JP3213018U - クッション - Google Patents
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Abstract
【課題】クッション性に優れ、使用後にクッション材の洗浄が可能で、長期間にわたって清潔に使用できるだけでなく、透水性、通気性に優れ、使用中に蒸れ難く、衛生的で、座り心地が快適なクッションを提供する。【解決手段】合成樹脂で中実又は中空に成形された線状材が屈曲してループ及びカールのいずれか一方又は双方を形成し、隣接する線状材同士が接触絡合することにより集合して形成された三次元網状構造体からなるクッション材12と、クッション材12が収容されるカバー材11とを有し、カバー材11の少なくとも上面13は、透水性及び通気性を有するメッシュ生地で形成され、カバー材11の底面16には滑り止め19が設けられている。【選択図】図3
Description
本考案は、車のシート、車椅子、座椅子等の各種椅子の座面に敷いて使用されるクッションに関する。
従来、各種椅子における座り心地を良くするためにクッションが使用されている。特に、車椅子は、高齢者や身体障害者等の歩行の困難な人が長時間にわたって座ることが多く、走行時の衝撃を受け易いため、クッションが不可欠となっている。このクッションの素材としては、ウレタンフォーム(発泡ウレタン)が主流であるが、発泡ウレタン素材は柔らかく、床ずれの防止には良好であるが、バネ性が低いため、悪路などを走行すると座っている人の首等への負担が大きくなって疲れ易く、耐衝撃性に欠けるという問題があった。また、発泡ウレタン素材は長時間圧縮されると圧縮硬化し易く、クッション性が悪くなるという問題もあった。さらに、発泡ウレタン素材は水や洗剤が作用すると劣化し易く、また乾燥させることが困難であるため、汚れても洗うことができず、不衛生になるという問題があった。
これらを改善するものとして、例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂の線条がループ状に屈曲して三次元網状に絡み合うと共に線条同士の接触部が接合した三次元網状構造体によって形成され、三次元網状構造体の全周の端部を加熱加圧して、三次元網状構造体の端部の部分で線条同士が融着されている車椅子用クッション材が開示されている。
これらを改善するものとして、例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂の線条がループ状に屈曲して三次元網状に絡み合うと共に線条同士の接触部が接合した三次元網状構造体によって形成され、三次元網状構造体の全周の端部を加熱加圧して、三次元網状構造体の端部の部分で線条同士が融着されている車椅子用クッション材が開示されている。
しかしながら、特許文献1は、座り心地や衛生面から、主にクッション材の材質や構造に着目したものである。よって、特許文献1には、このクッション材を車椅子用のクッションとして使用する際に、布等のシート材からなる袋状のカバーで包むことは記載されているが、カバーの具体的な材質や機能等については考慮されていない。例えば、高齢者や身体障害者等の使用者の失禁や尿漏れ等に対し、事後にクッション材自体を洗浄することができても、クッション材が、透水性や通気性の低いカバー或いは防水性のカバーで包まれていれば、クッションを交換するまでの間、カバーの表面は濡れたままになり、クッションの周囲も濡れてしまうことがある。つまり、使用者に自覚症状がなく、介護者が気付かなければ、表面が濡れた状態でクッションに座り続けることになり、蒸れ易く、不衛生で、使用者にも不快感を与えるという問題があった。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、クッション性に優れ、使用後にクッション材の洗浄が可能で、長期間にわたって清潔に使用できるだけでなく、透水性、通気性に優れ、使用中に蒸れ難く、衛生的で、座り心地が快適なクッションを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係るクッションは、合成樹脂で中実又は中空に成形された線状材が屈曲してループ及びカールのいずれか一方又は双方を形成し、隣接する前記線状材同士が接触絡合することにより集合して形成された三次元網状構造体からなるクッション材と、該クッション材が収容されるカバー材とを有し、該カバー材の少なくとも上面は、透水性及び通気性を有するメッシュ生地で形成され、該カバー材の底面には滑り止めが設けられている。
本考案に係るクッションにおいて、該クッションは平面視して矩形(正方形及び長方形を含む)であって、該クッションは前側部が後側部より厚く形成されていることが好ましい。
