JP2008058612A - 液晶セル及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一層でも理想的なレターデーション値を付与するパターニング構造の位相差層を備えるカラー表示用の液晶セルを提供し、該液晶セルを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】カラー表示用の液晶セル10であって、基板11b,14bの主面の法線に対して垂直方向及び平行方向の光軸についての2軸性の複屈折を有し、カラーフィルターfr,fg,fbの透過率波長依存性に対応して膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションを異ならせた位相差素子Ir,Ig,Ibが前記カラーフィルターごとに配置された1層構造の位相差層15を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、視野角劣化が改善される液晶セル及び該液晶セルを用いた液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は従来の陰極線管(CRT)を用いた表示装置に比べて、低消費電力、低電圧動作、軽量、薄型といった特徴を有しており、テレビ、コンピューター、携帯をはじめとする様々な表示装置として急速に普及してきている。しかしながら、液晶表示装置には見る角度によってコントラスト・色度が本来の表示特性とは異なってしまう問題が指摘されていた(このような表示特性の角度依存を以下、視野角劣化と呼ぶ)。
このように視野角特性が生じてしまう原因は主に2つに大別される。
一つ目の原因は偏光板そのものにある。偏光板は特定の偏波面の光だけを透過させる特徴をもつ。そのため偏波面に対して偏光板の透過軸および吸収軸は一定の角度関係を保持しなければならない(図1(a))。特に黒状態では角度が平行・垂直の関係を保たなければ黒浮きが生じてしまう。ところが偏光板と観察者の位置関係によっては偏光板の軸と偏波面は平行・垂直の関係が保てなくなる。
二つ目の原因は液晶表示装置の液晶セルそのものの屈折率の角度依存である。液晶表示装置は液晶セル内の液晶を駆動させて、液晶の屈折率の変化を利用して偏波面を変化させることで表示する。正面から見たときと、角度をつけて見たときでは屈折率が異なることが原因の一つに挙げられる。すなわち、表示したい状態とは異なる屈折率が発現してしまい、偏波面が角度依存してしまうことが視野角劣化の原因である。とりわけ黒表示状態ではこの屈折率の微妙な変化によって輝度が上昇してしまい(いわゆる黒浮き)人間の目が感じやすいために表示特性の問題となりやすい。
このような視野角特性を向上させるために位相差フィルムを2枚の偏光板の間に配置することが広く利用されている。この位相差フィルムによる視野角劣化の解決の原理を以下に説明する。なお、液晶表示装置は様々な液晶の駆動方法がある。例えば、液晶分子が2枚の偏光板の間でほぼ90°ねじれた配向をしているTN(ツイステッドネマティック)モード、誘電率異方性が負の液晶を偏光板の間で垂直配向させるVAモード(ヴーティカルアライメント)モード、液晶分子を偏光板の間で水平配向させて、駆動時に回転させるIPS(インプレーンスイッチング)モードなどが挙げられる。いずれのモードにおいても液晶と偏光板が角度によって偏波面を変化させてしまうために表示特性が本来望まれる状態とは異なってしまうことが視野角劣化の原因である。ここでは家庭用テレビに広く利用されているVAモードにて上記の視野角劣化が生じてしまう原因を解説する。
一つ目の偏光板については、すでに述べたように偏光板と観察者の位置関係によって偏波面との関係が角度依存してしまうことが視野角劣化の原因である。単純にするために液晶セルを除いて偏光板のみで考えてみる。図1(a)のように偏光板の吸収軸を直交させて配置すると光は全て吸収されてしまう。ところが、斜めから見るとこの関係が崩れてしまい(図1(b))、想定していない光が出射してしまう(光漏れ)。
このような光漏れを解決するためには、斜めからみたときに偏波面を変化させるフィルムをあらかじめ入れておくことで視野角劣化を改善させる。すなわち、リアサイドから出現した一方向の偏波面をもつ光を適当に偏波面を変化させて、フロントサイドの偏光板の吸収軸と平行にさせるのである。
このような位相差フィルムとしては波長に対して1/4のレターデーションをもつλ/4板を2枚使用するとよいことが広く知られている。ただし、このλ/4板はあらゆる波長に対して1/4のレターデーションをもっていなければならない。すなわち青色の光(450nm)の視野角劣化を防ぐためには112.5nmのレターデーション値をもつ波長板がベストであるが、同時に緑色の光(550nm)の視野角劣化を防ぐためには137.5nmのレターデーション値をもつ波長板を用いなければならない。同様に黄色の光、赤色の光の視野角劣化の対策のためにはおのおの波長ごとに最適なレターデーション値をもつ位相差板を用いる必要がある。
ここで、可視光領域のなかで780nmのレターデーションを390nmのレターデーションで除した比をαとする。α<1であるとレターデーションは波長が増えていくにつれて減っていく。これは「正の波長分散」と一般的に呼ばれている。逆に、α>1であるとレターデーションが波長に対して増えていく。これは「負の波長分散」と呼ばれている。上記のように偏光板に対する補償としては負の波長分散をもったものがよい。なおかつ、全ての波長域でλ/4の関係を保ったレターデーション値を有することが理想であるのでα=2のλ/4板が理想とされる。
図2に示すようなα=2の理想的な波長板を用いた場合、視野角劣化は改善されるが、実際にはこのような理想的な波長板は発明されていない。位相差フィルムに広く用いられているJSR製アートンフィルムの波長分散を図3に示す。このフィルムを偏光板の間に配置した場合、レターデーションの波長依存が理想値からずれているために視野角劣化を全て補償しきれない。
同様に液晶セル内の液晶に起因する視野角劣化についてもレターデーションの理想値が波長ごとに存在する。こちらもVA液晶モードを用いて説明する。VAモードにおいて電圧無印加状態(図4)では、正の一軸性媒体(液晶)4が液晶セル3の基板の法線方向に向かって配向しており、偏光板1は液晶セル3前後で直交して配置させている。この場合の液晶は光学的には基板法線方向に対して光軸が平行な正の一軸性の屈折率楕円体で近似できる。この屈折率楕円体を基板法線方向から見ると円に見える(図4(b))、つまり光学的に等方であるため入射直線偏光はその偏波面を変えずにフロント側の偏光板の吸収軸と平行なままである(図4(a))。その結果電圧無印加状態ではいわゆる黒表示状態になる。
