JP2010107939A - 光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーフィルタ上に位相差層の膜厚を均一に塗布しても、露光から焼成と工程が進むと膜厚均一性が低下しひいては液晶表示装置の表示品質が低下するという問題を解決する。
【解決手段】ガラス基板上に、ブラックマトリクスを多面付けで形成する工程と、それぞれが反射部と透過部を有する着色画素からなるカラーフィルタ層を多面付けで形成する工程と、配向膜層を形成する工程と、重合性液晶を塗布する工程と、前記重合性液晶を着色画素の各色および/または反射部・透過部に対応する領域毎に異なる照射量となるように光照射する工程と、前記光照射工程と同時に前記ブラックマトリクスの額縁上と多面付けされたカラーフィルタ層の隙間の所定領域を光照射する工程と、を有することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス基板上に、ブラックマトリクスを多面付けで形成する工程と、それぞれが反射部と透過部を有する着色画素からなるカラーフィルタ層を多面付けで形成する工程と、配向膜層を形成する工程と、重合性液晶を塗布する工程と、前記重合性液晶を着色画素の各色および/または反射部・透過部に対応する領域毎に異なる照射量となるように光照射する工程と、前記光照射工程と同時に前記ブラックマトリクスの額縁上と多面付けされたカラーフィルタ層の隙間の所定領域を光照射する工程と、を有することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置に使用される位相差制御層を備えるカラーフィルタ基板の製造方法に関する。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近では携帯機器ならびにテレビ用途への普及が急速に進んでいる。液晶表示装置は、パネル構成中にカラーフィルタ基板を設けることで、多色表示を行なうことが可能であり、RGB3色を基本として多色表示を行なうことが一般的である。
ところで、携帯機器向けの液晶表示装置は、昼間戸外の強い外光下でも視認性を確保するため、反射型あるいは一部に反射部を形成した半透過型の液晶表示装置が採用されることも多い。このような場合に、反射光を有効に活用するため、吸収型円偏光板の一部をなす部材としてλ/4位相差フィルムやλ/2位相差フィルムなどが液晶パネル構成に組み込まれている。
通常こうした位相差フィルムは位相差値が面内で同一となるため、それが組み込まれる液晶表示装置がカラーフィルタ基板によってカラー化されている場合、各色画素の表示領域を通過する光の波長域が異なることに起因して、適切な位相差制御が困難となる問題が発生する。
例えば携帯機器向け反射型あるいは半透過型液晶表示装置において、おおよそ緑の波長域(中心波長550nm前後)でλ/4の面内位相差(約138nm)を有する位相差フィルムを直線偏光板と組み合わせて円偏光板として用いる場合、青の波長域(中心波長450nm前後)ではλ/4より過剰、赤の波長域(中心波長630nm前後)ではλ/4に対して不足となり、赤および青の表示画素においては完全な円偏光が得られない。
さらに半透過型液晶表示装置においては、上記したように反射部表示のためにλ/4の面内位相差を有する位相差フィルムを用いるのであるが、これにより透過部の表示品質を損なってしまうという問題もある。この問題は、そもそも透過部にはこうしたλ/4の面内位相差は必要とされないところ、反射部表示に対応すべく、視認側の基板と偏光板の間にλ/4位相差フィルムが透過部・反射部かかわらず全面に配され、さらに透過部表示の補償のためバックライト側の基板と偏光板の間にもλ/4位相差フィルムが配されることに起因する。すなわち透過部においては、前記2枚のλ/4位相差フィルムの位相差が厳密に同一であれば原理的に表示品質への影響はないものの、実際には製造上の限界から両者の位相差にずれを生じ、コントラストを落とす原因となっている。
このような問題に対して、液晶セルの内部に位相差層を設けて光学補償することで問題を解決する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1、2のいずれにおいても、カラーフィルタに段差を設けてこれを平坦化させるように位相差層を成膜することにより各色画素の表示領域ごとの位相差を制御している。 この方法では、カラーフィルタ層の膜厚を厳密に制御する必要が生じ、カラーフィルタの設計が制限されるあるいはカラーフィルタの製造工程の難度が上昇することで収率が低下するなどの問題がある。またそもそも、位相差層とカラーフィルタ層の合計膜厚を均一に保つように、膜厚段差のあるカラーフィルタ層の上に位相差層を成膜するのはそれほど容易なことではない。
加えて、位相差層の複屈折率を各色画素の表示領域ごとに制御するための光照射有無、光照射量によって位相差層の膜厚は変化するため、位相差層の膜厚を均一に塗布しても、露光から焼成と工程が進むことで膜厚均一性が低下する問題がある。
加えて、位相差層の複屈折率を各色画素の表示領域ごとに制御するための光照射有無、光照射量によって位相差層の膜厚は変化するため、位相差層の膜厚を均一に塗布しても、露光から焼成と工程が進むことで膜厚均一性が低下する問題がある。
本発明は上記の膜厚均一性低下による表示品質の低下という問題を解決するためになされたものである。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
少なくとも、ガラス基板上に、
ブラックマトリックスを形成する工程と、
それぞれが反射部と透過部を有する着色画素からなるカラーフィルタ層を形成する工程と、
配向膜層を形成する工程と、
重合性液晶を塗布する工程と、
前記重合性液晶を着色画素の各色および/または反射部・透過部に対応する領域毎に異なる照射量となるように光照射する工程と、
前記光照射工程と同時に前記ブラックマトリクスの額縁上とカラーフィルタの隙間の所定領域を光照射する工程と、を有することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
少なくとも、ガラス基板上に、
ブラックマトリックスを形成する工程と、
それぞれが反射部と透過部を有する着色画素からなるカラーフィルタ層を形成する工程と、
配向膜層を形成する工程と、
重合性液晶を塗布する工程と、
前記重合性液晶を着色画素の各色および/または反射部・透過部に対応する領域毎に異なる照射量となるように光照射する工程と、
前記光照射工程と同時に前記ブラックマトリクスの額縁上とカラーフィルタの隙間の所定領域を光照射する工程と、を有することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法において、ブラックマトリックスを多面付けで形成することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法において、ブラックマトリックスを多面付けで形成することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、
前記重合性液晶の光照射工程における露光量が、50〜300mJ/cm2の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
