WO2004029348A1 - 多色繊維パイル布帛及び凹凸模様付き多色繊維パイル布帛 - Google Patents

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Description

明 細 書 多色繊維パイル布帛及び凹凸模様付き多色繊維パイル布帛 技術分野
本発明は多色繊維パイル布帛及び凹凸模様付き多色繊維パイル布 帛に関するものである。 更に詳しく述べるならば、 本発明は、 互い にパイル高さにおいて異る 3種のパイル繊維から形成され、 これら 3種のパイル繊維のうちの少なく とも 1種が、 明度及び Z又は色相 において他から異る色彩を有するカツ トパイル層を有する多色繊維 パイル布帛及び前記多色繊維パイル布帛のカッ トパイル層に凹凸模 様が形成されている凹 ώ模様付き多色繊維パイル布帛に関するもの である。 背景技術
従来よりカーシートなどにパイル布帛が大量に用いられている。 特に近年においては、 カーシー トに要求される性能及び特性も高度 化されており、 従来要求されてきた性能及び特性に加えて、 多色模 様及び凹凸模様なども求められるようになってきている。
多色模様を有するパイル布帛と しては、 例えば特開昭 63— 145457 号公報にはパイルを構成する繊維と して、 高収縮繊維、 中収縮繊維 及び低収縮繊維の 3種の人造繊維 (フィ ラメ ント) によ り構成した ものが開示されている。 このよ うなパイル布帛においては、 天然繊 維調の風合及び色調を実現することができるが、 このま 、では凹凸 模様の発現は不十分であった。
また、 特開平 6— 49731号公報には染色特性において互に異る 2 種以上のフィラメント、 又は互に異る色に着色された 2種以上のフ イラメ ン トからなる混繊糸をパイル糸として用いたパイル布帛が開 示されており、 このパイル布帛においては空調模様を形成すること ができる。 しかし、 このパイル布帛においても凹凸模様は、 実現さ れていない。 さらに、 特開 2001— 271255号公報においては、 カチォ ン染料可染性ポリエステルからなる捲縮フィラメント と、 非捲縮ポ リエステルフィ ラメ ン トを含むパイル糸を用いて製造されたパイル 布帛が開示されている。 このパイル布帛においても、 凹凸模様の形 成は実現されていない。
上述のよ うに、 従来の多色パイル布帛においても多色模様の実現 に種々の工夫がなされてきたがこれに凹凸模様を付加することにつ いては未だ十分に達成されておらず、 また、 多色模様についても一 層の開発が望まれている。 発明の開示
本発明は豊かな多色模様を有し、 さらに凹凸模様の形成が可能な パイル布帛、 及び前記多色模様及び凹凸模様の両方を有するパイル 布帛を提供することを目的とするものである。
本発明の多色繊維パイル布帛は、 有機繊維糸条からなる編織組織 を有する地組織部と、 前記地組織部に編み込まれ、 或いは織り込ま れ、 前記地組織から、 その少なく とも 1面側に伸び出ている複数の カツ トパイルからなる少なく とも 1層のカツ トパイル層とカゝらなり 前記カツ トパイル層が、 非捲縮有機繊維からなる非捲縮パイル繊 維 ( 1 ) と、 捲縮有機繊維からなり、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) よ り も低いパイル高さを有する捲縮パイル繊維 ( 2 ) と、 捲縮又は 非捲縮有機繊維からなり前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) よ り も低いパイ ル高さを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) とを有し、 前記パ ィル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の少なく とも 1種が、 明度又は 色相、 或いは明度及び色相において、 他から異なる色彩を有してい ることを特徴とするものである。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記カツ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又は 非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の 3種混合パイル繊維からなる 3種混合繊 維カツ トパイルを有していてもよい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記力ッ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又は 非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の少なく とも 2種の混合パイル繊維からな る 2種以上の混合繊維カツ トパイルを有していてもよい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記カツ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) のみからなる複数の非捲縮カッ トパイ ルと、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のみからなる複数の捲縮カッ トパ ィルと、 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のみからなる複数の 捲縮又は非捲縮力ッ トパイルとを有していてもよい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) が非捲縮ポリ エチレンテレフタ レー ト繊維、 非捲縮ポリブチレ ンテレフタ レ一ト繊維、 非捲縮ポリ テ ト ラメチレンテレフタ レー ト 繊維、 及び非捲縮ポリ ト リ メチレンテレフタ レー ト繊維から選ばれ ることが好ましい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) 力 カチオン染料可染性捲縮ポ リ エステル繊維から選ばれること が好ましい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記捲縮又は非捲縮パイ ル繊維 ( 3 ) が、 共重合ポリ エステルからな り 、 この共重合ポリ ェ ステルの主構成モノマーがエチレングリ コール及びテ レフタ一ノレ酸 であり、 この主構成モノマーに共重合する第三成分が、 イソフタ一 ル酸、 及びナフタレンジカルボン酸、 アジピン酸、 セパシン酸など のジカノレボン酸、 ジエチレングリ コール、 ポリエチレングリ コーノレ 、 ビスフエノール及びビスフエ ノ一ルスルフォンから選ばれた少な く とも 1種からなることが好ましい。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 前記非捲縮パイル繊維 (
1 ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のいずれか一方が、 その 構成重合体成分に混合されている顔料によって着色されているもの であってもよい。
本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛 ( 1 ) は、 前記本発明の 多色繊維パイル布帛から構成され、 但しその力ッ トパイル層の 1以 上の部分領域において、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の先端部が化 学的エッチング法により除去され、 残留非捲縮パイル繊維 ( l _ a ) のパイル高さが、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の高さより低く、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のパイル高さよ り低くない範囲内の所望 の高さに調整され、 それによつて前記部分領域内の前記捲縮パイル 繊維 ( 2 ) の先端部分の露出度が増大していることを特徴とするも のである。
