JP2014026098A - 位相差素子の製造方法および位相差素子 - Google Patents

位相差素子の製造方法および位相差素子 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示装置用位相差素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光透過性の基材11上に固体化液晶層12を形成した位相差素子10の製造方法において、基材上に、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶化合物を含み、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンが配向構造をなしている液晶材料層を形成する成膜工程と、液晶材料層に所定の量の光を照射する第1の露光工程と、液晶材料層の位相差を測定する検査工程と、液晶材料層に、検査工程で得られた位相差値に応じて調整された量の光を照射する第2の露光工程と、を少なくとも具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は位相差素子の製造方法、並びに当該製造方法により得られる位相差素子、特に画像表示装置に適用可能な位相差素子に関する。
位相差素子は延伸フィルムあるいは重合性の液晶を塗布されたもの等がある。後者の場合、パターニングすることが可能であり、観察者が偏光メガネを用いて観賞する3D画像表示装置などに適用できる(特許文献1参照)。
しかし、液晶層の膜厚が面内でばらつきがあると、位相差の面内ばらつきが生じ、光漏れによる色ムラが発生する。そのため、液晶の膜厚制御は数ナノメートルオーダーで行うことが必須であるが、既存の塗工方法では、塗布ムラや塗工後のレベリング不良によるムラを防ぐことは極めて難しい。
特許第3796414号公報
本発明の課題は、位相差の面内ばらつきが小さい位相差素子を安定的に製造する方法であり、優れた表示性能を有する位相差素子を実現することにある。
本発明に係る位相差素子の製造方法は、光透過性の基材上に固体化液晶層を形成することを含み、前記固体化液晶層の形成は、前記基材上に、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶化合物を含み、前記サーモトロピック液晶化合物のメソゲンが配向構造をなしている液晶材料層を形成する成膜工程と、前記液晶材料層に所定の量の光を照射する第1の露光工程と、前記液晶材料層の位相差を測定する検査工程と、前記液晶材料層に、前記検査工程で得られた位相差値に応じて調整された量の光を照射する第2の露光工程と、を少なくとも具備することを特徴とする。
また、前記基材にはプラスチックフィルムを用いて、長尺状の前記基材を連続して搬送し、前記成膜工程から前記第2の露光工程までを一括で行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、光源の放射輝度を増減させることで行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記光源は、前記長尺状の基材の流れと垂直方向に複数設け、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数の光源の放射輝度を独立して増減させ、必要に応じて同一時点でそれぞれ異なる放射輝度とすることで行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記光源は、前記長尺状の基材の流れ方向に複数設け、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数の光源のうち少なくとも1つについて放射輝度を増減させることで行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、光源と前記液晶材料層の間に設けたシャッターの開度の変更によって行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記シャッターは、前記長尺状の基材の流れと垂直方向に複数設け、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数のシャッターの開度を独立して変更し、必要に応じて同一時点それぞれ異なる開度とすることで行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記シャッターは、前記長尺状の基材の流れ方向に1つ以上設け、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数のシャッターの開度を独立して変更し、必要に応じて同一時点それぞれ異なる開度とすることで行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記照射する光の量の調整は、前記光源または複数の光源の放射輝度を増減させることと、前記シャッターまたは複数のシャッターの開度を変更することを組み合わせて行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記基材にはプラスチック基板あるいはガラス基板を用いて、枚葉状の前記基材を順に流し、前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記液晶材料層への光の照射時間の変更によって行なうことを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、前記成膜工程と前記第1の露光工程の間に、前記液晶材料層を加熱する乾燥工程を具備することを特徴とする位相差素子の製造方法である。
また、本発明に係る位相差素子は、視差に対応した複数の画像を領域毎に生成する画像表示部と鑑賞者の間に配置され、前記各領域からそれぞれ発した光の偏光状態を制御する位相差素子であって、光透過性の基材と、所定の光学異方性を有する1以上の領域を有する固体化液晶層を含み、前記固体化液晶層の前記領域のうち少なくとも1つの領域は、場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されていることを特徴とする。
