JP2007022379A - 作業運搬車 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台下方に、クランク軸方向を機体前後方向に配したエンジンと、機体左右方向の車軸と、該エンジンから該車軸に駆動力を伝達する油圧式変速装置及び機械式伝動装置とを配設した構造の作業運搬車を、荷台容量を十分に確保しつつコンパクトに構成する。
【解決手段】 荷台10下方に、クランク軸方向を機体前後方向に配したエンジン11と、機体左右方向の車軸18と、該エンジン11から該車軸18に駆動力を伝達する油圧式変速装置(油圧ポンプP及び油圧モータM)及び機械式伝動装置(遊星ギア機構30)とを配設した構造の作業運搬車において、該機械式伝動装置は、該車軸18と平行な伝動軸32〜36を備え、該油圧式変速装置は、該機械式伝動装置の左右一側に配設している。
【選択図】図3

Description

本発明は、荷台下方に、機体前後方向のエンジンと、機体左右方向の車軸と、該エンジンから該車軸に駆動力を伝達する油圧式変速装置(以後、「HST」)及び機械式伝動装置(ギア式変速装置等)とを配設した構造であって、特には、PTO軸を有して他の作業機を装着可能とした構造の作業運搬車に関する。
従来、荷台下方に、機体前後方向のエンジンと、機体左右方向の車軸と、該エンジンから該車軸に駆動力を伝達するHST及び機械式伝動装置(ギア式変速装置等)とを配設した構造であって、他の作業機を装着可能にPTO軸を備えた作業運搬車として、特許文献1に開示される作業運搬車が公知である。
特開2004−255918号公報
機体前後方向にエンジンを配設することは、車両の前方または後方に配置する作業機に駆動連結すべく前後方向に配するPTO軸への伝動効率上において有利である。前記特許文献1の作業運搬車においては、荷台下方に配されたミッションケースに、機体左右方向の車軸を軸支し、該ミッションケース内の、該車軸より前方には機械式伝動装置(ギア式変速装置)を、該車軸より後方にはHSTを収納している。そして、前後方向のエンジン出力軸が、該ミッションケース内にて軸支され、その後端部がHSTにおける油圧ポンプのポンプ軸として利用され、更にミッションケース後端より後方に突出して、PTO軸として用いられている。
しかし、前述の特許文献1における作業運搬車では、荷台下方において、機械式伝動装置の伝動軸が前後方向に延設されており、更に、車軸後方にHSTが配設されていて、ミッションケースの前後長が長くなり、前輪・後輪間の間隔が広がって、旋回性が低減される。また、HSTは、車体後方に突出して露出した状態になっているので、保護性に欠ける。更に、該後方突出状のHSTは、その上方の荷台の後端の下方回動量を制限する。荷台の上下回動量を十分に確保するには、荷台の床面をかなり高くしなければならず、結果として、荷台の容量を縮小することとなる。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、荷台容量を大きく確保しつつ、前輪・後輪間の間隔を小さくして旋回性を向上し、かつ、HSTの保護性に優れた作業運搬車を提供することである。
この目的を達成すべく、本発明に係る作業運搬車は、請求項1記載の如く、荷台下方に、クランク軸方向を機体前後方向に配したエンジンと、機体左右方向の車軸と、該エンジンから該車軸に駆動力を伝達するHST及び機械式伝動装置とを配設した構造であって、該機械式伝動装置は、該車軸と平行な伝動軸を備え、該HSTは、該機械式伝動装置の左右一側に配設している。
また、請求項2記載の如く、前記エンジンのクランク軸と平行なPTO軸を備え、該エンジンからの伝動系における、前記油圧式変速装置及び機械式伝動装置よりも上手側の部分より該PTO軸への駆動列を分岐させている。
また、請求項3記載の如く、前記エンジンから前記車軸までの伝動系における、前記油圧式変速装置及び前記機械式伝動装置より下手側の部分より、PTO駆動列を分岐している。
また、前記油圧式変速装置及び前記機械式伝動装置に、前記エンジンからの動力が分割伝達される構成としている。
