JP2021160555A - 座席用表面部材 - Google Patents
座席用表面部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021160555A JP2021160555A JP2020064212A JP2020064212A JP2021160555A JP 2021160555 A JP2021160555 A JP 2021160555A JP 2020064212 A JP2020064212 A JP 2020064212A JP 2020064212 A JP2020064212 A JP 2020064212A JP 2021160555 A JP2021160555 A JP 2021160555A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sewn
- seat
- knitted fabric
- sewn portion
- surface member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000004744 fabric Substances 0.000 claims abstract description 128
- 239000010410 layer Substances 0.000 claims abstract description 102
- 238000009958 sewing Methods 0.000 claims abstract description 86
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 claims abstract description 70
- 239000012209 synthetic fiber Substances 0.000 claims description 8
- 229920002994 synthetic fiber Polymers 0.000 claims description 8
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 abstract description 15
- 238000009940 knitting Methods 0.000 description 30
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 13
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 8
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 7
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 6
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 5
- 239000000463 material Substances 0.000 description 5
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N Ethyl urethane Chemical compound CCOC(N)=O JOYRKODLDBILNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 2
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 239000002649 leather substitute Substances 0.000 description 2
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 description 2
- 229920002725 thermoplastic elastomer Polymers 0.000 description 2
- 239000004952 Polyamide Substances 0.000 description 1
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 1
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 229910003460 diamond Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010432 diamond Substances 0.000 description 1
- 239000002657 fibrous material Substances 0.000 description 1
- 239000006260 foam Substances 0.000 description 1
- 230000004927 fusion Effects 0.000 description 1
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 229920002647 polyamide Polymers 0.000 description 1
- -1 polytrimethylene terephthalate Polymers 0.000 description 1
- 229920002215 polytrimethylene terephthalate Polymers 0.000 description 1