また、前記固体化液晶層は、所定の光学異方性を有する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる光学異方性を有する第2の領域を少なくとも有し、前記第1の領域と第2の領域はそれぞれ共に、場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る位相差素子は、視差に対応した複数の画像を領域毎に生成する画像表示部と鑑賞者の間に配置され、前記各領域からそれぞれ発した光の偏光状態を制御する位相差素子であって、光透過性の基材と、所定の光学異方性を有する1以上の領域を有する固体化液晶層を含み、前記固体化液晶層の前記領域のうち少なくとも1つの領域は、上述の位相差素子の製造方法により、前記固体化液晶層の所定領域ごとの複屈折率を調整することで位相差のばらつきを膜厚のばらつきで生じると予想される値よりも小さく形成したことを特徴とする。
また、前記固体化液晶層は、所定の光学異方性を有する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる光学異方性を有する第2の領域を少なくとも有し、前記第1の領域と第2の領域はそれぞれ共に、上述の位相差素子の製造方法により、前記固体化液晶層の所定領域ごとの複屈折率を調整することで位相差のばらつきを膜厚のばらつきで生じると予想される値よりも小さく形成したことを特徴とする。
塗工ムラにより発生した位相差ばらつきに関して、第1の露光工程の後、検査工程で得られた位相差値に応じて、第2の露光工程を行うことで低減することができ、優れた光学性能を有する画像表示装置が実現される。また数ナノメートルオーダーの膜厚制御不可であるために、これまで使用できなかった塗工方法についても、本発明を用いることで使用可能な塗工方法の種類が増え、選択肢が増える。
さらに、塗工液による基材溶出が原因で生じる位相差ばらつきに関して、第1の露光工程の後、検査工程で得られた位相差値に応じて、第2の露光工程を行うことで低減することができ、優れた光学性能を有する画像表示装置が実現される。
本発明の一態様に係る位相差素子の断面図である。 位相差素子の一例を示す図である。 本発明の一態様に係る位相差素子の製造方法の概略図である。 第2の露光工程の第1実施形態の概略図である。 第2の露光工程の第2実施形態の概略図である。 第2の露光工程の第3実施形態の概略図である。 第2の露光工程の第3実施形態の概略図である。 第2の露光工程の第4実施形態の概略図である。 第2の露光工程の第5実施形態の概略図である。 実施例で使用する液晶材料の光量と位相差の関係データである。 実施例における検査測定点を示す概略図である。 実施例1の結果である。 比較例の結果である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一態様に係る位相差素子の断面図であり、位相差素子10は光透過性の基材11と固体化液晶層12で構成される。光透過性の基材11と固体化液晶層12の間に配向膜を設けても良い。
光透過性の基材11は、例えばプラスチックフィルムやガラスである。固体化液晶層12は光透過性の基材11上に形成されており、1以上の所定の光学異方性を有している領域を含み、場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されている。
また、図2のように光学異方性を有する領域は2つ以上あってもよく、光学異方性を有する第1の領域12aと、第1の領域12aとは異なる光学異方性を有する第2の領域12bを有する。例えば代表的なものとしては、第1の領域12aと第2の領域12bを交互に設けたストライプパターンがあり、これらについても場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されている。
本発明に係る製造方法について説明する。
固体化液晶層12を形成する際、膜厚制御は数ナノメートルオーダーで行うことが必須であるが、既存の塗工方法では、塗布ムラや塗工後のレベリング不良によるムラを防ぐことは極めて難しい。固体化液晶層12の膜厚が面内でばらつきがあると、位相差の面内ばらつきが生じ、光漏れによる色ムラが発生する。
また、プラスチックフィルムを基材として位相差素子を製造すると、基材の溶出により複屈折率が低下するという現象が発生し、これによっても位相差の面内ばらつきが生じる。
位相差素子10の位相差は、固体化液晶層12の複屈折率と膜厚の積で表される。したがって位相差素子10の面内の各領域において、複屈折率と膜厚のうちのどちらか一方または両方がばらつくことにより、位相差の面内ばらつきが発生するということになる。
このような問題に対して、本発明者らは鋭意検討した結果、次のような知見を得た。すなわち、固体化液晶層12を形成するに当たって、予め露光(第1の露光)が行われた領域に対して、追加で露光(第2の露光)を行った場合、第1の露光を行った際の複屈折率よりも低い複屈折率が得られるという現象を見出した。
この現象を用いると、第1の露光後、検査工程により各箇所の位相差を測定し、目標とする位相差の値より高い位相差の値となっている箇所に対してそれぞれ所定値の第2の露光を行うことで、複屈折率を下げて位相差を下げることができる。
この方法により、固体化液晶層12の膜厚がばらついている場合でも、複屈折率を調整して、位相差の面内ばらつきを小さくすることができる。こうすることにより、位相差の面内ばらつきを、複屈折率一定の場合に膜厚のばらつきで生じると予想される値よりも小さくなるようにすることができる。
また、固体化液晶層12の複屈折率と膜厚の両方がばらついているために位相差の面内ばらつきが生じている場合も、目標とする位相差の値となるように露光量を決めて第2の露光を行うので、位相差の面内ばらつきを小さくすることができる。