本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛 ( 2 ) は、 前記本発明の 多色繊維パイル布帛から構成され、 但しそのカツ トパイル層の 1以 上の部分領域において、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び前記捲縮 パイル繊維 ( 2 ) の先端部が化学的エッチング法により除去され、 残留非捲縮パイル繊維 ( 1 一 a ) 及び残留捲縮パイル繊維 ( 2— a ) のパイル高さが、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のもとのパイル高さ よ り低く、 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のパイル高さよ り 低くない範囲内の所望の高さに調整され、 それによつて前記部分領 域内の前記残留捲縮パイル繊維 ( 2 — a ) 及び捲縮又は非捲縮パイ ル繊維 ( 3 ) の先端部分の露出度が増大していることを特徴とする ものである。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の多色繊維パイル布帛の 1実施態様の断面説明図 であり、
図 2は、 本発明の多色繊維パイル布帛の他の実施態様の断面説明 図であり、
図 3は、 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛の一実施態様の 断面説明図であり、
図 4は、 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛の他の実施態様 の断面説明図であり、
図 5は、 本発明の凹 ώ模様付多色繊維パイル布帛の更に他の実施 態様の断面説明図であり、
図 6は、 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛の更に別の実施 態様の断面説明図であり、
図 7は、 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛の更に別の実施 態様の断面説明図であり、
図 8は、 本発明の多色繊維パイル編物の一例の編成図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の多色繊維パイル布帛は (Α ) 有機繊維糸条からなる編織 組織を有する地組織部と、 ( Β ) 少なく とも 1層のカッ トパイル層 とからなるものであって、 前記カッ トパイル層は、 前記地組織部に 編み込まれ、 又は織り込まれ、 前記地組織部から、 その少なく とも 1面側に伸び出ている複数のカッ トパイルからなるものである。 本発明の多色繊維パイル布帛の前記力ッ トパイル層は、 非捲縮有機繊維からなる非捲縮パイル繊維 ( 1 ) と、 捲縮有機繊維からなり、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) より も低い パイル高さを有する捲縮パイル繊維 ( 2 ) と、
捲縮又は非捲縮有機繊維からなり、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) よ り も低いパイル高さを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) と を有し、
前記パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の少なく とも 1種は、 明度、 又は色相、 或は明度及び色相において、 他から異る色彩を有 している。
本発明の多色繊維パイル布帛のー態様において、 前記カツ トパイ ル層は、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) と、 前記捲縮パイル ( 2) と 、 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の 3種混合パイル繊維から なる複数の力ッ トパイル ( 3種混合繊維力ッ トパイル) により構成 されている。
図 1 に示された断面構造を有.する多色繊維パイル布帛において、 複数の経糸 1及び複数の緯糸 2によ り構成され、 織物組織を有する 地組織部 3に、 複数のパイル形成糸条 (図示されていない) から形 成された多数のカツ トパイル 4 Aが織り込まれ、 このカツ トパイル 4 Aによ りカッ トパイル層 4が形成されている。 カッ トパイル 4 A の各々は、 複数の非捲縮パイル繊維 5、 複数の捲縮パイル繊維 6及 び複数の捲縮又は非捲縮パイル繊維 7によ り構成されている。 非捲 縮パイル繊維 5は最も高いパイル高さ (地組織部の平均表面から、 パイル繊維の上端までの距離) 5 Hを有し、 捲縮パイル繊維 6は、 パイル高さ 5 Hよ りは低いパイル高さ 6 Hを有し、 捲縮又は非捲縮 パイル繊維 7はパイル高さ 6 Hよ り も低いパイル高さ 7 Hを有する 。 図 1 に示された断面構造を有するパイル布帛においては、 これを 、 中間パイル高さを有する捲縮パイル繊維 6は、 カッ トパイルにふ く らみ (嵩高さ) を付与し、 かつ、 カッ トパイルの倒伏抵抗を増強 する。 このカッ トパイル層を、 その上から観察すると最大パイル高 さ 5 Hを有する非捲縮パイル繊維 5の上端部分はよく見えるが、 中 間パイル高さ 6 Hを有する捲縮パイル繊維 6の一部分は前記非捲縮 パイル繊維 5の上端部によ り遮蔽され、 他の部分のみが観察可能で あり、 最小パイル高さ 7 Hを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 7は 非捲縮パイル繊維 5及び捲縮パイル繊維 6によ り遮蔽され、 そのわ ずかな一部分のみが観察可能である。 つまり、 パイル繊維 ( 1 ) ,
( 2 ) , ( 3 ) のそれぞれが、 明度及び/又は色相において他から 異る場合、 図 1のカッ トパイル層の上方からの外観において、 非捲 縮パイル繊維 ( 1 ) 中に捲縮パイル繊維 ( 2 ) が霜降り状に観察さ れ、 それよ り も低い程度で、 捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) が霜 降り状に観察され、 全体と して多色模様が形成される。 これらパイ ル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) の観察可能な部分の量は、 各繊維の パイル高さ、 捲縮の有無などにより種々に変化し多様な模様を形成 することができる。
各パイル 4 Aに含まれるパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の 混合質量比、 又は繊維数比は、 目的パイル布帛の模様、 色彩、 風合 に応じて適宜に設定することができる。
本発明の多色繊維パイル布帛の他の態様において、 前記力ッ トパ ィル層は、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及 び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の少なく とも 2種の混合パイル 繊維からなる 2種以上の混合力ッ トパイルを、 有している。
上記他の態様の多色繊維パイル布帛の一例の断面が図 2に示され ている。 図 2において、 カッ トパイル層 4は 3種の 2種混合繊維パ ィル 4 B, 4 C , 4 Dによ り構成されている。 2種混合繊維パイル 4 Bは、 非捲縮パイル繊維 5 と、 捲縮パイル繊維 6 との 2種繊維か ら構成され、 他の 2種混合繊維パイル 4 Cは、 捲縮パイル繊維 6 と 捲縮又は非捲縮パイル繊維 7 との 2種繊維から構成され、 更に他の 2種混合繊維パイル 4 Dは、 非捲縮パイル繊維 5 と、 捲縮又は非捲 縮パイル繊維 7 との 2種繊維から構成されている。 図 2のパイル布 帛においてパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の少なく とも 1種 の色相及び/又は明度が、 他から異る場合、 カッ トパイル 4 B, 4 C , 4 Dの示す混合色は互に異なり、 かつ、 各カッ トパイルに含ま れる 2種のパイル繊維の組み合わせにより、 カッ トパイル層の上方 から観察したときの外観色も変化する。 従って図 2に示されたカツ トパイル層はカツ トパイルのパイル高さ及びその色彩の相違によ り 、 複雑な模様を示す。