- 239000004800 polyvinyl chloride Substances 0.000 description 1
- 229920000915 polyvinyl chloride Polymers 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 230000000452 restraining effect Effects 0.000 description 1
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Seats For Vehicles (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、座席用表面部材において、多層構造編物とシート体との縫製部の皺を低減するとともに、多層構造編物のクッション性を確保できるようにすることを目的とする。
また、上述の構成において、前記潰し縫製部(54a,54b)は、互いに間隔をあけて複数列設けられ、前記シート体縫製部(55)は、複数の前記潰し縫製部(54a,54b)の列の間に設けられても良い。
また、上述の構成において、前記縫製部(50)は、前記多層構造編物(20)の端部(20a)と前記シート体(21)とを縫製しても良い。
また、上述の構成において、前記縫製部(50)は、前記多層構造編物(20)の端部(20a)よりも内側に設けられ、前記多層構造編物(20)が前記縫製部(50)に対し前記シート体(21)側にはみ出したはみ出し部(58)は、前記シート体(21)に縫製されない状態で前記シート体(21)に下方から重なっても良い。
さらに、前記表層(41)及び前記裏層(42)の少なくとも一方は、メッシュ状の開口(41a)を有しても良い。
また、上述の構成において、前記連結糸(43)は、合成繊維のモノフィラメントであっても良い。
また、上述の構成において、前記縫製部(50)における前記多層構造編物(20)の厚み(T1)と、前記非縫製部(51)における前記多層構造編物(20)の厚み(T2)との比率(T1/T2)が、0.2以上0.6以下の範囲であっても良い。
この構成によれば、縫製部では、多層構造編物は、非縫製部に対し板厚方向に圧縮された状態でシート体に縫製されるため、縫製部の皺を低減できる。また、縫製部では、表層と裏層との間に板厚方向の隙間が設けられるため、多層構造編物のクッション性を確保できる。
この構成によれば、多層構造編物を、潰し縫製部によって、圧縮された状態且つ表層と裏層との間の隙間が設けられた状態にしておくことができる。このため、シート体縫製部によってシート体を容易に多層構造編物に縫製できる。
また、上述の構成において、潰し縫製部は、互いに間隔をあけて複数列設けられ、シート体縫製部は、複数の潰し縫製部の列の間に設けられても良い。
この構成によれば、複数の潰し縫製部の列の間で多層構造編物が比較的広い範囲に亘り圧縮された部分にシート体縫製部を縫製できるため、縫製部の皺の発生を低減できるとともに、シート体縫製部を容易に縫製できる。
この構成によれば、シート体縫製部による多層構造編物のクッション性の低下を抑制でき、多層構造編物のクッション性を確保できる。
また、上述の構成において、縫製部は、多層構造編物の端部とシート体とを縫製しても良い。
この構成によれば、多層構造編物の端部では、ほつれ及び糸くずが発生し易いが、多層構造編物の端部が縫製部において圧縮されるため、ほつれ及び糸くずの発生を抑制できる。
この構成によれば、第1の縫製部及び第2の縫製部によって、多層構造編物とシート体とを強固に縫製できる。
また、上述の構成において、縫製部は、多層構造編物の端部よりも内側に設けられ、多層構造編物が縫製部に対しシート体側にはみ出したはみ出し部は、シート体に縫製されない状態でシート体に下方から重なっても良い。
この構成によれば、縫製部に対し多層構造編物がシート体側にはみ出したはみ出し部を、シート体に下方から重なるクッションとして利用でき、座席用表面部材のクッション性を向上できる。
この構成によれば、多層構造編物は曲線状に縫い難いが、縫製部では多層構造編物は圧縮されているため、多層構造編物とシート体とを曲線状の縫い目で縫製できる。
さらに、上述の構成において、表層及び裏層の少なくとも一方は、メッシュ状の開口を有しても良い。
この構成によれば、座席用表面部材の通気性を良好にできる。
この構成によれば、座席用表面部材に座る車両の乗員の前後方向のすべりを低減できる。
また、上述の構成において、連結糸は、合成繊維のモノフィラメントであっても良い。
この構成によれば、連結糸が合成繊維のモノフィラメントであるため、多層構造編物のクッション性が良い。
この構成によれば、樹脂加工された布帛と多層構造編物とを縫製部によって良好に縫製できる。
また、上述の構成において、縫製部における多層構造編物の厚みと、非縫製部における多層構造編物の厚みとの比率が、0.2以上0.6以下の範囲であっても良い。
この構成によれば、縫製部の皺を低減できるとともに、クッション性を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート10を前方側から見た斜視図である。
シート10は、自動二輪車(車両)に搭載される乗員用のシート(座席)である。以下の説明では、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければシート10に対する方向である。各図に示す符号FRはシート10の前方を示し、符号UPはシート10の上方を示し、符号LHはシート10の左方を示す。シート10の前方は、車両前方であり、シート10の上方は車両上方であり、シート10の左方は、車両の左方である。