前記重合性液晶の光照射工程における露光量が、50〜300mJ/cm2の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、
各色および/また反射部・透過部に対応する領域、ブラックマトリクス額縁領域、多面付けされたカラーフィルタ層の隙間の所定の領域をそれぞれ光照射するための開口パターンを有するフォトマスクを使用することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
各色および/また反射部・透過部に対応する領域、ブラックマトリクス額縁領域、多面付けされたカラーフィルタ層の隙間の所定の領域をそれぞれ光照射するための開口パターンを有するフォトマスクを使用することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、
ブラックマトリクスの額縁領域の開口パターンが各色および/また反射部・透過部に対応する領域と同じ開口幅であるフォトマスクを使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
ブラックマトリクスの額縁領域の開口パターンが各色および/また反射部・透過部に対応する領域と同じ開口幅であるフォトマスクを使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
請求項1、2に記載の発明によれば、ブラックマトリクス額縁上とカラーフィルタパターンの隙間の所定の領域に光照射することで、非露光領域を少なくなるためこれまで光照射有無によって生じていた基板内の位相差層の膜厚均一性低下という問題が改善される効果を奏した。
また、請求項1、2に記載の発明によれば、ブラックマトリクス額縁上と多面付けしたカラーフィルタパターンの隙間の所定領域に光照射することで膜厚均一性が改善されるため、ガラス基板との貼り合わせ密着性が向上する効果を奏した。
また、請求項1、2に記載の発明によれば、ブラックマトリクス額縁上と多面付けしたカラーフィルタパターンの隙間の所定領域に光照射することで膜厚均一性が改善されるため、ガラス基板との貼り合わせ密着性が向上する効果を奏した。
請求項3記載の発明によれば、カラーフィルタ基板の品質を確保したまま、量産性も確保することができた。
請求項4、5に記載の発明によれば、製造工程を増加させることなく、基板全面に一体として形成された1層の薄膜で位相差制御が可能なカラーフィルタ基板を提供することができた。
また、ブラックマトリクス額縁上と基板内ピース間の所定の領域に光照射することによって、膜厚均一性が向上すること、光重合が進行することで配向膜に対するはじきが減少する。そのため位相差層の塗布欠陥のないカラーフィルタ基板が製造できた。
また、ブラックマトリクス額縁上と基板内ピース間の所定の領域に光照射することによって、膜厚均一性が向上すること、光重合が進行することで配向膜に対するはじきが減少する。そのため位相差層の塗布欠陥のないカラーフィルタ基板が製造できた。
請求項4、5に記載のカラーフィルタを使用することで面内位相差を均一に制御できることから表示特性の優れた液晶表示装置を提供できた。
本発明に係わる位相差膜を備えるカラーフィルタ基板を得る手段は種々考えられるが、カラーフィルタ層の形成方法については既存のカラーフィルタの製造法を用いることができる。
カラーフィルタ層の形成方法の一例について、以下説明する。
まず、光透過性の平面体を準備する。平面体は、典型的には、ガラス基板または樹脂板などの光透過性基板である。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラスまたは無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスを使用することができる。樹脂板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、環状ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリエチレンテレフタラート等を使用することができる。また平面体は、硬質でなくてもよい。例えば、光透過性のフィルム・シート等であってもよい。
まず、光透過性の平面体を準備する。平面体は、典型的には、ガラス基板または樹脂板などの光透過性基板である。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラスまたは無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスを使用することができる。樹脂板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、環状ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリエチレンテレフタラート等を使用することができる。また平面体は、硬質でなくてもよい。例えば、光透過性のフィルム・シート等であってもよい。
平面体は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、位相差板が液晶表示装置の一部品である場合、平面体として、インジウム錫酸化物および錫酸化物などの透明導電体からなる透明電極が形成された光透過性基板を使用してもよい。あるいは、平面体として、画素回路などの回路が形成された光透過性基板を使用してもよい。
次に、光透過性の平面体上に、以下に示す方法等によりカラーフィルタ層を形成する。
カラーフィルタ層は、例えば、顔料担体とこれに分散させた顔料とを含んだ着色組成物を塗布して所定パターンとし、これを硬化させることを繰り返してRGBの着色層の各々を形成することによって得られる。
着色組成物の顔料としては、有機顔料および/または無機顔料を使用することができる。着色組成物は、1種の有機または無機顔料を含んでいてもよく、複数種の有機顔料および/または無機顔料を含んでいてもよい。
顔料は、発色性が高くかつ耐熱性、特には耐熱分解性が高いことが好ましく、通常は、有機顔料が用いられる。以下に、着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例をカラーインデックス番号で示す。
赤色着色組成物の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272および279などの赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物の有機顔料として、赤色顔料と黄色顔料との混合物を使用してもよい。この黄色顔料としては、例えば、C.I.PigmentYellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、198、213または214を使用することができる。
緑色着色組成物の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green7、10、36および37などの緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物の有機顔料として、緑色顔料と黄色顔料との混合物を使用してもよい。この黄色顔料としては、例えば、赤色着色組成物について例示したのと同様のものを使用することができる。