しかし、斜め方向から見た場合(図5(a))、この屈折率楕円体は真円ではなく楕円に見える(図5(b))。すなわち、光学的に異方性を有するために入射直線偏光は楕円偏光となり出射側偏光板1を透過する偏光成分が生じることによって斜め方向で黒輝度が浮くことになる。
このような場合、偏光板のときと同様に偏波面が角度によって変化してしまうので、斜めから見たときに偏波面をさらに変化させるレターデーションを有するフィルムをあらかじめ配置しておけば良い。ここでは負の一軸性の屈折率楕円体を配置すれば良い。基板法線方向から視角を倒してみていくと正の屈折率楕円体の場合と同様に円から楕円に見えてくる。ここで正と負の場合では斜め方向から見たときの楕円の長軸の方向が90°異なる。したがって正の一軸性の屈折率媒体(セルの液晶)と屈折率異方性Δn(長軸と短軸の差)が等しい負の一軸性の屈折率媒体により所望のレターデーションを生じるフィルムを組み合わせることにより、斜めから見た場合の偏波面の変化を互いに補償しあうことができて偏波面の角度依存性がなくなる。
しかし、この場合でも偏光板のときと同様に理想とするレターデーション値が波長ごとに異なる。原理上、正の屈折率楕円体のレターデーションの波長分散と絶対値が同等で符号が反対となる波長分散性をもつ位相差フィルムを配置すれば良い。液晶セルのレターデーションはα<1の正の波長分散特性を持っている。よって、α<1の正の波長分散を有しておりなおかつ負の一軸性屈折率媒体のフィルムが理想的である。
以上のように従来の技術では液晶表示装置において視野角劣化が様々な原因によって生じて、その対策として位相差フィルムを利用して一定の解決することができる。これは最適なレターデーション値をもつフィルムを用いる必要があるが、最適なレターデーションというのはそれぞれの波長ごとに異なる。そのため、レターデーションの値とその波長に対する傾きを最適化することが必要とされる。さらに、補償する対象と目的によって偏光板に対する補償には負の波長分散が理想であり、液晶に対する補償には正の波長分散が理想である。すなわち、上記VA液晶モードについていえば、面内のレターデーションは負の波長分散をとり、面と法線方向のレターデーションについては負の波長分散を取る必要がある。
しかし、レターデーションの波長分散は材料によって固有の値をとってしまいコントロールができず、しかも位相差フィルムとして利用されているフィルムのほとんどは正の波長分散を有しており、理想的な値をとることができない。よって、現状では可視光の中心である500nm〜600nm付近の波長においてレターデーションの最適値になるようにフィルムの光学設計を行い、青色と赤色の波長はレターデーション値が最適とならないことを容認しつつも位相差板を利用していた。
理想に近い位相差板を達成する手段として例えば特許文献1のように異なったレターデーション値と波長分散をもつ位相差板を両者の光軸が交差した状態で貼り合せる技術が挙げられる。また、アッベ数の異なる二枚の位相差フィルムを積層させる技術が特許文献2などで知られている。さらに2種類以上の異なるモノマーの共重合体を用いる技術が特許文献3などに公開されている。いずれの技術も異なる波長分散をもつ物質を組み合わせて作製されている。
しかしながら、このように異なる波長分散をもつ材料を組み合わせることはコストや生産性の問題が挙げられる。また、材料・レイヤーが増えることそれ自体がヘイズの発生、裏面反射を起こすなど表示上の問題になりやすい。加えて、面内方向と膜厚方向に対して異なったレターデーションの波長分散をとることができない。
このような状況において、特許文献4〜7などでは赤・緑・青とレターデーション値の波長分散をもたせるのではなく赤・青・緑(RGB)のそれぞれのピクセルに対して異なったレターデーション値の位相差層をパターニングして付与することを考えられている。
しかし、これらの特許は全て構造が複雑であり生産性・コストの両面から問題がある。例えば特許文献4については偏光板の透過軸を各ピクセルごとに変えている。また、例えば特許文献5についてはパターニングした各位相差層間に遮光層を付与している。また、これらの特許については位相差値をピクセルごとにどのように変えていくかについて不明瞭であった。
また、例えば特許文献6および特許文献7については面内方向に異常光屈折率を持った正の一軸性位相差素子と、膜厚方向に異常光屈折率をもった負の一軸性位相差素子の多層構造を特徴としている。この発明については前者にはRGBで徐々にレターデーションを増やしていき、後者についてはRGBで徐々にレターデーション値を減らしていることが紹介されている。すなわち、理想的な位相差値を明瞭に行っている。しかしながら、完全な補償を目指す場合には上記2層をそれぞれパターニングする必要があり、なおかつそれを実現するための手段として複屈折はそのままで膜厚だけ変更していることを考えている。しかし、このように透明基板間に配設された位相差層の膜厚を変えることでレターデーション値を変化させると透明基板同士のシーリングが正確に行うことができない。さらに、上記2層ともに膜厚を変えてパターニングするとなると、そのプロセス数は莫大になる。単純に考えるとRGB3色を2層で構成するものなので6回のプロセスとなってしまう。
特開平10−68816号公報 特開平2−285304号公報 特開2003−207640号公報 特開2006−-18285号公報 特開2005−181744号公報 特開2004−240102号公報 特開2004−191832号公報
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、一層でも理想的なレターデーション値を付与するパターニング構造の位相差層を備えるカラー表示用の液晶セルを提供し、該液晶セルを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、内面側にピクセル単位で分割されかつ該ピクセルごとに個別に駆動する透明電極を有する対向配置された一対の基板と、該基板間に挟持された液晶層と、前記基板間に設けられ透過率波長依存性が異なる複数のカラーフィルターが前記ピクセルに配設されてなるカラーフィルター層とを備える液晶セルであって、前記基板主面の法線に対して垂直方向及び平行方向の光軸についての2軸性の複屈折を有し、前記カラーフィルターに対応して膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションを異ならせた位相差素子が前記カラーフィルターごとに配置された1層構造の位相差層を備えることを特徴とする液晶セルである。
