WO2005104905A1

WO2005104905A1 - クッション材

Info

Publication number: WO2005104905A1
Application number: PCT/JP2005/008238
Authority: WO
Inventors: Kazumi Itou
Original assignee: Wa-Ki Ltd.
Priority date: 2004-04-30
Filing date: 2005-04-28
Publication date: 2005-11-10
Also published as: JP3836851B2; JP2005312765A

Abstract

不規則に曲折した熱可塑性樹脂の線材が接触融合したベース材に、表層と裏層の二層の編地とその二層の編地を柱状にまたは筋違い状に連結する連結糸から構成される表層材を配置してクッション材を形成する。ベース材は、所定のかさ密度と所定の弾性変形量を有する表面層と、その表面層間に挟まれて、表面層よりかさ密度が小さく弾性変形量が大きい内層とが形成されて、加重が加えられると弾性変形するクッション性を有する。また表層材は、荷重が加えられると連結糸が弾性的に湾曲変形するベース材よりも軟らかいクッション性を有する。これにより、クッション性がよく、通気性にも優れ、洗浄が可能なクッション材を提供する。

Description

明細書

クッション材

技術分野

[0001] 本発明は、座ったり寝たりして利用されるクッション材に関する。

背景技術

[0002] ベッドでは、クッション性のよ!、クッション材を敷設しその上にシーツなどを被せたりして、床では、クッション材としてのマットレスを敷きその上に布団を敷いたりして寝ている。このように人が座ったり寝たりして利用されるクッション材を構成する部材としては、ウレタンが広く採用されている。さらに自動車、自動二輪車、電車などの座席シートゃ、椅子、ソファなどにもウレタンが採用されている。

[0003] し力しながら、ウレタンによって形成されたクッション材は、人が寝たとき、或いは座つたとき、荷重が一箇所に集中するため、その部分の沈み込みが大きぐそれに伴つて身体が無理な形状となるため、疲労を大きくしたり腰を痛めたりする原因となる。またウレタンは、通気性が悪ぐ蓄熱性があるため、特に夏場は、暑苦しく感じる。またこのようなクッション材は、洗浄が困難であり、特に病院などでは、入院患者が入れ替わつた場合、衛生面がよくなぐ院内感染の原因となる可能性もある。

[0004] このような現状に鑑み、本発明の課題は、クッション性がよぐ通気性にも優れ、洗浄が可能なクッション材を提供することである。

発明の開示

[0005] 上記課題を解決するための本発明のクッション材は、

不規則に曲折した熱可塑性榭脂の線材が接触融合して、所定のカゝさ密度と単位荷重当たりの所定の弾性変形量を有する表面層と、その表面層間に挟まれて、表面層よりかさ密度が小さく弾性変形量が大きい内層とが形成されて、加重が加えられると弾性変形するクッション性を有する、一層または二層以上のベース材と、

表層と裏層の二層の編地と、その二層の編地を間隔をあけて柱状にまたは筋違、状に連結する連結糸から構成されて、荷重が加えられると連結糸が弾性的に湾曲変形するベース材よりも軟ら力いクッション性を有し、ベース材の少なくとも一方の面上に重ねて配置される、一層または二層以上の表層材と、

を含む。

[0006] ここで力さ密度とは、単位体積あたりの重さで定義され、空隙が多くなると小さくなる。ベース材の表面層は、内層よりも力さ密度が大きぐ固く弾性変形量が小さい。そして内層は、表面層よりもかさ密度が小さぐ軟らかく弾性変形量が大きい。表面層と内層は、線材が接触融合して、連続的に一体として形成されている。比較的固ぐ線材が融合することによって網構造として形成された、加重をかけても大きな沈み込みがない表層材と、軟ら力べクッション性を有する内層とを有するベース材に、さらに軟らかい表層材を配置することにより形成されたクッション材は、座ったり寝たりした場合にも、局所的な力を分散して身体を広く面で受けるため身体に負担をかけにくい効果を生じる。またベース材も表層材も通気性がよぐ洗浄することができる。このため衛生面にも優れている。

