明 細 書
ポリカーボネートジォーノレ
技術分野
[0001] 本発明は、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れ、か つ結晶ィ匕傾向を有しな 、ポリウレタンを提供できる、新規なポリカーボネートジオール に関するものである。
背景技術
[0002] 従来、例えば、ポリウレタンや、ウレタン系、エステル系、アミド系などの熱可塑性ェ ラストマーに用いられるソフトセグメントには、ポリマー末端がヒドロキシノレ基であるポリ エステルポリオールやポリエーテルポリオールが使用されている(例えば、特許文献 1 、特許文献 2参照)。
[0003] このうち、アジペートに代表されるポリエステルポリオールは耐加水分解性に劣るた め、例えば、これを用いたポリウレタンは比較的短期間に表面に亀裂などを生じたり、 表面に黴が生えたりするなど使用上かなり制限を受ける。他方、ポリエーテルポリオ ールを用いたポリウレタンは、耐加水分解性は良好であるが、耐候性、耐酸化劣化 性が悪い欠点を有している。これらの欠点は夫々ポリマー鎖中のエステル基、エーテ ル基の存在に起因するものである。ポリエステル系やポリアミド系の熱可塑性エラスト マーについても、近年、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐黴性、耐油性などの要 求が高度化してきており、ポリウレタンに対する物と同様の問題点を有していた。
[0004] これらの問題を解決するため、ポリマー鎖中のカーボネート結合が極めて安定であ ることより、ポリオール成分としてポリカーボネートポリオール、具体的には、 1, 6—へ キサンジオールのポリカーボネートポリオールが使われた。
しかしながら、 1, 6—へキサンジオールのポリカーボネートポリオールは、結晶性で あるため常温で固体であり、取り扱いが困難であるという問題があった。
[0005] また、ポリウレタンのソフトセグメントとして 1, 6—へキサンジォーノレのポリカーボネー トポリオールを用いた場合、このポリウレタンは、耐加水分解性、耐候性、耐酸化劣化 性、耐熱性などについては改善されるものの、柔軟性や低温特性が劣るという欠点を
有していた。すなわち、 1, 6 へキサンジオールのポリカーボネートポリオールを使 用したポリウレタンは、結晶ィ匕傾向が大きいため、ソフトセグメント成分が結晶硬化を 起こし弾性が損なわれやすぐ特に低温での弾性回復性が著しく低下するという問題 を有していた。また、耐油性に関しても、ポリエーテルポリオールに比べると改善され ているが、いまだ不十分であった。
[0006] これらの問題を解決するため、種々の方法が提案されている。
例えば、 1, 5 ペンタンジオールと 1, 6 へキサンジオールを用いた脂肪族コポリ カーボネートジオールが開示されている(例えば、特許文献 3参照)。この方法では、 得られるポリカーボネートジオールは、カーボネート結合間に奇数個のメチレン基が 存在する部分を持つことになる。これによりポリカーボネートジオール分子の構造規 則性が阻害され、結晶性が低下、さらには非晶質となる。しかしながら、この技術を持 つてしても、その高い粘度から、使用方法によっては、取り扱い性の観点では、未だ 十分とは言えなかった。
[0007] さらに、 1, 6 へキサンジオールと 1, 4 ブタンジオールまたは 1, 5 ペンタンジ オール力 得られる共重合ポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造 した熱可塑性ポリウレタンが開示されている(例えば、特許文献 4、特許文献 5参照)。 これらの熱可塑性ポリウレタンは、 1, 6 へキサンジオールのみから得られるポリカー ボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンの上記特 性に加えて、柔軟性も著しく優れており近年注目されている。しカゝしながら、本発明者 らが検討した結果、上記 1, 6 へキサンジオールと 1, 4 ブタンジオールまたは 1, 5—ペンタンジオールから得られる共重合ポリカーボネートジオールをソフトセグメント に用いて製造した熱可塑性ポリウレタンは、耐油性、柔軟性の物性バランスが不充分 であり用途が制限されるという問題を有していた。
[0008] また、 3—メチルー 1, 5 ペンタンジオールを用いた脂肪族カーボネートジオール が公開されている (例えば、特許文献 6参照)。このような側鎖を持った構造を導入す ることによりポリカーボネートジオール分子の構造規則性を乱し、結晶性を低下させ ているのである。しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記 3—メチル—1, 5- ペンタンジオール力 得られるポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて
製造した熱可塑性ポリウレタンは、柔軟性の向上が見られるものの耐油性が不充分 であると ヽぅ問題を有して 、た。
[0009] 上記以外の共重合ポリカーボネートジオールとして、 1, 6 へキサンジオールとトリ メチルー 1, 6 へキサンジオールを用いたもの(特許文献 7参照)、 1, 9ーノナンジ オールと 2—メチルー 1, 8 オクタンジォールを用いたもの(特許文献 8参照)が公開 されている。熱可塑性ポリウレタンとしたときに前者では耐油性、柔軟性が未だ十分 ではなぐ後者では柔軟性が向上するものの耐油性が不足しているという問題を有し ていた。また、両者ともに原料であるジオールの入手が容易ではないという問題も有 していた。
[0010] 本発明のポリカーボネートジオールでは、不純物として 5—メチルー 1, 3 ジォキ サン 2—オンを含むのである力 この不純物の量が多い場合には熱可塑性ポリウレ タンとしたときに、特に耐加水分解性が低下するということが、本発明者らの検討の結 果判明した。一方類似の構造を持つポリトリメチレンカーボネートジオールの製造法 が公開されている(特許文献 9)。この製造例では、不純物として 3%以下の 1, 3 ジ ォキサン 2—オンが含まれることが開示されている力 この不純物は本発明の不純 物とは異なり、量が多い場合でも熱可塑性ポリウレタンとしたときの耐候性、耐加水分 解性には影響せず、ポリカーボネートジオールの収率低下という影響を与えるのみで めつに。
特許文献 1:米国特許第 4362825号明細書
特許文献 2 :米国特許第 4129715号明細書
特許文献 3:特公平 5 - 29648号公報
特許文献 4:特開平 5 - 51428号公報
特許文献 5:特公平 7— 684号公報
特許文献 6:特公平 4 1764号公報
特許文献 7:特開平 2— 49025号広報
特許文献 8:特開平 5— 339816号広報
特許文献 9:特開 2004— 35636号広報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 本発明は、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れる ポリカーボネート系ポリウレタンを製造するための原料ィ匕合物として有用かつ、非晶 性である新規ポリカーボネートジオールの提供を目的とする。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式 (A)と、下記式 (B)の繰り返し単位から なり、両末端基が水酸基である、下記式 (A)と下記式 (B)の割合が 99 : 1〜1: 99で、 数平均分子量が 300〜10000のポリカーボネートジオールが、非晶性であり、これを ポリウレタンや他の熱可塑性エラストマ一に応用した場合、従来のポリカーボネートポ リオールを用いたものに比べて耐油性、柔軟性などの物性バランスが著しく優れて!/ヽ ることを見いだし、本発明をなすに至った。即ち、本発明は、
1.下記式 (A)と、下記式 (B)の繰り返し単位力 なり、両末端基が水酸基であり、 下記式 (A)と下記式 (B)の割合がモル比率で 99: 1〜: L: 99で、数平均分子量が 30 0〜: L 0000のポリカーボネートジォーノレ、
[0014] [化 2]
(式中、 Rlは、 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール由来のアルキレン基を除ぐ炭 素数 2〜20のアルキレン基を表す)
2.上記式 (A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で 80: 20〜20: 80 であることを特徴とする上記 1記載のポリカーボネートジオール、
3.上記式 (A)と上記式(B)の繰り返し単位の割合がモル比率で 70: 30-30: 70
であることを特徴とする上記 1記載のポリカーボネートジオール、
4.上記式 (B)の繰り返し単位力 下記式 (C)で表される繰り返し単位である、上記 1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
(式中、 mは、 2〜10の整数を表す)
5.上記式 (B)の繰り返し単位力 下記式 (D)、(E)、(F)で表される繰り返し単位 の少なくとも 1種からなる、上記 1〜3のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
[0016] [化 4] — C¾-CH?-CH -CH.-0— C {D }
[0017] [化 5]
C C¾ CH2— CH,一 CH ( E )
[0018] [化 6]
-0— CH,-CH,-CH,-CH,-CH,-CH,-0- C- ( F )
6. 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量が 0. 1〜5重量0 /0である、上 記 1〜5のいずれかに記載のポリカーボネートジオール、
