明 細 書 油圧式車軸駆動装置 技術分野
本発明は、 農用 トラクタ、 乗用芝刈機、 建設機械等の各種産業車両用 として 四輪駆動 · 二輪操舵式車両や四輪駆動 · 四輪操舵式車両に備えられる車軸駆動 装置であつて、 例えばトラク夕の前輪用車軸駆 装置として提供される 、 車 m フレームに対し前後方向の軸を中心に揺動可能に取り付けられるセンタピポッ トタイプのものの構成に関する 背景技術
従来、 油圧駆動による車軸駆 を備える農用 トラク夕 、 乗用芝刈機、 建 設機械等の各種産業車両については、 多く の関連技術が開示されており 、 各技 術においては、 それぞれ、 特徴的な性能を呈するものである
その中で、 特によく トラク夕の前輪用車軸駆動装置として提供されるセンタ ピボッ 卜型の車軸駆動装置であつて、 左右車軸を差動可能に 、 各車軸を —対の 油圧モー夕の各々にて駆動するものとした構造のものが、 曰本特開昭 5 5一 1
3 2 3 2 5号で開示されている
この開示された車軸駆動装置は、 刖輪車軸に関する地上 、 即ち、 グラン ド ク リ アランスを拡大するため、 左右一対の前輪駆動軸を内装支持するァクスル ケースの上端に前輪駆動用の左右一対の油圧モ一夕が、 そのモ一夕軸を略鉛直 に配置した状態で立設されて、 各前輪駆動軸に駆動連結されている。
しかし、 この車軸駆動装置では、 左右一対の油圧モ一夕が該アクスルケ一ス よ り上方突出状に配置されているため、 この油圧モータの高さ分が、 直接的に 走行駆動伝達系の装置全体を髙く してしまう。 また、 これらの油圧モ一夕は、 アクスルケースの外側にて該アクスルケースと直角状に配されており、 仕組み 性が悪く 、 コ ンパク ト性も欠いている。
また、 上記作業車両に関し、 旋回時に前輪の回転数を増加させて旋回性の向
上を図る、いわゆる前輪増速の技術につい ::開示する文献が多数存在している。 例えば、 曰本特開 2 0 0 1 - 1 7 8 2 0 8号公報にて開示されるところの技 術は 、 摩擦クラッチを備える前輪変速装置を備え、 前輪が直進位置から右又は 左に設定角度以上に旋回操作された際に、 前記摩擦クラッチを接続し、 これに よ り 、 前輪駆動用の ラィブシャフ 卜の回転数を後輪駆動用の ドライブシャフ 卜の回転数よ り も大さ <するといったものである。
しかし、 上 sii文献に記載される技術においては、 ステアリ ングハン ドルの操 作量が少ないときは H'J ra増速が行われず、 規定の操作量にまで達したときに初 めて前輪増速が行われることから、 ステアリ ングハン ドルの操作量の全範囲に おいて追従して行われるものではなく、 オペレータに違和感を与える ともあ る といえる 。 また、 摩擦クラッチを備える前輪変速装置を設ける ことは 、 車体 構成の複雑化、 車重の増大といった面からも改善の余地があるといえる
また 車両腹部にモアをミ ッ ドマゥン 卜する場合、 ドライブシャフ の存在 によ り モァのための空間が狭く、 その装着性、 メ ンテナンス性が亜い 。 さ ら に、 ドラィブシャフ トの存在により、 乗降デッキを下げることがでさない。 また ライブシャフ トカゝら前輪に至る伝動系には機械式のデフ機構が存在 し、 ァクスルケ一スにおいて径方向に大きな機械式のデフ機構を内 するため のスぺ ―スが必要となり、 地上高が低められるのである。 発明の開示
本発明の主要目的は、 左右車輪を各別に駆動する一対の油圧モータを備えな がら、 十分なグラン ドク リ アランスを確保しつつも上下高の小さいコンパク ト な車軸駆動装置であって、 車両フレームに対し前後方向の軸を中心に揺動可能 に取り付けられるセンタピボッ トタイプのものを提供する ことである。
上記の主要目的を達成すべく、 本発明に係る車軸駆動装置は、 左右走行車輪 を各別に操舵自在に支持する一対の車輪支持ュニッ トを、 アクスルケースの両 外端にそれぞれ支持するとともに、 該アクスルケ一スに一対の油圧モータと、 両油圧モータ同士を流体接続するとともに両油圧モータを該アクスルケ一ス外 の油圧源に接続可能とするための接続手段とを収納し、 各油圧モータのモー夕
軸を該アクスルケ一スの長手方向に配して軸支し、 前記各走行車輪に動力連結 してなる。
好ましく は、 前記アクスルケ一スは、 車両フレームに対し、 前後方向軸線を 中心軸として揺動可能に懸架される。
以上のような構成の車軸駆動装置は、 アクスルケースの外部に油圧モータが 存在しないので、 上下幅を最小限に抑えたものとなっており、 本発明の車軸駆 動装置を備えた車両のグランドク リ アランスを拡大する一方で、 車両のコンパ ク ト性を確保する ことができる。 また、 前後輪間に ドライブシャフ トが存在し ないため、 例えば車両がローンモア トラクタである場合には、 ミ ツ ドマウン ト モアを容易に装着でき、 その昇降スペースも確保することができる。 さ らに、 両油圧モータ と油圧ポンプと.を連通する油圧回路により、 車軸に過負荷がかか つた場合のピーク トルクを吸収する ことができ、 トルク リ ミ ッタと同様の作用 を呈させる ことができる。
また、 前記の車軸駆動装置において、 好ましく は、 前記アクスルケース内に は、 前記の前後方向に沿う揺動中心より も左右一側に、 前記一対の油圧モータ を収容する部屋が形成されている。 これにより、 アクスルケースの上下幅を最 小限に抑えることができる。
また、前記油圧モータが収容される部屋は、油溜ま り を形成していると共に、 前記車軸支持ュニッ トに対して油流通不能に区画されているため、 油圧モータ を駆動する作動油が、 車輪支持ユニッ ト側へ流入することがなく 、 作動油の漏 れによる油量の減少といった不具合が生じることもない。
また、 前記車軸駆動装置は、 好ましくは、 それぞれ前記各モータ軸の回転を 前記各車輪に減速して伝達するための一対の減速歯車機構を備える。 前記各減 速歯車機構は、 遊星歯車機構を含むものとしてもよい。
さ らに好ましく は、 前記各減速歯車機構は、 前記各車軸駆動ユニッ ト内に収 納される傘歯車機構を含み、 前記モータ軸と前記走行車輪の中心軸とは上下方 向にオフセッ トされ、 前記傘歯車機構を介して互いに連結されている。 また、 この構成において、 さ らに好ましく は、 前記各減速歯車機構は、 前記アクスル ケース内に収納される遊星歯車機構を含んでいる。
T JP2003/016635 れによ り、 効率的な減速が可能であると同時に、 よ り容積の小さい油圧モ
―夕を使用することができて、 車軸駆動送致のコンパク ト化に貢献する。 さ ら に 前記減速歯車機構をモータ軸と同軸上に構成できる こと力、ら、 アクスルケ
―スの上下幅を小さ く維持することができる。
前記アクスルケースにおける一対の油圧モータ及びその関係の構成要素につ いての第一の配置様態においては、 前記車軸駆動装置における前記接続手段と して 、 対向する外面にそれぞれ前記各油圧モータを付設するためのモータ付設 面を形成するとともに、 内部に前記両油圧モ一夕同士を相互に流体接続するた めの —対の油路を形成したセンタセクショ ンを備えている。
のよう に一つのセンタセクシ ンを両油圧モータで共有することで、 部品 点数が少なくなり、 車軸駆動装置の左右長を抑制できる よ 、 1 ~ンタセクシ
3 ンを両アクスルケ一ス間で挟装支持した場合は、 車軸駆動装置の左お軸心を 中心とする径方向のサイズを抑制することができ、 一方 、 該センタセクショ ン を 、 記ハウジング部に内装した場合には、 油圧駆動ュニッ 卜内の油の高度なシ 一ル性を確保する ことができる。
また、 この第一様態において、 好ましく は、 前記一対の油路は、 目 ij t 両モー タ付設面間において、 該モータ付設面と平行な、 どの断面においても、 同一の キ ドニ一形状である。 このように、 該両油圧モー夕同士を流体接続するための 一対の油路を、 単体のセンタセクショ ンに簡単な穿孔作業で構成する こ とがで きる。
また、 この第 様態において 、 言 IJ 己ァクスルケースは 、 その長手方向に対し 略直角な面で分離可能に接合された少なく とも 2つのケース要素を有し 、 前記 センタセクショ ンは 、 該両ケース要素同士の接合部の内側近傍に分離自在に取 り付けられている のよう に構成することで、 ァクスルケ一スのケ一ス要素 を分離すればセン夕セクショ ンを着脱する とができ 良好なメンテナンス性 を確保できる。
或いは、 この第一様態において 、 刖 siァクスルケ一スはその 手方向に対し 略直角な面で分離された少な < とも 2つのケ一ス要素を有し、 記センタセク ショ ン!1ま、 該両ケ一ス惠奉の間に挟み込まれている。 センタセクショ ンがァク
スルケ一スに対し着脱容易であり、 また、 アクスルケースの長手方向に対し直 角の方向の大きさを縮小することができる。 また、 該センタセクショ ンに 、 両 油圧モ ―夕の油圧源に対するポ — トを容易に構成でき、 アクスルケースにこの ポー 卜を構成するための加工を施す必要がないため、 アクスルケースを簡素化 できる
|IJ sdのアクスルケ一スにおける一対の油圧モータ及びその関係の構成要素に ついての第二の配置様態においては、 前記接続手段は、 一対のセンタセクショ ンよ りなるものであって、 それぞれ、 前記各油圧モータを付設するためのモ一 夕付設面を有する とともに、 内部に該モータ付設面に付設した該各油圧モ —夕 をもう一方のセンタセク ショ ンに付設した油圧モータに流体接続するための油 路と、 該各油圧モータを相互に流体接続し更に前記油圧源に流体接続するため の油路とを含んでいる。
このよう に、 左右一対の油圧モータに対し各別にセンタセクショ ンを設ける ことで 、 各センタセクショ ン自体はコンパク トで内部の油路も簡素にする こ と ができ 、 加工が容易化される。
この第二様態において、 前記アクスルケ一スはその長手方向に対し略直角な 面で分離可能に接合された少な < とち一対のケース要素よりなり、 前記一対の センタセクショ ンの各々該各ケ —ス要素に内装している。 このため、 それぞれ の油圧モー夕及びセンタセクショ ンを組み入れたケース要素同士を接続すれば、 簡単に一対の油圧モー夕を組み込んだアクスルケースを構成することができる また、 ケース要素を分離して 、 それぞれの油圧モー夕及びセン夕セクショ ンに 簡単にメ ンテナンスを施すことができる。
また、 この第二様態において、 前記両センタセクショ ンは、 互いに向かい合 う面にそれぞれ前記モ一タ付設面を形成し、 該各モ一夕付設面に付設した前記 各油圧モータは、 反セン夕セクショ ン側に斜板を有しており、 該両油圧モータ の斜板同士が、 その間の前記のアクスルケ一ス長手方向と直角の面を介して対 称状に傾斜して配置されている。
さ らに、 前記両油圧モ一夕を可変容積型として、 その前記各斜板を可動斜板 として前記アクスルケースに傾転自在に支持させ、 前記両可動斜板間にサボ一
トブロックを設け、 該サポートブロックにて両可動斜板の傾斜角度の調整装置 を構成し、 該調整装置は、 前記走行車輪の操舵角に応じて該両可動斜板の傾斜 角度を調整する構成とする。
このよう に、一対の斜板を両油圧モータ間にて集中して支持する ことができ、 特に両斜板が可動斜板である場合に、 これらを一つのサポ一 卜ブ ックで支持 する ことができ、 可動斜板同士の連係構造を構成しゃすい。
また、 本発明の第二の目的は 、 前述の如く一対の油圧モー夕をァクスルケ一 スに組み込み、 該アクスルケ一スに左右一対の車輪支持ュニッ 卜を接合してな るものであって、 旋回時の車輪の引きずり をな < し (車両が Π一ンモァである 時は、 該引きずり による芝面の損傷をなく し)、 スムーズな旋回性を確保するベ
< 、 操舵に伴う車輪の速度変更 (特に前輪增速 ) のための、 即ち 、 油圧モ一夕 の出力変更のための機構を採用した油圧式車軸駆動装置を提供することである この第二目的を達成するための第一様態においては、 前記一対の油圧モ一夕 は可変容積型に構成されるとともに、 両油圧モ ―夕の容積が前記両走行車輪の 操舵角に応じて調整されるよう に構成している
これにより、 本車軸駆動装置で支持する左右の車輪を操舵角に連動して変速
(増速) させる ことができ、 例えば本発明の車軸駆動装置を前輪用の車軸駆動 装置として適用する車両において、 前輪増速によつて旋回性能の向上を図る とができる。
また、 該第二目的を達成するための第二様態においては、 前記一対の油圧モ 一夕は、 可変容積型に構成されるとともに、 刖記油圧源から前記油圧モ一夕へ の作動油の供給量を流量制御手段により制限されるよう に構成している
このよう に、 良好な旋回性能を確保すべく油圧モ一夕の出力回転を制御する 構造として、 油圧モータを可変容積型として、 可動斜板でその吐出量を変更す る他に、 油圧モー夕への作動油の制御でその出力回転数を制御できるので、 油 圧モータ自体の容量を抑えることができ、 また、 その出力を伝達するためのギ ャ ト レーンのコンパク ト化も図ることができる。
また、 該第二目的を達成するための第三様態においては、 前記一対の油圧モ —夕は、 固定容積型に構成されるとともに、 前記油圧源から前記油圧モータへ
の作動油の供給量を走行車輪の操舵角に応じて調整するように構成している。 これにより、 良好な旋回性能を確保するために、 仕組みが容易な固定容積型 の油圧モータを用いる ことができ、 複雑な可動斜板の連動機構を不要として、 車軸駆動装置の構造を簡素化できる。
以上のように、 差動自在の左右一対の車軸を一対の油圧モー夕にて各別に駆 動する構成の車軸駆動装置に、 操舵に伴って該モ一夕の容積或いは流量を変更 する機構を設けることによ り、 従来のよう に特別な配置スペースが必要なドラ ィブシャフ トを不要とする、 操舵時の車輪速度変更機構 (例えば前輪増速機構) を提供することができ、 仕組みの容易性、 車体構成の簡易化、 車重の軽量化を 確保できる。
さ らに、 本発明の第三の目的は、 差動可能な左右一対の車軸とそれを各別に 駆動する一対の油圧モー夕からなる車軸駆動装置であって、 良好な仕組み性を 確保したものを提供することである。
この目的を達成すべく 、 本発明の車軸駆動装置は、 左右一対の車軸を支持す るァクスルケースの前後一側に開口を設け、 該車軸を各別に駆動する一対の油 圧モータを組み付けたアセンブリ を該アクスルケ一スに取り付ける ことによつ て、 該開口を介して、 該一対の油圧モータを該アクスルケ一ス内に配設できる 構成としている。
このように、 該一対の油圧モ一夕がアセンブリ として一体化されて 、 アクス ルケースに容易に組み付け可能となっている。
また、 好ましく は、 前記ァセンブリ には、 前記一対の油圧モータを支持する カバーを備え、 該アセンブリ を前記アクスルケースに取り付けることにより、 該カバーが該アクスルケ一スの開口を覆う構成としている。
これによ り、 アセンブリ をケ一スに仕組むと同時に、 開口を閉じるための作 業が同時に行え、 作業工数の削減により、 仕組み性の向上が図られる
また、 好ましく は、 前記開口は車両の前後内側に設けられており 、 前記油圧 モータの—対は前記アクスルケ一ス内において相互に一対の油路を介して流体 接続されていると共に、 前記カバ一を通じて前記油路の各々を前記ァクスルケ ース外の油圧源と流体接続可能に構成している。
16635 このよう に、 カバ —を利用して、 両油圧モータを油圧源に流体接続するため の構造を簡単に構成することができる。
また、 好まし 、 前記アセンブリ には、 前記油圧モータを付設するための モ ―夕付設面を したセンタセクショ ンが組み付けられており、 前記両油圧 モ 夕は 該セ セクショ ンを中心に略対称状に配設されている。
れによ Ό のシリ ンダブロックにて摺動されるビス トンによ り生じる ァキシャル方向 重が互いに打ち消しあい、 荷重バランスが良好となる。 また、 好まし 、 前記アセンブリ には、 前記両油圧モータそれぞれの斜板 のま持部を設け ともに、 該支持部に、 前記ァクスルケースに対する嵌合部 を設けている
れによ D スルケ一スに対するアセンブリ の位置決めがさ らに容易と なり 、 仕組み性の向上や、 モータ軸の芯ずれ防止が図られる。
本発明の第四の目的は、 差動可能な左右一対の車:軸とそれを各別に駆動する 一対の油圧モータからなる車軸駆動装置であって 操舵時の可動斜板制御のた めのコ ン ト ロール系のコンパク ト性を確保したものを提供する ことである の目的を達成すべく 、 本発明の車軸駆動装置は、 左右一対の車軸と、 該車 軸を各別に駆動するべく連結され、 共通の油圧源 対し並列状に接続可能に構 成された一対の'可変容積型油圧モータと、 該車軸に各別に操舵自在に取り付け られる一対の車輪とよ りなり、 該一対の車輪のうち、 少なく ともどち らか一 の舵角に応じて、 該一対の油圧モ一夕が容積変更されるように構成している。 このよう に、 旋回時における一車輪の左右回動角の検出に応じて油圧モ タ の容積変更を行う構成とすることで、 ステアリ ング操作手段と油圧モ一夕の可 動斜板との間にリ ンク機構を設ける必要がなくなり、 当該検出のための機構も 該車軸駆動装置に一体的に組み合わせることができるのである
また、 このような構成において、 好ましく は、 前記各油圧モ一夕は容積調整 器を具備するとともに、 該各容積調整器を規定位置に維持するよう に付勢する 付勢手段を設け、 前記車輪の舵角が大きくなるにつれて、 該各付勢手段の付勢 力に抗して該各容積調整器を、 その容積が小さくなる方向へ位置変更させるよ う に、 前記車輪から操舵具に至るまでの可動部と前記容積調整器とが連動連係
されている。
これにより、 車軸駆動装置を前輪側として配する車両においては、 車軸の左 右回動角に応じて前輪が増速される構成として、 旋回性の優れた車両を構成す る こ とができる。
さ らに好ましく は、 前記容積調整器の付勢手段の固定側を任意位置に変更自 在に調節する機構を設け、 前記容積調整器の前記規定位置を微調整可能に構成 している。
これによ り、 左右の油圧モ一夕のモータ軸の相対速度差をなくすことや、 四 輪駆動に構成される車両に搭載される場合には、 他方の車軸駆動装置の車軸の 回転数との調和といった調整が可能となる。
また、 好ましく は、 前記各油圧モータの前記容積調整器の位置を変更操作す るコ ン トロールアームのそれぞれに対し、 前記車輪の舵角に応じて回動する共 通の リ ンクアームを、 カム機構を介して連結し、 該カム機構は、 前記走行車輪 の操舵に伴う リ ンクアームの回動量を低減して該コン トロールアームに伝達す るよう に構成されている。 この構成は、 リ ンクの移動量がコン トロールアーム を操作するための操作量と比較して大きく構成される場合に有効である。 また、前記カム機構は、前記走行輪を右切り、左切りのどち らに操舵しても、 コン ト ロールアームの回動量を同じにするよう に、 カム比が設定されている。 これによ り、 一方の車輪側と連係した単一のカム軸による簡単な構成で、 右切 り と左切り のときの増速制御を一致させる ことができる。
また、 左右一対の車軸と、 該車軸を各別に駆動する一対の油圧モータと、 操 舵自在とする一対の走行車輪とよ りなる車軸駆動装置において、 該一対の走行 車輪同士を連動させるタイ ロッ ドを該車軸駆動装置に対し車両の前後内側に設 けている。
これによ り、 タイ ロッ ドと、 油圧配管とが互いに干渉することなく ケースの 前後に振り分けられ、 限られたスペースでの有効配置が可能となる。 また、 タ イ ロ ッ ドがアクスルケースの後側となるので、 車軸駆動装置が前方の障害物に 干渉した際にも、 タイ ロッ ドの損傷がまぬがれ、 左右の車輪の連動操作が確保 される ことから、 保安上も良好な設計となっている。
の構成において、好ましく は、前記車軸駆動装置に対し車両の前後内側に、 パワーステァリ ング用のァクチユエ一夕が配 されている