[0007] クッション材は、ベース材と、表層材とを一体として包む保護カバーを含んでもよ!ヽ。ベース材と表層材とを保護カバーで包むことにより、一体として運搬性がよくなると共に、ベース材ゃ表層材が汚染されることを防ぐことができる。保護カバーを取り外して洗净することもできる。

[0008] このクッション材は、人が横たわるために、床またはベッドに設置されて利用されるためのマットとして利用することができる。このようなマットは、床に敷いて直接、または布団をさらにその上に敷いて寝具として利用できる。またベッドの基台に設置して利用することができる。このようなマットは、クッション性や通気性に優れている上、身体が局所的に沈み込むことがないため、快適な寝心地が得られる。

[0009] またこのクッション材は、椅子またはソファの人が座る座部または人の背中を支持する背もたれ部に設置することができる。座部や背もたれ部に埋め込んだ状態で、または埋め込まずに固定'設置し使用することができる。このクッション材は、湾曲変形が可能なため、背もたれ部に湾曲させた状態で、背中にフィットするように設置することもできる。或いは、座部に取り外し可能な状態で設置してもよい。このようにすると取り外して洗浄することができる。

[0010] このクッションのベース材を形成する線材は、中が空洞の中空に形成することができる。すなわち線材としては、中空線材を用いて形成することができる。或いは、中が充填された中実に形成されたものでもよいが、中空形状とすることで所望の弾力性を得やすぐクッション材を軽く形成することもできる。

[0011] そしてベース材の内層の力さ密度は、 0. OlgZcm³以上 0. 15gZcm³以下、表面層のかさ密度は、 0. 5gZcm³以下とするとよい。またベース材の内層の空隙率は、 8 3%以上 99%以下、表面層の空隙率は、 44%以上とするとよい。このような力さ密度または空隙率を有することにより、内層によって適度なクッション性を生じると共に、表面層によって、身体による荷重を分散して受け止めることができる。

[0012] そしてベース材を形成する線材は、熱可塑性エラストマ一によつて形成することができる。さらにポリオレフイン系榭脂と、酢酸ビニル榭脂、酢ビエチレン共重合体又はスチレンブタジエンスチレンの、ずれかとの混合物力形成することができる。これにより所望の固さやクッション性を得ることができる。

[0013] 表層材は、合成繊維を使用して形成することができる。表層材の表層または裏層の少なくとも一方は、網目状に形成するとよい。これにより通気性を得ることができる。連結糸は、中が充填された中実に形成される。このような表層材は、洗浄が可能であるため、衛生的にもよい。このような構造にすることにより、所望の弾性力を得ることができ、クッション性のょ、部材として形成することができる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明のクッション材の実施例。