本発明は、以上のような構成により、以下のような効果を奏する。即ち、請求項1記載の如く、該機械式伝動装置が、機体左右方向の車軸と平行な伝動軸を備えることにより、前後方向に配設したエンジンからの動力を車軸に伝達する、HST及び機械式伝動装置よりなる伝動機構の前後方向が短縮され、前輪・後輪間の間隔が短くなって、旋回性を向上し、また、HSTは機械式伝動装置の左右一側に配設されて、後方に突出しなくなり、その保護性が向上し、また、上方の荷台の回動を制限しなくなることで、該荷台の容量を十分に確保できる。
また、請求項2記載の如く構成することにより、PTO軸及び該PTO軸への駆動列も、該HST及び機械式伝動装置と前後方向でオーバーラップさせることができて、後方に突出せず、その保護性を確保し、また、これにより、上方に荷台の回動を制限せず、結果として、該荷台の容量を十分に確保する。また、このPTO軸は、該HST及び機械式伝動装置を介しての回転数や回転方向の変化の影響を受けずに、エンジン回転数に対して一定の速度比で駆動でき、車両の変速にかかわらず一定回転で駆動すべき作業機の装着に好適である。
また、請求項3記載の如く構成したPTO駆動列により駆動されるPTO軸は、車両の変速操作に応じて、即ち、HST及び機械式伝動装置による変速や前後進切換等の作用に同期して、回転数及び回転方向の変化するものであり、このような駆動変化を必要とする作業機を駆動するのに好適である。
また、請求項4記載の如く構成することで、HSTと機械式伝動装置とで、互いに駆動をアシストする構造のHMT(油圧機械式変速装置)を構成することとなり、特には高回転時に効率のよい伝動を実現するものである。
以上の、また、それ以外の目的、特徴、効果については、以下の、添付の図面をもととする詳細な説明によって、更に明らかになる。
図1及び図2より、作業運搬車の全体的なレイアウトを説明する。車両フレーム1は、前端部1a、該前端部1a後方の前輪支持部1b、該前輪支持部1bの後方のエンジン搭載部1c、該エンジン搭載部1cの後方の後端部1dを連続状に連接して形成している。
前端部1aにはフロントコラム2が搭載されている。前輪支持部1bは前端部1aより一段高くなっており、その上方に、運転席4と助手席5とを左右に並設支持している。また、運転席4の前方では、フロントコラム2よりステアリングハンドル3が立設されている。
前輪支持部1bの下方には前車軸駆動ケース6が配設支持され、また、該前輪支持部1bの左右外側にて左右一対の前輪8・8を配設しており、それぞれ、該前車軸駆動ケース6より突出する左右各車軸7に対し、操舵可能に駆動連結されている。
該エンジン搭載部1cから該後端部1dにかけて、リアカバー9が立設されており、その上に、上下回動可能に荷台10を支持している。エンジン搭載部1cは、前輪支持部1bより一段低くなっており、ここに、クランク軸方向を機体前後方向に配したエンジン11が支持されている。また、後端部1dは、エンジン搭載部1cよりも一段高くなっており、ここにミッションケース12が支持されている。ミッションケース12の前端にはPTOギアケース13が連設されており、該ミッションケース12の直上方にて、PTOクラッチケース14を配設し、該PTOクラッチケース14より後方に水平状のリアPTO軸15を延出している。そして、該ミッションケース12の左右一側には、HSTを収納するHSTケース16を付設している。
エンジン11より後方に水平状のエンジン出力軸(クランク軸)11aが突設され、その後端にフライホイル11bが固設されており、該フライホイル11bに、その後方に配したミッションケース12より前方に突出される水平状の入力軸31が、ダンパ11c(図3及び図4参照)を介して係合されている。
これらエンジン11、ミッションケース12、PTOギアケース13、PTOクラッチケース14、HSTケース16は、前後左右をリアカバー9にて覆われている。なお、リアカバー9の上方を覆う荷台10を上方に回動させれば、リアカバー9内が開放され、リアPTO軸15への作業機の着脱等を容易に行うことができる。
後端部1dの下方にて、ミッションケース12に左右一対の車軸18・18が支持されており、各車軸18の外端に固設した後輪19が、後端部1dの左右各外側に配置されている。なお、車軸18から後輪19への駆動連結は、ユニバーサルジョイントを介するものとして、車軸18・18を弾性懸架してもよい。
