JP2019131054A - 車両のシート構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、座面から浸入した水をより効率的に排出する車両のシート構造を提供することを目的としている。
自動二輪車(小型車両)1は、車体フレーム10と、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11と、車体フレーム10の後部に支持されるパワーユニット12と、後輪3と、乗員が跨るようにして着座するシート13とを備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。
前輪2は、左右のフロントフォーク21の下端部間に渡される前輪車軸2aに軸支される。
車体カバー25は、ヘッドパイプ14を前方及び左右側方から覆うフロントカバー26と、フロントカバー26の後方に配置されて乗員の脚部の前方に位置するレッグシールド27と、シート13の下方の車体を側方から覆うリアカバー28と、レッグシールド27の下方及びリアカバー28の前部の下方の部分を覆うロアカバー29とを備える。
また、自動二輪車1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー40と、後輪3を上方から覆うリアフェンダー41とを備える。
シート13は、上面が開口した収納ボックス(不図示)を上方から覆う。シート13は、その前端のヒンジ(不図示)を介して開閉可能に設けられている。
シート13は、前後方向に長く形成されており、図3に示すように、車体に開閉可能に支持された底板(シート底板)60を備える。シート13は複座式であり、底板60には前後にクッション(三次元網状構造物)80、85が設けられている。シート13は、図2に示すように、クッション80、85を外側から覆うカバー(表面部材)50を備える。前側のクッション80は、ライダーの着座部13aを形成し、後側のクッション85は、パッセンジャーの着座部13bを形成する。
レザー部51は、シート13の外周に沿って前後方向に延びる左右一対の帯状部51aを備える。左側の帯状部51aと右側の帯状部51aとの間には、前端間を接続する前部51bが形成されている。前部51bは、後方に膨出しており、逆U字状に形成されている。左側の帯状部51aと右側の帯状部51aとの間には、前後方向の中央部間を接続する仕切り部51cが形成されている。
仕切り部51cは、前側のライダーの着座部13aと、後側のパッセンジャーの着座部13bとの間の位置に形成されている。左側の帯状部51aと右側の帯状部51aとの間には、後端間を接続する後部51dが形成されている。
開口形状部55は、図2、図5に示すメッシュ部(三次元立体編物)53で塞がれている。メッシュ部53により塞がれているため、カバー50の開口形状部55には、通気性、通水性がある。メッシュ部53の下方にはクッション85が配置される。メッシュ部53は、左右の帯状部51a、後部51d、仕切り部51cに結合されており、レザー部51と一体に構成されている。
カバー50は、図2に示すように、レザー部(カバー枠部)51とメッシュ部(カバー本体部)52、53とにより構成される。
クッション80、85は、それぞれ、カバー50のメッシュ部52、53の位置に対応して底板60に支持されている。カバー50は、底板60に支持されるクッション80、85に対して着脱可能に支持される。
シート13のクッション80、85は、単層の網状素材からなる単層網状クッションで形成され、カバー50のメッシュ部(メッシュカバー、カバー本体部)52、53は、メッシュ素材100からなる。
クッション80、85は、熱可塑性エラストマー網状体に限定されず、熱可塑性エラストマー以外の材料を用いた三次元網状構造でもよい。
連結層103はクロス構造に限定されず、表層101及び裏層102を略垂直に連結する柱構造、又は、少なくとも2本の連結糸103Aと表裏の編地とが三角形を形成するトラス構造でもよい。さらに、メッシュ素材100は三層以外の多層構造にしてもよい。また、表層101又は裏層102を1枚のメッシュ生地に変更するなど、各層101〜103の一部、或いは全てを編地以外で構成してもよい。また、多層構造に限らず、公知のメッシュ素材を広く適用可能である。
底板60は、前後方向の中央より前寄りの車幅方向中央側の上面に、クッション支持部61を備える。クッション支持部61には、ライダー用のクッション80が支持される。クッション支持部61は、車幅方向中央部(中心線L0の位置)が上方に凸となる断面アーチ状の上げ底部62が形成されている。上げ底部62は、車両側面視では、略水平方向に延びている。上げ底部62は、クッション80の底部に接触してクッション80を支える。上げ底部62がクッション80を支えることにより、ライダーの座り心地が向上する。