[図 2A]ベース材を説明する図。

[図 2B]ベース材を説明する図。

[図 2C]ベース材を説明する図。

[図 3]ベース材の形成について説明する図。

[図 4]図 3に続くベース材の形成について説明する図。

[図 5]表層材を説明する図。

[図 6A]表層材の連結糸を説明する図。

[図 6B]他の表層材の連結糸を説明する図。

[図 7]表層材の他の実施例を説明する図。 [図 8A]保護カバーに包まれたクッション材の形成工程について説明する図。

[図 8B]図 8Aに続く保護カバーに包まれたクッション材の形成工程について説明する図。

[図 9A]図 8Bのクッション材の斜視図。

[図 9B]図 8Bに続くクッション材の形成工程について説明する図。

[図 10A]表層材がベース材の全面を覆う実施例を示す断面図。

[図 10B]図 10Aの実施例の斜視図。

[図 11A]ベース材を覆う表層材の他の実施例を示す断面図。

[図 11B]図 11Aの実施例の斜視図。

[図 12]ベッドに利用されるクッション材を示す図。

[図 13A]座布団として使用されるクッション材を示す図。

[図 13B]図 13 Aのクッション材の斜視図。

[図 14A]マットレスとして使用されるクッション材を示す平面図。

[図 14B]図 14Aのクッション材の斜視図。

[図 14C]図 14Aのクッション材の断面図。

[図 15A]クッション材を使用した椅子の斜視図。

[図 15B]図 15Aの椅子の側面図。

[図 16]ソファとして使用されるクッション材を示す図。

[図 17]ベビーベッドに使用されるクッション材を示す図。

[図 18]表層材をベース材の上下に配置したクッション材。

[図 19]表層材をニ層配置したクッション材。

[図 20]硬めのベース材と軟らかめのベース材の 2層のベース材と、表層材を配置したクッション材。

[図 21]ベース材と表層材をそれぞれ二層配置したクッション材。

[図 22]異なる厚さのベース材によって形成されたクッション材。

[図 23]ベース材を 2層と表層材を 3層配置したクッション材。

[図 24]コイルスプリングを備えたクッション材を説明する図。

[図 25]コイルスプリングを備えたクッション材の椅子への適用例を示す図。発明を実施するための最良の形態

[0015] 図 1に本発明のクッション材の断面図と部分拡大図を示す。本発明のクッション材 1 は、線材 11により構成されるベース材 10と、表層 31と裏層 33の二層の編地とそれらを連結する連結糸 32から構成される表層材 30とを含む。ベース材 10は、ランダムに曲折した熱可塑性榭脂の線材 11が所定の力さ密度の空隙を備えて接触融合している。また表層材 30は、表層 31と裏層 33の二層の編地を間隔をあけて柱状に連結または筋違、状に連結糸 32により連結されて、る。

[0016] 図 1の（a)にベース材 10の斜視図を示す。ベース材 10は、線材 11がランダムに曲折し接触融合して、板状に形成されている。図 1の (b)は、図 1の（a)をさらに拡大した図であり、複数の線材 11が各々融合して接着している。図 1の（c)は、さらに図 1の (b)を拡大した図であり、線材 11は、中が空洞 15の中空として形成されている。このような線材 11を使用することにより、空気が管の中に閉じ込められることになり、空気ばねの特性が発現し、独特のクッション性が生じ、座屈も防止できる。また空気が入ることによって、ベース材 10の剛性が保たれる。線材 11は連続であっても良いし、不連続であっても良い。

[0017] 線材 11は、ポリオレフイン系榭脂（例えば、 PE、 PP)に、酢酸ビュル榭脂、酢ビエチレン共重合体、またはスチレンブタジエンスチレンを混合したものを用いて形成される。このとき、ポリオレフイン系榭脂と、酢酸ビニル榭脂または酢ビエチレン共重合体の酢ビ含有率の混合比は、 70〜97重量％: 30〜3重量％とする。さらに望ましくは、 80〜90重量％: 20〜10重量％である。なぜなら酢酸ビュル榭脂または酢ビエチレン共重合体を 3重量％以下とすると、弾力性が低下するからである。逆に 30重量 %以上とすると熱的特性が低下するからである。また、ポリオレフイン系榭脂とスチレンブタジエンスチレンとの混合比は、 50〜97重量％: 50〜3重量％とする。より望ましくは 70〜90重量％: 30〜： LO重量％とする。また、ポリオレフイン系榭脂は再生榭脂であっても良い。

[0018] 線材 11は、汎用プラスチック (ポリオレフイン、ポリスチレン系榭脂、メタタリル榭脂、ポリ塩ィ匕ビニル等）、エンジニアリングプラスチック（ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエステル、ポリアセタール等）等を使用して形成してもよい。そして、ポリプロピレン (PP)、ポリエチレン (PE)またはナイロン等の熱可塑性エラストマ一により形成することが所望の弾性力を有するために望ましヽ。