また、ミッションケース12の、前記HSTケース16を付設した左右一側にて、左右外向きに水平状のグランドPTO軸33を突設している。該グランドPTO軸33は、車軸18の前方に配されており、HSTケース16は、図1に示すように、該グランドPTO軸33を避けるように傾斜状にミッションケース12に付設されている。
該エンジン11は、図2に示すように、機体の左右一側に寄せて配置されており、その左右他側にて、ミッションケース12と前車軸駆動ケース6との間に介設されるプロペラ軸20が配置されている。なお、プロペラ軸20は、その後端を、ミッションケース12の前端より前方に突設される水平状の前輪駆動用PTO軸21に対し、ユニバーサルジョイント20aにて連結され、また、その前端を、前車軸駆動ケース6の後端より後方に突設される水平状の前輪駆動用入力軸22に対し、ユニバーサルジョイント20bにて連結されている。
ここで、ミッションケース12の前端に連設されるPTOギアケース13は、図2に示すように、エンジン11の後方にて、機体の前記左右一側に寄せて配設されており、その左右他側にて(機体左右中心より左右他側に寄せて)、該ミッションケース12より突設される前輪駆動用PTO軸21を、図1に示すように、エンジン搭載部1cの直下方にて延設している。一方、前車軸駆動ケース6の支持する前輪駆動用入力軸22は、図2に示すように、機体の略左右中央に配置されており、かつ、図1に示すように、エンジン搭載部1cと前輪支持部1bとの上下中間高さに配置されている。このような軸21・22間の、上下及び左右方向における位置差に対応して、プロペラ軸20を、図1及び図2のように傾斜させている。
前車軸駆動ケース6内にて、両前車軸7・7同士を、ツーウェイクラッチ式デフ装置23を介して差動可能に連結されている。デフ装置23のブルギア(入力ギア)23aは、ベベルギアとなっていて、前輪駆動用入力軸22前端のベベルギア22aと噛合している。通常走行時には該デフ装置23のクラッチは切れており、ブルギア23aの回転(エンジン11からの動力)を両車軸7・7に伝達しないようにして、後述の後輪19のみの駆動力で、即ち、二輪駆動にて車両が走行するようにしている。前輪8・後輪19のいずれかがスリップ状態になって前輪8の回転速度が下がり、ブルギア23aの回転速度に比して遅くなると、デフギア装置23のクラッチが入り、前輪8に動力が伝達され、車両を四輪駆動状態にする。このような二輪駆動・四輪駆動の切換を、前進時でも後進時でも現出できるようにしている。
各車軸7の外端と、各前輪8の中心軸8aとの間には、ユニバーサルジョイント24a・24bを介して伝動軸24を介設し、これにより、操舵輪たる前輪8に車軸7を駆動連結している。各前輪8は、サスペンション機構25を介して車両フレーム1に懸架されている。また、両前輪8・8が、ハンドル3に連係されるタイロッド26にて連結される。
次に、図3及び図4にて、ミッションケース12の内部構造について説明する。フライホイル11bよりダンパ11cを介して後方に延伸される出力軸11dは、ジョイント39を介して入力軸31に接続され、該入力軸31は、PTOギアケース13を前後に貫通して、該ミッションケース12に挿入され、その後端にベベルギア31aを固設している。なお、車両フレーム1に対し、ミッションケース12が固定され、エンジン11が防振支持されている場合や、エンジン11のフライホイル11bの回転軸線(出力軸11a・11dの軸線)が、入力軸31の回転軸線と一致していない場合には、図6に示すように、ジョイント39に代えて、伝動軸38を出力軸11dと入力軸31との間に介設し、該ジョイント39の両端を、該出力軸11dにはユニバーサルジョイント38aにて、該入力軸31にはユニバーサルジョイント38bにて、それぞれ接続するものとしてもよい。
ミッションケース12内にて、機体左右方向の、即ち車軸18・18と平行な、サンギア軸32、カウンタ軸33、ポンプ軸34、モータ軸35、ピニオン軸36を軸支している。図4で示す側面視の位置関係でいえば、サンギア軸32の下方、詳しくは鉛直下方よりやや前寄りに、カウンタ軸33を配置し、該カウンタ軸33の後方にピニオン軸36、該ピニオン軸33の後方に車軸18・18を配置している。カウンタ軸33は、ミッションケース12の左右一側(HSTケース16付設側)より突出させて、前記のグランドPTO軸33としている。