上げ底部62の前部左右には、側面形状付与部66bが形成されている。図3に示すように、側面形状付与部66bの上部には、クッション80の左右両端が支持される。本実施の形態では、上げ底部62と、左右の側面形状付与部66bとにより、クッション80が支持されるクッション支持部61が構成されている。
突当部63aの前方には、突当部63aの上端から前方に延びた複数の補強部63bが形成されている。補強部63bは、図7に示すように、前側ほど高さが低くなり、底板60の前面部66に滑らかに接続されている。
補強部63bは、カバー50で覆われた場合に、前面部66と共に、カバー50の内面に接触して、カバー50にシート形状を持たせる。
段差部64の後方には、第2のクッション支持部65が形成されている。第2のクッション支持部65は、車両側面視において、略水平に形成されており、図7に示すように、前側のクッション支持部61よりも高い位置に形成されている。第2のクッション支持部65には、パッセンジャー用のクッション85が支持される。パッセンジャー用のクッション85は、段差部64に設けられた位置決めリブ(位置決め機構)74に前端が位置決めされている。位置決めリブ74は、段差部64に沿って車幅方向に延びており、段差部64よりも上方に突出している。
前面部66は、カバー50で覆われた場合に、カバー50の内面に接触して、カバー50にシート形状を持たせる。
前側部前部68cが、前側部後部68dに対して下方に位置し、クッション支持部61との距離が離間している。外周リブ71のうち、前側部前部68cに位置する外周リブ71は前側部後部68dに位置する外周リブ71に対して高さ方向の寸法が大きい。外周リブ71は、前側の外周リブ71ほど斜辺部71cが直線に近く、後側の外周リブ71ほど斜辺部71cが凸に湾曲し全体が四角形状に近くなっている。
前側部後部68dの外周リブ71は、図7に示すように、内端71dでもある上端71dが、クッション支持部61の上げ底部62の側縁61aに接続されており、外端71eでもある下端71eが底板60の外縁部60cに接続されている。クッション支持部61の上げ底部62の側縁61aから延びる斜辺部71cは、クッション支持部61から滑らかに延びている。
外周リブ71は、斜辺部71cが、カバー50またはライダー用のクッション80に当接する。前後方向の位置で斜辺部71cの形状が異なることにより、外周リブ71がシート13の形状を滑らかに出し易くなっている。
外周リブ71は、車両側面視で底辺部71bが下側から後方斜め上方向に延出している。外周リブ71により、底板60の傾斜に合わせて水をシート13前部に誘導することができる。
周縁部67には、底板60を上下方向に貫通する排水孔73が形成されている。排水孔73は、底板60の外周に沿って複数形成されており、底板60の外周方向に間隔を空けて形成されている。排水孔73は、底板60上に流れてきた水を底板60の下側に排水する。外周リブ71がある前側部68にも排水孔73が形成されている。排水孔73の一つは、前側部前部68cと、前側部後部68dとの間に形成されている。外周リブ71と外周リブ71との間に形成された排水孔73により、外周リブ71を通じて底板60の外周部近傍へ誘導された水がシート13下方へ排出される。
ライダー用のクッション80は、幅狭の先端部80aを備える。先端部80aは二股状に分かれている。先端部80aの後方には、先端部80aよりも幅広の本体部80bが形成されている。本体部80bは、先端部80aから左右方向外側に延出する左右一対の延出部80b1を備える。本体部80bの後方には、上方に曲がった後壁部80cが形成されている。本体部80bの下部には、上方に凹んだ左右一対の凹部80dが形成されている。
カバー50のメッシュ部52、53(図2参照)と、クッション80、85を通じて底板60上に進入した水は、外周リブ71などを介して誘導され、排水孔73などから底板60から排水される。
外周リブ71が、底板60上の水を底板60の外側に誘導する構成を説明したが、外周リブ71に厚み方向に貫通する開口71fを設け、開口71fを介して隣あう空間Aから空間Aを通じて、底板60上に進入した水を排水孔73に誘導する構成でも良い。
底板60には、底板60とは別体のスペーサー90、95が選択的に締結可能に構成されており、厚さt1、t2、t3の異なるライダー用のクッション80、81、82が選択的に支持可能に構成されている。各クッション80、81、82は厚さt1、t2、t3が異なる点以外は同様に構成されている。図13、図14のクッション81、82の各部の符号81a〜81c、82a〜82cは、図12のクッション80の各部の符号80a〜80cに対応する。
スペーサー90、95が別体であるため、クッション支持部61の形状が調整可能となり、ライダーの特性に応じてクッション80〜82を選択することができる。
