JP2010224247A - 位相差板とその製造方法、およびそれを用いた偏光板と液晶表示装置 - Google Patents

位相差板とその製造方法、およびそれを用いた偏光板と液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーフィルタによる多色表示の際に生じた位相差ズレを解消し、液晶表示装置の視野角特性を効果的に補償できる位相差板とその製造方法、およびそれを用いた偏光板、および液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光透過性支持体上に、配向能を有しn>n=nを満たす第一の光学異方性層と、前記第一の光学異方性層上にn≧n>nを満たす第二の光学異方性層が積層したことを特徴とする位相差板である。
ただし、n、nおよびnはそれぞれ前記光学異方性層の層面内における最大屈折率、同一層面内において該最大屈折率を与える方向と垂直方向における屈折率、および層厚み方向における屈折率を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置の視野角特性を効果的に補償する位相差板とその製造方法、およびそれを用いた偏光板と液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置(以下LCDと称す)は省スペース性、軽量性、省電力性はもとより、近年の各要素技術の発展がもたらした画質の向上により、携帯電話、携帯用情報端末(PDA)、カーナビゲーション、PC用モニタ、大画面TVなど様々なディスプレイ用途に応用されている。それに伴い、正面コントラスト特性や視野角特性など、要求品質が年々高まりを見せている。
ところで液晶表示装置は、液晶パネルや偏光板が本質的に持つ視野角依存性により、斜めからの視認性が悪い。そのため、全方位での視認性を高める目的で位相差板が適用されることが多い。これらの位相差板に求められる光学異方性の種類や大きさは、補償する対象が液晶パネルか偏光板か、また対称が液晶パネルの場合には補償する液晶モードによって異なり、多岐にわたる。
特に透過型VAモードにおいては、面内方向の主屈折率nおよびn、厚み方向の主屈折率nがn=n>nなる関係を満たすネガティブCプレートと、n>n=nなる関係を満たすポジティブAプレートの2種類の位相差板を用いることで、効果的に視野角が補償されることが知られている。また、近年ではこれら2種類の光学特性を1枚で実現する2軸性位相差板が開発され(特許文献1)、歩留まり低下やコストパフォーマンスの面で優位性を持つため多用されている。
これらの2軸性位相差板として、樹脂フィルムを延伸配向させることで複屈折性を発現させるもの、また近年のパネルの薄型化要求に応えるため、複屈折率の大きな液晶材料を用いた2軸性位相差板(特許文献2)などが開発されている。
しかしながら、これらの2軸性位相差板を用いた光学補償にも問題点がある。1つは、2軸性位相差板1枚で、所望の面内位相差Re=(n−n)×dおよび厚み方向位相差Rth={(n+n)/2−n}×dを同時に発現させることが困難な点である。例えば、厚み方向位相差Rthの要求値を実現した場合、面内位相差Reが所望の値より不足あるいは過剰になってしまう。そのため、LCDを高度に光学補償するためには、位相差板を複数枚組み合わせる必要があり、歩留まり低下やコストアップにつながる。
2つ目の点として、カラーフィルタを用いた多色表示を行なう場合、RGB各画素に求められる位相差が異なることである。例えば、面内位相差Reの要求値が1/4λとした場合、中心波長が650nmのときにはRe=163nm、中心波長550nmでRe=138nm、中心波長450nmでRe=113nmとなる。しかし、実際に用いられている位相差板は正の波長分散、つまり短波長ほど位相差が大きくなる傾向のものが多い。その結果、全ての波長領域で完全な光学補償効果は得られていない。
このような問題を解決するために、位相差板の波長分散をほぼゼロする方法(特許文献3)や、負の波長分散を持つ2軸性位相差板(特許文献4)などが知られているが、いずれもRGB各画素に最適な位相差値を発現するには至っていない。
また、RGB各画素上に対応する領域に異なる位相差を持たせる方法が提案されている(特許文献5)。しかし、この方法によるとRGB各画素上に対応する領域に異なる温度領域を設ける、あるいは薬液を塗布することで位相差材料の配向の程度を部分的に変更しており、複雑かつ精密な製造プロセスを必要とすることから歩留まり低下につながりかねない。
特開平11−95208公報 特願2007−519648号公報 特開2004−37837号公報 特開2006−291192号公報 特開平8−334619公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、幅広い位相差領域を発現することができ、液晶表示装置の多色表示によって生じる位相差波長分散の問題も解消し、効果的に視野角補償をすることできる位相差板、およびその位相差板を簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のとおりのものである。
[手段1]
光透過性支持体上に、配向能を有しn>n=nを満たす第一の光学異方性層と、前記第一の光学異方性層上にn≧n>nを満たす第二の光学異方性層が積層したことを特徴とする位相差板。
ただし、n、nおよびnはそれぞれ前記光学異方性層の面内における最大屈折率、同一面内において該最大屈折率を与える方向と垂直方向における屈折率、および厚み方向における屈折率を示す。
[手段2]
前記第一の光学異方性層は、直線偏光あるいは/および楕円偏光の照射で光学的に変性したことに起因して配向能および光学異方性を発現する感光性ポリマーであることを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段3]
前記第一の光学異方性層において層膜厚をdとしたときに、Re=(n−n)×dで与えられる面内位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段4]
手段3記載の第一の光学異方性層において、前記層膜厚dが全ての面内において均一であることを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段5]
前記第二の光学異方性層が光によって重合されうる棒状液晶化合物を含み、該棒状液晶化合物が厚み方向を螺旋軸とするコレステリック配向した状態で架橋されており、n=n>nなる屈折率異方性を示すことを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段6]
手段5記載の第二の光学異方性層に、Rth={(n+n)/2−n}×dで与えられる厚み方向位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段7]
前記第二の光学異方性層が光によって重合されうる棒状液晶化合物を含み、該棒状液晶化合物が厚み方向を螺旋軸とする、不均一な螺旋状のねじれ配向した状態で架橋されており、n>n>nなる屈折率異方性を示すことを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段8]
手段7記載の第二の光学異方性層において面内位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段9]
手段7記載の第二の光学異方性層において厚み方向位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段10]
手段7記載の第二の光学異方性層において、Nz=(n−n)/(n−n)で与えられるNz係数が、同一面内で異なる領域のパターンを有することを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段11]
手段5〜10記載の第二の光学異方性層において層膜厚dが、同一面内で均一であることを特徴とする手段1記載の位相差板。
[手段12]
手段1記載の光透過性支持体が、カラーフィルタ層を含むカラーフィルタ基板であることを特徴とする位相差板。
[手段13]
光透過性支持体上に、
(a)直線偏光あるいは楕円偏光の照射で光学的に変性したことに起因して配向能および光学異方性を発現する感光性ポリマーを、均一な膜厚で塗布する工程と、
(b)前記感光性ポリマーに直線偏光あるいは楕円偏光を照射する工程と、
を含むことを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
[手段14]
手段13記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
[手段15]
手段13記載の(b)工程後に、配向能および光学異方性の発現を促進させるため、加熱を行なうことを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
[手段16]
前記第一の光学異方性層上に、
(a)光により重合されうる棒状液晶化合物を含む溶液を均一な膜厚で塗布し、該棒状液晶化合物がコレステリック配向を形成する工程と、
(b)前記基板に光照射することによって、棒状液晶化合物を架橋させる工程と、
