JP2015039556A - 椅子座部 - Google Patents
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Abstract
【課題】着座時に臀部の位置と着座姿勢を保ちやすく、かつ長時間着座してもムレ感の生じにくい椅子座部を提供すること。
【解決手段】座板、クッション材および表皮材を座部の基本構成とし、クッション材を表皮材側より座板側へ順に、三次元ランダムループ網状弾性体よりなる上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材の下層部とよりなる二層構造とし、さらに下層部は、その上面側に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を有する構造とし、かつ表皮材は通気性生地の表皮材外層部と通気性軟質ポリウレタン材よりなる表皮材内層部とよりなる積層構造とした。
【選択図】図6
【解決手段】座板、クッション材および表皮材を座部の基本構成とし、クッション材を表皮材側より座板側へ順に、三次元ランダムループ網状弾性体よりなる上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材の下層部とよりなる二層構造とし、さらに下層部は、その上面側に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を有する構造とし、かつ表皮材は通気性生地の表皮材外層部と通気性軟質ポリウレタン材よりなる表皮材内層部とよりなる積層構造とした。
【選択図】図6
Description
本発明は椅子座部に関する。さらに詳しくは、着座性に優れ、かつムレ感のない椅子座部に関する。
従来の椅子は、脚支え部の上部に設けた座部取付部に座板(芯材)を取付け、この座板にクッション材を載置し、必要に応じそのクッション材を上張り地で被覆して座部とした構造が広く採用されている。
上記クッション材としては、従来軟質ポリウレタンフォーム材が広く用いられている。そしてクッション性を高めるため、ポリウレタンフォームの層を厚くする設計が通常採用されている。しかし、ポリウレタンフォームの層を厚くすると、着座者の臀部が沈み込んでしまい、ポリウレタンフォーム材の通気性が不十分なこととあいまって、長時間にわたり着座しているとムレ感が生じるという問題があった。
他方、クッション材として、熱可塑性弾性樹脂の複数の連続線条を三次元的にランダムにループを形成させ、互いに接する線条同士を接着または融着させた構造になる網状弾性体(以下、「三次元ランダムループ網状弾性体」または単に「三次元網状弾性体」と略称することがある。)が知られている。例えば、特開平7−173752号公報(以下、特許文献1)は、熱可塑性弾性樹脂として、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを用いる三次元網状弾性体を開示し、特表2008−545066号公報(以下、特許文献2)は、熱可塑性弾性樹脂としてエチレン-αオレフィン共重合体を用いる三次元網状弾性体を開示している。
上記の三次元網状弾性体はクッション性を備えつつ、通気性にも優れるため、座席用途への使用(例えば、実用新案登録第3114879号公報(以下、特許文献3)、特開平8−10470号公報(以下、特許文献4))が提案されている。
上記クッション材としては、従来軟質ポリウレタンフォーム材が広く用いられている。そしてクッション性を高めるため、ポリウレタンフォームの層を厚くする設計が通常採用されている。しかし、ポリウレタンフォームの層を厚くすると、着座者の臀部が沈み込んでしまい、ポリウレタンフォーム材の通気性が不十分なこととあいまって、長時間にわたり着座しているとムレ感が生じるという問題があった。
他方、クッション材として、熱可塑性弾性樹脂の複数の連続線条を三次元的にランダムにループを形成させ、互いに接する線条同士を接着または融着させた構造になる網状弾性体(以下、「三次元ランダムループ網状弾性体」または単に「三次元網状弾性体」と略称することがある。)が知られている。例えば、特開平7−173752号公報(以下、特許文献1)は、熱可塑性弾性樹脂として、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを用いる三次元網状弾性体を開示し、特表2008−545066号公報(以下、特許文献2)は、熱可塑性弾性樹脂としてエチレン-αオレフィン共重合体を用いる三次元網状弾性体を開示している。
上記の三次元網状弾性体はクッション性を備えつつ、通気性にも優れるため、座席用途への使用(例えば、実用新案登録第3114879号公報(以下、特許文献3)、特開平8−10470号公報(以下、特許文献4))が提案されている。
しかしながら、上記三次元網状弾性体をクッション材に用いた椅子を本発明者らが評価したところ、なお以下の課題を有することを見出した。すなわち、三次元網状弾性体はクッション性と通気性に優れるものの、これを椅子のクッション材として使用すると、同弾性体の弾性率が高く、臀部が前後・左右に動きやすいため、1)着座時に臀部の位置が定まりにくい、2)着座姿勢を保ちにくく、はなはだしい場合には腰に疲れを感じさせるという課題が判明したのである。