上記自動二輪車は、乗員がシート10に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート10は、車両後部の上面に設けられる。鞍乗り型車両は、自動二輪車に限らず、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両及び4輪以上を備える鞍乗り型車両を含む。
シート10は、車幅方向(左右方向)よりも車両前後方向に長く延びる。後側シート12には、同乗者が着座することができる。
図1及び図2を参照し、シート10は、クッション材で構成されるクッション13と、クッション13を下方から支持するシート底板14と、クッション13を上方から覆う座席用表面部材15とを備える。
クッション13は、シート底板14の前部に支持される前側クッション13aと、シート底板14の後部に支持される後側クッション13bとを備える。前側クッション13aは、前側シート11のクッション材である。後側クッション13bは、後側シート12のクッション材である。
座席用表面部材15は、座席用表面部材15の周縁部を介しシート底板14に固定される。
シート体21は、多層構造編物20を支持するとともにシート底板14に固定される枠体である。シート体21は、シート底板14の周縁部14aに沿うように枠状に形成される枠状部22と、枠状部22の後部を車幅方向に接続する仕切り部23とを備える。
枠状部22によって枠状部22内に区画される開口は、仕切り部23によって、前側開口部24と後側開口部25とに前後に仕切られる。また、シート体21は、枠状部22の前縁部22aから前側開口部24内に後方へ延出する後方延出部26を備える。
詳細には、前側開口部24は、枠状部22の前縁部22a、枠状部22の左右一対の側縁部22b、及び仕切り部23によって区画される。
後側開口部25は、仕切り部23、左右一対の側縁部22b、及び枠状部22の後縁部22cによって区画される。
前側多層構造編物31は、前側クッション13aを上方から覆う。前側多層構造編物31は、前側開口部24の周縁部に沿う形状に裁断されたシート(薄板)である。なお、前側多層構造編物31は、前側クッション13aに加えてシート底板14を覆っても良い。
後側多層構造編物32は、後側クッション13bを上方から覆う。後側多層構造編物32は、後側開口部25の周縁部に沿う形状に裁断されたシート(薄板)である。なお、後側多層構造編物32は、後側クッション13bに加えてシート底板14を覆っても良い。
シート体21の枠状部22は、シート底板14の周縁部14aに取り付けられる。シート体21の仕切り部23は、前側多層構造編物31と後側多層構造編物32との間のクッション13を上方から覆う。なお、仕切り部23の下方にクッション13を設けずに、仕切り部23でシート底板14を直接覆う構成としても良い。
シート体21は、一例として、樹脂加工された布帛である。シート体21は、例えばポリ塩化ビニル製の合成皮革である。
クッション13は、例えば発泡ウレタン製のクッションや、単層の網状素材によって構成される網状クッションである。
網状素材によって構成されるクッション13は、熱可塑性エラストマーからなる樹脂製の繊維(連続線状体とも称する)35を曲がりくねらせてループを形成し、各ループの接触部分を融着などで接合することで、三次元の網状構造に構成したものである。つまり、クッション13は、網状体の熱可塑性エラストマーである。クッション13は、一般的なウレタン製のクッションに比して、クッション性及び耐久性に優れる。
また、クッション13は、クッション13の全体に亘り隙間が形成されるので、軽量であるとともに、放熱性及び水排出性(透水性)が高い。
表層41は、多層構造編物20において外部に露出する表面を構成する編地である。裏層42は、表層41の裏側に配置される編地であり、クッション13の上面に当接する。
なお、多層構造編物20では、表層41及び裏層42の両方がメッシュ編地であるが、少なくとも表層41がメッシュ編地で構成されていれば良い。表層41には、表面の肌触りを良好にし、且つ、保水性の少ない繊維素材(嵩高糸、原糸等)を用いることが好ましい。
複数の連結糸43によって構成される連結層では、複数の連結糸43の間に隙間が形成される。このため、多層構造編物20は、軽量であるとともに、放熱性及び水排出性(透水性)が高い。また、表層41は、無数の連結糸43によって下方から支持されており、個々の連結糸43は独立して撓む。このため、表層41は、乗員に対し良好にフィットする。
なお、図3に示される連結糸43は模式的なものであり、連結糸43は、表層41と裏層42とを連結するものであれば、形状は特に限定されない。
座席用表面部材15は、多層構造編物20とシート体21とを縫製する縫製部50を備える。
領域Aに示すシート10の側部では、多層構造編物20の端部20aは、シート体21の端部21aに裏側(シート体21の下面側)から重なり、縫製部50によって端部21aに縫製される。ここで、多層構造編物20の端部20aは、前側多層構造編物31の側縁部であり、シート体21の端部21aは、前側開口部24の周縁部である。
多層構造編物20の端面20bは、製造時に多層構造編物20を裁断した面である。連結糸43は、端面20bにおいて表層41と裏層42との間から外側に露出することがある。
領域Aでは、縫製部50は、多層構造編物20の端部20aに沿って直線状に車両前後方向に延びる。
非縫製部51は、多層構造編物20において縫製部50を除いた多層構造編物20の大部分である。非縫製部51では、多層構造編物20は、多層構造編物20を圧縮する外力が作用していない自然状態にあり、板厚方向に圧縮されていない。縫製部50の隙間S1は、非縫製部51における表層41と裏層42との間の隙間S2よりも小さい。
