JP3087403U - 介護用座布団 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、車椅子の走行時に使用者に加わる
衝撃を緩和し、該使用者に安全且つ快適な使用感を与え
る介護用座布団を提供することにある。 【解決手段】 使用者の臀部を載せる部分が、糸状の弾
性部材５によって、繊維のように絡まった立体構造をな
すクッション体１に形成してあることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、おもに車椅子の座面などに設置する介護用座布団に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車椅子のシートは、前記車椅子の座面の構成フレーム間に、厚みの薄い ビニルシートを掛け渡し、ハンモックのように張って使用者が座ることが可能な シートを形成したものが一般的であった。

【０００３】

【考案が解決しようする課題】

しかしながら、単にビニルシートを張った状態にある車椅子では、シートのク ッション性がほとんど皆無であったため、例えば、使用者が車椅子に乗って起伏 の激しい場所を走行した場合には、前記使用者に対して強い衝撃が加わる問題点 があった。このことから、一般的に車椅子の使用者は、身体障害者や高齢者、傷 病人が主であり、健常者に比べて脳神経等が非常にデリケートな状態にあるため 、走行時の衝撃を前記使用者に与えない工夫が必要となっていた。

【０００４】 本考案は、車椅子の走行時に使用者に加わる衝撃を緩和し、該使用者に安全且 つ快適な使用感を与える介護用座布団を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のうち請求項１記載の考案は、使用者の臀部を載せる部分が、糸状の弾 性部材によって、繊維のように絡まった立体構造をなすクッション体に形成して あることを特徴とする。

【０００６】 ここで、糸状の弾性部材の素材としては、それ自体が一定の弾性を保有してい る素材であればよく、具体的には、熱可塑性エラストマーやゴムなどが挙げられ る。また、繊維のように絡まった立体構造とは、糸状をなす各弾性部材がランダ ムに絡まり、各弾性部材の非接触部分によって空隙が形成されたものを意味して いる。

【０００７】 このように形成すると、例えば、使用者が車椅子の座面に本介護用座布団を敷 いて走行した場合に、車椅子の座面と使用者との間に前記介護用座布団が介在す ることで、クッション体が衝撃を充分に吸収して前記使用者に伝達せず、車椅子 の乗り心地を格段に向上するととともに、衝撃によって使用者の健康を害するこ とがない。

【０００８】 本考案のうち請求項２記載の考案は、前記クッション体は、通気性を保有する カバー体によって、少なくとも上面又は全面が覆われているので、本介護用座布 団の更なるクッション性の向上を図れ、しかも、本介護用座布団が使用時に汚れ た場合においても、前記カバー体を交換するだけで本介護用座布団が容易に清潔 な状態となる。 ここでカバー体としては、クッション体と使用者との間に介在されるとともに 、使用者が座った際に違和感のない肌触りを呈するものであればよく、具体的に は、それ自体がある程度のクッション性を保有する立体メッシュシートや、ある いは、単にクッション体の上面に布を被せたもの等でもよい。

【０００９】 本考案のうち請求項３記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体に は、撥水処理が施してあるので、該クッション体の表面に水が付着することがな く、また、クッション体やカバー体の表面に不快な湿り気が残ることもないので 、清潔な状態を保って一層快適な使用感が得られる。

【００１０】 本考案のうち請求項４記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体に は、抗菌・消臭部材が備えてあるので、本介護用座布団に抗菌性及び消臭効果が 付与できる。

【００１１】 本考案のうち請求項５記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体の 一面又は両面には、滑止め部材が備えてあるので、車椅子の座面において本介護 用座布団が不意にズレず、また、前記滑止め部材が両面に施してあれば、前記車 椅子の座面への本座布団の位置決め効果に加え、本介護用座布団に座る使用者の 姿勢がしっかりと保持される。 ここで滑止め手段としては、例えば、ゴム等の滑止めマットをクッション体の 上下に溶着したものや、あるいは、クッション体を構成する弾性部材を滑止め効 果を保有する素材で形成したもの、または、クッション体を構成する弾性部材に 滑止め部材をコーティングしたものなどが挙げられる。

【００１２】 本考案のうち請求項６記載の考案は、前記滑止め部材には、通気性を保有して いるので、本介護用座布団の使用時に、使用者、及び前記介護用座布団の設置面 への滑止め効果に加えて、クッション体が保有する通気性を一層有効に発揮する ことが可能となる。 ここで、滑止め手段に通気性を付与するものとしては、熱可塑性エラストマー やゴムなどで表面がコーティングされたメッシュシートや、クッション体を構成 する弾性部材の表面に熱可塑性エラストマーやゴムを直接コーティングしたもの などが挙げられる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