(c)前記基板を棒状液晶化合物の等方相転移温度以上に加熱する工程と、
(d)前記棒状液晶化合物のうち、光によって架橋されなかった成分を硬化する工程、
を含むことを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段17]
手段16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の非偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段18]
手段16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段19]
手段16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光と非偏光を組み合わせた光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段20]
手段16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照度の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段21]
手段16記載の(b)工程において、領域毎に異なる消光比の直線偏光あるいは異なる楕円率の楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段22]
手段16記載の(d)工程において、前記棒状液晶化合物のうち光によって架橋されなかった成分を硬化する工程を、該棒状液晶化合物の等方相層転移温度以上であってかつ架橋がなされる以上の温度に加熱する工程、としたことを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段23]
前記(d)工程において、前記棒状液晶化合物のうち光によって架橋されなかった成分を硬化する工程を、該棒状液晶化合物が等方相に保たれる以上の温度に維持したまま全面光照射する工程、としたことを特徴とする位相差板の製造方法。
[手段24]
手段1記載の光透過性支持体が、カラーフィルタ層を含むカラーフィルタ基板であることを特徴とする位相差板。
[手段25]
手段1〜11のいずれか1に記載の位相差板を偏光膜の片側あるいは両側に貼り合わせた偏光板。
[手段26]
手段1〜11のいずれか1に記載の位相差板を光学補償板として使用した液晶表示装置。
[手段27]
手段12に記載の位相差基板をカラーフィルタとして用いた液晶表示装置。
[手段28]
手段25に記載の偏光板を用いた液晶表示装置。
本発明によると、幅広い範囲の面内および厚み方向位相差を1枚で発現することができ、液晶表示装置の多色表示によって生じる位相差波長分散の問題も解消し効果的に視野角補償をすることできる位相差板、およびその位相差板を簡便かつ安価に製造する方法を提供することができた。
本発明の一形態に係る位相差板を概略的に示す斜視図。 図1に示す位相差板のxz平面における断面図。 第一の光学異方性層の形成方法の一例を概略的に示す断面図。 第一の光学異方性層の形成方法の一例を概略的に示す断面図。 第二の光学異方性層の形成方法の一例を概略的に示す断面図。 第二の光学異方性層の形成方法の一例を概略的に示す断面図。 第二の光学異方性層の形成方法の他の例を概略的に示す断面図。 第二の光学異方性層の形成方法の他の例を概略的に示す断面図。 一変形例に係る位相差板を概略的に示す断面図。
本発明の位相差板の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明一形態の斜視図である。図2は図1に示す位相差板のxz方向の断面図である。
本位相差板は、光透過性支持体110上に、面内の2方向の屈折率をnおよびn、厚み方向の屈折率をnとしたときに、配向能を有しn>n=nを満たす第一の光学異方性層120と、前記第一の光学異方性層上にn≧n>nを満たす第二の光学異方性層130が積層している。
光透過性支持体110としては、ガラス、プラスチック、フィルム基材などの透明基材を用いることができる。また、上記のような全透過基材だけでなく、カラーフィルタ基板を基材として用いることも可能である。また、基材として光学的に等方である必要はなく、例えばポリカーボネート系樹脂などを延伸配向させた位相差フィルムを用いることもできる。
第一の光学異方性層120は、配向層かつ位相差層であり、光透過性支持体110上に形成されている。第一の光学異方性層120は連続膜であり、光透過性支持体110上の一主面、xy平面の全体を被覆している。
第一の光学異方性層120は、xy平面に平行な方向に並んだ3つ以上の領域を含んでいる。具体的には、領域120a乃至120cを含んでいる。領域120a乃至120cは、z方向に垂直方向に隣り合っており、同一の厚みを有している。
領域120a乃至120cでは、xy平面に平行方向に配向規制力を有する。xy平面内における配向規制力の方向は、3つの領域で全て異なっていても構わないが、同一方向であるほうが好ましい。
さらに、領域120a乃至120cでは、xy平面において複屈折性を有しており、面内位相差Reが互いに異なっている。ここで面内位相差Re[nm]とは、xy面内で最大となる方向の屈折率をn、n方向とは垂直方向における屈折率をn、第一の光学異方性層120の厚みをd[μm]としたときに、下式で表される。
Re=(n−n)×d×1000
最大屈折率を示すn方向は、全ての領域において配向規制力の方向と同一方向となる。
領域120a乃至120cは、例えばアゾベンゼン誘導体のような偏光誘起配向型の化合物からなる。偏光誘起配向型の化合物に直線偏光あるいは楕円偏光を照射すると、偏光方向とは垂直あるいは平行方向にその配向方向をそろえた分子数が増加する特徴を有する。この状態に液晶分子を積層すると、偏光誘起配向型の化合物の配向した分子数の多い方向に液晶が配向する。
さらに、偏光誘起配向型の化合物は、分子自身に屈折率異方性を有する。そのため、偏光誘起配向型の化合物が配向した分子数の多い方向に最大屈折率を有する。
領域120a乃至120cにおける面内位相差の相違は、xy平面内の一方向に偏光誘起配向型の化合物が配向した分子数の違いに起因して生じる。例えば、xy平面内の一方向に配向した偏光誘起配向型の化合物が多い領域では、大きな面内位相差が発生する。一方、配向した分子数の少ない領域では、生じる面内位相差は小さい。
このように、領域120a乃至120cは、xy平面内の一方向に配向した偏光誘起配向型の化合物の分子数が異なっている。つまり、第一の光学異方性層における領域ごとの位相差の差異は、主として複屈折率の差異により生じているため、各領域の厚みを変える必要がない。領域120a乃至120cの厚さを互いに異ならしめてもよいが、領域120a乃至120cの厚さを互いに等しくすることによって、第一の光学異方性層120の形成を容易にすることができる。
第二の光学異方性層130は、位相差層であり、第一の光学異方性層上に形成されている。第二の光学異方性層130は連続膜であり、第一の光学異方性層上の一主面、xy平面の全体を被覆している。
第二の光学異方性層130は、xy平面に平行な方向に並んだ3つ以上の領域を含んでいる。具体的には、領域130a乃至130cを含んでいる。領域130a乃至130cは、z方向に垂直方向に隣り合っており、同一の厚みを有している。
領域130a乃至130cは、それぞれ第一の光学異方性層の領域120a乃至120cと向き合っている。領域130a乃至130cは、それぞれ、120a乃至120cとほぼ等しい。
領域130a乃至130cは、サーモトロピック液晶化合物LC又は組成物が、厚み方向を螺旋軸とするねじれ構造を形成した状態を重合させてなる。第一の光学異方性層との界面において、領域130a乃至130cにおけるサーモトロピック液晶化合物LCは、領域120a乃至120cの配向規制力の影響を受け、高度な螺旋状のねじれ配向を形成している。
領域130a乃至130cは、複屈折性を有しており、面内位相差Re、厚み方向位相差Rth、あるいはNz係数が互いに異なっている。ここで面内位相差Rth[nm]とは、xy面内で最大となる方向の屈折率をn、n方向とは垂直方向における屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、第二の光学異方性層130の厚みをd[μm]としたときに、下式で表される。
Rth={(n+n)−n}×d×1000
また、Nz係数は
Nz=(n−n)/(n−n)=Rth/Re+1/2
である。
領域130aと領域130bの間では、面内位相差ReおよびNz係数の大きさが異なっている。これらの相違は、サーモトロピック液晶化合物が形成するらせん状のねじれ構造の不均一性に起因して生じる。
例えば、サーモトロピック液晶LCが均一ならせん状のねじれ構造を有している領域では、面内位相差Reはほぼゼロである。それに対し、らせん状のねじれ構造が不均一になり、xy平面内においてサーモトロピック液晶LCの密度の高い配向方向が生じた場合、面内位相差が発生する。この不均一性が高い領域では面内位相差Reが大きくなり、低い領域では小さな面内Reが生じる。
それに対し、厚み方向位相差Rthはらせん状のねじれ構造が均一、不均一、あるいは不均一さの程度によらず一定値となる。そのため、Nz係数はらせん状のねじれ構造の不均一性が大きい領域では小さく、不均一性が小さい領域では大きくなり、さらに均一な領域では無限大となる。