[0019] 線材 11の線径は、 0. 3〜3. Omm、特に 0. 7〜1. Ommであることが望ましい。なぜなら線形を 3. Omm以上とすると、不規則な曲折が形成され難くなり、強度が低下する。線径が 0. 3mm以下では、管に腰が無くなり、十分な弾性力が得られにくい。線材の中空率は、 10〜80%とするのが望ましい。中空率が 10%以下では、ベース材の重量が軽減されにくぐ 80%以上ではクッション性が低下するからである。

[0020] ベース材 30の表面層の力さ密度は、 0. 2〜0. 5gZcm³とする。力さ密度は、単位体積あたりの重さで定義される。力さ密度が 0. 2gZcm³以下では、強度が低下する。逆にかさ密度 0. 5gZcm³以上ではベース材が重くなるし、十分な弾性が得られにくい。内層の力さ密度は、 0. 01gZcm³〜0. 15gZcm³とする。ただし内層と表面層は、連続的に形成されているため、内層と表面層との中間領域が存在する。

[0021] 空隙率(％) = (1— [かさ密度] Z [榭脂の密度]) X 100

と定義したとき、クッションとしての弾性と強度の観点から、内層は 83〜99%とする。また表面層は、 77〜44%とする。これにより、座ったり寝たりした場合の身体の局所的な沈み込みをなくし、適度な弾性力を生じることが可能となる。

[0022] 図 2A〜図 2Cを用いてベース材 10の構造について説明する。比較的固い網状の表面層 13と、それに連続的に形成された内層 12からなる。図 2Aにこのベース材の断面図、図 2Bに 3層構造の模式図を示す。図 2Bは、表面層、内層、表面層の 3層構造を示すが、この境界は、連続的に形成されており、図のように明瞭に表面層 13と内層 12とが分断されているわけではない。図 2Cは、不規則に曲折した線材により、表面層 13と内層 12が連続して形成されてヽることを示す。

[0023] 表面層 13は、空隙率が小さく弾性変形量が小さいため、強度を有し、面で荷重を支えることができ、大きな沈み込みがない。このためこのベース材 10上に座ったり、横たわったりしても、腰や背骨に負担をかけることがない。内層 12は、クッション性を有するとともに、強度も有するため、へたらない構造となっている。表面層 13の力さ密度を 0. 2〜0. 5gZcm³、空隙率を 77〜44%、内層の力さ密度を 0. 01〜0. 15g/ cm³、空隙率を 99〜83%にすることで以上の効果を得られる。表面層と内層とは連続的に形成されるため、前述のかさ密度、空隙率の中間部分が存在する。

[0024] 図 3、 4を用いてベース材の製造工程を説明する。図 3に示すように、製造装置 150 は、射出成形機 151と、それに連結された成形ダイ 152、引取機 154、バス 157等により構成される。まず射出成形機 151のホッパー 153よりベース材の原料の混合物を投入し、高温で溶融混鍊する。そして溶融した混合物が、成形ダイ 152に設けられた多数のノズルカゝら排出される。その排出された混合物 (線材 11)は、引取機 154によつて引きとられる。このようにして溶融状態で排出された線材 11は、他の線材と接触して融合し、バス 157の水中内で相互に接着される。

[0025] ベース材の厚さや力さ密度は、バス 157内の引取機 154の引取ロール 155, 156 間を調整すること〖こより変化させることができる。また引取機 154の速度を変更することで、クッション特性を変更することができる。そして水中で固化した線材 11は、引取ロール 158によって引きとられる。引取ロール 158の引取速度を調整することにより、ベース材の粗密を変化させ、クッション特性を変化させることもできる。

[0026] 前述の工程によりベース材を形成した場合に、さらに所望の厚さや形状とするために、以下のような力卩ェを施すこともできる。図 4の（a)に示すように成形型 75に前述の工程で得られたベース材 10をいれ、さらに成形型 75内にベース材 10が軟ィ匕する程度の湯を入れる。続いて図 4の (b)に示すように圧縮機 76で圧縮する。このようにすることで表面を滑らかに加工することができ、さらに厚さを所望のものに調整することができる。スプリング構造榭脂を軟ィ匕させるために、成形型に湯を入れる代わりに、成形型がヒータにより加熱される構造としてもょ、。