このよう に 、 (油圧シリ ンダ等の) パワーステァ U ング用ァクチュェ一タが配 設されているので、 油圧ァクチユエ一夕が車軸駆動装置に一体的に組み込まれ る構成となつて、 車両への搭載後に必要となる作業ェ数の削減や、 ュニッ 卜 と しての取り扱い性の向上が図られる。
本発明の第五の目的は 、 差動可能な左右一対の車軸とそれを各別に駆動する 一対の油圧モータからなる車軸駆動装置のうち 、 該油圧モ一夕を可変容積型と したものであって、 よ り一層のコンパク ト化ゃ部品点数の削減を実現するもの を提供する こ とである
この目的を達成すベく 、 本発明に係る車軸駆動装置は、 3 2 . 左右一対の車 軸を支持するアクスルケ ―スに 、 該車軸を各別に駆動する一対の油圧モ —夕を 具備し、 該両油圧モ —夕を共通の油圧源に対し並列状に接続可能に構成した油 圧駆動ュニッ 卜を内装した車軸駆動装置であつて、 前記油圧駆動ュニッ 卜は、 前記一対の油圧モータの間に配置される共通の可動斜板を備え、 該可動斜板の 傾動に伴って前記一対の油圧モータの各々が、一方が増加すれば他方も増加し、 一方が減少すれば他方も減少するよう に構成してある。
れによ Ό 一つの可動斜板で一対の油圧モータを同時に制御でさ 可動斜 板の傾斜角 を変更するためのコン トロール系のシンプル化を図る とができ 油圧駆動ュ一ッ 卜をシンプル且つコ ンパク 卜にする とができる また 、 部品 点数の削減を図る とができる。
ように構成した とを特徴とする油圧式車軸駆動装置
また、 好まし < は 、 前記油圧駆動ュニッ 卜は、 前記一対の油圧モ ―タそれぞ れの給排ポー トを有する一対のセンタセクショ ンを備えると共に、 該給排ポー トを相互に連結する油路が形設されたモータハウジングに収納されて、 ュニッ ト状に構成されている。
これによ り、 仕組み性の向上を図ることができるとともに、 ユニッ ト化によ り汎用性が向上するものである。また、ハウジングに油路を形設しているため、 外部配管をなくすことができ、 信頼性が向上するとともに、 車軸駆動装置の周
囲が複雑になるこ とがない。
また、 好ましく は、 前記可動斜板は、 前記車軸の各々に操舵自在に支持され た走行車輪の操舵に伴って傾動する。
このため、 操舵によって車輪の角度が変更される と同時に可動斜板の傾斜角 度を変更する ことが可能となり、 旋回時に前輪の回転数を変更して旋回性の向 上を図る ことができる。
さ らに好ましく は、 前記可動斜板の傾倒姿勢は、 右折時と左折時とで等しい 任意の舵角に対応し、 右折時と左折時とで同一である。
このため、 左右何れの旋回時においても、 舵角が等しい場合は、 可動斜板の 傾斜姿勢が同一なので、 各油圧モータの出力も、 左右折何れの場合にも等しく なる。 即ち、 右折時の舵角の変位に伴う速度変化と左折時の舵角の変位に伴う 速度変化とが均等になり、 運転手に違和感を生じさせない。
また、 好ましく は、 前記可動斜板は、 前記走行車輪を操舵させるパワーステ ァリ ング用の伸縮駆動型ァクチユエ一夕に連係されており、 該ァクチユエ一夕 が伸長時と収縮時とでス トロークが異なる場合に対応して、 該ァクチユエ一夕 と該可動斜板との間のリ ンク比を、 該ァクチユエ一夕の伸長時と収縮時とで異 ならせている。
これによ り、 左右の車輪に角度差をつけて旋回する構造の車両においては、 パワーステアリ ング用の伸縮駆動型ァクチユエ一夕が伸長時と収縮時とでス ト ロークが異なる場合があるが、 このような場合であっても、 前記のよう に、 右 折時の舵角の変位に伴う速度変化と左折時の舵角の変位に伴う速度変化とが均 等になるという効果が得られる。
また、 好ましく は、 前記アクスルケ一スは、 該アクスルケ一スの長手方向に 対し略直角な面で分離可能な複数のケース要素を接合してなり、 該ケース要素 の増減によ り トレツ ドを任意に変更自在に構成されている。
これによ り、 顧客ニーズに対応した トレッ ドの車両を提供でき、 油圧駆動ュ ニッ トの汎用性を向上できる。
以上の、 また、 それ以外の目的、 特徴、 効果については、 以下の添付の図面 を元にした詳細な説明により明らかになるであろう。
03 016635 図面の簡単な説明
第 1 図は、 本発明の油圧式車軸駆動装置を備える車両の構成を示す平面図で ある。
第 2 図は、 同じく車軸駆動装置の正面一部断面図である。
第 3 図は、 同じく車軸駆動装置の連動機構の構成の一実施形態を示す平面図 である。
第 4図は、 同車軸駆動装置に備えるセンタセクショ ン周辺の側面断面図であ る。
第 5 図は、 同車軸駆動装置を備えた車両の走行駆動系の油圧回路図である。 第 6 図は、 第 2実施例の油圧回路構成を示す油圧回路図である。
第 7 図は、 第 3実施例の車軸駆動装置の正面一部断面図である。
第 8 図は、 車軸駆動装置に備えるセンタセクショ ン周辺の側面断面図である 第 9図は、 第 4実施例の車軸駆動装置の正面一部断面図である。
第 1 0 図は、 同車軸駆動装置を備えた車両の走行駆動系の油圧回路図である 第 1 1 図は、 同じく他の油圧回路構成を示す油圧回路図である。
第 1 2 図は、 第 5実施例の車軸駆動装置の正面一部断面図である。
第 1 3 図は、 油圧式斜板角調整装置の油圧動作に関する油圧回路図である。 第 1 4図は、 第 6実施例の車軸駆動装置の正面一部断面図である。
第 1 5図は、 第 7実施例の車軸駆動装置の平面一部断面図である。
第 1 6 図は、 同じく一部後面断面図である。
第 1 7 図は、 同じく油圧駆動ユニッ ト部分の平面一部断面図である。
第 1 8 図は、 同じく カバ一部分の後面図である。
第 1 9 図は、 カバーと油圧駆動ュニッ ト とをアセンブリ とした状態を示す斜 視図である
第 2 0 図は、 油圧モータに関する構成を示す斜視図である。
第 2 1 図は、 第 1 5 図における A— A線断面図である。
第 2 2 図は、 タイ ロッ ドの移動をカム軸アームに入力させる構成について示 す平面図である。
第 2 3図は、 第 2 2図の構成における連結機構を示す後面一部断面図である 第 2 4図は、 カム機構の動作について示す図である。
第 2 5 図は、 同じくカム機構における構造について示す図である。
第 2 6 図は、 同じくカム機構の他の構成を示す図である。
第 2 7 図は、 ( a ) は、 ハン ドルを左に切った場合のカム軸アームの揺動角度 について示す図である。 ( b ) は、 同じくハン ドルを右に切った場合のカム軸ァ ームの揺 について示す図である。
第 2 8 図は、 ( a ) は、 第 1 6 図の構成における可動斜板の傾倒について示す 図であ り 、 ( b ) は、 第 2 6 図の構成に対応する為の可動斜板の傾倒について示 す図である
第 2 9 図は、 第 8実施例における車軸駆動装置の油圧駆動ュニッ 卜部分の前 面一部断面図でめる。
第 3 0 図は、 同じく平面一部断面図である。
第 3 1 図は、 第 3 0 図における A— A線断面図である。
第 3 2 図は、 第 3 0 図における C— C線断面図である。
第 3 3 図は、 第 3 0 図における B— B線断面図である。
第 3 4図は、 第 9実施例における車軸駆動装置の油圧駆動ュニッ 卜部分の後 面一部断面図でめる。
第 3 5 図は、 第 3 4図における A— A線断面図である。
第 3 6 図は、 同じく第 9実施例における車軸駆動装置のカバ一部分の後面図 である
第 3 7 図は、 第 1 0実施例につき、 車両の油圧回路構成について示す図であ る。
第 3 8 図は、 第 1 1実施例における車軸駆動装置の平面図である。
第 3 9 図は、 同車軸駆動装置の後面断面図である。
第 4 0 図は、 同車軸駆動装置の後面断面一部拡大図である。
第 4 1 図は、 第 3 8図における A— A矢視断面図である。
第 4 2 図は、 連動機構の後面図である。
第 4 3 図は、 左側センタセクショ ンの側面図である。
第 4 4図は、 右側センタセクショ ンの側面図である。
第 4 5 図は、 アクスルケースの構成を示す後面断面図である。
第 4 6 図は、 第 1 1実施例における車軸駆動装置を備えた車両の走行駆動系 の油圧回路図である。 発明を実施するための最良の形態
まず、 本発明に係る作業車両の構成について説明する。
第 1 図に示す構成は、 トラクタ等の作業車両 1 0 0 における走行系の装置構 成の概要を示すものであり、 機体進行方向を前側として、 前部に走行車輪とし ての前輪 1 L · 1 Rを駆動 · 操舵自在に支持する前車軸駆動装置 1 、 後部に走 行車輪としての後輪 3 L · 3 Rを駆動 · 操舵不能に支持する後車軸駆動装置 3 を配する構成としている。 後車軸駆動装置 3 においては、 図示せぬ原動機の出 力が入力され、 該入力により油圧ポンプを駆動し、 該油圧ポンプからの作動油 により油圧モ一夕を駆動し、後輪 3 L · 3 Rが回転駆動される構成としている。 一方、 後車軸駆動装置 3 の内の油圧ポンプは、 油圧ホース 9 a · 9 b を介して 前車軸駆動装置 1 に内装される油圧モータと流体的に接続されており、 該油圧 モータを作動油により駆動することで、 前輪 1 L · 1 Rが回転駆動される構成 としている。以上のよう に、後車軸駆動装置 3 に内装される油圧ポンプによ り、 前後の車軸駆動装置 1 · 3 に内装させる油圧モ一タを駆動する構成として、 油 圧駆動式の四輪駆動車両が構成されている。
また、 車両の前後略中央部に配された操舵ステアリ ング機構 4の操作力は、 操舵ギアボックス 5、 リ ンク 6 を介して、 右の前輪 1 Rを支持する車輪支持ュ ニッ ト 3 O Rに取り付けられる操向アーム 7 R、 さ らに、 タイ ロッ ド 8 を介し て、 左の前輪 1 Lを支持する車輪支持ュニッ ト 3 0 Lに取り付けられる操向ァ ーム 7 Lに伝動される構成としており、 タイ ロッ ド 8 により、左おの前輪 1 L ·
1 Rが同一の操舵角を呈する構成としている。
次に、 前車軸駆動装置 1 の構成の詳細について説明する。
尚、前車軸駆動装置 1 は、車両の構成においては、機体の後ろ側に配される。 つま りは、 後輪を支持する構成としてもよく 、 特に、 前位置に配置されるもの として限定されるものでない。 このため、 以下の説明においては前輪側、 後輪 側何れにおいても適用できる車軸駆動装置 1 として説明するものとする。
[実施例 1 ]
まず、 第 1実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 2 図に示すごとく 、 車軸駆動装置 1 は、 車両フレームの左右方向略中央位 置に固定されたセンタ一ピン 1 p に対する吊設部 2 gを形設した第一車軸ケー ス部としての左アクスルケース 2 L と、 前記左アクスルケース 2 Lの右側端面 に形設したフランジ部に対して左側端面のフランジ部を接合させる第二車軸ケ ース部としての右アクスルケース 2 Rと、 前記左右のアクスルケ一ス 2 L · 2 Rの接合部に形成されるハウジング 2 1 に内装され、 左右両側に垂直のモータ 付設面が形成されるセン夕セクショ ン 2 2 と、 前記モ一夕付設面にそれぞれシ リ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aを回転摺動自在に付設し、 同シリ ンダブロック
2 3 a · 2 3 a に相対回転不能に係合され、 左右前輪 1 L · 1 Rを駆動させる 駆動力を出力するモータ軸 2 3 b · 2 3 b を具備する左右一対の可変容積型の 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rと、 左右の可変容積型の油圧モ一タ 2 3 L · 2 3 R の可動斜板 2 8 · 2 8 を同一の傾斜角を呈するよう に連動連結する連動機構 2
4 と、 を具備する油圧駆動ュニッ ト 2 0 と、 前記右アクスルケ一ス 2 Rの右側 端面、 左アクスルケ一ス 2 Lの左側端面にそれぞれ接合され、左右の前輪 1 L -
1 Rを回転駆動かつ操舵自在に支持する左右一対の車輪支持ュニッ ト 3 0 L ·
3 O R と、 を具備し、 機体フレームにおいてセンターピン l p を介して前後方 向軸線回り に揺動可能に懸架される構成としている。
尚、 車輪支持ユニッ ト 3 0 L ' 3 O Rにおいては、 左右一対に構成されるも のであ り、 以下では、 第 2図に示す右側の車輪支持ユニッ ト 3 O Rにて説明す るものとする。
第 2 図に示すごとく 、 左右のアクスルケ一ス 2 L · 2 Rの接合部で形成され るハウジング 2 1 と、 左アクスルケ一ス 2 Lにおいて上方へ突設したセンター
ピン 1 p との吊設部 2 g とは、 左右方向に互いにずれた位置に配されている。 換言すれば、 前記車軸駆動装置 1 において、 前後方向に沿う揺動中心となるセ ンターピン l p より も左右方向一方向側に、 前記一対の油圧モータ 2 3 L - 2 3 Rを収容する部屋を形成している。
このよう に、 両者の左右方向における位置が重なる ことによる左右のアクス ルケース 2 L ' 2 Rの上下幅の拡大防止、 つま りは、 左右のアクスルケ一ス 2 L · 2 Rの上下幅を最小限に抑える構成としている。
尚、 本実施例では、 左アクスルケ一ス 2 Lに吊設部 2 gを形設したが、 右ァ クスルケース 2 Rに吊設部 2 gを形設し、 ハウジング 2 1 を機体のセンターピ ン 1 P よ り左側に配する構成としてもよい。
また、 アクスルケース 2 L · 2 Rの接合部においては、 互いに凹凸の関係と なる嵌合部が形成され、 両アクスルケ一ス 2 L · 2 Rが互いに位置決め固定さ れる関係として、 モータ軸 2 3 b · 2 3 bの芯出しが行われるようになつてい る。
また、 前記車軸駆動装置 1 において、 前記油圧モ一タ 2 3 L · 2 3 Rが収容 される部屋 (ハウジング 2 1 ) は、 シール部材 3 6 · 3 6 により、 車輪支持ュ ニッ ト 3 0 L · 3 0 Rに対して油流通不能に区画されており、 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを駆動するためにハウジング 2 1 内に満たされるべき作動油が、 車 輪支持ユニッ ト 3 0 L · 3 0 R側へ流入する ことがないようにして作動油の漏 れによる油圧モ一タ 2 3 L · 2 3 Rの作動不良といった不具合が生じないよう にしている。
第 4図に示すごとく、 前記センタセクショ ン 2 2 において、 左右のモータ付 設面 2 2 m - 2 2 mの中央には、 油圧モータ 2 3 L - 2 3 Rのモ一タ軸 2 3 b ·
2 3 bの端部を揷入支持する軸孔 2 2 c ' 2 2 c が穿設されている。 また、 モ 一夕付設面 2 2 m · 2 2 mに開口する一対のキドニ一ポー ト 2 2 a · 2 2 bが 左右方向に穿設されている。 該キドニ一ポート 2 2 a . 2 2 bは、 断面視にお いて前記軸孔 2 2 c · 2 2 c の左右側に配されるようにしている。 そして、 該 キ ドニーポー ト 2 2 a . 2 2 bにおけるモータ付設面 2 2 m - 2 2 mにおける 開口部が、 それぞれシリ ンダブ口ック 2 3 a . 2 3 aの複数のシリ ンダ孔と対
向し、 作動油の給排が行われるよう になつている。
このキ ドニ一ポー ト 2 2 a ' 2 2 bの左右方向中途部には、 該キドニ一ポー ト 2 2 a · 2 2 bの穿設方向と直交する方向であって、 それぞれ外部に通じる 油路 2 5 a · 2 5 bが穿設されており、 該油路 2 5 a · 2 5 b には、 それぞれ、 右アクスルケース 2 Rの外部に通じる接続プラグ 2 6 a · 2 6 bが嵌揷されて いる。
また、 第 4図に示すごとく、 センタセクショ ン 2 2 には、 側面断面視におけ る複数箇所にボル ト孔 2 7 - 2 7 - 2 7が左右方向に貫通して穿設されており、 該センタセク ショ ン 2 2 は、 固定ポルト 2 7 a · 2 7 a · 2 7 aによって、 右 前車軸ケース 2 R内部に膨出させて設けた固定部 2 a · 2 a · 2 aに対して締 結固定されている。
また、 第 2図に示すごとく、 前記センタセクショ ン 2 2 の中央に穿設した軸 孔 2 2 c · 2 2 c には、 前アクスルケース 2 L - 2 Rにおけるハウジング 2 1 との境界部にそれぞれ嵌設されるベアリ ング 2 9 · 2 9 にて枢支されるモータ 軸 2 3 b · 2 3 bの端部が挿入されている。 また、 モータ付設面 2 2 m · 2 2 mには、 該モータ軸 2 3 b · 2 3 bに対し相対回転不能に係合されたシリ ンダ ブロック 2 3 a · 2 3 aが回転摺動自在に付設されることで、 左右一対の油圧 モータ 2 3 L · 2 3 Rが配される構成となっている。
前記シリ ンダブ口ック 2 3 a ' 2 3 aに形設した複数のシリ ンダ孔内には、 付勢パネを介してピス トン 2 3 p · 2 3 p · · · が往復動自在に嵌合され、 該 ピス トン 2 3 ρ · 2 3 ρ · · · の頭部には、 可動斜板 2 8 · 2 8 のスラス トべ ァ リ ング 2 8 a · 2 8 a を当接させている。
このよう に、 ハウジング 2 1 内のセンタセクショ ン 2 2 の左右垂直面にモー タ付設面 2 2 m ' 2 2 mを形設するとともに、 モータ軸 2 3 b · 2 3 b を水平 方向に支持する構成とし、 該モータ軸 2 3 b · 2 3 bが出力軸を兼ねる構成と している、 つまりは、 油圧モータ 2 3 L - 2 3 Rを横置きに構成するとともに、 左右のアクスルケース 2 L · 2 Rに内装する構成としているので、 アクスルケ ースの外部に油圧モータが存在せずに、 車軸駆動装置 1 の高さを最小限に抑え る ことができ、 グラン ドク リ アランスを拡大する ことができる。
また、クレイ ドル型に構成された可動斜板 2 8 · 2 8 の側面には通例の如く、 それぞれ図示せぬコン トロールアームが係合しており、 該コン トロールアーム の回動軸となるコン トロール軸 2 4 a · 2 4 aの回転によ り可動斜板 2 8 · 2 8 の傾斜角の調整が行なわれるよう になつている。 尚、 前記可動斜板 2 8 · 2 8 はトラニオン型であっても良い。
第 3 図に示すごとく 、 コン トロール軸 2 4 a ' 2 4 aの車軸ケースの外側端 部には、 それぞれ、 コン トロールアーム 2 4 L ' 2 4 Rが固設されている。 左 側の油圧モータ 2 3 Lのコントロールアーム 2 4 Lの一端と、 右側の油圧モ一 タ 2 3 Rのコン トロールァ一ム 2 4 Rの一端とは、 連動リ ンク 2 4 c によ り連 動連結されており、 左右の可動斜板 2 8 · 2 8が連動して一方側への傾転角度 を増減させることによ り、 左右の油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rが同一の割合で増 速/減速するよう になっている。
また、 コ ン トロールアーム 2 4 Lにおける連動リ ンク 2 4 c との連結部の反 対側端部には、 操舵連動リ ンク 2 4 Fが連結されており、 該操舵連動リ ンク 2 4 Fの動作に、 コン トロールアーム 2 4 L、 そして、 連動リ ンク 2 4 c を介し てコ ン トロールアーム 2 4 Rが連動するようになっている。
前記操舵連動リ ンク 2 4 Fの動作は、 前記操舵ステアリ ング機構 4の操作量 (前輪の操舵角) に連動するものであ り、 操舵ステアリ ング機構 4の操作量が 増加するに従って操舵連動リ ンク 2 4 Fの動作量を増加させ、 該操舵連動リ ン ク 2 4 Fの動作量の増加に従って左右の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rが増速する ようなつている。