前記のように、サンギア軸32及びカウンタ軸33を上下に配置することで、ミッションケース12の前後長を短縮できる。また、サンギア軸32は車軸18・18から見て前上方に位置しており、図4のように側面視で、サンギア軸32と車軸18・18の中心同士を結ぶ線分が前上向きの傾斜線となる。ポンプ軸34・モータ軸35はこの傾斜線に沿って並列されているので、ミッションケース12の後面を前上向き傾斜状にして、ミッションケース12をコンパクトにし、該後面の後方空間を、前述の如くミッションケース12の上方に配したリアPTO軸15に装着する作業機の配設空間として大きく確保することができる。
HSTケース16内には、互いに流体接続される可変容積型油圧ポンプP及び可変容積型油圧モータMが収納されており、油圧ポンプPのポンプ軸34、及び油圧モータMのモータ軸35が延長されて、ミッションケース12内にて軸支されているものであり、該ミッションケース12内にて、ポンプ軸34にはギア34aを、モータ軸35にはギア35aを固設している。
サンギア軸32には相対回転自在にキャリア42が環設されている。キャリア42の一端にはベベルギア42aが形成または固設されており、前記の入力軸31後端のベベルギア31aに噛合している。該キャリア42は、ベベルギア31aと反対側の端部にて、遊星ギア43を枢支しており、該遊星ギア43を、サンギア軸32に固設したサンギア44に噛合している。即ち、キャリア42は、エンジン動力にて駆動する入力軸31と同期して回転し、これにより、サンギア42回りに遊星ギア43が公転する。
遊星ギア43を介してキャリア42と反対側に、アウタメンバ45が相対回転自在にサンギア軸32に環設されており、アウタメンバ45のインターナルギア45aが遊星ギア43に噛合している。一方、アウタメンバ45の端部には、ポンプ軸34のギア34aと噛合するギア45bが形成(または固設)されており、更に、該サンギア軸32に、モータ軸35のギア35aと噛合するギア46が固設されている。こうして、サンギア軸32周りに構成した遊星ギア機構30と、HST(油圧ポンプP及びモータM)のポンプ軸34・モータ軸35とのギア噛合により、HMTが構成されている。
入力軸31に従動するキャリア42の回転力は、遊星ギア43、インターナルギア45a、アウタメンバ45、ギア45b・34aを介して、ポンプ軸34に伝達され、油圧ポンプPを駆動する。油圧ポンプPは、油圧モータMに油を供給し、モータ軸35を回転駆動する。モータ軸35の回転力は、ギア35a・46を介してサンギア軸32に伝達される。なお、サンギア軸32には、遊星ギア43を介してキャリア42の回転力が伝達されており、この回転力により、モータ軸35からサンギア軸32への駆動力をアシストしている。
サンギア軸32には小径ギア47が固設され、カウンタ軸33に固設した大径ギア48に噛合している。カウンタ軸33には更にギア49が固設され、ピニオン軸36に固設したギア50に噛合している。ピニオン軸36にはファイナルピニオン51が固設され、デフギア装置52のブルギア52aに噛合している。こうして、カウンタ軸33を介して、HMTの出力軸たるサンギア軸32と、デフギア装置52の入力軸たるピニオン軸36との間に、ギア47からギア48・49・50を介してファイナルピニオン51に至るまでの減速ギア列が構成されている。
デフギア装置52は、左右の車軸18・18を互いに差動連結している。また、デフギア装置52にはデフロック装置52bが付設されており、デフロック装置52bの作動により、車軸18・18同士をロック可能である。
車両の変速操作に関連して、油圧ポンプPには可動斜板Paが、油圧モータMには可動斜板Maが備えられている。可動斜板Paの傾斜方向を、中立位置を介して前進用傾斜方向と後進用傾斜方向とに切り換えることにより、油圧ポンプPの油吐出方向が切り換えられ、これにより、モータ軸35の回転方向が切り換わる。これにつれ、サンギア軸32、カウンタ軸33、ピニオン軸36の回転方向も切り換わり、車軸18・18の回転方向を前進方向と後進方向とに切り換えることとなる。また、油圧ポンプPの可動斜板Paを中立位置にすることにより、モータ軸35を停止し、車軸18・18を停止させるものである。
油圧モータMの可動斜板Maは、可動斜板Paが最大傾斜角度に到達(即ち、油圧ポンプPが最大容量に到達)した後、更に増速する場合に、その傾斜角度を初期傾斜角度から小さくし、油圧モータMの容量を低減することにより、モータ軸35の回転数を高めるものである。