7. 1分子に 3以上の水酸基を持つ化合物力 なる繰返し単位を含み、該繰返し単 位と、上記式 (A)、 (B)の繰り返し単位の合計との割合がモル比率で 0. 1 : 99. 9〜5 : 95%であることを特徴とする上記 1〜6のいずれかに記載のポリカーボネートジォー ノレ、
8.上記 1〜 7の!、ずれかに記載のポリカーボネートジオールを原料として得られる 熱可塑性ポリウレタン、
9. 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オン含有量を 5重量%以下にする様に蒸 留することを特徴とする上記 6記載のポリカーボネートジオールの製造方法、である。 発明の効果
[0019] 本発明によれば、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに 優れ、かつ結晶ィ匕傾向を有しないポリウレタンを製造できる、非晶性である新規なポ リカーボネートジオールを提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0020] 以下、本発明について詳述する。本発明のポリカーボネートは、下記式 (G)と下記 式 (H)を主成分とし、場合によっては、少量のポリオールを含有するジオール力ゝら合 成される。
[0021] [化 7]
HO— CH.-CH— CH7-OH (G )
" I "
[0022] [化 8]
HO— R厂 OH ίΗ)
(式中、 Rlは、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール由来のアルキレン基を除ぐ炭 素数 2〜20のアルキレン基を表す)
[0023] 本発明者らは、検討の結果、上記式 (G)で表されるジオール、すなわち 2 メチル
1, 3 プロパンジオールを用いたときにのみ、上記式 (H)で表されるジオール、例 えば 1, 4 ブタンジオール、 1, 6 へキサンジオールなどと共重合したときに、ポリ カーボネートジオールの構造の規則性を乱す効果が高くなり、従来の 1, 6 へキサ ンジオールのみを用いたポリカーボネートジオールと比較して、耐油性、柔軟性など の物性が優れ、かつ結晶ィ匕傾向を有しないポリウレタンを製造できる、非晶性のポリ カーボネートジオールを提供できることを見出したのである。一方、上記式 (G)の代
わりに、 3—メチルー 1, 5 ペンタンジオールのごとき側鎖を持つジオールを用いた 場合には十分な性能を有するポリカーボネートジオールは得られな力つた。このよう な違いの生ずる原因は定かではないが、 3—メチルー 1, 5 ペンタンジオールは主 鎖の部分が 2—メチルー 1, 3 プロパンジオールよりも長ぐ側鎖部分に起因する構 造規則性の乱れが主鎖の末端部分にまで波及し難いためと考えられる。
[0024] また、上記式 (H)で表されるジオールを使用せず、 2—メチルー 1, 3 プロパンジ オール単独でポリカーボネートジオールとしたときには、このポリカーボネートジォー ルを用いて製造したポリウレタンの柔軟性すなわち塗膜状態での伸びが十分でな ヽ という驚くべき事実を本発明者らは見出した。一般にポリウレタンの構造中ではポリ力 ーボネートジオールはソフトセグメントとして作用するのであるが、ポリカーボネートジ オールが 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール単独で構成されているときには、その 構造規則性を乱す効果だけでは十分な柔軟性が発現しないのである。一方、ポリ力 ーボネートジオールの構成成分として 2—メチルー 1, 3 プロパンジオールとともに 上記式 (H)で表されるジオールが少量共重合されて!、るだけで、柔軟性に優れたポ リウレタンが得られるのである。
[0025] 本発明で用いる上記式 (H)で表されるジオールの具体例としては、エチレングリコ ール、 1, 3 プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、 1, 4 ブタンジオール、 2 イソプロピル 1, 4 ブタンジオール、 1, 5 ペンタンジオール、 3—メチルー 1, 5 ペンタンジオール、 2, 4 ジメチルー 1, 5 ペンタンジオール、 2, 4 ジェチル 1, 5 ペンタンジオール、 1, 6 へキサンジオール、 2 ェチルー 1, 6 へキサ ンジオール、 1, 7 ヘプタンジオール、 1, 8 オクタンジオール、 2—メチルー 1, 8 —オクタンジオール、 1, 9 ノナンジオール、 1, 10 デカンジオール、 1, 3 シクロ へキサンジオール、 1, 4ーシクロへキサンジオール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノー ル、 2 ビス(4 ヒドロキシシクロへキシル)一プロパンなどを挙げることができる。式( H)で表されるジオールは、 1種類のみを用いても 2種以上を併用しても良い。工業的 な製造に際しては入手し易さの観点から、炭素数 2〜 10の直鎖アルキレンジオール を用いるのが好ましい。このなかでも、 1, 4 ブタンジオール、 1, 5 ペンタンジォー ル、 1, 6 へキサンジオールを用いると、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性な
どの物性バランスがより優れたポリウレタンが得られるので特に好ましい。
[0026] 本発明の新規ポリカーボネートジオールは、上記式 (G)と上記式 (H)との割合 (モ ル比率)が 99 : 1〜1 : 99である。好ましくは、 80 : 20〜20 : 80である。より好ましくは 7 0 : 30〜30 : 70である。
[0027] また、本発明には、上記式 (G)と上記式 (H)の他に、 1分子に 3以上のヒドロキシル 基を持つ化合物、例えば、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン、へキサントリ オール、ペンタエリスリトールなどを少量用いることにより、多官能化したポリカーボネ ートポリオールも含まれる。
この 1分子中に 3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、ポリカーボ ネートとするときに架橋してゲルイ匕が起きてしまう。また少な過ぎると、多官能化の効 果が十分でない。したがって 1分子中に 3以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、上 記式(G)、 (H)のジオールの合計モル数に対して、 0. 1〜5モル0 /0にするのが好まし い。より好ましくは、 0. 1〜2モル0 /0である。
[0028] 本発明のポリカーボネートジオールの平均分子量の範囲は、通常数平均分子量に て、 300〜10000である。数平均分子量が 300未満では得られる熱可塑性ポリウレ タンの柔軟性や低温特性が不良となることが多ぐ 10000を超えると得られる熱可塑 性ポリウレタンの成型カ卩ェ性が低下することが多いので好ましくない。好ましくは、数 平均分子量にて 400〜8000の範囲である。より好ましくは、 500〜5000である。
[0029] 本発明の末端にヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールは、新規な重合 体であり、式 (G)、 (H)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換に付す ることで得ることがでさる。
[0030] 本発明で用いる炭酸エステルとしては、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボ ネート、ジァリールカーボネートなどがある。アルキレンカーボネートとしては、ェチレ ンカーボネート、トリメチレンカーボネート、 1, 2 プロピレンカーボネート、 5—メチノレ 1, 3 ジォキサン 2 オン、 1, 2 ブチレンカーボネート、 1, 3 ブチレンカー ボネート、 1, 2—ペンチレンカーボネートなどがある。また、ジアルキルカーボネートと しては、ジメチルカーボネート、ジェチルカーボネート、ジー n ブチルカーボネート などが、ジァリールカーボネートとしては、ジフエ-ルカーボネートなどがある。そのな
かでも、反応性、入手し易さからエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジェ チルカーボネート、ジー n—ブチルカーボネートを用いるのが好ましい。これらのうち 、エチレンカーボネートを用いるのがより好ましい。すなわち、上記式 (G)、 (H)で表 されるジオールとエチレンカーボネートとのエステル交換反応においては実質的に 全ての末端基が水酸基であるポリカーボネートを得ることができるという利点がある。
[0031] 本発明のポリカーボネートジオールを得るための反応には特に限定はなぐ公知の 方法を用いることができる。本発明のポリカーボネートジオールの製造法の一例とし て、上記式 (G)、 (H)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換反応を行 V、ポリカーボネートプレボリマーを得る第一工程、および得られたポリカーボネートプ レポリマーを自己縮合させ本発明のポリカーボネートジオールを得る第二工程を含 む方法につき説明する。
[0032] 第一工程にお!、ては、上記式(G)、 (H)で表されるジオールと炭酸エステルとのェ ステル交換反応が主反応である。このエステル交換反応に伴い、炭酸エステルから 水酸基を含有する化合物が脱離する(以下この化合物を水酸基含有副生物と称する )。エステル交換反応は平衡反応であるため、反応系内に水酸基含有副生物が蓄積 すると重合が十分進行しない。このため水酸基含有副生物を反応系外に抜き出しな 力 重合反応を行うことが好ま 、。