また、 左右の油圧モ一夕 2 3 L * 2 3 Rは、 前記連動リ ンク 2 4 c の作用に よ り、 同一の割合で増速されるよう になっている。 つまり、 直進時は前輪 1 L - 1 Rの周速と後輪 3 L · 3 Rの周速を略同一とし、 操舵ステアリ ング機構 4の 操舵角に応答して前輪 1 L · 1 Rの周速を後輪 3 L · 3 Rの周速よ り も大きく する (前輪増速) ことで、 旋回性能の向上を図る構成としているものである。 以上のよう に、 コン トロール軸 2 4 a - 2 4 a、 コン トロールアーム 2 4 L ·
2 4 R、 連動リ ンク 2 4 c 、 そして操舵連動リ ンク 2 4 Fによ り連動機構 2 4 を構成し、 左右の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの制御量を連動させる構成として
いる。
尚、 前記操舵連動リ ンク 2 4 Fの制御量は、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角の情報 の入力に応答するものであればよく 、 図 1 に示す操舵ステアリ ング機構 4、 夕 ィ ロッ ド 8 、 車輪支持ユニッ ト 3 0 L . 3 O Rのハウジング等といったものか ら操舵角の情報を入力することで行われるものであ り、 いずれのものから入力 するかについては、 特に限定されるものではない。
一例としては、 第 3 図に示すごとく、 左側の車輪支持ユニッ ト 3 0 L に操向 連動アーム 2 4 h を取付け、 該操向連動アーム 2 4 h と、 前記操舵連動リ ンク 2 4 F とを、 リ ンク 2 4 k、 カム 2 4 s を形設した扇状回動リ ンク 2 4 m、 L 字型揺動リ ンク 2 4 nを介して連動連結する構成により実現可能とするもので ある。
また、 第 2図に示すごとく、 右側に配される車輪支持ュニッ ト 3 0 Rは、 右 アクスルケース 2 Rの右端部に接合され、 略 「へ」 字状に屈曲した伝動ケース 3 0 a と、 該伝動ケース 3 0 aの下部にて外嵌固定された軸受 3 1 a · 3 1 b に内嵌固定される操舵ケース 3 0 b と、 該操舵ケース 3 0 bの立設接合面に接 合される車軸ケース 3 0 c と、 から外観が構成されている。
伝動ケース 3 0 aの屈曲部においては、 前記モータ軸 2 3 b端部に軸着した ベベルギア 3 2 a と、 上下方向に沿う伝動軸 3 3 の上側端部に軸着したベベル ギア 3 2 b とが嚙合されており、 モータ軸 2 3 bの駆動力が伝動軸 3 3 に伝達 される。 該伝動軸 3 3 は、 伝動ケース 3 0 aの屈曲部に設けた軸受 3 1 c及び 操舵ケース 3 0 b の底部に設けた軸受 3 1 dにて、 それぞれ、 ベベルギア 3 2 b · 3 2 c とともに回転自在に支持されている。
また、 操舵ケース 3 0 bの下部においては、 伝動軸 3 3 の下側端部に軸着し たべベルギア 3 2 c と、 前輪車軸 3 4 Rに軸着したベベルギア 3 2 d とが嚙合 されており、 伝導軸 3 3 の駆動力が前輪車軸 3 4 Rに伝達される。 前記べベル ギア 3 2 dにおける前輪車軸 3 4 Rの端面からの突出部分は、 操舵ケース 3 0 bの側部の膨出部に嵌装された軸受 3 1 e の外輪に内嵌支持されている。また、 前輪車軸 3 4 Rには、 車軸ケース 3 0 c の外部より車輪ディスク 3 5 Rが固設 されている。
以上の構成の車輪支持ュニッ ト 3 0 Rにおいて、 油圧モータ 2 3 Lの回転に よるモータ軸 2 3 bの駆動力が、 伝動軸 3 3から前輪車軸 3 4 Rに伝達される よう になつている。 そして、 該前輪車軸 3 4 Rに固設される車輪ディスク 3 5 Rに取り付けられる前輪 1 Rは、 前輪車軸 3 4 Rにより回転駆動されるととも に、 操舵ケース 3 O bの回動により操舵されるよう になっている。
尚、 以上の右側の車輪支持ユニッ ト 3 O Rの構成は、 左側の車輪支持ュニッ ト 3 0 Lにおいても適用されるものである。
第 5図は、 以上の車軸駆動装置 1 を備えた車両の走行駆動系の油圧回路図を 示すものである。
第 5図に示す構成において、 後車軸駆動装置 3においては、 油圧ポンプ 4 0 P と、油圧モータ 4 0 Mが設けられており、油圧モータ 4 0 Mの駆動力によ り、 後輪車軸 4 4 L · 44 Rを駆動することで、 後輪 3 L · 3 Rを回転駆動する構 成としている。 また、 油圧ポンプ 4 0 Pは、 コン トロールバルブ 4 5、 センタ セクショ ン 2 2のキドニ一ポー ト 2 2 aを介して油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rと 流体的に接続されており、 また、 油圧モータ 4 0 Mは、 同様に、 コン トロール バルブ 4 5、 センタセクショ ン 2 2のキドニ一ポー ト 2 2 bを介して油圧モ一 夕 2 3 L · 2 3 Rと流体的に接続されている。 尚、 前記コン トロールバルブ 4 5の操作によ り、 油圧モータ 2 3 L ' 2 3 Rと油圧モ一夕 4 0 Mの全てが駆動 される状態の四輪駆動モー ドと、 油圧モータ 4 0 Mのみが駆動され油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rは空転する状態の後輪二輪駆動モー ドとが切り換えられる構成 となっている。
前記油圧モータ 2 3 L . 2 3 Rにおいては、 キドニ一ポー ト 2 2 a . 2 2 によ り並列的に接続される (パラレル接続される)、 つまり、 接続プラグ 2 6 a から供給される作動油は、 例えば車両前進時では、 キ ドニ一ポー ト 2 2 aから 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rに分配供給され、 油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rから排 出される作動油は、 キ ドニ一ポー ト 2 2 bに流入して接続プラグ 2 6 bよ り排 出されるよう に接続されるものである。
そして、 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの駆動力は、 それぞれ、 モータ軸 2 3 b ·
2 3 b、 伝動軸 3 3 · 3 3、 前輪車軸 3 4 L · 3 4 Rに伝達され、 前輪 1 L ·
1 Rが回転駆動されるようになっている。
以上の回路構成においては、 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rに対する前輪 1 L · 1 Rの負荷変動により、 それぞれの油圧モータ 2 3 L ' 2 3 Rに分配される流 量が変化し、 左右の前輪 1 L ' 1 Rにおいてデフ作用を生じさせる構成となつ ている。
また、 操舵ステアリ ング機構 4の操作量 (直進位置からの操舵角度) の情報 入力に操舵連動リ ンク 2 4 Fの制御量が応答する構成としており、 操舵連動リ ンク 2 4 Fが作動する と、 コン トロールアーム 2 4 L ' 2 4 Rは連動リ ンク 2 4 cの作用とあいまって、 それぞれの斜板角を同一角度だけ増速側に傾ける。 これによ り、 旋回時においては、 前輪增速されるものである。
[実施例 2 ]
次に、 第二実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 6図は、 第二実施例における作業車両の走行駆動系の油圧回路図を示すも のである。
本構成では、 前記油圧駆動ユニッ ト 2 0において、 前記一対の油圧モータ 2 3 L - 2 3 Rは可動斜板 2 8 · 2 8を具備する可変容積型とするとともに、 前 記センタセクショ ン 2 2への油圧モータ作動油の供給量は流量制御手段 (例え ば、 分流弁 4 2 · 4 2 ) により制限されるよう にしている。
第 6図に示すごとく 、 前記油圧ホース 9 a · 9 bにおいて、 コン トロールバ ルプ 4 5よ り も後車軸駆動装置 3側には分流弁 4 2 · 4 2が介設されており、 油圧ポンプ 4 0 Pよ り前車軸駆動装置 1側へ供給される作動油の供給量の一部 を分流弁 4 2 · 4 2によ り リ リーフ回路 4 2 a · 4 2 aを介してバイパスさせ るよう に構成されている。 また、 分流弁 4 2 · 4 2 とコン ト口一ルバルブ 4 5 の間の圧力を逃がすための戻り油路 4 2 b · 4 2 bも設けられている。 また、 油圧ホース 9 a · 9 bは、 バイパス油路 9 cにより接続されている。
以上の構成によ り、 後車軸駆動装置 3から前車軸駆動装置 1への作動油の供 給量を分流弁 4 2 · 4 2により制限する、 換言すれば、 作動油の供給量を分流 弁 4 2 · 4 2によ り設定することが可能となる。 そして、 この分流弁 4 2 · 4
2によつて減速作用が得られ、 前輪 1 L · 1 Rと後輪 3 L · 3 Rの回転数の比
を保つことができるとともに、 前車軸駆動装置 1 に備える油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの容量を後車軸駆動装置 3 の油圧モータ 4 0 Mに比べて小さくするこ と が可能であ り、 該油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rを含むコンパク トな油圧駆動ュニ ッ ト 2 0 をもってして トラクシヨ ンに必要な トルク容量を賄う ことができる。 また、 前記戻り油路 4 2 b · 4 2 bは、 ヘビーデューティーな重牽引作業時 に発生するピーク トルクをカツ トする トルク リ ミ ッタとしても作用させること ができる。 これにより、 ギヤ トレーン全体の強度レベルを落とすことが可能と なり、 車軸駆動装置 1全体のコンパク ト化を図ることができる。
尚、 '以上の構成による作用は、 前車軸駆動装置 1 の供給量を所定の割合で制 限する (絞る) 構成と、 戻り油路を形成する ことで実現されるものであ り、 分 流弁 4 2 · 4 2 の他、 一般的な絞り弁を含む流量制御弁の全般を用いる ことに よっても実現できる。
[実施例 3 ]
次に、 第 3実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 7 図に示す構成では、 センタセクショ ン 1 2 2 を、 左右のアクスルケース 2 L · 2 Rの接合面との間に挟装して設ける構成としている。
第 7 図及び第 8 図に示すごとく、センタセクショ ン 1 2 2 の左右垂直面には、 モータ付設面 1 2 2 m · 1 2 2 mを一段高く形設することで環状段付部 1 2 2 a · 1 2 2 aを形成し、 該環状段付部に、 アクスルケ一ス 2 L · 2 Rの接合端 面に形設したフランジ部 2 J · 2 J を接合させることで位置決めできるよう に なっている。
また、 センタセクショ ン 1 2 2 の側面断面視における複数箇所にポルト孔 8 7 · 8 7 · 8 7 が左お方向に貫通して穿設されており、 右アクスルケ一ス 2 R 側から固定ポルト 8 7 a · 8 7 a · 8 7 aを揷入するとともに、 左アクスルケ ース 2 Lの螺孔に螺揷する ことで、 左右のアクスルケース 2 L . 2 Rがセンタ セクショ ン 1 2 2 を介して連結固定される構成としている。
本構成においては、 センタセクショ ン 1 2 2 により、 左右のアクスルケース
2 L · 2 Rを接合する構成として、 センタセクショ ン 1 2 2 の外周面 1 2 2 F が外部に現れる構成となっており、 該センタセクショ ン 1 2 2 を前車軸ケース
2 L · 2 Rに内装する構成と比較して、 アクスルケース 2 L · 2 Rの接合部で の上下幅をコンパク トに構成する ことができる。
[実施例 4 ]
次に、 第 4実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 9 図に示す構成においては、 上述した第 1実施例における可動斜板 2 8 · 2 8 を具備した可変容積型油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを、 固定斜板 8 8 · 8 8 を具備する固定容積型油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 Rとした構成とするもので あ り、 第 1 0 図又は第 1 1 図に示すところの油圧回路によ り、 旋回時における 前輪増速を行う構成とするものである。
まず、 第 1 0 図に示す油圧回路においては、 前後の車軸駆動装置 1 · 3 をコ ン トロールバルブ 4 5 を介して流体的に接続する回路構成において、 油圧ボン プ 4 0 P とコン トロールバルブ 4 5 とを結ぶ油路 4 8 a と、 油圧モータ 4 0 M とコ ン トロールバルブ 4 5 とを結ぶ油路 4 8 b とを、 可変絞りパルプ 4 9 を設 けた油路 4 8 c により流体接続し、 前記可変絞りバルブ 4 9 の絞り量の制御量 は、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角の情報の入力に応答するよう にしている。 具体的 には、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角が増加すると、 可変絞りバルブ 4 9 の絞り量を 増加させる制御としている。
尚、 前記可変絞りバルブ 4 9 の絞り量の制御量は、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角 の情報の入力に応答するものであればよく 、 第 1 図に示す操舵ステアリ ング機 構 4、 タイ ロッ ド 8、 車輪支持ユニッ ト 3 0 L · 3 0 Rのハウジング等といつ たものから操舵角の情報を入力するこ とで行われるものであ り、 いずれのもの から入力するかについては、 特に限定されるものではない。
また、 油路 4 8 a · 4 8 b には、 それぞれ、 絞り弁と逆止弁からなる リ リー フ機構 4 6 a · 4 6 bが設けられている。
この油圧回路の構成では、 後車軸駆動装置 3 と前車軸駆動装置 1 とを結ぶ油 路 4 8 a · 4 8 bが油路 4 8 c によって連通しており、 高圧側の油路を流れる 作動油の一部が低圧側の油路へ流れるよう になつている。
これによ り、 旋回時において、 例えば、 油路 4 8 aが高圧側で、 油路 4 8 b が低圧側である場合に、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角が増加すると、 可変絞りバル
ブ 4 9 の絞り量が増加し、 油路 4 8 c を通って、 油路 4 8 b に流入する作動油 の流量が減少することから、 前記操舵角がゼロの場合と比較して、 前車軸駆動 装置 1 への作動油の供給量が増加し、 前輪増速が行われるものである。
以上の油圧回路の構成により、 固定容積型の油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 R を備える車軸駆動装置 1 において、 上述した第一の実施形態の場合と同様、 装 置の高さを最小限に抑える ことができ、 グラン ドク リアランスを拡大すること ができる。
そして、 特に固定容積型の油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 Rを備える構成にす るこ とで、 可変容積型の油圧モータを備える構成例と比較して、 部品点数の削 減や、 仕組みの容易性といった観点から、 コス ト削減が図れるといったメ リ ッ トが得られる。
また、 固定斜板による油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 Rの構成であると、 油圧 モータをアクスルケース 2 L · 2 Rの取り付けた後に、 車軸駆動装置 1全体を 仕組むことが可能であるので、 仕組み性の向上が図られる。
また、 第 1 1 図に示す油圧回路においては、 前後の車軸駆動装置 1 · 3 をコ ン トロールバルブ 4 5 を介して流体的に接続する回路構成において、 油圧ボン プ 4 0 P とコン トロールバルブ 4 5 とを結ぶ油路 4 8 a と、 油圧モータ 4 0 M とコ ン トロールバルブ 4 5 とを結ぶ油路 4 8 b とを、 油路 4 8 d によ り流体接 続し、 前記油路 4 8 a · 4 8 b には、 それぞれ可変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 を設ける とともに、 絞り弁と逆止弁を介して他方の油路 4 8 b · 4 8 a に連通 する リ リーフ回路 9 5 a · 9 5 b、 さ らに、 前車軸駆動装置 1側から後車軸駆 動装置 3側へのみ作動油を流す逆止弁 9 6 a · 9 6 bを介して前記可変絞りバ ルブ 9 4 a · 9 4 b をバイパスさせる戻り油路 9 7 a · 9 7 b を設ける構成と し、 前記可変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 bの絞り量の制御量は、 前輪 1 L · 1 R の操舵角に応答するようにしている。 この制御は、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角が 増加する と、 可変絞りパルプ 9 4 a · 9 4 bの絞り量を減少させる制御として いる。 ·
尚、 上述したものと同様、 前記可変絞りバルブ 9 4 a . 9 4 bの絞り量の制 御量は、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角の情報の入力に応答するものであればよい。
この油圧回路の構成では、 後車軸駆動装置 3 と前車軸駆動装置 1 とを結ぶ油 路 4 8 a · 4 8 b に、 可変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 bが設けられる構成となつ ており、 該可変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 bの絞り量により、 前車軸駆動装置 1 へ供給される作動油の量がコン トロールされるようになっている。
これによ り、 旋回時において前輪 1 L · 1 Rの操舵角が増加すると、 可変絞 りバルブ 9 4 a · 9 4 bの絞り量が減少することから、 後車軸駆動装置 3から 前車軸駆動装置 1 へ供給される作動油が増加し、 前輪増速が行われるものであ る。
尚、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角が少ない場合には、 リ リーフ回路 9 5 a · 9 5 b によ り低圧側に作動油を逃がすよう にしている。 また、 本構成では、 操舵角 に対して両方の可変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 bが同時に作動し、 前車軸駆動装 置 1から後車軸駆動装置 3へ作動油を戻す回路も狭められることになるため、 逆止弁 9 6 a . 9 6 b を設けた戻り油路 9 7 a · 9 7 b を通すことで、 前記可 変絞りバルブ 9 4 a · 9 4 bをバイパスさせるようにしている。