多層構造編物20の板厚は、シート体21の板厚よりも大きい。
図4〜図6を参照し、潰し縫製部54は、多層構造編物20の端部20aに沿って延びる外側潰し縫製部54aと、外側潰し縫製部54aに対し内側で端部20aに沿って延びる内側潰し縫製部54bとを備える。すなわち、外側潰し縫製部54a及び内側潰し縫製部54bは、端部20aに沿って2列で配置される。
外側潰し縫製部54a及び内側潰し縫製部54bは、表層41及び裏層42を拘束することで連結糸43を圧縮し、多層構造編物20が板厚方向に潰れた潰し部56を形成する。
隙間S1は、潰し部56において外側潰し縫製部54aと内側潰し縫製部54bとの間の部分に形成される。
潰し部56では、連結糸43が圧縮されるが、表層41と裏層42とは接触していない。
潰し部56は、外側潰し縫製部54a及び内側潰し縫製部54bによって表層41と裏層42との間の間隔が隙間S2よりも小さくなった部分である。潰し部56は、外側潰し縫製部54aと内側潰し縫製部54bとの間の部分の外側であって、潰し縫製部54の近傍において表層41と裏層42との間の間隔が隙間S2よりも小さい部分を含む。
シート体縫製部55は、シート体21、表層41、及び裏層42を糸で互いに縫製する。
シート体縫製部55は、潰し縫製部54に沿って設けられる。詳細には、シート体縫製部55は、内側潰し縫製部54bに寄せて配置され、内側潰し縫製部54bの近傍を内側潰し縫製部54bに沿って延びる。
さらに、多層構造編物20の端部20aは縫製部50によって潰されるため、ほつれ及び糸くずを縫製部50によって押さえることができ、多層構造編物20の端面20bのほつれ及び糸くずを低減できる。
このような潰し部を形成するには、ガイド等で多層構造編物20を板厚方向に圧縮しつつ、必要に応じて加熱しながら多層構造編物自体を縫製する、潰し縫製が好適である。加圧、加熱および縫製によって、潰し状態を保持することができる。または、加圧および加熱のみを行い、縫製は行わない潰し加工であってもよい。
隙間S1を適切な範囲に設定することが重要であるが、潰し部56の形状によっては隙間S1の実測が困難である。多層構造編物20の表層41および裏層42の厚みは、連結糸43による隙間S1より相対的に小さいため、適切な隙間量の指標として、縫製部50における多層構造編物20の厚みT1と、非縫製部51における多層構造編物の厚みT2との比率(T1/T2)が0.2以上0.6以下であることが好ましい。本第1の実施の形態では、T2が7.5mmに対してT1を3.5mmに設定し、上記比率を0.47(T1/T2=0.47)にしたところ、縫製部50の皺が少なく、縫製部50のクッション性を確保することができた。
領域Bに示す多層構造編物20における前側多層構造編物31の後端部では、多層構造編物20は、シート体21の端部21aに裏側(シート体21の下面側)から重なり、縫製部50によって端部21aに縫製される。ここで、シート体21の端部21aは、前側開口部24の周縁部を構成する仕切り部23の前端部である。
領域Bでは、縫製部50は、仕切り部23の前端部に沿って略直線状に車幅方向に延びる。
はみ出し部58は、シート体21の仕切り部23に対し縫製されない状態で、仕切り部23に下方から重なる。はみ出し部58は、多層構造編物であり、仕切り部23を下方から支持するクッションとして機能する。
領域Bの縫製部50は、図5の縫製部50と同一の構造であるため、詳細な説明は省略する。
領域Cに示すシート10の後部では、多層構造編物20の端部20aは、シート体21の端部21aに裏側(シート体21の下面側)から重なり、第1の縫製部61及び第2の縫製部62によって端部21aに縫製される。領域Cでは、縫製部50は、第1の縫製部61と第2の縫製部62とが設けられる。
ここで、多層構造編物20の端部20aは、前側多層構造編物31の後縁部と側縁部とを円弧状に繋ぐ曲線部であり、シート体21の端部21aは、前側開口部24の周縁部である。
領域Cでは、第1の縫製部61及び第2の縫製部62は、多層構造編物20の端部20aに沿って曲線状に延びる。
第2の縫製部62は、第1の縫製部61に対し多層構造編物20の内側で第1の縫製部61に沿って曲線状に延びる。
第1の縫製部61及び第2の縫製部62は、それぞれ図5の縫製部50と同一の構造であるため、詳細な説明は省略する。
第1の縫製部61及び第2の縫製部62は、縫い目が曲線状であるため、シート体21に皺が発生し易いが、第1の縫製部61及び第2の縫製部62の2箇所で縫製するため、皺の発生を低減できる。また、第1の縫製部61及び第2の縫製部62によって強固に縫製できる。
表層41のメッシュ編地は、表層41のメッシュ状の開口41aが、車両前後方向よりも車幅方向に長く延びるように形成される。これにより、座席用表面部材15が乗員に対して発生させる摩擦力は、車幅方向よりも車両前後方向に大きい。このため、座席用表面部材15に着座する乗員の車両前後方向のすべりを低減できる。
図10では、横軸に時間tが示され、縦軸に温度θが示される。
温度θは、乗員が座席用表面部材に着座した状態で、乗員の直下の座席用表面部材の上面の温度を測定した測定値である。図10には、座席用表面部材15の測定結果が測定結果R1で示され、比較例の測定結果が測定結果R2で示される。比較例のシートは、座席用表面部材15に替えて、一般的な合成皮革製の座席用表面部材を使用したものである。
時間軸の原点では、乗員は着座していない。この状態では、シート10の温度は、比較例のシートの温度よりも低い。これは、シート10は、座席用表面部材15がメッシュを有する多層構造編物20を備え、通気性が高いからである。
乗員が着座すると、シート10及び比較例のシートの温度は、それぞれ時間経過とともに低下した。