ここで、前記位相差層は、キラルな重合可能な液晶材料が塗布されてなる液晶材料層に前記カラーフィルターに対応する領域ごとで偏光状態の異なる直線偏光を照射して光重合されてなるものであることが好ましい。
また、前記位相差層は、膜厚の同じ位相差素子からなり、偏光状態の異なる直線偏光を照射することで該位相差素子の複屈折率を変化させて膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションが調整されていることが好適である。例えば、直線偏光の偏光度を大きくすると面内の複屈折が大きくなり、逆に偏光度を小さくすると面内の複屈折が小さくできるなどが好適である。
また、前記位相差層は、前記一対の基板のいずれか一方の外面上、あるいは該基板間に配設されてなることが好ましい。
また、前記カラーフィルター層は、赤色フィルター、緑色フィルター、青色フィルターからなることが好ましい。
前記赤色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値は、前記青色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値より大きいことが好ましく、前記青色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値の1.4倍以上であることが好適である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、バックライトユニットと、第1の偏光板と、請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、第2の偏光板とを備えることを特徴とする透過型液晶表示装置である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、偏光板と、反射板とを備えることを特徴とする反射型液晶表示装置である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、該液晶セルの一部に配設される偏光板及び反射板と、前記液晶セルの他の一部に配設される複数の偏光板とを備えることを特徴とする半透過型液晶表示装置である。
本発明の液晶セルによれば、位相差層が2軸素子からなるものであれば同じ膜厚でも屈折率を変化させることでレターデーション値を変化させることができる。また、カラーフィルターどのような波長分散をもった材料であっても、各色で最適な波長分散をもつ位相差層と同じだけの視野角改善効果が得られて、なおかつそのような構造を工業的に有利に作製できる。
また、本発明の液晶セルは、透過型液晶表示装置だけでなく、一枚の偏光板と外部の光源を用いた反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置にも適応可能である。
発明者らは、前述した問題点を踏まえて、一層でも理想的なレターデーション値を付与するためにパターニング構造とした位相差層を着想し、鋭意検討した結果、本発明の液晶セルを発明した。すなわち、位相差層の1層中で対偏光板補償と対液晶補償が可能になるnx>ny>nzの2軸性位相差素子のパターニングを考え、その最適なレターデーション値の分布を工夫した。さらに、その位相差素子の膜厚を同じ程度にした位相差層を付与することを考えた。以下、本発明について説明する。
図6は、本発明に係る液晶セルの構成を示す断面図である。
液晶セル10は、内面側にピクセル単位で分割されかつ該ピクセルごとに個別に駆動する透明電極11a,14aを有し対向配置された一対の基板11b、14bと、基板11b,14b間に挟持された液晶層12と、基板11b,14b間に設けられ透過率波長依存性が異なる複数のカラーフィルターfr,fg,fbが前記ピクセルに配設されてなるカラーフィルター層13と、基板11b,14bの主面の法線に対して垂直方向及び平行方向の光軸についての2軸性の複屈折を有し、前記カラーフィルターfr,fg,fbの透過率波長依存性に対応して膜厚方向のレターデーションRth及び面内のレターデーションRoを異ならせた位相差素子Ir,Ig,Ibが前記カラーフィルターfr,fg,fbごとに配置された1層構造の位相差層15とを備えている。
ここで、基板11b,14bは、透明な基板であり、それぞれ片面にサブピクセル単位で駆動することのできる透明電極11a,14aを有している。また、基板11b,14bとしては、例えばガラスまたはクォーツシート、またはプラスチックフィルムもしくはシートを用いることができる。好ましくは、プラスチック基板、例えばポリエステルのフィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボナート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)であり、特に好ましくはPETフィルムまたはTACフィルムである。複屈折基板としては、例えば一軸性に延伸されたプラスチックフィルムを使用できる。例えば、PETフィルムは、DuPont Teijin Filmsから登録商標メリネックス(Melinex)として市場で入手可能である。
液晶層12は、例えばツイストネマチック液晶やスーパーツイストネマチック液晶を好ましく用いうるが、非ツイスト系の液晶や二色性染料を液晶中に分散させたゲストホスト系の液晶あるいは強誘電性液晶を用いてもよい。また、液晶の駆動方式については特に限定しない。
カラーフィルター層13は、赤色波長の光を透過する赤色フィルターであるカラーフィルターfr、緑色波長の光を透過する緑色フィルターであるカラーフィルターfg、青色波長の光を透過する青色フィルターであるカラーフィルターfbからなる。またカラーフィルターfr,fg,fbは、透明電極11a,14aに対応してサブピクセル単位で設けられているとともに、所定のパターンで配列されている。
位相差層15は、本発明の根幹を成すものであり、キラルな重合可能な液晶材料が塗布されてなる液晶材料層にカラーフィルターfr,fg,fbに対応する領域ごとで偏光状態の異なる直線偏光を照射して光重合されてなるものである。また、位相差層15は、膜厚の同じ位相差素子Ir,Ig,Ibからなり、該位相差素子Ir,Ig,Ibの複屈折率を変化させて膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションが調整されている