以下、図3乃至図9を参照しながら位相差素子10の製造方法について説明する。
図3は、本発明の一態様に係る位相差素子の製造方法の概略図である。
図3に示すように位相差素子10の製造方法は、サーモトロピック液晶化合物を、配向規制力を持つ光透過性の基材11上に塗布して光学異方性を持つ液晶材料層を形成する成膜工程30、第1の露光工程41、位相差を測定する検査工程50、第2の露光工程42を少なくとも具備する。
成膜工程30について説明する。
まず、光透過性の基材11を準備する。光透過性の基材11は、柔軟性を有する長尺状のプラスチックフィルム、枚葉のプラスチック基板、ガラス基板である。柔軟性を有する長尺状のプラスチックフィルム、枚葉のプラスチック基板は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、環状ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリエチレンテレフタラート等を使用することができる。ガラス板は、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラスまたは無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスを使用することができる。
次に、光透過性の基材11上に、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶材料を含んだ液晶材料層を形成する。例えば、メソゲンが光透過性の基材11の主面に平行な一方向に配向した液晶材料層を形成する。そして、この液晶材料層を熱処理および後に説明する露光処理によって、固体化液晶層12を得る。
液晶材料層は、例えば、光透過性の基材11上に、サーモトロピック液晶化合物を含んだコーティング液を塗布し、必要に応じて塗膜を加熱乾燥させることにより得られる。液晶材料層では、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンが配向構造を形成している。
コーティング液は、サーモトロピック液晶化合物に加え、例えば、溶剤、キラル剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、増感剤、連鎖移動剤、多官能モノマーおよび/またはオリゴマー、樹脂、界面活性剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤および密着向上剤などの成分を、この液晶化合物を含んだ組成物が液晶性を失わない範囲で加えることができる。
サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレン、これらの誘導体、またはそれら化合物のアクリレートを使用することができる。
溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−プロポキシー2−プロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよびベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノンおよび4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンおよび2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンおよび2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系光重合開始剤;ボレート系光重合開始剤;カルバゾール系光重合開始剤;イミダゾール系光重合開始剤;またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
増感剤は、例えば、光重合開始剤とともに使用することができる。増感剤としては、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンおよび4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどの化合物を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば多官能チオールを使用することができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物である。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
多官能モノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、エポキシアクリレートおよびエポキシメタクリレートなどのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、アクリロニトリル、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイミド樹脂を使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂またはフェノール樹脂を使用することができる。
