JP6085277B2 - 鞍乗り型車両の前部構造 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載されているフロントカウル(フロントカバー)は、ヘッドライト用凹部を設けた第1部材と、ヘッドライト用凹部よりも上方を覆う第2部材との2部材からなるものとし、第1部材の上部は正面視で上方へ開放された略U字状の凹部を有し、第2部材は、この凹部を覆うように前方から取付けられて外観部材をなしている。このような構造により、整備性及び組付け性の向上を図ることができる。
そこで本願は、成形性を良好に保ちつつも、フロントカバーの剛性を保つことができる鞍乗り型車両の前部構造を提供することを目的とする。
前記フロントカバー(20)は、車両上方に開放した凹部(35)を有する第1カバー(30)と、
前記凹部(35)に沿うようにその縁部(36)へ配置された略U字状の第2カバー(40)と、
この第2カバー(40)の開放部を覆う第3カバー(50)を備えるとともに、
前記第2カバー(40)は、前記第1カバー(30)及び前記第3カバー(50)の間に沿うように溝部(G)を形成し、
この溝部(G)にフロントキャリア(26)を取付けるためのキャリア連結部(47)が設けられ、
このキャリア連結部(47)には、取付穴(47a)が設けられるとともに、この取付穴(47a)は正面視にて前記第3カバー(50)に重なっていることを特徴とする。
前記第3カバー(50)は、前記第2カバー(40)に係合して固定されていることを特徴とする。
また、第2カバー(40)が第1カバー(30)の上端部を沿うように配置されるので、成形により第1カバー(30)の上端部に寸法誤差が生じても、これを第2カバー(40)で修正することができる。
さらに、フロントカバーを複数の部材から構成することで、デザインの自由度を向上させることができる。また、各構成部材を別々に成形するため、それぞれに適宜着色すれば、組み立て時の外観が複数に色分けされたものとなり、単一部材に対して色分け塗装する場合と比較すれば、色分けが容易になり、着色コストを下げることができる。
また、フロントカバーに設けられた溝部(G)内にキャリア連結部(47)を設けたので、フロントキャリアの取付部が露出せず、見えづらくなり、外観性を向上できる。
さらに、車両正面視にて、フロントキャリアの取付穴(47a)が第3カバー(50)に重なっていることで、フロントキャリアを外しても取付穴(47a)が正面視で見えなくなるので、外観性を維持することができる。
この自動2輪車は、前輪10と後輪12の間に低床式のステップフロア14を備え、ステップフロア14の前方にハンドル16、後方にシート18を配置し、乗員がシート18に着座してステップフロア14に足を置き、かつハンドル16を握って操舵するようになっている。
ハンドル16はハンドルカバー24で覆われている。フロントカバー20の前面には、物入れかご25がフロントキャリア26を介して支持されている。
キャリアステー27及びキャリアブラケット28は、フロントカバー20内側の後述する車体フレームへ連結されている。したがって、物入れかご25は、フロントキャリア26並びにキャリアステー27及びキャリアブラケット28を介して車体フレームに支持される。
第1カバー30、第2カバー40及び第3カバー50は、それぞれ樹脂製であるが、別々に成形される。また、それぞれの素材又は着色もしくは双方を異ならせて組み合わせることができる。この場合、3部材全てを異ならせるばかりでなく、1部材だけを異ならせることができる。
対称になっている。
ホーン72は、第3カバー50に設けられた第2ホーン穴58及び第1ホーン穴56の後方に位置し、警告音を第1ホーン穴56及び第2ホーン穴58から前方へ出すようになっている。
下部ステー74は、ヘッドパイプ70の下部から斜め上がりに前方へ突出し、その先端に
下部ステー側ブラケット75が溶接されている。
外フランジ41bの上面とフランジ36aは当接し、リング部41とテーパー部36により断面V字状の溝Gを形成する。
図3に明らかなように、この溝Gは第1カバー30と第3カバー50の間に、略U字状凹部35に沿って略U字状に形成される。しかも、前部から後部へ向かって斜め上がりに形成されるから、3次元的な曲面をなすことになる。したがって、前後方向において、前方へ凸の曲面をなしている。
この溝Gにより、略U字状凹部35の周囲における剛性を上げるとともに、意匠的効果を高めている。
図9〜12は、それぞれフロントカバー20の各構成部を分解して示す組付け図であり、図9は正面図、図10は背面図、図11は側面図、図12は平面図である。
これらの図において、第1カバー30は、上下方向中間部であるヘッド部32が最も前方へ突出し(図11)、このヘッド部32を挟んで上方側が第1カバー上部33、下方側が前輪を逃げるように左右へ二股状に分離した第1カバー下部34をなす。
テーパー部36の略U字状凹部35に臨む縁部と稜線37はほぼ平行し、テーパー部36は幅が略一定で略U字状凹部35を囲んでいる。
テーパー部36の左右後端38は、互いに内方へ接近するように入り込んで分離されている(図12)。