そこで、本発明者は、クッション性と通気性に優れる上記三次元網状弾性体の優れた特性を生かしつつ、ムレ感が無く、着座時に臀部の位置が定まり、かつ着座姿勢を保ちやすい椅子の座部の最適な構造について検討を進めた。
そこで、本発明者は、クッション性と通気性に優れる上記三次元網状弾性体の優れた特性を生かしつつ、ムレ感が無く、着座時に臀部の位置が定まり、かつ着座姿勢を保ちやすい椅子の座部の最適な構造について検討を進めた。
上記課題に向けて鋭意検討の結果、本発明者らは、クッション材として三次元網状弾性体を構成部材として含む椅子座部において、イ)上記三次元網状弾性体を上層部とし、特定形状のポリウレタンフォーム材を下層部とする積層構造とし、ロ)表皮材として特定の二層構造の通気性表皮材を用いることにより、上記課題を効果的に解決することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、座板と、その座板に載置されるクッション材と、当該クッション材を覆う通気性表皮材とよりなる椅子座部であって、
イ)上記クッション材は、
i)着座面側より座板側に順に、熱可塑性弾性樹脂の三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部とよりなり、かつ、
ii)上記クッション材下層部はその上表面に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を形成しており、かつ
ロ)上記通気性表皮材は、通気性生地よりなる表皮材外層部と、通気性軟質ポリウレタンフォーム材よりなる表皮材内層部とからなっていることを特徴とする椅子座部である。
すなわち、本発明は、座板と、その座板に載置されるクッション材と、当該クッション材を覆う通気性表皮材とよりなる椅子座部であって、
イ)上記クッション材は、
i)着座面側より座板側に順に、熱可塑性弾性樹脂の三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部とよりなり、かつ、
ii)上記クッション材下層部はその上表面に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を形成しており、かつ
ロ)上記通気性表皮材は、通気性生地よりなる表皮材外層部と、通気性軟質ポリウレタンフォーム材よりなる表皮材内層部とからなっていることを特徴とする椅子座部である。
以下、本発明の椅子座部につき、その構成部材ごとに説明する。
<クッション材の構成>
本発明において、クッション材は、着座面側より座板側へ順に、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材とよりなるクッション材下層部の、積層構造となっている。なお、以下の説明では、本発明の椅子座部を形成する上記クッション材を「本クッション材」と称することがある。
本発明において、クッション材は、着座面側より座板側へ順に、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部と、軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材とよりなるクッション材下層部の、積層構造となっている。なお、以下の説明では、本発明の椅子座部を形成する上記クッション材を「本クッション材」と称することがある。
<三次元ランダムループ網状弾性体(クッション材上層部)>
本発明にいう三次元ランダムループ網状弾性体とは、熱可塑性弾性樹脂の連続線条が三次元的にランダムループ状に絡み、線条同士の接触部分の大部分が接着または融着して成る弾性体をいう。かかる三次元ランダムループ網状弾性体の連続線条を構成する熱可塑性弾性樹脂としては、同弾性体の反発弾性、抗へたり性の観点から、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
本発明にいう三次元ランダムループ網状弾性体とは、熱可塑性弾性樹脂の連続線条が三次元的にランダムループ状に絡み、線条同士の接触部分の大部分が接着または融着して成る弾性体をいう。かかる三次元ランダムループ網状弾性体の連続線条を構成する熱可塑性弾性樹脂としては、同弾性体の反発弾性、抗へたり性の観点から、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
ポリエステル系エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体や、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体を挙げることが出来る。
ポリアミド系エラストマーとしては、ハードセグメントとしてポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド66等及びこれらの共重合ポリアミドを骨格とし、平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコール等のポリアルキレングリコールの少なくとも1種から構成される共重合体をソフトセグメントとするブロック共重合体を挙げることが出来る。