本考案に係るクッションにおいて、前記前側部の厚みは前記後側部の厚みの1.2〜1.8倍の範囲にあることが好ましい。
本考案に係るクッションにおいて、前記カバー材の底面は、透水性生地、非透水性生地、及び防水処理生地のいずれか1で形成されていることが好ましい。
本考案に係るクッションにおいて、前記カバー材の外周面の底面側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部が設けられていることが好ましい。
本考案に係るクッションは、クッション材として三次元網状構造体を用いることにより、柔らかさとバネ性を兼ね備え、高いクッション性と体圧分散効果を得ることができる。また、三次元網状構造体からなるクッション材は、洗浄が可能で、乾燥性にも優れ、長期間にわたって清潔に使用することができる。さらに、クッション材が通気性に優れるだけでなく、クッション材が収容されるカバー材の上面も透水性、及び通気性を有するメッシュ生地で形成されていることにより、使用者が長期間座っても蒸れ難く、使用者の失禁や尿漏れ等に対しても、尿を素早く下方に透過させることができ、尿が表面に留まり難く、乾き易いので、使用者と尿との接触を最低限に抑え、不快感を低減することができる。また、カバー材の底面に滑り止めが設けられることにより、各種椅子の座面に載置されるクッションが位置ずれし難く、座面から滑り落ちることを防止して、快適な座り心地を実現できる。
クッションは平面視して矩形であって、前側部が後側部より厚く形成されている場合、使用者がクッションに座った際に、太腿が持ち上がり、臀部が下がることにより、重心が後方に移動して身体が後傾し易くなり、安定した姿勢で着座することができる。よって、座面が平坦(水平)な椅子でこのクッションを使用することにより、座り心地が改善され、楽な姿勢で座ることができる。また、車椅子等の移動手段でこのクッションを使用すれば、段差、傾斜面、凹凸面等を移動する際に、使用者が前のめりになったり、前方に滑り落ちたりすることを防ぐことができ、安全性に優れる。特に、使用者の膝をバンド等で椅子に縛り付けることなく落下を防止して使用者の負担を軽減でき、快適性に優れる。
前側部の厚みが、後側部の厚みの1.2〜1.8倍の範囲にある場合、使用者の身体が前方に移動することを効果的に防止でき、着座状態の安定性を向上できる。
カバー材の底面を透水性生地で形成した場合は、カバー材全体の通水性及び通気性を向上させることができ、座り心地がよく、速乾性に優れる。また、カバー材の底面を非透水性生地又は防水処理生地で形成した場合は、使用者が失禁や尿漏れをして、その尿がカバー材の上面及びクッション材を通過した際に、カバー材の底面で受け止め、クッションの下の座面まで達することを防止できる。よって、車のシート、車椅子、座椅子等の座面が尿で濡れ難く、清掃の手間を軽減できる。
カバー材の外周面の底面側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部が設けられている場合、失禁や尿漏れの量が多くなっても、カバー材の上面及びクッション材を通過した尿が、カバー材の外周面からクッションの外部に漏れることがなく、クッションの周囲やクッションの下の座面が尿で濡れたり、汚れたりすることを確実に防止して、座面を清潔に保つことができる。
クッションは平面視して矩形であって、前側部が後側部より厚く形成されている場合、使用者がクッションに座った際に、太腿が持ち上がり、臀部が下がることにより、重心が後方に移動して身体が後傾し易くなり、安定した姿勢で着座することができる。よって、座面が平坦(水平)な椅子でこのクッションを使用することにより、座り心地が改善され、楽な姿勢で座ることができる。また、車椅子等の移動手段でこのクッションを使用すれば、段差、傾斜面、凹凸面等を移動する際に、使用者が前のめりになったり、前方に滑り落ちたりすることを防ぐことができ、安全性に優れる。特に、使用者の膝をバンド等で椅子に縛り付けることなく落下を防止して使用者の負担を軽減でき、快適性に優れる。
前側部の厚みが、後側部の厚みの1.2〜1.8倍の範囲にある場合、使用者の身体が前方に移動することを効果的に防止でき、着座状態の安定性を向上できる。
カバー材の底面を透水性生地で形成した場合は、カバー材全体の通水性及び通気性を向上させることができ、座り心地がよく、速乾性に優れる。また、カバー材の底面を非透水性生地又は防水処理生地で形成した場合は、使用者が失禁や尿漏れをして、その尿がカバー材の上面及びクッション材を通過した際に、カバー材の底面で受け止め、クッションの下の座面まで達することを防止できる。よって、車のシート、車椅子、座椅子等の座面が尿で濡れ難く、清掃の手間を軽減できる。