図 3には、 上記他の態様の多色繊維パイル布帛の他の例の断面が 示されている。 図 3において、 カッ トパイル層 4は、 2種の 2種混 合繊維パイル 4 B , 4 Cにより構成されている。 混合繊維パイル 4 Bは、 非捲縮パイル繊維 5 と捲縮パイル繊維 6 とから構成され、 他 の 2種混合繊維パイル 4 Cは、 捲縮パイル繊維 6 と、 捲縮又は非捲 縮パイル繊維 7 とによ り構成されている。 2種の 2種混合繊維パイ ルの.組み合わせは、 前記 4 B + 4 Cの他に、 図 3 のパイル布帛にお いても、 カツ トパイルのパイル高さ及び色彩の相違により複雑な凹 凸色彩模様が形成される 4 B + 4 D (非捲縮パイル繊維 5 +捲縮又 は非捲縮パイル繊維 7 ) 、 又は 4 C + 4 Dであってもよい。
図 2及び 3に示された本発明のパイル布帛の態様において力ッ ト パイル 4 B, 4 C及び 4 Dの各々を構成する 2種のパイル繊維の組 み合わせ、 質量混合比、 又は繊維数比並びに 2種混合繊維パイル 4 B , 4 C , 4 Dの配置、 パイル数比、 パイル質量比、 なども所望の パイル布帛の組織、 色彩、 模様に応じて適宜に設定することができ る。 すなわち、 上記 2種混合繊維パイルの組み合わせの各々において 、 それを構成するパイル繊維のパイル高さと、 捲縮の有無と、 色相 及び明度によって、 カツ トパイル層の上方向から観察したときの外 観、 模様を種々に変化させることができる。
本発明の多色繊維パイル布帛の更に他の態様において、 前記カツ トパイル層が前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) のみからなる複数の非捲 縮カッ トパイル (最大パイル高さを有する) と、 前記捲縮パイル繊 維 ( 2 ) のみからなる複数の捲縮カッ トパイル (中間のパイル高さ を有する) と、 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のみからなる 複数の捲縮又は非捲縮力ッ トパイル (最小のパイル高さを有する) とを有している。
図 4に示された本発明の多色繊維パイル布帛の更に他の一例の断 面説明図において、 カッ トパイル 4 Eは、 非捲縮パイル繊維 5のみ からなり、 カッ トパイル 4 Fは、 捲縮パイル繊維 6カゝらなり、 カツ トパイル 4 Gは、 捲縮又は非捲縮パイル繊維 7のみからなるもので ある。 このように、 パイル高さの互に異なるカッ トパイルによ り構 成されている力ッ トパイル層においては、 これをその上方から観察 したとき、 布帛面に対する観察角度及び方向によって、 カッ トパイ ル 4 E , 4 F、 及び 4 Gのすべてが観察できたり、 カッ トパイル 4 E, 4 Fのみが観察できたり、 或はカッ トパイル 4 Eのみが観察で きたり し、 カツ トパイルのパイル高さ及び色彩の相違による複雑な 模様が形成される。 カツ トパイル 4 E, 4 F , 4 Gの配列、'質量比 及び力ッ トパイル数などは、 力ッ ト布帛の所望の模様に応じて、 適 宜に設定することができる。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) はそ れぞれ他から独立に有機繊維、 すなわち有機天然繊維、 有機合成繊 維、 有機半合成繊維及び有機再生繊維から選ばれる。 前記有機天然 繊維は、 綿、 羊毛、 及び麻などを包含し、 前記有機再生繊維は、 ビ ス コース レーョ ン繊維を包含し、 前記有機合成繊維はポリ エステル 、 ナイ ロ ン、 及びポリオレフイ ン繊維などを包含し、 前記有機半合 成繊維は、 セルロースアセテー ト繊維など包含する。
本発明のパイル布帛に用いられ、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) は最大 のパイル高さを有し、 カッ トパイル層の最高面を形成するものであ つて、 高いヤング率を有し、 高い倒伏抵抗性を有する非捲縮ポリエ ステル繊維によ り形成されることが好ましい。ノ、。ィル繊維 ( 1 ) 力 s 捲縮されていると、 パイル高さの低い捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲 縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) に対する遮蔽度が増大し、 得られる 力ッ トパイル布帛の多色模様の多色性を低下させる。
非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 用ポリ エステル繊維は、 非捲縮ポリェチ レンテレフタ レー ト繊維、 非捲縮ポリブチレンテレフタ レー ト繊維 、 非捲縮ポリ テ ト ラメ チレンテレフタ レー ト繊維、 及び非捲縮ポ リ ト リ メチレンテレフタレート繊維などから選ばれることが好ましい
中間のパイル高さを有する捲縮パイル繊維 ( 2 ) は、 カッ トパイ ル又はカッ トパイル層に、 ふく らみ (嵩高性) 及び圧縮弾性を付与 するものであり、 かつ、 その高い嵩高性は最大のパイル高さを有す る非捲縮パイル繊維 ( 1 ) による遮蔽の度合を少なく し、 捲縮パイ ル繊維 ( 2 ) の、 外観における露出度を高めるために有効である。 捲縮パイル繊維は、 必要かつ十分な捲縮度を有する限りその種類に 制限はないが、 捲縮ポリ エステルフィラメ ント、 カチオン染料に対 して可染性を有する捲縮改質ポリエステルフィラメ ント、 及び捲縮 ナイ ロンフィラメ ントなどから選ぶことができ、 特に、 カチオン可 染性捲縮ポリ エステル繊維から選ばれることが好ましい。 上記捲縮パイル繊維 ( 2 ) はそれを構成する繊維は、 適当な捲縮 処理を施して製造することができる。 例えば熱可塑性有機繊維に対 しては仮撚加工、 空気ジェッ ト捲縮法、 圧縮捲縮法などを用いるこ とができる。
最小のパイル高さを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) は、 捲縮を有していてもよく、 或は捲縮を有していなくてもよく、 それ を構成する繊維は有機繊維から適宜選択することができるが好まし くは前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) を構成する有機繊維、 特にポリェ ステル繊維から選ばれる。
パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) のそれぞれに用いられるポ リエステル繊維用ポリ エステル樹脂は、 ジカルボン酸成分と、 ジグ リ コール成分とから製造されるがジカルボン酸成分として、 主と し てテレフタル酸が用いられることが好ましく、 ジグリ コール成分と しては主としてエチレングリ コール、 ト リ メ チレンダリ コール及び テ トラメチレンダリ コールから選ばれた 1種以上のアルキレンダリ コールを用いることが好ましい。 また、 ポリ エステル樹脂には、 前 記ジカルボン酸成分及びグリ コール成分の他に第三成分を含んでい てもよい。 第三成分と してはカチオン染料可染性ァ二オン成分、 例 えば、 ナト リ ゥムスルホイソフタル酸 ; テレフタル酸以外のジカル ボン酸、 例えばイソフタル酸、 ナフタレンジカルボン酸、 アジピン 酸及びセパシン酸など ; 及びアルキレングリ コール以外のダリ コー ル化合物、 例えばジエチレングリ コール、 ポ リ エチレングリ コール 、 ビスフエノール A、 ビスフエノールスルフォ ン、 の 1種以上を用 いることができる。
パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 、 及び Z又は ( 3 ) を形成する有機繊 維が人造繊維である場合、 それを形成する重合体材料中に必要に応 じて、 艷消し剤 (二酸化チタン) 、 微細孔形成剤 (有機スルホン酸 金属塩) 、 着色防止剤、 熱安定剤、 難燃剤 (三酸化二アンチモン) 、 蛍光増白剤、 着色顔料、 帯電防止剤 (スルホン酸金属塩) 、 吸湿 剤 (ポリオキシアルキレングリ コール) 、 抗菌剤、 その他の無機粒 子の 1種以上を含有させてもよい。 特に着色剤は、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び/又は ( 3 ) に所望の色相、 明度を付与することが できる。 また、 艷消剤は、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び Z又は ( 3 ) の明度を調整するために有効である。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 そのカツ トパイル層を構 成する非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又 は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) は、 その少なく とも 1種が、 明度又は色 相或は明度及び色相において、 他から異なる色彩を有していること が必要である。 こ で、 色相は、 白、 黒、 灰色を包含する。 これら パイル繊維間の明度差及び色相差は、 正常な視覚を有するものが肉 眼で知覚できる程度であればよく、 明度差は、 マルセル表色系の明 度指数において、 5以上であることが好ましい。
本発明の多色繊維パイル布帛においてパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) が同一色相を有し、 かつその少なく とも 1種が明度にお いて他から異つていてよく、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) の 少なく とも 1種が色相のみにおいて他から異なり、 これらの明度は 互に同一であってもよく、 或は、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) の少なく とも 1種が、 色相及び明度の両者において、 他から異な つていてもよい。 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) のすべてが、 色相及び明度において、 或は色相又は明度において、 それぞれ他か ら異なっていてもよい。
パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の少なく とも 1種に明度及 び 又は色相において他から異なる色彩を付与するにはパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) のそれぞれを、 所望の色相、 明度を有す るように着色すればよい。 例えば、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) の 1種又は 2種を、 カチオン染料可染性ポリエステル樹脂から 形成して、 これを、 色相及び/又は明度において、 互に異る色彩に 、 或は同一の色彩に染色して残余のパイル繊維を、 カチオン染料に 不染性のポリエステル樹脂から形成し、 或はこのカチオン染料不染 性ポリエステル樹脂に、 所望の色相及び明度を示すように顔料を混 和した着色樹脂から形成してもよい。
本発明に使用可能なカチオン染料可染性ポリエステルは、 従来の カチオン染料可染性ポリエステルから選択することができる。 例え ば、 テレフタル酸などのジカルボン酸成分中に、 その全モル量の 1. 0〜5. 0モルのナト リ ゥムスルホイソフタル酸を含ませ製造された力 チオン染料可染性ポリエステルを用いることができる。
パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) の少なく とも 1種に、 他から 異なる明度を付与するには、 当該少なく とも 1種のパイル繊維を、 繊維形成性ポリエステルの通常のジカルボン酸成分及びアルキレン グリ コール成分に、 第 3成分と して、 前記通常のジカルボン酸成分 とは異るジカルボン酸 (例えばナフタレンジカルボン酸、 アジピン 酸及びセパシン酸など) 、 前記通常のアルキレングリ コール成分と は異なるグリ コール化合物 (例えばジエチレングリ コール、 ポリエ チレングリ コール) 、 ビスフエノーノレ A及びビスフエ ノーノレスノレフ オ ンの 1種以上を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂か ら形成し、 残余のパイル繊維を通常 (レギュラー) のポリエステル から形成すればよい。 このよ う にすると、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) を同一分散染料染色浴中で同一色相に染色すると、 共重 合ポ リ エステル樹脂からなるパイル繊維を、 通常 (レギュラー) の ポ リ エステル樹脂からなるパイル繊維よ り も濃色 (低明度) に染色 することができる。 本発明の多色繊維パイル布帛において、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) は、 その 1種以上が、 色相及び/又は明度において、 他から異るように 着色されている。 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) に色相及び 明度において他から異なる色彩を付与するには、 例えば、 非捲縮パ ィル繊維 ( 1 ) を、 通常 (レギュラー) のポリ エステル樹脂 (非改 質、 カチオン染料不染性) によ り形成し、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) を 、 カチオン染料可染性ポリエステル共重合体樹脂によ り形成し、 捲 縮又は非捲縮パイル繊維を、 カチオン染料不染性ポリエステル共重 合体樹脂 (分散染料易染性) によ り形成し、 上記パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) を、 カチオン染料及び分散染料を含む同一染色 浴中において一緒に染色する。 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び捲縮又 は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) は、 分散染料により互に同一色相に染色 され、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) はカチオン染料により他のパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) の色相及び/又は明度において、 相違して/或は同 一に染色させる。 このと き、 捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) は非 捲縮パイル繊維 ( 1 ) より も濃色 (低明度) に染色される。 パイル 繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の単繊維繊度、 又はこれらの 1種以 上からなるパイル形成用糸条の合計繊度 (番手) などに制限はない が、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の各々の単繊維繊度は 0. l〜10dtexの範囲内にあることが好ましく、 また前記パイル形成用 糸条の合計繊度は 30〜300dtexであることが好ましい。 各パイル繊 維の単繊維繊度が 0. ldtex未満であると、 得られるパイルの倒伏抵 抗性が不十分になることがあり、 かつ得られるパイル層の風合が過 度に柔かになることがあり、 またそれが lOdtexを超えると得られる パイル層の風合が、 過度にこわくなることがある。 さ らにパイル形 成用糸条の合計繊度が 30dtex未満であると多色模様が得られにくい という不都合を生ずることがあり、 またそれが 300dt exを超えると 、 糸加工時や製編織時の取扱い性が低下するという不都合を生ずる ことがある。 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) を形成する単繊 維の断面形状には制限はなく、 通常の円形断面の他に三角、 偏平、 十字形、 六葉形、 或は、 中空形などの断面形状を有していてもよい 本発明の多色繊維パイル布帛の編織組織に制限はなく、 例えば経 パイル織物、 緯パイル織物、 シンカーパイル編物、 又はラッセルパ ィル編物ト リ コ ッ トパイル布帛などのループパイルをカ ツ ト して得 られたカツ トパイル布帛を包含する。
