210として、表面に酸化珪素層及び/又は窒化珪素層が形成されたガラス板を使用してもよい。
次に、光透過性基板210上に、カラーフィルタ層220の着色領域220a乃至220cを形成する。
着色領域220a乃至220cの各々は、透明樹脂とこれに分散させた顔料とを含んでいる着色層である。これら着色層の各々は、例えば、顔料担体とこれに分散させた顔料とを含んだ着色組成物の薄膜パターンを形成し、この薄膜パターンを硬化させることにより得られる。この薄膜パターンは、例えば、印刷法、フォトリソグラフィ法、インキジェット法、電着法又は転写法を利用して形成することができる。
この顔料としては、有機顔料及び/又は無機顔料を使用することができる。着色領域220a乃至220cの各々は、1種の有機又は無機顔料を含んでいてもよく、複数種の有機顔料及び/又は無機顔料を含んでいてもよい。
透明樹脂は、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂のように、可視光の全波長範囲、例えば400乃至700nmの全波長領域に亘って高い透過率を有している樹脂である。透明樹脂の材料としては、例えば、感光性樹脂を使用することができる。
次に、カラーフィルタ層220上に、例えば以下の方法により固体化液晶層230を形成する。
まず、図17に示すように、基板210上に、光重合性又は光架橋性のサーモトロピック液晶材料を含んだ液晶材料層230’を形成する。例えば、メソゲンMSが基板210の主面に垂直な1方向に配向した液晶材料層、即ち、メソゲンMSがホメオトロピック配向した液晶材料層を形成する。そして、この液晶材料層230’を露光プロセスと現像プロセスと定着プロセスとに供することによって、固体化液晶層230を得る。
液晶材料層230’は、例えば、基板210上に、サーモトロピック液晶化合物を含んだコーティング液を塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより得られる。液晶材料層230’では、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンMSが配向構造を形成している。
コーティング液は、サーモトロピック液晶化合物に加え、例えば、溶剤、キラル剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、増感剤、連鎖移動剤、多官能モノマー及び/又はオリゴマー、樹脂、界面活性剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤及び密着向上剤などの成分を、この液晶化合物を含んだ組成物が液晶性を失わない範囲で加えることができる。
サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレン、これらの誘導体、又はそれら化合物のアクリレートを使用することができる。
溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤、又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン及び2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系光重合開始剤;ボレート系光重合開始剤;カルバゾール系光重合開始剤;イミダゾール系光重合開始剤;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
増感剤は、例えば、光重合開始剤と共に使用することができる。増感剤としては、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどの化合物を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば多官能チオールを使用することができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物である。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
多官能モノマー及び/又はオリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、エポキシアクリレート及びエポキシメタクリレートなどのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、アクリロニトリル、又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は感光性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイミド樹脂を使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂又はフェノール樹脂を使用することができる。
感光性樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基及びエポキシ基などの反応性置換基を有するアクリル化合物、メタクリル化合物又は桂皮酸を反応させて、アクリロイル基、メタクリロイル基及びスチリル基など光架橋性基を線状高分子に導入した樹脂を使用することができる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物及びα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル化合物又はメタクリル化合物によりハーフエステル化した樹脂も使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩及びそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン及びアルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、スチレン化フェノール、スチレン化p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−1−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、1−オキシ−3−メチル−イソプロピルベンゼン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ポリブチル化ビスフェノールA