[0027] 図 1に戻って、（d)は、表層材 30の拡大模式図を示す。表層 31と裏層 33の二層の編地を間隔をあけて柱状にまたは筋違い状に連結糸 32により連結されている。図 5 を用いて、表層材の構造について説明する。表編地 31と裏編地 33とを連結糸 32で連結している。表編地 31は、網状 (メッシュ状)構造に形成されている。裏編地 33も同様である。そしてそれぞれが網状となっているため、通気性に優れるとともに軽量である。この編地 31, 33を構成する糸条の材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等の合成繊維や再生繊維、ウール、木綿などの天然繊維を使用することができるが、所望の弾性力、やクッション性、通気性などを得るためには、合成繊維を使用することが望ましい。また連結糸 32は、反撥性を備えると共に通気性にも優れるようにするため、モノフィラメントを使用することが望ましい。

[0028] 図 6Aおよび図 6Bにさらに表層材 30の詳細な構造を示す。図 6Aに示すように、表層材 30は、網構造の表編地 31と、裏編地 33と、それらを連結する連結糸 32により形成されている。表編地 31と裏編地 33は、それぞれ網状に形成され、連結糸 32が柱状になりそれらを連結している。表編地 31として編まれた糸力連結糸 32となり、さらに裏編地 33として編み込まれる。裏編地 33として編まれた糸は、連結糸 32となり、再び表編地 31として編み込まれる。このようにして表編地 31と裏編地 33とが連結糸 32で連結された表層材 30が形成される。この連結糸 32は、表編地 31と裏編地 33を連結すると共に、適当な強度を持っため、これら二層が押しつぶされて接触することを防ぐための反撥力を生じる。

[0029] 図 6Bに示すように連結糸 32を筋違い構造としてもよい。すなわち連結糸 32は、上下に対向する編み目の一辺力その反対側の一辺へ筋違いとなるように形成されている。或いは、図 6Aと図 6Bが混在するように形成してもよい。すなわち連結糸 32により、表編地 31と裏編地 32とが適度な弾力性を有して連結されているとよい。これにより表層材に適度なクッション性を生じさせることができる。

[0030] さらに図 7を用いて表層材の変形例について説明する。表層材 40は、網構造の表編地 31と、裏編地 41と、それらを連結する連結糸 32により形成されている。表編地 3 1は、網状 (メッシュ状)構造に形成されている。裏編地 41は、繊維が密に織物状，編み物状として形成されている。この連結糸 32は、表編地 31と裏編地 41を連結すると共に、適当な強度を持っため、これら二層が押しつぶされて接触することを防ぐための反撥力を生じる。連結糸 32の材質や連結方法は、前述と同様である。

[0031] 図 8A〜図 9Bを用いて本発明のクッション材の形成方法を示す。図 8Aに示すように、ベース材 10に表層材 30を被せる。図 8Bにベース材 10に表層材 30を被せて一体としたクッション材 1の断面図を示す。ベース材 10に表層材 30を、接着剤で接着させ、一体とするとよい。図 9Aに図 8Aで形成したクッション材 1の斜視図を示す。図 8B で説明したように、ベース材 10の上面と側面とが表層材 30によって覆われている。さらに一体となったクッション材 1を図 9Bに示すように、保護カバー 50に入れて使用する。保護カバー 50は側面 52にチャック 53が取り付けられ、この部分力もクッション材 1を入れ、チャックを閉めて使用する。カバー 50は、クッション材 1を汚れ力も保護すると共に、表層材 30がベース材 1から外れることを防ぐ役割を果たす。カバー 50は、必ずしも袋状になっているものに限られず、クッション材の一面を覆って、取り付けられるものであればよい。そしてこの保護カバーに包まれたクッション材は、マットとして、床に敷いて利用することができる。この上に人が横たわった場合でも、表層材やべ一ス材の内層によって適度なクッション性を有し、ベース材の表面層によって、局所的に身体が沈み込むことを防ぐため、無理な姿勢とならずに腰などを痛めることがない。