可動斜板Pa・Maは、手動変速操作具に連係する他、エンジンスロットル制御用のアクセルペダルに連係させるものとしてもよい。即ち、エンジン回転数制御用の操作で自動的に、設定したエンジン回転数に見合う可動斜板PaまたはMaの操作がなされるものとするのである。
カウンタ軸33には、ベベルギア53が固設されており、前述の、ミッションケース12の前壁部に軸支した前後方向の前輪駆動用PTO軸21の後端に形成(固設)したベベルギア21aに噛合している。カウンタ軸33は、HMT変速後の出力にて駆動されるので、前車軸駆動ケース6内のデフ装置23に伝達される前輪駆動用PTO軸21、プロペラ軸20及び前輪駆動用入力軸22の回転速度及び回転方向は、車両の変速操作及び前後進切換操作、即ち車軸18・18の回転速度及び回転方向の変化と同期して変化する。従って、該デフ装置23のクラッチが入った場合での前輪8・8の回転速度及び回転方向が、後輪19・19の回転速度及び回転方向に同期する。更に、該カウンタ軸33であるグランドPTO軸に装着される作業機への駆動回転数は、車両の変速操作及び前後進切換、即ち車軸18・18の回転速度及び回転方向の変化と同期して変化することとなる。
次に、入力軸31からリアPTO軸15に至るまでの伝動構成について説明する。ギアケース13内において、前後方向の入力軸31の上方に前後方向のカウンタ軸27が軸支され、更にその上方に前後方向のクラッチ軸28が軸支されている。該ギアケース13内にて、該入力軸31に第一ギア31bが固設され、カウンタ軸27に固設した第二ギア27aに噛合しており、該第二ギア27aは更にクラッチ軸28に固設した第三ギア28aに噛合して、ギア31b・27a・28aよりPTO減速ギア列を構成している。
ギアケース13に接合されるミッションケース12の前壁部は、その上部がミッションケース12の高さ分、上方に延伸されており、この上方延伸部12aの後端面より後方に、PTOクラッチケース14を片持ち支持している。前後水平方向のクラッチ軸28は、ギアケース13内より後方に延伸され、該ミッションケース12の上方延伸部12aを貫通し、該PTOクラッチケース14内にて軸支されている。
PTOクラッチケース14内において、クラッチ軸28上にPTOクラッチ29が環設され、該PTOクラッチ29のクラッチギア29aが、該クラッチ軸28の左右一側に平行に並設したリアPTO軸15に固設したギア15aに噛合している。PTOクラッチ29が入ると、クラッチギア29aがクラッチ軸28に一体回転可能に係合され、クラッチ軸28の回転がリアPTO軸15に伝達可能となる。PTOクラッチ29を切ると、クラッチギア29aがクラッチ軸28より離間し、リアPTO軸15をクラッチ軸28の回転力から遮断する。
なお、図4に示すリアPTO軸15及びギア15aは、クラッチ軸28及びPTOクラッチ29の上方に配置されているように描かれているが、これは、実際にはクラッチ軸28及びPTOクラッチ29の左右一側に配したものを、展開して描いたものである。リアPTO軸15は、PTOクラッチケース14より後方に突出している。
PTOクラッチケース14は、その内部のクラッチ軸28、PTOクラッチ29、リアPTO軸15、ギア29a・15aとともに一つのアセンブリとして、前記のミッションケース12の上方延伸部12aに対し着脱自在に取り付けられる。PTOクラッチケース14の該上方延伸部12aへの取り付けの際に、クラッチ軸29の前端突出部が該上方延伸部12a及びギアケース13に嵌入され、第三ギア28aに接続される。
以上のようにして、入力軸31からリアPTO軸15までの駆動列が構成されているが、リアPTO軸15は、HST(油圧ポンプP・モータM)と、機械式伝動装置としての遊星ギア機構30(遊星ギア43、サンギア44、インターナルギア45a)との組み合わせであるHMTによる変速及び駆動方向の決定前の、入力軸31から動力を受けているため、車両の変速操作や前後進切換にかかわらず、エンジン回転数に対し一定の速度比及び回転方向で駆動される。従って、リアPTO軸15は、変速操作や前後進切換に影響されることなく略一定回転数で運転したいような作業機を駆動するのに好適である。