本発明の多色繊維パイル布帛において、 地組織部に用いられる糸 条の種類、 繊維の種類、 単繊維繊度、 合計糸繊度について格別の制 限はなく、 通常のパイル布帛に用いられる糸条を用いることができ る。 一般に本発明のパイル布帛の地組織部用糸条はポリエステルマ ルチフィラメント糸条から選ばれることが好ましく、 それによつて 、 好ましい風合と、 染色性を有する地組織部を得ることができる。 本発明の多色繊維パイル布帛のカッ トパイル層におけるパイル繊 維の分布密度は 34,000〜220,000dt exZ cm2の範囲内にあることが好 ましい。 このパイル繊維密度が 34 , 000未満であると、 カッ トパイル 層中のパイル繊維の倒伏抵抗が不十分になり、 特にパイル布帛が力 ー トシートに用いられるとき、 その使用条件が過酷であるためパイ ル繊維の顕著な倒伏を生ずることがある。 またそれが 220,000dt ex / cm2を超えると、 得られるカッ トパイル層の風合が過度にこわく なり、 かつ製造コス トが高くなり過ぎることがある。
本発明の多色繊維パイル布帛を例えば下記の方法によ り製造する ことができる。
非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 形成用繊維と して、 沸水収縮率 (BWS) が 4 %以下の非捲縮有機繊維、 例えばポリ エステルフィ ラメ ン トを 用いることが好ましい。 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 形成用繊維の沸水 収縮率 (BWS) が 4 %を超える場合、 得られたパイル布帛に熱処理 を施したとき、 その熱収縮量が過大であって得られる非捲縮パイル 繊維のパイル高さが不十分になり所望の多色模様が得られないこと があり、 またカッ トパイル層に後述の部分的 (局所的) エッチング 処理を施したとき、 十分な凹凸模様が得られないことがある。
沸水収縮率が 4 %以下の有機繊維を得るには、 当該有機繊維に適 合した、 熱収縮紡糸処理を施せばよい。 例えばポリ エステルフイラ メ ン トが得られた場合、 通常の紡糸、 延伸方法によ り製造されたポ リエステルフィラメント糸条に、 180〜220°Cの温度における乾熱処 理を施すことが好ましい。
本発明の多色繊維パイル布帛に用いられる捲縮パイル繊維 ( 2 ) は、 例えば捲縮率が、 好ましくは 8 %以上、 より好ましくは 10〜30 %の捲縮有機繊維、 例えば、 捲縮ポリ エステルマルチフィ ラメ ン ト から選択されることが好ましい。 捲縮パイル繊維形成用捲縮有機繊 維の捲縮率が 8 %未満であると、 カッ トパイル層を形成したとき、 特に、 それに熱処理を施したときに、 カッ トパイル中において十分 な嵩高性、 耐圧縮性を発現することができないことがあり、 また得 られる捲縮パイル繊維のパイル高さが非捲縮パイル繊維のパイル高 さよ り も十分低くならないことがある。 また、 捲縮パイル繊維形成 用捲縮有機繊維の捲縮率が 30%を超える場合には、 力ッ トパイル層 を形成したとき、 特にそれに熱処理を施したとき、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) のパイル高さが、 不十分になり、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及 ぴ捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のパイル高さとの釣合いが、 不 適切になり、 所望の多色模様が得られないことがありまたカツ トパ ィル層に部分的エッチング処理を施した場合、 所望の凹凸模様が得 られないことがある。
前述のよ うに捲縮パイル繊維 ( 2 ) 形成用捲縮有機繊維の捲縮率 は、 パイル布帛の製造のために施される加工条件に応じて、 例えば 力ッ トパイル形成後に力ッ トパイル層に施される熱処理条件に応じ て、 得られる捲縮パイル繊維 ( 2 ) のパイル高さが非捲縮パイル繊 維 ( 1 ) のパイル高さと、 捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のパイ ル高さとの中間の所望値になるように設定することが重要である。 捲縮パイル繊維 ( 2 ) が仮撚捲縮ポリ エステルフィ ラメ ン トから 形成される場合、 ポリエステルフイラメ ント糸条に仮撚捲縮加工を 施し、 このとき、 当該フィラメ ント糸条に適用する仮撚り係数及び 仮撚温度などの仮撚条件を、 所望捲縮率が得られるように適宜設定 すればよい。
捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) を形成するための捲縮又は非捲 縮有機繊維は、 40〜80%の沸水収縮率 (BWS) を有し、 カッ トパイ ル層の形成、 仕上加工後において、 所望のパイル高さを得ることが できるものから選ばれることが好ましい。 捲縮又は非捲縮パイル繊 維 ( 3 ) 形成用繊維としてポリエステルフィラメントが用いられる ときは、 このポリエステルフィラメ ント糸条を、 下記方法によ り容 易に製造することができる。 すなわち、 通常のジカルボン酸成分及 びアルキレンダリ コール成分に加えて、 第三成分と してィソフタル 酸、 ナフタレンジカルボン酸、 アジピン酸及びセパシン酸などのジ カルボン酸類、 ジエチレングリ コール、 ポリ エチレングリ コールな どのグリ コール類、 ビスフエノーノレ A及びビスフエノーノレスノレフォ ンなどからなる群から選ばれた 1種以上を共重合させた共重合ポリ エステル樹脂を、 通常の紡糸工程に供し、 得られた未延伸フィ ラメ ント糸条を、 これに延伸を施すことなく、 直接 3500m Z分の卷き取 り速度で卷き取り、 この未延伸フィラメ ント糸条を 60〜80°Cの温度 において、 1. 3〜: 1. 5の延伸率において僅かに延伸する。
パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) のそれぞれを形成するための 有機繊維は、 必要に応じて再に延伸されながら、 或は延伸後に、 目 的パイル布帛の組織に応じて、 その 1種単独から、 又は 2種を混繊 し、 又は 3種を混繊して、 パイル用糸条を製造し、 地組織中に編み 込み又は織り込んで地組織部の少なく とも 1面上にループパイル層 を形成し、 ループパイルを力ッ ト して力ッ トパイル層が形成される 。 前記混繊には、 引き揃え合糸法、 イ ンターレースノズルによる交 絡混繊法、 合撚法、 静電気開繊—混繊法などが用いられる。 これら の混繊法のうちィンターレースノズルによる交絡混繊法が、 パイル の形成に最も適している。
編物組織を有する力ッ トパイル層を形成するには、 地組織の製編 し、 その上に伸び出るシンカーパイル、 ポール ト リ コ ッ トパイル、 ダブルラッセルパイルなどのループパイル組織を形成し、 このルー プパイルをカッ トする方法が用いられる。 ポールト リ コッ トパイル は、 ト リ コッ ト編組織のパイル編み部分を、 起毛機を用いて、 ルー プパイルに形成することによって得られる。