青色着色組成物の有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60および64などの青色顔料を用いることができる。青色着色組成物の有機顔料として、青色顔料と紫色顔料との混合物を使用してもよい。この紫色顔料としては、例えば、C.I.PigmentViolet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42または50を使用することができる。
無機顔料としては、例えば、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑およびコバルト緑などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、または金属粉を使用することができる。無機顔料は、例えば、彩度と明度とをバランスさせつつ、良好な塗布性、感度および現像性などを達成するために、有機顔料と組み合わせて用いられ得る。
着色組成物は、顔料以外の着色成分を更に含んでいてもよい。例えば、着色組成物は、十分な耐熱性を達成できるのであれば、染料を含有していてもよい。この場合、染料を用いた調色が可能である。
また前記着色組成物に含まれる顔料担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して樹脂を生成する多官能モノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
着色組成物において、透明樹脂は、顔料100重量部に対して、例えば30乃至700重量部、好ましくは60乃至450重量部の量で用いる。透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、着色組成物において、透明樹脂は、顔料100重量部に対して、例えば20乃至400重量部、好ましくは50乃至250重量部の量で用いる。この場合、透明樹脂の前駆体は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば10乃至300重量部、好ましくは10乃至200重量部の量で用いる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイミド樹脂を使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂またはフェノール樹脂を使用することができる。
感光性樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基およびアミノ基などの反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基およびエポキシ基などの反応性置換基を有するアクリル化合物、メタクリル化合物または桂皮酸を反応させて、アクリロイル基、メタクリロイル基およびスチリル基など光架橋性基を線状高分子に導入した樹脂を使用することができる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物およびα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物などの酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル化合物またはメタクリル化合物によりハーフエステル化した樹脂も使用することができる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、エポキシアクリレートおよびエポキシメタクリレートなどのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、アクリロニトリル、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
着色組成物を紫外線などの光を照射することによって硬化する場合、着色組成物には例えば光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよびベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノンおよび4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンおよび2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンおよび2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
光重合開始剤は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば5乃至20
0重量部、好ましくは10乃至150重量部の量で使用する。
0重量部、好ましくは10乃至150重量部の量で使用する。
光重合開始剤と共に増感剤を使用してもよい。
増感剤としては、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンおよび4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどの化合物を使用することができる。
増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して、例えば0.1乃至60重量部の量で使用することができる。
着色組成物は、多官能チオールなどの連鎖移動剤を更に含有していてもよい。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物である。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
多官能チオールは、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば0.2乃至150重量部、好ましくは0.2乃至100重量部の量で使用する。
着色組成物は、溶剤を更に含有していてもよい。溶剤を使用すると、顔料の分散性を向上させることができ、それゆえ、平面体上に着色組成物を乾燥膜厚が例えば0.2乃至5μmとなるように塗布することが容易になる。
溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセルソルブ系溶剤、メタノール、エタノール、イソ−またはn−プロパノール、イソ−またはn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油、ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶剤、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤、カルビトール系溶剤、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、中でも、ケトン類あるいはセロソルブ系溶剤が好ましい。これらの溶剤は1種でまたは2種以上の混合溶剤として使用することができる。