[0033] より具体的には、第一工程におけるエステル交換反応は、この反応において生じた 水酸基含有副生物を含む蒸気を発生させ、この蒸気を凝縮して凝縮液とし、この凝 縮液の少なくとも一部を反応系外に抜き出しながら行うことが好ましい。本発明のポリ カーボネートジォールの製造は、常圧または減圧のどちらで行っても良いが、前記の 水酸基含有副生物を含む蒸気の発生を容易にするため減圧下で行うのが好ましい。 この際、水酸基含有副生物をより効率良く除去するため、ヘリウム、アルゴン、窒素、 二酸化炭素、低級炭化水素ガスなどの重合反応に悪影響を及ぼさな ヽ不活性ガス を導入し、水酸基含有副生物をこれらのガスに同伴させて除去する方法を併用して ちょい。
このとき、上記式 (G)、 (H)で表されるジォールおよび炭酸エステルの留出を抑制 し、水酸基含有副生物を効率よく抜き出すためには十分な分離性能を持った精留塔
を用いることが好ましい。
[0034] さらに、本発明においては、ポリカーボネートプレボリマーの末端に結合した 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオールの一部力 環状のカーボネートである 5—メチルー 1 , 3 ジォキサン 2 オンとして脱離する力 これは本反応の有効成分すなわち原 料となるため、第一工程においては留出を抑制することが重要である。
すなわち、精留塔を用いる場合、この精留塔の分離性能は重要であり、理論段数 力 段以上、好ましくは 7段以上の精留塔が用いられる。また還流比は使用する精留 塔の能力により設定し得る値は異なる力 通常 3〜15、好ましくは 3〜12に設定する 。また、炊き上げ量が少ないと水酸基含有副生物を除去する速度が低下し反応時間 が長くなる。一方、炊き上げ量が多過ぎると、上記式 (G)、 (H)で表されるジオール および炭酸エステル、 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンが留出するため生産 性が低下する。したがって、生産性が低下しない範囲で炊き上げ量を多くすることが 好ましい。還流比および炊き上げ量を適切に調節することは、短時間で反応を行うこ とができ、生産性が向上するとともに、反応混合物が熱履歴を受ける時間が短縮され 副反応による品質低下が抑制されるので極めて好ましい。
[0035] 第一工程における反応温度は、通常 120°C〜180°Cである。好ましくは、 130°C〜 170°Cである。温度が 120°C未満では、エステル交換の反応速度が遅く反応時間が 長くなるので好ましくない。一方温度が 180°Cを超えると副反応が無視できなくなり、 生産性が下がったり、製品の物性に悪影響を与えたりするので好ましくない。副反応 としては例えば次のようなものが挙げられる。ポリカーボネートプレボリマーの末端に 結合した 2—メチル—1, 3 プロパンジオールは、 5—メチル 1, 3 ジォキサン— 2—オンとして脱離する。上記式 (H)として 1, 4 ブタンジオールを用いた場合には 、ポリカーボネートプレボリマーの末端に結合した 1, 4 ブタンジオールは、環状ェ 一テル (テトラヒドロフラン)として脱離する。また炭酸エステルとしてエチレンカーボネ ートを用いた場合には、エチレンカーボネートが熱によってエチレンオキサイドと二酸 化炭素に分解する。このエチレンオキサイドがポリカーボネートプレボリマーの末端水 酸基に反応すると、エーテル結合を含むポリカーボネートジオールが得られることに なり、このようなエーテル結合を多量に含むポリカーボネートジオールを原料として製
造した熱可塑性ポリウレタンは耐熱性ゃ耐候性に劣るものとなる。
[0036] 第一工程で得られるポリカーボネートプレボリマーは、通常重合度が 2〜: L0程度で ある。この重合度の調節は、反応系からの水酸基含有副生物の除去量の調節によつ て行う。
[0037] 通常は、第一工程で得られた反応混合物は精製することなくそのまま第二工程の 自己縮合に付される。この反応混合物には多くの場合、未反応の原料が含まれてい る力 これらは第二工程の開始時および初期において除去される。し力しながら、本 発明の場合には反応混合物中に 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンが存在し 、この物質の沸点は 2—メチルー 1, 3 プロパンジオールよりも高いため、通常行わ れる条件では除去が困難になっている。この 5—メチル—1, 3 ジォキサン— 2—ォ ンは第一工程の反応温度を下げて、生成量を減らした場合でも徐々に生成し、反応 系内に蓄積する。これはポリカーボネートジオールの末端に結合した 2—メチルー 1, 3—プロパンジォールが反応性に富むために、上記のような環状のカーボネートが生 成するカゝらである。例えば、 1, 3 プロパンジオールを用いた場合には 1, 3 ジォキ サンー2 オンの生成量は本発明の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンに比 ベて少なぐ 1, 4 ブタンジオールを用いた場合には環状のカーボネートは不安定 であり、副反応としてテトラヒドロフランの生成が優先する。
[0038] したがって、第二工程の初期に未反応の原料を除去する際には、 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンも同時に除去する必要がある力 前述のように 5—メチルー 1 , 3 ジォキサン 2 オンは本反応の有効成分すなわち原料となるため、除去量を 適切に制御することが重要である。すなわち 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2—ォ ンの除去量が多過ぎると 1バッチあたりのポリカーボネートジオールの生産量が減少 し生産性が低下する。一方、除去量が少なすぎると、反応混合物中の 5—メチルー 1 , 3 ジォキサン 2 オンの濃度が高くなり、得られるポリカーボネートジオール中 の残存量が増加するため、種々の悪影響を及ぼす。適切な除去量は、原料として使 用するジオール中の 2 メチル 1 , 3 プロパンジオールの割合によつて異なるが、 通常は反応混合物中の濃度が 25重量%以下となるような除去量が好ましい。このよ うな濃度であれば第二工程において 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンは消
費され、ポリカーボネートジオール中の濃度が十分低くなるため、悪影響を及ぼすこ とがないのである。濃度が高すぎる場合には第二工程において 5—メチルー 1, 3— ジォキサン 2—オンが消費されるのに時間が力かり過ぎ、多くの場合得られたポリ カーボネートジオール中に無視できない量が残存することになる。
[0039] 第二工程の初期に未反応の原料を除去する方法としては、第一工程と同様に精留 塔を用いて減圧下で行うのが好ましい。精留塔を用いる場合、この精留塔の分離性 能は重要であり、理論段数が 5段以上、好ましくは 7段以上の精留塔が用いられる。 また還流比は使用する精留塔の能力により設定し得る値は異なるが、通常 0. 5〜3 に設定する。また、炊き上げ量が少ないと 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オン の除去が十分ではなぐ反応混合物中に多量に残存することになる。一方、炊き上げ 量が多過ぎると、 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンの除去量が多くなり過ぎ、 ポリカーボネートジオールの生産性が低下する。したがって、生産性が低下しない範 囲で 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンを除去できるように還流比および炊き 上げ量を適切に調節することは極めて好ましい。
このようにして第二工程の初期に除去した未反応のジオール、炭酸エステルおよび 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンを含む液は原料として使用できるため、リサ イタル使用するのが好まし 、。
[0040] 第二工程では、第一工程で得られたポリカーボネートプレボリマーを自己縮合させ 本発明のポリカーボネートジォールを得る。この自己縮合反応に伴い、ポリカーボネ ートプレポリマーの末端から上記式 (G)、(H)で表されるジォールが脱離する。この 反応は第一工程と同様に平衡反応であるため、反応系内にジオールが蓄積すると 重合が十分進行しない。このため第二工程も通常、減圧下でジオールを反応系外に 抜き出しながら行う。このジオールを効率良く抜き出すために、第一工程と異なり、精 留塔を用いずに蒸気をそのまま反応系外に抜き出すことが好ましい。また薄膜蒸発 器を用いることちできる。
[0041] 第二工程における反応温度は、通常 120〜200°Cである。好ましくは 130°C〜190 °Cである。温度が 120°C未満では、自己縮合の反応速度が遅く反応時間が長くなる ので好ましくない。一方温度が 200°Cを超えるとポリカーボネートプレボリマーの分解
が無視できなくなり、生産性が下がるので好ましくない。第二工程では、未反応の炭 酸エステルが反応系内にほとんど存在しな 、ので、前述のようなエーテル結合を生 ずる副反応はごくわず力しか起こらないので、第一工程よりも反応温度を高くすること が可能である。