ポリウレタンエラストマーとしては、両末端に活性水素を有する長鎖グリコールと短鎖グリコールを、ジイソシアネート化合物を使用して付加重合して得られ、ポリウレタンをハードセグメントとし、ポリエーテルまたはポリエステルをソフトセグメントとして構成されるブロック共重合体を挙げることが出来る。
ポリオレフィンエラストマーとしては、エチレン/α−オレフィン共重合体を挙げることが出来る。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1―オクテンを例示出来る。
上記の三次元ランダムループ網状弾性体は、熱可塑性弾性樹脂を溶融させて、複数のオリフィスを持つ多列ノズルより、下方に向けて吐出させ、溶融状態で連続線条のループを形成し、それぞれのループを互いに接触させて融着させ三次元構造を形成させながら、引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめて製造される(特許文献1、特許文献2)。上記引き取り装置の挟み込み間隔、引き取り速度を調整することにより所望の厚さの三次元ランダムループ網状弾性体が得られる。
また上記オリフィス形状を調整して、線条断面を異形断面、中空断面とすることにより、同一の見掛け密度であっても、より反発弾性に富み、かつ軽量の三次元ランダムループ網状弾性体とすることもできる。
三次元ランダムループ網状弾性体としては、例えば東洋紡株式会社より「ブレスエア」(東洋紡株式会社登録商標)の商品名にて市販されているものを好適に使用出来る。
三次元ランダムループ網状弾性体は、所望のサイズに裁断して使用することが出来るが、本発明のように、クッション部材としてその周縁部の厚さを薄くし、あるいは同弾性体の線条が形成する包絡面を平面でなく、なだらかな曲面とする場合には、略所望の寸法に裁断した三次元網状弾性体の原反を金型に挟んで加圧成形し、必要に応じ曲面部分を形成しつつ、同時に周縁部を加熱圧着し薄く閉じた構造とすることもできる。
上記三次元ランダムループ網状弾性体よりなる本クッション材上層部の下面(線条が形成する包絡面)は、後記する本クッション材下層部の凹部と向かい合う領域が略平坦面であることが好ましい。
三次元ランダムループ網状弾性体の反発弾性と通気性は、同弾性体を構成する線条の太さ、および空間に占める割合(三次元ランダムループ網状弾性体の見かけ密度)に依存する。
したがい、本発明の目的からは、線条の太さは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが更に好ましい。
三次元ランダムループ網状弾性体の見掛け密度については、10kg/m3以上100kg/m3以下であることが好ましく、20kg/m3以上90kg/m3以下であることがより好ましく、30kg/m3以上80kg/m3以下であることがさらに好ましい。
三次元ランダムループ網状弾性体よりなる本クッション材上層部の厚さは20mm以上40mm以下の範囲であることが好ましく、25mm以上35mm以下であることがより好ましい。
したがい、本発明の目的からは、線条の太さは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが更に好ましい。
三次元ランダムループ網状弾性体の見掛け密度については、10kg/m3以上100kg/m3以下であることが好ましく、20kg/m3以上90kg/m3以下であることがより好ましく、30kg/m3以上80kg/m3以下であることがさらに好ましい。
三次元ランダムループ網状弾性体よりなる本クッション材上層部の厚さは20mm以上40mm以下の範囲であることが好ましく、25mm以上35mm以下であることがより好ましい。
<ポリウレタンフォーム材(クッション材下層部)>
本クッション材では、上記クッション材上層部の下側(座板側)に、ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部が設けられる。本クッション材下層部にて用いるポリウレタンフォームとしては軟質ポリウレタンフォームのほか、半硬質ポリウレタンフォームを好適に用いることができる。また軟質ポリウレタンフォームとしては、一般用ポリウレタンのほか、高弾性ポリウレタン、低反発性ポリウレタン、その他の市販のものを使用することができる。
本クッション材において、そのクッション材下層部は、その上表面に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を形成している。この特異的形状により、着座者の体重が負荷されると、上記凹部に沿って三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部が凹むため、無理なく着座位置が定まる。結果、着座後は臀部の位置が前後・左右にぶれることが無いので着座姿勢が安定し、長時間着座していても腰に疲れを感じにくくなる。
上記の効果は、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部の下面(線条が形成する包絡面)部であって、後記する本クッション材下層部の凹部と向かい合う領域が略平坦面である場合に一層効果的に発揮される。上記の領域が略平坦面である場合には、クッション材下層部とクッション材上層部の積層面の中央部に臀部が収まる範囲の空隙が形成されるので、クッション材上層部はクッション材下層部の凹部形状に沿って確実に凹むようになる。