溶剤は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば800乃至4000重量部、好ましくは1000乃至2500重量部の量で使用する。
着色組成物は、例えば、1種以上の顔料を、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、顔料担体および有機溶剤中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダおよびアトライタなどの分散装置を用いて微細に分散させることにより製造することができる。2種以上の顔料を含む着色組成物は、異なる顔料を含んだ分散体を調製し、それら分散体を混合することにより製造してもよい。
顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散させる際には、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤および色素誘導体などの分散助剤を使用することができる。分散助剤は、顔料の分散性を向上させ、分散後の顔料の再凝集を抑制する。従って、分散助剤を用いて顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散させてなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
分散助剤は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば0.1乃至40重量部、好ましくは0.1乃至30重量部の量で使用する。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを含んでいる。樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散性を安定化する。
樹脂型顔料分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸部分アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩および水酸基含有ポリカルボン酸エステル、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドおよびその塩などの油性分散剤、アクリル酸−スチレン共重合体、メタクリル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂もしくは水溶性高分子化合物、ポリエステル類、変性ポリアクリレート類、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル類、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートおよびポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤、アルキル4級アンモニウム塩およびそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタインおよびアルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。色素誘導体は、使用する顔料と色相が近いことが好ましいが、添加量が少なければ色相が異なっていてもよい。用語「有機色素」は、一般に色素とは呼ばれている化合物に加え、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系およびアントラキノン系化合物などの淡黄色の芳香族多環化合物を包含している。色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、または特公平5−9469号公報に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散性を高める効果が大きい。着色組成物は、1種の色素誘導体を含んでいてもよく、複数の色素誘導体を含んでいてもよい。
着色組成物には、その粘度の経時的安定性を高めるために貯蔵安定剤を添加してもよい。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸およびシュウ酸などの有機酸、その有機酸のメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィンおよびテトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
貯蔵安定剤は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば0.1乃至10重量部の量で含有させる。
着色組成物には、基板との密着性を高めるために、シランカップリング剤などの密着向上剤を添加してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類およびメタクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのチオシラン類、またはそれらの2種以上を含んだ混合物を使用することができる。
シランカップリング剤は、着色組成物において、顔料100重量部に対して、例えば0.01乃至100重量部の量で含有させる。
着色組成物は、例えば、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、インキジェット印刷用インキ、または溶剤現像型もしくはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。
顔料は、着色組成物の全固形分100重量部に対して、例えば5乃至70重量部、好ましくは20乃至50重量部の量で用いる。なお、着色組成物の残りの固形分の多くは、顔料担体が含んでいる樹脂バインダである。
着色組成物を成膜に使用する前に、遠心分離、焼結フィルタおよびメンブレンフィルタなどの精製装置によって、着色組成物から、例えば5μm以上の粒子、好ましくは1μm以上の粒子、より好ましくは0.5μm以上の粒子を除去してもよい。
RGBの着色層の各々は、例えば、印刷法によって形成することができる。印刷法によると、着色組成物の印刷と乾燥とを行なうことにより、RGBの着色層の各々を形成することができる。したがって、印刷法は、低コストで量産性に優れている。しかも、近年の印刷技術の発展により、高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行なうことができる。
印刷法を利用する場合、着色組成物が印刷版またはブランケット上で乾燥および固化を生じないように着色組成物の組成を設計する。また、印刷法では、印刷機内での着色組成物の流動性を最適化することが重要である。したがって、着色組成物に分散剤や耐湿顔料を添加して、その粘度を調整してもよい。