以上の油圧回路の構成により、 固定容積型の油圧モ一夕 1 2 3 L ' 1 2 3 R を備える前車軸駆動装置 1 において、 上述した第一の実施形態の場合と同様、 装置の高さを最小限に抑えることができ、 グラン ドク リ アランスを拡大する こ とができる。
そして、 同じく 、 特に固定容積型の油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 Rを備える 構成にする ことで、 可変容積型の油圧モータを備える構成例と比較して、 部品 点数の削減や、 仕組みの容易性といった観点から、 コス ト削減が図れるといつ たメ リ ッ トが得られる。
また、 固定斜板による油圧モータ 1 2 3 L · 1 2 3 Rの構成であると、 油圧 モータをアクスルケース 2 L * 2 Rの取り付けた後に、 前車軸駆動装置 1全体 を仕組むこ とが可能であるので、 仕組み性の向上が図られる。
[実施例 5 ]
次に、 第 5実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 1 2図に示すごとく、 車軸駆動装置 1 は、 左アクスルケ一ス 2 L と右ァク スルケース 2 Rでサポー トブロック 5 1 を挟装支持される油圧式斜板角調整装
置 5 0 と、 前記左右のアクスルケ一ス 2 L . 2 Rに内装され、 前記油圧式斜板 角調整装置 5 0の減速 · 増速油圧ピス トン 5 2 H · 5 2 Lにより可動斜板の斜 板角の調整が行われる可変容積型の油圧モータ 6 3 L · 6 3 Rと、 前記右ァク スルケース 2 Rの右側端面、 左アクスルケ一ス 2 Lの左側端面にそれぞれ接合 され、 左右の前輪 1 L * 1 Rを回転駆動かつ操舵自在に支持する左右一対の車 輪支持ユニッ ト (不図示) と、 を具備し、 前記左右のアクスルケ一ス 2 L ' 2 Rのいずれか一方に、 車両のセンタ一ピン 1 pに対する吊設部 2 gを形設して いる。 尚、 左右一対の車輪支持ユニッ ト 3 0 L ' 3 O Rについては、 第 2図で 示される ところの構成と同一のものである。
第 1 2図に示すごとく 、 本実施例において、 油圧モータ 6 3 L ' 6 3 Rは、 左右の前車軸ケース 2 L · 2 Rに内装固定されたセンタセクショ ン 6 5 · 6 5 の内側面に形設したモータ付設面 6 5 m - 6 5 mに、 シリ ンダブロック 6 3 a · 6 3 aを回転摺動自在に付設し、 該シリ ンダブロック 6 3 a · 6 3 aの複数の シリ ンダ孔にはピス ト ン 6 3 ρ · 6 3 ρ · · · が往復動自在に嵌合され、 該ピ ス ト ン 6 3 ρ · 6 3 ρ · · ' の頭部には、 可動斜板 6 8 · 6 8のスラス トベア リ ング 6 8 c · 6 8 c を当接させている。 シリ ンダブロック 6 3 a ' 6 3 aに は、 モータ軸 6 3 b . 6 3 bが相対回転不能に係合され、 該モータ軸 6 3 b · 6 3 bの回耘カを左右前輪 1 L * 1 Rの駆動力として出力する構成としている。 以上のよう にして、 左右一対の可変容積型の油圧乇一タ 6 3 L , 6 3 Rが、 そ れぞれ、 左右のアクスルケ一ス 2 L · 2 Rに内装されている。 前記センタセク シヨ ン 6 5 · 6 5には、 アクスルケ一ス 2 L ' 2 Rの外部と通じる接続プラグ 6 6 a · 6 6 aが嵌装されている。
また、 前記可動斜板 6 8 · 6 8の外側面の上下位置には作用当接部 6 8 a · 6 8 bが形設されており、 油圧式斜板角調整装置 5 0のサポー トブロック 5 1 よ り突出される増速 · 減速油圧ピス トン 5 2 H · 5 2 Lの突端を当接させるよ う にしている。
前記油圧式斜板角調整装置 5 0は、 中央部の軸受け 5 6 · 5 6にて前記油圧 モータ 6 3 L ' 6 3 Rのモータ軸 6 3 b ' 6 3 bの内端を軸承し、 該モータ軸
6 3 b · 6 3 bの回転軸線を挟んで平行関係にある減速側シリ ンダ 5 4 L及び
増速側シリ ンダ 5 4 Hを左右方向に貫通して穿設するとともに、 前記減速側シ リ ンダ 5 4 L · 増速側シリ ンダ 5 4 Hの左右中央部と外部とをそれぞれ連通さ せる減速側吸入ポー ト 5 3 L及び増速側吸入ポ一 ト 5 3 Hを穿設したサポー ト ブロック 5 1 と、 前記減速側シリ ンダ 5 4 L · 増速側シリ ンダ 5 4 Hにそれぞ れ摺動自在に設けられた左右一組の減速油圧ビス トン 5 2 L · 5 2 L及び増速 油圧ピス ト ン 5 2 Η · 5 2 Hと、 から構成されるものである。
前記サポー トブロック 5 1の左右側面には、 左右のァクスルケ一ス 2 L · 2 Rの端面がそれぞれ当接してお り、 これらアクスルケ一ス 2 L · 2 Rにてサボ ー トブロック 5 1を挟装支持している。 また、 サポー トブロック 5 1には、 減 速側シリ ンダ 5 4 L · 増速側シリ ンダ 5 4 Hが左右方向に貫通して穿設されて お り、 それぞれに減速油圧ピス トン 5 2 L · 5 2 L、 増速油圧ピス トン 5 2 H · 5 2 Hが摺動自在に嵌設されている。 これら減速油圧ピス トン 5 2 L ' 5 2 L 及び増速油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Ηの突出端は、 油圧モ一夕 6 3 L ' 6 3 R の可動斜板 6 8 · 6 8に当接するような位置に配されている。
そして、 減速油圧ピス トン 5 2 L ' 5 2 L及び増速油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Ηは、 それぞれ、 減速側吸入ポート 5 3 L及び增速側吸入ポー ト 5 3 Ηから 吸入 (又は排出) される作動油の流動によ り、 減速側シリ ンダ 5 4 L · 増速側 シリ ンダ 5 4 Ηの左右中央部よ り左右方向へ均等な距離を移動し、 可動斜板 6 8 · 6 8の作用当接部 6 8 a · 6 8 bに対し、 それぞれの突出端が当接するよ う になつている。
また、 前記サポー トブロック 5 1は、 前記減速側シリ ンダ 5 4 Lの左右幅を 増速側シリ ンダ 5 4 Hの左右幅より も大となるよう に構成されて正面断面視略
「T」 字状としている。 これによ り、 減速油圧ピス トン 5 2 L ' 5 2 Lを減速 側シリ ンダ 5 4 Lの開口端面よ り も内部に収容する一方、 増速油圧ビス トン 5
2 I- I · 5 2 Ηを突出させた状態では、 増速油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Ηの突端 が可動斜板 6 8 - 6 8の下部の作用当接部 6 8 b - 6 8 bを押圧することから、 作用当接部 6 8 a · 6 8 aが減速側シリ ンダ 5 4 Lの左右の突端部 5 1 S · 5
1 Sに当接する。 このよう に、 減速側シリ ンダ 5 4 Lの左右の突端部 5 I S '
5 1 Sを可動斜板 6 8 · 6 8の傾きに対するス トッパ一として機能させる。 そ
03 016635 して、 突端部 5 I S · 5 1 Sがス トッパーとして機能する場合には、 可動斜板 6 8 · 6 8 の傾斜角が最小となって、 モータ軸 6 3 b ' 6 3 bの回転速度が最 大となるものである。
一方、 減速油圧ピス トン 5 2 L · 5 2 Lを最も突出させた状態では、 減速油 圧ピス ト ン 5 2 L · 5 2 Lの突端が可動斜板 6 8 · 6 8 の上部の作用当接部 6 8 a · 6 8 a を押圧する ことにより、 下部の作用当接部 6 8 b · 6 8 b を増速 油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Hの左右の突端部に当接させるよう にしている。 こ の際、 増速油圧ピス トン 5 2 H · 5 2 Hは、 増速側シリ ンダ 5 4 H内で互いに 当接し合い、先端を增速側シリ ンダ 5 4 Hから突出させた状態で静止しており、 増速油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Ηの先端は、 可動斜板 6 8 · 6 8 の傾きに対す るス ト ッパーとして機能する。 そして、 このよう に、 増速油圧ピス トン 5 2 Η · 5 2 Ηがス ト ッパーとして機能する場合には、 可動斜板 6 8 · 6 8 の傾斜角が 最大となって、 モータ軸 6 3 b · 6 3 bの回転速度が最小となるものである。 第 1 3 図は、 以上に説明した第 5実施例の車軸駆動装置 1 に備える油圧式斜 板角調整装置 5 0 の油圧動作に関する油圧回路を示すものである。
第 1 3 図に示す油圧回路構成において、 作動油タンク 7 1からポンプ 7 2 に よって汲み上げられた作動油を、 第二コン トロールバルブ 7 3 を介して 油圧 式斜板角調整装置 5 0 のサボ一 トブロック 5 1 に供給するよう にしている 。 第 ニコ ン トロールバルブ 7 3 は、 コン トロ一ラ 7 4 に接続された第一コン トロ一 ルバルブ 7 5 によ り油圧パイロッ トの制御が行われるようになつている 尚、 作動油タンク 7 1 からポンプ 7 2 によ り作動油を汲み上げる他 、 油圧モ タ 6
3 L · 6 3 Rへの作動油の供給回路よりバイパスさせてサポー トブロック 5 1 に供給させる構成としてもよい。
で、 コン ト ローラ 7 4 には、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角と 、 油圧モ 夕 6
3 L · 6 3 Rの可動斜板 6 8 · 6 8 の傾斜角が入力されるものであり、例えば、 前記操舵角は、 操舵ステアリ ング機構 4の操作量から算出する一方、 前記傾斜 角は、 可動斜板 6 8 のコン トロール軸 6 8 dの回動角を検出するポテンショ メ
—夕 7 6から入力される構成とする。 そして、 コン ト口一ラ 7 4は、 ポテンシ ョ メータ 7 6からの入力値により、 可動斜板 6 8 · 6 8 の実際の傾斜角を認識
するとともに、 この実際の傾斜角と、 操舵ステアリ ング機構 4の操作量に対す る理想の傾斜角を比較することで、 第一コン トロールバルブ 7 5 の制御量を決 定 · 出力する。
以上の制御による具体的な動作について説明すると、 旋回時において操舵ス テアリ ング機構 4の操作量が増加すると、 コン トローラ 7 4は、 第一コン ト 口 —ルバルブ 7 5 を作動させ、第二コン トロールバルブ 7 2 の位置を切り換えて、 サポー トブロック 5 1 の増速側吸入ポート 5 3 Hに作動油を供給させるもので ある。 つま り、 操舵ステアリ ング機構 4の操作に応じて、 增速側吸入ポー ト 5 3 Hへの作動油の供給の有無を切替るとともに、 操作量に応じて供給時間を長 くするといつたものである。
このよう にして、 旋回時において前輪 1 L · 1 Rの操舵角が増加すると、 第 二コン ト ロールバルブ 7 2の位置が切り換えられ、 增速側吸入ポー ト 5 3 Hへ の作動油の供給が行われることから、 可動斜板 6 8 · 6 8が増速側に傾いて前 輪増速が行われるものである。 尚、 前輪 1 L · 1 Rの操舵角が減少した場合に は、 第二コン ト ロールバルブ 7 2から減速側吸入ポート 5 3 Lへ作動油の供給 が行われるものであり、 可動斜板 6 8 · 6 8が減速側に傾いて前輪 1 L · 1 R が減速する。
以上の第 5実施例においては、 油圧による前輪増速の構成が実現されるとと もに、 また、 上記の他の実施例と同様、 油圧モータ 6 3 L ' 6 3 Rを横置きに 構成するとともに、 左右のアクスルケース 2 L ' 2 Rに内装する構成としてい るので、 アクスルケ一スの外部に油圧モータが存在せずに、 車軸駆動装置 1 の 高さを最小限に抑えることができ、 グラン ドク リ アランスを拡大する ことがで きる
[実施例 6 ]
次に、 第 6実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
本実施例では、 第 1 4図に示すごとく、 上述した第 5実施例において、 モ一 夕軸 6 3 b · 6 3 bの出力を、 遊星歯車機構 8 0 L · 8 O Rを介して車輪支持 ュニッ ト 3 0 L · 3 O Rに出力する構成とするものである。
第 1 4図に示すごとく 、 遊星歯車機構 8 0 L . 8 O Rは、 それぞれ、 センタ
セクショ ン 6 5 の外側垂直面に付設したイ ンターナルギア 8 0 a と、 該イ ンタ —ナルギア 8 0 aの内ギアに嚙合し、 キャ リ ア 8 0 bよ り突設したブラネッ ト 軸 8 0 p · 8 0 p . . . に回転自在に支承される複数のブラネッ トギア 8 0 c ' 8 0 c · ' と、 これらプラネッ トギア 8 0 c · 8 0 c · ' に包囲され、 モータ 軸 6 3 b に相対回転不能に取り付けられたサンギア 8 0 d と、 前記キヤ リ ア 8 0 b の回転中心に相対回転不能に取り付けられ、 車輪支持ユニッ ト 3 0 L · 3 O R側へ向かって延設される出力軸 8 0 e と、 から構成され、 該出力軸 8 0 e の外側端部に設けたベベルギア 3 2 aからべベルギア 3 2 bを介して、 伝導軸 3 3へ駆動力を伝達させる構成としている。 前記出力軸 8 0 e は、 アクスルケ ース 2 L · 2 Rに嵌設された軸受 3 1 h · 3 l hによ り軸承されている。
尚、 本構成においては、 油圧式斜板角調整装置 5 0 のサポー トブロック 5 1 の下部を左右方向に延設して支持部 5 1 a · 5 1 aを設け、 該支持部 5 1 a ·
5 1 a に油圧モ一夕 6 3 L · 6 3 を付設したセンタセクショ ン 6 5 • 6 5 を ポルト固定する構成としている
以上のように、 油圧モータ 6 3 L • 6 3 Rと車輪支持ュニッ ト 3 0 し · 3 0
Rとの間に、 遊星歯車機構 8 0 L · 8 0 Rを介設する構成とすることにより、 モータ軸 6 3 b ' 6 3 b を減速する とが可能であり、 より容積の小さい油圧 モ一夕 6 3 L · 6 3 Rを装備した構成を可能とするとともに、 また、 モータ軸
6 3 b ' 6 3 bの同軸上で減速できることから、 アクスルケ一ス 2 L • 2 Rの 上下幅をコ ンパク トに維持したままでの適用が可能である。
また、 上述した第 1 から第 6 の実施例における車軸駆動装置は、 取り付けら れる車両の既存の設計を踏襲したままに適用可能であるので、車両側 ί;ことって、 大幅な設計変更を要求することもない
[実施例 7 ]
次に、 第 7実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
第 1 5 図に示すごとく 、 車軸駆動装置 1 は、 アクスルケース 2 と、 該アクス ルケース 2 の両側に配され、 タィ口ヅ ド 8 にて連動して操舵される左お一対の 車輪支持ユニッ ト 3 0 L ' 3 0 Rと 前記アクスルケ一ス 2の前後一側に形設 される開口 6 0 を閉じるとともに、 —つの可変容積型油圧ポンプを対向配置し
た油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 (第 1 9 図参照) が装着されるカバー 6 1 と、 前記 可変容積型油圧ポンプの斜板角度を同一の変化量に操作するためのカム機構 7 0 と、 前記カム機構 7 0 に、 前記車輪支持ユニッ ト 3 0 L ' 3 O Rの操舵角を 入力するためのリ ンク 8 1 と、 を有する構成としている。
以下詳述すると、 第 1 5 図及び第 1 6 図に示すごとく 、 車軸駆動装置 1 のァ クスルケース 2 の左右には、 タイ ロッ ド 8 により互いに連動して旋回操作され る車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rが配され、 これら車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rに支持される車輪の角度が変更されるよう に構成されている。
また、 アクスルケ一ス 2 内には、 油圧モータ 2 3 L ' 2 3 R、 センタセクシ ョ ン 2 2等からなる油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 を内装する油圧モータ室 Sが形成 されている。
また 、 第 1 6 図において 、 右側に配される油圧モータ 2 3 Rのモータ軸 2 3 bは、 スプライ ン筒 1 2 4 a を介して右車軸駆動軸 1 2 5 Rと連動連結されて お り、 該右車軸駆動軸 1 2 5 Rより車輪支持ュニッ ト 3 0 Rに駆動が入力され て、 車輪デイスク 3 5 Rが回転駆動される構成としてい 0
一方 、 第 1 6図において 、 左側に配される油圧モータ 2 3 Lのモ一タ軸 2 3 b は、 スプライ ン筒 1 2 4 a · 1 2 4 , 及び連動軸 1 2 6 を介して左車軸駆 動軸 1 2 5 L と連動連結されており、 該左車軸駆動軸 1 2 5 Lより車輪支持ュ ニッ 卜 3 0 Lに駆動が入力されて 、 図示せぬ車輪ディ スクが回転駆動される構 成としている
また 、 刖記車輪支持ュニッ 卜 3 0 L . 3 0 Rは、 左右一対に構成されてァク スルケ ―ス 2 の左右端部に接合されるものである。 尚、 左右一対の車輪支持ュ ニッ 卜 3 0 L · 3 0 Rについては 、 第 2図で示されるところの構成と同一のも のである。
左右の車軸駆動軸 1 2 5 L · 1 2 5 Rは、 それぞれ、 アクスルケ一ス 2 の左 右端部に内嵌されるべァリ ング 2 9 · 2 9 にて軸承される とと に、 シール部 材 3 6 にてアクスルケ一ス 2 との隙間が塞がれている。 このシール部材 3 6 に よ り、 油圧駆動ユニッ ト 1 2 0 を内装する油圧モータ室 S と、 車輪支持ュニッ ト 3 O Rの伝動ケース 3 0 a のギア室 Gとの間がシールされている。
このシールにより、油圧モータ室 S内の油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 の作動油と、 ギア室 G内のギア潤滑用の油とが混合する ことがなく、 各室内においては、 油 圧モータの駆動と、 ギアの潤滑が良好に行われ、 駆動効率の向上や、 ギア , 軸 受の寿命を向上できる。
また、 第 1 6 図及び第 1 8 図に示すごとく、 アクスルケ一ス 2 の後側には、 作動油の ドレンポー ト 1 3が突設されており、 アクスルケ一ス 2内で過剰とな つた作動油を油圧源の油溜め (第 3 7 図参照) に配管 1 7 を介して還流可能に 構成されている。
また、 第 1 6 図に示すごとく、 アクスルケース 2 における左右方向の中央部 には、 セン夕一ピン l p を揷入するための揷入孔 1 Qが設けられており、 該セ ンターピン 1 p を前後方向に懸架して、 車体フレームに対する車軸駆動装置 1 の位匱決めして左右車輪の上下揺動を許容できるよう にしている。
また、 アクスルケ一ス 2 には、 P T O軸 1 0 7 (作業機駆動軸) を前後方向 に貫通させるための揷入孔 1 0 7 aが設けられており、 例えば、 該車軸駆動装 置 1 の前方に作業機を装備する車両において、 該車軸駆動装置 1 の後方から P T O軸 1 0 7 を介して作業機に動力を伝達できるように構成している。