本発明に用いる位相差層15は、特表2005−513241号公報に開示されているキラルな重合可能な液晶材料を用いて形成する2軸性フィルムである。
すなわち好ましいのは、光学的に二軸ネガティブC対称を有しnx ≠ny ≠nZ およびnx、ny >nz である二軸リタデーションフィルムであって、ここでnx およびny はフィルム面内で直交する2方向の主屈折率であり、nz はフィルム面に垂直方向の主屈折率である。また、波長が380nm以上の光に対して、好ましくは380〜780nmの可視光に対して実質的に透明な、二軸リタデーションフィルムである。二軸性フィルムの厚さは好ましくは0.5〜5μmであり、特に好ましくは1〜3μmである。
本発明では、パターニング技術により位相差層15内に膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションが異なる位相差素子Ir,Ig,Ibが設けられたものである。さらに、位相差素子Irはカラーフィルターfrの領域に対応し、位相差素子Igはカラーフィルターfgの領域に対応し、位相差素子Ibはカラーフィルターfbの領域に対応して形成されている。
螺旋ピッチは、可視光波長より短い360nm未満の反射波長を達成するために、好ましくは225nm未満を選択する。位相差素子Ir,Ig,Ibのリタデーションは、カラーフィルターfr、fg、fbの透過波長ごとで目標とする視野角改善の程度に応じて選択することが可能である。例えば、位相差素子Irは、波長600nm超、780nm以下において膜厚方向のレターデーションRthを160〜200nm、面内のレターデーションRoを60〜120nmとする。また、位相差素子Igは、波長500nm超、600nm以下において膜厚方向のレターデーションRthを170〜210nm、面内のレターデーションRoを50〜100nmとする。また、位相差素子Ibは、波長380nm以上、500nm以下において膜厚方向のレターデーションRthを180〜220nm、面内のレターデーションRoを30〜60nmとする。
なお、位相差層15は、架橋コレステリックポリマーを含むのが好ましい。
二軸性フィルムである位相差層15は、例えば、短いピッチ(高い捻れ)のコレステリック液晶(CLC)ポリマーフィルム中に螺旋変形を含むことにより、製造することができる。これは、例えば、基板上に塗布してプレナー配向に配列させた、重合可能なコレステリック液晶材料を光重合することによって達成でき、ここで、重合可能な材料は二色性(dichroic)または液晶の光重合開始剤を含み、光重合は、直線偏光、例えば直線偏光UV光の照射によって開始される。その結果、CLC螺旋が光重合の間に歪められる。この方法は、長いピッチのCLCポリマーフィルムの製造用としてD. J. Broer et al., Adv. Mater. 1999, 11(7), 573-77に記載されている。
位相差層15は、混合物の反射波長が重合に通常用いられる光の波長(典型的には約365nm)より低くなること、および螺旋歪みが可能となることを意図して開発された、重合可能なキラル液晶材料から製造することができる。これは例えば、高い捻れを有するキラル成分、および/またはブラッグ反射帯をUV範囲に押しやるための多量のキラル成分を加えること、そして例えば、螺旋歪みを可能とする二色性の光重合開始剤を加えることにより達成される。
重合可能な材料は、好ましくはコレステリック液晶(CLC)材料である。好ましくは、1種または2種以上のアキラルな重合可能なメソゲン性化合物と、少なくとも1種のキラル化合物を含む。該キラル化合物は、重合可能でないキラル化合物、例えば液晶混合物またはデバイスにおいて用いられるキラルドーパント、重合可能なキラル非メソゲン性化合物、または重合可能なキラルメソゲン性化合物から選択することができる。特に好ましいのは、高い螺旋捻れ力(helical twisting power)を有するキラルドーパントであり、なぜならばこれらは、低量で用いられる場合も短ピッチCLC混合物を提供するからである。
特に好ましいのは、キラルな重合可能なLC混合物であって、
a)少なくとも1個の重合可能な基を含む、少なくとも1種の重合可能なメソゲン性化合物、
b)重合可能および/またはメソゲン性で、a)の成分の一つの化合物または付加的化合物であってもよい、少なくとも1種のキラル化合物、
c)少なくとも1種の二色性光重合開始剤、
d)随意的に、1個または2個以上の重合可能な基を有する、1種または2種以上の非メソゲン性化合物、
e)随意的に、1種または2種以上の非二色性の光重合開始剤、
f)随意的に、光重合を開始するために用いられる波長において最大吸収を示す、1種または2種以上の染料、
g)随意的に、1種または2種以上の連鎖移動剤、および
h)随意的に、1種または2種以上の界面活性(surface active)化合物、
を含む、前記混合物である。
なお、アキラルおよびキラルな化合物は、反応基の数が異なるのが好ましい。
本発明の好ましい態様においては、重合可能なメソゲン性材料は、少なくとも1種の二または多反応性キラルな重合可能なメソゲン性化合物および、少なくとも1種の一、二または多反応性アキラルな重合可能なメソゲン性化合物を含む。
本発明の他の好ましい態様においては、重合可能な材料は、少なくとも1種の一反応性キラルな重合可能なメソゲン性化合物および、少なくとも1種の一、二または多反応性アキラルな重合可能なメソゲン性化合物を含む。
他の好ましい態様においては、重合可能な材料は、少なくとも1種の非反応性キラル化合物および、少なくとも1種の一、二または多反応性重合可能なメソゲン性化合物を含む。
二または多反応性化合物が重合可能な材料の中に存在する場合、3次元ポリマーネットワークが形成される。かかるネットワークにより作成される光学リタデーションフィルムは、自立的であり、高い機械的安定性および熱的安定性を示し、その物理特性および光学特性は温度への依存性が低い。
二または多反応性化合物の濃度を変化させることにより、ポリマーフィルムの架橋密度を調節し、これによって物理および化学特性、例えば光学リタデーションフィルムの光学特性の温度依存性に重要なガラス遷移温度、熱的および機械的安定性、または溶媒抵抗性などを、容易に調節することができる。
好ましい重合可能なLC混合物は、