織物組織を有するカツ トパイル層を形成するには、 経パイル織物 、 又は緯パイル織物を製織し、 そのループパイルをカッ トする力 、 或はモケッ ト織物を製織し、 そのパイル糸をセンターカツ トする。 上記パイル布帛は、 必要によ り熱処理される。 カッ トパイル層に ポリエステルパイル繊維が含まれる場合、 特にパイル繊維 ( 1 ) ,
( 2 ) 及び ( 3 ) がそれぞれ非捲縮低熱収縮性ポリエステルフイラ メ ン ト、 捲縮ポリエステルフィ ラメ ン ト、 及び捲縮又は非捲縮高熱 収縮性ポリエステルフィ ラメ ン トから構成されている場合、 この力 ッ トパイル層に熱処理を施して、 捲縮ポリエステルフィ ラメ ン ト (
2 ) の捲縮状態を、 熱セッ トして所定の中間パイル高さを付与し、 捲縮又は非捲縮高熱収縮性ポリエステルフィ ラメ ン ト ( 3 ) を所定 の低パイル高さ迄収縮させ、 非捲縮低熱収縮性ポリエステルフィラ メ ント ( 1 ) を所定の高パイル高さに維持する。
上記ポリエステルフィラメントに対する熱処理が湿熱処理法によ つて行われるときは、 熱処理温度は、 80〜130°Cの範囲内にあるこ とが好ましく、 より好ましくは 100〜110°Cである。 熱処理が乾熱法 によって行われる場合熱処理温度が、 150〜200°Cの範囲内にあるこ とが好ましく、 より好ましくは 160〜180°Cである。 湿熱処理温度が 80°C未満であるとき、 又は乾熱温度が 150°C未満であるときは、 捲 縮ポリエステルフィラメント ( 2 ) の捲縮発現及び熱セッ トが不十 分になることがあり、 また湿熱温度が 130°Cを超える場合、 又は乾 熱温度が 200°Cを超える場合には、 捲縮ポリエステルフィラメ ント
( 2 ) の捲縮の捲縮弾性が低下することがあり、 及び Z又はパイル 布帛全体が過度に収縮して、 風合が硬く (こわい) なることがある カッ トパイル層が形成され、 必要によ り熱処理を施されたパイル 布帛は通常の前処理及び染色処理に供され、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) は、 その少なく とも 1種が、 色相及びノ又は明度にお いて、 他よ り異る色彩に染色される。 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及 び ( 3 ) が、 非捲縮低熱収縮性ポリエステルフィ ラメ ン ト、 捲縮力 チオン染料可染性ポリエステルフィ ラメ ント及び捲縮又は非捲縮高 熱収縮性ポリエステルフィ ラメ ン トから構成されているときは、 こ のパイル布帛を、 分散染料及びカチオン染料を含む染色浴中におい て前記ポリエステルフィ ラメ ン ト ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) を同時に 染色して、 前述のよ うな多色繊維力ッ トパイル層を得ることができ る。
或は非捲縮低収縮性ポリ エステルフィラメント ( 1 ) 及び捲縮又 は非捲縮高収縮性ポリ エステルフィ ラメ ン ト ( 3 ) を、 着色顔料含 有ポリ エステル樹脂から形成し、 捲縮ポリ エステルフィ ラメ ン ト (
2 ) をカチオン染料可染性ポ リ エステル樹脂から形成して、 得られ るパイル布帛を、 カチオン染料含有染色浴による染色工程に供して 捲縮ポリエステルフィラメ ント ( 2 ) のみをカチオン染料によ り染 色して多色繊維パイル布帛を得てもよい。
本発明の多色繊維パイル布帛は、 最大パイル高さを有する非捲縮 パイル繊維 ( 1 ) と、 中間のパイル高さを有する捲縮パイル繊維 ( 2 ) と、 最小パイル高さを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) が、 例えば図 1〜図 4に示されているように分布させたカツ トパイ ル層を有している。 このようなカッ トパイル層において、 捲縮パイ ル繊維 ( 2 ) は、 その捲縮によるふく らみ、 嵩高性を有しているた め、 例えば図 1〜 4に示されているように、 カッ トパイル層中に分 布しているとき、 カッ トパイル層をその上から観察したとき、 少な く と'も非捲縮パイル繊維 ( 1 ) と、 その間から捲縮パイル繊維を見 ることができ、 これらによって又は、 それと、 パイル糸条の製編織 組織との組み合わせによ り霜降り多色模様又は杏目様多色模様が、 形成されている。 また、 捲縮パイル繊維は、 その捲縮弾性を利用し て、 パイルの倒伏を防止することができる。
本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛のー態様 ( 1 ) は、 前記 本発明の多色繊維パイル布帛から構成されたものであってそのカツ トパイル層の 1以上の部分領域において前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の先端部が、 化学エッチング法によって除去され、 残留非捲縮パ ィル繊維 ( l _ a ) のパイル高さが前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の パイル高さをよ り低く、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のパイル高さよ り低くない範囲内の高さに調整され、 それによつて、 前記部分領域 が凹部を形成し、 かっこの凹部において、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) の先端部分の露出度が増大していることを特徴とするものである 例えば図 5に示されている多色繊維パイル布帛の断面説明図にお いて、 カッ トパイル層 4を構成するパイル 4 Aは、 図 1に示されて いるパイル 4 Aと同様に非捲縮パイル繊維 5、 捲縮パイル繊維 6及 び捲縮又は非捲縮パイル繊維 7 の 3者混合繊維から構成されるもの である。 図 5において、 カッ トパイル層 4の一部領域 8においては 、 この領域 8内に分布されているパイル 4 A a中の捲縮パイル繊維 6及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 7のパイル高さは、 パイル 4 A内 のそれぞれのパネル高さ と同一であるが、 非捲縮パイル繊維 5の先 端部分は化学エッチングによ り除去されていて、 捲縮パイル繊維 6 のパイル高さとほ 同一の、 又はそれよ り も高いパイル高さを有す るエッチング後の非捲縮パイル繊維 5 aが形成されていて、 このた め、 当該部分領域 8は、 カッ トパイル層 4中に凹部を形成している 。 また、 部分領域 8内のカッ トパイル 4 A aにおいて、 非捲縮パイ ル繊維 5 aは、 図 5 よ り も低いパイル高さを有するから、 捲縮パイ ル繊維 6及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 7 の、 非捲縮パイル繊維に よる遮蔽の程度が力ッ トパイル 4 Aにおける遮蔽の程度より低くな り、 換言すれば力ッ トパイル 4 A a内におけるパイル繊維 6及び 7 の露出度は、 カッ トパイル 4 A内におけるそれよ り も高くなり、 そ の色彩外観は、 カッ トパイル 4 Aのそれとは異るものになる。 この ため部分領域 8は、 その周囲領域にく らベて単に凹部を形成してい ることだけではなく、 その色彩外観 (模様) においても異ることに なりカツ トパイル層 4全体と して、 凹 ώ模様と色彩模様の組み合わ せを有することになる。 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛の 他の一態様 ( 2 ) は、 前記本発明の多色繊維パイル布帛から構成さ れたものがあって、 そのカツ トパイル層の 1以上の部分領域におい て、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) の 先端部が化学的エッチング法により除去され、 残留非捲縮パイル繊 維 ( l — a ) 及び残留捲縮パイル繊維 ( 2— a ) のパイル高さが、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のもとのパイル高さより低く、 前記捲縮 又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のパイル高さよ り低くない範囲内の所 望の高さに調整され、 それによつて前記部分領域内の前記残留捲縮 パイル繊維 ( 2 — a ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の先端 部分の露出度が増大していることを特徴とするものである。