具体的には、領域130aでは面内位相差Reがゼロになる。領域130bではx方向に面内位相差Reが発生する。このらせん状のねじれ構造の不均一性の程度により、領域130aから領域130bの間の面内位相差を発現させることもできる。
また、領域130aではNz係数は無限大になる。領域130bではNz係数はある有限な値を示す。Nz係数はらせん状のねじれ構造の不均一性の程度により、領域130aから領域130bの間の値を発現させることができる。
領域130aと領域130cの間では、面内位相差Rthの値が異なっている。この相違は、サーモトロピック液晶LCの配向の程度が、領域毎に異なって重合されていることに起因して生じる。例えば、サーモトロピック液晶LCの配向の程度が高い領域では、厚み方向位相差Rthが大きくなる。一方、配向の程度の低い領域では厚み方向位相差が小さくなる。
ここで、「配向の程度」とは、面内方向に隣り合った領域それぞれにおけるサーモトロピク液晶LCの配向の状態を意味する。サーモトロピック液晶LCの配向の状態は、その領域の全体にわたって一定であってもよく、z方向に沿って変化していてもよい。例えば、ある領域においては、上面付近はより配向のそろった状態であり、下面付近はより配向が乱された状態であってもよい。この場合、「配向の程度」とは、厚み方向の平均を示す。
具体的には、領域130aではサーモトロピック液晶LCの配向の程度が高く、厚み方向位相差Rthが大きくなる。一方、領域130cでは、サーモトロピック液晶LCの配向の程度が低く、厚み方向位相差Rthが小さくなる。発現できるRthの範囲は、この図2に例示したものに限らず、配向の程度によって厚み方向位相差Rthがゼロになる領域を形成することもできる。
図2に例示してはいないが、らせん状のねじれ構造の不均一性の程度と配向の程度が同時に異なる領域を形成することも、当然可能である。
また、各領域のうち少なくとも1つは、面内のうち最も屈折率が高くなる軸の方向が、他の領域と異なっていてもよい。例えば、領域130aでは面内のうち最も屈折率が高くなる軸の方向をx方向とし、領域130bでは面内のうち最も屈折率が高くなる軸の方向をy方向とすることができる。
このように、領域130a乃至130cは、サーモトロピック液晶LCが形成するらせん状のねじれ構造の不均一性、あるいは配向の程度が互いに異なっている。つまり、第二の光学異方性層130における領域毎の位相差あるいはNz係数の差異は、主として複屈折率の差異により生じている。よって、領域130a乃至130cにおける位相差あるいはNz係数を異ならしめるために、各領域の厚さを変える必要がない。場合によっては、領域130a乃至130cの厚さを互いに異ならしめてもよいが、領域130a乃至130cの厚さを互いに等しくすることによって、第二の光学異方性層130の形成を容易にすることができる。
上述したように、第一の光学異方性層120における領域120a乃至120c、および第二の光学異方性層130における領域130a乃至130cの厚さを互いに等しくしても良いので、第一の光学異方性層120および第二の光学異方性層130は連続膜として形成することもできる。これによって、より簡便な工程で第一の光学異方性層120および第二の光学異方性層130を形成することが可能になる。
次に、この第一の光学異方性層120および第二の光学異方性層130の材料および製造方法の一例を説明する。
基材110は、典型的にはガラス板、樹脂板などの光透過性基板である。ガラス板の材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラスまたは無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスを使用することができる。樹脂板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルまたはポリエチレンテレフタレートを使用することができる。
基材110は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、位相差板10が液晶表示装置の一部分である場合、基材10として赤、緑、および青の透明着色層を含んだカラーフィルタ基板を用いてもよい。
基材110は、プラスチックフィルムなどの光透過性フィルムまたはプラスチックシートなどの光透過性シートであってもよい。材料としては、例えば、ポリカーボネート系、ポリビニルアルコール系、ポリエーテルスルホン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリイミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルホン系、ポリアリレート系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリスチレン系、ポリアクリル系、脂環式オレフィンポリマー系などの樹脂フィルムが挙げられる。
基材110は、光学的に等方性であってもよく、光学異方性を有していてもよい。例えば、上記の樹脂フィルムを延伸配向させ、複屈折性を持たせたものを用いてもよい。
次に第一の光学異方性層120の形成方法について説明する。
図3および図4は、第一の光学異方性層の形成方法の一例の概略図である。
第一の光学異方性層120は、基材110上に偏光誘起配向型の化合物を含んだ配向層120′を形成し、この配向層120′にパターン露光を施すことによって得る。
第一の光学異方性層120′は、例えば、基板110上に、偏光誘起配向型化合物AZを含んだコーティング液を塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより得られる。このとき、配向層120′では、偏光誘起配向型化合物があらゆる方向に配向した状態にある。
このコーティング液には、必要に応じて、例えば、溶剤、光重合開始剤、多官能モノマー及び/またはオリゴマー、樹脂、界面活性剤、貯蔵安定剤および密着性向上剤などの成分を加えることができる。
偏光誘起配向型化合物AZとしては、例えば以下の化学式で表されるアゾベンゼン誘導体が挙げられる。
Figure 2010224247
また、共役エノン構造、けい皮酸誘導体構造、スチルベン誘導体構造、ベンゾフェノン誘導体構造、シンナモイル構造などに挙げられる光架橋性基を有する直鎖状ポリマーを用いることもできる。
あるいは、以下の化学式に例示したような化合物を側鎖に有する液晶性高分子を用いることができる。
Figure 2010224247
上記の偏光誘起型化合物AZに必須の特徴として、ある一方向の直線偏光のみを吸収する二色性を有すること、直線偏光を吸収して光学的に変性すること、構成分子が複屈折性を有することが必要である。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール等のジオール系溶剤、テトラヒドロフラン、2−メトキシエターノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテル系溶剤、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
コーティング液の塗布には、例えば、スピンコート法;スリットコート法;凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、反転印刷及びグラビア印刷などの印刷法;これらの印刷法にオフセット方式を組み合わせた方法;インキジェット法;又はバーコート法を利用することができる。
配向層120′は、例えば、均一な厚さを有している連続膜として形成する。上述した方法によれば、塗布面が十分に平坦である限り、配向層120′を均一な厚さを有している連続膜として形成することができる。
配向層120′に露光工程を施すことで、第一の光学異方性層120を得る。すなわち、図3に示すように、配向層120′の複数の領域にパターン露光を行なう。パターン露光光Lは直線偏光あるいは楕円偏光を用いることができるが、直線偏光の方が望ましい。パターン露光光Lの露光量は、領域ごとに異なっていてもよいし、同じでもよい。
配向層120′に直線偏光を照射すると、偏光軸に対し平行方向の偏光誘起配向型化合物AZのみが偏光を吸収し、光学的に変性する。一方向に配向した化合物のみが光学的に変性することで、第一の光学異方性層120に異方性を生じる。ここで、第一の光学異方性層120における異方性とは、面内における配向規制力および複屈折性である。
例えば、前記(1)に示したアゾベンゼン誘導体からなる配向層120′の場合、配向層120′に直線偏光を照射すると、偏光軸に対して平行方向を向いているアゾベンゼン誘導体のみが偏光を吸収する。アゾベンゼン誘導体は偏光を吸収することで光異性化反応を生じ、最終的にアゾベンゼン誘導体は偏光軸に対し垂直方向に配向する。継続して偏光光を照射していくと、次第に偏光軸に垂直方向に配向したアゾベンゼン誘導体の量が増えていく。結果として、第一の光学異方性層120は、偏光軸に垂直方向に平行配向規制力、および偏光軸に対して垂直方向を遅相軸とする面内位相差を有する。