−10〜80%の、1種または2種以上の二反応性アキラルなメソゲン性化合物、
−5〜80%の、1種または2種以上の一反応性アキラルなメソゲン性化合物、
−5〜80%の、1種または2種以上の一または二反応性キラルなメソゲン性化合物、および/または、1〜20%の、1種または2種以上の、メソゲン性であってもよい非反応性キラル化合物、
−0〜10%の、1種または2種以上の連鎖移動剤、
−0〜3%の、1種または2種以上の、非反応性、一反応性、二または多反応性界面活性剤、
−0.1〜8%の、1種または2種以上の二色性光重合開始剤、好ましくは0.5〜5%の二色性、特に好ましくは液晶光重合開始剤、
−0〜6%、好ましくは0.1〜5%の、1種または2種以上の非二色性光重合開始剤、
を含む。
本発明に用いる、アキラルおよびキラルな重合可能なメソゲン性一、二または多反応性化合物は、それ自体知られた方法により、また例えば、有機化学の標準的な業績に記された、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartに記載の方法により、製造することができる。典型的な例は、例えばWO 93/22397;EP 0261 712;DE 19504224;DE 4408171およびDE 4405316に記載されている。
特に有用な一反応性キラルおよびアキラルな重合可能なメソゲン性化合物の例を以下に示す。
Figure 2008058612
Figure 2008058612
Figure 2008058612
有用な二反応性キラルおよびアキラルな重合可能なメソゲン性化合物の例を以下に示す。
Figure 2008058612
上の式において、Pは重合可能な基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシまたはスチトリル(stytryl)基であり、xおよびyは、互いに独立して1〜12であり、Aは、L1 または1,4−シクロヘキシレンによって随意的に1、2または3置換された1,4−フェニレンであり、vは、0または1であり、Z0 は、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2 −または単結合であり、Yは、極性基であり、Terは、テルペノイドラジカル例えばメンチルであり、Cholは、コレステリル基であり、R0 は、非極性アルキルまたはアルコキシ基であり、そして、L1 およびL2 は互いに独立して、H、F、Cl、CN、または随意的にハロゲン化された、1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアルコキシカルボニルオキシ基である。
この関連における用語「極性基」は、F、Cl、CN、NO2 、OH、OCH3 、OCN、SCN、および随意的にフッ素化された4個までのC原子を有するカルボニルまたはカルボキシル基、モノ−、オリゴ−、またはポリフッ素化された1〜4個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基から選択される基を意味する。用語「非極性基」は、1個もしくは2個以上、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキル基、または2個もしくは3個以上、好ましくは2〜12個のC原子を有するアルコキシ基を意味する。
重合可能な材料はまた、1個または2個以上の、メソゲン性または液晶であってもよい、重合可能でないキラルドーパントを含んでもよい。特に好ましいのは、メソゲン性基を付加されたキラルなソルビトール基を含む化合物、特に、WO 98/00428に開示された高い捻れ力を有する化合物である。さらに好適なキラル化合物は、例えば、市場で入手可能なS1011、R811またはCB15(Merck KGaA、ダルムシュタット、ドイツ)である。
特に好ましいのは、以下の式から選択されるキラル化合物であって、ここに示されていない(R,S)、(S,R)、(R,R)および(S,S)の鏡像異性体を含み、ここでEおよびFは、互いに独立して、上記のAの意味を有し、vは、0または1であり、Z0 は、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2 −または単結合であり、Rは、1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、カルボニルまたはカルボニルオキシ基である。
Figure 2008058612
式IIIの化合物は、WO 98/00428に開示されており、式IVの化合物は、GB 2,328,207に開示されており、これら開示の全体は、参照のため本明細書に組み込まれる。
さらに好ましいキラルドーパントは、EP 01111954.2に開示されているキラルなビナフチル誘導体、EP 00122844.4およびEP 00123385.7に記載されたキラルなビナフトールアセタール誘導体、EP 00115249.5に開示されたキラルなTADDOL誘導体、およびEP 00115250.3およびEP 00115251.1に開示された、少なくとも1個のフッ素化架橋基および、先端または中央キラル基を有するキラルドーパントである。
コレステリックフィルムの製造のためには、重合可能なLC材料が好ましくは基板上に塗布され、ホモジニアスな配向に配列され、コレステリック構造を永久に固定するために重合される。
重合可能な材料は、溶媒、好ましくは有機溶媒に溶解することもできる。この溶液は次に基板上に、例えばスピンコーティングまたは他の知られた技術によって塗布し、溶媒は重合前に蒸発させて取り除く。多くの場合、溶媒の蒸発を促進するために混合物を熱することが好適である。
LC材料の重合は、好ましくは化学線を照射することによって実施される。化学線照射とは、光、例えばUV光、IR光もしくは可視光などによる照射、X線もしくはガンマ線による照射、または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子などによる照射を意味する。好ましくは重合は、光照射、特にUV光、特に好ましくは直線偏光UV光の照射により実施される。化学線の源としては、例えば単一のUVランプ、または複数UVランプのセットを用いることができる。高出力のランプを用いる場合は、硬化時間を短縮できる。光照射の他の可能な源は、レーザー、例えばUVレーザー、IRレーザー、または可視光レーザーである。
