JP6363303B2 - ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造 - Google Patents

Description

本発明は、車体の側部に形成された開口部を介して視認可能なシート下の空間を有する、ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に関する。

運転手が座るシートの下に物を収納するためのシート下の空間と、このシート下の空間を車体の側部から視認可能な開口部とを有する自動二輪車が開発されている（例えば、特許文献１を参照）。このような従来の自動二輪車は、自動二輪車の車体の側部に設けられたヒンジによって保持されて側部に向かって開放可能なシートと、開口部の下の車体に嵌めたサイドカバー（後部カバー部）とを備え、シートを閉じれば運転手がその上に座ることができる。開口部によりシート下の空間が露出して、（カバーで覆われていないかのような）ネイキッド感が出せる。

特開２０１３−１８４６０９号

しかしながら、ネイキッド自動二輪車用の従来のサイドカバー構造は、開口部によってある程度のネイキッド感を作り出しているものの、車体の側部上のサイドカバーに関してネイキッド感を強調できていなかった。例えば、ネイキッド感を増すために開口部の開口面積を単に増やすと、壊れやすいイメージにつながる可能性がある。

以上のことを踏まえて、本発明は、壊れやすいイメージを持たせずにネイキッド感を更に増すことができ、ネイキッド感と頑丈な感じとの両方の好ましい印象を作り出すことができるネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造を提供する。

請求項１に記載の発明は、ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記自動二輪車の車体の側部に設けたヒンジ（ａ）によって保持され、側部に向かって開けられるシート（１）であって、前記シートを閉じた状態で運転手が座ることができ、前記車体の側部に開口部（ｋ）を画定し、前記開口部を介して前記シート（１）の下のシート下の空間（ｓ）が視認可能であるシート（１）と、前記開口部の下の前記車体に嵌めるサイドカバー（９、１０）と、を備え、前記サイドカバー（９、１０）は、側部から見るとトラス形状に形成されたキャラクターライン（ＣＨ）を有する。

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記サイドカバーは、閉じた状態の前記シートの一部と弾性接触可能である接触部分（９ａ）を備え、前記接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する。

請求項３に記載の発明は、請求項２に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記サイドカバーは、前記接触部分から前後方向において下方に広がる前記トラス形状を形成する中央部に開口（Ｈ）を有する。

請求項４に記載の発明は、請求項３に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記トラス形状の一部の前記開口（Ｈ）は、側部から見ると実質的に三角形である。

請求項５に記載の発明は、請求項４に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記シート（１）は前記接触部分（９ａ）に対向する部分に嵌めるガーニッシュ（４ａ）を備え、前記ガーニッシュ（４ａ）は、側部から見ると下方に広がる前記トラス形状のピーク部に位置決めされ、上方に突出する実質的に三角形である。

請求項６に記載の発明は、請求項１に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記サイドカバーは、トラス形状のキャラクターライン（ＣＨ）を有する第一のサイドカバー（９）と、前記第一のサイドカバーの下に前記第一のサイドカバーと一体的に配置された第二のサイドカバー（１０）とを備え、前記第二のサイドカバー（１０）は、前後方向において前記第一のサイドカバーの全長に渡って延びるよう形成される。

請求項７に記載の発明は、請求項２に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、前記キャラクターライン（ＣＨ）は、前記接触部分（９ａ）に向かって上昇する第一のキャラクターライン（ＣＨ１）と、前記第一のキャラクターラインの上部から後方且つ下方に傾斜する第二のキャラクターライン（ＣＨ２）と、前記第二のキャラクターラインの後部から後方且つ及び上方に傾斜する第三のキャラクターライン（ＣＨ３）とを備え、トラス形状のデザインを形成するジグザグ形状をなす。

請求項１に記載の発明によれば、サイドカバーは、側部から見ると、トラス形状に形成されたキャラクターラインを有し、これによってシート下の空間の開口部の面積が大きくなる。この構造によって、ネイキッド感が更に高まっても壊れやすいイメージにはつながらず、トラス形状のデザイン効果によって、構造に頑丈なイメージが加わって、ネイキッド感と頑丈な感じとの両方の好ましい印象を作り出すことができる。

