JP6318825B2 - 軽量性に優れた網状構造体 - Google Patents

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本発明は、軽量性と引張り強度に優れた、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車・ベビーカー・チャイルドシート等の車両用座席等に用いられるクッション材、寝袋、敷きマットなどの持ち運びされる機会の多いクッション材、フロアーマットや衝突や挟まれ防止部材等の衝撃吸収用のマット等に好適な網状構造体に関するものである。
現在、家具、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車等の車両用座席に用いられるクッション材として、発泡−架橋型ウレタンが広く使われている。
発泡−架橋型ウレタンはクッション材としての耐久性は良好だが、透湿透水性や通気性に劣り、蓄熱性があるため蒸れやすいという問題点がある。さらに、熱可塑性で無いためリサイクルが困難であり、そのため焼却処分される場合は焼却炉の損傷が大きくなったり、有毒ガス除去に経費が掛かるなどの問題点が指摘されている。そこで埋め立て処分されることが多いが、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され、経費も高くなる問題点もある。また、加工性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題やフォーム後の残留薬品やそれに伴う臭気など種々の問題が指摘されている。
特許文献1および2には、網状構造体が開示されている。これは、上述した発泡−架橋型ウレタンに由来する諸問題を解決でき、クッション性能にも優れているものである。網状構造体の生産量が増加するにつれて、従来は手作業で加工を行っていたが、機械加工を行う頻度が多くなりつつある。機械加工を行うと、従来の網状構造体では引張強度が低く、網状構造体を機械加工する際、特に引張りや、屈曲、振動加工などを行う厳しい加工条件の場合、網状構造体の部分的な破壊や千切れが問題となる場合があり、引張強度の改善が望まれていた。
さらに近年、網状構造体を様々な形状に加工する頻度も増えつつあり、引張強度が低い場合は、熱プレスで加工する場合は、搬送時やセット時の自重によるたわみが製品の伸びや成型寸法変化などに繋がる場合があり、精密な形状に熱プレス加工することが困難となる場合があった。
また、網状構造体を寝袋や敷きマット等のアウトドアや防災用途で使用する機会が増えつつある。こうした場面において、さらなる軽量性、コンパクト性と同時に所定のクッション性を有する材料への要求が高まりつつあった。
特開平7−68061号公報 特開2004−244740号公報
本発明は、上記の従来技術の課題を背景になされたもので、軽量でありながら、クッション性能に優れた網状構造体を提供することにある。本発明の網状構造体を用いることで、高い引張強度を有するため、後加工通過性も改善され、製品として持ち運び性に優れた網状構造体を提供することが出来る。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーおよびエチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種以上を含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1mm〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、引張強度が0.15MPa〜3.0MPaである網状構造体。
2.軽量指数が4.2〜8.0である上記1記載の網状構造体。
3.網状構造体を構成する連続線状体の熱可塑性エラストマーの極限粘度が0.5dL/g〜1.9dL/gである上記1または2に記載の網状構造体。
4.網状構造体を構成する連続線状体全本数の40%〜100%の本数の連続線状体が断面形状が中空断面形状であり、該中空断面を有する連続線状体の中空率が20%〜50%である上記1〜3いずれかに記載の網状構造体。
本発明による網状構造体は、軽量でありながら、所定のクッション性能を有することが出来る。この優れたクッション性能により、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車等の車両用座席、等に用いられるクッション材に好適な網状構造体を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、密度が0.88〜0.94g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂であることが好ましく、特にエチレンと炭素数3以上のαオレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂からなることが好ましい。本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、特開平6−293813号公報に記載されている共重合であることが好ましく、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンを共重合してなるものである。ここで、炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1などが挙げられ、好ましくはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1である。また、これら2種類以上を用いることもでき、これらα−オレフィンは通常1重量%〜40重量%共重合される。この共重合体は、特定のメタロセン化合物と有機金属化合物を基本構成とする触媒系を用いてエチレンとα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。