感光性樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基およびアミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基およびエポキシ基などの反応性置換基を有するアクリル化合物、メタクリル化合物または桂皮酸を反応させて、アクリロイル基、メタクリロイル基およびスチリル基など光架橋性基を線状高分子に導入した樹脂を使用することができる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物およびα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル化合物またはメタクリル化合物によりハーフエステル化した樹脂も使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートおよびポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩およびそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタインおよびアルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、スチレン化フェノール、スチレン化p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−1−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、1−オキシ−3−メチル−イソプロピルベンゼン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ポリブチル化ビスフェノールA、ビスフェノールA、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テレフタロイルージ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルスルフィド)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、トルエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ヘキサメチレングリコール−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリン)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジエチルエステル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス〔β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル〕イソシアヌレート、2,4,6−トリブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)−ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノールおよびビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイドなどのフェノール系禁止剤;N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物およびジアリール−p−フェニレンジアミンなどのアミン系禁止剤;ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプロピオネートおよび2−メルカプトベンズイミダノールなどの硫黄系禁止剤;ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系禁止剤;またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド;ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸およびシュウ酸などの有機酸;そのメチルエーテル;t−ブチルピロカテコール;テトラエチルホスフィンおよびテトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン;亜リン酸塩;またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
密着向上剤としては、例えば、シランカップリング剤を使用することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類およびメタクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン;またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
コーティング液の塗布には、例えば、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット法、バーコート法、また凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷法や、およびこれらを組み合わせた方法を利用することができる。
コーティング液の塗布に先立って、光透過性の基材11の表面に、配向処理を施してもよい。あるいは、コーティング液の塗布に先立って、光透過性の基材11上に、液晶化合物の配向を規制する配向膜を形成してもよい。この配向膜は、例えば、光透過性の基材11上にポリイミドなどの透明樹脂層を形成し、この透明樹脂層にラビングなどの配向処理を施すことにより得られる。この配向膜は、光配向技術を利用して形成してもよい。
また、所定の光学異方性を有する領域を1以上有する固体化液晶層12を有する場合は、フォトマスクを用いて配向膜や液晶の露光を行い、光学異方性を有する領域を複数設けたり、パターニングをしたりすることができる。フォトマスクとしては、二値(バイナリ)マスクの他に、ハーフトーンマスクやグレイトーンマスク等特殊なものを用いることができる。
加熱乾燥を必要とするコーティング液の塗工の際は、第1の露光工程の前に加熱乾燥工程を行う。
続いて、第1の露光工程41を行う。
光源43の放射輝度は、予め得られている所望の位相差を呈する光量より、一定量小さくなるよう基材11の搬送速度を考慮して決定する。一定量とは、所望の位相差を呈する光量を照射した際に発生する位相差の面内ばらつきにおける目標値との最大差分、位相差値が大きくなるよう調整する光量である。従って、予め光量と位相差の関係性および塗工・露光装置の位相差制御能力を把握しておく準備が必要である。