一方、前述の、カウンタ軸33にて構成されるグランドPTO軸は、前記の如く、HMTにより変速及び駆動方向を決定した後の回転力により駆動されるため、変速操作や前後進切換に同期して回転数及び回転方向を変化させることが要求される作業機を駆動するのに好適である。
次に、図5に示す、ミッションケース12内の伝動系構造の第二実施例について説明する。なお、図3、図4に示した部材や部分と同一機能を有する部材や部品には、同一符号を付しており、これらについては、特に必要のある場合を除いて、説明を省略する。
ミッションケース12内には、エンジン11(詳しくは、出力軸11a、フライホイル11b、ダンパ11c及び出力軸11dを介して)より、前後方向の入力軸31が挿入されており、この入力軸31の回転力を、左右方向に延設した車軸18・18に対し伝達する伝動軸として、該ミッションケース12内に、左右方向に延設したポンプ軸34、モータ軸35、カウンタ軸33、ピニオン軸36が軸支されている。なお、出力軸11dと入力軸31とを、図1の如くジョイント39で接続してもよいし、必要であれば、図6の如く、伝動軸38及びユニバーサルジョイント38a・38bにて接続してもよい。
この実施例での変速機構は、主変速機構として、油圧ポンプPと油圧モータMよりなるHSTにて変速した後に、モータ軸35とカウンタ軸33との間に介設した副変速ギア機構80にて変速し、その出力をデフギア装置52に伝達するものとなっている。つまり、伝動系上にて、油圧式変速装置と機械式伝動装置とが直列に連結されている。
HSTケース16内の油圧ポンプPより延設されるポンプ軸34には、ミッションケース12内にて、ベベルギア61が固設されており、ベベルギア31aに噛合している。また、HSTケース16内の油圧モータMより延設されるモータ軸35には、ミッションケース12内にて、副変速駆動ギアとしての、低速前進駆動ギア62、中速前進駆動ギア63、高速前進駆動ギア64、後進駆動ギア65が固設されている。このように、入力軸31にてポンプ軸34を駆動される油圧ポンプPからの吐出油により、油圧モータMが駆動され、その出力軸たるモータ軸35に固設したギア62・63・64・65が駆動される。
なお、本実施例でも、油圧ポンプP・モータMは、それぞれ、可動斜板Pa・Maを有する可変容積型であり、また、油圧ポンプPの可動斜板Paが最大傾斜角度に達してから、油圧モータMの可動斜板Maを傾動することも、前実施例と同じであるが、本実施例では、副変速ギア機構80が後進用のギア列を備えているので、HSTによる前後進切換は不要である。従って、油圧ポンプPの可動斜板Paは、前進用傾倒方向にのみ傾倒させるものである。
ミッションケース12内において、カウンタ軸33には相対回転可能に、低速前進従動ギア66、中速前進従動ギア67、高速前進従動ギア68、後進従動ギア69が環設されている。低速前進従動ギア66、中速前進従動ギア67、高速前進従動ギア68は、それぞれ、モータ軸35に固設した低速前進駆動ギア62、中速前進駆動ギア63、高速前進駆動ギア64に噛合しており、後進駆動ギア65と後進従動ギア69とは、アイドルギア70を介して噛合している。こうして、ギア62・66より構成される低速前進ギア列、ギア63・67より構成される中速前進ギア列、ギア64・68より構成される高速前進ギア列、ギア65・70・69より構成される後進ギア列のうちから一つを選択するよう、副変速ギア機構80が構成されている。
カウンタ軸33には、後進従動ギア69と低速前進従動ギア66との間にて、スプラインハブ71を固設(相対回転不能に係合)し、また、中速前進従動ギア67と高速前進従動ギア68との間にて、スプラインハブ72を固設(相対回転不能に係合)している。スプラインハブ71にはシフタ71aが、スプラインハブ72にはシフタ72aが、それぞれ、軸芯方向摺動自在かつ相対回転不能(一体回転可能)に係合されている。