重合は、化学線の波長において吸収する開始剤の存在下で行う。例えば、UV光による重合の場合は、UV照射の元で分解して重合反応を開始するフリーラジカルまたはイオンを生成する光重合開始剤を用いることができる。UV光重合開始剤が好ましく、特に、ラジカル(radicalic)UV光重合開始剤が好ましい。
コレステリックフィルムにおいて螺旋歪みを達成するには、重合可能なCLC混合物は、二色性光重合開始剤、例えば液晶光重合開始剤を含むのが好ましい。LC光重合開始剤としては、例えば以下の化合物を用いることができる。
Figure 2008058612
二色性光重合開始剤に加えて、重合可能な混合物はまた1種または2種以上の従来の光重合開始剤を含んでもよい。ラジカル重合のための標準の光重合開始剤としては、例えば、市場で入手可能な登録商標イルガキュア(Irgacure)651、登録商標イルガキュア184、登録商標ダロキュア(Darocure)1173または登録商標ダロキュア4205(全てCiba Geigy AGより)を用いることができ、陽イオン性光重合の場合には、市場で入手可能な登録商標UVI6974(ユニオンカーバイド)を用いることができる。
硬化時間は、特に、重合可能な材料の反応性、被覆層の厚さ、重合開始剤のタイプ、およびUVランプの出力に依存する。本発明による硬化時間は、10分以下が好ましく、5分以下が特に好ましく、2分未満がより特に好ましい。大量生産には3分以下の短い硬化時間が、特に好ましくは1分以下、より特に好ましくは30秒以下が好ましい。
重合可能なLC材料は、付加的に、1種または2種以上の他の好適な成分、例えば、触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、阻害剤、共反応性モノマー、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水性剤(hydrophobing agent)、接着剤、流れ改良剤(flow improver)、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料などを含んでよい。
混合物はまた、重合に用いる照射波長に最大吸収を調節した、1種または2種以上の染料、特にUV染料例えば4,4’アゾキシアニソール、または市場で入手可能なTinuvin(Ciba AG、ベーゼル、スイス)を含んでよい。
他の好ましい態様においては、重合可能な材料の混合物は、1個の重合可能な官能基を有する一反応性非メソゲン性化合物を70%まで、好ましくは1〜50%まで含む。代表的な例は、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである。
ポリマーの架橋を増やすため、重合可能なLC材料に対して、2個または3個以上の重合可能な官能基を有する非メソゲン性化合物を20%まで、二または多反応性重合可能なメソゲン性化合物の代替としてまたはそれに付加して、加えることもできる。二反応性非メソゲン性モノマーの代表的な例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタクリレートである。多反応性非メソゲン性モノマーの代表的な例は、トリメチルプロパントリメタクリレートまたはペンタエリトリトールテトラアクリレートである。
位相差層15のポリマーフィルムとしての物理的特性を改良するため、重合可能な材料に1種または2種以上の連鎖移動剤を加えることも可能である。特に好ましいのは、チオール化合物、例えばドデカンチオールなどの単官能基性チオール化合物、または例えばトリメチルプロパン・トリ(3−メルカプトプロピオナート)などの多官能基性チオール化合物であり、特に好ましいのはメソゲン性または液晶のチオール化合物である。連鎖移動剤を加えると、位相差層15のポリマーフィルムとしてのフリーポリマー鎖の長さ、および/または2個の架橋の間のポリマー鎖の長さが制御可能である。連鎖移動剤の量を増やすと、得られるポリマーフィルムのポリマー鎖の長さは減少する。
コレステリックフィルムを製造するには、キラルな重合可能な材料のプレナー配向を達成すること、すなわち、螺旋軸をフィルム面に実質的に直角とすることが必要である。そのために、基板14bの上に配向層、例えばラビングされたポリイミドまたはスパタリングされたSiOx の層を設けるとよい。あるいは、さらなる配向層を導入せず、基板14bを例えばラビング用クロスまたはラビング用ローラーによってラビングしてもよい。傾斜角の小さいプレナー配向は、重合可能なメソゲン性材料に1種または2種以上の界面活性剤を加えることによっても達成できる。好適な界面活性剤は、例えばJ. Cognard, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, Supplement 1, 1-77 (1981)に記載されている。特に好ましいのは非イオン性の界面活性剤であり、例えば非イオン性フルオロカーボン界面活性剤、例えば市場で入手可能な、登録商標フルオラッド(Fluorad)(3Mより)、または登録商標ZonylFSN(DuPontより)などである。
本発明では、上述したキラルな重合可能な液晶材料を塗布して液晶材料層とし、該液晶材料層にカラーフィルターfr,fg,fbに対応する領域ごとにパターニングした、それぞれの領域で偏光状態の異なる直線偏光を照射して光重合させる。これにより、CLC螺旋変形を異ならせて複屈折率を変化させ膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションを調整した位相差素子Ir,Ig,Ibを同一膜厚で形成することができ、位相差層15とすることが可能である。
このとき、カラーフィルターfrに対応する位相差素子Irの面内レターデーション値は、カラーフィルターfbに対応する位相差素子Ibの面内レターデーション値より大きいことが好ましく、1.4倍以上であることがより好ましい。
なお、図6では基板14b上に位相差層15を設ける例を示したが、これに限定されず、位相差層15は基板11b,14bのいずれか一方の外面上、あるいは基板11b,14b間に配設されていればよい。
つぎに、本発明の液晶表示装置について説明する。
図7に、本発明に係る透過型液晶表示装置の断面概略図を示す。
本発明の透過型液晶表示装置100は、バックライトユニット21と、第1の偏光板22と、前述した本発明の液晶セル10と、第2の偏光板23とを備える。