本発明のエチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーとしては、密度が0.91〜0.965g/cm3であることが好ましい。密度は、酢酸ビニル含有率によって変化するが、酢酸ビニルの含有率は1重量%〜35重量%が好ましい。酢酸ビニル含有率が小さいとゴム弾性に乏しくなる恐れがあり、そういった観点から酢酸ビニル含有率は2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。酢酸ビニル含有率が大きくなるとゴム弾性には優れるが、融点が低下し耐熱性に乏しくなる恐れがあるため、酢酸ビニル含有率は30重量%以下がより好ましく、26重量%以下がさらに好ましい。
エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーは、炭素数3以上のα−オレフィンを共重合することもできる。ここで、炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1などが挙げられ、好ましくはブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1である。また、これら2種類以上を用いることもできる。
必要に応じ、上記方法によって重合された二種類以上のポリマーや、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてスチレンイソプレン共重合体やスチレンブタジエン共重合体やそれらの水添共重合体などのポリマー改質剤をブレンドすることができる。さらに、フタル酸エステル系、トリメリット酸エステル系、脂肪酸系、エポキシ系、アジピン酸エステル系、ポリエステル系の可塑剤、公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系などの光安定剤、帯電防止剤、過酸化物などの分子調整剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物などの反応基を有する化合物、金属不活性剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機及び無機系の顔料を添加することができる。また、耐熱耐久性や耐へたり性を向上させるために、熱可塑性樹脂の分子量を上げることも効果的である。
軽量性、引張強度に優れた本発明の網状構造体は、例えば次のようにして得られる。網状構造体は特開平7−68061号公報等に記載された公知の方法に基づき得られる。一例ではあるが、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーまたはエチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーを該熱可塑性エラストマーの融点より20℃以上150℃未満高い紡糸温度溶融させ、溶融ポリマーをノズルオリフィスに分配し、複数のオリフィスを持つ多列ノズルより該ノズルより下方に向け吐出させる。ノズルより溶融状態で吐出された糸条が互いに接触することで融着されて3次元構造を形成しつつ、引取りコンベアネットで挟み込むことで、冷却槽中の冷却水で冷却せしめ、引出し、水切り後乾燥することで、両面または片面が平滑化した網状構造体を得る。片面のみを平滑化させる場合は、傾斜を持つ引取ネット上に吐出させて、溶融状態で互いに接触させて融着させた3次元構造を形成しつつ、引取ネット面のみ形態を緩和させつつ冷却すると良い。得られた網状構造体をアニーリング処理することもできる。なお、網状構造体の乾燥処理をアニーリング処理とすることも出来る。
本発明の軽量性と引張強度に優れた網状構造体を構成する熱可塑性エラストマーからなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピークを有することが好ましい。融点以下に吸熱ピークを有するものは、吸熱ピークを有しないものより耐熱耐へたり性が著しく向上する。融点以下に吸熱ピークを有する網状構造体は、アニーリング処理することにより得ることができ、融点より少なくとも10℃以上低い温度且つ室温以上でアニーリング処理するとより耐熱、耐へたり性が向上する。アニーリング処理は、融点より少なくとも10℃以上低い温度でサンプルを熱処理することが好ましく、処理中に圧縮歪みを付与することでさらに耐熱耐へたり性が向上するのでより好ましい。このような処理をしたクッション層は、示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。この吸熱ピークは、2つ以上存在する場合もあり、ショルダーとなって現れる場合もある。なおアニーリングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピークを明確に発現しない。このことから類推すると、アニーリングによってハードセグメントが再配列された準安定中間相を形成することにより、耐熱耐へたり性が向上しているのではないかと考えられる。本発明における耐熱性向上効果の活用方法としては、ヒーターが用いられる車両用のクッションや床暖房された床の敷きマット等、比較的高温になり得る用途において、耐へたり性が良好となるため有用である。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の繊維径は、繊維径が小さいとクッション材として使用する際に必要な硬度が保てなくなり、逆に繊度が大きすぎると硬くなり過ぎてしまうため、適正な範囲に設定する必要がある。繊度は0.1mm以上であり、好ましくは0.2mm以上である。繊度が0.1mm未満だと細すぎてしまい、緻密性やソフトな触感は良好となるが網状構造体として必要な硬度、クッション性を確保することが困難となる。また、繊度は3.0mm以下であり、好ましくは2.5mm以下である。繊度が3.0mmを超えると網状構造体の硬度は十分に確保できるが、網状構造が粗くなり、他のクッション性能が劣る場合がある。