請求項２に記載の発明によれば、サイドカバーは、閉じた状態のシートの一部と弾性接触可能な接触部分を備え、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する。これによって、接触部分をピークにした上方に突出するトラス形状によってシートを支持するデザインが提供される。この構造によって、開口部の開口面積を大きくすることでネイキッド感を更に高めた場合にも、頑丈な構造のシートを支持するカバーのデザインによって頑丈な印象を作り出すことができる。

請求項３に記載の発明によれば、サイドカバーは、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を形成する中央部分に開口を有するので、このトラス形状の中央部分の開口によって、開口部が作り出すネイキッド感に加えて更にネイキッド感を高めることができる。これによって、自動二輪車全体における更なるネイキッド感の印象を作り出すことができる。

請求項４に記載の発明によれば、トラス形状の一部の開口は、側部から見ると、実質的に三角形を有するので、トラス状のキャラクターラインの外観がこの実質的に三角形の開口によって更に強調可能である。

請求項５に記載の発明によれば、サイドカバーは、閉じた状態のシートの一部と弾性接触可能な接触部分を備え、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する。シートは、接触部分と接する部分に嵌めるガーニッシュを備え、このガーニッシュは、側部から見ると、接触部分の上方に突出する実質的に三角形の形状を有する。このように、トラス形状のピークは、トラス形状を表す上方に突出する実質的に三角形の形状のデザインを有する。

請求項６に記載の発明によれば、サイドカバーは、トラス形状のキャラクターライン（ＣＨ）を有する第一のサイドカバー（９）と、第一のサイドカバーの下に第一のサイドカバーと一体的に配置された第二のサイドカバー（１０）とを備え、第二のサイドカバー（１０）は、前後方向において第一のカバーの全長に渡って延びるよう形成される。これによって、複雑なキャラクターラインを有する第一のサイドカバーを大きくすることなく、これら２つのカバーにより所望のデザインの形状を形成可能であって、簡単に製造できる構造を提供できる。

請求項７に記載の発明によれば、キャラクターライン（ＣＨ）は、接触部分（９ａ）に向かって上昇する第一のキャラクターライン（ＣＨ１）と、第一のキャラクターラインの上部から後方且つ下方に傾斜する第二のキャラクターライン（ＣＨ２）と、第二のキャラクターラインの後部から後方且つ上方に傾斜する第三のキャラクターライン（ＣＨ３）とを備え、トラス形状のデザインを形成するジグザグ形状をなす。これによって、強い印象の構造的なイメージが作り出される。

本発明の一実施形態によるネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造が適用された自動二輪車を示す側面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用する自動二輪車用シートとシート下の隣接部品とを示す斜視図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用した自動二輪車用シートとシート支持フレームとを除いた状態を示す斜視図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に提供した自動二輪車用シートとシート支持フレームとを除いた状態を示す平面図 図１のＶ−Ｖ線における断面図 図１のＶＩ−ＶＩ線における断面図 図１のＶＩＩ−ＶＩＩ線における断面図 図６及び図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線における断面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用した自動二輪車用シートとシート支持フレームとを示す背面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用した支持フレームサイドカバーを示す側面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用したシート支持フレームに嵌め、その後シートに組み立てた支持フレームサイドバーを示す、外側から見た側面図 図１１のＸＩＩ−ＸＩＩ線における断面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用したシート支持フレームに嵌めた支持フレームサイドカバーを示す、内側から見た側面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用したシート支持フレームに嵌め、その後シートに組み立てた支持フレームサイドカバーを示す、内側から見た断面図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用したサイドカバーを外側から見た斜視図 ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造に適用したサイドカバーを内側から見た斜視図

添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について以下に詳細に説明する。

一実施形態によるネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造は、図１に示すようなステップフロアを備えたスクータータイプの自動二輪車に適用される。ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造は、シート１と、シート支持フレーム２と、外側前部シートガーニッシュ４と内側前部シートガーニッシュ５とを備える支持フレームサイドカバーと、第一サイドカバー９と第二サイドカバー１０とを備えるサイドカバーと、を備える。