また、反対に、光量が大きくなるに従い、位相差が大きくなる液晶材料を用いる際においても、同様に第1露光工程41を所望の位相差を呈する光量より、一定量小さくなるよう基材11の搬送速度を考慮して光源43の放射輝度を決定する。また、用いる液晶材料によっては、光量が大きくなる過程で位相差が最大値もしくは最小値を持つ性質のものもあるが、第2の露光工程の追加露光で所望の位相差を得られるよう、放射輝度を設定する。また、光量と位相差の関係は液晶材料のみにより決定するものではなく、用いる基材11や配向膜、サーモトロピック液晶化合物を含んだコーティング液の組成、およびその組み合わせによっても異なる。
続いて、液晶材料層の検査工程50を行う。第1の露光工程後の液晶材料層の位相差を、基材11が長尺状の場合は基材の流れ方向について連続的に、枚葉状の場合は、液晶材料層の面内の所定箇所の位相差が測定できれば、任意の測定順番で行ってよい。例えば基材の設置流れ方向について連続的に測定を行う、もしくは基材の設置流れに垂直方向に連続的に測定を行う、あるいは基材を一旦取り出して別の場所で位相差測定を行い、第2の露光工程を続けても良い。基材の流れと垂直方向を複数点同時に測定可能な測定装置で、流れ方向について連続的に測定を行うとなお良い。
続いて、第2の露光工程42を行う。
第2の露光工程42については、図4乃至9を用いて詳細を説明する。
<第1実施形態>
図4は、第2の露光工程42の第1実施形態の概略図であり、(A)が断面図、Bが平面図(但し、下から見た図)である。
本形態の第2の露光工程42は、図3に示した製造方法において、光透過性の基材11として長尺状のプラスチックフィルムを用い、第2の露光工程において照射する光量の調整が検査工程50で得られた位相差値に応じて、光源44の放射輝度を増減する方法である。
検査工程50で得られた位相差値をもとに、所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮して、光源44の放射輝度を決定する。
なお、第1の露光工程41および第2の露光工程42に使用する光は、紫外線、可視光線および赤外線などの電磁波である。電磁波の代わりに、電子線を使用してもよい。それらの1つのみを使用してもよく、それらの2つ以上を使用してもよい。
第1の露光工程41および第2の露光工程42は、それぞれ所望の領域に光を照射できるのであれば、どのような方法で行なってもよい。また、全面領域照射やフォトマスクの使用、電子ビームなどの放射線または光束を液晶材料層上で走査させてもよい。あるいは、これらを組み合わせてもよい。
<第2実施形態>
図5は、第2の露光工程42の第2実施形態の概略図であり、(A)が断面図、Bが平面図(但し、下から見た図)である。
本形態の第2の露光工程42は、図4に示した製造方法において、第2の露光工程にて照射する光量の調整が、検査工程で得られた位相差値に応じて、基材の流れと垂直方向に複数設けられた光源の放射輝度を増減する方法である。
検査工程で得られたそれぞれの箇所における位相差値をもとに、それぞれの箇所が所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮して、それぞれ光源44の放射輝度を独立に決定する。
<第3実施形態>
図6および図7は、第2の露光工程42の第3実施形態の製造方法の概略図であり、(A)が断面図、Bが平面図(但し、下から見た図)である。
本形態の第2の露光工程42は、図4に示した製造方法において、第2の露光工程にて照射する光量の調整が、検査工程で得られた位相差値に応じて基材の流れ方向に複数設けられた光源の放射輝度を増減する方法である。この時図6のように基材の流れと垂直方向の光源は1つでもよいし、図7のように複数でも良い。
検査工程で位相差値をもとに、所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮して、それぞれ光源44の放射輝度を独立に決定する。必要に応じて同一時点それぞれ異なる放射輝度とする。
<第4実施形態>
図8は、第2の露光工程42の第4実施形態の製造方法の概略図であり、(A)が断面図、Bが平面図(但し、下から見た図)である。
本形態の第2の露光工程42は、図1に示した製造方法において、第2の露光工程にて照射する光量の調整が、検査工程50で得られた位相差値に応じて、光源44と液晶材料の間に設けたシャッター61の開度を調整する方法である。
検査工程50で得られたそれぞれの箇所における位相差値をもとに、所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮してシャッター61の開度を独立に決定する。必要に応じて同一時点それぞれ異なる開度とする。
またここで表しているシャッター61は、開度により光が透過する面積を調整するものに限らず、波長制限フィルターや減光フィルターの設置も含む。
<第5実施形態>
図9は、第2の露光工程42の第5実施形態の製造方法の概略図であり、(A)が断面図、Bが平面図(但し、下から見た図)である。
本形態の第2の露光工程42は、図1に示した製造方法において、第2の露光工程42にて照射する光量の調整が、検査工程50で得られた位相差値に応じて、基材の流れ方向と垂直方向の光源及び基材の流れ方向の光源の放射輝度を増減することと、光源44と液晶材料の間に設けたシャッター61の開度を調整することとを組み合わせて行う方法である。
検査工程50で得られたそれぞれの箇所における位相差値をもとに、所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮して、それぞれの光源44の放射輝度及びシャッター61の開度を独立に決定する。必要に応じて同一時点それぞれ異なる光源の放射輝度およびシャッターの開度とする。
この際、同一の光源の放射輝度は一連の工程において増減させず、シャッターの開度で照射光量を調整するのがより良い。光源の放射輝度は変更、または一度0にすると安定するまでに時間がかかるため、より厳密な照射量制御が難しくなるためである。