なお、当該凹部は、臀部のみならず大腿部のフィット感をも向上させるべく、その最深部位置より前方(大腿部が当たる側)に向け、緩やかな傾斜をもって、浅くなる形状となっていることが好ましい。凹部はなだらかな曲面で形成されていることが好ましい。曲面としては、回転楕円体表面の一部をなす曲面、卵形立体表面の一部をなす曲面を挙げることが出来る。他の例示として、本クッション材の着座面に対する垂直面であって上記クッション材下層部凹部の最深部を含む垂直面と、上記凹部の上表面の曲面との交線が、円弧、卵形線または楕円弧、又はそれらの複数の連結曲線よりなっているものを挙げることが出来る。
クッション材下層部のうち、凹部を含まない領域部分の厚さは20mm以上40mm以下の範囲であることが好ましく、25mm以上35mm以下であることがより好ましい。
クッション材下層部の凹部は、その最深部(当該層の凹部を形成する領域中、最も厚さの薄い部分)の厚さが、凹部周辺領域の最大厚さ部分の60〜80%の範囲の厚さであることが好ましく、65〜75%の範囲の厚さであることが更に好ましい。
本クッション材では、上記クッション材上層部の下側(座板側)に、ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部が設けられる。本クッション材下層部にて用いるポリウレタンフォームとしては軟質ポリウレタンフォームのほか、半硬質ポリウレタンフォームを好適に用いることができる。また軟質ポリウレタンフォームとしては、一般用ポリウレタンのほか、高弾性ポリウレタン、低反発性ポリウレタン、その他の市販のものを使用することができる。
本クッション材において、そのクッション材下層部は、その上表面に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を形成している。この特異的形状により、着座者の体重が負荷されると、上記凹部に沿って三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部が凹むため、無理なく着座位置が定まる。結果、着座後は臀部の位置が前後・左右にぶれることが無いので着座姿勢が安定し、長時間着座していても腰に疲れを感じにくくなる。
上記の効果は、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部の下面(線条が形成する包絡面)部であって、後記する本クッション材下層部の凹部と向かい合う領域が略平坦面である場合に一層効果的に発揮される。上記の領域が略平坦面である場合には、クッション材下層部とクッション材上層部の積層面の中央部に臀部が収まる範囲の空隙が形成されるので、クッション材上層部はクッション材下層部の凹部形状に沿って確実に凹むようになる。
なお、当該凹部は、臀部のみならず大腿部のフィット感をも向上させるべく、その最深部位置より前方(大腿部が当たる側)に向け、緩やかな傾斜をもって、浅くなる形状となっていることが好ましい。凹部はなだらかな曲面で形成されていることが好ましい。曲面としては、回転楕円体表面の一部をなす曲面、卵形立体表面の一部をなす曲面を挙げることが出来る。他の例示として、本クッション材の着座面に対する垂直面であって上記クッション材下層部凹部の最深部を含む垂直面と、上記凹部の上表面の曲面との交線が、円弧、卵形線または楕円弧、又はそれらの複数の連結曲線よりなっているものを挙げることが出来る。
クッション材下層部のうち、凹部を含まない領域部分の厚さは20mm以上40mm以下の範囲であることが好ましく、25mm以上35mm以下であることがより好ましい。
クッション材下層部の凹部は、その最深部(当該層の凹部を形成する領域中、最も厚さの薄い部分)の厚さが、凹部周辺領域の最大厚さ部分の60〜80%の範囲の厚さであることが好ましく、65〜75%の範囲の厚さであることが更に好ましい。
<表皮材>
先に述べた三次元ランダムループ網状弾性体は、連続した線条ループの結合体よりなる所定の厚さを有する弾性体の原反として得られるものの、外表面は個々の線条ループの凹凸がむき出しの状態となっている。したがって、本クッション材を通常の表皮材で覆うのみでは、クッション材上層部を構成する三次元ランダムループ網状弾性体の線条ループの凸凹の感触が直接臀部に伝わることになり、すわり心地が悪くなる。このため、本発明の椅子座部の表皮材としては、特別の工夫が必要となる。
そこで、本発明の椅子用座部の表皮材は、通気性に富む上記クッション材の特性を生かしつつ、上記線条ループの凹凸の感触が着座者の臀部に伝わらないよう、以下の、通気性生地よりなる表皮材外層部と、通気性軟質ポリウレタンフォーム材よりなる表皮材内層部よりなる、積層表皮材が選択される。以下では、本発明の椅子座部を構成する上記通気性表皮材を「本発明表皮材」と略称する。
先に述べた三次元ランダムループ網状弾性体は、連続した線条ループの結合体よりなる所定の厚さを有する弾性体の原反として得られるものの、外表面は個々の線条ループの凹凸がむき出しの状態となっている。したがって、本クッション材を通常の表皮材で覆うのみでは、クッション材上層部を構成する三次元ランダムループ網状弾性体の線条ループの凸凹の感触が直接臀部に伝わることになり、すわり心地が悪くなる。このため、本発明の椅子座部の表皮材としては、特別の工夫が必要となる。