本実施形態に適用される自動二輪車において、上述の部品に加えて、メータ１１、メータカバー１２、ヘッドライトカバー１３、ヘッドライト１４、左右一対のヘッドライトサイドカバー１５、左右ヘッドライトサイドカバーの左右に設けられた左右フロント方向指示器３３、及びヘッドライトガード１６が、ハンドル３２と一体となって回転し、前輪３５を支持する左右一対のフロントフォーク３９の周りに一体的に嵌められている。フロントフォーク周囲の部品がフロント及びリヤカバーで覆われている一般的なスクーター構造とは違って、この自動二輪車は、カバーレス型の印象を持つような構造となっている。この構造と以下に説明するシート下の空間との相乗効果によってネイキッドスクーターの印象がもたらされる。特に、ヘッドライトの下側にパイプ状のヘッドライトガード１６を側部から前方側へと配置し、更に、シート下の支持フレームを側部へと露出させることによって、モデル全体が、ネイキッドスクーターのより一体化された（ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ）印象を有する。加えて、フロントフォークの後ろの内側上部カバー１８、この内側上部カバーの左右に延びる左右上部脚用シールド１７、内側上部カバーの下に連続するインナーカバー１９、そしてインナーカバーの前に脚用シールド２１を設けることによって、一般的なスクーターのように、脚部を遮蔽する機能を有するカバー構造が設けられる。ただし、フロントフォーク周辺のこれらの部品はカバーによって覆われていない。インナーカバーの後ろには、ステップフロア２０が設けられ、ステップフロアの下の部分は、下部カバー２２によって覆われる。下側カバーの左側にはサイドスタンド２３が設けられる。サイドスタンドの後ろの車体フレーム内において、前側でエンジンを組み込み後ろ側で後輪３６を支持するユニット揺動機構部が、鉛直方向に揺動可能なようにリアサスペンション２８によって支持される。ステップフロアとユニット揺動機構部とを含む構造は、一般的なスクーターの構造である。例えば、ユニット揺動機構部は、ユニットの下のメインスタンド２４、左側に設けられエンジンの駆動力を変化させてその結果としての動力を後輪に伝達する揺動アームとしての役割も有するベルトコンバータケース２５、後輪の上半分を覆ってシート下の空間に泥や水が入り込まないようにするための内側リアフェンダ２６、ベルトコンバータケースの上に設けられエンジンに接続したエアクリーナー２７を備える。リアサスペンション２８の上でシート周辺の部分には、左右一対の後部サイドカバー２９、後部サイドカバーの後ろに後部ライト３０、後部ライトの下に左右後部方向指示器３４、後部座席の乗員が握れるようなリアグリップ３１、後部座席用ステップ（ｐｉｌｌｉｏｎ ｓｔｅｐ）３８がある。

更に、本実施形態に係る自動二輪車は、図２から４に示すように、シート１の下に設けられたシート下の空間Ｓを有し、この空間は車体の側部の左右開口部Ｋを介して視認可能である。シート下の空間Ｓは、荷物を収容可能なシート１下の空間で形成されており、開口部Ｋを介して側部から視認可能であって、前方のステップフロア２０に向かって開口する。この構造によってカバーがより少ないような外観（いわゆるネイキッド感）をもたらすことができる。本出願の出願人は、一般的にはシートの下の部品がカバーで覆われていたスクーターの印象を大きく変える、この構造を構築した。参照符号３７は、シート下の空間Ｓに収容される荷物をかけておくフックを示す。空間の前及び後ろ側の角にそれぞれ２つずつ、合計４つのフックが設けられ、ネイキッド感をもたらしながら、ネット等を使ってシート下の空間に荷物を安定して固定可能としている。

シート１は、自動二輪車の車体の側部（本実施形態においては、走行方向の右側）に設けられ、右パイプフレームに設けたヒンジによって保持されている。シートは側部に向かって開けることができる。シートを閉じれば運転手が座ることができるこのシートは、シート部１ａと底板部１ｂとを備える（図５〜７参照）。シート１全体をヒンジを中心に側部に向かって揺動させ、シート下の空間Ｓを上部に開口させることで、大きな荷物を収容可能となる。閉じた状態でのシート１は、左パイプフレーム３によって保持されるシートキャッチｂによって車体側にロック可能である。なお、シートを閉じた状態であっても、小さい荷物等は左右前側の開口部を介して出し入れすることができる。