本考案の介護用座布団の実施形態を図面に基づいて説明する。 本考案の介護用座布団は図１に示すように、全体が方形をなしており、その構 成部材の中でもクッション体１については、クッション性は勿論、耐久性・通気 性を兼ね備えたブレスエアー（商標名：製造元及び販売元：東洋紡株式会社）を 使用しており、本介護用座布団は、前記クッション体１を介在するかたちで、通 気性に優れた立体メッシュシート２，２を上下に配置し、さらに、各立体メッシ ュシート２，２間の端縁全周に沿って、帯布３で縫製して袋状に形成したカバー 体８内に収容するものである。

【００１４】 前記クッション体１は図２のように、糸状をなす熱可塑性エラストマー樹脂の 連続線状体５を絡ませ、各連続線状体５間に空隙Ｓを設ける状態で一体化した立 体物である。このクッション体１の更に詳細な説明をすると、ループ状にランダ ムに曲がりくねらせた連続線状体５の各ループの接触部分を溶着して見掛け密度 が０．００５〜０．２０ｇ／立方センチメートルとなる繊維状に成形してあり、 これにより、空隙率が高く且つ各連続線状体５が一体化したクッション体１が形 成される。

【００１５】 また前記クッション体１を収容するカバー体８は、クッション体１の上面と底 面とに、厚みの薄い立体メッシュシート２，２を備え、さらに、前記各２枚の立 体メッシュシート２，２を全周にわたって帯布３で連結することで、前記クッシ ョン体１を包む袋状に形成される。

【００１６】 そして、本介護用座布団を実際に車椅子の座面に設置した場合には、各立体メ ッシュシート２，２の多数の隙間と、さらに、クッション体１の空隙Ｓにより、 内部に通気性を確実に確保できるので、本介護用座布団の使用時に臀部付近の蒸 れが解消され、これにより、長時間の車椅子による走行に際しても、本介護用座 布団が充分なクッション性を発揮するのは勿論、使用時の通気性も充分に得られ るので、車椅子の使用感が好適なものとなる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のうち、請求項１記載の考案によれば、顕著なクッション性と通気性と を発揮して、車椅子の走行時に伝わる衝撃を確実に吸収するとともに、座り心地 を飛躍的に向上できる。

【００１８】 本考案のうち請求項２記載の考案によれば、請求項１記載の考案の効果に加え て、クッション性が飛躍的に向上するのは勿論、カバー体を交換するだけで容易 に清潔な状態を常時保つことができる。

【００１９】 本考案のうち請求項３記載の考案によれば、請求項１及び２記載の考案の効果 に加えて、一層の清潔感を保って使用することができる。

【００２０】 本考案のうち、請求項４記載の考案によれば、請求項１乃至３記載の考案の効 果に加えて、本介護用座布団を清潔に保って使用できる。

【００２１】 本考案のうち、請求項５記載の考案によれば、請求項１乃至４記載の考案の効 果に加えて、車椅子の座面と介護用座布団、該介護用座布団と使用者とが、それ ぞれズレることがないので、使用者が快適な姿勢を長時間維持したまま車椅子を 使用できる。

【００２２】 本考案のうち、請求項６記載の考案によれば、請求項５記載の考案の効果に加 えて、滑止め効果は勿論、クッション体の保有する通気性が使用時に効率良く発 揮され、本介護用座布団の使用状態が一層快適になる。

【提出日】平成１４年２月２１日（２００２．２．２１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、おもに車椅子の座面などに設置する介護用座布団に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車椅子のシートは、前記車椅子の座面の構成フレーム間に、厚みの薄い ビニルシートを掛け渡し、ハンモックのように張って使用者が座ることが可能な シートを形成したものが一般的であった。

【０００３】

【考案が解決しようする課題】

しかしながら、単にビニルシートを張った状態にある車椅子では、シートのク ッション性がほとんど皆無であったため、例えば、使用者が車椅子に乗って起伏 の激しい場所を走行した場合には、前記使用者に対して強い衝撃が加わる問題点 があった。このことから、一般的に車椅子の使用者は、身体障害者や高齢者、傷 病人が主であり、健常者に比べて脳神経等が非常にデリケートな状態にあるため 、走行時の衝撃を前記使用者に与えない工夫が必要となっていた。