[0032] 図 10A、図 10Bに表層材の他の取り付け形態を示す。図 10Aは、クッション材 71 の断面図、図 10Bは、その斜視図である。図に示すようにベース材 10の上面、下面、側面の全面を表層材 30によって覆ってもよい。表層材 30は、ベース材 10の全面を覆った状態で、接着剤によって接着されている。このよう〖こすると、クッション材の上面と下面とが同じように表層材 30で覆われるため、ひっくり返して使用しても、使用感が異ならない。したがって頻繁に移動させて使用する場合に、面を気にせずに使用することができるため、便利である。例えば、座布団として利用する場合に都合がよい。

[0033] 図 11A、図 1 IBに表層材のさらに他の取り付け形態を示す。図 11Aは、クッション材 72の断面図、図 11Bは、その斜視図である。図に示すようにベース材 10の上面、側面と、下面の一部が表層材 30によって覆われている。表層材 30は、ベース材 10 に、接着剤で接着されていてもよいし、接着せずに着脱可能な状態で、ベース材 10 を覆っていてもよい。接着しな力つた場合も、ベース材 10の下面の一部を覆うことで、ベース材 10に表層材 30を取り付けることができる。さらに着脱可能な状態であれば、表層材 30を取り外して、洗浄することもできる。

[0034] 図 12にこのクッション材の使用例を示す。ベッド 91の基体 92は、枠状に形成され、この枠内にクッション材 1を設置することができる。そしてこの上にシーツなどを敷いて使用すればよい。或いは、図 9Bに示したように、保護カバーを取り付けてベッドに設置するようにしてもよい。この場合も身体の一部が沈み込んで身体が痛くなることを防ぎ、さらに適度なクッション性によって、快適に寝ることができる。またこのクッション材は、ウレタン製のマットと異なり、洗浄したり、消毒を施したりすることができるため、特に病院などの医療機関などでも、衛生的に使用することができる。

[0035] 図 13A、図 13Bにクッション材の他の使用例を示す。クッション材 1は、保護カバー 51に包まれて、座布団 140として形成されている。図 13Aは、床 142上に座布団 14 0を敷いて、人 143が座っているところを示す。さらに図 13Bは、座布団 140の斜視図を示す。このような座布団 140は、ベース材 10と表層材 30とによって適度なクッシヨン性が得られるとともに、通気性にも優れるため、長時間座っていてもムレを感じ〖こくい。なお、上面と下面とが表層材 30で覆われているクッション材 71 (図 10参照）を使用して座布団としてもよい。

[0036] 図 14A〜図 14Cにクッション材カマットレスとして形成された例を示す。図 14Aは、平面図、図 14Bは、斜視図、図 14Cは、断面図である。マットレス 145の中には、図 14Cに示すように、クッション材 1があり、そのクッション材 1をカバー 146が覆っている。クッション材 1は、 3つに分離されているため、図 14Bに示すように折りたたむことが可能である。

[0037] 図 15A、図 15Bに椅子にクッション材を使用した例を示す。図 15Aは、椅子 160の斜視図、図 15Bは、側面図を示す。図に示すように、人が座る座部 162と、座った際に背中を支持する背もたれ部 163とにクッション材 1を使用する。クッション材 1は、座部 162と背もたれ部 163とに固定設置されて、さらにその表面は、布や革などによつて形成されたカバー 161で覆われてヽる。

[0038] 図 16にソファにクッション材を使用した例を示す。ソファ 170の人が座る座部 171と、座った際に背中を支持する背もたれ部 172とにクッション材 1を使用する。クッション材 1は、座部 171と背もたれ部 172とに固定設置されて、さらにその表面は、布や革などによって形成されたカバーで覆われている。クッション材 1は、変形可能なため、背もたれ部 172に湾曲した状態で設置することも可能である。