各従動ギア66・67・68・69の、スプラインハブ71または72側に向かう部分には、それぞれクラッチ歯部66a・67a・68a・69aを形成しており、これらクラッチ歯部66a・67a・68a・69aのいずれか一つが、シフタ71aまたは72aに噛合することにより、その該当する従動ギアをカウンタ軸33に相対回転不能に係合する。例えば、シフタ71aがクラッチ歯部66aに噛合することで、低速前進従動ギア66がカウンタ軸33に相対回転不能に係合し、モータ軸35の回転力は、ギア62・66にて構成される低速前進ギア列を介してカウンタ軸33に伝達されることとなり、カウンタ軸33が低速にて前進方向に回転する。また、シフタ71aがクラッチ歯部69aに噛合することで、後進従動ギア69がカウンタ軸33に相対回転不能に係合し、モータ軸35の回転力は、ギア65・70・69にて構成される後進ギア列を介してカウンタ軸33に伝達されることとなり、カウンタ軸33が後進方向に回転する。なお、シフタ71a・72aともにどのクラッチ歯部にも噛合しないようにして、つまり、副変速ギア機構80を中立状態にして、モータ軸35の回転力よりカウンタ軸33を遮断することも可能である。
カウンタ軸33に固設したギア73とピニオン軸36に固設したギア74とが噛合して、減速ギア列を構成しており、HST及び副変速ギア機構80にて変速した後のカウンタ軸33の回転力を、該減速ギア列を介して、デフギア装置52のブルギア52aと噛合するファイナルピニオン51に伝達するものとしている。
なお、ベベルギア53・21aの噛合によるカウンタ軸33と前輪駆動用PTO軸21との駆動連結構造や、カウンタ軸33の端部をミッションケース12より突出してグランドPTO軸としている点は、図3、4に示す前実施例と同様である。また、エンジン11(詳しくはフライホイル11b)とミッションケース12との間にPTOギアケース13が配設され、一方、該PTOギアケース13及びミッションケース12の上部にPTOクラッチケース14を支持し、入力軸31の駆動力を、該PTOクラッチケース14に軸支したリアPTO軸15へと伝動する点も、前実施例と同様である。
本発明に係る作業運搬車は、コンパクト性を有しながらも十分な荷台容量を確保したものであり、また、PTO軸を利用して様々な作業機を装着することができ、荒地走行用の作業運搬車等、様々な仕様の作業運搬車に適用できる。
本発明に係る作業運搬車の側面図である。 該作業運搬車の平面略図である。 ミッションケース内の伝動構造を示すスケルトン図である。 エンジンから、車軸、リアPTO軸、グランドPTO軸、前輪駆動用PTO軸への伝動系における伝動軸及びギアの配列を示す、該作業運搬車の伝動構造の側面略図である。 第二実施例に係るミッションケース内の伝動構造を示すスケルトン図である。 エンジン出力軸とミッションケースの入力軸との間にユニバーサルジョイント及び伝動軸を介設した場合における本発明に係る作業運搬車の側面図である。
符号の説明
P 油圧ポンプ
M 油圧モータ
11 エンジン
11a 出力軸(クランク軸)
12 ミッションケース
13 PTOギアケース
14 PTOクラッチケース
15 リアPTO軸
18 車軸
19 後輪
30 遊星ギア機構(機械式伝動装置の一例)
31 入力軸
32 サンギア軸
33 カウンタ軸(グランドPTO軸)
34 ポンプ軸
35 モータ軸
36 ピニオン軸
80 副変速ギア機構(機械式伝動装置の一例)

Claims (4)

  1. 荷台下方に、クランク軸方向を機体前後方向に配したエンジンと、機体左右方向の車軸と、該エンジンから該車軸に駆動力を伝達する油圧式変速装置及び機械式伝動装置とを配設した構造の作業運搬車であって、該機械式伝動装置は、該車軸と平行な伝動軸を備え、該油圧式変速装置は、該機械式伝動装置の左右一側に配設していることを特徴とする作業運搬車。
  2. 前記エンジンのクランク軸と平行なPTO軸を備え、該エンジンからの伝動系における、前記油圧式変速装置及び機械式伝動装置よりも上手側の部分より該PTO軸への駆動列を分岐させていることを特徴とする請求項1記載の作業運搬車。
  3. 前記エンジンから前記車軸までの伝動系における、前記油圧式変速装置及び前記機械式伝動装置より下手側の部分より、PTO駆動列を分岐していることを特徴とする請求項1または2記載の作業運搬車。
  4. 前記油圧式変速装置及び前記機械式伝動装置に、前記エンジンからの動力が分割伝達される構成としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作業運搬車。
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