RGB着色層の各々は、フォトリソグラフィー法を利用して形成してもよい。フォトリソグラフィー法によれば、カラーフィルタ層120を、印刷法と比較してより高い精度で形成することができる。
この場合、まず、溶剤現像型またはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、平面体上に塗布する。この塗布には、スプレーコート、スピンコート、スリットコートおよびロールコートなどの塗布方法を利用する。この塗膜は、乾燥膜厚が例えば0.2乃至10μmとなるように形成する。
次いで、この塗膜を乾燥させる。塗布膜の乾燥には、例えば、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブンまたはホットプレートを利用する。塗膜の乾燥は、省略することができる。
続いて、塗膜に、フォトマスクを介して紫外線を照射する。すなわち、塗膜をパターン露光に供する。
その後、塗膜を溶剤もしくはアルカリ現像液に浸漬させるかまたは塗膜に現像液を噴霧する。これにより、塗膜から可溶部を除去して、1色目の着色層をレジストパターンとして得る。
更に、これと同様の手順で、2色目、3色目の着色層を順次形成する。以上のようにして、RGBの3色のカラーフィルタ層を得る。なお、この方法では、着色レジストの重合を促進するために、熱処理を施してもよい。
このフォトリソグラフィー工程では、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を使用することができる。あるいは、アルカリ現像液として、ジメチルベンジルアミンおよびトリエタノールアミンなどの有機アルカリを含んだ液を使用してもよい。
現像液には、消泡剤および界面活性剤などの添加剤を添加してもよい。現像には、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ現像法またはパドル現像法を利用することができる。
露光感度を高めるために、以下の処理を追加してもよい。即ち、着色レジストの第1塗膜を乾燥させた後、この第1塗膜の上に、水溶性またはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールまたは水溶性アクリル樹脂を塗布する。そして、この第2塗膜を乾燥させた後に、上記のパターン露光を行う。第2塗膜は、第1塗膜における重合が酸素によって阻害されるのを防止する。従って、より高い露光感度を達成できる。
カラーフィルタ層は、他の方法で形成してもよい。例えば、インキジェット法、電着法または転写法を利用して形成してもよい。インキジェット法によってカラーフィルタ層を形成する場合、例えば、平面体上に予め遮光性離画壁を形成しておき、この遮光性離画壁によって区画された領域に向けてノズルからインキを吐出することにより各着色層を得る。電着法によってカラーフィルタ層を形成する場合、平面体上に予め透明導電膜を形成しておき、着色組成物からなるコロイド粒子の電気泳動によって着色組成物を透明導電膜上に堆積させることにより各着色層を得る。転写法を利用する場合、剥離性の転写ベースシートの表面に予めカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層をベースシートから平面体上に転写する。
次に本発明における位相差層(液晶固体化層)形成の製造工程について説明する。
本発明における位相差層形成の製造工程は、洗浄工程/塗布工程/乾燥工程/露光工程/焼成工程に分けることができる。
本発明における位相差層形成の製造工程は、洗浄工程/塗布工程/乾燥工程/露光工程/焼成工程に分けることができる。
塗布工程は、未硬化の重合性液晶を含むコーティング液を基板上に塗布して、液晶材料層を形成する工程である。この工程は、スリットコート法で実施することが好ましいが、他にもスピンコート法、凸版印刷法、スクリーン印刷、平版印刷、反転印刷、グラビア印刷その他の印刷方法又はこれらの印刷法にオフセット方式を組み合わせた方法、インキジェット法、バーコート法その他既知の成膜法が適用可能である。
液晶材料層は、例えば、カラーフィルタ層上に、サーモトロピック液晶化合物からなるコーティング液や、サーモトロピック液晶化合物とキラル剤とを含んだコーティング液を塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥させることにより得られる。液晶材料層では、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンがコレステリック配向構造を形成している。液晶材料層が硬化され、液晶材料層の液晶が固定化されると固定化液晶層となる。
サーモトロピック液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレン、これらの誘導体、またはそれら化合物のアクリレート・メタクリレートを使用することができる。
キラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物が挙げられる。キラル剤は、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に、螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。この目的が達成されれば、キラル剤の種類は特に限定されない。ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、当該重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できる任意の化合物を、キラル剤として用いることができる。
液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるので、キラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。したがって、ここで用いられるキラル剤としては、例えば、1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミンやキラルなスルフォキシドなどのようにヘテロ原子上に不斉点をもつ化合物、あるいはクムレンやビナフトールなどの軸不斉をもつ光学活性な部位を有する化合物が好ましい。具体的には、市販のキラルネマチック液晶(例えばPaliocolor LC756(BASF社製),キラルドーパント液晶S−811(Merck社製)等)が挙げられる。
なお、本発明の固体化液晶層は、可視光領域において透明度が高いことが求められるので、キラル剤は、液晶材料層の螺旋ピッチが短く選択反射の波長が400nm程度以下になるような量で添加される。キラル剤の具体的な添加量は、用いるサーモトロピック液晶化合物の種類あるいはキラル剤のねじれ誘起力等によっても異なるが、例えばサーモトロピック液晶化合物に対して2乃至50重量部とすることができる。
コーティング液には、光重合開始剤が含まれていてもよい。
光重合開始剤には、二色性の光重合開始剤が用いることができる。このような二色性の光重合開始剤は、後述する露光工程において、面内で特定の方位を向いたサーモトロピック液晶化合物について固定化を誘起しやすく、面内異方性の大きな固体化液晶層を得ることが容易であるという点で好ましい。