[0042] 本発明では、エステル交換反応の際、反応を速めたい場合に触媒を用いることでき る。触媒の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシ ゥム、カルシウム、ストロンチウム、ノ リウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバノレ ト、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウムなどの金 属およびその化合物を挙げることができる。金属化合物としては、酸化物、水酸化物 、塩、アルコキシド、有機化合物等を挙げることができる。これらの触媒のうち、テトラ イソプロポキシチタン、テトラー n ブトキシチタンなどのチタン化合物、ジー n—ブチ ルスズジラウレート、ジー n—ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテートなどの スズィ匕合物、酢酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛ィ匕合物を用いるのが好ましい。触媒量 が少な過ぎると、触媒添カ卩による効果が得られない。一方、触媒量が多過ぎると、ポリ カーボネートジオール中に残存した触媒は熱可塑性エラストマ一を合成する際の触 媒としても作用する場合が多いため、予期せぬ反応や反応の制御が困難になること により、熱可塑性エラストマ一の物性の低下をもたらす。このような物性低下を避ける ためにこれらの触媒は、原料の総仕込み重量に対し 1〜: LOOOOppmとなるように用 V、るのが好まし 、。 1〜: LOOOppmとなるように用いるのがより好まし!/、。
[0043] 本発明のポリカーボネートジオールは、前述のように 5—メチルー 1, 3 ジォキサン
2 オンを含む。この 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの量が多いと本発 明のポリカーボネートジオールに対して、例えば次に挙げるような悪影響を及ぼす。 5 ーメチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンを含有することによりポリカーボネートジォー ルの粘度が低下し、粘度力も重合度を把握することが困難になる。また、熱可塑性ポ リウレタンを製造した際に、残存した 5—メチル 1, 3 ジォキサン一 2—オンがポリ ウレタンの表面に滲出しタックフリー性が低下したりする。
さらに、熱可塑性ポリウレタン中に残存した 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2—ォ ンが水との接触で分解することにより、熱可塑性ポリウレタンの物性低下を引き起こす
。すなわちポリウレタンの耐水性ゃ耐候性が低下するのである。この物性低下は、 5 ーメチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンが同種の化合物と比較して不安定であること に起因し、本発明に特有の現象である。同じ 6員環構造を持つ 1, 3 ジォキサンー2 オンと比較すると、 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの方が不安定で反応 性に富むため、ポリカーボネートジオール中の含有率が同じ場合であっても 5—メチ ルー 1, 3 ジォキサン— 2—オンを含むもののみが物性に悪影響を及ぼす場合があ る。このような影響を避けるために、ポリカーボネートジオール中の 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2—オンの含有量を一定量以下にすることが重要である。
一方、 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オン含有量の下限としては、少ない方 が良いのであるが、少な過ぎると製造に時間がかかり過ぎて現実的な方法ではなくな る。
したがって、ポリカーボネートジオールに対する 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンの量は 0. 1〜5重量%であることが好ましい。さらに好ましくは 0. 5〜5重量% である。
5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量が上記の範囲内にあるときには 、種々の好ましい効果が発現することが本発明者らの検討の結果判明した。例えば 熱可塑性ポリウレタンとしたときに、柔軟性が向上する、射出成型時の流動性が良く なり加工性が向上する、シート状に成型したときに表面平滑性や光沢が向上する、低 温でも柔軟性が損なわれず低温特性が向上する、といった効果が挙げられる。このよ うな効果が発現する理由の一つとして、 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンが 可塑剤として作用しているということが考えられる。このような環状のカーボネートが可 塑剤として作用する例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが知 られているが、 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンはエチレンカーボネート、プ ロピレンカーボネートと比較して高沸点であり、ポリウレタンの成型時に高温にさらさ れても重量減が少な ヽと 、う利点を有して 、る。
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートジオールをポリイソシァネートと 反応させることにより、熱可塑性ポリウレタンを得ることができる。本発明の熱可塑性ポ リウレタンは耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れ、各
種成形体の原料として極めて有用な素材である。
[0045] 本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に使用されるポリイソシァネートとしては、例 えば 2, 4 トリレンジイソシァネート、 2, 6 トリレンジイソシァネート、およびその混合 物(TDI)、粗製 TDI、ジフエ-ルメタン一 4, 4,一ジイソシァネート (MDI)、粗製 MD I、ナフタレン一 1, 5 ジイソシァネート(NDI)、 3, 3,一ジメチル一 4, 4,一ビフエ- レンジイソシァネート、ポリメチレンポリフエニノレイソシァネート、キシリレンジイソシァネ 一 HXDI)、フエ-レンジイソシァネート等の公知の芳香族ジイソシァネート、 4, 4,一 メチレンビスシクロへキシノレジイソシァネート(水添 MDI)、へキサメチレンジイソシァ ネート(HMDI)、イソホロンジイソシァネート(IPDI)、シクロへキサンジイソシァネート (水添 XDI)等の公知の脂肪族ジイソシァネート、およびこれらのイソシァネート類の イソシァヌレートイ匕変性品、カルポジイミドィ匕変性品、ピウレツトイ匕変性品等である。こ れらのポリイソシァネートは、単独で用いてもよぐ 2種以上組み合わせて用いても構 わない。
[0046] また、本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造においては、所望により共重合成分と して鎖延長剤を用いることができる。鎖延長剤としてはポリウレタン業界における常用 の鎖延長剤、すなわち水、低分子ポリオール、ポリアミン等が使用できる。例えば、ェ チレングリコール、 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオール、 1, 5 ペンタン ジオール、 1, 6 へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、 1, 10 デカンジォ ール、 1, 1ーシクロへキサンジメタノール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノール、キシリ レングリコール、ビス(p ヒドロキシ)ジフエ-ル、ビス(p ヒドロキシフエ-ル)プロパ ン等の低分子ポリオール、エチレンジァミン、へキサメチレンジァミン、イソホロンジァ ミン、キシリレンジァミン、ジフエ-ルジァミン、ジアミノジフエ-ルメタン等のポリアミン である。これらの鎖延長剤は、単独で用いてもよぐ 2種以上組み合わせて用いても 構わない。
[0047] 本発明の熱可塑性ポリウレタンを製造する方法としては、ポリウレタン業界で公知の ウレタン化反応技術が用いられる。例えば、本発明のポリカーボネートジオールとポリ イソシァネートを常温から 200°Cの範囲で反応させることにより、本発明の熱可塑性 ポリウレタンが生成する。
[0048] また、本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシァネート、さらに必要に応じて 鎖延長剤を用いて、熱可塑性ポリウレタンを製造する事が出来る。鎖延長剤を用いる 場合、まず本発明のポリカーボネートジオールとポリイソシァネートとを、ポリイソシァ ネートのモル当量が過剰の条件にて、常温から 200°Cの範囲で反応させることにより 、イソシァネート末端のウレタンプレポリマーを生成させる。このウレタンプレポリマー に鎖延長剤を添加することにより高分子量ィ匕し、 目的の熱可塑性ポリウレタンを得る ことができる。
[0049] これらの反応にぉ 、て、三級アミンゃスズ、チタンなどの有機金属塩などに代表さ れる公知の重合触媒を用いる事もできる。
[0050] また、これらの反応は、溶剤を用いて行っても良 、。好ま 、溶剤としては、ジメチ ルホルムアミド、ジェチルホルムアミド、ジメチルァセトアミド、ジメチルスルホキシド、 テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、ジォキサン、シクロへキサノン、ベンゼン、 トルエン、ェチルセ口ソルブなどがある。