ここで、透過型液晶表示装置100では液晶セル10内の液晶を駆動させて、液晶の屈折率の変化を利用して偏波面を変化させることで表示を行う。このとき、液晶セル10では有色透明層であるカラーフィルターfr,fg,fbごとにピクセル内の液晶を個別に駆動させて、液晶の屈折率の変化を利用して偏波面を変化させることで色を光の3原色である赤・緑・青(RGB)に分解した形でカラー表示を行う。このRGBそれぞれのピクセルは100μmごとに規則的に整列しており、このRGBの3つのサブピクセルが1セットになったもの(1ピクセル)が縦に720セット横に1080セット規則的に配列して表示装置となっている。遠くから見るとこのようなピクセル分割は判別しづらく全体として絵として見ることができる。
また、図8に本発明に係る反射型液晶表示装置の断面概略図を示す。
本発明の反射型液晶表示装置200は、前述した本発明の液晶セル10と、偏光板32と、反射板31とを備える。
また、本発明の半透過型液晶表示装置は、前述した本発明の液晶セル10と、該液晶セル10の一部に配設される偏光板及び反射板と、前記液晶セル10の他の一部に配設される複数の偏光板とを備える。
このように、本発明の液晶セルは、透過型液晶表示装置だけでなく、一枚の偏光板と外部の光源を用いた反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置にも適応可能である。とりわけ反射型及び半透過型液晶表示装置については透過率向上のために1/4λ板がしばしば用いられており、そのようなケースにも本発明は有効である。
すなわち、透過率向上のための面内の位相差を1/4λ板があり、あとは偏光板の補償と液晶セルの補償を行う位相差を足し合わせればよい。液晶セルが例えばTN型やECB型などの場合は位相差素子の屈折率の最大値(異常光屈折率)が略水平方向から層の法線方向に進むにしたがって徐々に略法線方向に近づいていくことを特徴とする2軸性位相差素子などがよい。例えば液晶のSpray配向などが挙げられる。このSpray配向と1/4λ板を足し合わせた位相差素子を、RGB各波長ごとにパターニングせしめればよい。
以上のように、本発明の透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置は、2軸素子からなり同じ膜厚でも屈折率を変化させることでレターデーション値を変化させることができる位相差層を備える液晶セルを用いているので、カラーフィルターがどのような波長分散をもった材料であっても、各色において最適な波長分散をもつ位相差層と同じだけの視野角改善効果が得られて、なおかつそのような構造を簡便な方法で作製することができる。
以下にVAモードの視野角補償の例を用いて説明する。但し、本発明の特徴はRGBそれぞれの波長に最適なレターデーション値をもつ位相差層をRGBそれぞれの表示面に対して付与することを特徴としているので、VAモードに限らず、IPS、TN、STN、OCBなど様々なモードに対して適用可能である。
(参考例1)
従来のVA型液晶セルの両側に偏光板を配置する組み合わせにおいて、位相差層を1枚付与する構造を仮定する。液晶セル内の液晶層は屈折率の波長分散として図9のように正の一軸性を持っているので、これを補償するために負の一軸性の位相差フィルムを付与する必要がある。さらに偏光板の補償のために面内の位相差を付与する必要がある。すなわち、nx>ny>nzの屈折率を有する媒質を偏光板間に配置すればよい。ここで、nx,nyは前記偏光板の透過軸に対して平行方向であり位相差層の面内で直交する方向の屈折率、nzは前記偏光板の透過軸に対して垂直方向となる位相差層の厚さ方向の屈折率である。
位相差層のレターデーションを検証する計算条件として、位相差層のフィルム(FilmX)と液晶セル(LC cell)の積層構造を図10に示す構造とし、セルギャップは3.155μmと定めて、市販されて用いられている偏光板、バックライト、カラーフィルターの数値データを各々採用した。
ここで、屈折率nx,ny,nzの波長ごとの屈折率をまったく自由に設計できるとすると、図11のようなレターデーション(膜厚方向のレターデーションRth及び面内のレターデーションRo)を有するものが最適な位相差フィルムであった。なお、図11のRthとは膜厚方向のレターデーションであり、Rth={(nx+ny)/2−nz}*(位相差層膜厚)で定義される。概念的には負の一軸性媒質の異方性の目安であり、液晶セル内の液晶の角度依存を補償するために使用されている。
このときの視野角特性は参考例2、3と比べて高いコントラストを維持しつつ、色味があまり変化していない。このコントラストと色味変化はトレードオフの関係にあるが、目安として色味変化が一方向にだけ推移する状態が人間の視角特性として好ましいとされている。そのため、色味変化が一方向にだけ推移する限定条件のなかで最もコントラストが高い状態が最適であるといえる。
(参考例2,3)
参考例1は媒質の屈折率、レターデーションの波長分散を自由に設計できるとして考えた。しかしながら、前述のように図11のような波長分散をもつ位相差層を実現することは困難である。現実の位相差フィルムではレターデーションの波長分散の傾きα≒1または、α<1のものが使われている。そこで、参考例1と同じ計算条件および構造において、α≒1または、α<1の場合のシミュレーション上で最適な位相差フィルムを模索した。その結果を図12,図13に示す。
ここで、図12はα≒1のときの位相差フィルムのレターデーションの波長分散の結果で、図13はα<1のときの位相差フィルムのレターデーションの波長分散の結果である。
参考例1〜3で分かるように、レターデーションの波長分散は負であるほうが望ましくさらにα>1である方が望ましい。しかし、前述したようにそのような材料でなおかつ光学フィルムに使えるものがない。そこで、RGBのサブピクセル上にそれぞれ違う値のレターデーションを持つ位相差層を付与することを考えた。このことで、レターデーションの波長分散をいじることなく、それでいてRGB三原色波長領域それぞれの波長の最適値をもった位相差を与えることができるので、参考例2および3よりも特性がよく、なおかつ参考例1と同等の効果が期待できる。
(実施例1)
図6に示すように、カラーフィルターfr,fg,fbそれぞれのサブピクセル上にそれぞれの領域でα=1となる位相差層15を付与する前提でサンプルを作成した。ここでは、表1に示すように、RGB波長領域を定め、それに最適なレターデーション値を設定した。
Figure 2008058612