軽量化のために網状構造体を構成する連続線状体の線状断面を中空断面形状とすることが好ましい。網状構造体を構成する全連続線条体に占める中空断面形状線状体の存在率(以下、「中空断面形状線状体存在率」という場合がある)は高い方が好ましく、連続線状体の本数を基準とし、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上であり、100%でも構わない。中空断面形状線条体存在率が40%未満だと、目標とする軽量化を達成することが困難となる場合がある。
本発明の網状構造体に用いられる中空断面形状線状体自身の中空率は好ましくは20%以上、より好ましくは22%以上、さらに好ましくは24%以上、特にに好ましくは26%以上、最も好ましくは28%以上である。中空率が20%未満だと目標とする軽量化を達成することが困難となる場合がある。中空率の上限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては50%以下が好ましい。
網状構造体を構成する連続線状体自身の中空率を20%以上とするためには、使用する熱可塑性エラストマーの極限粘度が0.5dL/g以上であることが好ましい。極限粘度が0.5dL/g未満だと紡糸直下の溶融張力が比較的低くなり、オリフィス設計での中空率が網状構造体になった際に極端に低下する恐れがある。より好ましくは0.6dL/g以上、さらに好ましくは0.7dL/g以上、最も好ましくは0.8dL/g以上である。上限は2.0dL/g以下であることが好ましい。2.0dL/gを超えると、溶融粘度が高いため、紡糸が困難となる。より好ましくは1.9dL/g以下、さらに好ましくは1.8dL/g以下、最も好ましくは1.6dL/g以下である。
なお、得られた網状構造体を構成する連続線状体の熱可塑性エラストマーの極限粘度は0.5dL/g〜1.9dL/gであることが好ましく、より好ましくは0.6dL/g〜1.8dL/gである。
紡糸温度が使用する熱可塑性エラストマーの融点よりさらに140℃を超えて高くなると前述した中空率を達成することが困難となる場合がある。その点から、紡糸温度は使用する熱可塑性エラストマーの融点よりも20℃以上140℃以下高い範囲であることが好ましい。
網状構造体を構成する連続線状体の本数のうち40%以上の本数が中空断面形状であり、この中空断面形状の線状体の中空率が20%以上となる網状構造体を得る手段の1つとして、ノズルオリフィスの設計が挙げられる。所定の中空率を安定的に得るためには、ノズルオリフィスの40%以上が3点ブリッジやC型等の中空形状を形成することができるノズルにする必要がある。また、線状体の中空率を上げるために、ノズルオリフィスの設計上の中空率を70%以上とし、オリフィスディメンジョンのダイスウェルを小さく抑えるために、L/Dを2以上に設計することが望ましい。ノズルオリフィスの中空率とは、3点ブリッジやC型ノズルの外径と内径の面積比率から算出され、L/Dはノズルオリフィスのオリフィスランド長をスリット幅で除すことで算出される。偏芯ノズルの場合は、平均スリット幅を用いて算出することが出来る。なお、L/DのLはオリフィスの長さ(単位mm)、Dはノズル径(単位mm)を表す。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂と組み合わせた複合線状体としても良い。複合形態としては、線状体自身を複合化した場合として、シース・コア型、サイドバイサイド型、偏芯シース・コア型等の複合線状体が挙げられる。
本発明の網状構造体を構成する連続線状体の断面形状は特に限定されないが、中実断面形状または中空断面形状とすることもでき、略円形断面形状(真円形状を含むものである)または異型断面形状とすることもでき、それらの組み合わせとすることもできる。すなわち、中実略円形断面形状、中空略円形断面形状、中実異型断面形状、中空異型断面形状のいずれの断面形状とすることもできる。
本発明の網状構造体の見かけ密度は、好ましくは0.005g/cm3〜0.20g/cm3であり、より好ましくは0.01g/cm3〜0.18g/cm3であり、さらに好ましくは0.02g/cm3〜0.15g/cm3である。見かけ密度が0.005g/cm3より小さいとクッション材として使用する際に必要な硬度が保てなくなり、逆に0.20g/cm3を越えると硬くなり過ぎてしまいクッション材に不適なものとなる場合がある。
本発明の網状構造体の軽量指数は、4.2以上であり、4.3以上が好ましく、4.4以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましい。軽量指数とは、25%圧縮時硬度(単位:N/φ200mm)を見かけ密度(単位:kg/m3)で除した数値で表され、数値が大きければ同等硬度において見かけ密度が低くなり、軽量化の度合いが高くなる。軽量指数が4.2未満となると、クッション材が重くなり過ぎてしまいクッション材に不適となる場合がある。軽量指数の上限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては8.0以下が好ましい。