シート支持フレーム２は、シート１と一体形成された左右パイプフレーム３と、パイプフレーム３に設けた左右一対の弾性部材６とを備える。シート１を閉じると、弾性部材６は、車体側のフレーム又はカバー（本実施形態において第一サイドカバー９内の接触部分９ａ）と接触可能である。図９に示すように、パイプフレーム３は、前後方向に延びる一対のパイプ部材を備える。一対のパイプフレーム３は、接続部材ｈ１及びｈ２によって互いに接続され、シート１の底板部１ｂと一体的に連結される。２つのフレーム部材Ｄが接触部分９ａの内側に位置決めされる。フレームＤは、左右一対のシートフレームＢ間を接続するクロスパイプＣから上方に延びる。このように、フレームは、接触部分９ａ上のシートの重量を支えている。この構造によって、左右一対の接触部分９ａ、ヒンジａ、及びシートキャッチｂの４つの箇所でシートの重量が支えられる。

各弾性部材６は、対応するパイプフレーム３の前方端部にしっかりと溶接止めされたブラケット３ａに嵌められて固定される。弾性部材６は、ゴム、ゴム材料、樹脂材料等の弾性材料からなり、嵌合が可能となる。開いた状態から揺動させてシート１を閉じると、弾性部材６が第一サイドカバー９の接触部分９ａに接する。このように、弾性部材６は、シートの更なる揺動運動を制限可能であると同時にその衝撃を吸収することができる。更に、閉じた状態でのシート１は、弾性的に支持可能であって、これにより走行中の振動を効果的に吸収可能である。図５及び１２に示すように、本実施形態による弾性部材６は、上部表面に一体形成したキノコ形状の２つの突起部６ａを有する。各弾性部材６は、ブラケット３ａ内に形成された２つの孔部にこの突起部６ａを挿入し固定して嵌めるよう構成される。

更に、図１１に示すように、本実施形態によるシート支持フレーム２において、左右一対のグリップカバー７が、ボルト７ａ及び７ｂによりパイプフレーム３にしっかりと溶接されたブラケットの溶接ボルトに嵌められる。左右一対のグリップカバー７は、各パイプフレーム３と実質的に同じ幅を有する。車体の後部側の外表面において、左右グリップカバー７の右側及び左側によってヒンジａの箇所とシートキャッチの箇所の外側がそれぞれ覆われる（図６及び７参照）。グリップカバーの中央部に上下方向に配置したボルト７ａ及び７ｂは、パイプフレームの中心より低い位置にある。このように、パイプフレーム３は、側部を対応するグリップカバーで覆われているが、上部からは簡単に見ることができ、自動二輪車の近くにいる人がネイキッド感を得ることができる。但し、後に説明するように、外側前部シートガーニッシュ４のマスク部４ｂが、パイプフレーム３の内側に位置決めされている。従って、パイプフレームの内側の部分は上部側からは見えない。このように、見えにくいパイプフレームの内側及び下側にヒンジとシートキャッチの構造を有して、魅力的な外見が得られる。更に、左側のグリップカバー７は、運転手がシート１をヒンジａを中心に揺動しようとするときに握ることができ、従って、単にカバーであるだけの構造よりも利便性が格段に増す。本実施形態において、図１及び２に示すように、カバーは、開口部Ｋの後端からパイプフレーム３の後端部まで延びる。従って、パイプフレーム３の露出部の長さは、開口部Ｋの上部の長さと実質的に同一である。従って、開口部とパイプフレームとによって、調和のとれた外観がもたらされ、ネイキッド感の印象を更に作り出すことが可能となる。

左右一対の支持フレームサイドカバーにより、シート支持フレーム２の外表面（本実施形態では以下に説明するように一部）が覆われている。本実施形態において、図２に示すように、弾性部材６が形成されている部分の外表面のみが覆われている。従って、パイプフレーム３の外表面は露出している。具体的には、図５から７に示すように、本実施形態による支持フレームサイドカバーは、左右一対の外側前部シートガーニッシュ４と左右一対の内側前部シートガーニッシュ５とを備える。