ここでは、前述したキラルな重合可能な液晶材料を基板14b上に塗布した後に、表1のレターデーション値となるように塗布した液晶材料層にカラーフィルターfr,fg,fbに対応する領域ごとにパターニングした、それぞれの領域で偏光状態の異なる直線偏光を照射して光重合させて液晶セル10を得た。その結果、位相差層15は図14に示すレターデーションの波長分散を示し、液晶セル10として良好な視野角特性を示した。
以上の実施例1、参考例1〜3の視野角特性をまとめると表2のようになる
Figure 2008058612
実施例1では、参考例2と同じ波長分散(α=1)を用いたにもかかわらずパターニングによってカラーフィルター領域ごとでのレターデーションを調整することで参考例2,3よりも良好な視野角特性を得ることができた。
なお、本実施例においてはVAモードで駆動する液晶において偏光板を2枚使用するいわゆる透過型液晶表示装置を前提に述べてきた。もちろんVAモードに限らず、TN型、STN型、IPS型、OCB型など液晶表示装置であれば全てに対して視野角劣化が生じるために本発明を適用することができる。
また、本発明は透過型に限らず偏光板を1枚のみ使用する反射型または半透過型の液晶表示装置にも適用することができる。半透過型や反射型の場合は視野角劣化を防ぐ目的でλ/4板を用いることがしばしばあるが、とりわけこの場合には負の波長分散を持つ位相差層が必須である。このλ/4の位相差は現状では帝人化成製ピュアエースなどを用いることが多いが、この製品も理想的な波長特性を有していない。本発明を適用することで、材料やフィルムが限定されずに理想的な光学特性を有する位相差層を備えた液晶セルとすることができる。
液晶表示装置を斜めから見た場合の光漏れを説明する図である。 理想的な1/4波長板を用いた場合の屈折率及びレターデーションの波長分散特性を示す図である。 市販されている位相差フィルムのレターデーションの波長分散特性を示す図である。 VA液晶セルを正面から見た場合の偏波面を示す模式図である。 VA液晶セルを斜めから見た場合の偏波面を示す模式図である。 本発明に係る液晶セルの構成を示す断面図である。 本発明に係る透過型液晶表示装置の構成を示す断面概略図である。 本発明に係る反射型液晶表示装置の構成を示す断面概略図である。 VA液晶セル内の液晶層の屈折率波長分散特性を示す図である。 参考例1の評価サンプル構成を示す断面概略図である。 参考例1における位相差フィルムのレターデーションの波長分散特性を示す図である。 参考例2における位相差フィルム(α≒1)のレターデーションの波長分散特性を示す図である。 参考例3における位相差フィルム(α<1)のレターデーションの波長分散特性を示す図である。 実施例1における位相差層のレターデーションの波長分散特性を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,22,23,32・・・偏光板、2・・・偏光板透過軸、3,10・・・液晶セル、4・・・液晶の屈折率楕円体、5・・・偏波面、11a,14a・・・透明電極、11b.14b・・・基板、12・・・液晶層、13・・・カラーフィルター層、15・・・位相差層、21・・・バックライト、31・・・反射板、100・・・透過型液晶表示装置、200・・・反射型液晶表示装置、Ir,Ig,Ib・・・位相差素子、fr,fg,fb・・・カラーフィルター

Claims (10)

  1. 内面側にピクセル単位で分割されかつ該ピクセルごとに個別に駆動する透明電極を有する対向配置された一対の基板と、該基板間に挟持された液晶層と、前記基板間に設けられ透過率波長依存性が異なる複数のカラーフィルターが前記ピクセルに配設されてなるカラーフィルター層とを備える液晶セルであって、
    前記基板主面の法線に対して垂直方向及び平行方向の光軸についての2軸性の複屈折を有し、前記カラーフィルターに対応して膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションを異ならせた位相差素子が前記カラーフィルターごとに配置された1層構造の位相差層を備えることを特徴とする液晶セル。
  2. 前記位相差層は、キラルな重合可能な液晶材料が塗布されてなる液晶材料層に前記カラーフィルターに対応する領域ごとで偏光状態の異なる直線偏光を照射して光重合されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  3. 前記位相差層は、膜厚の同じ位相差素子からなり、該位相差素子の複屈折率を変化させて膜厚方向のレターデーション及び面内のレターデーションが調整されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  4. 前記位相差層は、前記一対の基板のいずれか一方の外面上、あるいは該基板間に配設されてなることを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  5. 前記カラーフィルター層は、赤色フィルター、緑色フィルター、青色フィルターからなることを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  6. 前記赤色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値は、前記青色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値より大きいことを特徴とする請求項5に記載の液晶セル。
  7. 前記赤色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値は、前記青色フィルターに対応する位相差素子の面内レターデーション値の1.4倍以上であることを特徴とする請求項6に記載の液晶セル。
  8. バックライトユニットと、第1の偏光板と、請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、第2の偏光板とを備えることを特徴とする透過型液晶表示装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、偏光板と、反射板とを備えることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか一に記載の液晶セルと、該液晶セルの一部に配設される偏光板及び反射板と、前記液晶セルの他の一部に配設される複数の偏光板とを備えることを特徴とする半透過型液晶表示装置。
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