この軽量化指数は、「軽量な網状構造体でありながら、所定のクッション性を有している」ことを示すための数値である。一般的に軽量化するためには、樹脂の使用量を減らすことで達成されるが、これにより、所定の硬度を保てなくなる。逆に所定の硬度を得るためには、樹脂の使用量を増やすこととなり、重量が重くなる二律背反となる。本発明はこの二律背反を解消する方法を提供するものである。
本発明の網状構造体の引張強度は、0.15MPa以上であり、0.20MPa以上が好ましく、0.25MPa以上がより好ましく、0.30MPa以上がさらに好ましく、0.40MPa以上が最も好ましい。引張強度が0.15MPa未満の場合は、引張強度が不十分な場合があり、目的とする耐引張性が十分に得られない場合がある。引張強度の上限値は特に規定しないが、本発明で得られる網状構造体においては3.0MPa以下である。
本発明において、引張強度が0.15MPa以上であることが必要である。樹脂の使用量を減らしつつ、この値を達成するためには、隣接する連続線状体同士が強固に、および接点数が多く接着していることが必要である。この連続線状体同士の接着が強くなることで、クッション性、本願においては25%圧縮時硬度が従来よりも高くなることを見出したものである。これは、連続線状体同士が強固に、および接点数が多く接着することにより、接点間距離が従来よりも短くなることで、クッションに対する曲げ剛性も高くなり、この結果、25%圧縮時硬度が従来よりも高くなる結果が得られたものと考えられる。
網状構造体の接点間距離を従来よりも短くする方法としては、ノズルからの吐出状況と引き取り速度の調整で達成される。糸条が持ち込む熱量を高くする、すなわち紡糸ノズル直下から水面までの距離を短くすることでも達成されるが、保温筒を用いることによってより強固に達成される。すなわち、紡糸ノズル直下から50mm以上の空間は何も設置せずに自然冷却した後、糸条が水面に触れるまでの空間に保温筒を設置、糸条を通過させることによっても達成することが可能となる。紡糸ノズル直下から保温筒を用いた例は従来より示されているが、本願のように中空率が比較的高い中空連続線状体を得るためには、紡糸ノズルから50mm以上の空間を冷却空間として設ける方が好ましいことを見出したものである。紡糸ノズル直下から保温筒を設置すると、樹脂の溶融張力が下がってしまい、中空率が下がるため好ましくない、と考えられる。本願のように線状体が水面の着水する中間部分を保温することで、隣接する連続線状体同士が強固に、および接点数が多く接着することが可能となり、接点間距離が従来よりも短くなることで、クッションに対する曲げ剛性も高くなるものと考えられる。
冷却空間は紡糸ノズルから50mm以上設けることが好ましく、60mm以上がより好ましく、70mm以上がさらに好ましい。長くても100mm以下である。その後通過させる保温筒の長さは、50mm以上が好ましく、60mm以上がより好ましく、70mm以上がさらに好ましい。保温筒の長さは特に制限しないが、水面着水までの長さで適切な長さを用いれば良い。
保温筒はスピンパック周辺やポリマー持込み熱量を利用することもできるし、ヒーターで該保温領域を加熱してノズル直下の繊維落下領域の温度を制御することもできる。保温筒は、鉄板やアルミ板、セラミック板等を使用し、ノズル下の落下する連続線状体の周りを囲うように保温体を設置すれば良い。保温筒は、上記素材で構成し、それらを断熱材で保温することがより好ましい。
本発明の網状構造体の厚みは、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。厚みが10mm未満ではクッション材に使用すると薄すぎてしまい底付き感が出てしまう場合がある。厚みの上限は製造装置の関係から、好ましくは300mm以下であり、より好ましくは200mm以下、さらに好ましくは120mm以下である。
本発明の網状構造体は、本発明の目的を損なわない範囲で、多層構造化しても良い。多層構造としては、表層と裏層を異なった繊度の連続線状体で構成することや、表層と裏層で異なった見かけ密度を持つ構造体で構成する等の網状構造体が挙げられる。多層化方法としては、網状構造体同士を積み重ねて側地等で固定する方法、加熱により溶融固着する方法、接着剤で接着させる方法、縫製やバンド等で拘束する方法等が挙げられる。
本発明の網状構造体は、性能を低下させない範囲で樹脂製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で防臭抗菌、消臭、防黴、着色、芳香、難燃、吸放湿等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
かくして得られた本発明の網状構造体は、軽量性と引張強度に優れたものである。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中における特性値の測定および評価は下記のようにおこなった。
(1)繊維径
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、網状構造体からランダムに10箇所から線状体を約5mm採集した。採集した線状体を輪切り方向で切断し、繊維断面を、光学顕微鏡を適当な倍率で観察することで、繊維径を測定した。(n=10の平均値)
(2)中空率
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、その試料よりランダムに20本の線状体を取り出した。線状体を輪切りにし、繊維軸方向に立てた状態でカバーガラスに載せ、光学顕微鏡で輪切り方向の繊維断面を観察し、繊維の外周面積(a)と中空面積(b)を算出した。中空率は次式により算出し、20本の平均値とした。