<第6実施形態>
図1に示した製造方法において、光透過性の基材11として枚葉状のプラスチック基板、あるいはガラス基板を用い、第2の露光工程42において照射する光量の調整が検査工程で得られた位相差値に応じて、照射時間を増減する方法である。
検査工程で得られた位相差値をもとに、所望の位相差が得られるように、光量を決定し、基材の搬送速度を考慮して、それぞれの箇所における照射時間を決定する。
以下、本発明の実施の形態について具体的な例を挙げて記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明で用いる材料は光に対して極めて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行なうことは言うまでもない。
<実施例1>
本発明の位相差素子の製造方法における第2の露光工程の第6実施形態の構成を用いた場合の具体的な実施例を以下で説明する。
(配向膜の形成)
乾燥膜厚が0.05μmになるように、配向膜材料(日産化学工業株式会社製「SE−1410」)をガラス基板上にスピンコーターで塗布した。塗膜は、ホットプレート上90℃で1分間加熱乾燥させた後、クリーンオーブン中230℃で40分間焼成して硬化させた。硬化された膜に対し一定方向にラビング処理を施すことにより、配向能を有する基板を得た。
(液晶成膜工程)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合し、0.6μmのフィルターで濾過して液晶組成物を調製した。得られた液晶組成物を、前述の基板の配向膜の上に、スピンコーターで乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布し、ホットプレートにて115℃で2分間加熱乾燥して液晶材料層を形成した。
水平配向重合性液晶 19.5質量部
(BASFジャパン株式会社製「Paliocolor LC−242」)
光重合開始剤 0.5質量部
(BASFジャパン株式会社製「イルガキュアーOXE01」)
界面活性剤 0.7質量部
(ビックケミー社製「BYK330」3%シクロヘキサノン溶液)
シクロヘキサノン 79.3質量部
(第1の露光工程)
超高圧水銀灯を用いて、液晶材料層全領域を紫外線で露光した。目標とする位相差は測定波長550nmで135nm、塗工・露光装置の位相差制御能力が±3nm、本液晶材料について光量と位相差の関係性について図10のデータが得られていることより、第1の露光工程では目標とする位相差138nmとし、紫外線の照射量は500mJ/cm2とした。
(検査工程)
ガラス基板上に、図11に示すような領域1〜9を3×3のマトリックス状に設定した。大塚電子製「高速リタデーション測定装置RE−100」にて、測定波長550nmでの位相差プロファイルを、各領域1〜9について測定した結果を、図12の(A)検査工程測定値に示す。この時点では最大4.9nmのばらつきがあることがわかる。
(第2の露光工程)
図12(A)検査工程で測定された位相差値をもとに、各領域1〜9について所望の位相差が得られる最適な光量を設定し、放射輝度と照射時間を決定し、露光を行った。図12の(B)第2の露光照射量は、各領域1〜9の露光照射量を示したものである。
この後、位相差素子の各領域1〜9の位相差プロファイルを前記の検査工程と同様に測定した結果を、図12の(C)作製素子測定値に示す。この時点で、目標とする位相差値=135.0nmとの差は−0.6〜0.3nmであり、各領域のばらつきは最大0.9nmとなっていることがわかる。
<比較例>
実験例1と同様の手法により、ガラス基板上に配向膜形成及び液晶成膜工程を行い、目標とする位相差は測定波長550nmで135nmであることから、1200mJ/cm2の一括露光を行った。その後、実施例と同様の9個の領域をガラス基板上に設定し、実施例1での検査工程と同様にして位相差プロファイルを測定した結果を図13に示す。
比較例においては、目標とする位相差値=135.0nmとの差は−2.3〜2.8nmであり、各領域のばらつきは最大5.1nmとなっていることがわかる。
<結果>
実施例1および比較例により得られた位相差素子の各領域に対し、測定波長550nmにて面内位相差を測定した結果は、図12(C)および図13に示した通りである。
比較例の位相差素子は、位相差値が目標とする位相差値=135nmよりも最大2.8nm離れているものがあり、また最大値と最小値の差は5.1nmである。
実施例1の位相差素子に関しては、目標とする位相差値=135nmとの差は最大0.6nmであり、最大値と最小値の差は0.9nmとなった。
したがって、実施例1は比較例と比べ、位相差の制御を精密に行うことができたことがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、優れた表示性能を有する画像表示装置が得られる位相差基板を製造する方法が得られる。さらなる利益および変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。したがって、添付の請求の範囲およびその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意または範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
10 位相差素子
11 光透過性の基材
12 固体化液晶層
12a 第1の領域
12b 第2の領域
30 塗工工程
41 第1の露光工程
42 第2の露光工程
43 第1の露光装置光源
44 第2の露光装置光源
50 検査工程
61 シャッター

Claims (15)

  1. 光透過性の基材上に固体化液晶層を形成することを含み、前記固体化液晶層の形成は、
    前記基材上に、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶化合物を含み、前記サーモトロピック液晶化合物のメソゲンが配向構造をなしている液晶材料層を形成する成膜工程と、