したがって、配向層120′に照射する偏光光の露光量が多ければ、より配向規制力、および面内位相差が大きくなり、配向層120′に照射する偏光光の露光量が少なければ、より配向規制力、および面内位相差が小さくなる。
例えば、配向層120′のうち領域120aに対応した領域120a′には、光Lとして十分な露光量で、かつ全ての領域の中で最も大きな露光量の直線偏光を照射する。配向層120′のうちの領域120cに対応した領域120c′には、光Lとして十分な露光量で、かつ全ての領域の中で小さな露光量で直線偏光を照射する。配向層120′のうちの領域120bに対応した領域120b′には、光Lとして十分な露光量で、中間の露光量で直線偏光を照射する。
この結果、第一の光学異方性層120の各領域において、配向規制力、および面内位相差は、以下の関係になる。
領域120a > 領域120b > 領域120c
図3および図4の説明は、偏光誘起配向型化合物としてアゾベンゼン誘導体を用いたため、配高規制力、および面内位相差の遅相軸が直線偏光の偏光軸に対して、垂直方向に生じたが、偏光誘起型化合物の種類によっては、偏光軸に対して平行方向に生じる場合もある。いずれの場合においても、直線偏光の偏光軸に応じた方向に生じるため、偏光軸の方向を定めてしまえば、配高規制力、および面内位相差の遅相軸は常に同一方向に生じる。
露光工程に使用する光は、紫外線、可視光線及び赤外線などの電磁波である。電磁波の代わりに、電子線を使用してもよい。それらの1つのみを光Lとして使用してもよく、それらの2つ以上を光Lとして使用してもよい。
上述したように不均一に偏光誘起させることができれば、露光工程は、どのような方法で行なってもよい。
例えば、この露光工程は、或るフォトマスクを用いた露光と、それとは遮光層のパターンが異なるフォトマスクを用いた露光とを含んでいてもよい。例えば、あるフォトマスクを用いて、光Lとして最大の露光量の直線偏光を領域120a’に、最小の露光量の直線偏光を領域120c′に照射し、別のフォトマスクを用いて、光Lとして中間の露光量の直線偏光を領域120b’のみに照射する。
あるいは、この露光工程は、或るフォトマスクを使用した領域120a′の露光と、それと同一のフォトマスクを使用した領域120b′の露光とを含んでいてもよい。この場合、例えば、或るフォトマスクを使用して領域120a′に最大の露光量の直線偏光を光Lとして照射する。そのフォトマスクを使用して、領域120c′に最小の露光量の直線偏光を光Lとして、領域120b′に中間の露光量の直線偏光を照射する。
あるいは、フォトマスクを使用する代わりに、電子ビームなどの放射線又は光束を液晶材料層120′上で走査させてもよい。
あるいは、上述した記述を組み合わせてもよい。
配向層120′に照射する直線偏光の十分な露光量の値は、第一の光学異方性層に十分な配向規制力が生じる露光量であり、偏光誘起配向型化合物AZの種類と量、その他添加剤の有無および種類と量、照射する光の種類と強度などに応じて大きく異なるので、一概に述べることはできないが、典型的には50mJ/cm以上である。
また、直線偏光の照射を行なった後に、偏光誘起配向型化合物AZの配向を促進させるために、加熱工程を行なってもよい。
次に第二の光学異方性層130の形成方法について説明する。
図5および図6は、第二の光学異方性層の形成方法の一例を概略的に示す断面図である。
第二の光学異方性層130は、第一の光学異方性上120に光重合性のサーモトロピック液晶材料を含んだ液晶材料層130′を形成し、この液晶材料層130′にパターン露光と熱処理を施すことによって得る。
液晶材料層130′は、第一の光学異方性層上に、例えばサーモトロピック液晶化合物、カイラル剤、および光重合開始材を含んだコーティング液を塗布し、必要に応じてサーモトロピック液晶の配向促進のための加熱工程を施すことで得られる。液晶材料層130′では、サーモトロピック液晶化合物LCが厚さ方向を螺旋軸とする均一な螺旋状のねじれ構造、つまりコレステリック配向構造を形成している。
このコーティング液は、上記の成分に加え、例えば、溶剤、熱重合開始剤、増感剤、連鎖移動剤、多官能モノマー及び/またはオリゴマー、樹脂、界面活性剤、貯蔵安定剤及び密着性向上剤などの成分を、この液晶化合物を含んだ組成物が液焼成を失わない範囲で加えることができる。
サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサノン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレン、これらの誘導体、またはそれら化合物のアクリレートを使用することができる。
キラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物が挙げられる。キラル剤は、ネマチック液晶性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック液晶性に、螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。この目的が達成されれば、キラル剤の種類は特に限定されない。ネマチック液焼成を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、当該重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できる任意の化合物を、キラル剤として用いることができる。
液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるので、キラル剤は少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。したがって、ここで用いられるキラル剤としては、例えば、1つあるいは2つ以上の不正炭素を有する化合物、キラルなアミンやスルフォキシなどのようにヘテロ原子上に不斉点を有する化合物、あるいはクムレンやビナフトールなどの軸不斉を持つ光学活性な部位を有する化合物が好ましい。具体的には、市販のキラルネマチック液晶、例えばPaliocolor LC756(BASF社製)、キラルドーパント液晶S−811(Merck社製)等が挙げられる。
なお、本発明の第二の光学異方性層130は、可視光領域において透明度が高いことが求められる。そのため、キラル剤は、液晶材料層130′の選択反射の波長が400nm程度以下になるほど、螺旋ピッチが短くなるような量で添加される必要がある。キラル剤の具体的な添加量は、用いるサーモトロピック液晶の弾性定数あるいはキラル剤のねじれ誘起力等によっても異なるが、例えばサーモトロピック液晶化合物に対して3〜50重量%とすることができる。
光重合開始剤としては、第二の光学異方性層130において、サーモトロピック液晶化合物による螺旋状のねじれ構造が不均一な領域も形成したい場合と、均一な領域のみでよい場合で異なる。
第二の光学異方性層130において、サーモトロピック液晶化合物による螺旋状のねじれ構造が不均一な領域も形成したい場合には、二色性の光重合開始剤が用いられ、例えば下記化学式で表されるビフェニルシクロヘキサン誘導体が挙げられる。
Figure 2010224247

一方、第二の光学異方性層130において、サーモトロピック液晶化合物による螺旋状のねじれ構造が均一な領域のみでよい場合には、以下に挙げるもの使用可能である。例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩及びそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン及びアルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤;又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤、又はそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
上述したようなサーモトロピック液晶化合物、キラル剤、光重合開始剤、及び必要に応じて他の添加剤を含有するコーティング液を用いて、第二の光学異方性層130が形成される。キラル剤は、その螺旋構造の誘起力にもよるが、サーモトロピック液晶化合物に対して2重量部乃至30重量部程度の量で含有されていれば、その効果を得ることができる。また、二色性の光重合開始剤は、サーモトロピック液晶化合物及びキラル剤の合計量に対して0.1重量部乃至20重量部の量で含有させることが好ましい。二色性の光重合開始剤の量が0.1重量部未満の場合には十分な感光性を得られず、露光工程において必要なだけの重合生成物を得ることができなくなる。一方、光重合開始剤の量が20重量部を越えて多量に含有されると、感光性が高くなりすぎて露光工程において未反応化合物を残留させることができなくなる。また、光重合開始剤が不純物として作用し、サーモトロピック液晶化合物のネマチック液晶性を著しく乱してしまう可能性がある。
コーティング液の塗布には、例えば、スピンコート法;スリットコート法;凸版印刷、スクリーン印刷、平版印刷、反転印刷及びグラビア印刷などの印刷法;これらの印刷法にオフセット方式を組み合わせた方法;インキジェット法;又はバーコート法を利用することができる。
液晶材料層130′は、例えば、均一な厚さを有している連続膜として形成する。上述した方法によれば、塗布面が十分に平坦である限り、液晶材料層130′を均一な厚さを有している連続膜として形成することができる。