そこで、本発明の椅子用座部の表皮材は、通気性に富む上記クッション材の特性を生かしつつ、上記線条ループの凹凸の感触が着座者の臀部に伝わらないよう、以下の、通気性生地よりなる表皮材外層部と、通気性軟質ポリウレタンフォーム材よりなる表皮材内層部よりなる、積層表皮材が選択される。以下では、本発明の椅子座部を構成する上記通気性表皮材を「本発明表皮材」と略称する。
<通気性生地(表皮材外層部)>
本発明表皮材の外層部(着座者臀部が直接触れる側)は、通気性生地にて構成される。発汗等により生じる湿気を下層へ逃し、ムレ感を抑制するためである。通気性生地としては、通気性の布地のほか、メッシュ織地、立体編地等、通気性により優れる織地を好適に使用することができる。素材としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維に代表される合成繊維素材を好適に用いることができる。
透湿性、通気性を考慮すれば、表皮材外層部の厚さは0.2mm〜3mmの範囲であることが好ましい。
本発明表皮材の外層部(着座者臀部が直接触れる側)は、通気性生地にて構成される。発汗等により生じる湿気を下層へ逃し、ムレ感を抑制するためである。通気性生地としては、通気性の布地のほか、メッシュ織地、立体編地等、通気性により優れる織地を好適に使用することができる。素材としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維に代表される合成繊維素材を好適に用いることができる。
透湿性、通気性を考慮すれば、表皮材外層部の厚さは0.2mm〜3mmの範囲であることが好ましい。
<通気性軟質ポリウレタンフォーム(表皮材内層部)>
本発明表皮材の内層部(クッション材に近い側)は、通気性軟質ポリウレタンフォーム材にて構成される。当該表皮材内層部を備えることにより、着座者に上記クッション材上層部の線条ループの凹凸の感触が直接着座者の臀部に伝わるのを抑止できるので、すわり心地を改善できる。また通気性であることから、三次元ランダムループ網状弾性体が有する通気性を損なうことが無い。通気性軟質ポリウレタンフォームとしては、連通セル比率の高い市販の一般軟質ポリウレタンフォームのほか、通気性をより高め、フィルター用ポリウレタンとして市販されているものも好適に使用することができる。
通気性と線条ループの凹凸感抑止の観点から、本表皮材内層部の厚さは、3mm以上7mm以下の範囲であることが好ましく、4mm以上6mm以下であることがより好ましい。
本発明表皮材の内層部(クッション材に近い側)は、通気性軟質ポリウレタンフォーム材にて構成される。当該表皮材内層部を備えることにより、着座者に上記クッション材上層部の線条ループの凹凸の感触が直接着座者の臀部に伝わるのを抑止できるので、すわり心地を改善できる。また通気性であることから、三次元ランダムループ網状弾性体が有する通気性を損なうことが無い。通気性軟質ポリウレタンフォームとしては、連通セル比率の高い市販の一般軟質ポリウレタンフォームのほか、通気性をより高め、フィルター用ポリウレタンとして市販されているものも好適に使用することができる。
通気性と線条ループの凹凸感抑止の観点から、本表皮材内層部の厚さは、3mm以上7mm以下の範囲であることが好ましく、4mm以上6mm以下であることがより好ましい。
<座板>
本発明の椅子用座部において、座板は公知の材料を使用することが出来るが、軽量性、上記クッション材との嵌合性の観点からは、樹脂製材料が好ましい。樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS樹脂、ポリカーボネートその他の熱可塑性樹脂や、FRPを使用することが出来るが、リサイクル性を考慮すると熱可塑性樹脂が好ましく、コスト/パフォーマンスの点からはポリプロピレンが最も好ましい。熱可塑性樹脂は、ガラス繊維などで強化された樹脂であっても良い。座板には、必要に応じ座部取付部と固定できるよう、ねじ穴等の公知の固定部位を設けても良い。
本発明の椅子用座部において、座板は公知の材料を使用することが出来るが、軽量性、上記クッション材との嵌合性の観点からは、樹脂製材料が好ましい。樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS樹脂、ポリカーボネートその他の熱可塑性樹脂や、FRPを使用することが出来るが、リサイクル性を考慮すると熱可塑性樹脂が好ましく、コスト/パフォーマンスの点からはポリプロピレンが最も好ましい。熱可塑性樹脂は、ガラス繊維などで強化された樹脂であっても良い。座板には、必要に応じ座部取付部と固定できるよう、ねじ穴等の公知の固定部位を設けても良い。
<組み立て>
上記部材より、定法に従い椅子を組み立てる。各部材の固定方法は、縫い合わせ、鋲止め(タッカー止め)、接着等の公知の方法より、部材の特性に応じ、選択することができる。
上記部材より、定法に従い椅子を組み立てる。各部材の固定方法は、縫い合わせ、鋲止め(タッカー止め)、接着等の公知の方法より、部材の特性に応じ、選択することができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、実施例により本発明は何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<表皮材の調製>