    前記液晶材料層に所定の量の光を照射する第1の露光工程と、
    前記液晶材料層の位相差を測定する検査工程と、
    前記液晶材料層に、前記検査工程で得られた位相差値に応じて調整された量の光を照射する第2の露光工程と、
    を少なくとも具備することを特徴とする位相差素子の製造方法。
  2. 前記基材にはプラスチックフィルムを用いて、
    長尺状の前記基材を連続して搬送し、前記成膜工程から前記第2の露光工程までを一括で行なうことを特徴とする請求項1に記載の位相差素子の製造方法。
  3. 前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、光源の放射輝度を増減させることで行なうことを特徴とする請求項2に記載の位相差素子の製造方法。
  4. 前記光源は、前記長尺状の基材の流れと垂直方向に複数設け、
    前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数の光源の放射輝度を独立して増減させ、必要に応じて同一時点でそれぞれ異なる放射輝度とすることで行なうことを特徴とする請求項3に記載の位相差素子の製造方法。
  5. 前記光源は、前記長尺状の基材の流れ方向に複数設け、
    前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数の光源のうち少なくとも1つについて放射輝度を増減させることで行なうことを特徴とする請求項3に記載の位相差素子の製造方法。
  6. 前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、光源と前記液晶材料層の間に設けたシャッターの開度の変更によって行なうことを特徴とする請求項2に記載の位相差素子の製造方法。
  7. 前記シャッターは、前記長尺状の基材の流れと垂直方向に複数設け、
    前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数のシャッターの開度を独立して変更し、必要に応じて同一時点それぞれ異なる開度とすることで行なうことを特徴とする請求項6に記載の位相差素子の製造方法。
  8. 前記シャッターは、前記長尺状の基材の流れ方向に1つ以上設け、
    前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記複数のシャッターの開度を独立して変更し、必要に応じて同一時点それぞれ異なる開度とすることで行なうことを特徴とする請求項6に記載の位相差素子の製造方法。
  9. 前記照射する光の量の調整は、前記光源または複数の光源の放射輝度を増減させることと、前記シャッターまたは複数のシャッターの開度を変更することを組み合わせて行なうことを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の位相差素子の製造方法。
  10. 前記基材にはプラスチック基板あるいはガラス基板を用いて、
    枚葉状の前記基材を順に流し、
    前記第2の露光工程において、照射する光の量の調整は、前記液晶材料層への光の放射輝度または/および照射時間の調整によって行なうことを特徴とする請求項1に記載の位相差素子の製造方法。
  11. 前記成膜工程と前記第1の露光工程の間に、前記液晶材料層を加熱する乾燥工程を具備することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の位相差素子の製造方法。
  12. 視差に対応した複数の画像を領域毎に生成する画像表示部と鑑賞者の間に配置され、前記各領域からそれぞれ発した光の偏光状態を制御する位相差素子であって、
    光透過性の基材と、
    所定の光学異方性を有する1以上の領域を有する固体化液晶層を含み、
    前記固体化液晶層の前記領域のうち少なくとも1つの領域は、場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されていることを特徴とする位相差素子。
  13. 前記固体化液晶層は、所定の光学異方性を有する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる光学異方性を有する第2の領域を少なくとも有し、
    前記第1の領域と第2の領域はそれぞれ共に、場所によって複屈折率が異なることに起因して、位相差のばらつきが膜厚のばらつきより小さく形成されていることを特徴とする請求項12に記載の位相差素子。
  14. 視差に対応した複数の画像を領域毎に生成する画像表示部と鑑賞者の間に配置され、前記各領域からそれぞれ発した光の偏光状態を制御する位相差素子であって、
    光透過性の基材と、
    所定の光学異方性を有する1以上の領域を有する固体化液晶層を含み、
    前記固体化液晶層の前記領域のうち少なくとも1つの領域は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位相差素子の製造方法により、前記固体化液晶層の所定領域ごとの複屈折率を調整することで位相差のばらつきを膜厚のばらつきで生じると予想される値よりも小さく形成したことを特徴とする位相差素子。
  15. 前記固体化液晶層は、所定の光学異方性を有する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる光学異方性を有する第2の領域を少なくとも有し、
    前記第1の領域と第2の領域はそれぞれ共に、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位相差素子の製造方法により、前記固体化液晶層の所定領域ごとの複屈折率を調整することで位相差のばらつきを膜厚のばらつきで生じると予想される値よりも小さく形成したことを特徴とする請求項14に記載の位相差素子。
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