続いて、露光工程の説明に入る。以下に、まず第二の光学異方性層130において、サーモトロピック液晶化合物による螺旋状のねじれ構造が不均一な領域も形成したい場合、つまり二色性の光重合開始剤を用いた場合の露光工程について説明する。
液晶材料層130′においては、サーモトロピック液晶化合物とともに、二色性の光重合開始剤もコレステリック構造に配向している。したがって、この状態に偏光照射を行なうと、重合の初期段階として、まず偏光軸に平行配向していたサーモトロピック液晶化合物のみが重合を生じる。続いて重合の第二段階として、偏光軸に対して平行配向に近く、かつ重合されなかったサーモトロピック液晶化合物が、偏光軸に平行に配向方向を変え重合を始める。この重合の第二段階が進行するにつれ、コレステリック配向が乱れ、偏光軸に平行配向しているサーモトロピック液晶の割合が多い不均一な螺旋状のねじれ構造が形成される。
一方、液晶材料層130′に非偏向照射を行なと、コレステリック配向構造を維持したまま、サーモトロピック液晶化合物を重合させることができる。
したがって、液晶材料層130′非偏光照射及び偏光照射を行なうことによって、サーモトロピック液晶化合物が形成する螺旋状のねじれ構造を、所望の不均一性ならびに所望の割合で重合させることができる。
サーモトロピック液晶化合物、キラル剤、及び二色性の光重合開始剤を含有する液晶材料層130′に対しては、第一露光工程を行なう。すなわち、図5に示すように、液晶材料層130′の複数の領域にパターン露光を行なう。パターン露光光L1は、直線偏光と非偏向並行光との組み合わせによって構成され、それぞれの露光量は領域毎に異なってもよく、同じでもよい。直線偏光及び非偏向並行光のいずれが先に照射されてもよいが、直線偏光を先に照射する方が好ましい。また、一部の領域に照射される光L1は、いずれか一方のみの光とすることができ、いずれの照射も行なわれない領域が存在してもよい。
例えば、液晶材料層130のうち領域130aに対応した領域130a′には、光L1として十分な露光量で非偏向並行光のみを照射する。液晶材料層130′のうちの領域130bに対応した領域130b′には、光L1として十分な露光量で直線偏光を照射する。液晶材料層130′のうちの領域130cに対応した領域130c′には、光L1として不十分な露光量で非偏光並行光のみを照射する。液晶材料層130′のうちの領域130dに対応した領域130d′には、光L1として十分な露光量で直線偏光を照射する。
液晶材料層の領域130a′乃至130d′においては、照射された光L1の種類及び露光量に応じて、コレステリック配向状態を形成していたサーモトロピック液晶化合物の重合が生じる。サーモトロピック液晶化合物の重合生成物では、そのサーモトロピック液晶性基は流動性を失わず、その後の工程においても配向の変化を生じ難くなる。
例えば、光L1として十分な露光量の非偏向並行光のみが照射された領域130a′では、サーモトロピック液晶性基のコレステリック配向状態は概ね維持されたまま固定化される。領域130a′では、未重合サーモトロピック液晶化合物がほとんど存在しない。
光L1として十分な露光量の直線偏光のみが照射された領域130b′では、偏光軸に応じた面内で特定の方位に配向し、重合されたサーモトロピック液晶化合物の割合が増加し、不均一な螺旋状のねじれ構造が固定化される。領域130b′では、偏光軸に垂直配向しており、かつ未重合サーモトロピック液晶化合物はほとんど存在しない。
光L1として不十分な露光量の非偏向並行光のみが照射された領域130c′では、コレステリック配向を形成している一部のサーモトロピック液晶化合物のみしか重合されない。領域130c′では、領域a′と比較して、未重合のサーモトロピック液晶化合物が多く存在し、重合されたサーモトロピック液晶化合物とともに、コレステリック配向を形成している。
光L1として不十分な露光量の直線偏光のみが照射された領域130d′では、偏光軸に応じた面内で特定の方位に配向し、重合されたサーモトロピック液晶化合物の割合が増加し、不均一な螺旋状のねじれ構造が固定化される。領域130d′では、領域b′と比較して、偏光軸に平行配向し重合されたサーモトロピック液晶の割合が少なく、偏光軸に垂直配向しており、かつ未重合サーモトロピック液晶化合物の割合が多く存在する。
第1露光工程に使用する光は、紫外線、可視光線及び赤外線などの電磁波である。電磁波の代わりに、電子線を使用してもよい。それらの1つのみを光L1として使用してもよく、それらの2つ以上を光L1として使用してもよい。
上述したように不均一に重合させることができれば、第1露光工程は、どのような方法で行なってもよい。
例えば、この露光工程は、或るフォトマスクを用いた露光と、それとは遮光層のパターンが異なるフォトマスクを用いた露光とを含んでいてもよい。例えば、あるフォトマスクを用いて、光L1として最大の露光量の非偏向並行光を領域130a’のみに照射し、別のフォトマスクを用いて、光L1として最大の露光量の直線偏光を領域130b’のみに照射する。
あるいは、この露光工程は、或るフォトマスクを使用した領域130a′の露光と、それと同一のフォトマスクを使用した領域130b′の露光とを含んでいてもよい。この場合、例えば、或るフォトマスクを使用して領域130a′に最大の露光量の非偏向並行光を光L1として照射する。そのフォトマスクを使用して、領域130bに最大の露光量の直線偏光を光L1として照射する。
あるいは、フォトマスクを使用する代わりに、電子ビームなどの放射線又は光束を液晶材料層130′上で走査させてもよい。
あるいは、上述した記述を組み合わせてもよい。
第一露光工程を完了した後、第一熱工程を行なう。すなわち、液晶材料層130′を、サーモトロピック液晶化合物が液晶相から等方相へと変化する相転移温度と等しい温度以上に加熱する。この第一熱工程によって、直線偏光あるいは非偏向並行光の露光量が充分だった場合と不十分だった場合で差異が発現する。
具体的には、次に示すとおりである。未重合のサーモトロピック液晶化合物は固定化されていない。それゆえ、液晶材料層130′を相転移温度以上に加熱すると配向が低下する。例えば、未重合のサーモトロピック液晶化合物は、液晶相から等方相へと変化する。他方、サーモトロピック液晶化合物の重合生成物では、配向は固定されている。
したがって、図6に示されるように、光L1として十分な露光量の非偏向並行光のみが照射された領域130a′においては、サーモトロピック液晶化合物の配向の状態は、この熱処理によってほとんど変化しない。そのため、領域130aのようにコレステリック配向を保って固定化されたままの状態となり、負のCプレートが得られる。
十分な露光量の直線偏光が光L1として照射された領域130b′では、ほとんどのサーモトロピック液晶化合物が不均一な螺旋状のねじれ構造を維持した状態で固定化されている。そのため、領域130b′におけるサーモトロピック液晶化合物は、この熱処理によってほとんど変化しない。結果として、領域130bのように、正のAプレートと負のCプレートが複合した2軸性を示すようになる。
不十分な露光量の非偏光並行光がL1として照射された領域130c′では、コレステリック配向を保った状態で一部のサーモトロピック液晶化合物が重合され、残りのサーモトロピック液晶化合物は未重合の状態である。この未重合のサーモトロピック液晶化合物は、熱処理によりコレステリック配向が完全に消失し、等方相となる。一方、重合されたサーモトロピック液晶は、熱処理により変化しない。この結果、領域130cは、負のCプレートとなるが、その厚み方向位相差は領域130aよりも小さい。
不十分な露光量の直線偏光が光L1として照射された領域130d′では、サーモトロピック液晶化合物は不均一な螺旋状のねじれ構造を形成しており、配向方向が偏光軸に対し平行に近い一部のサーモトロピック液晶化合物は重合され、残りのサーモトロピック液晶化合物は未重合で、偏光軸に対し垂直配向に近い状態である。この状態に熱処理を加えると、重合されたサーモトロピック液晶の配向は保持されるが、未重合のサーモトロピック液晶化合物の配向は完全に乱れ、等方化する。この結果、領域130d′では、正のAプレートと負のCプレートが複合した2軸性を示すが、面内位相差および厚み方向位相差ともに領域130b′と比較して小さい。ここで、領域130b′および領域130d′において、面内および厚み方向位相差はともに異なる値を示すが、面内位相差と厚み方向位相差の比率、つまりNz係数は両者で概ね等しい。
また、図7と図8に、第一露光工程として直線偏光と非偏光並行光を組み合わせた場合について例示する。
図7には、領域130a′乃至130c′を含む液晶材料層130′を示す。上述したとおり、領域130a′乃至130c′には異なる露光量の直線偏光L1と、続いて異なる露光量の非偏光並行光L1′が照射される。
具体的には、領域130a′には十分な直線偏光L1と、続いて十分あるいは不十分な非偏光並行光L1′が照射される。領域130b′には、不十分な直線偏光L1と、続いて十分な非偏光並行光L1′が照射される。また、領域130c′には不十分な直線偏光L1と、続いて不十分な非偏光並行光L1′が照射される。
領域130a′においては、十分な直線偏光L1照射後に、ほとんどのサーモトロピク液晶化合物が不均一な螺旋状のねじれ構造を維持した状態で固定化されている。そのため、続いて照射する十分あるいは不十分な非偏光並行光L1′が照射されても、その影響をほとんど受けない。