光重合開始剤は、必ずしも二色性を有していなくともよい。例えば光重合開始剤として、前記した着色組成物に用いる化合物と同様のもの(以下、「その他の光重合開始剤」という。)を使用することができる。二色性の光重合開始剤をコーティング液に添加せず、その他の光重合開始剤を用いても、あるいは光重合開始剤を用いなくても、本発明の位相差板10を得ることができる。これは、光重合性または光架橋性のサーモトロピック液晶材料そのものが光による反応に異方性を有しているためと推定される。前記その他の光重合開始剤は、後述する露光工程において、感度が高いため少ない露光量でより確実な固定化を誘起しやすく、強固な固体化液晶層130を得ることが容易であるという点で好ましい。
光重合開始剤としては、前記した二色性の光重合性開始剤およびその他の光重合開始剤のいずれか、またはこれらを2種以上混合して添加され、コーティング液中の液晶化合物100重量部に対して0.1乃至30重量部、好ましくは0.3乃至10重量部の量で含有させることができる。
増感剤を光重合開始剤と併用してもよく、これには、前記した着色組成物に用いる化合物と同様のものを使用することができる。増感剤は、光重合開始剤100重量部に対して0.1乃至60重量部の量で含有させることができる。
コーティング液には、溶剤を加えることができる。
溶剤には、前記した着色組成物に用いる化合物と同様のものを使用することができ、コーティング液中の液晶化合物100重量部に対して100乃至3000重量部、好ましくは200乃至1000重量部を用いることができる。
コーティング液には、さらに必要に応じて、熱重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤、樹脂、多官能モノマーおよび/またはオリゴマー、連鎖移動剤、貯蔵安定剤および密着向上剤等を、適量添加することができる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−t−ブチルパーオキシド(PBD)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのような過酸化物開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−tert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系開始剤などを使用することができる。
重合禁止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、スチレン化フェノール、スチレン化p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−1−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、1−オキシ−3−メチル−イソプロピルベンゼン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、ポリブチル化ビスフェノールA、ビスフェノールA、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テレフタロイルージ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルスルフィド)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、トルエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ヘキサメチレングリコール−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリン)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジエチルエステル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス〔β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル〕イソシアヌレート、2,4,6−トリブチルフェノール、ビス〔3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)−ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド等のフェノール系禁止剤、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物、ジアリール−p−フェニレンジアミン等のアミン系禁止剤、ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダノール等の硫黄系禁止剤、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系禁止剤等を示すことができる。
界面活性剤、樹脂、多官能モノマーおよび/またはオリゴマー、連鎖移動剤、貯蔵安定剤および密着向上剤等は、前記した着色組成物に用いる化合物と同様のものを使用することができる。
液晶材料層は、例えば、均一な厚さを有している連続膜として形成する。上述した方法によれば、塗布面が十分に平坦である限り、液晶材料層を均一な厚さを有している連続膜として形成することができる。
コーティング液の塗布に先立って、カラーフィルタ層の表面に、ラビングなどの配向処理を施してもよい。あるいは、コーティング液の塗布に先立って、カラーフィルタ層上に、液晶化合物の配向を規制する配向膜を形成してもよい。この配向膜は、例えば、カラーフィルタ層上にポリイミドなどの透明樹脂層を形成し、この透明樹脂層にラビングなどの配向処理を施すことにより得られる。この配向膜は、光配向技術を利用して形成してもよい。
液晶材料層においては、サーモトロピック液晶化合物のメソゲンとともに、二色性の光重合開始剤もコレステリック構造に配向している。したがって、非偏向照射および偏光照射を液晶材料層に行なうことによって、所望の割合ならびに所望の異方性の程度で重合または架橋させることができる。この場合、サーモトロピック液晶化合物の重合または架橋は、不均一であるということができる。
露光工程では表示領域ごとに異なる照射量でパターン露光を行い、前記塗布した重合性液晶の一部/又は全体の光硬化を行う。表示領域ごとに異なる量の光を照射する手段としては、複数のフォトマスクを使用して複数回の露光を行なう方法、同一のフォトマスクを使用してこれを移動させながら複数回の露光を行なう方法、光の透過率の異なる複数の領域を持つハーフトーンマスクを使用する方法、露光機の解像度以下のスリットを有する部分によってなる複数の領域を持つグレイトーンマスクを使用する方法、光の透過波長の異なる複数の領域を持つ波長制限マスクを使用する方法、電子ビーム等の光束を走査して描画する方法、あるいはその組み合わせ等が考えられるが、これらに限定されず、所望する領域に必要なだけの光を照射できる方法であればどのようなものでもかまわない。