カバー材の外周面の底面側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部が設けられている場合、失禁や尿漏れの量が多くなっても、カバー材の上面及びクッション材を通過した尿が、カバー材の外周面からクッションの外部に漏れることがなく、クッションの周囲やクッションの下の座面が尿で濡れたり、汚れたりすることを確実に防止して、座面を清潔に保つことができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
本考案の一実施の形態に係るクッション10は、車のシート、車椅子、座椅子等の各種椅子の座面に敷いて使用されるものである。
図1〜図4に示すように、クッション10は、袋状のカバー材11の内部にクッション材12が収容されたものである。本実施の形態では、平面視して縦400mm、横400mmの正方形状に形成したが、その大きさは、これに限定されるものではなく、クッション10が設置される座面の大きさに応じて、適宜、選択することができる。また、クッション10の形状は平面視して矩形であればよく、座面の形状(縦横比)に応じて、長方形状に形成してもよい。
カバー材11の上面13及び外周面14は、図1、図2に示すように、透水性、及び通気性を有するメッシュ生地で形成されている。メッシュ生地には全面にメッシュ孔15が設けられているが、図1、図2では一部のみ示している。なお、メッシュ孔15の開口面積は、例えば、0.1〜4cm2/個、好ましくは0.4〜2cm2/個である。このメッシュ生地としては、軽量で弾力性があり、速乾性にも優れるダブルラッセル生地が好適に用いられるが、ラッセル生地やその他のメッシュ生地を用いてもよい。また、材質としては、ポリエステルが好適に用いられるが、ナイロン、ポリエチレン、その他の合成樹脂を用いてもよい。
本考案の一実施の形態に係るクッション10は、車のシート、車椅子、座椅子等の各種椅子の座面に敷いて使用されるものである。
図1〜図4に示すように、クッション10は、袋状のカバー材11の内部にクッション材12が収容されたものである。本実施の形態では、平面視して縦400mm、横400mmの正方形状に形成したが、その大きさは、これに限定されるものではなく、クッション10が設置される座面の大きさに応じて、適宜、選択することができる。また、クッション10の形状は平面視して矩形であればよく、座面の形状(縦横比)に応じて、長方形状に形成してもよい。
カバー材11の上面13及び外周面14は、図1、図2に示すように、透水性、及び通気性を有するメッシュ生地で形成されている。メッシュ生地には全面にメッシュ孔15が設けられているが、図1、図2では一部のみ示している。なお、メッシュ孔15の開口面積は、例えば、0.1〜4cm2/個、好ましくは0.4〜2cm2/個である。このメッシュ生地としては、軽量で弾力性があり、速乾性にも優れるダブルラッセル生地が好適に用いられるが、ラッセル生地やその他のメッシュ生地を用いてもよい。また、材質としては、ポリエステルが好適に用いられるが、ナイロン、ポリエチレン、その他の合成樹脂を用いてもよい。
クッション材12としては、図3に示すように、合成樹脂で中実又は中空に成形された線状材が屈曲してループ及びカールのいずれか一方又は双方を形成し、隣接する線状材同士が接触絡合することにより集合して形成された三次元網状構造体が用いられる。
三次元網状構造体を構成する線状材としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、生分解性樹脂など、熱可塑性樹脂を押し出し成形等して形成されるバネ弾性を有する繊維を用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)と、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、又はスチレンブタジエンスチレンとの混合樹脂を用いてもよい。ここで、ポリオレフィン系樹脂と、酢酸ビニル樹脂又はエチレン酢酸ビニル共重合体から混合樹脂を作製する場合、ポリオレフィン系樹脂70〜97質量%に対して酢酸ビニルが3〜30質量%含有されるように調製したものが好適に用いられる。また、ポリオレフィン系樹脂とスチレンブタジエンスチレンから混合樹脂を作製する場合、ポリオレフィン系樹脂50〜97質量%に対してスチレンブタジエンスチレンが3〜50質量%含有されるように調製したものが好適に用いられる。