シート10の温度は、乗員の着座後に一定時間t1が経過すると、外気温θ1と同等の乗員にとって快適な温度まで低下した。これは、座席用表面部材15の通気性が高く、冷却効率が高いためである。
比較例のシートの温度は、一定時間t1が経過しても外気温θ1までは下がらなかった。また、比較例のシートは、一定時間t1の3倍の時間が経過しても、外気温θ1までは下がらなかった。
この構成によれば、縫製部50では、多層構造編物20は、非縫製部51に対し板厚方向に圧縮された状態でシート体21に縫製されるため、縫製部50の皺を低減できる。また、縫製部50では、表層41と裏層42との間に板厚方向の隙間S1が設けられるため、多層構造編物20のクッション性を確保できる。
この構成によれば、多層構造編物20を、潰し縫製部54によって、圧縮された状態且つ表層41と裏層42との間の隙間S1が設けられた状態にしておくことができる。このため、シート体縫製部55によってシート体21を容易に多層構造編物20に縫製できる。
また、潰し縫製部54は、外側潰し縫製部54aと内側潰し縫製部54bとが互いに間隔をあけて2列(複数列)で設けられ、シート体縫製部55は、外側潰し縫製部54aの列と内側潰し縫製部54bの列との間に設けられる。
この構成によれば、外側潰し縫製部54aの列と内側潰し縫製部54bの列との間で多層構造編物20が比較的広い範囲に亘り圧縮された部分にシート体縫製部55を縫製できるため、縫製部50の皺の発生を低減できるとともに、シート体縫製部55を容易に縫製できる。
この構成によれば、シート体縫製部55による多層構造編物20に対する拘束の影響を小さくでき、シート体縫製部55による多層構造編物20のクッション性の低下を抑制できるため、多層構造編物20のクッション性を確保できる。
また、縫製部50は、多層構造編物20の端部20aとシート体21とを縫製する。
この構成によれば、多層構造編物20の端部20aでは、ほつれ及び糸くずが発生し易いが、多層構造編物20の端部20aが縫製部50において圧縮されるため、ほつれ及び糸くずの発生を抑制できる。
この構成によれば、第1の縫製部61及び第2の縫製部62によって、多層構造編物20とシート体21とを強固に縫製できる。
また、縫製部50は、多層構造編物20の端部20aよりも内側に設けられ、多層構造編物20が縫製部50に対しシート体21側にはみ出したはみ出し部58は、シート体21に縫製されない状態でシート体21に下方から重なる。
この構成によれば、縫製部50に対し多層構造編物20がシート体21側にはみ出したはみ出し部58を、シート体21に下方から重なるクッションとして利用でき、座席用表面部材15のクッション性を向上できる。
この構成によれば、多層構造編物20は曲線状に縫い難いが、縫製部50では多層構造編物20は圧縮されているため、多層構造編物20とシート体21とを曲線状の縫い目で縫製できる。
さらに、表層41及び裏層42の少なくとも一方は、メッシュ状の開口41aを有する。
この構成によれば、座席用表面部材の通気性を良好にできる。
この構成によれば、座席用表面部材15に座る車両の乗員の前後方向のすべりを低減できる。
また、連結糸43は、合成繊維のモノフィラメントである。
この構成によれば、連結糸43が合成繊維のモノフィラメントであるため、多層構造編物20のクッション性が良い。
この構成によれば、樹脂加工された布帛と多層構造編物20とを縫製部50によって良好に縫製できる。
また、縫製部50における多層構造編物20の厚みT1と、非縫製部51における多層構造編物20の厚みT2との比率T1/T2が、0.2以上0.6以下の範囲である。
この構成によれば、縫製部50の皺を低減させることができるとともに、縫製部50のクッション性を確保することができる。
上記第1の実施の形態では、シート体縫製部55は、外側潰し縫製部54aの列と内側潰し縫製部54bの列との間に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。シート体縫製部55は、潰し縫製部54によって多層構造編物20が潰されて、表層41と裏層42との間の隙間が隙間S2よりも小さくなっている潰し部56に設けられれば良い。例えば、図5において、外側潰し縫製部54aに対し端面20b側の位置において表層41と裏層42との間の隙間が隙間S2よりも小さくなっている部分にシート体縫製部55を設けても良い。
また、シート体縫製部55は、外側潰し縫製部54aの列と内側潰し縫製部54bの列との間において、外側潰し縫製部54a側に寄せて設けられても良い。
上記第1の実施の形態では、車両のシート10(座席)用の座席用表面部材15を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、座席用表面部材15は種々の座席に適用することができる。
以下、図11を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、シート体21が折り返される折り返し部271が縫製部50に設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図11を参照し、シート体21の端部21aには、シート体21の端縁が屈曲部270で略180°折り返された折り返し部271が設けられる。折り返し部271では、外側に露出するシート体21の表面部271aと、表面部271と多層構造編物20の表層41との間に挟まれる裏面部271bとが形成される。折り返し部271では、表面部271と裏面部271bとが重なってシート体21が2重になっている。
第2のシート体縫製部255は、シート体21の表面部271、裏面部271b、多層構造編物20の表層41、及び裏層42を糸で互いに縫製する。