(中空率)=(b)/(a)(単位%)
この際、線状体の断面形状が中空形状のものを中空断面形状線状体と見なし、断面形状が中実断面形状線状体の場合は、中空断面形状線状体のみの平均値を求めた。
(3)中空断面形状線状体存在率
試料を20cm×20cmの大きさに切断し、その試料よりランダムに50本の線状体を取り出した。線状体を輪切りにし、線状体の断面形状が中空形状の線状体の本数を中空断面形状線状体本数とし、中空断面形状線状体存在率を次式により算出した。
(中空断面形状線状体存在率)=(中空断面形状線状体本数)/50(単位%)
(4)密度
網状構造体の線状部を約3mmの長さに切断し、超音波と真空引きによって十分脱気し、温度を30℃に制御した密度勾配管に静かに沈めて5時間後にフロートを基準にして密度を算出した(n=5の平均値)。
(5)試料厚みおよび見かけ密度
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、無荷重で24時間放置した後、高分子計器製FD−80N型測厚器にて4か所の高さを測定して平均値を試料厚みとする。試料重さは、上記試料を電子天秤に載せて計測する。また見掛け密度は、試料厚みから体積を求め、試料の重さを体積で除した値で示す(それぞれn=4の平均値)。
(6)融点(Tm)
TAインスツルメント社製 示差走査熱量計Q200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピーク(融解ピーク)温度を求めた。
(7)25%圧縮時硬度
試料を30cm×30cmの大きさに切断し、20℃±2℃の環境下に無荷重で24時間放置した。20℃±2℃の環境下にあるオリエンテック社製テンシロンにてφ200mm、厚み3mmの加圧板を用いて測定を行った。該加圧板を用いて試料の中心部を10mm/minの速度で圧縮を開始し、荷重が5Nになる時の厚みを計測し、硬度計厚みとした。この時の加圧板の位置をゼロ点として、速度100mm/minで硬度計厚みの75%まで圧縮した後、速度100mm/minにて加圧板をゼロ点まで戻した。引き続き速度100mm/minで硬度計厚みの25%まで圧縮し、その際の荷重を25%圧縮時硬度とした。単位は、N/φ200mmである(n=3の平均値)。
(8)軽量指数
軽量指数は、上記(7)で求めた25%圧縮時硬度(a:単位N/φ200)を、上記(5)で求めた見かけ密度(b:単位kg/m3)で除すことで算出した。軽量指数の計算式は次の通りである。
軽量指数=a/b(n=3の平均値)。
(9)引張強度
試料を網状構造体の引き取り方向(MD方向)と幅方向(TD方向)に対して、それぞれ長さ18cm×幅3cmの大きさに5つずつサンプリングし、電子天秤にて重量を測定した。重量を(c:単位g)とする。重量を測定したサンプルを、試長が10cmとなるようにチャックで把持し、クロスヘッド速度10cm/minにて完全に破壊する場合を除いて最大20cm引張試験を行い、最大強力を記録した。最大強力を(d:単位N)とする。この時、チャック部分から破壊が始まったり、チャックが滑ったりしたサンプルの試験結果は除外した。網状構造体の密度は、(4)より測定した密度(e:単位g/cm3)を用いた。引張強度は、次の式により算出した。
引張強度={(d)×(e)×18}/{(c)×102}(単位MPa)(n=5の平均値)
上記の引張強度をMD方向とTD方向それぞれに対して測定し、引張強度の低い方を、引張強度とした。
(10)極限粘度
温度135℃のデカリンにてウベローデ型毛細粘度管を用いて、種々の希薄溶液の比粘度を測定した。希薄溶液粘度の濃度に対するプロットから最小2乗近似で得られる直線の原点への外挿点より極限粘度を決定した。測定に際し、サンプルを約5mm長の長さにサンプルを分割又は切断し、ポリマーに対して1質量%の酸化防止剤(吉富製薬製、「ヨシノックス(登録商標) BHT」)を添加し、135℃で4時間攪拌溶解して測定溶液を調製した。使用する樹脂も、網状構造体を構成する連続線状体も同じ測定方法により測定した。
<実施例1>
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、メタロセン化合物を触媒として、ヘキサン、ヘキセン、エチレンを公知の方法で重合し、エチレン・α−オレフィン共重合体とし、次いで酸化防止剤を1%添加混合練り込み後、ペレット化してポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−1とA−2を得た。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−1は、ヘキセン共重合比率が5.2重量%、密度が0.911g/cm3、融点が110℃、極限粘度が1.22dL/gであり、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−2は、ヘキセン共重合比率が5.0重量%、密度が0.911g/cm3、融点が110℃、極限粘度が0.60dL/gであった。
エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーは、エチレン、ブテン、酢酸ビニルを公知の方法で重合し、エチレン酢酸ビニル共重合体として、次いで酸化防止剤を1%練り込み、ペレット化してエチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーA−3を得た。エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーA−3は、酢酸ビニル共重合比率が5.8重量%、ブテン共重合比率が2.3重量%、密度が0.930g/cm3、融点が96℃、極限粘度が1.02dL/gであった。