図10に示すように、ヘッド部32の背面には左右にボス32aが設けられている。略U字状凹部35を囲んで、第1カバー上部33の左右には、それぞれボス33a、33b、33cが形成されている。
また、リング部41の外側左右で内側のボス48近傍には、側方第1ステー43、側方第2ステー44、側方第3ステー45が前側から後側へ向かって並んで形成されている。
これらのステーは、第1カバー上部33の背面に重なり、側方第1ステー43がボス33a、側方第2ステー44がボス33bへ、側方第3ステー45がボス33cへそれぞれボルト等で結合される(図10)。
第1着脱用突起59aは、第2カバー40のキャリア連結部47に形成された取付穴49aへ差し込まれて係合一体化する。第2着脱用突起59bは、第2カバー40のボス48に形成された取付穴49bへ差し込まれて係合一体化する。
さらに、本体部51の後部左右にも第3着脱用突起59cが突出形成されている(図12)。この第3着脱用突起59cは、フロントリアカバー22に重ねられ、ネジ23にて係合一体化される(図4)。
この第2カバー40に対して第3カバー50を上方から被せて係止することにより、全体が一体化される。
フロントキャリア26は矩形枠状をなすパイプ部材からなり、前後方向中間部を側面視で略L字状に屈曲させ、この屈曲部より上方を後傾して上下方向に延びるキャリア上部26a、下方を略水平に前方へ延びるキャリア下部26bとしてある。
しかも、第2カバー40は略U字状凹部35に沿わせる略U字状の部材であるから比較的小型部材である。このため、成形が容易であり高剛性構造にできる。
さらに、この溝部側が車両前後方向にて前方に凸に湾曲する曲面をなすことにより、第2カバー40に前方へ凸の曲面を設けることができる。このため、フロントカバーを組み立てたとき、第2カバー40が前方へ凸の曲面で第1カバー30の略U字状凹部35の内側を高い剛性で支持することができ、フロントカバー全体の剛性を高めることができる。
さらに、キャリア連結部47にはキャリアブラケット28を連結するためのキャリア取付穴47aが設けられているが、このキャリア取付穴47aは、車両正面視にて第3カバー50に重なっている。このため、フロントキャリアを取り外すため、キャリアブラケット28を除去してもキャリア取付穴47aが正面視で見えなくなるので、外観性を維持することができる。
キャリア連結部47は、第2カバー40によって形成される溝Gに設けられるが、その位置は必ずしも前端部でなく、例えば、左右等であってもよい。この場合にも、正面視でステー用取付孔が第3カバー50によって覆われるようにされる。
なお、キャリア連結部47にて連結される部材は、キャリアブラケット28に限らず、ステーやブラケットなど種々な連結部材が可能である。
また、本願が適用される車両が、自動2輪車でなくとも、鞍乗り型車両であればよい。
Claims (5)
- 車両の前部を覆い、複数の部材で形成されたフロントカバー(20)を備えた鞍乗り型車両において、
前記フロントカバー(20)は、車両上方に開放した凹部(35)を有する第1カバー(30)と、
前記凹部(35)に沿うようにその縁部(36)へ配置された略U字状の第2カバー(40)と、
この第2カバー(40)の開放部を覆う第3カバー(50)を備えるとともに、
前記第2カバー(40)は、前記第1カバー(30)及び前記第3カバー(50)の間に沿うように溝部(G)を形成し、
この溝部(G)にフロントキャリア(26)を取付けるためのキャリア連結部(47)
が設けられ、
このキャリア連結部(47)には、キャリア取付穴(47a)が設けられるとともに、このキャリア取付穴(47a)は正面視にて前記第3カバー(50)に重なっていることを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記溝部(G)は、車両前後方向にて前方に凸に湾曲する曲面を持つことを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記第2カバー(40)は、前記第1カバー(30)の内側へ締結により結合されており、
第3カバー(50)は、前記第2カバー(40)に係合して固定されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載した鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記第2カバー(40)には、車幅方向内側に向けてリブ部(48)が設けられ、このリブ部(48)に、前記第3カバー(50)に設けられた着脱用突起部(59b)を係合するための取付穴(49b)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記第3カバー(50)には、凹部(52a)が設けられており、この凹部(52a)が設けられている先端部には下方に凸となる膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の前部構造。
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