JP6722356B2 - シート - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、カバーをクッションの座面に密着させて張り易くすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、座部を構成するクッション(12)と、前記クッション(12)を覆うカバー(13)とを備えるシートにおいて、前記クッション(12)の座面に設けられる複数の凹部(41、42)と、前記カバー(13)と係合して前記凹部(41、42)の各々に入り込んだ状態に保持されて、前記カバー(13)を前記クッション(12)に固定する固定部材(51、52)と、を備えることを特徴とする。
また、前記凹部の底部には、前記固定部材が貫通する貫通孔が設けられる。そして、前記固定部材は、前記貫通孔を通って前記クッションの裏面に露出し、露出した部分に、前記固定部材の抜けを規制する抜け止めが施される。この構成によれば、固定部材の抜け止めの箇所が外部から視認され難くなる。
また、前記カバーの周縁部は、前記クッションの裏面に回りこんで前記貫通孔のいずれかに対応する位置まで延出し、前記固定部材のいずれかに係合するので、カバーとクッションとを固定する固定部材を利用して、カバーの周縁部をクッションに固定できる。
(第一実施形態)
図1は第一実施形態に係るシートを備えた自動二輪車のシート周辺部を示す斜視図である。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体の各方向と同一である。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号RHは車体右方を示す。
シート10は、自動二輪車1の燃料タンク2とリアカウル3との間に配置され、乗員が着座する着座部(乗員用シート)を構成する。なお、自動二輪車1の車体が異なる場合、シート10は上記位置に限定されない。例えば、燃料タンク2の位置に、エアクリーナや収納ケースを覆うタンク状のカウルを備える車体の場合、タンク状のカウルとリアカウル3との間にシート10が配置される。
このシート10は、座部を構成するクッション12と、クッション12を覆うカバー13とで構成され、いわゆるシート底板を備えていない。クッション12は、単層の網状素材からなる単層網状クッションで形成され、カバー13は、メッシュ素材100からなるメッシュカバーである。
なお、クッション12は、熱可塑性エラストマー網状体に限定されず、熱可塑性エラストマー以外の材料を用いた三次元網状構造でもよい。
なお、連結層103はクロス構造に限定されず、表層101及び裏層102を略垂直に連結する柱構造、又は、少なくとも2本の連結糸103Aと表裏の編地とが三角形を形成するトラス構造でもよい。さらに、メッシュ素材100は三層以外の多層構造にしてもよい。また、表層101又は裏層102を1枚のメッシュ生地に変更するなど、各層101〜103の一部、或いは全てを編地以外で構成してもよい。また、多層構造に限らず、公知のメッシュ素材を広く適用可能である。
シート10は、運転者専用のシングルシートであり、前方に行くほど幅狭となり、後方に行くほど幅広となる形状に形成される。シート10は前方に行くほど幅が狭くなるので、シート10に着座した運転者の足の移動自由度が確保される。さらに、シート10が後方に行くほど幅が拡がるので、運転者の姿勢変化などに対応した広いシート面積が確保される。なお、シングルシートでない場合でも、前方に行くほどシートが幅狭となり、後方に行くほど幅広となる形状にしてもよい。
また、シート10の前後及び左右における中央に相当する位置にも、クッション12の座面を下方に凹ませた凹部42が設けられる。
三次元網状構造のクッション12は、部分的に厚さを異ならせて製作することが難しいため、クッション12の製作時に予め凹部41を形成することが難しい。そこで、本構成では、一定の厚さを有する板状に製作されたクッション12に対し、各凹部41に対応する位置が凹むように熱変形させることによって、各凹部41が形成される。
また、凹部41の底部41Aには、固定部材51が貫通する貫通孔41Kが設けられる。
ここで、固定部材51の頭部51Aは、カバー13のメッシュ素材100によって形成される編み目を通過しない大きさに形成される。これによって、固定部材51にカバー13が係止する。
同図4に示すように、カバー13を係止した固定部材51を、凹部41に挿入し、ストッパー55によって固定部材51の抜けを規制(抜け止め)することによって、カバー13がクッション12に固定される。この場合、カバー13が固定部材51の頭部51Aと凹部41の底部41Aとの間に挟持された状態となり、カバー13を凹部41に引き込んだ状態で固定できる。
凹部42は、円柱状に凹むとともに、この凹部42の底部42Aには、固定部材52が貫通する貫通孔42Kが設けられる。凹部42は、固定部材52の頭部52Aの直径d6よりも大きい直径d7に形成される。また、凹部42の底部42Aを貫通する貫通孔42Kの直径d8は、凹部42の直径d7、及び固定部材52の頭部52Aの直径d6よりも小さく、且つ、固定部材52の軸部52Bが通過可能な値に形成される。また、凹部42の深さD2は、頭部52Aを凹部42内に埋設可能な深さであり、且つ、クッション12の肉厚の半分(符号P1で示す位置)を超える深さに形成される。
支持フレーム61は、例えば、左右一対のシートレール間を架橋する板状のクロスフレーム、又はシートレールそのものである。
このように、被締結部62は、固定部材52の上方への抜けを規制する抜け止め部品となるストッパーとして機能する。
したがって、固定部材51の場合と同様に、カバー13が固定部材52の頭部52Aと凹部42の底部42Aとの間に挟持された状態となり、カバー13が凹部42内に引き込まれた状態で固定される。これにより、凹部42の箇所でも、テンションをかけてカバー13を張ることができ、カバー13をクッション12の座面に密着させて張り易くなる。また、凹部42の箇所でも、カバー13のずれも抑えることが可能である。