一方、領域130b′においては、不十分な直線偏光L1照射後に、サーモトロピック液晶化合物は不均一な螺旋状のねじれ構造を形成しており、配向方向が偏光軸に対し平行に近い一部のサーモトロピック液晶化合物は重合され、残りのサーモトロピック液晶化合物は未重合で、偏光軸に対し垂直配向に近い状態である。続いて十分な非偏光並行光L1′が照射されると、未重合のサーモトロピック液晶化合物の重合が生じる。結果として、不均一ならせん状のねじれ配向を維持し、ほとんどのサーモトロピック液晶化合物が重合された状態が形成されるが、ねじれ配向の不均一性は領域130a′と比較して小さい。
領域130c′においては、不十分な直線偏光L1照射後に、サーモトロピック液晶化合物は不均一な螺旋状のねじれ構造を形成しており、配向方向が偏光軸に対し平行に近い一部のサーモトロピック液晶化合物は重合され、残りのサーモトロピック液晶化合物は未重合で、偏光軸に対し垂直配向に近い状態である。続いて、不十分な非偏光並行光L1′を照射すると、未重合のサーモトロピック液晶化合物の一部で重合が生じる。
続いて、液晶材料層130′に第一熱工程を行う。領域130a′および領域130b′においては、ほぼ全てのサーモトロピック液晶化合物が重合されている。そのため、熱工程による配向の変化は生じない。結果として、図8の領域130aおよび領域130bに示すように、正のAプレートと負のCプレートの2軸性を示す領域が形成される。ただし、領域130aおよび領域130bにおける厚み方向位相差は同一であるが、面内位相差は領域130aの方が、領域130bと比較して大きくなる。つまり、同一の厚み方向位相差でNz係数の異なる領域が形成された。
一方、領域130c′に熱工程を施すと、未重合のサーモトロピック液晶化合物の配向が乱れ、等方化する。結果として、領域130c′に示したように、正のAプレートと負のCプレートの2軸性を示す領域が形成されが、厚み方向位相差は領域130aおよび130bと比較して小さい。ここで、領域130b′および領域130c′に照射された不十分な露光量の直線偏光が同一露光量とすると、Nz係数は
領域130a<領域130c<領域130b
となる。
次に、第二の光学異方性層130において、サーモトロピック液晶化合物による螺旋状のねじれ構造が均一な領域のみでよい場合の露光工程について説明する。
液晶材料層130′において、光重合開始剤は二色性を有していない。そのため、液晶材料層130′に照射する光が直線偏光、非偏光並行光に関わらず、サーモトロピック液晶化合物がコレステリック配向構造を維持したまま重合させることができる。
そのため、第一の露光工程で照射される光L1としては、偏光を用いてもよいが、通常は簡便性の観点で非偏向の光が用いられる。
液晶材料層130′に第一露光工程を施す。すなわち、液晶材料層130′の複数の領域にパターン露光を行なう。パターン露光光L1は、それぞれの露光量は領域毎に異なってもよく、同じでもよい。また、照射も行なわれない領域が存在してもよい。
上記の第一露光工程を行なうことで、液晶材料層130′において生じる現象は、図5の領域130a′および領域130c′と同一である。よって、第一熱工程以降に生じる現象は、図5の領域a′および領域c′と全く同一とである。
なお、直線偏光および非偏向並行光における十分な露光量とは、実質的にサーモトロピック液晶化合物の大多数が重合又は架橋される露光量を指し、この露光量を越えて光を照射しても、続く第1熱処理工程における配向状態に差はみられない。
十分な露光量の具体的な値は、サーモトロピック液晶化合物の種類、(二色性)光重合開始剤の種類と量、その他添加剤の有無及び種類と量、照射する光の種類と強度などに応じて大きく異なるので、一概に述べることはできないが、典型的には、十分な露光量は500mJ/cm2〜2000mJ/cm2程度である。例えば20mW/cm2の光束を用いた場合には、概ね25秒〜1000秒の照射で十分な露光が行なわれる。
前述の十分な露光量に満たなければ、不十分な露光量であるものの、光による配向の固定化の程度は露光量に必ずしも比例するわけではない。少ない露光量で相当程度の固定化が進むことがしばしばあり、例えば、露光量が十分な露光量の半分であっても、半分以上の固定化がなされる。十分な露光量とした領域に対して有意の差を得るためには、これよりかなり少ない値であることが望ましい場合がある。具体的には、不十分な露光量は2mJ/cm2〜450mJ/cm2程度であり、例えば20mW/cm2の光束を用いた場合、照射時間が概ね0.1秒〜23秒であれば、不十分な露光となる。
こうした露光工程は、上述したような方法により行なうことができる。第一露光工程においてハーフトーンマスクを使用した場合には、それぞれの領域に照射される直線偏光及び非偏向並行光の露光量を、所望に応じて制御することも可能となる。ハーフトーンマスクは、所定の領域に対応した部分に遮光層が設けられ、領域に対応した部分に半透過層が設けられている。ハーフトーンマスクの代わりに、グレイトーンマスク又は波長制限マスクを使用してもよい。グレイトーンマスクは、半透過層を省略し、遮光層に露光機の解像度以下の幅の複数のスリットを有する以外は、ハーフトーンマスクと同様の構造を有している。波長制限マスクは、光の透過波長域が異なる複数の部分を含んでいる。
このように、直線偏光の露光量、非偏向並行光の露光量、あるいは直線偏光と非偏光並行光とにおける露光量の比率などを変更して第一露光工程を行なった後、第一熱工程を行なうことによって、液晶材料層130′の複数の領域のそれぞれにおけるサーモトロピック液晶化合物の配向状態を、任意に制御することが可能となる。その結果として、同一膜厚において、面内位相差、厚み方向位相差、あるいはNz係数を適宜選択することが可能になる。
また、上記のような配向状態の制御を行なう方法は、直線偏光および非偏光並行光の露光量だけに限らず、直線偏光および非偏光並行光の照度、あるいは直線偏光の消光比によっても制御可能である。
ここで、直線偏光を照射する工程において、少なくとも1つの領域に対して、偏光の軸の方位角を他の領域と異なるように照射することも可能である。このようにすると、続く第一熱処理工程において、当該領域における面内方向で最も屈折率が高くなる軸は、先の直線偏光の軸の方位角に対応して、他の領域と異なる方向に発現する
図6あるいは図8に示したように領域毎に異なる配向の状態が達成された後には、未反応化合物のサーモトロピック液晶化合物について配向の状態を維持したまま、重合させる。
例えば、サーモトロピック液晶化合物が等方相から液晶相へと変化する相転移温度よりも高い温度で液晶材料層130′全体に光L2を照射する、第二露光工程を行なう。液晶材料層130′には、未反応化合物のほぼ全てが重合反応を生じるのに十分な露光量で光L2を照射する。これにより、未反応化合物の重合を生じさせ、配向の状態を変化させたサーモトロピック液晶化合物を固定化する。以上のようにして、第二の光学異方性層130を得る。
なお、ある液晶化合物は、等方相から液晶相へと変化する第一相転移温度が、液晶相から等方相へと変化する第二相転移温度と比較してより低い。それゆえ、特定の場合には、第二露光工程における液晶材料層130′の温度は、第一熱処理工程の加熱温度と比較してより低くてもよい。ただし、通常は、簡便性の観点で、第二露光工程における液晶材料層の温度は、第一相転移温度以上とする。
照射される光L2としては、偏光を用いてもよいが、通常は簡便性の観点で非偏向の光が用いられる。
第二露光工程では、液晶材料層130′の全体に亘って露光量が等しくてもよい。この場合、微細なパターンが設けられたフォトマスクを使用する必要がない。したがって、工程を簡略化することができる。
未反応化合物の重合及び/又は架橋は、他の方法で行なってもよい。
例えば、未反応化合物、すなわちサーモトロピック液晶化合物あるいは光重合開始剤が、第一相転移温度よりも高い重合温度に加熱することによって重合する材料である場合、第二露光工程の代わりに、第二熱処理工程を行なってもよい。具体的には、第二露光工程の代わりに、液晶材料層130’を重合温度以上に加熱して、未反応化合物を重合させる。これにより、第二の光学異方性層130を得る。なお、第一熱処理における加熱温度は、例えば、第一相転移温度以上でありかつ重合温度未満とする。
あるいは、第一熱処理工程の後に、第二露光工程と第二熱処理工程とを順次行なってもよい。さらに、第一熱処理工程の後に、第二熱処理工程と第二露光工程と第二熱処理工程とを順次行なうこともできる。このように第二露光工程と第二熱処理工程とを組み合わせると、未反応化合物の重合をより確実に進行させることができる。それゆえ、より強固な第二の光学異方性層130を得ることができる。
ある温度に加熱することによって、未反応化合物が重合する材料である場合、第一熱処理における加熱温度は、それが重合する温度以上であってもよい。
図5及び図6を参照して説明したように、本発明の位相差板は、ウェット工程なしに製造することができる。ウェット工程、特には現像の条件を厳密に管理することは難しく、それら条件が最終製品の光学的特性に与える影響は極めて大きい。それゆえ、ウェット工程を含んだ方法によると、光学的特性の目標値からのずれを生じ易い。