外側前部シートガーニッシュ４は、弾性部材６が形成されたシート支持フレーム２の外表面を覆う外側カバー部４ａを備え、更に、図１０に示すように、パイプフレーム３に沿って外側カバー部４ａから車体の後ろ側に延び、シート底板１ｂとパイプフレーム３との間の空隙を覆って隠すマスク部４ｂと、パイプフレーム３の内表面と重なる内側ラップ部４ｃとを備える。外側カバー部４ａ、マスク部４ｂ、及び内側ラップ部４ｃは、射出成形によって樹脂を用いて一体成型される。

図１３に示すように、内側ラップ部４ｃは、締結部４ｄとフック嵌合部４ｅとを備える。締結部４ｄは、ボルト等の一般的な締結手段を用いて外側前部シートガーニッシュ４をパイプフレーム３に締結するのに使用する。フック嵌合部４ｅは、パイプフレーム３に形成されたフック部ｆを嵌めるのに使用する。締結部４ｄとフック嵌合部４ｅとは、外側前部シートガーニッシュ４の延伸方向に沿って交互に形成する。図７に示すように、締結部４ｄは、パイプフレーム３の内側に形成されたねじ山部内部にボルトを挿入して固定する。図において、参照符号４１によりブラケットが示されており、参照符号４２によりブラケット４１に溶接された溶接ナットが示されている。

図５、１２〜１４に示すように、外側前部シートガーニッシュ４をパイプフレーム３に嵌めた後に、各内側前部シートガーニッシュ５を、外側前部シートガーニッシュと外側カバー部４ａの内側のブラケット３ｂとに３本のネジ５ａ、５ｂ、５ｃを用いて嵌める。このブラケットは、パイプフレームと接続部材ｈ１との間に配置され、図５、１３、及び１４に示すように、ネジ５ａと５ｂとを用いて互いに接続されたガーニッシュにネジ５ｃを用いて接続される。外側カバー部４ａと内側前部シートガーニッシュとは実質的に同一形状であって、側面から見ると、シート支持フレーム２に嵌める弾性部材６を有するブラケット３ａの形状と同じであって、ブラケットが組み込まれている。上述の内側前部シートガーニッシュ５と外側前部シートガーニッシュ４とにより、弾性部材６が形成されたシート支持フレーム２の部分の外表面及び内表面を覆うことができる。

上述のように、本実施形態によるパイプフレーム３は、グリップカバー７で覆われた車体の後端部と、外側前部シートガーニッシュ４の外側カバー部４ａで覆われて弾性部材６が形成された前端部の部分とを有する。従って、本実施形態によるパイプフレーム３の外周表面は、図９において参照符号αで示した範囲だけが外部に露出されている。図１及び２に示すように、自動二輪車の車体に取り付けたパイプフレーム３は、開口部Ｋの上部と実質的に同じ長さの外周表面に露出部を有する。

更に、図８、９及び１４に示すように、本実施形態による外側前部シートガーニッシュ４は、シート１のヒンジａを嵌める嵌合部と、閉じた状態でのシート１をロックするシートキャッチｂを嵌める嵌合部とを覆う左右一対のカバー部材８に接続される。図８及び９に示すように、このカバー部材８は、左右一対の前側締結ユニット８ａと左右一対の後側締結ユニット８ｂとを用いて、外側前部シートガーニッシュ４の内側ラップ部４ｃから内側に向かって延びる嵌合部に嵌める。更に、シートキャッチｂに隣接して開口が設けられ、その開口から開口シート底板１ｂに嵌めたハトメｇが露出する。ハトメｇは、車体フレームが支持する車体カバーに接し、開いた状態のシート１を揺動させて閉じた際の衝撃を吸収可能である。

左右一対のサイドカバーは、開口部Ｋの下の車体外側に嵌める。左右一対のサイドカバーによって、車体フレームと合体するシート下の空間の内壁としての内側カバーを備えた締結構造が得られる。図１５及び１６に示すように、左右一対の第一サイドカバー９と左右一対の第二サイドカバー１０とを、第二サイドカバーのスクリュー孔１０ｂを介して第一サイドカバーのボス部にネジを締結すること及び第二サイドカバーの孔部に第一サイドカバーの突起部を嵌めて組み立てることによって、外側カバーが形成される。図１から３に示すように、本実施形態による第一サイドカバー９は、側部から見ると、トラス（ｔｒｕｓｓ）形状（三角形に基づく構造的形状）のキャラクターライン（外形）を有し、閉じた状態のシート１の一部と（本実施形態では弾性部材６と）弾性的に接し得る接触部分９ａを備え、接触部分９ａから前後方向（図１の左右方向）において下方に広がるトラス形状を有する。