なお、線状材が中実の場合の外径は、例えば0.2〜3mmであり、線状材が中空の場合の外径は、例えば1〜3mmである。
三次元網状構造体を構成する線状材としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、生分解性樹脂など、熱可塑性樹脂を押し出し成形等して形成されるバネ弾性を有する繊維を用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)と、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、又はスチレンブタジエンスチレンとの混合樹脂を用いてもよい。ここで、ポリオレフィン系樹脂と、酢酸ビニル樹脂又はエチレン酢酸ビニル共重合体から混合樹脂を作製する場合、ポリオレフィン系樹脂70〜97質量%に対して酢酸ビニルが3〜30質量%含有されるように調製したものが好適に用いられる。また、ポリオレフィン系樹脂とスチレンブタジエンスチレンから混合樹脂を作製する場合、ポリオレフィン系樹脂50〜97質量%に対してスチレンブタジエンスチレンが3〜50質量%含有されるように調製したものが好適に用いられる。
なお、線状材が中実の場合の外径は、例えば0.2〜3mmであり、線状材が中空の場合の外径は、例えば1〜3mmである。
以上のようにして形成された多数本の線状材を、複数のループ及びカールのいずれか一方又は双方を形成するように、上下左右ランダムに三次元的に屈曲させると共に絡み合わせ、これを加熱処理等して、絡み合った線状材同士の接触部を溶着などで接合することによって、線状材を三次元網状に集合させた三次元網状構造体を形成することができる。この三次元網状構造体は線状材が絡み合った疎な構造を有するものであり、三次元網状構造体の見掛密度(嵩密度)は、例えば20〜80kg/m3程度が好ましい。なお、クッション材12は、低反発領域と高反発領域の2層構造とすることもでき、その場合、表(上層)側の低反発領域の嵩密度は、例えば、5〜30kg/m3とし、裏(下層)側の高反発領域の嵩密度は、例えば、30〜80kg/m3としたものが好ましいが、これに限定されるものではない。
図4に示すように、カバー材11の底面16の後端側には開閉部17が設けられており、この開閉部17を開放することにより、カバー材11に対してクッション材12を出し入れすることができる。クッション材12は、カバー材11から取り出すことにより、容易に洗浄して乾燥することができ、常に清潔な状態で使用することができる。なお、開閉部17はカバー材11の外周の少なくとも一辺を開閉してクッション材12を出し入れすることができればよく、その配置は適宜、選択することができる。また、開閉部17としては、ジッパーの他、面ファスナー、ボタン、ホック等を用いることができ、2以上を適宜、組み合わせて用いてもよい。
また、図3、図4に示すように、カバー材11の底面16には複数の微小突起18からなる滑り止め19が設けられている。この微小突起18は、底面16となるシート状の生地の表面に一体に形成される。微小突起18は、例えば、直径1〜3mm程度の半球状に形成し、2〜8mmの間隔で配置することができるが、微小突起の大きさ、形状、配置は、これらに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。また、カバー材11の底面16を構成する生地にはポリエステル等の合成樹脂が用いられる。本実施の形態のように、底面16に透水性生地を用いることにより、カバー材11全体の通水性及び通気性を向上させることができ、速乾性に優れる。なお、底面16には、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂や合成ゴム等で形成された非透水性生地又は防水処理生地を用いることもでき、その場合は、カバー材11の上面13及びクッション材12を通過した尿等の液体がカバー材11の底面16を通過することを妨げ、クッション10が載置される座面を濡れ難くして、清掃の手間を軽減できる。また、カバー材11の底面16を合成ゴムで構成する場合、十分な摩擦力があれば、微小突起18を省略し、平坦状の底面全体を滑り止めとして機能させることができる。なお、合成ゴムを用いる場合、単独で用いてもよいし、合成樹脂製のシート等に積層して用いてもよい。