本発明の位相差層製造における露光工程で使用するフォトマスク設計は、各色および/または反射部・透過部に光照射するため、かつ、ブラックマトリクス額縁パターンとその外周の所定の非表示領域に光照射するために設計されたものを使用する。前記露光方法にあるように、位相差層製造における露光工程は複数回行うため、該マスクを使用して同一基板を複数回露光しても所望の位相差層膜厚が得られるように設計する
位相差層製造における露光工程で使用するフォトマスクの開口パターンは、カラーフィルタのブラックマトリクス額縁領域と、その外周の所定の非表示領域が光照射されるように設計されたフォトマスクを使用する(図1)。このとき、カラーフィルタ各色および/または反射部・透過部に異なる露光量で光照射するために、同一マスクで位相差制御するために必要な回数光照射することから、ブラックマトリクス額縁領域とその外周の所定の非表示領域は複数回露光される。
または、ブラックマトリクス額縁領域が、各色および/または反射部・透過部領域に相当する領域ごとに光照射されるようにフォトマスクを設計してもよい(図2)。このとき、カラーフィルタ各色に対応した露光量でブラックマトリクス額縁上の位相差層が光照射される。表示画素間領域が非照射領域となるが、概ねすべての領域が露光されるため、基板全体での膜厚均一性は向上する。
基板上に複数のカラーフィルタを多面付けして製造する場合には、ブラックマトリクス額縁領域が複数存在するため、効果的にすべてのカラーフィルタの膜厚均一性を向上させ、ひいては生産性を向上させることができる。
露光工程において用いるパターン露光光は偏光又は非偏向並行光、又はこれらの組み合わせによって選択されて構成され、領域毎に偏光照射の条件および非偏向並行光照射の条件が異なる。偏光および非偏向並行光は、いずれが先に照射されてもよい。また、一部の領域に照射される光は、いずれか一方のみの光とすることができ、いずれの照射も行なわれない領域が存在してもよい。
なお、非偏向並行光照射の条件が異なるとは、露光時間・照度・輝線等のうちいずれか一つ、あるいはこれらの組み合わせが相違していることを指す。通常、それぞれの領域に対して異なる照射エネルギー、すなわち異なる露光量となるように光を照射するが、材料によっては相反則不軌の性質がみられるので、その場合には必ずしも露光量が異なっていなければならないわけではない。例えば、ある領域には高照度で短時間、別の領域には低照度で長時間露光を行ない、結果として双方の領域の露光量(照度×露光時間)が同じであっても良い。
また、偏光照射の条件が異なるとは、前記非偏向並行光照射において変更する条件に加えて、偏光の楕円率・偏光の消光比が含まれ、これらのうち一つまたはこれらの組み合わせが相違していることを指す。通常、それぞれの領域に対して異なる露光量となるように光を照射するが、必ずしも露光量が異なっていなければならないわけではない点は非偏向並行光照射の場合と同様である。偏光照射において用いることのできる光としては、直線偏光または楕円偏光が挙げられ、前記したように変更する条件として楕円率・消光比を選択してもよいが、直線偏光を用いて消光比も一定とし、他の条件を変更するのが簡便である。
上記のように領域によって異なる照射量で露光された基板を、当該液晶化合物の等方相相転移温度以上に加熱する。液晶化合物層のうち光が照射されなかった領域は、加熱によって等方相に転移して実質的に無配向状態となり、不充分な量の光が照射された領域はその照射量に応じて残る未硬化成分の配向が乱れて低配向状態となる。充分な量の光が照射された領域は配向を保って固定化されたままの状態、すなわち高配向状態となり、光学補償能を有するカラーフィルタを形成する。
(遮光パターンの形成)
ガラス基板上にスピンコーターで黒色感光性樹脂組成物を塗布し、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して紫外線を照射する。照射量は100mJ/cm2とした。その後、該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上にブラックマトリクスパターンを形成した。
ガラス基板上にスピンコーターで黒色感光性樹脂組成物を塗布し、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して紫外線を照射する。照射量は100mJ/cm2とした。その後、該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上にブラックマトリクスパターンを形成した。
(反射部画素の形成)
スピンコーターで赤色着色感光性樹脂組成物を塗布した後に、クリーンオーブン中230℃で20分間加熱乾燥し塗膜基板を得た。この基板を室温まで冷却後、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して反射部赤色画素に紫外線を照射する。該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上に透過部赤色画素を形成した。同様にして基板上に透過部緑色画素、青色画素を形成した。各色透過部画素の膜厚はいずれにおいても1.7μmとなるように作成した。
スピンコーターで赤色着色感光性樹脂組成物を塗布した後に、クリーンオーブン中230℃で20分間加熱乾燥し塗膜基板を得た。この基板を室温まで冷却後、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して反射部赤色画素に紫外線を照射する。該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上に透過部赤色画素を形成した。同様にして基板上に透過部緑色画素、青色画素を形成した。各色透過部画素の膜厚はいずれにおいても1.7μmとなるように作成した。
(透過部画素の形成)
スピンコーターで赤色着色感光性樹脂組成物を塗布した後に、クリーンオーブン中230℃で20分間加熱乾燥し塗膜基板を得た。この基板を室温まで冷却後、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して透過部赤色画素に紫外線を照射する。該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上に透過部赤色画素を形成した。同様にして基板上に透過部緑色画素、青色画素を形成した。各色透過部画素の膜厚はいずれにおいても1.7μmとなるように作成した。
スピンコーターで赤色着色感光性樹脂組成物を塗布した後に、クリーンオーブン中230℃で20分間加熱乾燥し塗膜基板を得た。この基板を室温まで冷却後、超高圧水銀灯を用いてフォトマスクを介して透過部赤色画素に紫外線を照射する。該基板を23℃炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾する。さらに、クリーンオーブン中230℃で20分間焼成を行ない、基板上に透過部赤色画素を形成した。同様にして基板上に透過部緑色画素、青色画素を形成した。各色透過部画素の膜厚はいずれにおいても1.7μmとなるように作成した。
(配向膜の形成)
配向膜材料を、前記基板上に、スピンコーターを使用して膜厚が0.1μmになるように塗布し、ホットプレート上90℃で1分間加熱乾燥させた後、クリーンオーブン中230℃で40分間焼成した。続いて、該基板に100mJ/cm2の紫外線を照射した後、該基板に一定方向にラビング処理を施すことにより、配向能を有する基板を得た。