例えば図 6には、 凹凸模様付き多色繊維パイル布帛の他の態様の 断面が示されている。 図 6のパイル布帛においては、 図 1に示され ているものと同一のカツ トパイル層 4に、 その部分領域 8内の非捲 縮パイル繊維 5及び捲縮パイル繊維 6の先端部を、 化学ェツチング によ り、 除去してそれらのパイル高さを捲縮又は非捲縮パイル繊維 7のパイル高さとほ 同一、 又はゃ 高い高さにして、 非捲縮パイ ル繊維 5 b及び捲縮パイル繊維 6 aを形成し、 それによつて、 凹部 8が形成されている。 図 6のパイル布帛において、 部分領域 8中の 力ッ トパイル 4 A bにおいては、 エッチングされた非捲縮パイル繊 維 5 b と、 捲縮パイル繊維 6 aのパイル高さは、 捲縮又は非捲縮パ ィル繊維 7のパイル高さとほ 同一であるのでこのカッ トパイル 4 A bにおけるパイル繊維 6 a及び 7の露出度は、 図 1 のカツ トパイ ル 4におけるパイル繊維 6, 7より も高く、 またパイル繊維 7 の露 出度は、 図 5におけるカツ トパイル 4 A a中のそれの露出度よ り も 高くなる。 従って、 図 6の部分領域 8は、 その周囲部分と ともに凹 凸模様を形成すると ともに、 その中のカッ トパイル 4 A bの色彩模 様も、 図 1 のカツ トパイル 4 A及び図 5のカツ トパイル 4 A a とは 異なるものになる。
図 2及び図 3に示されているパイル布帛においても、 それぞれの 部分領域内の力ッ トパイル 4 B , 4 Dの非捲縮パイル繊維 7 の先端 部を、 化学エッチングにより除去し、 残留パイル繊維のパイル高さ を、 捲縮パイル繊維 6 のパイル高さにほ 等しいか、 や 高い程度 にする力 、 或は、 カッ トパイル 4 B , 4 C , 4 Dの非捲縮パイル繊 維 5及び捲縮パイル繊維 6 の先端部を化学エッチングにより除去し 、 残留パイル繊維のパイル高さを、 捲縮又は非捲縮パイル繊維 7の パイル高さにほ 等しいか、 やや高い程度にすることにより凹凸模 様と色彩模様との複合模様を有するパイル布帛を得るこ とができ る 図 7に示されたパイル布帛においては、 図 4に示されたパイル布 帛と同一の構成を有するパイル布帛の部分領域 8に凹部が形成され ている。 この凹部領域 8において、 非捲縮パイル繊維 5及び捲縮パ ィル繊維 6 の先端部分に、 そのパイル高さが、 捲縮又は非捲縮パイ ル繊維 7 のパイル高さにほ 等しいか、 或はそれよ り もや 高くな るように、 化学エッチングを施して除去し、 エッチングされた非捲 縮パイル繊維 5 bからなるカツ トパイル 4 E a、 及びエッチングさ れた捲縮パイル繊維 6 aからなるカツ トパイル 4 F aが形成され、 これらと捲縮又は非捲縮パイル繊維 7からなるカツ トパイル 4 Gと により色彩模様が形成される。 この色彩模様においてパイル繊維 5 及び 6のパイル高さが低くなることによ りカッ トパイル 4 F a及び 4 Gの露出度は増大しているから図 7における凹部領域 8の色彩模 様は、 図 4のパイル布帛の色彩模様つま り凹部領域 8の周囲部分の 色彩模様とは異なるものになる。 従って、 凹部領域 8の形成によ り 凹凸模様と色彩模様との組み合わせよる複雑な模様が得られる。 本発明のパイル布帛用原反の組織には制限はなく、 適宜に設定す ることができる。 本発明のカッ トパイル布帛用原反と して、 ループ パイル布帛を製造するには、 地組織部形成用マルチフィラメント糸 条又は紡績糸条と、 所望の繊維組織を有するパイルを形成するため の 1種以上フィ ラメ ン ト糸条を、 所望編織物組織に編織成し、 得ら れたループパイル布帛のループパイルを、 カツ ト して、 カッ トパイ ル布帛を製造し、 これに、 適切な加工を施して所望のパイル高さを 有するパイル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) を形成する。
例えば、 パイル繊維の配合構成において異る 3種のパイル ( 1 ). , ( 2 ) , ( 3 ) を有する、 パイル編物を製造するためには、 その 原反と しての、 ループパイル編物を、 例えば図 8に示されている編 組織に従って、 地組織部形成用糸条 11'と、 パイル ( 1 ) (例えば非 捲縮パイル繊維 ( 1 ) のみからなるパイル) 形成用フィ ラメ ン ト糸 条 FY ( 1 ) と、 パイル ( 2 ) (例えば捲縮パイル繊維 ( 2 ) のみか らなるパイル) 形成用フィ ラメ ント糸条 FY ( 2 ) と、 パイル ( 3 )
(例えば捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のみからなるパイル) 形 成用フイラメ ント糸条 FY ( 3 ) から編成すればよい。
本発明はパイル布帛に回凸模様を形成するには、 所定模様に対応 するカッ トパイル層の部分領域に非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及びそれ
( 1 ) と捲縮パイル繊維 ( 2) の先端部分に化学エッチング剤を接 触させて、 エッチングを施せばよい。 例えば、 パイル繊維がポリエ ステル繊維又はポリ アミ ド繊維である場合は、 これに濃度 25〜40質 量0 /。の水酸化ナト リ ウム水溶液を接触させ、 130〜200°Cの温度にお いて水蒸気加熱を施せばよい。 実施例
本発明を下記実施例により更に説明する。 但し、 本発明の範囲は 、 これらの実施例によ り制限されるものではない。
下記実施例及び比較例の製品及びその原料糸条について、 下記試 験を行いその性能を評価した。 ( 1 ) 沸水収縮率 (BWS)
供試フィラメント糸条を、 周長 1. 125mの検尺機のまわりに 10回 巻きつれて、 かせを調製し、 このかせを、 スケール板の吊し釘に懸 垂し、 懸垂しているかせの下端に、 かせの総重量の 1 Z 30の荷重を かけて、 かせの収縮処理前の長さ L 1 を測定する。
このかせから荷重を除き、 かせを木綿袋に入れ、 このかせを収容 している木綿袋を沸騰水中に 30分間浸漬したて、 かせを自由収縮さ せる。 次に、 木綿袋を沸騰水から取り出し、 この木綿袋からかせを 取り出し、 かせに含まれる水を濾紙により吸収除去した後、 これを 室温において 24時間風乾する。 この風乾されたかせを、 前記スケー ル板の吊し釘に懸垂し、 かせの下部分に、 前記と同様に、 かせの総 質量の 1ノ 3の荷重をかけて、 収縮処理後のかせの長さ L 2を測定 する。
供試フィ ラメ ント糸条の沸水収縮率 (BWS) を、 下記式によ り算 出する。
BWS ( % ) = 〔 ( L 1 - L 2 ) / L 1〕 X 100
( 2 ) 捲縮率
供試フィ ラメ ント糸条を、 周長が 1. 125mの検尺機のまわりに卷 きつけて、 乾繊度が 3333dtexのかせを調製した。
前記かせを、 スケール板の吊り釘に懸垂して、 その下部分に 6 g の初荷重を付加し、 さらに 600 gの荷重を付加したときのかせの長 さ L Oを、 測定する。 その後、 直ちに、 前記かせから荷重を除き、 スケール板の吊り釘から外し、 このかせを沸騰水中に 30分間浸漬し て、 捲縮を発現させる。 沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し 、 かせに含まれる水分を濾紙によ り吸収除去し、 室温において 24時 間風乾する。 この風乾されたかせを、 スケール板の吊り釘に懸垂し 、 その下部分に、 600 gの荷重をかけ、 1分後にかせの長さ Llaを測 定し、 その後かせから荷重を外し、 1分後にかせの長さ L2aを測定 する。 供試フィ ラメ ン ト糸条の捲縮率 (CP) を、 下記式によ り算出 する。