[0051] 本発明の熱可塑性ポリウレタンには添加剤として、少なくとも熱安定剤および光安 定剤などを用いることが望ましい。熱安定剤としては、燐酸、亜燐酸の脂肪族、芳香 族またはアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、フエ-ルホスホン酸、 フエ-ルホスフィン酸、ジフエ-ルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリ スリトールジホスフアイト、ジアルキルビスフエノール Aジホスフアイトなどのリン化合物 、フエノール系誘導体特にヒンダードフエノール化合物、チォエーテル系、ジチォ酸 塩系、メルカプトべンズイミダゾール系、チォカルバ-リド系、チォジプロピオン酸エス テルなどのィォゥを含む化合物、スズマレート、ジブチルスズモノォキシドなどのスズ 系化合物を用いることができる。ヒンダードフエノール化合物としては、 IrganoxlOlO (商品名:チバガイギ—社製)、 Irganoxl520 (商品名:チバガイギ—社製)などが好 ましい。二次老化防止剤としての燐系化合物は、 PEP— 36、 PEP— 24G、 HP— 10 (いずれも商品名:旭電化 (株)製) IrgafOS168 (商品名:チバガイギ一社製)が好まし い。また、硫黄ィ匕合物としては、ジラウリルチオプロピオネート (DLTP)、ジステアリル チォプロピオネート (DSTP)などのチォエーテルィ匕合物が好ま ヽ。光安定剤として は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフエノン系化合物などが挙げられる。また、ヒンダ一
ドアミンィ匕合物のようなラジカル捕捉型光安定剤も好適に用いられる。
これらの安定剤は、単独で用いてもよぐ 2種以上組み合わせて用いても構わない。 これら安定剤の添加量は、熱可塑性ポリウレタン 100重量部に対し、 0. 01〜5重量 部、好ましくは 0. 1〜3重量部、さらに好ましくは 0. 2〜2重量部が望ましい。
[0052] さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、必要に応じて可塑剤を添加しても良い。
力かる可塑剤の例としては、ジォクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジェチルフタ レート、ブチルベンジルフタレート、ジ 2—ェチルへキシルフタレート、ジイソデシル フタレート、ジゥンデシルフタレート、ジイソノ-ルフタレートなどのフタル酸エステル類 、トリクレジノレホスフェート、トリェチノレホスフェート、トリブチノレホスフェート、トリー 2— ェチノレへキシノレホスフェート、トリメチノレへキシノレホスフェート、トリス一クロロェチノレホ スフェート、トリス一ジクロ口プロピルホスフェートなどの燐酸エステル類、トリメリット酸 ォクチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸エステル類、ジペン タエリスリトールエステル類、ジォクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジー 2—ェ チルへキシルァゼレート、ジォクチルァゼレート、ジォクチルセバケート、ジー 2—ェ チルへキシルセバケート、メチルァセチルリシノケートなどの脂肪酸エステル類、ピロ メリット酸ォクチルエステルなどのピロメリット酸エステル、エポキシ化大豆油、ェポキ シ化アマ-油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ系可塑剤、アジ ピン酸エーテルエステル、ポリエーテルなどのポリエーテル系可塑剤、液状 NBR、液 状アクリルゴム、液状ポリブタジエンなどの液状ゴム、非芳香族系パラフィンオイルな どを挙げることが出来る。
これら可塑剤は、単独で、あるいは 2種以上組み合わせて使用することが出来る。 可塑剤の添加量は、要求される硬度、物性に応じて適宜選択される力 熱可塑性ポ リウレタン 100重量部当り 0〜50重量部が好まし!/、。
[0053] また、本発明の熱可塑性ポリウレタンに、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイ ル、発泡剤、難燃剤などを添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシ ゥム、タルク、水酸化マグネシウム、マイ力、硫酸バリウム、珪酸 (ホワイトカーボン)、 酸ィ匕チタン、カーボンブラックなどが挙げられる。
[0054] 本発明のポリカーボネートジオールは、本発明の熱可塑性ポリウレタンの原料とし
て、さらには熱可塑性エラストマ一、ウレタン弾性繊維スパンデッタス成形体、スパン デッタス糸などの原料として、塗料、接着剤などの構成材料として、あるいは、高分子 可塑剤として用いることが出来る。また、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、ポリエー テル系熱可塑性ポリウレタンに匹敵するほどの柔軟性を有しており、各種成形体の素 材として用いることが出来る。
実施例
[0055] 以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例 によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は特に断らない限り質 量部である。
また、以下の実施例および比較例において、ポリカーボネートジオールおよびポリ ウレタンフィルムの諸物性は、下記の試験方法に従って試験を実施した。
[0056] <試験方法 >
1. OH価
無水酢酸 12. 5gをピリジン 50mlでメスアップしァセチル化試薬を調製した。 100m 1ナスフラスコに、サンプルを 2. 5〜5. Og精秤する。ァセチル化試薬 5mlとトルエン 1 Omlをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、 100°Cで 1時間撹拌加熱する 。蒸留水 2. 5mlをホールピペットで添加、さらに 10分間加熱撹拌する。 2〜3分間冷 却後、エタノールを 12. 5ml添カ卩し、指示薬としてフエノールフタレインを 2〜3滴入れ た後に、 0. 5molZlエタノール性水酸ィ匕カリウムで滴定する。ァセチル化試薬 5ml、 トルエン 10ml、蒸留水 2. 5mlを 100mlナスフラスコに入れ、 10分間加熱撹拌した後 、同様に滴定を行う(空試験)。この結果をもとに、下記数式 (i)で OH価を計算した。
OHffi (mg - KOH/g) = { (b - a) X 28. 05 X f}/e (i)
a:サンプルの滴定量(ml)
b :空試験の滴定量 (ml)
e :サンプル重量 (g)
f :滴定液のファクター
[0057] 2.分子量
実施例、比較例中のポリマーの末端は、 13C— NMR (270MHz)の測定により、
実質的に全てがヒドロキシル基であった。さらに、ポリマー中の酸価を KOHによる滴 定により測定した力 実施例、比較例のポリマー全てが 0. 01以下であった。従って、 得られたポリマーの数平均分子量は下式 (ii)により求められる。
数平均分子量 = 2Z (OH価 X 10— 3Z56. 11) (ii)
[0058] 3.共重合組成
本発明のポリカーボネートジオールの共重合組成は、以下のように測定した。
100mlのナスフラスコにサンプルを lg取り、エタノール 30g、水酸化カリウム 4gを入 れて、 100°Cで 1時間反応する。室温まで冷却後、指示薬にフエノールフタレインを 2 〜3滴添加し、塩酸で中和する。冷蔵庫で 1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し 、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとして DB— WAX(J&W 製)をつけたガスクロマトグラフィー GC— 14B (島津製作所製)を用い、ジエチレング リコールジェチルエステルを内標として、検出器を FIDとして行った。なお、カラムの 昇温プロファイルは、 60°Cで 5分保持した後、 10°CZminで 250°Cまで昇温した。
[0059] 4.機械的物性
厚さ 0. 07〜0. 10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを 10mm X 80 mmの短冊型に切り取り、 23°C、 50%RHの恒温室にて 1日養生したものを試験体と した。
試験体を 23°C、 50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTE C製、 RTC— 1250A)を用いて、チャック間 50mm、引張速度 100mm/minで 100 %引っ張り応力(MPa) (塗膜が 50mm伸びた時の応力)、塗膜の伸び (%)を測定し た。
[0060] 5.耐油性
厚さ 0. 07〜0. 10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを 45°Cのォレ イン酸中に 1週間浸漬後の膨潤率を測定し、耐油性の指標とした。膨潤率は、下記 式 (iii)を用いて求めた。
膨潤率 = (試験後の重量 試験前の重量) Z試験前の重量 X 100 (iii)
[0061] 6.耐加水分解性
厚さ 0. 07〜0. 10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを 100°Cの熱
水中に 2週間浸漬後、 4.に示した方法で機械的物性 (塗膜の伸び)を測定した。測 定後、この値が前記 4.で求められた値に比べ、 80%以上である場合を〇、 60%以 上 80%未満である場合を△、 60%未満である場合を Xとして、耐加水分解性を評 価し 7こ。
[0062] 7.耐候性