【０００４】 本考案は、車椅子の走行時に使用者に加わる衝撃を緩和し、該使用者に安全且 つ快適な使用感を与える介護用座布団を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のうち請求項１記載の考案は、糸状の弾性部材によって、繊維のように 絡まった立体構造をなすクッション体に、使用者の臀部を載せる部分が 形成して あることを特徴とする。

【０００６】 ここで、糸状の弾性部材の素材としては、それ自体が一定の弾性を保有してい る素材であればよく、具体的には、熱可塑性エラストマーやゴムなどが挙げられ る。また、繊維のように絡まった立体構造とは、糸状をなす各弾性部材がランダ ムに絡まり、各弾性部材の非接触部分によって空隙が形成されたものを意味して いる。

【０００７】 このように形成すると、例えば、使用者が車椅子の座面に本介護用座布団を敷 いて走行した場合に、車椅子の座面と使用者との間に前記介護用座布団が介在す ることで、クッション体が衝撃を充分に吸収して前記使用者に伝達せず、車椅子 の乗り心地を格段に向上するととともに、衝撃によって使用者の健康を害するこ とがない。

【０００８】 本考案のうち請求項２記載の考案は、前記クッション体は、通気性を保有する カバー体によって、少なくとも上面又は全面が覆われているので、本介護用座布 団の更なるクッション性の向上を図れ、しかも、本介護用座布団が使用時に汚れ た場合においても、前記カバー体を交換するだけで本介護用座布団が容易に清潔 な状態となる。 ここでカバー体としては、クッション体と使用者との間に介在されるとともに 、使用者が座った際に違和感のない肌触りを呈するものであればよく、具体的に は、それ自体がある程度のクッション性を保有する立体メッシュシートや、ある いは、単にクッション体の上面に布を被せたもの等でもよい。

【０００９】 本考案のうち請求項３記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体に は、撥水処理が施してあるので、該クッション体の表面に水が付着することがな く、また、クッション体やカバー体の表面に不快な湿り気が残ることもないので 、清潔な状態を保って一層快適な使用感が得られる。

【００１０】 本考案のうち請求項４記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体に は、抗菌・消臭部材が備えてあるので、本介護用座布団に抗菌性及び消臭効果が 付与できる。

【００１１】 本考案のうち請求項５記載の考案は、前記クッション体又は／及びカバー体の 一面又は両面には、滑止め部材が備えてあるので、車椅子の座面において本介護 用座布団が不意にズレず、また、前記滑止め部材が両面に施してあれば、前記車 椅子の座面への本座布団の位置決め効果に加え、本介護用座布団に座る使用者の 姿勢がしっかりと保持される。 ここで滑止め手段としては、例えば、ゴム等の滑止めマットをクッション体の 上下に溶着したものや、あるいは、クッション体を構成する弾性部材を滑止め効 果を保有する素材で形成したもの、または、クッション体を構成する弾性部材に 滑止め部材をコーティングしたものなどが挙げられる。

【００１２】 本考案のうち請求項６記載の考案は、前記滑止め部材には、通気性を保有して いるので、本介護用座布団の使用時に、使用者、及び前記介護用座布団の設置面 への滑止め効果に加えて、クッション体が保有する通気性を一層有効に発揮する ことが可能となる。 ここで、滑止め手段に通気性を付与するものとしては、熱可塑性エラストマー やゴムなどで表面がコーティングされたメッシュシートや、クッション体を構成 する弾性部材の表面に熱可塑性エラストマーやゴムを直接コーティングしたもの などが挙げられる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

本考案の介護用座布団の実施形態を図面に基づいて説明する。 本考案の介護用座布団は図１に示すように、全体が方形をなしており、その構 成部材の中でもクッション体１については、クッション性は勿論、耐久性・通気 性を兼ね備えたブレスエアー（商標名：製造元及び販売元：東洋紡株式会社）を 使用しており、本介護用座布団は、前記クッション体１を介在するかたちで、通 気性に優れた立体メッシュシート２，２を上下に配置し、さらに、各立体メッシ ュシート２，２間の端縁全周に沿って、帯布３で縫製して袋状に形成したカバー 体８内に収容するものである。