ポリエステル繊維製メッシュ生地(厚さ2mm)を準備し、表皮材外層部とした。
他方、厚さ5mmの通気性軟質ポリウレタンフォームシートを準備し、表皮材内層部とした。次いで、上記表皮材外層部と表皮材内層部を接着・積層して、二層構造の通気性表皮材を調製した。
<クッション材の作成>
他方、原反厚さ30mmの三次元ランダムループ網状弾性体(ブレスエアー(東洋紡株式会社登録商標)型番:5530、線条太さ:約0.7mm、見掛け密度55kg/m3、素材:ポリエーテルエステル)を予備裁断し、所定形態の型枠(モールド)にて加熱・加圧することにより、周縁部を再融着させた平坦部の厚さ30mmの三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部を調製した。当該クッション材上層部はその周縁部を除き、表面と裏面ともにその包絡面は略平面をなすものである。
他方、別の型枠にて、ポリウレタン原料を注入成形し、凹部を備える所望形状の軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部を作成した(図4)。当該クッション材下層部は、底面平坦部とその周辺の底面傾斜部よりなる。そして当該底面平坦部の上表面には、着座時の臀部と大腿部が当たる範囲に凹部を形成してある(図4,5,6)。最深部は座部前方より奥へ略2/3の位置にある(図6)。最深部より、横方向(着座者を正面より見て左右方向)の上側断面線は楕円弧をなし、縦方向(着座者を正面より見て前後方向)の上側断面線は、最深部にて結合する曲率の異なる複数の楕円弧の連続曲線をなしている。最深部の厚さは20mmであり、当該クッション材下層部の上に上記クッション材上層部を重ねると、クッション材上層部の三次元ランダムループ網状弾性体が形成する略平面の包絡面と、当該クッション材下層部の上表面とが、当該凹部最深部で10mm厚さの空隙が形成される。またクッション材周縁部に向かうに従い、上記空隙の厚みが小さくなる形状となっている。また座板と嵌合させるべく、上記クッション材下層部の周縁部には鉤型形状の嵌合部を設けてある。
上記形態になるクッション材下層部の上表面のうち、凹部を除く領域部分にのみ接着剤を塗布し、上記クッション材上層部と重ねて接合させ、クッション材を作成した。
[実施例1]
<表皮材の調製>
ポリエステル繊維製メッシュ生地(厚さ2mm)を準備し、表皮材外層部とした。
他方、厚さ5mmの通気性軟質ポリウレタンフォームシートを準備し、表皮材内層部とした。次いで、上記表皮材外層部と表皮材内層部を接着・積層して、二層構造の通気性表皮材を調製した。
<クッション材の作成>
他方、原反厚さ30mmの三次元ランダムループ網状弾性体(ブレスエアー(東洋紡株式会社登録商標)型番:5530、線条太さ:約0.7mm、見掛け密度55kg/m3、素材:ポリエーテルエステル)を予備裁断し、所定形態の型枠(モールド)にて加熱・加圧することにより、周縁部を再融着させた平坦部の厚さ30mmの三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部を調製した。当該クッション材上層部はその周縁部を除き、表面と裏面ともにその包絡面は略平面をなすものである。
他方、別の型枠にて、ポリウレタン原料を注入成形し、凹部を備える所望形状の軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部を作成した(図4)。当該クッション材下層部は、底面平坦部とその周辺の底面傾斜部よりなる。そして当該底面平坦部の上表面には、着座時の臀部と大腿部が当たる範囲に凹部を形成してある(図4,5,6)。最深部は座部前方より奥へ略2/3の位置にある(図6)。最深部より、横方向(着座者を正面より見て左右方向)の上側断面線は楕円弧をなし、縦方向(着座者を正面より見て前後方向)の上側断面線は、最深部にて結合する曲率の異なる複数の楕円弧の連続曲線をなしている。最深部の厚さは20mmであり、当該クッション材下層部の上に上記クッション材上層部を重ねると、クッション材上層部の三次元ランダムループ網状弾性体が形成する略平面の包絡面と、当該クッション材下層部の上表面とが、当該凹部最深部で10mm厚さの空隙が形成される。またクッション材周縁部に向かうに従い、上記空隙の厚みが小さくなる形状となっている。また座板と嵌合させるべく、上記クッション材下層部の周縁部には鉤型形状の嵌合部を設けてある。
上記形態になるクッション材下層部の上表面のうち、凹部を除く領域部分にのみ接着剤を塗布し、上記クッション材上層部と重ねて接合させ、クッション材を作成した。
<座板>
ポリプロピレン樹脂を射出成形し、所望形状の座板を作成した(図2,3参照)。本座板は、中央平坦部と、なだらかに傾斜する周縁部とより構成される。本座板の厚さは3mmである。
<椅子の組み立て>
上記座板の上に上記クッション材を重ね、接着剤にて、嵌合・接合させた。
次いで、先に調製した通気性表皮材の裏面に接着剤を塗布した後、当該表皮材にて上記クッション材を包み、さらに座板周縁部下部まで引っ張り、当該表皮材と座板底部とをタップ止めして固定し、椅子座部を組み立てた。