幅方向1050mm、厚み方向の幅50mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径2mm、内径1.7mmでオリフィスランド長が0.45mmでL/D3.0のトリプルブリッジ中空形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチ5mmの千鳥配列としたノズルを用いた。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−1を紡糸温度220℃にて、単孔吐出量3.4g/minでノズルより下方に吐出させた。ノズル面と水面の距離を300mmとし、ノズル面から下方80mmの間は何も設置せず、ノズル面から80mmから160mmの間に保温筒を有し、160mmから水面までは何も設置しない条件とした。幅150cmのステンレス製エンドレスネットを平行に設置し、開口幅45mmで一対の引取りコンベアの一部が水面上に出るように配した。該溶融状態の吐出線状を曲がりくねらせル−プを形成して接触部分を融着させつつ3次元網状構造を形成し、該溶融状態の網状体の両面を引取りコンベアで挟み込みつつ2.4m/minの速度で冷却水中へ引込み固化させると同時に両面をフラット化させた。得られた3次元網状構造体を所定の大きさに切断後、70℃熱風にて20分間乾燥熱処理した。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が26%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が1.1mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.039g/cm3、表面が平坦化された厚みが44mm、25%圧縮時硬度が171N/φ200mm、軽量指数が4.38、引張強度0.33MPa、極限粘度1.20dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、軽量性と引張強度に優れた網状構造体であった。
<実施例2>
紡糸温度を230℃、単孔吐量を4.9g/min、引き取り速度を2.2m/min、ノズル面−冷却水距離を320mmにした。ノズル面から下方80mmの間は何も設置せず、80mmから160mmの間に保温筒を有し、160mmから水面までは何も設置しない条件とした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が22%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が1.1mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.060g/cm3、表面が平坦化された厚みが45mm、25%圧縮時硬度が310N/φ200mm、軽量指数が5.17、引張強度が0.60MPa、極限粘度1.18dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、軽量性と引張強度に優れた網状構造体であった。
<実施例3>
エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーA−3を用い、単孔吐出量を3.7g/min、引き取り速度を2.1m/min、ノズル面−冷却水距離を280mmにした。ノズル面から下方70mmの間は何も設置せず、70mmから150mmの間に保温筒を有し、150mmから水面までは何も設置しない条件とした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が30%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が1.2mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.045g/cm3、表面が平坦化された厚みが46mm、25%圧縮時硬度が204N/φ200mm、軽量指数が4.53、引張強度が0.51MPa、極限粘度0.98dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、軽量性と引張強度に優れた網状構造体であった。
<実施例4>
エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーA−3を用い、紡糸温度210℃、単孔吐出量を4.0g/min、引き取り速度を2.8m/minした以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が28%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が0.9mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.038g/cm3、表面が平坦化された厚みが45mm、25%圧縮時硬度が187N/φ200mm、軽量指数が4.92、引張強度が0.72MPa、極限粘度1.01dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、軽量性と引張強度に優れた網状構造体であった。
<実施例5>