図16は第1のスペーサー90の斜視図であり、図17は同左側面図、図18は図16のXVIII−XVIII線断面図である。
図19は第2のスペーサー95の斜視図であり、図20は同左側面図、図21は図19のXXI−XXI線断面図である。
第1のスペーサー90と第2のスペーサー95とは、選択的に底板60に装着される部材であり、基本的な構成は同様である。
スペーサー90、95は、前後方向では、段差部64に配置される。長孔93、98には位置決めリブ74が挿入され、スペーサー90、95が位置決めされる。スペーサー90、95は位置決めリブ74で位置決めされるため、後側のクッション85と、位置決めする位置決め機構が共通化されている。スペーサー90、95の位置決め機構を新たに設ける必要がないため、コストを抑制可能である。
スペーサー90、95は、段差部64に対応する外形の背面90a、95aを備える。
スペーサー90、95は、クッション支持部61に固定される固定部90b、95bを備える。
第1のスペーサー90の固定部90bの形状と、第2のスペーサー95の固定部95bの形状は一致している。固定部90b、95bはクッション支持部61に接触して配置される。
基準位置94aに対する第1のスペーサー90の突き出し量D1は、基準位置99aに対する第2のスペーサー95の突き出し量D2よりも大きい。
基準位置94aに対する第1のスペーサー90の高さH1は、基準位置99aに対する第2のスペーサー95の高さH2よりも高い。スペーサー90、95はクッション支持部61の高さ調整機能もある。
また、本実施の形態では、ライダー用のクッション80〜82と、パッセンジャー用のクッション85が別体であるため、ライダー用のクッション80〜82と、パッセンジャー用のクッション85のクッション性を別々に調整可能である。
ライダー用のクッション80〜82が選択的に支持される構成を説明したが、ライダー用のクッションは一定の厚さt1〜t3の構成でも良く、スペーサー90、95が省略されていても良い。
シート13は、ライダー用のクッション80〜82と、パッセンジャー用のクッション85が別体である構成を例示したが、ライダー用のクッション80〜82と、パッセンジャー用のクッション85が一体でも良い。また、複座式でなく単座式でも良い。
カバー50はレザー部51とメッシュ部52、53とを備える構成を説明したが、カバー50は、三次元網状構造のメッシュ素材100だけのカバー50でもよい。
50 表面部材
52、53 メッシュ
60 底板
60a 前端
60b 後端
61 クッション支持部
67 周縁部
71 リブ
71d 内端部
71e 外端部
73 排水孔
80〜82、85 クッション
A 空間
Claims (6)
- 底板(60)と、前記底板(60)に支持されるクッション(80〜82、85)と、前記クッション(80〜82、85)を覆う表面部材(50)とからなるシート(13)を備えた車両のシート構造において、
前記クッション(80〜82、85)は、三次元網状構造を有し、
前記底板(60)は、前記表面部材(50)および前記クッション(80〜82)と当接するリブ(71)を備え、該リブ(71)は複数からなり、隣り合う前記リブ(71)間に空間(A)を有し、
前記表面部材(50)は、前記クッション(80〜82、85)に着脱自在に設けられるとともに、前記三次元網状構造を覆う領域にメッシュ(52、53)を有する
ことを特徴とする車両のシート構造。 - 前記底板(60)は、前記クッション(80〜82、85)を支持するクッション支持部(61、65)と、該クッション支持部(61、65)の外周に位置する周縁部(67)とを備え、前記リブ(71)は前記底板(60)の前記周縁部(67)に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のシート構造。 - 前記底板(60)は後端(60b)が前端(60a)に比べて上方に位置し、前記リブ(71)は前記底板(60)の前部に位置されることを特徴とする請求項2に記載の車両のシート構造。
- 前記リブ(71)は車両側面視で下側から後方斜め上方向に延出していることを特徴とする請求項2または3に記載の車両のシート構造。
- 前記リブ(71)は、外端部(71e)は内端部(71d)よりも前方に位置することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の車両のシート構造。
- 前記底板(60)には、前記リブ(71)の位置する箇所に排水孔(73)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両のシート構造。
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