これに対して本発明の方法では、第一露光工程及びそれよりも後にウェット工程は行わない。それゆえ、ウェット工程に起因して屈折率異方性が目標値からずれるのを防止することができる。
なお、屈折率異方性と第1露光工程における露光量、照度、あるいは直線偏光の消光比などの露光条件とは、必ずしも比例関係にある訳ではないが、材料及び露光条件が一定のもとでは、屈折率異方性の再現性は高い。それゆえ、或る屈折率異方性を達成するのに必要な条件、例えば露光量を見出すのは容易であり、また、安定した製造を行なうことも容易である。
第二の光学異方性層130は、典型的には厚さが均一である。しかしながら、特定の場合には、第二の光学異方性層の領域130a乃至130cは互いに異なっていてもよい。
図1および図2、あるいは図5乃至図8を参照しながら説明した位相差板10には、様々な機能を付加することもできる。
例えば、基材110にカラーフィルタ基板を用いることで、カラーフィルタ機能付き位相差板を形成することができる。あるいは、位相差板10上にカラーフィルタ層を形成することも可能である。
また、位相差板10の第二の光学異方性層130側、あるいは基材110上側に偏光膜を張り合わせることで、偏光機能付き位相差板を形成することも可能である。
図9にカラーフィルタ機能付き位相差板10の一形態を例示する。
基材110はカラーフィルタ基板であり、基板110′上に着色層110a′乃至110c′が積層している。例えば、基板110′にはガラス基板を使用し、着色層110a′は青色着色層、着色層110b′は緑色着色層、着色層110c′は赤色着色層とする。
基板110′上には、第一の光学異方性層120が積層している。第一の光学異方性層には、面内位相差の異なる領域120a乃至120cが存在する。領域120a乃至120cは、それぞれ領域110a′乃至110c′と向き合っている。また、領域120a乃至120cは、それぞれ領域110a′乃至110c′とほぼ等しい形状をしている。
第一の光学異方性層120上には、第二の光学異方性層130が積層している。第二の光学異方性層には、面内位相差、あるいは厚み方向位相差、あるいはNz係数の異なる領域130a乃至130cが存在する。領域130a乃至130cは、それぞれ領域120a′乃至120c′と向き合っている。また、領域130a乃至130cは、それぞれ領域120a′乃至120c′とほぼ等しい形状をしている。
このような形態のカラーフィルタ機能付き位相差板では、第一の光学異方性層および第二の光学異方性層の面内位相差、あるいは厚み方向位相差、あるいはNz係数を最適値に設定することで、RGB各画素における位相差波長分散を考慮した、最適な光学補償が可能である。
上述した位相差板10は様々な用途に利用可能である。例えば、位相差板10は、液晶表示装置に代表される表示技術に利用可能である。
また、上述した他の機能を付加した位相差板10、例えばカラーフィルタ付き位相差板および偏光機能付き位相差板も同様に、液晶表示技術に利用可能である。
更なる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。従って、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
以下、本発明の実施の形態について具体的な例を挙げて記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明で用いる材料は光に対してきわめて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯火で行なうことは言うまでもない。なお、実施例中、「部」とは「重量部」を意味する。
(第一の光学異方性層の形成)
光配向膜(DIC社製「LIA−T01」)をガラス基板上に、スピンコーターで乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布した後、ホットプレートにて80℃で1分間加熱乾燥した。この塗布基板を室温まで冷却後、フォトマスクを用いて偏光紫外光のパターン露光を行なった。偏光紫外光の露光量が異なる領域を3つ形成し、各領域における偏光露光量は、50mJ/cm(領域1と称す)、100mJ/cm(領域2と称す)、200mJ/cm(領域3と称す)とした。このとき、偏光光の照度は、3.5mW/cmである。
また、3つの領域に照射した直線偏光の偏光軸は、同一方向である。なお偏光露光には、超高圧水銀灯とワイヤーグリッド偏光板を組み合わせた、偏光紫外光照射装置を用いた。
(第二の光学異方性層組成物の製造)
以下組成の混合物を均一になるように攪拌混合し、0.5μmのフィルタでろ過して得る。
2軸性重合性液晶 63.0部
(Merck社製「RMS08−068」)
界面活性剤 1.0部
(ビックケミー社製「BYK330」3%シクロヘキサン溶液)
シクロヘキサノン 18.0部
PGMEA 18.0部
(第二の光学異方性層の形成)
上記組成物を、前記第一の光学異方性層上に、スピンコーターで乾燥膜厚が3.3μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間加熱乾燥して液晶配向基板を得た。続いて、窒素雰囲気下にて、基板全面に偏光紫外光の照射を行なった。このとき照射した偏光光の照度は28mW/cmで、露光量は1250mJ/cmであった。
続いて、窒素雰囲気下において、基板全面に非偏光照射を行なった。このとき照射した非偏光並行光の照度は64mW/cmで、露光量は1000mJ/cmであった。また直線偏光の偏光軸は、第一の光学異方性層に照射した偏光光の偏光軸に対し、垂直方向である。
最後に、当該液晶配向基板を、クリーンオーブンにて230℃で60分間加熱を行ない、位相差板を得た。
(位相差測定)
上記で作製した位相差板について、位相差計(王子計測機器社製「KOBRA−WR」)にて、面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthの測定を行なった。測定は第一の光学異方性層形成時、および第二の光学異方性層形成時に行なっている。測定結果を表1に示す。なお、測定波長は550nmである。
Figure 2010224247
(第一の光学異方性層の形成)
光配向膜(DIC社製「LIA−T01」)をガラス基板上に、スピンコーターで乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布した後、ホットプレートにて80℃で1分間加熱乾燥した。この塗布基板を室温まで冷却後、基板全面に偏光紫外光を露光した。このとき、偏光紫外光の照度は3.5mW/cm、露光量は200mJ/cmである。
(第二の光学異方性層組成物の製造)
以下組成の混合物を均一になるように攪拌混合し、0.5μmのフィルタでろ過して得る。
2軸性重合性液晶 63.0部
(Merck社製「RMS08−068」)
界面活性剤 1.0部
(ビックケミー社製「BYK330」3%シクロヘキサン溶液)
シクロヘキサノン 18.0部
PGMEA 18.0部
(第二の光学異方性層の形成)
上記組成物を、前記第一の光学異方性層上に、スピンコーターで乾燥膜厚が3.3μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間加熱乾燥して液晶配向基板を得た。続いて、この塗布基板を室温まで冷却後、窒素雰囲気下にて、フォトマスクを用いて偏光紫外光のパターン露光を行なった。偏光紫外光の露光量が異なる領域を3つ形成し、各領域における偏光露光量は、150mJ/cm(領域1と称す)、250mJ/cm(領域2と称す)、1250mJ/cm(領域3と称す)とした。このとき、偏光光の照度は、28mW/cmである。また直線偏光の偏光軸は、3つの領域において全て同一方向で、第一の光学異方性層に照射した偏光光の偏光軸に対し、垂直方向である。
続いて、窒素雰囲気下において、基板全面に非偏光照射を行なった。このとき照射した非偏光並行光の照度は64mW/cmで、露光量は1000mJ/cmであった。
最後に、当該液晶配向基板を、クリーンオーブンにて230℃で60分間加熱を行ない、位相差板を得た。
(位相差測定)
上記で作製した位相差板について、面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthの測定を行なった。測定結果を表2に示す。なお、測定波長は550nmである。
Figure 2010224247
(第一の光学異方性層の形成)
光配向膜(DIC社製「LIA−T01」)をガラス基板上に、スピンコーターで乾燥膜厚が0.2μmとなるように塗布した後、ホットプレートにて80℃で1分間加熱乾燥した。この塗布基板を室温まで冷却後、フォトマスクを用いて偏光紫外光のパターン露光を行なった。偏光紫外光の露光量が異なる領域を3つ形成し、各領域における偏光露光量は、50mJ/cm(領域1と称す)、100mJ/cm(領域2と称す)、200mJ/cm(領域3と称す)とした。このとき、偏光光の照度は、3.5mW/cmである。また、3つの領域に照射した直線偏光の偏光軸は、同一方向である。
(第二の光学異方性層組成物の製造)
以下組成の混合物を均一になるように攪拌混合し、0.5μmのフィルタでろ過して得る。
2軸性重合性液晶 63.0部
(Merck社製「RMS08−068」)
界面活性剤 1.0部
(ビックケミー社製「BYK330」3%シクロヘキサン溶液)