第2のシート体縫製部255は、内側潰し縫製部54bとシート体21の前側開口部24との間に設けられる。第2のシート体縫製部255は、裏面部271bの先端部を縫製する。
屈曲部270は、前側開口部24を区画する。
15 座席用表面部材
20 多層構造編物
20a 端部
21 シート体
41 表層
41a 開口
42 裏層
43 連結糸
50 縫製部
51 非縫製部
54 潰し縫製部
54a 外側潰し縫製部(潰し縫製部)
54b 内側潰し縫製部(潰し縫製部、一方の前記潰し縫製部)
55 シート体縫製部
58 はみ出し部
61 第1の縫製部
62 第2の縫製部
S1 隙間
S2 隙間(非縫製部における表層と裏層との間の隙間)
Claims (13)
- 表層(41)、裏層(42)、及び前記表層(41)と前記裏層(42)とを連結する連結糸(43)を備える多層構造編物(20)と、前記多層構造編物(20)に結合されるシート体(21)とを備える座席用表面部材において、
前記多層構造編物(20)と前記シート体(21)とを縫製する縫製部(50)が設けられ、
前記縫製部(50)では、前記多層構造編物(20)は、前記多層構造編物(20)の非縫製部(51)に対し板厚方向に圧縮されるとともに、前記板厚方向において、前記表層(41)と前記裏層(42)との間に隙間(S1)が設けられた状態で前記シート体(21)に縫製されていることを特徴とする座席用表面部材。 - 前記縫製部(50)は、前記隙間(S1)が形成される状態に前記表層(41)と前記裏層(42)とを互いに縫製する潰し縫製部(54)と、前記多層構造編物(20)と前記シート体(21)とを縫製するシート体縫製部(55)とを備えることを特徴とする請求項1記載の座席用表面部材。
- 前記潰し縫製部(54a,54b)は、互いに間隔をあけて複数列設けられ、前記シート体縫製部(55)は、複数の前記潰し縫製部(54a,54b)の列の間に設けられることを特徴とする請求項2記載の座席用表面部材。
- 前記シート体縫製部(55)は、2列で設けられる前記潰し縫製部(54a,54b)のうちの一方の前記潰し縫製部(54b)に寄せて配置されることを特徴とする請求項3記載の座席用表面部材。
- 前記縫製部(50)は、前記多層構造編物(20)の端部(20a)と前記シート体(21)とを縫製することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記縫製部(50)は、前記多層構造編物(20)の端部(20a)に設けられる第1の縫製部(61)と、前記第1の縫製部(61)に対し前記多層構造編物(20)の内側で前記第1の縫製部(61)に沿って設けられる第2の縫製部(62)とが設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記縫製部(50)は、前記多層構造編物(20)の端部(20a)よりも内側に設けられ、前記多層構造編物(20)が前記縫製部(50)に対し前記シート体(21)側にはみ出したはみ出し部(58)は、前記シート体(21)に縫製されない状態で前記シート体(21)に下方から重なることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記縫製部(50)は、曲線状の縫い目であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記表層(41)及び前記裏層(42)の少なくとも一方は、メッシュ状の開口(41a)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記座席用表面部材は、車両の座席用であり、メッシュ状の前記開口(41a)は、前記表層(41)に設けられるとともに、車両前後方向よりも車幅方向に長く延び、前記表層(41)は、車幅方向よりも車両前後方向に摩擦が大きいことを特徴とする請求項9記載の座席用表面部材。
- 前記連結糸(43)は、合成繊維のモノフィラメントであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記シート体(21)は、樹脂加工された布帛であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の座席用表面部材。
- 前記縫製部(50)における前記多層構造編物(20)の厚み(T1)と、前記非縫製部(51)における前記多層構造編物(20)の厚み(T2)との比率(T1/T2)が、0.2以上0.6以下の範囲であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の座席用表面部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020064212A JP2021160555A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 座席用表面部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020064212A JP2021160555A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 座席用表面部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021160555A true JP2021160555A (ja) | 2021-10-11 |
Family