配向膜材料を、前記基板上に、スピンコーターを使用して膜厚が0.1μmになるように塗布し、ホットプレート上90℃で1分間加熱乾燥させた後、クリーンオーブン中230℃で40分間焼成した。続いて、該基板に100mJ/cm2の紫外線を照射した後、該基板に一定方向にラビング処理を施すことにより、配向能を有する基板を得た。
(位相差薄膜工程)
水平配向重合性液晶を前記基板の配向膜の上に、スピンコーターで膜厚が1.5μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で2分間加熱乾燥し液晶配向基板を得た。
水平配向重合性液晶を前記基板の配向膜の上に、スピンコーターで膜厚が1.5μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で2分間加熱乾燥し液晶配向基板を得た。
次に当該液晶配向基板を、超高圧水銀灯を用いフォトマスクを介して反射部の各色領域に紫外線を照射した。紫外線の照射量は、反射部赤色画素領域では200mJ/cm2、反射部緑色画素領域では40mJ/cm2、反射部青色画素領域では20mJ/cm2とした。透過部の各色領域は未露光とした。
フォトマスクは、ブラックマトリクス額縁領域と多面付けされたカラーフィルタ層の隙間の所定の領域が光照射されるように設計されたものを使用した(図1)。
続いて基板をN2雰囲気(O2濃度<1%)のクリーンオーブン中230℃で30分間焼成を行なって位相差薄膜層を有するカラーフィルタ基板を得た。
当該カラーフィルタ基板の各色領域の光学異方性を測定したところ、反射部画素は所望の光学異方性を有することを確認した。なお、透過部画素は各色領域とも位相差がほとんど認められなかった。当該基板のピース内膜厚はAverage=2.1μm、Range=0.5μm、3σ=0.4であった。
(比較例)
(遮光パターンの形成)から(配向膜の形成)までは、実施例と同様の製造方法でカラーフィルタを作成した。
(遮光パターンの形成)から(配向膜の形成)までは、実施例と同様の製造方法でカラーフィルタを作成した。
(位相差薄膜工程)
水平配向重合性液晶を前記基板の配向膜の上に、スピンコーターで膜厚が1.5μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で2分間加熱乾燥し液晶配向基板を得た。
水平配向重合性液晶を前記基板の配向膜の上に、スピンコーターで膜厚が1.5μmになるように塗布し、ホットプレートにて90℃で2分間加熱乾燥し液晶配向基板を得た。
次に当該液晶配向基板を、超高圧水銀灯を用いフォトマスクを介して反射部の各色領域に紫外線を照射した。紫外線の照射量は、反射部赤色画素領域では200mJ/cm2、反射部緑色画素領域では40mJ/cm2、反射部青色画素領域では20mJ/cm2とした。透過部の各色領域は未露光とした。
このとき使用したフォトマスクは、ブラックマトリクス額縁領域と基板内ピース間は遮光されるように設計されたものを使用した(図3)。
続いて基板をN2雰囲気(O2濃度<1%)のクリーンオーブン中230℃で30分間焼成を行なって位相差薄膜層を有するカラーフィルタ基板を得た。
1…ブラックマトリクス額縁領域
2…額縁外周の非表示領域
3…マスク遮光領域
2…額縁外周の非表示領域
3…マスク遮光領域
Claims (5)
- 少なくとも、ガラス基板上に、
ブラックマトリックスを形成する工程と、
それぞれが反射部と透過部を有する着色画素からなるカラーフィルタ層を形成する工程と、
配向膜層を形成する工程と、
重合性液晶を塗布する工程と、
前記重合性液晶を着色画素の各色および/または反射部・透過部に対応する領域毎に異なる照射量となるように光照射する工程と、
前記光照射工程と同時に前記ブラックマトリクスの額縁上とカラーフィルタの隙間の所定領域を光照射する工程と、
を有することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法。 - 請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法において、ブラックマトリックスを多面付けで形成することを特徴とする光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 前記重合性液晶の光照射工程における露光量が、50〜300mJ/cm2の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- 各色および/また反射部・透過部に対応する領域、ブラックマトリクスの額縁領域、多面付けされたカラーフィルタの隙間の所定の領域をそれぞれ光照射するための開口パターンを有するフォトマスク使用することを特徴とする請求項1又は2記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
- ブラックマトリクス額縁領域の開口パターンが各色および/また反射部・透過部に対応する領域と同じ開口幅であるフォトマスクを使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009076290A JP2010107939A (ja) | 2008-09-30 | 2009-03-26 | 光学補償能を有するカラーフィルタ基板の製造方法 |
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JP2008254247 | 2008-09-30 | ||
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JP2010107939A true JP2010107939A (ja) | 2010-05-13 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012046541A1 (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-12 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 露光装置 |
-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009076290A patent/JP2010107939A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046541A1 (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-12 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 露光装置 |
JP2012083383A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-26 | V Technology Co Ltd | 露光装置 |
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