シクロヘキサノン 18.0部
PGMEA 18.0部
(第二の光学異方性層の形成)
上記組成物を、前記第一の光学異方性層上に、スピンコーターで乾燥膜厚が3.3μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間加熱乾燥して液晶配向基板を得た。続いて、この塗布基板を室温まで冷却後、窒素雰囲気下にて、フォトマスクを用いて前記領域1〜領域3と合致するように偏光紫外光のパターン露光を行なった。偏光紫外光の露光量が異なる領域を3つ形成し、各領域における偏光露光量は、領域1:150mJ/cm、領域2:250mJ/cm、領域3:1250mJ/cmとした。このとき、偏光光の照度は、28mW/cmである。また直線偏光の偏光軸は、3つの領域において全て同一方向で、第一の光学異方性層に照射した偏光光の偏光軸に対し、垂直方向である。
続いて、窒素雰囲気下において、基板全面に非偏光照射を行なった。このとき照射した非偏光並行光の照度は64mW/cmで、露光量は1000mJ/cmであった。
最後に、当該液晶配向基板を、クリーンオーブンにて230℃で60分間加熱を行ない、位相差板を得た。
(位相差測定)
上記で作製した位相差板について、面内位相差Reおよび厚み方向位相差Rthの測定を行なった。測定結果を表3に示す。なお、測定波長は550nmである。
Figure 2010224247
本発明は、液晶表示装置の多色表示による多色表示の際に生じた位相差ズレを解消し、液晶表示装置の視野角特性を効果的に補償できる位相差板とその製造方法、およびそれを用いた偏光板、および液晶表示装置に関する。」
10…位相差板; 110…基材;
110′…基板 110a′、110b′、110c′…着色層
120…第一の光学異方性層; 120a、120b、120c…領域;
120′…配向層; 120a′、120b′、120c′…領域;
L…光; AZ…偏光誘起配向型化合物;
130…第二の光学異方性層; 130a、130b、130c…領域;
130′…液晶材料層; 130a′、130b′、130c′…領域;
L1…光; L2…光。

Claims (28)

  1. 光透過性支持体上に、配向能を有しn>n=nを満たす第一の光学異方性層と、前記第一の光学異方性層上にn≧n>nを満たす第二の光学異方性層が積層したことを特徴とする位相差板。
    (ただし、nx、nyおよびnzはそれぞれ前記光学異方性層の面内における最大屈折率、同一面内において該最大屈折率を与える方向と垂直方向における屈折率、および厚み方向における屈折率を示す。)
  2. 前記第一の光学異方性層は、直線偏光あるいは/および楕円偏光の照射で光学的に変性したことに起因して配向能および光学異方性を発現する感光性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  3. 前記第一の光学異方性層において層膜厚をdとしたときに、Re=(n−n)×dで与えられる面内位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  4. 請求項3記載の第一の光学異方性層において、前記層膜厚dが全ての面内において均一であることを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  5. 前記第二の光学異方性層が光によって重合されうる棒状液晶化合物を含み、該棒状液晶化合物が厚み方向を螺旋軸とするコレステリック配向した状態で架橋されており、n=n>nなる屈折率異方性を示すことを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  6. 請求項5記載の第二の光学異方性層に、Rth={(n+n)/2−n}×dで与えられる厚み方向位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  7. 前記第二の光学異方性層が光によって重合されうる棒状液晶化合物を含み、該棒状液晶化合物が厚み方向を螺旋軸とする、不均一な螺旋状のねじれ配向した状態で架橋されており、n>n>nなる屈折率異方性を示すことを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  8. 請求項7記載の第二の光学異方性層において面内位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  9. 請求項7記載の第二の光学異方性層において厚み方向位相差が、同一面内において異なる領域のパターンを有することを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  10. 請求項7記載の第二の光学異方性層において、Nz=(n−n)/(n−n)で与えられるNz係数が、同一面内で異なる領域のパターンを有することを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  11. 請求項5〜10記載の第二の光学異方性層において層膜厚dが、同一面内で均一であることを特徴とする請求項1記載の位相差板。
  12. 請求項1記載の光透過性支持体が、カラーフィルタ層を含むカラーフィルタ基板であることを特徴とする位相差板。
  13. 光透過性支持体上に、
    (e)直線偏光あるいは楕円偏光の照射で光学的に変性したことに起因して配向能および光学異方性を発現する感光性ポリマーを、均一な膜厚で塗布する工程と、
    (f)前記感光性ポリマーに直線偏光あるいは楕円偏光を照射する工程と、
    を含むことを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
  14. 請求項13記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
  15. 請求項13記載の(b)工程後に、配向能および光学異方性の発現を促進させるため、加熱を行なうことを特徴とする第一の光学異方性層の製造方法。
  16. 前記第一の光学異方性層上に、
    (a)光により重合されうる棒状液晶化合物を含む溶液を均一な膜厚で塗布し、該棒状液晶化合物がコレステリック配向を形成する工程と、
    (b)前記基板に光照射することによって、棒状液晶化合物を架橋させる工程と、
    (g)前記基板を棒状液晶化合物の等方相転移温度以上に加熱する工程と、
    (h)前記棒状液晶化合物のうち、光によって架橋されなかった成分を硬化する工程、
    を含むことを特徴とする位相差板の製造方法。
  17. 請求項16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の非偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
  18. 請求項16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
  19. 請求項16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照射量の直線偏光あるいは楕円偏光と非偏光を組み合わせた光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
  20. 請求項16記載の(b)工程において、領域毎に異なる照度の直線偏光あるいは楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
  21. 請求項16記載の(b)工程において、領域毎に異なる消光比の直線偏光あるいは異なる楕円率の楕円偏光をパターン露光することを特徴とする位相差板の製造方法。
  22. 請求項16記載の(d)工程において、前記棒状液晶化合物のうち光によって架橋されなかった成分を硬化する工程を、該棒状液晶化合物の等方相層転移温度以上であってかつ架橋がなされる以上の温度に加熱する工程、としたことを特徴とする位相差板の製造方法。
  23. 前記(d)工程において、前記棒状液晶化合物のうち光によって架橋されなかった成分を硬化する工程を、該棒状液晶化合物が等方相に保たれる以上の温度に維持したまま全面光照射する工程、としたことを特徴とする位相差板の製造方法。
  24. 請求項1記載の光透過性支持体が、カラーフィルタ層を含むカラーフィルタ基板であることを特徴とする位相差板。
  25. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の位相差板を偏光膜の片側あるいは両側に貼り合わせたことを特徴とする偏光板。
  26. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の位相差板を光学補償板として使用したことを特徴とする液晶表示装置。
  27. 請求項12に記載の位相差基板をカラーフィルタとして用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  28. 請求項25に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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