更に、本実施形態による第一サイドカバー９において、接触部分９ａから前後方向において下方に広がるトラス形状の中央部は開口Ｈを有する。トラス形状を有する部分の開口Ｈは、側部から見ると、実質的に三角形（上方に突出する実質的に三角形）である。更に、上述のガーニッシュ（具体的には、外側前部シートガーニッシュ４の外側カバー部４ａ）は、図１０及び１１に示すように接触部分９ａの上部において、側部から見ると、上方に突出する実質的に三角形を有し、これによって三角形のデザイン４ａ１が凹部（ｒｅｃｅｓｓ）に設けられる。第二サイドカバー１０は、フック形状１０ａを有し、このフック形状１０ａによって車体と組み立て可能である。参照符号１０ｃにより第一サイドカバー９上の突起部を嵌める孔部を表す。

図１５に示すように、第一サイドカバー９は、３つのキャラクターラインで形成されるトラス形状のデザインを有する。即ち、第一のキャラクターライン（ＣＨ１）は、接触部分９ａの下部から接触部分に向かって上方に延び、第二のキャラクターライン（ＣＨ２）は、第一のキャラクターラインの上部から後方且つ下方に傾斜し、第三のキャラクターライン（ＣＨ３）は、第二のキャラクターラインの後部から後方且つ上方に傾斜する。第一及び第二のキャラクターラインで形成される上方に突出する三角形と、第二と第三のキャラクターラインで形成される下方に突出する三角形を含む２つの三角形によって、トラス形状の印象が作り出され、構造的にも丈夫であることが知られている。これら３つのラインによって、ジグザグ形が形成され、強い印象の構造的なイメージが作り出される。第二のサイドカバー１０は、第一のサイドカバーと一体的に配置され、第一のサイドカバーのキャラクターライン上であって前方から後方へと第一のサイドカバーの下側を覆うような実質的にＶ字形状を有する。このように、複雑なキャラクターラインを有する第一のサイドカバーを大きくすることなく、これら２つのカバーにより所望のデザインの形状を形成可能であって、簡単に製造できる構造を提供できる。第一のサイドカバーと第二のサイドカバーとは、これらのキャラクターラインやトラス形状を強調するために、異なる塗装としてもよい。

上述の実施形態によれば、サイドカバーは、側部から見ると、トラス形状に形成されたキャラクターラインを有し、これによってシート下の空間の開口部の面積が大きくなる。この構造によって、ネイキッド感が更に高まっても壊れやすいイメージにはつながらず、トラス形状のデザイン効果によって、構造に頑丈なイメージが加わって、ネイキッド感と頑丈な感じとの両方の好ましい印象を作り出すことができる。

また、サイドカバーは、閉じた状態のシートの一部と弾性接触可能な接触部分を備え、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する。これによって、接触部分をピークにした上方に突出するトラス形状によってシートを支持するデザインが提供される。この構造によって、開口部の開口面積を大きくすることでネイキッド感を更に高めた場合にも、頑丈な構造のシートを支持するカバーのデザインによって頑丈な印象を作り出すことができる。

更に、サイドカバーは、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を形成する中央部分に開口を有するので、このトラス形状の中央部分の開口によって、開口部が作り出すネイキッド感に加えて更にネイキッド感を高めることができる。これによって、自動二輪車全体における更なるネイキッド感の印象を作り出すことができる。

加えて、トラス形状の一部の開口は、側部から見ると、実質的に三角形を有するので、トラス状のキャラクターラインの外観がこの実質的に三角形の開口によって更に強調可能である。

また、サイドカバーは、閉じた状態のシートの一部と弾性接触可能な接触部分を備え、接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する。シートは、接触部分と接する部分に嵌めるガーニッシュを備え、このガーニッシュは、側部から見ると、接触部分の上方に突出する実質的に三角形の形状を有する。このように、トラス形状のピークは、トラス形状を表す上方に突出する実質的に三角形の形状のデザインを有する。