また、 第 1 7 図及び第 2 1 図に示すごとく、 前記アクスルケ一ス 2 の後側に は、 前記油圧モータ室 S を外部に開放する開口 6 0が形成されており、 該開口 6 0 は、 カバ一 6 1 によ り蓋がされ、 前記油圧モータ室 S を密閉空間としてい る。 こ こで、 第 1 8図に示すごとく 、 該カバ一 6 1 は、 固定ポル ト 1 6 6 · 1 6 6 によりアクスルケ一ス 2 に固定される。
また、 第 1 9 図に示すごとく、 該カバ一 6 1 は、 前記油圧モータ 2 3 L · 2 3 R、 及びセンタセクショ ン 2 2等からなる油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 に組みつ けられており、 これらはアセンブリ として一体的に構成されている。 ここで、 第 1 8 図及び第 2 1 図に示すごとく 、 該カバ一 6 1 は、 固定ポル ト 1 6 7 によ り、 センタセクショ ン 2 2 に固定される。
また、 第 1 7 図に示すごとく、 左右対称に構成される油圧モータ 2 3 L ' 2
3 Rは、 それぞれ、 シリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aに摺動自在に内装される ピス ト ン 2 3 p · 2 3 p · · ' の摺動ス トロークを可動斜板 4 3 L · 4 3 Rに
よ り調整可能とし、 シリ ンダブ口ック 2 3 a • 2 3 aに相対回転不能に係合さ れるモ一夕軸 2 3 b · 2 3 bを出力軸とするアキシャルピス トン式の可変容積 型油圧モ一夕に構成される
また 、 刖記可動斜板 4 3 L · 4 3 Rは、 コ ン トロール軸 1 4 4 L * 1 4 4 R によ り回動するコ ン 卜 ロ ―ルァ一ム 7 0 L • 7 O Rと係合している。 そして、 ン 卜 Π ルァ ム 1 4 5 L · 1 4 5 Rによ Ό コン トロール軸 1 4 4 L · 1 4
4 Rを回転操作することにより、 可動斜板 4 3 L - 4 3 Rの斜板角度が変更さ れるよう になつている。 の斜板角度の変更により、 前記モータ軸 2 3 b · 2
3 bの回転数を変更し 図示せぬ車輪の増速又は減速が行われる構成としてい る。
また、 第 2 1図に示すごとく 前記セン夕セクショ ン 2 2には、 互いに分断 される油路 1 5 2 a · 1 5 3 aが前後方向に並んで形設される とともに、 該油 路 1 5 2 a - 1 5 3 aと個別に id通する油路 1 5 2 b . 1 5 3 bが並んで左右 方向に形設される。 該油路 1 5 2 b • 1 5 3 bは、 センタセクショ ン 2 2の左 右側面に形成されるシリ ンダブ口 -yク 2 3 a • 2 3 aとの摺接面にて開口され、 互いに分断されるキドニ ポー 卜 (給排ポ一ト) を形成する。 これによ り、 シ リ ンダブ口ック 2 3 a - 2 3 aを m記摺接面の各々に設置した際に、 油圧モ一 タ 2 3 L · 2 3 Rの吸入/排出ポー トは互いにパラレル接続されることになる。 したがって前記可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの斜板角度によ り決定される左右各々 のモータ容量の合計が車軸駆動装置全体としてのモータ容量となる。
また、 前記センタセクショ ン 2 2の前面には、 前記油路 1 5 2 a · 1 5 3 a を外部に開放するパイプポー ト 1 5 4 a · 1 5 4 bが形設されており、 該パイ プポー ト 1 5 4 a * 1 5 4 bに油圧配管 1 5 5 a * 1 5 5 bのジョイ ン ト 1 5
6 a - 1 5 6 bが嵌入される。 アクスルケ一ス 2には、 センタセクショ ン 2 2 のパイ プポー ト 1 5 4 a ' 1 5 4 bと一致する位置に、 揷入穴 1 5 7 a ' 1 5
7 bが形設されており、 油圧配管 1 5 5 a ' 1 5 5 bのジョイ ン ト 1 5 6 a '
1 5 6 bは、 該揷入穴 1 5 7 a · 1 5 7 bに揷入されて、 パイプポー ト 1 5 4 a - 1 5 4 bに嵌入される。 また、 前記油圧配管 1 5 5 a - 1 5 5 bにおいて、 ジョイ ン ト 1 5 6 a ' 1 5 6 bの基部 1 5 8 a ' 1 5 8 bは、 ジョイ ン ト 1 5
6 a - 1 5 6 bの径よ り も大きく構成され、 揷入穴 1 5 7 a ' 1 5 7 bの開口 端面と、 アクスルケ一ス 2にポルト固定される固定板 5 9 との間で挟装される ことによ り、 ジョイ ン ト 1 5 6 a ' 1 5 6 bが高圧によりパイプポー ト 1 5 4 a · 1 5 4 bから抜けることがないようにしている。
センタセクショ ン 2 2には、 前記油圧配管 1 5 5 a · 1 5 5 b内の一つの配 管より高圧の作動油が供給される。 そして、 もう一つの配管よ り、 シリ ンダブ ロック 2 3 a · 2 3 aを回転させた後の作動油が排出される。
以上のよう に構成される油圧駆動ュニッ ト 1 2 0においては、 センタセクシ ヨ ン 2 2を中心に、 油圧モータ 2 3 L . 2 3 Rが略対称状 ('本実施例では、 左 右対称) に配設されているため、 互いのシリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aにて 摺動されるピス トン 2 3 p · 2 3 p · · ' により生じるアキシャル方向の荷重 は互いに打ち消し合い、 これにより、 荷重パランスが良好となる。
また、 左右一対の車軸駆動軸 1 2 5 L · 1 2 5 Rを支持するアクスルケ一ス 2の前後一側に開口 6 0を設けており、 各別に該車軸駆動軸 1 2 5 L · 1 2 5 Rを駆動する一対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを組み付けたアセンブリ として の油圧駆動ュニッ ト 1 2 0を該アクスルケ一ス 2に取り付けることによ り、 該 開口 6 0を介して、 該油圧駆動ュニッ ト 1 2 0を該アクスルケ一ス 2内に配設 する構成としており、 これにより、 油圧駆動ュニッ ト 1 2 0のアクスルケ一ス 2に対する仕組み性の向上が図られている。
また、前記油圧駆動ュニッ ト 1 2 0には、カバ一 6 1が組み付けられており、 これらを一体的に前記アクスルケース 2に取り付けることにより、 該カバ一 6 1が該アクスルケ一ス 2の開口 6 0を覆う構成としている。 これによ り、 油圧 駆動ュニッ ト 1 2 0がアクスルケ一ス 2に仕組まれる際には、 開口 6 0を閉じ るための作業が同時に行え、 作業工数の削減によ り、 仕組み性の向上が図られ る。
次に、 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rに関する構成について説明する。
第 1 6図及び第 1 7図に示すごとく、 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rは、 左右対 称に構成されるものであ り、 それぞれのシリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aの間 にセンタセクショ ン 2 2を挟んで対向配置される。
油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rにおいて、 可動斜板 4 3 L · 4 3 Rにおけるシリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 a と反対側の面は、 斜板サボ一 卜 1 4 6 L · 1 4 6
: に形設された半月状のガイ ド面 1 4 6 a · 1 4 6 a (第 1 6 図参照) に当接 されている。 該斜板サボ一卜 1 4 6 L ■ 1 4 6 Rには、 油圧モータ 2 3 L · 2
3 Rのモータ軸 2 3 b ' 2 3 を貫通させる貫通穴 1 4 6 b • 1 4 6 bが形設 されており、 該貫通穴 1 4 6 b . 1 4 6 b に軸受 1 2 9 · 1 2 9が嵌入され、 該軸受 1 2 9 · 1 2 9 にてモ一夕軸 2 3 b · 2 3 bが軸承されている。
また、 第 1 7 図に示すごとく 、 該斜板サポー ト 1 4 6 L • 1 4 6 Rの前側に は、 アクスルケース 2 に対する位置決め用の嵌合部 1 6 8 • 1 6 8がそれぞれ 設けられており、 アクスルケ —ス 2 に設けた凹部 1 2 a - 1 2 aに対し、 それ ぞれの嵌合部 1 6 8 · 1 6 8 を嵌入するよう に構成されている。 該嵌合部 1 6
8 · 1 6 8 は、 例えば、 ピンで構成される。
このよう に、 前記油圧駆動ユニッ ト 1 2 0 において、 前記両油圧モ一タ 2 3
L · 2 3 Rのそれぞれに 、 可動斜板 4 3 L * 4 3 Rの斜板サポー ト 1 4 6 L ·
1 4 6 Rを設けるとともに、 該斜板サポー ト 1 4 6 L ' 1 4 6 Rに、 前記ァク スルケース 2 に対しての位置決め用の嵌合部 1 6 8 · 1 6 8 を設けていること によ り、 アクスルケース 2 に対する油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 の位置決めが容易 となり、仕組み性の向上や、 モータ軸 2 3 L · 2 3 Rの芯ずれ防止が図られる。 また、 同様に、 センタセクショ ン 2 2 の前側には、 アクスルケ一ス 2 に対す る位置決め用の嵌合部 1 6 9が設けられており、 アクスルケ一ス 2 に設けた凹 部 1 2 b に対し、 嵌合部 1 6 9 を嵌入するように構成されている。 該嵌合部 1 6 9 は、 例えば、 ピンで構成される。 このよう にして、 センタセクショ ン 2 2 においてもァクスルケース 2 に対する位置決めが行われ、 油圧駆動ュニッ ト 1 2 0全体としてのアクスルケース 2 に対する位置決めの精度の向上が図られる。 また、 同様に、 第 2 1 図に示すごとく、 センタセクショ ン 2 2 の後側には、 カバー 6 1 に対する位置決め用の嵌合部 1 6 5が設けられており、 カバー 6 1 に設けた凹部 6 1 bに対し、 嵌合部 1 6 5 を嵌入するよう に構成されている。 該嵌合部 1 6 5 は、 例えば、 ピンで構成される。 このよう にして、 センタセク シヨ ン 2 2 とカバ一 6 1 との間での位置決めが精度よく行われるよう になり、
油圧駆動ュ一ッ ト 1 2 0及びカバ一 6 1からなるアセンブリ全体としてのァク スルケ ―ス 2に対する位置決めの精度の向上が図つれる。
また 、 第 1 7図及び第 1 8図に示すごとく、 可動斜板 4 3 L 。 4 3 Rには、 コ ン 卜 □一ル軸 1 44 L . 1 4 4 Rにより回動操作されるコン ト Π —ルアーム
1 4 7 L · 1 4 7 Rの係合部 1 4 7 a > 1 4 7 aが係合されている
m s己コン hロール軸 1 44 L ' 1 4 4 Rの反 ン トロールアーム 1 4 7 L ·
1 4 7 R側の端部は、 カバ一 6 1の貫通穴 6 1 a • 6 1 aを通つて後方に突出 される とと に、 該端部には、 コン ト口一ルァ ―ム 1 4 5 L · 1 4 5 Rの基端 部 1 4 9 L • 1 4 9 Rが固定される。 これにより 、 コン ト ロールァ —ム 1 4 5
L · 1 4 5 Rの操作にてコン トロール軸 1 4 4 L • 1 4 4 Rを介してコン 卜ロ ールァ —ム 1 4 7 L · 1 4 7 Rを回動させ、 係合部 1 4 7 a · 1 4 7 aが可動 斜板 4 3 L • 4 3 Rの斜板角度を変更するように構成されている
また 、 πン トロールアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rについて、 基端部 1 4 9 L ·
1 4 9 Rからの突出位置が前後方向にずれるようにして、 互いに干渉せずに回 動可能とするとともに、 第 1 8 図に示すごとく 、 後面視において aなる部分が 存在するよう に構成される。
—、ム
また 、 第 1 7図乃至第 2 0図に示すごとく、 m記各油圧モータ 2 3 R • 2 3
Lは可動斜板 4 3 L · 4 3 Rを具備するとともに 、 該各可動斜板 4 3 R • 4 3
Lの傾斜角度を規定角度に維持するように付勢する付勢手段としての トルクバ ネ 1 6 3 R · 1 6 3 Lが設けられぉり、 前記一車輪の左右回動角が大きくなる につれて、 該各 トルクバネ 1 6 3 R · 1 6 3 Lの付勢力に钪して該各可動斜板 4 3 R · 4 3 Lの傾倒角度が小さくなるよう に前記一車輪と前記各可動斜板 4 3 R - 4 3 Lとがリ ンク 8 1、 カム軸アーム 7 O b等を介して連動連係されて いる。
第 2 0図及び第 2 4図に示すごとく、 前記 トルクバネ 1 6 3 L * 1 6 3 Rの 両端は交差した後、 同方向に延伸して前記コン トロールァ一ム 1 4 7 L * 1 4
7 Rと一体の係合部材 1 6 1 L · 1 6 1 Rと前記カバ一 6 1 に固定される係合 部材 1 6 2 L - 1 6 2 Rと係合することにより、 コン トロールアーム 1 4 7 L ·
1 7 Rを一側方向に回転させたときに付勢力が発生してそれを元の位置に戻
す付勢手段として機能する。 そして、 コン トロールアーム 1 4 7 L ' 1 4 7 の一側回転方向は、 コン トロールアーム 1 4 7 L - 1 7 Rが可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの傾斜角度を小さくする側、 つまり、 モータ容量を減少させる側の方向 としている。
また、 カバ一 6 1 に固定される前記係合部材 1 6 2 L · 1 6 2 Rは、 その固 定位置を変更可能に構成して、 前記トルクパネ 1 6 3 L · 1 6 3 Rを介して可 動斜板 4 3 L · 4 3 Rの傾斜位置を調整可能とする調節機構に構成されている。 そして、 可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの所定の斜板角度を規定角度とし、 通常状 態、 即ち、 コン トロールアーム 1 4 5 L - 1 4 5 Rが操作されない限りは、 可 動斜板 4 3 し · 4 3 Rが該規定角度に維持されるようになっている。
また 、 第 2 0 図及び第 2 4図に示すごと < 、 前記コン トロールアーム 1 4 7
L · 1 4 7 Rのコン トロール軸接続部 1 4 8 (第 2 0 図参照) には、 前記トル クバネ 1 6 3 L • 1 6 3 Rが外嵌されている 。 また、 コン トロールアーム 1 4
7 L · 1 4 7 Rには、 ピン状の係合部材 1 6 1 L · 6 1 Rがコ ン トロール軸 1
4 4 L • 1 4 4 Rと平行に突設されている
また 、 第 2 1 図に示すごとく、 力パー 6 1 には、 コン トロール軸 1 4 4 L ·
1 4 4 Rの近傍位置において、 係合部材 1 6 2 L - 1 6 2 Rがカバ一内方側に 植設固定されている。
そして、 刖 Bti トルクバネ 1 6 3 L · 1 6 3 Rの両端部は前記係合部材 1 6 1
L · 1 6 1 R、 及び、 係合部材 1 6 2 L · 1 6 2 Rの方向に交差させて延出さ れている。 そして、 トルクノ ネ 1 6 3 L · 1 6 3 Rの両端部によ り、 該係合部 材 1 6 1 L · 1 6 1 Rと係合部材 1 6 2 L • 1 6 2 Rがそれぞれ挟み込まれて いる。
以上の構成で 、 変速するためにコン ト口一ルアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rが第
2 4図のごとく 回動されると、 両係合部材 1 6 1 Rと 1 6 2 R及び 1 6 2 L と
1 6 1 Lの相対距離が大きくなる ことによって、 トルクパネ 1 6 3 L · 1 6 3
Rの一端部が広げられることにより、 コン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 R には、 規定角度に戻るための力がトルクバネ 1 6 3 L · 1 6 3 Rよ り与えられ る。一方、 コ ン トロールアーム 1 4 5 L - 1 4 5 Rへの操作力が解除されると、
トルクバネ 1 6 3 L · 1 6 3 Rに発生した復元力によって、 係合部材 1 6 1 L ( 1 6 1 R) は係合部材 1 6 2 L ( 1 6 2 R) に近づく ように戻され、 可動斜 板 4 3 L · 4 3 Rは設定した規定角度で保持される。
また、 第 2 0 図及び第 2 1 図に示すごとく 、 前記係合部材 1 6 2 L • 1 6 2
Rは、 それぞれカバ一 1 6 1 にて回転可能に固定支持される大径軸部 1 6 2 a と、 カバ一 6 1 の内部にて前記 トルクパネ 1 6 3 Rの一側端に係合する小径軸 部 1 6 2 b とから一本の軸部材に構成され、 両軸部 1 6 2 a · 1 6 2 bの軸心 は偏心して構成される。 また、 大径軸部 1 6 2 a において 、 カバ一 6 1 より外 側に突出された部分を角度固定ナツ ト 1 6 4で締結する構成として 、 力バー 6
1 に対する係合部材 1 6 2 L · 1 6 2 Rの固定角度を調整自在としている し れによ り、 角度固定ナツ ト 1 6 4を緩めて係合部材 1 6 2 L · 1 6 2 Rを回動 操作することで、 可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの規定角度が調整されるよ Ό になつ ている。
そして、 車両が直進する際における可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの傾斜角度を規 定角度に維持することによ り規定の車速を得る構成とするものであ Ό 、 規定角 度を調整可能とする ことで、 四輪駆動に構'成される車両に搭載される場合の後 輪に対する前輪の車速差の調整が可能となる。
また、 第 1 8 図及び第 2 1 図に示すごとく 、 力パー 6 1 において 、 コ ン 卜ロ ール軸 1 4 4 L · 1 4 4 Rの軸心から等距離の位置には、 コン 卜口 ―ルアーム
1 4 5 L · 1 4 5 Rを操作するためのカム軸 7 0 aが回動自在に支持されてい る。 該カム軸 7 0 aの軸方向は、 コン トロール軸 1 4 4 L • 1 4 4 Rの軸方向 と同一としている。 該カム軸 7 0 aは、 カバー 6 1 から前記コン ト口一ルアー ム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rより も遠い位置まで延出され、 延出端には力ム軸アーム
7 0 bの基端部が固定されている。
また、 前記カム軸アーム 7 O bの先端部は、 一方の前記車輪支持 一ッ 卜 3
O Rの操舵ケース 3 O b (第 1 5 図参照) にリ ンク 8 1 を介して連 されてお
、 左右の車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rに支持される左右車輪の左右回動 が、 一方の車輪の挙動だけをセンシングする リ ンク 8 1 を介してカム軸ァー
7 0 ID に入力される。 これにより、 車両が旋回される際には、 リ ンク 8 1 に