、ビスフェノールA、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テレフタロイルージ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルスルフィド)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、トルエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ヘキサメチレングリコール−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリン)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジエチルエステル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス〔β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル〕イソシアヌレート、2,4,6−トリブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)−ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール及びビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイドなどのフェノール系禁止剤;N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物及びジアリール−p−フェニレンジアミンなどのアミン系禁止剤;ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプロピオネート及び2−メルカプトベンズイミダノールなどの硫黄系禁止剤;ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系禁止剤;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド;ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸及びシュウ酸などの有機酸;そのメチルエーテル;t−ブチルピロカテコール;テトラエチルホスフィン及びテトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン;亜リン酸塩;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
密着向上剤としては、例えば、シランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン及びビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類及びメタクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
コーティング液の塗布には、例えば、スピンコート法;スリットコート法;凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、反転印刷及びグラビア印刷などの印刷法;これらの印刷法にオフセット方式を組み合わせた方法;インキジェット法;又はバーコート法を利用することができる。
液晶材料層230’は、例えば、均一な厚さを有している連続膜として形成する。上述した方法によれば、塗布面が十分に平坦である限り、液晶材料層230’を均一な厚さを有している連続膜として形成することができる。
コーティング液の塗布に先立って、カラーフィルタ層220上に、液晶化合物の配向を規制する配向膜、具体的には垂直配向膜を形成してもよい。この配向膜は、例えば、カラーフィルタ層220上にポリイミドなどの透明樹脂層を形成することにより得られる。
次に、露光プロセスを行う。即ち、図17に示すように、液晶材料層230’の複数の領域に、異なる露光量で光Lを照射する。例えば、液晶材料層230’のうち領域230aに対応した領域230a’には、最大の露光量で光を照射する。液晶材料層230’のうち領域230bに対応した領域230b’には、領域230a’と比較してより小さな露光量で光Lを照射する。液晶材料層230’のうち領域230cに対応した領域230c’には、領域230b’と比較してより小さな露光量で光Lを照射する。これにより、液晶材料層230’の光Lを照射した部分で、メソゲンMSが形成している配向構造を維持させたまま、サーモトロピック液晶化合物の重合又は架橋を生じさせる。
サーモトロピック液晶化合物の重合又は架橋生成物では、そのメソゲンMSは固定化されている。露光量が最大の領域では、サーモトロピック液晶化合物の重合又は架橋生成物の含有率が最も高く、未重合及び未架橋のサーモトロピック液晶化合物の含有率が最も小さい。そして、露光量が小さくなるほど、重合又は架橋生成物の含有率はより低くなり、未重合及び未架橋のサーモトロピック液晶化合物の含有率はより高くなる。
従って、露光量がより大きな領域では、メソゲンMSはより高い割合で固定化され、露光量がより小さな領域では、メソゲンMSはより低い割合で固定化される。
露光プロセスに使用する光Lは、紫外線、可視光線及び赤外線などの電磁波である。電磁波の代わりに、電子線を使用してもよい。それらの1つのみを使用してもよく、それらの2つ以上を使用してもよい。
露光プロセスは、上述した不均一な重合又は架橋を生じさせることができれば、どのような方法で行ってもよい。例えば、この露光プロセスでは、フォトマスクを用いた露光を複数回行ってもよい。或いは、この露光プロセスでは、ハーフトーンマスク、グレイトーンマスク又は波長制限マスクを用いた露光を行ってもよい。或いは、フォトマスクを使用する代わりに、電子ビームなどの放射線又は光束を液晶材料層230’上で走査させてもよい。或いは、これらを組み合わせてもよい。
露光プロセスを終了した後、現像プロセスを行う。即ち、液晶材料層230’を、サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱する。未反応化合物であるサーモトロピック液晶化合物のメソゲンMSは固定化されていない。それゆえ、液晶材料層230’を相転移温度以上に加熱すると、図18に示すように、未反応化合物のメソゲンMSの配向の程度が低下する。例えば、未反応化合物のメソゲンMSは、液晶相から等方相へと変化する。他方、サーモトロピック液晶化合物の重合又は架橋生成物では、メソゲンMSは固定化されている。