幅方向1050mm、厚み方向の幅50mmのノズル有効面にオリフィスの形状は外径4mm、内径3.6mmでオリフィスランド長が0.45mmでL/D2.3のトリプルブリッジ中空形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチ5mmの千鳥配列としたノズルを用いた。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−1を用い、紡糸温度210℃、単孔吐出量を2.1g/min、引き取り速度を1.4m/min、ノズル面−冷却水距離を160mmとし、保温筒は使用しなかった。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が29%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が1.5mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.041g/cm3、表面が平坦化された厚みが45mm、25%圧縮時硬度が181N/φ200mm、軽量指数が4.92、引張強度が0.38MPa、極限粘度1.17dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たし、軽量性と引張強度に優れた網状構造体であった。
<比較例1>
単孔吐出量を2.1g/min、引き取り速度を0.8m/min、ノズル面−冷却水距離を260mm、ノズル面直下から80mmの長さの保温筒を有した以外は、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が15%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が1.0mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.070g/cm3、表面が平坦化された厚みが45mm、25%圧縮時硬度が151N/φ200mm、軽量指数が2.16、引張強度が0.13MPa、極限粘度1.20dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、軽量性と引張強度に劣る網状構造体であった。
<比較例2>
オリフィスの形状を外径1.2mmでオリフィスランド長が2.4mmのL/Dが2.0の中実形成性断面としたオリフィスを孔間ピッチ5mmの千鳥配列としたノズルを用いた。エチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーA−3を用い、紡糸温度を210℃、単孔吐出量を2.3g/min、引き取り速度を0.8m/min、ノズル面−冷却水距離を260mmとしノズルと冷却水の間には保温筒を設置しない条件で網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が0%、中空断面形状線状体存在率が0%、繊維径が0.9mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.076g/cm3、表面が平坦化された厚みが45mm、25%圧縮時硬度が314N/φ200mm、軽量指数が4.13、引張強度が0.14MPa、極限粘度0.96dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、軽量性と引張強度に劣る網状構造体であった。
<比較例3>
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーA−2を用いた以外、実施例1と同様にして網状構造体を得た。
得られた網状構造体を構成する連続線状体は、断面形状が円形の中空断面形状、中空率が5%、中空断面形状線状体存在率が100%、繊維径が0.5mmであった。網状構造体の見かけ密度は0.040g/cm3、表面が平坦化された厚みが43mm、25%圧縮時硬度が143N/φ200mm、軽量指数が3.58、引張強度が0.11MPa、極限粘度0.48dL/gであった。得られた網状構造体の特性を表1に示す。
得られた網状構造体は、本発明の要件を満たさず、軽量性と引張強度に劣る網状構造体であった。
本発明の網状構造体は、網状構造体が従来から有する快適な座り心地や通気性を損なうことなく、従来品の課題であった軽量性、引張強度を改良したものであり、後加工通過性や持ち運び性に優れており、オフィスチェア、家具、ソファー、ベッド等寝具、電車・自動車・二輪車・ベビーカー・チャイルドシート等の車両用座席等に用いられるクッション材、寝袋、敷きマットなどの持ち運びされる機会の多いクッション材、フロアーマットや衝突や挟まれ防止部材等の衝撃吸収用のマット等、好適な網状構造体を提供できるため、産業界に寄与すること大である。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーおよびエチレン酢酸ビニル共重合系熱可塑性エラストマーの少なくとも1種以上を含む熱可塑性エラストマーからなる、繊維径が0.1mm〜3.0mmの連続線状体を曲がりくねらせランダムループを形成し、夫々のループを互いに溶融状態で接触せしめた三次元ランダムループ接合構造体であって、引張強度が0.15MPa〜3.0MPaである網状構造体。
  2. 軽量指数が4.2〜8.0である請求項1記載の網状構造体。
  3. 網状構造体を構成する連続線状体の熱可塑性エラストマーの極限粘度が0.5dL/g〜1.9dL/gである請求項1または2に記載の網状構造体。
  4. 網状構造体を構成する連続線状体全本数の40%〜100%の本数の連続線状体が断面形状が中空断面形状であり、該中空断面を有する連続線状体の中空率が20%〜50%である請求項1〜3いずれかに記載の網状構造体。
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