[0039] 図 17にベビーベッドにクッション材を設置した例を示す。クッション材 1は、ベビーべッド 180の赤ちゃんが寝る基台上に設置されている。前述のように、カバーを取り付けて設置してもよい。クッション材 1は、基台から取り外し可能なため、汚れた場合に取り外して、洗浄することができる。したがって衛生的である。また通気性に優れているため、赤ちゃんが寝るのによい。

[0040] さらに自動車、電車などの座席シートの腰掛けるための座部や背もたれ部、自転車や自動二輪車の座席シートも、このクッション材を内包して形成することができる。

[0041] 図 18を用いて、クッション材の他の構成を説明する。クッション材 101は、ベース材 10の上面と下面とにそれぞれ表層材 30を配して形成される。表層材 30は、ベース材 10のそれぞれの面に、例えば接着剤等を用いて接着される。このように形成することにより、クッション材の表面と裏面のどちらの面に人が寝たり座ったりしても快適なクッション性を得ることができる。

[0042] 図 19にベース材上に表層材を 2層重ねて配置したクッション材 111を示す。ベース材 21は、硬めのものを使用した場合に、表層材を 2層重ねて配置することにより、適度なクッション性を有するクッション材とすることができる。

[0043] 図 20にベース材を 2層重ねて、その上に表層材を重ねて配置したクッション材 112 を示す。この場合、ベース材 21に硬めのものを使用し、ベース材 22は、ベース材 21 より軟らかめのものを使用するとよい。

[0044] さらに図 21に示すように、ベース材 10を 2層重ね、また表層材 30を 2層重ねてタツシヨン材 113としてもよい。このようにすることで、クッション性やマットとしての厚みを所望のものに調整することができる。ベース材としては、硬めのベース材 21や軟らかめのベース材 22を使用してもよ!、。

[0045] さらに図 22に異なる厚さのベース材 21, 23を使用してクッション材 114を形成した例を示す。異なる厚さのベース材 21, 23を使用することにより、任意の厚さのクッション材を形成しやすヽ。さらにクッション性も所望のものに調整しやす、。

[0046] 図 23にベース材 21を 2層重ねて、その上に表層材を 3層重ねて配置したクッション材 115を示す。この場合、表層材 30を 3層重ねて配置しており、硬めのベース材 21 を 2層配置しても、十分クッション性が得られる。或いは、一方のベース材に硬めのものを使用し、他方のベース材は、より軟らかめのものを使用してもよい。

[0047] ベース材を 2層以上重ねる場合は、それぞれが異なる硬さのものを用いてもよ!、し、同じものを用いることもできる。用途に合わせて選択すればよい。或いは、ベース材を 2層以上重ねる場合には、表面層、内層、表面層の 3層構造のベース材を使用するのではなぐ力さ密度がほぼ一定の 1層構造のベース材を使用することもできる。そしてほぼ均一な異なる力さ密度を有する二種類のベース材を重ねて使用することで、適度な弾性力をもつクッション材を形成することができる。さらに表層材も、それぞれが異なる弾性力を有するものを組み合わせて使用することにより、所望のクッション性を有するクッション材を形成することができる。なお以上の実施例において、ベース材の側面を表層材で覆ってもょヽ。

[0048] 図 24にコイルスプリング 191を内部に備えたクッション材の例を示す。この実施例においては、コイルスプリング 191を配置するスプリング配置空間 192が内部に形成されたベース材 10a, 10bと、そのベース材 10a, 10bの少なくとも一方の面上に重ねて配置される表層材 30とを含んでクッション材が形成され、スプリング配置空間 192 には、変形可能な弾性部材として複数のコイルスプリング 191が配置されて、る。