ID=78002303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020064212A Pending JP2021160555A (ja) | 2020-03-31 | 2020-03-31 | 座席用表面部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021160555A (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61176080U (ja) * | 1985-04-23 | 1986-11-01 | ||
JPH07216727A (ja) * | 1994-01-27 | 1995-08-15 | Teijin Ltd | 防水布帛 |
JP2001046187A (ja) * | 1999-08-09 | 2001-02-20 | T S Tec Kk | 座席用表皮材及びこれを用いて製造した座席 |
JP2014045830A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Tachi-S Co Ltd | トリムカバーの縫着方法 |
JP2016215930A (ja) * | 2015-05-25 | 2016-12-22 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用シート |
JP2018118558A (ja) * | 2017-01-23 | 2018-08-02 | 本田技研工業株式会社 | 車両のシート構造 |
JP2019131054A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 本田技研工業株式会社 | 車両のシート構造 |
-
2020
- 2020-03-31 JP JP2020064212A patent/JP2021160555A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61176080U (ja) * | 1985-04-23 | 1986-11-01 | ||
JPH07216727A (ja) * | 1994-01-27 | 1995-08-15 | Teijin Ltd | 防水布帛 |
JP2001046187A (ja) * | 1999-08-09 | 2001-02-20 | T S Tec Kk | 座席用表皮材及びこれを用いて製造した座席 |
JP2014045830A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Tachi-S Co Ltd | トリムカバーの縫着方法 |
JP2016215930A (ja) * | 2015-05-25 | 2016-12-22 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用シート |
JP2018118558A (ja) * | 2017-01-23 | 2018-08-02 | 本田技研工業株式会社 | 車両のシート構造 |
JP2019131054A (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 本田技研工業株式会社 | 車両のシート構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10227024B2 (en) | Seat cover and vehicle seat | |
KR100345763B1 (ko) | 시트 | |
JP6278566B2 (ja) | ワディング材付シートの表皮構造およびワディング材付シートの表皮製造方法 | |
JPWO2018221422A1 (ja) | ベンチレーションマット | |
JP5375525B2 (ja) | 車両用シートカバー構造 | |
JP2016141297A (ja) | シートカバー用表皮材及びシートカバー並びに車両用シート | |
WO2018198463A1 (ja) | 跨座式シート | |
JP6568881B2 (ja) | 車両のシート構造 | |
JP2021160555A (ja) | 座席用表面部材 | |
JP2008029753A (ja) | シートカバー | |
KR20140137320A (ko) | 시트 지지 유닛 및 유모차 | |
JP4418529B2 (ja) | 布帛を用いた成形物の加工方法及び布帛を用いた成形物 | |
JP2008029752A (ja) | シートカバー | |
JP6722358B2 (ja) | シート構造 | |
JP4322937B2 (ja) | シートカバー | |
JP3654529B2 (ja) | 乗り物のシートカバー | |
WO2015045225A1 (en) | Vehicle interior components with tags | |
JP2017080014A (ja) | 座席装置 | |
JP4150004B2 (ja) | 乗り物の座席用シート | |
JP2010022442A (ja) | 自動車座席用シート及び自動車用座席体 | |
WO2018198462A1 (ja) | 跨座式シート | |
JP6499678B2 (ja) | 車両のシート構造 | |
WO2023145946A1 (ja) | 乗り物用シート | |
JP2008264041A (ja) | シート用表皮 | |
JP6900292B2 (ja) | 乗物用シートのシートカバー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20231102 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20240130 |