よりカム軸アーム 7 O bが回動操作される。 本構成では、 車両が左旋回の際に は、 カム軸アーム 7 O bが第 1 8図において左周 り に回動され、 右旋回の際に は、 カム軸アーム 7 0 bが右回りに操作される。
尚、 車輪の左右回動量のカム軸アーム 7 O bへの入力については、 上記のよ うに前記車輪支持ュニッ ト 3 0 Rの車軸ケース 3 0 c と接続し、 車輪の左右回 動量を検出する構成とする他、 第 2 2図及び第 2 3 図に示すごとく、 タイ ロッ ド 8 とカム軸アーム 7 0 b とを連結機構 1 8及びリ ンク 1 9 を介して接統し、 タイ ロッ ド 8 の動作よ り車輪の左右回動量を検出する構成としてもよい。 この連結機構 1 8 は、 アクスルケ一ス 2 より突設される支持軸 2 s に対して 回動自在に取付けられるプレー ト 1 8 a と、 該プレート 1 8 aより突設される 支持部 1 8 b · 1 8 b に対して回動自在に取付けられる連結筒 1 8 c と、 該連 結筒 1 8 c に進退自在に挿入され、 タイ ロッ ド 8 の中途部の連結部 8 a に対し て回動自在に連結される連結軸 1 8 dより構成され、 タイ ロッ ド 8 の左右方向 の移動がプレー ト 1 8 aの回動運動に変換されカム軸アーム 7 0 bが回動され る。
また、 タイ ロッ ド 8 の上下方向の移動は、 連結筒 1 8 c の回動により吸収さ れるとともに、 タイ ロッ ド 8 の前後方向の移動は、 連結軸 1 8 dの進退によ り 吸収されるので、 タイ ロッ ド 8 の左右方向の移動量のみがカム軸アーム 7 0 b の操作量として入力される。
さ らに、 リ ンク 8 1やワイヤ一によってカム軸アーム 7 0 b を機械的に操作 する構成とする他、 光センサ一、 ポテンショ メータ等により電気的に車輪の左 右回動量を検出し、 ァクチユエ一タにてカム軸アーム 7 0 b を操作する構成も 考えられる。
また、 第 2 1 図及び第 2 4図に示すごとく、 カム軸 7 0 aについて、 該カム 軸 7 0 aが軸方向にてコン トロールアーム 1 4 5 L . 1 4 5 Rと重なる位置に は、 カム軸 7 0 aの下側を開放するレバ一当接面 7 0 c が形設されており、 こ れらコン トロールアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 R、 レバ一当接面 7 0 c によりカム 機構 7 0が構成されている。
また、 レバ一当接面 7 0 c が形成される部分のカム軸 7 0 aは、 軸断面視に
5 おいて略半月状に構成されており、 レバ一当接面 7 0 cの下面が、 コン トロー ルアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rのそれぞれの上面に対向している。
以上の構成により、 第 2 4図に示すごとく、 カム軸アーム 7 O bの操作によ りカム軸 7 0 aが回転されると、レバ一当接面 7 0 cの下面の右端部 7 0 c R、 又は左端部 7 0 c Lがコン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rの上面に当着し、 コン ト ロール軸 1 44 L . 1 4 4 Rがそれぞれ回転操作される。 このように、 一つのカム軸アーム 7 O bの操作によ り二つのコン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rが同時に操作され、 これによ り、 両油圧モータ 2 3 L . 2 3 Rの可動 斜板 4 3 L · 4 3 Rの斜板角度を同時に変更し、 両モ一夕軸 2 3 b · 2 3 bが 同時に増速又は減速される。
当該車軸駆動装置の前記車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rは、 通例のよう に アツカーマン ' ジヤン 卜一ステァリ ング機構によつて、 そ に取りつけた左右 の車輪が操舵されるように構成してあるので、 八ン ドルを同じ量だけ右、 ある いは、 左に切ったとしても、 一方の車輪が旋回外側になる ときの操舵角度と旋 回内側になるときの操舵角度とは異なる。 本発明においては前記カム機構 7 0 は、 刖記一車輪を右切り、 左切りするときの前記リ ンク 8 1のス トロ一ク量が 異なって力ム軸アーム 7 0 bの揺動角度が異なつても、 ン トロ一ルアーム 1
4 5 L · 1 4 5 Rの回動に伴う油圧モ —夕の総合容量の変化量が同じになるよ う に、 第 2 5図に示すレバ一当接面 7 0 cの下面の右端部 7 0 c Rと左端部 7
0 c Lの力ム比を変えて構成する、 即ち、 レバー当接面 7 0 cの下面の右端部
7 0 c Rと左端部 7 0 c Lの力ムのァ ―ル形状を互いに異ならせて構成される ものである 。本実施例では、左端部 7 0 c Lのァーリレを右端部 7 0 c Rよ り も大 きく し、 左端部 7 0 c Lを緩円弧状としている。
これによ り、 一方の車輪側と連系した単一のカム軸 7 0 aによる簡単な構成 で、 右切り と左切りのときの増速制御を一致させる ことができるようにしてい る。
上記の構成では、 第 2 7図の ( a) に示すごとく 、 ハン ドルを或る角度で左 に切ったときには、 右前輪は直進位置から 0 Xの角度で左に切れ、 前記リ ンク
8 1 のス トロークによってカム軸アーム 7 0 13は 0 aの角度で紙面右方向へ揺
動する。 そして、 右端部 7 0 c Rのカムによって、 コン トロールアーム 1 4 5 Lは C Lの角度、 コン トロールアーム 1 4 5 Rは C Rの角度だけ操作される。 これによ り、 決定される油圧モータの総合容量 Xは直進時に比べて角度 Cし と 角度 C Rで決まる所定量 Yだけ減少する方向に変化し、 後輪の平均周速比よ り も前輪の周速比が大きくなり、 路面や刖 ftを痛めずに無理無く車両の旋回半径 を小さ くする ことができる。
一方、 第 2 7 図の ( b ) に示すごと < 、 ハン ドルを前記と同じ或る角度で右 に切った場合、 右前輪は直進位置から Θ X ' ( > Θ X ) の角度で右に切れ、 前 記リ ンク 8 1 のス トロークによって力ム軸アーム 7 0 bは S a ' ( > Θ a ) の 角度で紙面左方向へ揺動する。 この場□ 、 上述したごとく左端部 7 0 c Lの力 ムを緩円弧状に形成することにより 、 今度は、 コン ト口 —ルアーム 1 4 5 Lを
C Rの角度 、 コン ト口一ルアーム 1 4 5 Rを C Lの角度だけ操作されるもので ある。 このよう に、 ノヽン ドルを右に切るときは、 油圧モ一夕の総合容量 X は、 直進時に比ベて、 かつ、 左に切るとさと同じ割合で、 所定量 Yだけ減少するの である。
以上のよう にして、 車両が右旋回されるときと、 左旋回される ときの油圧モ 一夕 2 3 L · 2 3 Rの総合容量の変更量を同じにすることができ、 両旋回方向 における車輪の増速量又は減速量を同じにすることができる。
尚、 前記カム機構 7 0 は、 第 2 6図に示すごとく、 一文字状のレバー当接面 1 7 0 を両コ ン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rで挟み込むようにして構成 されるものであってもよく、 この場合は、 第 2 8図の ( a ) に示すごとく、 上 記構成で前記可動斜板 4 3 L · 4 3 Rを略 「V」 字状に配される ところを (第 1 6 図参照)、 第 2 8図の ( b ) に示すごとく、 互いに略平行に配する構成とす る とともに、 油路 1 5 2 b · 1 5 3 b をクロスさせることによ り対応する。 また、 第 2 5 図に示すごとく、 前記レバ一当接面 7 0 c の下面と、 コン ト口 ールアーム 1 4 5 L , 1 4 5 Rのそれぞれの上面との間には、 規定のク リ アラ ンス 9 9が形成されるよう に構成されており、 該ク リアランス 9 9 の上下長 L によって、 前述の可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの傾斜位置調整をしたときに追従す るコ ン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rの動きが許容されるよう になってい
る。
これによ り、 リ ンク 8 1 によるカム軸アーム 7 O bの操作量が、 直接はコン トロ一ルアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rに伝わらず、 前記ク リアランス 9 9の上下 長 Lの分だけ減少されてコン トロールアーム 1 4 5 L · 1 4 5 Rに伝わるよう になる。
以上が油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rに関する構成である。
そして、 以上の構成では、 リ ンク 8 1 と、 カム機構 7 0による単純な構成で、 一対の車輪のうちの一つの車輪の左右回動角の検出に応じて一対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rが容積変更する構成となり、 車軸駆動装置 1 を前輪側として配 する車両においては、車輪の左右回動角に応じて前輪が増速される構成として、 旋回性の優れた車両を構成することができる。
また、 以上の構成においては、 例えば、 車両が左旋回される際には、 カム軸 アーム 7 O bが第 1 8図において右周 り に操作される。 この場合、 両コ ン ト口 ールアーム 1 4 5 L - 1 4 5 Rは回動操作されて、 左右の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの回転数が増速し、 旋回半径が縮小され、 旋回性の向上が図られる。 また、 以上の構成においては、 前記各油圧モータの可動斜板の斜板角度を操 作するコン ト 口一ルアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rのそれぞれに対し、 前記一車輪 の左右回動に応じて動作する共通のリ ンク 8 1 を、 カム機構 7 0を介して連結 し、 該カム機構 7 0は、 該コン トロールアーム 1 4 5 L ' 1 4 5 Rの回動角度 が、 該リ ンク 8 1の動作量に応じた回動角度より も、 前記ク リ アランス 9 9の 上下長 L (第 2 5図) の分だけ低減するよう に構成されるので、 リ ンク 8 1の 動作量 (移動量) が大きく構成される場合でも、 カム軸アーム 7 O bを長く構 成する こ となく 、 可動斜板 4 3 L · 4 3 Rの斜板角度を変更させるために相応 なコ ン ト ロールアーム 1 4 5 L.1 4 5 Rの操作量とすることができる、即ち、 リ ンク 8 1の動作量をク リアランス 9 9の上下長 Lによ り吸収できる。 この構 成は、 リ ンク 8 1 の動作量が、 コン ト口一ルアーム 1 4 5 L . 1 4 5 Rを操作 するための操作量と比較して大きく構成されることの対応策として特に有効な ものである。
次に、 前記車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 O Rの操舵に関する構成について説
明する。
第 1 5図に示すごとく 、 車軸駆動装置 1 は、 車輪が取付けられる左右一対の 車軸と、 各別に該車軸を左右回動自在に支持する左右一対の車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 O Rと、 各別に該車軸を駆動する一対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 R よ りなり、 該一対の車軸同士を連動して回動させるタイ ロッ ド 8が該車軸駆動 装置 1 に対し車両の前後内側となる側に配設される構成とするとともに、 該ー 対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rに対する油圧配管 1 5 5 a · 1 5 5 bが該車軸 駆動装置 1 に対し車両の前後外側となる側に配設される構成としている。
前記タイ ロッ ド 8 は、 左右の車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rの操舵ケース 3 0 b · 3 0 b の枢結部 1 6 · 1 6 に両端が枢結されており、 車軸ケース 3 0 c · 3 0 c を連動して回動操作し、 左右一対の車軸同士に取付けられる車輪を 連動して回動操作するよう にしている。 また、 該タイ ロッ ド 8 は、 前記リ ンク 8 1及びカム機構 7 0 より も下方となる位置で左右方向に横架されるこ とによ り、 これら リ ンク 8 1及びカム機構 7 0 との干渉が防がれている。
以上の構成によれば、 タイ ロッ ド 8 と、 油圧配管 1 5 5 a ' 1 5 5 b とが互 いに干渉する こ となく アクスルケ一ス 2の前後に振り分けられ、 限られたスぺ —スでの有効配置が可能となる。 また、 タイ ロッ ド 8がアクスルケ一ス 2 の後 側となるので、 車軸駆動装置 1 が前方の障害物に干渉した際にも、 タイ ロッ ド 8 の損傷がまぬがれ、 左右の車輪の連動操作が確保される ことから、 保安上も 良好な設計となっている。
また、 第 1 5 図に示すごとく、 前記車軸駆動装置 1 に対し車両の前後内側と なる側、 又は、 前記車軸駆動装置 1 に対し車両の前後外側となる側のいずれか —方に、 パワーステアリ ング用の油圧ァクチユエ一タ 1 0 9が配設される構成 としている。 該油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 は、 図示せぬステアリ ングハン ドル にて作動するものである。
該油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 のシリ ンダ 1 0 9 aは、 前記カム機構 7 0 の下 方となる位置にアクスルケース 2の後面より膨出させた支持部 1 4 に枢結され る。 一方、 油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 のロッ ド 1 0 9 bは、 左側の車輪支持ュ ニッ ト 3 0 Lの操舵ケ一ス 3 0 bの後部よ り膨出させた支持部 1 5 に枢結され
る。 また、 該油圧ァクチユエ一夕 1 0 9は、 前記リ ンク 8 1及びカム機構 7 0 より も下方となる位置で左右方向に横架される ことにより、 これら リ ンク 8 1 及びカム機構 7 0 との干渉が防がれている。 尚、 前記支持部 1 4をアクスルケ ース 2より前方に膨出させるとともに、 前記支持部 1 5を操舵ケース 3 O bの 前部よ り膨出させることにより、 油圧ァクチユエ一夕 1 0 9をアクスルケ一ス 2の前側に配する構成としてもよい。
以上の構成によれば、 油圧ァクチユエ一夕 1 0 9が車軸駆動装置 1 に一体的 に組み込まれる構成となって、車両への搭載後に必要となる作業工数の削減や、 ュニッ ト としての取り扱い性の向上が図られる。
また、 第 1 5図に示すごとく 、 リ ンク 8 1及びカム機構 7 0は、 車軸駆動装 置 1 に対し車両の前後内側となる側に配される構成としている。
この構成によれば、 車両走行時において、 車軸駆動装置 1が前方の障害物に 干渉した際にも、 これら リ ンク 8 1、 カム機構 7 0の損傷がまぬがれる。
[実施例 8 ]
次に、 第 8実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
本実施例は、 上記第一の実施例において、 カバーと油圧駆動ユニッ トからな るアセンブリ について、 他の構成を適用した実施例である。
第 2 9図乃至第 3 3図に示すごとく、 本実施例では、 力バー 9 1、 斜板サボ
—ト 1 8 6 L . 1 8 6 R、 センタセクショ ン 1 2 2に一連の油路を形成し、 力 バ一 9 1 に設けた接続ポー ト 1 8 0 L · 1 8 0 Rよ り作動油の給排を行う構成 とするものである。
第 3 1図及び第 3 2図に示すごとく、 前記カバ一 9 1は、 斜板サポー ト 1 8 6 L - 1 8 6 Rに対しポル ト固定されるとともに、 第 3 3図に示すごとく、 セ ンタセクショ ン 1 2 2に対してもポルト固定され、 これらはアセンブリ として 一体的に構成されている。
また、 第 2 9図乃至第 3 2図に示すごとく、 前記カバ一 9 1 において、 各斜 板サポー ト 1 8 6 L · 1 8 6 Rの後側となる位置には接続ポー ト 1 8 0 L · 1
8 0 R (第 3 0図参照) が配されており、 各接続ポー ト 1 8 0 L ' 1 8 0 Rよ り、 各斜板サポー ト 1 8 6 L , 1 8 6 Rの後面に向かっては、 それぞれ、 一連
の油路 1 7 6 a ' 1 7 6 b、 油路 1 7 8 a ' 1 7 8 bが形設されている。 そし て、斜板サポート 1 8 6 L - 1 8 6 Rにおいては、 それぞれ前記油路 1 7 6 b、 油路 1 7 8 b に連通する油路 1 7 6 c ' 1 7 8 cが前後方向に形設されている。 また、 左右の斜板サポー ト 1 8 6 L · 1 8 6 Rとセン夕セクショ ン 1 2 2 の 間には、 それぞれ、 連結部材 1 8 7 L · 1 8 7 R (第 3 0 図参照) が設けられ ており、 該連結部材 1 8 7 L ' 1 8 7 Rには、 それぞれ、 油路 1 7 6 e · 1 7 8 dが形設されている。
また、 左側に配する斜板サポー ト 1 8 6 Lにおいては、 油路 1 7 6 c の前端 よ り下方に向けて油路 1 7 6 dが形設され、 該油路 1 7 6 dの下端は、 前記連 結部材 1 8 7 Lに設けた油路 1 7 6 e に連通している。
一方、 右側に配する斜板サポー ト 1 8 6 Rにおいては、 油路 1 7 8 c の前端 は、 前記連結部材 1 8 7 Rに設けた油路 1 7 8 dに連通している。
また、 第 3 3 図に示すごとく 、 センタセクショ ン 1 2 2 においては、 互いに 分断される油路 1 7 7 a . 1 7 9 aが前後方向に並んで形設されるとともに、 該油路 1 7 7 a · 1 7 9 a と個別に連通する油路 1 7 7 b · 1 7 9 bが左右方 向に並んで形設される。 該油路 1 7 7 b · 1 7 9 bは、 センタセクショ ン 1 2
2 の左右側面に形成されるシリ ンダブ Π ク 2 3 a · 2 3 a との摺接面にて開 口され、 互いに分断されるキ ドニーポ一 V (給排ポ一 h ) を形成する。
以上のよう にして、 接続ポ一 卜 1 8 0 Lにおいては 、 油路 1 7 6 a〜 1油路
7 6 e を介してセンタセクシヨ ン 1 2 2 の油路 1 7 7 a · 1 7 7 b に通じ、 接 続ポー ト 1 8 O Rにおいては、 油路 1 7 8 a〜油路 1 7 8 "dを介してセンタセ ク シヨ ン 1 2 2 の油路 1 7 9 a · 1 7 9 b に通じる。
そレ レー 、 接! Cポ — 卜 1 8 0 L · 1 8 0 Rに配管を接 し 、 方のポー 卜より 作動油を供給し、 他方のポ一 卜より作動油を排出することによ り、 油圧モータ
2 3 L · 2 3 Rが駆動されるものである。
以上の構成では、 上述した第 7実施例とは異なり、 カバ一 9 1 に対する配管 接続となるものであり、 これにより、 車軸駆動装置 1 の後側に配管部材が配さ れる構成となり、 特に、 カバー 9 1側に油圧ポンプ等の油圧源が配される車両 構成とする場合には、 配管長を短く構成できることができる といった優れた利