厚さ 0. 07〜0. 10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムをサンシャイン 型ゥェザオメ一ター(スガ試験機製、 WEL— SUN— DC)中で、 1サイクル 60分、内 12分の降水の繰り返しで所定時間(200時間)経過した後、 4.に示した方法で機械 的物性 (塗膜の伸び)を測定した。測定後、この値が前記 4.項で求められた値に比 ベ、 80%以上である場合を〇、 60%以上 80%未満である場合を△、 60%未満であ る場合を Xとして、耐候性を評価した。
[0063] 〔実施例 1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール 355g、 1, 4 ブタンジオール 305g、エチレンカーボネート 650gを仕込み、 70°Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流 比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔 を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 14 0〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2 メチル 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1 時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 16 0〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 55. 8、共重合組成は 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール Zl, 4—ブタンジオール =53Z47であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 2. 1重量%であった。
[0064] 〔実施例 2〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸
留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロノ ンジオール 350g、 1, 6 へキサンジオール 450g、エチレンカーボネート 660gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還 流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 6 へキサンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 2、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3—プロパンジオール Z1, 6—へキサンジオール =5lZ49であった。
[0065] 〔実施例 3〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロノ ンジオール 420g、 1, 3 プロノ ンジォ一ノレ 260g、エチレンカーボネート 720gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還 流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 3 プロパンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 55. 5、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3—プロパンジオール Z1, 3—プロパンジオール =58Z42であった。
[0066] 〔実施例 4〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸
留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロノ ンジオール 570g、 1, 4 ブタンジオール 110g、エチレンカーボネート 660gを仕込み、 70°Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流 比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔 を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 14 0〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2 メチル 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1 時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 16 0〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 0、共重合組成は 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール Z1, 4—ブタンジオール =84Z16であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 2. 9重量%であった。
〔実施例 5〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロノ ンジオール 500g、 1, 4 ブタンジオール 150g、エチレンカーボネート 655gを仕込み、 70°Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流 比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔 を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 14 0〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2 メチル 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1 時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 16 0〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 1、共重合組成は 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール Zl, 4—ブタンジオール =77Z23であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 2. 8重量%であった。
[0068] 〔実施例 6〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロパンジオール 173g、 1, 4 ブタンジオール 522g、エチレンカーボネート 684gを仕込み、 70°Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流 比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔 を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 14 0〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2 メチル 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1 時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 16 0〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 4、共重合組成は 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール Zl, 4—ブタンジオール =25Z75であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 1. 2重量%であった。
[0069] 〔実施例 7〕
規則充填物を充填した、充填高さ 5m、理論段数 10段の蒸留塔、コンデンサー、ポ ット、還流ポンプ力もなる蒸留装置、攪拌機を備えた加熱ジャケット付き 3m3SUS製反 応器【こ、 2—メチノレー 1, 3 プロノ ンジ才一ノレ 94 lkg、 1, 4 ブタンジ才ーノレ 403k g、エチレンカーボネート 1315kgを仕込み、触媒としてチタンテトラブトキシドを 0. 13 kg添加した。反応器を lkPaまで減圧し窒素を導入して大気圧に戻すと ヽぅ操作を 3 回繰返し、反応器内部を窒素で置換した。
ジャケットに 200〜230°Cの熱媒を流すことにより加熱を開始し、塔頂圧力を 7〜8k Paに調整し、反応器内温 150°Cで 2時間加熱した。このとき蒸留塔からの抜き出しは 行わなかった。
その後、蒸留塔の還流比を 9とし、抜き出し量を 45〜50kgZ時となるように塔頂圧 力を 7〜1. 5kPaに調整し、ジャケットに 230〜240°Cの熱媒を流すことにより反応器 内温 150°Cで 19時間加熱した。