次に、図2、図3に示すように、クッション10は、前側部の幅全体にわたって上に凸に膨出して形成された膨出部20を有することにより、前側部が後側部より厚く形成されている。これにより、使用者がクッション10に座った際に、太腿が持ち上がり、臀部が下がるので、重心が後方に移動して身体が後傾し易くなり、安定した姿勢で着座することができる。特に、座面が平坦(水平)な椅子でこのクッション10を使用することにより、座り心地が改善され、楽な姿勢で座ることができる。また、車椅子等の移動手段でこのクッション10を使用すれば、段差、傾斜面、凹凸面等を移動する際に、使用者が前のめりになったり、前方に滑り落ちたりすることを防ぐことができる。さらに、クッション10の膨出部20で膝裏を保持し、使用者の身体が前方に移動することを確実に防止することができ、着座状態の安定性を向上できる。
なお、クッション10は、前側部が後側部より厚く形成されていればよく、膨出部20の形状は、適宜、選択することができる。特に、前端部を円弧状に湾曲させた場合、使用者の脚がクッション10の前端部(上面側の角)に当たっても、痛みを感じ難く、座り心地を向上させて長時間でも座り続けることができる。
クッション10の前側部の厚みは後側部の厚みの1.2〜1.8倍程度の範囲にあることが好ましいが、その範囲の中でも、例えば、クッション10の前側部(膨出部20)の最も厚肉の部分の厚さを60mm〜80mm程度とし、後側部の最も薄肉の部分の厚さと40〜60mm程度とすることにより、快適な座り心地が得られるが、各部の肉厚はこれに限定されるものではなく、クッション10全体の寸法や使用者の体格等に応じて、適宜、選択することができる。
なお、クッション10は、前側部が後側部より厚く形成されていればよく、膨出部20の形状は、適宜、選択することができる。特に、前端部を円弧状に湾曲させた場合、使用者の脚がクッション10の前端部(上面側の角)に当たっても、痛みを感じ難く、座り心地を向上させて長時間でも座り続けることができる。
クッション10の前側部の厚みは後側部の厚みの1.2〜1.8倍程度の範囲にあることが好ましいが、その範囲の中でも、例えば、クッション10の前側部(膨出部20)の最も厚肉の部分の厚さを60mm〜80mm程度とし、後側部の最も薄肉の部分の厚さと40〜60mm程度とすることにより、快適な座り心地が得られるが、各部の肉厚はこれに限定されるものではなく、クッション10全体の寸法や使用者の体格等に応じて、適宜、選択することができる。
次に、変形例のクッション21について説明する。
図5に示すように、クッション21がクッション10と異なるのは、カバー材11の底面16が非透水性生地又は防水処理生地で形成され、外周面14の底面16側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部22が設けられている点である。これにより、失禁や尿漏れの量が多くなっても、カバー材11の上面13及びクッション材12を通過した尿をカバー材11の内部に溜め、尿がカバー材11の外周面14からクッション10の外部に漏れることを防止して、座面を清潔に保つことができる。このとき、漏れ防止部22を形成する非透水性生地又は防水処理生地は、底面16を形成する非透水性生地又は防水処理生地と一体であることが好ましい。底面16と漏れ防止部22との間の繋ぎ目を無くすことで、カバー材11の内部に溜まった尿が外部に漏れることを確実に防止できる。また、クッション材12を出し入れするための開閉部は、外周面14の上面13側を形成するメッシュ生地と、漏れ防止部22を形成する非透水性生地又は防水処理生地との境目に設けることにより、製造が容易になり、開閉部からの漏れも防止できる。
なお、漏れ防止部22の高さは、適宜、選択することができるが、例えば、クッション10の後側部の肉厚(最も肉厚が薄い部分)の1/5〜1/2程度が好ましい。
図5に示すように、クッション21がクッション10と異なるのは、カバー材11の底面16が非透水性生地又は防水処理生地で形成され、外周面14の底面16側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部22が設けられている点である。これにより、失禁や尿漏れの量が多くなっても、カバー材11の上面13及びクッション材12を通過した尿をカバー材11の内部に溜め、尿がカバー材11の外周面14からクッション10の外部に漏れることを防止して、座面を清潔に保つことができる。このとき、漏れ防止部22を形成する非透水性生地又は防水処理生地は、底面16を形成する非透水性生地又は防水処理生地と一体であることが好ましい。底面16と漏れ防止部22との間の繋ぎ目を無くすことで、カバー材11の内部に溜まった尿が外部に漏れることを確実に防止できる。また、クッション材12を出し入れするための開閉部は、外周面14の上面13側を形成するメッシュ生地と、漏れ防止部22を形成する非透水性生地又は防水処理生地との境目に設けることにより、製造が容易になり、開閉部からの漏れも防止できる。