引き続き、別途作成しておいた座部取付部を備える椅子の脚体に、当該椅子座部を取り付け、椅子を作成した。
ポリプロピレン樹脂を射出成形し、所望形状の座板を作成した(図2,3参照)。本座板は、中央平坦部と、なだらかに傾斜する周縁部とより構成される。本座板の厚さは3mmである。
<椅子の組み立て>
上記座板の上に上記クッション材を重ね、接着剤にて、嵌合・接合させた。
次いで、先に調製した通気性表皮材の裏面に接着剤を塗布した後、当該表皮材にて上記クッション材を包み、さらに座板周縁部下部まで引っ張り、当該表皮材と座板底部とをタップ止めして固定し、椅子座部を組み立てた。
引き続き、別途作成しておいた座部取付部を備える椅子の脚体に、当該椅子座部を取り付け、椅子を作成した。
<すわり心地の評価>
試験者3名により、すわり心地を下記項目にて評価した。試験項目、評価結果を以下に示す。
1)着座感:臀部および大腿部に伝わる感触を評価した。試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座中の安定感:椅子に着座し、座部時の沈み込みと着座中の安定感を評価した。試験者全員が「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:着座したままパソコン作業を行い、三時間経過後のムレ感を評価した。試験者全員が「ムレ感なし。」と評価した。
試験者3名により、すわり心地を下記項目にて評価した。試験項目、評価結果を以下に示す。
1)着座感:臀部および大腿部に伝わる感触を評価した。試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座中の安定感:椅子に着座し、座部時の沈み込みと着座中の安定感を評価した。試験者全員が「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:着座したままパソコン作業を行い、三時間経過後のムレ感を評価した。試験者全員が「ムレ感なし。」と評価した。
[比較例1]
実施例1において、クッション材下層部の中央部分を平坦な面として凹部を形成しない形態とし、クッション材上層部を構成する三次元ランダムループ網状構造体の下側表面の包絡面と空隙を生じない形態としたほかは同様にして軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部を形成し、椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座中の安定感:試験者3名のうち、2名は、「座部の反発が強く、ふわふわ弾み、着座位置を決めにくい。着座中の姿勢を安定させにくい。」と評価した。上記2名のうち、1名は3時間連続着座後に、「腰の疲れをやや感じる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者3名全員が「ムレ感なし。」と評価した。
実施例1において、クッション材下層部の中央部分を平坦な面として凹部を形成しない形態とし、クッション材上層部を構成する三次元ランダムループ網状構造体の下側表面の包絡面と空隙を生じない形態としたほかは同様にして軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部を形成し、椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座中の安定感:試験者3名のうち、2名は、「座部の反発が強く、ふわふわ弾み、着座位置を決めにくい。着座中の姿勢を安定させにくい。」と評価した。上記2名のうち、1名は3時間連続着座後に、「腰の疲れをやや感じる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者3名全員が「ムレ感なし。」と評価した。
[比較例2]
実施例1において、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部に代えて、同一寸法・同一形状の軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材上層部を作成し、椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座時の安定感:試験者3名全員が、「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者2名が「ムレ感を感じる。」、1名が「ややムレ感を感じる。」と評価した。
実施例1において、三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部に代えて、同一寸法・同一形状の軟質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材上層部を作成し、椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が「凸凹感はなく、心地良い着座感である。」と評価した。
2)着座時の安定感:試験者3名全員が、「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者2名が「ムレ感を感じる。」、1名が「ややムレ感を感じる。」と評価した。