点を有する。 また、 配管部材がアクスルケ一ス 2の後側となるので、 車軸駆動 装置 1 が前方の障害物に干渉した際にも、 配管部材の損傷をまぬがれることが できる。
さ らに、 車軸駆動装置 1 の前側に配管部材が存在することがないので、 車軸 駆動装置 1 が占める前後方向の寸法を小さく抑える ことができ 、 車軸駆動装置
1全体としてコンパク トに構成する ことができる。
[実施例 9 ]
次に、 第 9実施例における車軸駆動装置 1 について説明する
本実施例は、 上記第 8実施例において、 カバーと油圧駆動ュ二ッ 卜力、らなる アセンブリ について、 他の構成を適用した実施例である。
即ち、 第 3 4図乃至第 3 6図に示すごとく、 前記アクスルケ ―ス 2 の前記開 口 6 0 は車両の前後内側に設けられている一方、 前記油圧モ一夕 2 3 L · 2 3
Rの一対は前記アクスルケース 2 内において各々の給排ポ一 卜 (油路 1 9 2 c · 1 9 4 c ) を相互に一対の油路 1 9 2 a · 1 9 2 b , 油路 1 9 4 a - 1 9
4 b を介して流体接続されていると共に、 前記油路の各々を力パ一 1 0 1 を通 じて油圧ポンプ等の油圧源と流体接続可能に構成する実施例である。
本実施例では、 前記カバー 1 0 1 よりセンタセク ショ ン 1 3 2 に通じる一連 の油路を形成し、 カバ一 1 0 1 に設けた接続ポー ト 1 9 0 L · 1 9 0 Rより作 動油の給排を行う構成とするものである。
また、 第 3 4図に示すごとく、 前記カバ一 1 0 1 は、 斜板サポー - ト 2 4 6 L ·
2 4 6 Rに対しポルト固定されるとともに、 第 3 5 図に示すごと < 、 センタセ クシヨ ン 1 3 2 に対してもボル ト固定され、 これらはアセンブリ として一体的 に構成されている。
また、 第 3 6図に示すごとく、 前記カバー 1 0 1 には、 センタセクシヨ ン 1
3 2 を左右中心として、 接続ポ一 ト 1 9 0 L · 1 9 0 (第 3 0 図参照) が互 いに上下位置をずら して配されている。 右側に配される接続ポ一 卜 1 9 0 Rか ら左側に向かって油路 1 9 1 aが形設されてお Ό 、 該油路 1 9 1 aの左端部よ りセンタセクショ ン 1 3 2 に向かって油路 1 9 1 bが形設されている 。同様に、 左側に配される接続ポー ト 1 9 0 Lから右側に向かつて油路 1 9 3 aが形設さ
れており、 該油路 1 9 3 aの右端部よりセンタセクシヨ ン 1 3 2に向かって油 路 1 9 3 bが形設されている。
また 、 第 3 5図に示すごとく、 センタセクシ 3 ン 1 3 2においては、 カバ一
1 0 1 との接触面から前方に向かって互いに分断される油路 1 9 2 a ' 1 9 4 a力 並んで形設されており、 これら油路 1 9 2 a • 1 9 4 aは、 それぞれシ一 ルパィプ 1 9 5 • 1 9 6を介してカバ一 1 0 1側の油路 1 9 1 b . 1 9 3 bに 連通している。 該シ一ルパイプ 1 9 5 · 1 9 6は 、 前記カバ一 1 0 1のセン夕 セク シヨ ン 1 3 2に対する位置決め部材として 機能する。
また 、 センタセクシヨ ン 1 3 2において 、 記油路 1 9 2 aの前端よ り下方 に向けて油路 1 9 2 bが形設されており 、 また 、 前記油路 1 9 4 aの前端よ り 上方に向けて油路 1 9 4 bが形設されている。 そして、 これら油路 1 9 2 b -
1 9 4 bと個別に連通する油路 1 9 2 c • 1 9 4 cが左右方向に並んで形設さ
4 る。 該油路 1 9 2 c · 1 9 4 cは、 センタセクシヨ ン 1 3 2の左右側面に形 成されるシリ ンダブロック 2 3 a ' 2 3 aとの摺接面にて開口され、 互いに分 断されるキ ドニ一ポート (給排ポ一 ト) を形成する o
以上の にして、 接続ポー ト 1 9 0 Rにおいては、 油路 1 9 1 a · 1 9 1 b、 及びシールパイ プ 1 9 5 を介してセンタセク ショ ン 1 3 2の油路 1 9 2 a - 1 9 2 b - 1 9 2 c に通じ、 接続ポー ト 1 9 0 Lにおいては、 油路 1 9 3 a · 1 9 3 b、 及びシールパイプ 1 9 6を介してセン夕セクショ ン 1 3 2の油 路 1 9 4 a ' 1 9 4 b - 1 9 4 c に通じる。
そして、 接続ポー ト 1 9 0 L ' 1 9 O Rに配管を接続し、 一方のポー トよ り 作動油を供給し、 他方のポートより作動油を排出することによ り、 油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rが駆動されるものである。
以上の構成では、 上述した第 7実施例とは異なり、 力パー 1 0 1 に対する配 管接続となるものであ り、 これによ り、 車軸駆動装置 1の後側に配管部材が配 される構成となり、 特に、 カバ一 1 0 1側に油圧ポンプが配される車両構成と する場合には、 配管長を短く構成できることができるといった優れた利点を有 する。
また、 車軸駆動装置 1の前側に配管部材が存在することがないので、 車軸駆
動装置 1 が占める前後方向の寸法を小さく抑えることができ、 車軸駆動装置 1 全体としてのコ ンパク ト化が図られる。 また、 配管部材がアクスルケ一ス 2 の 後側となるので、 車軸駆動装置 1が前方の障害物に干渉した際にも、 配管部材 の損傷をまぬがれる こ とができる。
さ らに、 油圧配管とセンタセクショ ン 1 3 2 を結ぶ油路をカバ一 1 0 1 に集 約して形成する構成としているため、 斜板サポー ト 2 4 6 L ' 2 4 6 Rについ ては油路の形成されない簡易な構造となり、 油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 の前後幅 を小さ く押さえる こ とが可能となって、 車軸駆動装置 1全体としてのコ ンパク ト化が図られる。
尚、 上記のよう に、 前記カバ一 1 0 1 に油路 1 9 1 a · 1 9 1 b、 油路 1 9 3 a - 1 9 3 b を設け、 油路 1 9 2 a ' 1 9 4 a をカバー 1 0 1 を介して油圧 源に流体接続する構成とする他、 例えば、 センタセクショ ンにおいて、 油路 1 9 2 a · 1 9 4 a をアクスルケ一ス 2 の外側に至るまで延長して構成し、 ァク スルケ一ス 2 の前後外側において、 前記油路 1 9 2 a · 1 9 4 a と油圧源とを 流体接続する構成としてもよい。
[実施例 1 0 ]
次に、 第 1 0実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
本実施例では、 実施例 7 〜実施例 9 において開示した車軸駆動装置 1 を備え て、 四輪駆動車両とする場合について説明する。
第 3 7 図に示すごとく、 車軸駆動装置 1 を前輪側として四輪駆動車両を操舵 する構成とする とともに、 後輪側には、 後輪を駆動する後車軸駆動装置 3 を備 える構成とする。
後車軸駆動装置 3 には、 図示せぬエンジンよ り駆動が入力される可変容積型 の油圧ポンプ 4 0 Pが備えられ、 該油圧ポンプ 4 0 Pによ り供給される作動油 によって固定容積型の油圧モータ 4 0 Mが駆動される構成の H S T 4 0 (静油 圧式無段変速装置) が設けられている。 該 H S T 4 0 の出力側で前記後輪を差 動的に連結する機械式のデフ装置の伝動上手側には、 ギア式の副変速機構 8 2 が設けられており、 四輪駆動車両の走行モー ドを高速と低速の二段階に切り替 えられるよう に構成される。
また、 前記 H S T 4 0 の油圧ポンプ 4 0 Pより供給される作動油は、 コン ト ロールバルブ 4 5 を介して前輪側の車軸駆動装置 1 に供給され、 該車軸駆動装 置 1内の油圧モータ 2 3 L · 2 3 R'を駆動させた後に後車軸駆動装置 3 に戻つ て前記油圧モータ 4 0 Mを駆動した後に油圧ポンプ 4 0 Pに吸入される。 この よう に、 シリーズ回路により四輪駆動車両が構成される。
そして、 前記コン トロールパルプ 4 5の操作部 4 5 a は、 前記副変速機構 8 2 のクラッチ操作部 8 2 a とリ ンク 8 4を介して接続され、 両操作部 4 5 a · 8 2 aのいずれか一方を操作することにより、 コン ト口一ルバルブ 4 5 と副変 速機構 8 2が連動して操作されるよう にしている。
この連動操作によって、四輪駆動車両の走行モー ドが高速とされる場合には、 副変速機構 8 2 を高速側とするとともに、 コン トロールバルブ 4 5 を閉じる こ とによ り、 車軸駆動装置 1側への作動油の供給をなぐし、 後輪 3 L · 3 Rのみ が高速回転で駆動される二輪駆動車両が構成されるよう にしている。
一方、 四輪駆動車両の走行モー ドが低速とされる場合には、 副変速機構 8 2 を低速側とするとともに、 コン トロールバルブ 4 5 を開く ことにより、 車軸駆 動装置 1側へ作動油を供給することで、 後輪 3 L · 3 Rが低速回転で駆動され る とともに、 前輪 1 L * 1 Rも同様に低速回転で駆動される四輪駆動車両が構 成されるようにしている。
以上のよう に構成される四輪駆動車両では、 移動時や軽牽引作業時など高 ト ルクが必要とされない場合では、 走行モー ドを高速として二輪駆動車両を構成 し、 前輪側への作動油の供給による動力ロスを低減することが可能となる。 一 方、 作業時や重軽牽引作業時など高 トルクが必要とされる場合では、 走行モー ドを低速として四輪駆動車両を構成し、 高付加作業に対応する車両を構成する ことが可能となる。
尚、 この走行モー ドの切替えにおけるコン トロールバルブ 4 5 と副変速機構
8 2 の連動に関しては、 上述のリ ンク 8 4 による連動の構成の他、 オペレータ により操作される副変速機構 8 2の変速レバーの位置をセンサーで電気的に感 知してコン トロールバルブ 4 5 を作動させる構成や、 車速センサ一の検知した 車速に応じてコン トロールバルブ 4 5 を作動させる構成など、 いずれの構成で
あってもよく 、 特に限定されるものではない。
[実施例 1 1 ]
次に、 第 1 1実施例における車軸駆動装置 1 について説明する。
本実施例では、 他の構成の油圧駆動ュ二ッ ト 2 2 0 を備える車軸駆動装置 1 について説明する。
第 3 8 図に示すごとく 、 車軸駆動 置 1 は、 アクスルケース 2 と、 該アクス ルケース 2 の両側に配され、 タイ口 V ド 8 にて連動して操舵される左右一対の 車輪支持ユニッ ト 3 0 L · 3 O Rと 、 二 の可変容積型油圧モータ 2 3 L · 2
3 R (第 3 9 図) を備える油圧駆動 二ッ ト 2 2 0 を内装するモ一タハゥジン グ 1 2 7 と、 前記可変容積型油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rの斜板角度を操作する ための連動機構 2 7 0 と、 前記車輪支持ュニッ ト 3 0 L . 3 0 Rの操舵角 ¾ 入 力するための油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 と 、 を有する構成としている。
第 3 8 図及び第 3 9 図に示すごと < 、 車軸駆動装置 1 のアクスルケ一ス 2 の 左右両端には、 タイ ロッ ド 8 により互いに連動して旋回操作される車輪支持ュ ニッ ト 3 0 L · 3 O Rが配されてお 、 ステアリ ング操作によって油圧ァクチ ユエ一夕 1 0 9が作動すると、 車輪支持ュニッ ト 3 0 L . 3 0 Rに支持される 図示しない車輪の角度が変更されるように構成されている。
前記油圧ァクチユエ一夕 1 0 9のシリ ンダ 1 0 9 aはアクスルケース 2から 後方に突設された支持部 1 4に枢支され、 前記油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 の口 ッ ド 1 0 9 bの先端部分は右側の車輪支持ュニッ ト 3 0 Rの後方に突設した支 持部 1 5 に枢支されており、 ステアリ ング操作によってシリ ンダ 1 0 9 aに作 動油が供給されると、 前記ロッ ド 1 0 9 bが伸縮して車輪支持ュニッ ト 3 0 R が回動される。
また、 前記ロッ ド 1 0 9 b には油圧駆動ユニッ ト 2 2 0 に内装される可動斜 板の傾斜角度を変更するための連動機構 2 7 0が連結されており、 ステアリ ン グ操作によ り油圧ァクチユエ一夕 1 0 9が作動して前記ロッ ド 1 0 9 bが伸縮 する と、 車輪支持ュニッ ト 3 0 L · 3 0 Rの角度が変更されるとともに 、 可動 斜板の傾斜角度が変更されるようにしている。
前記タイ ロッ ド 8 は、 左右の車輪支持ユニッ ト 3, 0 L . 3 0 Rの操舵ケース
3 0 b · 3 O bに突設された枢結部 1 6 · 1 6 に両端が枢結されており、 左右 の車軸ケース 3 0 c · 3 0 c を連動して回動操作し、 左右の車軸同士に取り付 けられる車輪を連動して回動操作できるよう にしている。
また、 前記枢結部 1 6 · 1 6 は油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 の支持部 1 4 · 1 5 より下方に設けて、 前記タイ ロッ ド 8 を、 油圧ァクチユエ一夕 1 0 9及び前 記連動機構 2 7 0 より も下方となる位置で左右方向に横架する ことにより、 油 圧ァクチユエ一夕 1 0 9及び連動機構 2 7 0 との干渉が防がれている。
このよう に夕イ ロッ ド 8 は限られたスペースに有効配置されており、 また、 アクスルケ一ス 2 の後側に配置されているため、 車軸駆動装置 1 が前方の障害 物に干渉した際にも、 タイ ロッ ド 8 の損傷を免れ、 保安上も良好な設計となつ ているものである。
第 3 9 図に示すように、 油圧駆動ュニッ ト 1 2 0 の左側に配される油圧モー 夕 2 3 Lのモータ軸 2 3 bは、 スプライ ン筒 1 2 4 aを介して左車軸駆動軸 1
2 5 L と連動連結されており、 該左車軸駆動軸 1 2 5 Lよ り車輪支持ユニッ ト
3 0 Lに駆動が入力されて、 車輪ディ スク 3 5 Lが回転駆動される構成として いる。
一方、 油圧駆動ユニッ ト 2 2 0 の右側に配される油圧モ一夕 2 3 Rのモータ 軸 2 3 bは、 直接、 車輪支持ユニッ ト 3 O Rと連動連結されており、 車輪支持 ュニッ ト 3 0 Rに駆動が入力されて、 車輪ディ スク 3 5 Rが回転駆動される構 成としている。
また、 左右のモータ軸 2 3 b · 2 3 bは、 それぞれ、 モ一夕ハウジング 1 2
7 の左右を形成する左右壁部 1 2 7 L · 1 2 7 Rの端部に内嵌されるべア リ ン グ 2 9 にて軸承されるとともに、 シール部材 3 6 にてアクスルケース 2 との隙 間が塞がれている。 このシール部材 3 6 により、 油圧駆動ユニッ ト 2 2 0 を内 装するモータハウジング 1 2 7 と、 車輪支持ュニッ ト 3 O Rの伝動ケース 3 0 a との間がシールされる。
次に、 油圧駆動ュニッ ト 2 2 0 に関する構成について説明する。
第 3 9 図及び第 4 0 図に示すよう に、 油圧駆動ュニッ ト 2 2 0 はアクスルケ
—ス 2 の中央部よ り右寄り に配されるモータハウジング 1 2 7 に内装され、 該
モータハウジング 1 2 7 の左右の壁部 1 2 7 L · 1 2 7 Rに囲まれてュニッ ト 状に構成されている。
また、 第 4 5 図に示すように、 前記右側の壁部 1 2 7 Rと右側の車軸支持ュ ニッ ト 3 0 Rの伝動ケース 3 0 a との間、 及び前記左側の壁部 1 2 7 L とァク スルケース 2 との間には、 それぞれスぺ一サ 2 0 5 L · 2 0 5 Rを配すること が可能となっており、 該スぺ一サ 2 0 5 L ' 2 0 5 Rを配置することで、 ァク スルケース 2 の幅を増減する ことができ、 輪距を任意に変更することが可能と なるものである。 このため、 需要に応じた ト レッ ドを有する車両を提供する こ とが可能となり、 汎用性の向上を図ることができる。
前記モータハウジング 1 2 7 は左右に設けた壁部 1 2 7 L ' 1 2 7 Rと、 該 左右の壁部 1 2 7 L · 1 2 7 Rの間に形成される筒状の周囲壁 1 2 7 a とで構 成されており、 内部に一対の油圧モータ 2 3 L ' 2 3 Rを内装する空間部を形 成している。
前記左右壁部 1 2 7 L · 1 2 7 Rの内側には、 一対の油圧モ一夕 2 3 L · 2 3 Rに作動油を供給する油路が形設されたセンタセクショ ン 2 2 2 L · 2 2 2 Rがそれぞれ配され、 該センタセクショ ン 2 2 2 L · 2 2 2 Rの内側に左右一 対の油圧モー夕 2 3 L · 2 3 Rを配置し、 中央部には、 前記左右一対の油圧モ —タ 2 3 L · 2 3 Rに挟まれるよう に可動斜板 1 4 3が配置されている。
前記可動斜板 1 4 3 は左右両面にスラス トベアリ ング 1 4 3 a ' 1 4 3 a を 背面合わせで配する構成とし、 中央部には可動斜板 1 4 3 と連動して一体に回 転するコン トロール軸 1 4 4 を前後方向に揷通して固定している。
また、前記左右のセンタセクショ ン 2 2 2 L - 2 2 2 Rは油圧モ一夕 2 3 L ·
2 3 Rの両端に配置され、 各センタセクショ ン 2 2 2 L · 2 2 2 Rのモータ付 設面には油圧モ一夕のシリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aが摺接されてお り、 該 シリ ンダブロック 2 3 a · 2 3 aにはピス トン 2 3 p · 2 3 p 。 · ' が摺動自 在に内装されている。 該ピス トン 2 3 p · 2 3 p · · ' の摺動ス トロークは可 動斜板 1 4 3 によ り調整可能としており、 シリ ンダプロック 2 3 a ' 2 3 a に 相対回転不能に係合されるモー夕軸 2 3 b ' 2 3 b を出力軸として、 アキシャ ルピス ト ン式の可変容積型油圧モータが構成されている。
前記可動斜板 1 4 3 の中央部に固定されたコン トロール軸 1 4 4には、 後述 する連動機構 2 7 0 により回動するコン トロールアーム 1 3 7 を係合しており、 該コン トロールアーム 1 3 7 を回動することによって可動斜板 1 4 3 の傾斜角 度が変更されるよう にしている。 そして、 可動斜板 1 4 3 の傾斜角度の変更に より、 前記モータ軸 2 3 b · 2 3 bの回転数を変更し、 図示せぬ車輪の増速又 は減速が行われる構成としている。
また、 第 4 0 図、 第 4 3 図に示すように、 左右一側 (本実施例では左側) の センタセクショ ン 2 2 2 Lには、 外部の油圧配管等と連通されるパイプポー ト 2 5 4 a · 2 5 4 bを上下に並んで配置しており、 各パイプポー ト 2 5 4 a · 2 5 4 bには、 上下に並んで形設された油路 2 5 2 a · 2 5 3 aが互いに分断 されて連通されている。