更に、サイドカバーは、トラス形状のキャラクターライン（ＣＨ）を有する第一のサイドカバー（９）と、第一のサイドカバーの下に第一のサイドカバーと一体的に配置された第二のサイドカバー（１０）とを備え、この第二のサイドカバー（１０）は、前後方向に第一のカバーの全長に渡って延びるよう形成される。このように、複雑なキャラクターラインを有する第一のサイドカバーを大きくすることなく、これら２つのカバーにより所望のデザインの形状を形成可能であって、簡単に製造できる構造を提供できる。

更に、キャラクターライン（ＣＨ）は、接触部分（９ａ）に向かって上昇する第一のキャラクターライン（ＣＨ１）と、第一のキャラクターラインの上部から後方且つ下方に傾斜する第二のキャラクターライン（ＣＨ２）と、第二のキャラクターラインの後部から後方且つ上方に傾斜する第三のキャラクターライン（ＣＨ３）とを備え、トラス形状のデザインを形成するジグザグ形状をなし、これによって強い印象の構造的なイメージが作り出される。

更に、本実施形態によれば、シート支持フレーム２が車体と接している状態において、支持フレームサイドカバーは、弾性部材６の嵌合部のみを覆っており、パイプフレーム３の外表面は、その他の部分について外に露出しており、これによってシート１下の側部開口部の面積を大きくすることができる。このように、シート１下の側部の空間を有するネイキッド型のコンセプトの下に設計された自動二輪車のネイキッド感を更に高めることができる。更に、最小限必要な部分を覆うことで、外観が損なわれることなく、製造コストを減らすことができる。

また、パイプフレーム３の外周表面は、開口部Ｋの上部の長さと実質的に同じ長さだけ外に露出している。このように、パイプフレーム３は、シート１下の空間の開口部Ｋの上部の全面積に渡って外部に露出可能である。従って、開口部Ｋとパイプフレーム３とにより、側部から見た際の調和のとれた外観が作り出され、ネイキッド感をより強調することができる。

更に、パイプフレーム３と実質的に同じ幅を有し、車体の後部側の外表面を覆うグリップカバー７をシート支持フレーム２に嵌める。このように、必要な機能を有するグリップカバー７を、その機能が必要な部分に配置することができ、望ましいネイキッド感と必要な機能性の両方を提供可能である。

更に、グリップカバー７は、開口部Ｋの後端からパイプフレーム３の後端部まで延びる。このように、開口部Ｋの上部において外側に露出したパイプフレーム３の外観を更に強調することができる。

弾性部材６は、パイプフレーム３の前方端部に配置する。支持フレームサイドカバーは、弾性部材６が形成されたシート支持フレーム２の部分の外表面を覆う外側カバー部４ａを備える外側前部シートガーニッシュ４と、外側カバー部４ａに嵌める内側前部シートガーニッシュ５であって、弾性部材６を嵌めるシート支持フレーム２の部分の内表面を覆う内側前部シートガーニッシュとを備える。このように、側部に開口するシート下の空間が設けられるが、外側カバー部４ａの後部側はその反対側からは見えない。更に、覆う必要がある最小限必要な部分を、外表面と内表面（前方及び後方）から、側部から見て実質的に同じ形状により覆うことができる。

更に、外側前部シートガーニッシュ４は、パイプフレーム３に沿って外側カバー部４ａから車体の後部側に延び、シート１とパイプフレーム３との間の空隙を覆って隠すマスク部４ｂと、パイプフレーム３の内表面と重なる内側ラップ部４ｃとを備える。外側カバー部４ａ、マスク部４ｂ、及び内側ラップ部４ｃは、一体形成される。従って、シート１とパイプフレーム３との間の空隙を覆う特別なカバーを追加的に設ける必要がない。このように、部品の点数を減らすことができ、カバーを効率的に車体に嵌めることが可能となる。

更に、内側ラップ部４ｃは、外側前部シートガーニッシュ４をパイプフレーム３に締結するための締結部４ｄとパイプフレーム３に形成したフック部４ｅを嵌めるためのフック嵌合部４ｅとを備える。締結部４ｄとフック嵌合部４ｅとは、外側前部シートガーニッシュ４の延伸方向に沿って交互に形成する。締結部４ｄの締結とフック部ｆの嵌合とを交互に行うので、形成されたパイプフレーム３が前後方向にかなり長い場合であっても、パイプフレーム３と外側前部シートガーニッシュ４とを安定して一体化することができ、部品点数も最小限にすることができる。