その後、蒸留塔の還流比を 1とし、抜き出し量を 200〜280kgZ時となるように塔頂 圧力を 1. 5〜0. 6kPaに調整し、ジャケットに 240°Cの熱媒を流すことにより反応器 内温 150〜170°Cで 2時間 30分加熱した。このときの反応混合物中の 5—メチル 1 , 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 17. 5重量%であった。
その後、塔頂圧力を 0. 6〜0. 3kPaに調整し、ジャケットに 200°Cの熱媒を流すこ とにより反応器内温 165〜175°Cで、蒸留塔を使用せずに、留出する成分を全量抜 き出しながら、 3時間 20分加熱した。
この反応により、常温で粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 58. 7、共重合組成は 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール Z1, 4—ブタンジオール =6 4Z36であった。この反応物中の 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンの含有量 は 2. 0重量%であった。
〔実施例 8〕
規則充填物を充填した、充填高さ 5m、理論段数 10段の蒸留塔、コンデンサー、 ポット、還流ポンプ力もなる蒸留装置、攪拌機を備えた加熱ジャケット付き 3m3SUS製 反応器【こ、 2—メチノレー 1, 3 プロノ ンジ才一ノレ 700kg、 1, 4 ブタンジ才ーノレ 70 lkg、エチレンカーボネート 1369kgを仕込み、触媒としてチタンテトラブトキシドを 0. 14kg添加した。反応器を lkPaまで減圧し窒素を導入して大気圧に戻すと 、う操作 を 3回繰返し、反応器内部を窒素で置換した。
ジャケットに 200〜230°Cの熱媒を流すことにより加熱を開始し、塔頂圧力を 7〜8k Paに調整し、反応器内温 150°Cで 2時間加熱した。このとき蒸留塔からの抜き出しは 行わなかった。
その後、蒸留塔の還流比を 9とし、抜き出し量を 45〜50kgZ時となるように塔頂圧 力を 7〜1. 5kPaに調整し、ジャケットに 230〜240°Cの熱媒を流すことにより反応器 内温 150°Cで 19時間加熱した。
その後、蒸留塔の還流比を 1とし、抜き出し量を 200〜300kgZ時となるように塔頂 圧力を 1. 5〜0. 6kPaに調整し、ジャケットに 240°Cの熱媒を流すことにより反応器 内温 150〜170°Cで 3時間 20分加熱した。このときの反応混合物中の 5—メチル 1 , 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 6. 9重量%であった。
その後、塔頂圧力を 0. 6〜0. 3kPaに調整し、ジャケットに 200°Cの熱媒を流すこ とにより反応器内温 170〜175°Cで、蒸留塔を使用せずに、留出する成分を全量抜 き出しながら、 160分間加熱した。
この反応により、常温で粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 54. 3、共重合組成は 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール Z1, 4—ブタンジオール =4 3Z57であった。この反応物中の 5—メチルー 1, 3 ジォキサン 2 オンの含有量 は 1. 3重量%であった。
[0071] 〔実施例 9〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール 244g、 1, 4 ブタンジオール 416g、エチレンカーボネート 650gを仕込み、 70°Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流 比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔 を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 14 0〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2 メチル 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1 時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 16 0〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 54. 0、共重合組成は 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール Z1, 4—ブタンジオール =35Z65であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 1. 6重量%であった。
[0072] 〔実施例 10〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール 442g、 1, 5 ペンタンジォーノレ 263g、エチレンカーボネート 655gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還
流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 5 ペンタンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 55. 2、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール Zl, 5 ペンタンジオール =64Z36であった。
[0073] 〔実施例 11〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロパンジオール 335g、
1. 5 ペンタンジォーノレ 387g、エチレンカーボネート 655gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還 流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 5 ペンタンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 0、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール Zl, 5 ペンタンジオール =48Z52であった。
[0074] 〔実施例 12〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロパンジオール 471g、
1. 6 へキサンジオール 29 lg、エチレンカーボネート 660gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還
流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 6 へキサンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 55. 1、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3—プロパンジオール Zl, 6—へキサンジオール =66Z34であった。
[0075] 〔実施例 13〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチル 1, 3 プロノ ンジオール 256g、 1, 6 へキサンジオール 572g、エチレンカーボネート 660gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還 流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 6 へキサンジオールおよびエチレンカーボネ ートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの 内温 160〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は 56. 8、共重合組成は 2—メ チルー 1, 3 プロパンジオール Zl, 6 へキサンジオール =36Z64であった。
[0076] 〔実施例 14〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール 462g、 1, 4 ブタンジオール 198g、エチレンカーボネート 650gを仕込み、 70。Cで撹拌溶 解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイル バスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流
比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オイルバスの設定を 180 °Cとし、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5〜1. OkPaとして、蒸留塔を用いて 還流ヘッド力 還流比 4で留分の一部を抜きながら、セパラブルフラスコ内に残った、 2—メチルー 1, 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボ ネートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコ の内温 160〜165°Cで、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちような液 体が得られた。得られた反応物の OH価は 63. 1、共重合組成は 2—メチルー 1, 3— プロパンジオール Zl, 4—ブタンジオール =68Z32であった。この反応物中の 5— メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 10. 5重量%であった。