また、凹部42の深さを変更することなどによっても、テンションの強さを調整可能であるので、伸縮性が低いカバー13の場合、凹部42の深さを浅くすることなどが好ましい。
なお、本構成では、凹部42を座面中央の一箇所に設ける場合を説明したが、凹部42の位置及び個数は適宜に変更してもよい。また、凹部41の位置及び個数についても適宜に変更してもよい。
また、固定部材51、52を取り外すことによって、カバー13を容易に取り外すことが可能である。したがって、カバー13及びクッション12を単独で洗浄したり、交換したりすることが容易になる。
しかも、単層網状クッションを熱変形させて凹部41、42を形成するので、単層網状クッションに凹部41、42を容易に形成できるとともに、凹部41、42の底部41A、42Aを硬い領域にすることができる。したがって、強度が高いシート底板を使用することなく、固定部材51、52、及びカバー13を強度が高い箇所に固定することができる。
なお、凹部41、42の少なくともいずれかが支持フレーム61と平面視でラップする位置に設けられ、固定部材51、52の少なくともいずれかが、凹部41、42のいずれかを貫通して支持フレーム61に固定されるようにしてもよい。
図6は第二実施形態に係るシートの凹部41を周辺構成と共に示す断面図である。なお、第一実施形態と同様の箇所は同一の符号を付して示す。
第二実施形態は、カバー13の周縁部13Sがクッション12の裏面に回りこみ、貫通孔41Kを貫通する固定部材51に係合する点が第一実施形態と異なっている。
図6に示すように、カバー13の周縁部13Sは、クッション12の側縁を超えてクッション12の裏面に向けて折り曲げられるフランジ部13Aを一体に備えている。このフランジ部13Aは、凹部41に連通する貫通孔41Kの下方を覆う領域まで延出する。
図6に示すように、フランジ部13Aの外側にて、固定部材51がストッパー55によって抜け止めされる。これにより、ストッパー55とクッション12の裏面との間にフランジ部13Aが挟持され、カバー13の周縁部13Sをクッション12に固定することができる。
また、周縁部13Sがクッション12の裏面に回りこんで貫通孔41Kに対応する位置まで延出し、固定部材51に係合する。これにより、カバー13とクッション12とを固定する固定部材51を利用して、カバー13(周縁部13S)をクッション12に固定することができる。したがって、これらの固定を別々に行う場合と比べて、部品点数が少なくすみ、構造を簡易化できる。
なお、フランジ部13Aは、各凹部41に挿入される各固定部材51が係合するように設けられていればよく、カバー13の全周に渡って形成してもよいし、カバー13の全周に渡って形成しなくてもよい。
また、カバー13の周縁部13S(フランジ部13Aを含む)が、貫通孔42Kに対応する位置まで延出し、固定部材52に係合するようにしてもよい。
例えば、凹部41が円柱状に凹む形状の場合を説明したが、多角柱状に凹む形状などに変更してもよい。また、カバー13をメッシュカバーにする場合を説明したが、メッシュカバーに限定されない。また、クッション12についても、単層網状クッションに限定されず、例えば、ウレタンでもよい。
また、シート10の形状は適宜に変更してもよい。また、上述の実施形態では、運転者専用のシングルシートに本発明を適用したが、運転者及び同乗者が乗車するタンデムシート、又は、同乗者専用のシングルシートに本発明を適用してもよい。
10 シート
12 クッション
13 カバー
41、42 凹部
41A、42A 底部
51、52 固定部材
41K、42K 貫通孔
61 支持フレーム
100 メッシュ素材
Claims (5)
- 座部を構成するクッション(12)と、前記クッション(12)を覆うカバー(13)とを備えるシートにおいて、
前記クッション(12)の座面に設けられる複数の凹部(41、42)と、
前記カバー(13)と係合して前記凹部(41、42)の各々に入り込んだ状態に保持されて、前記カバー(13)を前記クッション(12)に固定する固定部材(51、52)とを備え、
前記凹部(41、42)の底部(41A、42A)には、前記固定部材(51、52)が貫通する貫通孔(41K、42K)が設けられ、
前記固定部材(51、52)は、前記貫通孔(41K、42K)を通って前記クッション(12)の裏面に露出し、露出した部分に、前記固定部材(51、52)の抜けを規制する抜け止めが施され、
前記カバー(13)の周縁部(13S)は、前記クッション(12)の裏面に回りこんで前記貫通孔(41K、42K)のいずれかに対応する位置まで延出し、前記固定部材(51、52)のいずれかに係合することを特徴とするシート。 - 前記凹部(41、42)は、円柱状に凹み、前記貫通孔(41K、42K)は前記凹部(41、42)よりも小径であることを特徴とする請求項1に記載のシート。
- 前記クッション(12)は単層網状クッションであり、前記カバー(13)はメッシュカバーであり、前記単層網状クッションと前記メッシュカバーと前記固定部材(51、52)とによって前記シート(10)が構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート。
- 前記シート(10)は、支持フレーム(61)上に位置し、
前記凹部(41、42)のいずれかは、前記支持フレーム(61)と平面視でラップする位置に設けられ、
前記固定部材(51、52)のいずれかが、前記凹部(41、42)のいずれかを貫通して前記支持フレーム(61)に固定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート。 - 前記凹部(41、42)の深さは、前記クッション(12)の肉厚の半分を超えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシート。
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