なお、漏れ防止部22の高さは、適宜、選択することができるが、例えば、クッション10の後側部の肉厚(最も肉厚が薄い部分)の1/5〜1/2程度が好ましい。
以上、本考案の実施の形態を説明したが、本考案は、上記した形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本考案の適用範囲である。
例えば、上記実施の形態では、開閉部17をカバー材11の外周の一辺に沿って形成したが、連続する二辺に沿ってL字状に形成することや、連続する三辺に沿ってコ字状に形成することもでき、それにより、クッション材12の出し入れを容易に行うことができる。
また、上記実施の形態では、滑り止め19として、カバー材11の底面16全体に所定間隔で微小突起18を設けたが、底面の一部に選択的に微小突起を設けてもよい。なお、滑り止めとして、微小突起を形成する代わりに、微小凹部を形成してもよい。或いは、底面の一部に、摩擦力の大きいゴムを主成分とする素材等をバンド状に貼り付けて滑り止めとすることもできる。
さらに、上記実施の形態では、クッション10の前側部に膨出部20を設け、膨出部20以外の上面13は底面16と平行な水平状に形成したが、前側部が後側部より厚く形成されていればよい。例えば、クッションの上面を前方から後方に向かって下り勾配の傾斜状に形成してもよいし、前側部から後側部に向かって徐々に肉厚が薄くなるように緩やかに湾曲させてもよい。
例えば、上記実施の形態では、開閉部17をカバー材11の外周の一辺に沿って形成したが、連続する二辺に沿ってL字状に形成することや、連続する三辺に沿ってコ字状に形成することもでき、それにより、クッション材12の出し入れを容易に行うことができる。
また、上記実施の形態では、滑り止め19として、カバー材11の底面16全体に所定間隔で微小突起18を設けたが、底面の一部に選択的に微小突起を設けてもよい。なお、滑り止めとして、微小突起を形成する代わりに、微小凹部を形成してもよい。或いは、底面の一部に、摩擦力の大きいゴムを主成分とする素材等をバンド状に貼り付けて滑り止めとすることもできる。
さらに、上記実施の形態では、クッション10の前側部に膨出部20を設け、膨出部20以外の上面13は底面16と平行な水平状に形成したが、前側部が後側部より厚く形成されていればよい。例えば、クッションの上面を前方から後方に向かって下り勾配の傾斜状に形成してもよいし、前側部から後側部に向かって徐々に肉厚が薄くなるように緩やかに湾曲させてもよい。
10:クッション、11:カバー材、12:クッション材、13:上面、14:外周面、15:メッシュ孔、16:底面、17:開閉部、18:微小突起、19:滑り止め、20:膨出部、21:クッション、22:漏れ防止部
Claims (5)
- 合成樹脂で中実又は中空に成形された線状材が屈曲してループ及びカールのいずれか一方又は双方を形成し、隣接する前記線状材同士が接触絡合することにより集合して形成された三次元網状構造体からなるクッション材と、該クッション材が収容されるカバー材とを有し、該カバー材の少なくとも上面は、透水性及び通気性を有するメッシュ生地で形成され、該カバー材の底面には滑り止めが設けられていることを特徴とするクッション。
- 請求項1記載のクッションにおいて、該クッションは平面視して矩形であって、該クッションは前側部が後側部より厚く形成されていることを特徴とするクッション。
- 請求項2記載のクッションにおいて、前記前側部の厚みは前記後側部の厚みの1.2〜1.8倍の範囲にあることを特徴とするクッション。
- 請求項1〜3のいずれか1記載のクッションにおいて、前記カバー材の底面は、透水性生地、非透水性生地、及び防水処理生地のいずれか1で形成されていることを特徴とするクッション。
- 請求項4記載のクッションにおいて、前記カバー材の外周面の底面側に、一定の高さにわたって非透水性生地又は防水処理生地で形成された漏れ防止部が設けられていることを特徴とするクッション。
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JP2019131054A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 本田技研工業株式会社 | 車両のシート構造 |
JP2020199042A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | 株式会社エアウィーヴ | クッション |
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