外側前部シートガーニッシュ４は、シート１のヒンジａの嵌合部と、閉じた状態でのシート１をロックするシートキャッチｂの嵌合部とを覆うカバー部材８に接続される。従って、外側前部シートガーニッシュ４とカバー部材８とのそれぞれを、覆う必要がある対応する部分を覆う最適な位置に置くことができる。具体的には、射出成形により形成するガーニッシュの外側部とマスク部４ｂとは、成形用の型のレイアウト内で右及び左にあり、シート底板方向に延びるシートキャッチｂを覆うカバー部材８は、上部及び下部の成形型レイアウトを有する。従って、様々な型のレイアウトに対応した最適なカバー構造（外側前部シートガーニッシュ４とカバー部材８）とを提供可能である。

本実施形態について説明してきたが、本発明は上述の記載に限定されない。例えば、支持フレームサイドカバーは、パイプフレームの外表面全体を覆ってもよく、側部から見てトラス形状を有するキャラクターラインを有してもよく、開口Ｈが無くてもよい。開口Ｈは、側部から見て実質的に三角形以外の形状を有してもよい。

このサイドカバーは、側部から見てトラス状のキャラクターラインを有するネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であれば、様々な外部形状又は様々な機能を備えたサイドカバー構造に適用可能である。

１ シート
２ シート支持フレーム
３ パイプフレーム
４ 外側前部シートガーニッシュ
５ 内側前部シートガーニッシュ
６ 弾性部材
７ グリップカバー
８ カバー部材
９ 第一サイドカバー
１０ 第二サイドカバー
Ｓ シート下の空間
Ｋ 開口部
Ｈ 開口

Claims (7)

1. ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造であって、
   前記自動二輪車の車体の側部に設けたヒンジ（ａ）によって保持され、側部に向かって開けられるシート（１）であって、前記シートを閉じた状態で運転手が座ることができ、前記車体の側部に開口部（ｋ）を画定し、前記開口部を介して前記シート（１）の下のシート下の空間（ｓ）が視認可能であるシート（１）と、
   前記開口部の下の前記車体に嵌めるサイドカバー（９、１０）と、を備え、
   前記サイドカバー（９、１０）は、側部から見るとトラス形状に形成されたキャラクターライン（ＣＨ）を有する、ネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
2. 前記サイドカバーは、閉じた状態の前記シートの一部と弾性接触可能である接触部分（９ａ）を備え、前記接触部分から前後方向において下方に広がるトラス形状を有する、請求項１に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
3. 前記サイドカバーは、前記接触部分から前後方向において下方に広がる前記トラス形状を形成する中央部に開口（Ｈ）を有する、請求項２に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
4. 前記トラス形状の一部の前記開口（Ｈ）は、側部から見ると実質的に三角形である、請求項３に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
5. 前記シート（１）は前記接触部分（９ａ）に対向する部分に嵌めるガーニッシュ（４ａ）を備え、前記ガーニッシュ（４ａ）は、側部から見ると下方に広がる前記トラス形状のピーク部に位置決めされ、上方に突出する実質的に三角形である、請求項４に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
6. 前記サイドカバーは、トラス形状のキャラクターライン（ＣＨ）を有する第一のサイドカバー（９）と、前記第一のサイドカバーの下に前記第一のサイドカバーと一体的に配置された第二のサイドカバー（１０）とを備え、前記第二のサイドカバー（１０）は、前後方向において前記第一のサイドカバーの全長に渡って延びるよう形成される、請求項１に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。
7. 前記キャラクターライン（ＣＨ）は、前記接触部分（９ａ）に向かって上昇する第一のキャラクターライン（ＣＨ１）と、前記第一のキャラクターラインの上部から後方且つ下方に傾斜する第二のキャラクターライン（ＣＨ２）と、前記第二のキャラクターラインの後部から後方且つ及び上方に傾斜する第三のキャラクターライン（ＣＨ３）とを備え、トラス形状のデザインを形成するジグザグ形状をなす、請求項２に記載のネイキッド自動二輪車用のサイドカバー構造。

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