[0049] ベース材 10a, 10bは、線材 11がランダムに曲折して接触融合した前述のベース材 10と同様のものである。ベース材 10aには、スプリング配置空間 192が形成され、スプリング配置空間 192内には、複数のコイルスプリング 191が配置されている。ベース材 1 Oaの上部に、スプリング配置空間 192を覆う形態でベース材 1 Obが配置されている。さらにベース材 10a, 10bを覆う形態で表層材 30が配置されている。表層材 30は、前述の実施例と同様のもので、表層 31と裏層 33の二層の編地とそれらを連結する連結糸 32から構成される。

[0050] 図 25にコイルスプリング 191を内部に備えたクッション材の椅子 190への適用例を示す。椅子 190の人が座る座部基材 193上に、複数のコイルスプリング 191を配したベース材 10a, 10bが備えられ、そのベース材 10a, 10bを表層材 30が覆っている。このような椅子 190は、コイルスプリング 191,ベース材 10a, 10b、及び表層材 30の相乗効果によって、適度な弾性力を有するため、座り心地がよい。

[0051] 以上のように線材を溶融接着したベース材と、二層の編地を連結糸によって連結した構造をとる表層材とを組合せることにより形成されたクッション材は、適度な強度を備えるため、身体を面で支えて局所的な沈み込みを起こすことなぐ腰や背骨に負担をかけることがない。さらに適度なクッション性を有するため、寝心地や座り心地がよい。このクッション材は、通気性に優れるため、むれることがなぐ洗浄も可能であるために、衛生的である。

Claims

請求の範囲

[1] 不規則に曲折した熱可塑性榭脂の線材が接触融合して、所定のカゝさ密度と単位荷重当たりの所定の弾性変形量を有する表面層と、その表面層間に挟まれて、前記表面層よりかさ密度が小さく弾性変形量が大きい内層とが形成されて、加重が加えられると弾性変形するクッション性を有する、一層または二層以上のベース材と、表層と裏層の二層の編地と、その二層の編地を間隔をあけて柱状にまたは筋違、状に連結する連結糸から構成されて、荷重が加えられると前記連結糸が弹性的に湾曲変形する前記ベース材よりも軟らカ、クッション性を有し、前記ベース材の少なくとも一方の面上に重ねて配置される、一層または二層以上の表層材と、

を含むことを特徴とするクッション材。

[2] 前記ベース材と、前記表層材とを一体として包む保護カバーを含む請求の範囲第

1項に記載のクッション材。

[3] 人が横たわるために、床またはベッドに設置されて利用されるためのマットである請求の範囲第 1項または第 2項に記載のクッション材。

[4] 椅子またはソファの人が座る座部または人の背中を支持する背もたれ部に設置される請求の範囲第 1項に記載のクッション材。

[5] 前記ベース材の前記線材は、中空に形成された中空線材である請求の範囲第 1項な！、し第 4項の!/、ずれか 1項に記載のクッション材。

[6] 前記ベース材の前記線材は、熱可塑性エラストマ一力なる請求の範囲第 1項ないし第 5項の!/、ずれ力 1項に記載のクッション材。

[7] 前記ベース材の前記内層のかさ密度は、 0. OlgZcm³以上 0. 15gZcm³以下、前記表面層のかさ密度は、 0. 5gZcm³以下である請求の範囲第 6項に記載のタツシヨン材。

[8] 前記ベース材の前記内層の空隙率は、 83%以上 99%以下、前記表面層の空隙率は、 44%以上である請求の範囲第 6項または第 7項に記載のクッション材。

[9] 前記ベース材の前記線材は、ポリオレフイン系榭脂と、酢酸ビニル榭脂、酢ビエチレン共重合体またはスチレンブタジエンスチレンのいずれかとの混合物からなる請求の範囲第 1項ないし第 8項のいずれ力 1項に記載のクッション材。前記表層材は、合成繊維力なる請求の範囲第 1項ないし第 9項のいずれか 1項に記載のクッション材。

前記表層材の前記表層または前記裏層の少なくとも一方は、網目状に形成された請求の範囲第 1項ないし第 10項のいずれか 1項に記載のクッション材。