従って、露光プロセスにおける露光量がより小さな領域では、露光プロセスにおける露光量がより大きな領域と比較してメソゲンMSの配向の程度がより低くなる。
その後、未反応化合物のメソゲンMSについて配向の程度を低下させたまま、以下に説明する定着プロセスを行う。即ち、未反応化合物のメソゲンMSについて配向の程度を低下させたまま、未反応化合物を重合及び/又は架橋させる。
例えば、未反応化合物のメソゲンMSについて配向の程度を低下させたまま、液晶化合物層130’を露光する。即ち、サーモトロピック液晶化合物が等方相から液晶相へと変化する相転移温度よりも高い温度に液晶化合物層130’を維持したまま、液晶化合物層130’の全体に光を照射して、未反応化合物の重合及び/又は架橋を誘起する。例えば、液晶化合物層130’に、未反応化合物のほぼ全てが重合及び/又は架橋反応を生じるのに十分な露光量で光を照射する。これにより、未反応化合物の重合又は架橋を生じさせ、配向の程度を低下させたメソゲンを固定化する。以上のようにして、固体化液晶層230を得る。
なお、或る液晶化合物は、等方相から液晶相へと変化する第1相転移温度が、液晶相から等方相へと変化する第2相転移温度と比較してより低い。それゆえ、特定の場合には、定着プロセスにおける液晶化合物層130’の温度は、現像プロセスの加熱温度と比較してより低くてもよい。但し、通常は、簡便性の観点で、定着プロセスにおける液晶化合物層130’の温度は、第1相転移温度以上とする。
定着プロセスにおいて利用する光としては、光Lについて説明したのと同様のものを使用することができる。これら光は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
定着プロセスでは、液晶化合物層130’の全体に亘って露光量が等しくてもよい。この場合、微細なパターンが設けられたフォトマスクを使用する必要がない。従って、この場合、プロセスを簡略化することができる。
或いは、定着プロセスは、露光プロセスにおける露光量と定着プロセスにおける露光量との和である合計露光量が領域130a’乃至130c’間で等しくなるように行ってもよい。例えば、領域130a’の合計露光量が領域130c’の合計露光量と比較して著しく大きい場合、領域130a’及び/又は着色層120aが不所望なダメージを受ける可能性がある。合計露光量を領域130a’乃至130c’間で等しくすると、そのようなダメージを防止できる。
未反応化合物の重合及び/又は架橋は、他の方法で行ってもよい。
例えば、未反応化合物、即ちサーモトロピック液晶化合物が第1相転移温度よりも高い重合及び/又は架橋温度に加熱することによって重合及び/又は架橋する材料である場合、定着プロセスにおいて、露光の代わりに、熱処理を行ってもよい。具体的には、露光の代わりに、液晶材料層230’を重合及び/又は架橋温度以上に加熱して、未反応化合物を重合及び/又は架橋させる。これにより、固体化液晶層230を得る。なお、現像プロセスにおける加熱温度は、例えば、第1相転移温度以上であり且つ重合及び/又は架橋温度未満とする。
或いは、現像プロセスの後に、熱処理と露光とを順次行ってもよい。或いは、現像プロセスの後に、露光と熱処理とを順次行ってもよい。或いは、現像プロセスの後に、熱処理プロセスと露光と熱処理とを順次行ってもよい。このように定着プロセスにおいて露光と熱処理とを組み合わせると、未反応化合物の重合及び/又は架橋をより確実に進行させることができる。それゆえ、より強固な固体化液晶層230を得ることができる。
未反応化合物が或る温度に加熱することによって重合及び/又は架橋する材料である場合、現像プロセスにおける加熱温度は、それが重合及び/又は架橋する温度以上であってもよい。但し、この場合、配向の程度の低下と重合及び/又は架橋とが同時に進行する。そのため、製造条件が固体化液晶層230の光学特性に及ぼす影響が比較的大きい。
次に、図19に示すように、固体化液晶層230上に複屈折性層240を形成する。複屈折性層240は、例えば、以下の方法により形成することができる。
まず、重合性又は架橋性の液晶材料を含んだ液晶材料層を形成する。例えば、メソゲンが基板210の主面に平行な1方向に配向した液晶材料層を形成する。メソゲンを所定の方向に配向させるために、固体化液晶層230にラビング処理などの配向処理を施してもよく、ラビング処理及び光配向処理などの配向処理を施した配向膜を固体化液晶層230上に形成してもよい。この液晶材料としては、例えば、液晶材料層230’について例示したサーモトロピック液晶材料を使用することができる。また、この液晶材料として、他の重合性又は架橋性液晶材料を使用してもよい。
次に、この液晶材料を重合又は架橋させることによって、複屈折性層240を得る。液晶材料は、例えば、定着プロセスについて例示した方法によって重合又は架橋させることができる。
ところで、この方法では、現像液を用いる現像プロセスは行わず、熱処理を利用した現像プロセスを行う。即ち、この方法では、液晶材料層230’のパターニングは行わない。それゆえ、全体に亘って厚さが均一な固体化液晶層230を容易に得ることができる。
また、ウェットプロセスの条件、特には現像液を使用する現像プロセスの条件を厳密に管理することは難しく、それら条件が最終製品の光学特性に与える影響は極めて大きい。それゆえ、ウェットプロセスを含んだ方法によると、光学的特性の目標値からのずれを生じ易い。
これに対し、先の方法によると、露光プロセス及びそれよりも後にウェットプロセスは行わない。それゆえ、この方法によると、ウェットプロセスに起因して光学特性が目標値からずれるのを防止できる。
なお、ここでは、IPS方式の液晶表示装置について説明したが、上述した技術は、他の表示方式の液晶表示装置に適用することも可能である。例えば、先の技術は、FFS方式の液晶表示装置に適用してもよい。
10…アレイ基板、20…対向基板、30…液晶層、40…偏光板、110…基板、120a…ゲート、120b…共通電極、130…絶縁層、140…半導体層、150a…信号線、150b1…画素電極、150b2…画素電極、160…配向膜、210…基板、220…カラーフィルタ層、230…固体化液晶層、220a…着色領域、220b…着色領域、220c…着色領域、230…液晶材料層、230a…領域、230a’…領域、230b…領域、230b’…領域、230c…領域、230c’…領域、240…複屈折性層、260…配向膜。