前記油路 2 5 2 a · 2 5 2 bのうち、 上側の油路 2 5 2 aは上下方向に形設 された油路 2 5 5 a と連通しており、 該油路 2 5 5 aは、 その下部にてセンタ セク ショ ン 2 2 2 Lのモータ付設面 2 2 2 L a に形設されたキ ドニ一ポー ト (給排ポー ト) 2 5 3 a と連通している。 また、 該油路 2 5 5 aの上部はセッ トスク リ ュー等の止めネジ 2 6 6で塞がれる と共に、 左右方向に形設された油 路 2 5 6 a と連通しており、 該油路 2 5 6 aは他側のセンタセクショ ン 2 2 2 Rに形設された油路 2 8 5 a に連通している。
また、 前記油路 2 5 2 a · 2 5 2 bのうち、 下側の油路 2 5 2 bは上下方向 に形設された油路 2 5 5 b と連通しており、 該油路 2 5 5 bは、 その上部にて 前記モータ付設面 2 2 2 L aに形設されたキ ドニ一ポー ト 2 5 3 b と連通して いる。 そして、 該油路 2 5 5 bの下部は止めネジ 2 6 7で塞がれて、 左右方向 に形設された油路 2 5 6 b と連通するとともに、 該油路 2 5 5 bの上部はキ ド 二一ポー ト 2 5 3 b と連通している。
また、 第 4 4図に示すように、 左お他側 (本実施例では右側) のセン夕セク ショ ン 2 2 2 Rには、 前記油路 2 5 6 a と連通する油路 2 8 5 aが形設されて おり、 該油路 2 8 5 aはその上部を止めネジ 2 6 8 にて塞いでいる。 該油路 2
8 5 aは斜め前下方に傾けて形設されており、 該油路 2 8 5 aの下部はセン夕 セクショ ン 2 2 2 Rのモータ付設面 2 2 2 R aに形設されたキ ドニーポー ト 2
8 3 a に連通している。 また、 センタセクショ ン 2 2 2 Rには、 油路 2 5 6 b と連通する油路 2 8 5 bが形設されており、 該油路 2 8 5 bはその下部を止め ネジ 2 6 9 にて塞いでいる。 該油路 2 8 5 bは斜め後上方に傾けて形設されて おり、 該油路 2 8 5 bの上部はモータ付設面 1 2 2 R aに形設されたキ ドニ一 ポー ト 2 8 3 b に連通されている。
以上のよ Όな油路構成において、 パイプポー ト 2 5 4 aから作動油が供給さ れると、 キ ド'二一ポ一 ト 2 5 3 aを介して油圧モータ 2 3 Lに作動油が供給さ れて、 油圧モ —夕 2 3 Lが駆動されるとともに、 油路 2 5 6 aを介して、 他側 のセンタセクシヨ ン 2 2 2 Rに供給されて、 キ ドニーポ一ト 2 8 3 aから油圧 モータ 2 3 Rに作動油が供給されて、 油圧モータ 2 3 Rが駆動される。 油圧モ 一夕 2 3 R内に供給された作動油はキ ドニ一ポー ト 2 8 3 bから油路 2 8 5 b、 油路 2 5 6 bを介して他側のセンタセクショ ン 2 2 2 Lに戻され、 キ ドニ一ポ ー ト 2 5 3 bから油圧モータ 2 3 Lに供給され、 油路 2 5 2 b を介してパイ プ ポー ト 2 5 4 bから外部に排出される。
なお、 前述した作動油の流れとは逆に、 作動油の供給口を下側のパイプポ一 ト 2 5 4 b として、排出口を上側のパイプポー ト 2 5 4 a としてもよい。また、 センタセクショ ンにおける油路の構成は左右逆であってもよいものである。 このよう に、 シリ ンダブロックを前記摺接面の各々に設置した際に、 油圧モ 一夕の吸入 Z排出ポー トはパラレル接続されることになる。 したがって前記可 動斜板 1 4 3 の傾斜角度によ り決定される左右各々のモー夕容量の合計が車軸 駆動装置全体としてのモータ容量となる。
また、 第 4 1 図に示すごとく 、 前記各油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rは可動斜板 1 4 3 を具備すると共に、 該可動斜板 1 4 3 の傾斜角度を規定角度に維持する よう に付勢する付勢手段としての トルクパネ 2 6 3が設けられており、 前記一 車輪の左右回動角が大きく なるにつれて、 該トルクパネ 2 6 3 の付勢力に抗し て可動斜板 1 4 3 の傾倒角度が小さくなるように前記一車輪と前記可動斜板 1 4 3 とがリ ンクを介して連動連結されている。
前記トルクパネ 2 6 3 の両端は交差した後、 同方向に延伸して、 前記コン ト ロールアーム 1 3 7 に設けた孔に揷通された可動ピン 2 6 2、 及びモータハウ
ジング 1 2 7にポルト 1 8 8及びナツ ト 1 8 9にて固定された固定ピン 2 6 1 に係合することにより、 コン トロ一ルアーム 1 3 7を一側方向に回転させた時 に付勢力が発生して、 それを元位置に戻す付勢手段として機能する。 コン ト口
—ルァ —ム 1 3 7の一側回転方向は、 コン トロールアーム 1 3 7が可動斜板 1
4 3の傾斜角度を小さ くする側、 即ち、 モータ容量を減少させる側の方向とし ている
また 、 前記固定ピン 2 6 1は、 その固定位置を変更可能に構成しており、 前 記 トルクバネ 2 6 3を介して可動斜板 1 4 3の傾斜位置を調節できるよう に構 成している。
そして、 可動斜板 1 4 3の所定の斜板角度を規定角度として 、 通常状態、 即 ち、 ステアリ ングが操作されない限りは、 可動斜板 1 4 3が規定角度に維持さ れるようになつているのである。
次に 、 可動斜板 1 4 3 を回動するための連動機構 2 7 0の構成について説明 する。
第 3 8図、 第 4 1図、 第 4 2図に示すように、 連動機構 2 7 0はプロペラ形 状に形成されたコン トロールアーム 1 3 7 と、 ステアリ ングに 動する油圧ァ クチュエータ 1 0 9のロッ ド 1 0 9 bに固設されたステー 1 7 5 と、 該ステ一
1 7 5 に連結されたブラケッ ト 1 7 3 と、 前記コン ト口一ルァ ―ム 1 3 7 とブ ラケッ ト 1 7 3 との間に懸架される二本のロッ ド 1 7 1 a • 1 7 1 bとから構 成されている。
前記コン トロールアーム 1 3 7の中心部には可動斜板 1 4 3 と連動するコン トロール軸 1 4 4が揷通固定されており、 該コン トロールアーム 1 3 7の回転 にともなって可動斜板 1 4 3の角度が変更されるようにしている。 また、 前記 コ ン ト ロールアーム 1 3 7の上部及び下部には円弧状に形成された長孔 1 3 7 a ' 1 3 7 bが設けられ、 該長孔 1 3 7 a ' 1 3 7 bには前記ロ ッ ド 1 7 1 a · 1 7 l b端部のブラケッ ト 2 9 1 a · 2 9 l bに設けられたピン 2 7 9 a · 2 7 9 bがそれぞれ摺動可能に揷通されている。
前記ロッ ド 1 7 1 a ' 1 7 1 bの他端側のブラケッ ト 2 9 2 a ' 2 9 2 bに 設けられたピン 2 8 0 a · 2 8 0 bは前記ステー 1 7 5に固定されたブラケッ
ト 1 7 3 に枢支されている。
また、 前記コン トロールアーム 1 3 7 に設けられた長孔 1 3 7 a · 1 3 7 b は、 コ ン トロールアーム 1 3 7 の回動支点となるコン ト ロール軸 1 4 4の軸心 部からの距離 L 1 · L 2がそれぞれ異なった位置に設けられている。 本実施例 ではコン トロールアーム 1 3 7 の回動支点から上側の長孔 1 3 7 aまでの距離 L 1 よ り、 回動支点から下側の長孔 1 3 7 b までの距離 L 2が大となるよう に 構成している。
そして、 可動斜板 1 4 3が所定の規定角度である状態 (旋回操作されない直 進状態) で、 上側のロッ ド 1 7 1 aのピン 2 7 9 aは長孔 1 3 7 a内の最も奥 側 (第 3 8 図における左側) に配置され、 下側のロッ ド 1 7 1 bのピン 2 7 9 bは長孔 1 3 7 b内の最も手前側 (第 3 8 図における右側) に配置されるよう にしている。
このような連動機構 2 7 0 において、 ステアリ ング操作によ り油圧ァクチュ ェ一タ 1 0 9 のロッ ド 1 0 9 b を伸縮すると、ロッ ド 1 0 9 b を伸張した場合、 ステー 1 7 5 に固定されたブラケッ ト 1 7 3がロッ ド 1 0 9 bの伸張方向に引 つ張られてロッ ド 1 7 1 a · 1 7 1 bが同一に右方向に移動し、 上側のピン 2 7 9 aは長孔 1 3 7 a内を摺動して、 下側のピン 2 7 9 bは係合しているため コン トロールアーム 1 3 7 を矢視 B方向に回動する。
また、 ロッ ド 1 0 9 b を収縮した場合、 ステ一 1 7 5 に固定されたブラケッ ト 1 7 3がロッ ド 1 0 9 bの収縮方向に移動して、 ロッ ド 1 7 1 a ' 1 7 1 が同一に左方向に移動し、 上側のピン 2 7 9 はコン トロールアーム 1 3 7 に係 合しているため、 矢視 B方向に回動し、 下側のピン 2 7 9 bは長孔 1 3 7 b内 を摺動するのである。
即ち、 ステアリ ング操作によって油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 を伸縮何れに操 作した場合においても、 コン トロールアーム 1 3 7 は同一方向に回動される。 そして、 前記コン トロールアーム 1 3 7 の回動によ り可動斜板 1 4 3 の角度 が変更されて、 両モータ軸 2 3 b · 2 3 bが同時に減速又は増速される。
また、 コン ト ロールアーム 1 3 7 に設けた長孔 1 3 7 a · 1 3 7 b を回動支 点よ り異なった距離位置に設けているため油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 の伸長時
と収縮時とでコン トロールアーム 1 3 7 の回動角度が異なるよう にしているも のである。
即ち、 当該車軸駆動装置の車輪支持ユニッ ト 3 0 L • 3 O Rは、 通例のよう にアツ力一マン · ジヤン トーステアリ ング機構によ て、 そこに取り付けた左 右の車輪が操舵されるよう に構成しているため 、 ノヽン ドルを同じ量だけ右、 あ るいは、 左に切ったとしても、 一方の車輪が旋回外側になるときの操舵角度と 旋回内側になる ときの操舵角度とは異なる。
このため、 本発明においては、 コン トロールァ一ム 1 3 7 によって油圧ァク チユエ一夕 1 0 9 を伸ばす時と、 縮める時とで U ンク比を変更するよう にして いる。 そして、 一車輪を右切り、 左切りするとさの U ンク比を変更して、 油圧 モータの総合容量の変化量が同じになるよう に構成し 、 右切り と左切りのとき の増速制御を一致させることができるよう にしているのである。
例えば、 本実施例の如く、 片側の車輪支持ュ一 V 3 0 Rにステアリ ング操 作用の油圧ァクチユエ一タ 1 0 9 を設けている場 □ において、 左旋回を行う際 には油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 を伸長させて、 右側の車輪を左側に回転させて 角度変更させる。 そして、 該右側車輪の角度変更に伴つて、 左側の車輪の角度 が右側の車輪の角度より大きな角度で変更される
逆に、 右旋回を行う際には、 油圧ァクチユエ ―夕 1 0 9 を収縮して、 右側の 車輪を右方向に回転させて角度変更させるものであるが、 前述の右旋回の場合 と同様の旋回角度とするためには、 油圧ァクチュェ一夕 1 0 9 の収縮量を左旋 回時における油圧ァクチユエ一タ 1 0 9 の伸長 *よ り も大きくする必要がある のである。
このような、 左右旋回時における油圧ァクチュェ一夕 1 0 9 の伸長量と収縮 量のずれを、 前記コン トロールアーム 1 3 7 により補整して、 左右何れの旋回 時においても可動斜板 1 4 3 の角度を同様に変更し 、 油圧モ一夕の総合容量の 変化量を同じにするのである。
尚、 上記のようなアツ力一マン ' ジヤン ト一ステアリ ング機構を適用しない 車両においては、コン トロールアーム 1 3 7 でリ ンク比を変更する必要はなレ 以上に説明した連動機構 2 7 0 の構成により、 簡単な構成で、 ステアリ ング
操作によ り操舵角を変更するとともに、可動斜板 1 4 3 の傾斜角度を変更して、 一対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの容積を左右何れの旋回時においても同様に 変更することができる。 このため、 車軸駆動装置 1 を前輪側として配する車両 においては、 車輪の左右回動角に応じて前輪が増速される構成として、 旋回性 の優れた車両を構成する ことができる。
なお、 本実施の形態においては、 パワーステアリ ング用の油圧ァクチユエ一 夕 1 0 9 に連動機構 2 7 0 を連動して可動斜板 1 4 3 の傾斜角度を変更できる よう にしたものであるが、 タイ ロッ ドや、 キングピン等に連動機構を連動させ て、 これらの挙動に連動するように構成することもできる。 また、 本実施例に おいて、 連動機構 2 7 0 は機械的なリ ンクで構成したものであるが、 電子制御 によ り可動斜板 1 4 3 の傾斜角度を変更できるよう に構成してもよい。
次に、 本実施例における車軸駆動装置 1 を前輪側に備えた車両 2 0 0 の実施 例について説明する。
第 4 6図に示すよう に、 車両 2 0 0 は前輪 1 L · 1 R側に本発明に係る車軸 駆動装置 1 を備えるとともに、 可変容積型の油圧ポンプ 2 3 5 と固定容積型の 油圧モ一夕 2 4 0 とを備えている。
前記油圧ポンプ 2 3 5 は原動機 2 1 0から動力を得て油圧モータ 2 4 0 を駆 動し、 該油圧モータ 2 4 0から減速ギア列 2 2 5、 差動装置 2 3 0 を介して、 後輪車軸に駆動力を与え、 後輪 3 L · 3 Rを駆動する。
また、 可変容積型に構成される前記油圧ポンプ 2 3 5 の可動斜板にはシフ ト レパ一 2 1 5が連結されており、 該シフ トレバ一 2 1 5 の操作によ り、 前記油 圧ポンプ 2 3 5 の容量を制御できるようにしている。
前記油圧ポンプ 2 3 5及び油圧モータ 2 4 0 は、 コン トロールバルブ 4 5 を 介して車軸駆動装置 1 の給排ポートとなるパイ プポー ト 2 5 4 a · 2 5 4 b に 流体的に接続されている。 前記コン トロールバルブ 4 5 は後輪駆動用の油圧モ 一夕 2 4 0 と車軸駆動装置 1 の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの両方に作動油を供 給するか、 もしく は車軸駆動装置 1への作動油の流通を遮断して、 後輪側の油 圧モータ 2 4 0 のみに作動油が供給される状態に切り換え制御できるよう にし ている。 即ち、 前記コ ン トロールバルブ 4 5 によ り本車両 2 0 0 を四輪駆動モ
― ド、 又は後輪二輪駆動モ一 ドに切り換え可能な構成としている。 車両 2 0 0 を四輪駆動モー ドとした状態において、 パイプポ一 ト 2 5 4 a ·
2 5 4 bから車軸駆動装置 1 内に供給される作動油は、 キドニ一ポー ト 2 5 3 a . 2 8 3 aにて並列的に接続される (パラレル接続される) 一対の油圧モー 夕 2 3 L ' 2 3 Rを駆動する。
つま り、 パイプポー ト 2 5 4 aから供給される作動油は、 油路 2 5 2 a · 2
5 5 b を介して左側の油圧モ一夕 2 3 Lを駆動し、 油路 2 5 6 a · 2 8 5 a を 介して右側の油圧モータ 2 3 Rを駆動する。 そして、 油圧モータ 2 3 Rを駆動 した作動油は油路 2 5 2 b · 2 5 5 b と油路 2 5 6 b · 2 8 5 bを介してパイ プポー ト 2 5 4 bから排出される。
前記油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの駆動力はそれぞれモ一夕軸 2 3 b · 2 3 b、 車軸 3 4 L · 3 4 Rに伝達され、 前輪 1 L · 1 Rが回転駆動されるよう になつ ている。
作動油の流れを説明すると、 前進時には、 油圧ポンプ 2 3 5から吐出される 油は、 後輪駆動用の油圧モータ 2 4 0 を駆動した後に、 車軸駆動装置 1 の油圧 モータ 2 3 L . 2 3 Rへと流れる。 これは、 急発進時に前輪 1 L , 1 Rがー時 的に浮き上がっても、 必ず接地している後輪 3 L · 3 Rの方で確実に駆動状態 にしておく ためである。 なお、 後進時には、 油圧ポンプ 2 3 5から油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを経て油圧モータ 2 4 0へ流れる。
前記油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを共通制御する可動斜板 1 4 3 はパワーステ ァリ ング用の油圧ァクチユエ一夕 1 0 9 に連動連結されており、 該油圧ァクチ ユエ一夕 1 0 9 の伸縮により前記可動斜板 1 4 3が傾動されると、 前記一対の 油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rの各々が同じ方向に容量変更される。
即ち、 一方の油圧モータ 2 3 L ( 2 3 R) の容量が増加すれば、 他方の油圧 モータ 2 3 R ( 2 3 L ) も同量増加し、 一方の油圧モ一夕 2 3 L ( 2 3 R) が 減少すれば他方の油圧モータ 2 3 R ( 2 3 L ) も同量減少するのである。 以上の油圧回路構成において、 旋回時等で前輪 1 L · 1 Rに負荷がかかり油 圧モー夕 2 3 L ' 2 3 Rに対して負荷変動が生じた場合、 それぞれの油圧モー 夕 2 3 L · 2 3 に分流される作動油の流量が変化し、 左右の前輪 1 L · 1 R
においてデフ作用を生じる構成となっている。 このため、 車軸駆動装置 1 内に 機械式の差動機構を設ける必要がなく 、 車軸駆動装置 1 をコンパク トにでき、 地上高の確保が容易となるのである。
また、 共通の可動斜板 1 4 3 にて一対の油圧モータ 2 3 L · 2 3 Rを制御で きるため、 該可動斜板 1 4 3 を傾動するための機構をシンプル化することがで さる。
また、 以上の油圧回路構成により車両 2 0 0 を四輪駆動モー ド としている場 合、 旋回時に前輪が増速され、 旋回角度に応じて地面の上を円滑に回転してゆ く ため、 車輪で芝や地面を引つ接く ことが無くスムーズな旋回を行う ことがで きる。 また、 車両腹部にモアをミ ツ ドマウン トする場合においては、 その腹部 に前輪 1 L · 1 Rを機械的に駆動するための ドライブシャフ 卜が存在せず、 そ の代り に変形容易な油圧配管になっているため、 モアのための空間が広く レイ アウ トでき、 その装着性、 メンテナンス性が良好となる。 さ らに、 伝動軸が存 在しないため、 デッキを下げる ことができ、 乗降が楽になるといったメ リ ッ ト が得られる。
また、 油圧モー夕 2 3 L · 2 3 Rの油圧回路によ り、 車軸に過負荷がかかつ た場合のピーク トルクを吸収することができ、 トルク リ ミ ッタと同様の作用を 呈させる ことができる。
前述したところが、 この発明の装置の好ましい実施形態であること、 多く の 変更及び修正をこの発明の精神と範囲とにそむく ことなく実行できることは当 業者によって了承されよう。 産業上の利用可能性
以上のよう に、 発明に係る車軸駆動装置は、 農用 トラクタ、 乗用芝刈機、 建 設機械等の各種産業車両に適用可能であり、 これらの車両において、 製造時に おける仕組性の向上と、 旋回時における滑らかな旋回フィーリ ングを得る こと ができる。