【００１４】 前記クッション体１は図２のように、糸状をなす熱可塑性エラストマー樹脂の 連続線状体５を絡ませ、各連続線状体５間に空隙Ｓを設ける状態で一体化した立 体物である。このクッション体１の更に詳細な説明をすると、ループ状にランダ ムに曲がりくねらせた連続線状体５の各ループの接触部分を溶着して見掛け密度 が０．００５〜０．２０ｇ／立方センチメートルとなる繊維状に成形してあり、 これにより、空隙率が高く且つ各連続線状体５が一体化したクッション体１が形 成される。

【００１５】 また前記クッション体１を収容するカバー体８は、クッション体１の上面と底 面とに、厚みの薄い立体メッシュシート２，２を備え、さらに、前記各２枚の立 体メッシュシート２，２を全周にわたって帯布３で連結することで、前記クッシ ョン体１を包む袋状に形成される。

【００１６】 そして、本介護用座布団を実際に車椅子の座面に設置した場合には、各立体メ ッシュシート２，２の多数の隙間と、さらに、クッション体１の空隙Ｓにより、 内部に通気性を確実に確保できるので、本介護用座布団の使用時に臀部付近の蒸 れが解消され、これにより、長時間の車椅子による走行に際しても、本介護用座 布団が充分なクッション性を発揮するのは勿論、使用時の通気性も充分に得られ るので、車椅子の使用感が好適なものとなる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のうち、請求項１記載の考案によれば、顕著なクッション性と通気性と を発揮して、車椅子の走行時に伝わる衝撃を確実に吸収するとともに、座り心地 を飛躍的に向上できる。

【００１８】 本考案のうち請求項２記載の考案によれば、請求項１記載の考案の効果に加え て、クッション性が飛躍的に向上するのは勿論、カバー体を交換するだけで容易 に清潔な状態を常時保つことができる。

【００１９】 本考案のうち請求項３記載の考案によれば、請求項１及び２記載の考案の効果 に加えて、一層の清潔感を保って使用することができる。

【００２０】 本考案のうち、請求項４記載の考案によれば、請求項１乃至３記載の考案の効 果に加えて、本介護用座布団を清潔に保って使用できる。

【００２１】 本考案のうち、請求項５記載の考案によれば、請求項１乃至４記載の考案の効 果に加えて、車椅子の座面と介護用座布団、該介護用座布団と使用者とが、それ ぞれズレることがないので、使用者が快適な姿勢を長時間維持したまま車椅子を 使用できる。

【００２２】 本考案のうち、請求項６記載の考案によれば、請求項５記載の考案の効果に加 えて、滑止め効果は勿論、クッション体の保有する通気性が使用時に効率良く発 揮され、本介護用座布団の使用状態が一層快適になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の介護用座布団の一部を切欠した斜視図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１ クッション体 ５ 連続線状体（弾性部材） ６ 抗菌・消臭部材 ７ 滑止め部材 ８ カバー体 Ｓ 空隙

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１４年２月２１日（２００２．２．２
１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】

【書類名】 明細書

【考案の名称】 介護用座布団

【実用新案登録請求の範囲】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の介護用座布団の一部を切欠した斜視図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大縦断面図である。

【符号の説明】 １ クッション体 ５ 連続線状体（弾性部材） ６ 抗菌・消臭部材 ７ 滑止め部材 ８ カバー体 Ｓ 空隙

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用者の臀部を載せる部分が、糸状の弾
   性部材（５）によって、繊維のように絡まった立体構造
   をなすクッション体（１）に形成してあることを特徴と
   する介護用座布団。
2. 【請求項２】 前記クッション体（１）は、通気性を保
   有するカバー体（８）によって、少なくとも上面又は全
   面が覆われていることを特徴とする請求項１記載の介護
   用座布団。
3. 【請求項３】 前記クッション体（１）又は／及びカバ
   ー体（８）には、撥水処理が施してあることを特徴とす
   る請求項１又は２記載の介護用座布団。
4. 【請求項４】 前記クッション体（１）又は／及びカバ
   ー体（８）には、抗菌・消臭部材（６）を備えているこ
   とを特徴とする請求項１、２又は３記載の介護用座布
   団。
5. 【請求項５】 前記クッション体（１）又は／及びカバ
   ー体（８）の一面又は両面には、滑止め部材（７）が備
   えてあることを特徴とする請求項１、２、３又は４記載
   の介護用座布団。
6. 【請求項６】 前記滑止め部材（７）を備えた面には、
   通気性を保有していることを特徴とする請求項５記載の
   介護用座布団。