[比較例3]
実施例1において、表皮材内層(通気性軟質ポリウレタンフォーム材の層)を省き、表皮材外層部(通気性生地)のみからなる表皮材を用いたほかは同様にして椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が、「着座時に、座部表面の凹凸感を感じ、不快である。」と評価した。
2)着座中の安定感:試験者3名全員が、「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者3名全員が「ムレ感なし。」と評価した。
実施例1において、表皮材内層(通気性軟質ポリウレタンフォーム材の層)を省き、表皮材外層部(通気性生地)のみからなる表皮材を用いたほかは同様にして椅子を組み立て、すわり心地を評価し、以下の結果を得た。
1)着座感:試験者全員が、「着座時に、座部表面の凹凸感を感じ、不快である。」と評価した。
2)着座中の安定感:試験者3名全員が、「安定した着座感が得られる。」と評価した。
3)ムレ感:試験者3名全員が「ムレ感なし。」と評価した。
上記、ムレ感の評価について、客観的・定量的評価を行うべく、以下の要領で、着座時における臀部付近の実際の湿度を測定した。
[実施例2]
実施例1で用いた椅子の座部表面の臀部が当たる中央箇所に湿度計と温度計をセットし、試験者A(男性)、試験者B(女性)に着座させ、30分、90分経過後の臀部近傍の湿度、環境湿度、湿度差(臀部近傍湿度と環境湿度との差)、臀部近傍温度、環境温度を計測した。上記の湿度差がムレ感の尺度となるものである。(試験日時は、AとBとで異なる。) 結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いた椅子の座部表面の臀部が当たる中央箇所に湿度計と温度計をセットし、試験者A(男性)、試験者B(女性)に着座させ、30分、90分経過後の臀部近傍の湿度、環境湿度、湿度差(臀部近傍湿度と環境湿度との差)、臀部近傍温度、環境温度を計測した。上記の湿度差がムレ感の尺度となるものである。(試験日時は、AとBとで異なる。) 結果を表1に示す。
[比較例4]
比較例2で用いた椅子を用いたほかは、実施例2と同様にして計測を行った。結果を表1に示す。
比較例2で用いた椅子を用いたほかは、実施例2と同様にして計測を行った。結果を表1に示す。
1.座部
2.座板
3.クッション材
31.クッション材上層部
311.線条
32.クッション材下層部
321.凹部
4.表皮材
41.表皮材外層部
42.表皮材内層部
5.空隙
6.包絡面
2.座板
3.クッション材
31.クッション材上層部
311.線条
32.クッション材下層部
321.凹部
4.表皮材
41.表皮材外層部
42.表皮材内層部
5.空隙
6.包絡面
Claims (5)
- 座板と、当該座板に載置されるクッション材と、前記クッション材を覆う通気性表皮材とよりなる椅子座部であって、
イ)前記クッション材は、
i) 着座面側より前記座板側に順に、
三次元ランダムループ網状弾性体よりなるクッション材上層部と、
軟質ポリウレタンフォーム材または半硬質ポリウレタンフォーム材よりなるクッション材下層部とよりなり、かつ、
ii) 前記クッション材下層部はその上表面に着座者の臀部が収まる範囲に凹部を形成しており、
ロ)前記通気性表皮材は、通気性生地よりなる表皮材外層部と、通気性軟質ポリウレタンフォーム材よりなる表皮材内層部とからなっている、
ことを特徴とする椅子座部。 - 前記クッション材上層部の下面のうち、前記クッション材下層部の凹部と向かい合う領域は略平坦面である請求項1に記載の椅子座部。
- 前記凹部の上表面が曲面である請求項1又は2のいずれかに記載の椅子座部。
- 前記クッション材の着座面に対する垂直面であって前記クッション材下層部凹部の最深部を含む垂直面と、上記凹部の上表面の曲面との交線が、円弧、卵形線または楕円弧、又はそれらの複数の連結曲線よりなっている請求項3記載の椅子座部。
- 前記クッション材下層部の凹部は、その最深部(前記クッション材下層部の凹部を形成する領域で、最も厚さの薄い部分)の厚さが、前記クッション材下層部の凹部周辺領域の最大厚さ部分の60〜80%の範囲の厚さである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の椅子座部。
Priority Applications (1)
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JP2013172729A JP2015039556A (ja) | 2013-08-22 | 2013-08-22 | 椅子座部 |
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---|---|---|---|---|
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-
2013
- 2013-08-22 JP JP2013172729A patent/JP2015039556A/ja active Pending
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