[0077] 〔比較例 1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 1, 4 ブタンジオール 780g、エチレンカーボ ネート 760gを仕込み、 70°Cで撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 0 15g入れた。 175°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応し た。その後、オルダ一ショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したォ ィルバスでカ卩熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパ ラブルフラスコ内に残った、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを留 去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 160〜165°Cで 、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で白色の固体が得られ た。得られた反応物の OH価は 56. 0であった。
[0078] 〔比較例 2〕
比較例 1の 1, 4 ブタンジオール 780gを、 1, 6 へキサンジオール 1020gに変更 した以外は、比較例 1と同様の反応を行った。この反応により、常温で白色の固体が 得られた。得られた反応物の OH価は、 55. 5であった。
[0079] 〔比較例 3〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 3—メチル 1, 5 ペンタンジオール 455g、
1, 6 へキサンジオール 455g、エチレンカーボネート 700gを仕込み、 70°Cで撹拌 溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイ ルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還 流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オルダ一ショウ型蒸留 塔を単蒸留装置に取り替え、 180°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140〜150°C、圧力を 0. 5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、 3—メ チルー 1, 5 ペンタンジオール 455g、 1, 6 へキサンジオールおよびエチレン力 ーボネートを留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 1 60〜165°Cで、留去しながら、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよ うな液体が得られた。得られた液体の OH価は 56. 3、共重合組成は 3—メチルー 1, 5 -ペンタンジオール Z 1, 6 へキサンジオール = 50Z50であった。
[0080] 〔比較例 4〕
比較例 3の 3—メチル—1, 5 ペンタンジオール 455gを、 2—イソプロピル— 1, 4 ブタンジオール 520gに、 1, 6 へキサンジオール 455gを、 1, 4 ブタンジォー ル 265gに変更した以外は、比較例 3と同様の反応を行った。この反応により、常温で 粘ちような液体が得られた。得られた反応物の OH価は、 55. 8、共重合組成は 2—ィ ソプロピル 1, 4 ブタンジオール Z1, 4 ブタンジオール =57Z43であった。
[0081] 〔比較例 5〕
比較例 3の 3—メチル 1, 5 ペンタンジオール 455gを、 1, 5 ペンタンジオール 430gに変更した以外は、比較例 3と同様の反応を行った。この反応により、常温で粘 ちょうな液体が得られた。得られた反応物の OH価は、 55. 8、共重合組成は 1, 6— へキサンジオール Z1, 5—ペンタンジオール =52Z48であった。
[0082] 〔比較例 6〕
比較例 1の 1, 4 ブタンジオール 780gを、 2—メチル 1, 3 プロパンジオール 7 90gに変更した以外は、比較例 1と同様の反応を行った。この反応により、常温で粘 ちょうな液体が得られた。得られた反応物の OH価は、 55. 5であった。この反応物中 の 5—メチルー 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 3. 5重量%であった。
[0083] 〔比較例 7〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 1, 3 プロノ ンジオール 380g、 1, 4 ブタン ジオール 220g、エチレンカーボネート 650gを仕込み、 70°Cで撹拌溶解したあと、触 媒として酢酸鉛三水和物を 0. 015g入れた。 175°Cに設定したオイルバスで加熱し、 フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッドから還流比 4で留分の一 部を抜きながら、 12時間反応した。その後、オイルバスの設定を 180°Cとし、フラスコ の内温 140〜150°C、圧力を 0. 5〜1. OkPaとして、蒸留塔を用いて還流ヘッドから 還流比 4で留分の一部を抜きながら、セパラブルフラスコ内に残った、 1, 3 プロパ ンジオール、 1, 4 ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを 1時間かけて留去 した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラスコの内温 160〜165°Cで、さ らに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちような液体が得られた。得られた反 応物の OH価は 61. 9、共重合組成は 1, 3 プロパンジオール Z1, 4 ブタンジォ ール =67Z33であった。この反応物中の 1, 3 ジォキサンー2 オンの含有量は 1 0. 8重量%であった。
〔比較例 8〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジヤッケト付きオルダ一ショウ型蒸 留塔を備えた 21セパラブルフラスコに、 1, 3 プロパンジオール 562g、エチレンカー ボネート 650gを仕込み、 70°Cで撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を 0 . 015g入れた。 175°Cに設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温 140°C、圧力 1. 0〜1. 5kPaで、還流ヘッド力 還流比 4で留分の一部を抜きながら、 12時間反 応した。その後、オイルバスの設定を 180°Cとし、フラスコの内温 140〜150°C、圧力 を 0. 5〜1. OkPaとして、蒸留塔を用いて還流ヘッド力 還流比 4で留分の一部を抜 きながら、セパラブルフラスコ内に残った、 1, 3 プロパンジオールおよびエチレン力 ーボネートを 1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を 185°Cに上げ、フラ スコの内温 160〜165°Cで、さらに 4時間反応した。この反応により、常温で粘ちよう な液体が得られた。得られた反応物の OH価は 61. 0であった。この反応物中の 1, 3 ジォキサン 2—オンの含有量は 11. 1重量%であった。
実施例 1〜14及び比較例 1〜8で得られたポリカーボネートジオールの各々を用い
て、下記の方法でポリウレタンを作製した。すなわち、ポリカーボネートジォーノレ 0. 1 モル、 4, 4' —ジフエ-ルメタンジイソシァネート 0. 2モノレ、エチレングリコール 0. 2 モル及びジメチルホルムアミド(DMF)を 600g加え、 80°Cにて 8時間反応させ、ポリ ウレタンの DMF溶液を得た。得られたポリウレタンの DMF溶液をガラス板上に流延 し、乾燥して乾式フィルムを得た。このフィルムを用いて上記した方法により、物性の 評価を行った。その結果を表 1に示す。
実施例 14にお V、ては耐加水分解性、耐候性の評価結果が共に であつたが実用 的に許容できるレベルであった。
[表 1]
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲 を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明ら
かである。
本出願は、 2005年 2月 18日出願の日本特許出願 (特願 2005— 041945)に基づくも のであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
産業上の利用可能性
本発明のポリカーボネートジオールは耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性な どの物性バランスに優れるポリカーボネート系ポリウレタンを製造するための原料ィ匕 合物として有用に利用できる。