CP (%) = 〔 (Lla-L2a) /L0] X 100
( 3 ) 明度
供試パイル繊維の明度を、 マンセル表色系 (JIS Z 8721) に準拠 して測定する。
( 4) パイルの倒伏抵抗性
供試パイル布帛の試験片 (lOcmXlOcm) の中央部に直径 4cm、 質 量 500 gの円筒状重錘を載置し、 温度 80°Cの恒温器中に 2時間保持 する。 試験片から重錘を取り除き、 無緊張状態室温において、 30分 間放置する。 その後パイル布帛試験片の重錘が載置された部分と、 その周囲の部分のパイルの立毛状態の差違を目視によ り評価し、 下 記 5クラスに判定した。
ク ラス 立毛状態
5 パイルの倒伏がない
実用性あり
4 パイルの倒伏がや 認められる
実用できる
3 パイルの倒伏が認められる
2 パイルの倒伏がや 激しい
1 パイルが全面的に倒伏している
( 5 ) パイル布帛の多色 · 凹凸模様の評価
パイル布帛の多色 · 凹凸模様を目視によ り評価し下記 3 クラス 判定した。
クラス 多色 · 凹凸模様
3 良好 2 実用性あり
1 不良
実施例 1
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸条 (ヤーン力 ゥン ト : 84dtexZ36本) を、 ヒーター長さ : 2 m、 熱処理温度 : 20 0°C、 熱処理速度 500m/分、 オーバーフィー ド率 : 5 %の条件下に おいて、 熱処理した。
得られた非捲縮ポリ エステルフィ ラメ ン ト糸条 ( 1 ) の沸水収縮 率は 1.2%であった。
別にカチオン染料可染性ポリ エステルを、 ポリ エチレンテレフタ レー トの、 重縮合による製造に際し、 酸成分中に、 その合計モル量 の 2.6モル0 /0のナト リ ゥムスルホイソフタル酸を共重合させること によ り製造した。 このカチオン染料可染性ポリ エステルから、 ヤー ンカウント : 100dtexZ24本、 伖撚捲縮加工による捲縮率 : 21%の 捲縮ポリ エステルフィ ラメ ン ト糸条 ( 2 ) を製造した。
更に別に酸成分が、 モル比 93/ 7のテレフタル酸及びィ ソフタル 酸からなりグリ コール成分が、 エチレングリ コールからなり相対粘 度 : 1.45を有する共重合ポリエステルを調製した。 この共重合ポリ エステル樹脂を、 溶融紡糸し、 3500mZ分の巻き取り速度で捲き取 つて、 部分配向未延伸共重合ポリエステルマルチフィラメントを製 造した。 この未延伸マルチフィラメ ント糸条を延伸装置の温度 65°C の第 1 ローラーと、 温度 75°Cの第 2 ローラーの間で、 熱セッ トを施 すことなく、 延伸倍率 : 1.4において延伸し、 非捲縮共重合ポリェ ステルフィラメント糸条 (ヤーンカウント : 100dtexZl2本) を製 造した。 この非捲縮共重合ポリエステルフィラメント糸条の沸水収 縮率 (BWS) は 65%であった。
前記非捲縮ポリ エステルフィラメント糸条 ( 1 ) 1本と、 前記捲 縮カチオン染料可染性ポリ エステルフィラメント糸条 ( 2 ) 1本と 、 前記非捲縮共重合ポリエステルフィ ラメ ント糸条 ( 3 ) 1本とを 引き揃え、 この引き揃え糸条を、 イ ンターレス装置のイ ンターレス ノズルに供給し、 オーバーフィー ド率 : 3 %、 糸条 : 400m /分の 条件下で混繊した。 得られた 3種の繊維の混繊糸を、 パイル布帛の パイル形成用糸条と して用いかつ、 地組織形成用糸条として非捲縮 ポリエチレンテレフタレー トフィ ラメ ン ト糸条 (ヤーンカウント :
Figure imgf000030_0001
) を用い、 これらのフィラメント糸条を 28ゲージボ ールシンカーを備えた経編機 (カールマイマー社製) の簇 (おさ) のすべてに供給して下記編組織 :
地組織 :
コース : 23. 6本 Z cm
ゥエール : 11. 1本/ cm
パイル : ループパイノレの長さ 2. 5mm "
得られたループパイル布帛をシャーリ ング機 (日機 (株) 社製) に 供して、 ループパイルの先端部分 0. 2mmをカツ 卜 して、 カッ トパイ ルを形成した。 このカッ トパイル布帛を、 乾熱セッターに供して、 拡布状態において、 温度 : 180°C、 時間 : 45秒間の熱処理を施して 、 カッ トパイル中の非捲縮ポリエステルフィラメ ントを安定化し、 カチオン染料可染性ポリエステルフィラメントの捲縮を十分に形成 させ、 かつ非捲縮共重合ポリエステルフィ ラメ ン トを十分に熱収縮 させた。 得られたカッ トパイル布帛の質量は、 100 g Z m 2であった 上記カツ トパイル布帛を染色工程に供し、 下記組成の染料組成物 (染色浴) :
Te rat op P ink 2GLA (商標、 1. 8 % (布帛質量に対し) チパガイギ一社製) Teratop Blue HLB (商標、 0.4% (同上) チパガイギ一社製)
Bismarck Brown B 3.5% (同上)
(商標、 日本化学社製)
Irgasol DAM (商標 : リ ツ 卜 ノレ
チパガイギ一社製)
酢酸 0.5 g /リ ッ トル
により、 液流染色機 (日阪製作所製) を用いて 130°C45分間の染色 を施した。
この染色によ り捲縮カチオン染料可染性ポリエステルフィラメ ン ト ( 2 ) は茶色 (明度 : 50) に染色され、 非捲縮共重合ポリエステ ルフィ ラメ ン ト ( 3 ) は、 紫紅色 (明度 : 43) に染色され、 非捲縮 ポリエステルフィ ラメ ント ( 1 ) は淡い紫紅色 (明度 : 65) に染色 された。 '
染色されたカツ トパイル布帛を、 ショートループドライヤー (ヒ ラノテクシー ド社製) に供し、 これに 120°C X 2分間の乾燥を施し た。 乾燥したカッ トパイル布帛を乾燥セッター (ヒラノテクシー ド 社製) に供してこれに 160°C X 1分の熱処理を施して、 皺を除去し た。 得られたカッ トパイル布帛の各カッ トパイル中に、 非捲縮ポリ エステルフィ ラメ ン ト ( 1 ) によ り、 最大パイル高さを有する非捲 縮パイル繊維 ( 1 ) が形成され、 カチオン染料可染性ポリエステル フィラメ ント ( 2 ) により、 中間のパイル高さを有する捲縮パイル 繊維 ( 2 ) が形成され、 非捲縮共重合ポリ エステルフィ ラメ ン ト ( 3 ) により最小のパイル高さを有する非捲縮パイル繊維 ( 3 ) が形 成された。
上記力ッ トパイル布帛のカ ッ トパイル層に、 凹凸模様形成処理を 下記工程によ り施した。 透過率 30%のメ ッシュ 700番のスク リーンプリ ント用メ ッシュに 水玉模様 (透過部) を形成して、 スク リーンプリ ント枠 Aを作製し た。 別に、 透過率 80%のメ ッシュ 700番のスク リーンプリ ント用メ ッシュに、 前記スク リーンプリ ント枠 Aの水玉模様と重ならないよ うに水玉模様 (透過部) を形成して、 スク リ ーンプリ ント枠 Bを作 製した。
また、 化学エッチング用処理剤と して、 濃度 269.4 g //リ ッ トル (28度ポーメ) の苛性ソーダ及びエッチング用糊剤 (商標 : セブテ ックス T- 36、 昌栄理研 (株) 製) を室温において水に溶かして、 固 形分濃度 : 35.5質量%、 粘度 : 4Pa * s (4000cP) のエッチング用 アルカリ糊を調製した。 このエッチング用アルカ リ糊を、 前記水玉 模様用スク リーンプリ ント枠 A及び Bを用いて、 カツ トパイル布帛 のカッ トパイル層表面に、 水玉模様状に印捺した。 この印捺された アル力リ糊を 140°Cで 10分間乾燥し、 これに 170°Cの飽和蒸気により 15分間水蒸気処理を施した。 カッ トパイル層のスク リーンプリ ント 枠 Aにより印捺された水玉模様 (以下第 1水玉模様と記す) の部分 においては、 非捲縮パイル (ポリ エステル) 繊維 ( 1 ) の先端部分 が、 捲縮パイル (カチオン可染性ポリ エステル) 繊維 ( 2 ) のパイ ル高さまで除去され、 カッ トパイル層のスク リーンプリ ント枠 Bに より印捺された水玉模様の (以下第 2水玉模様と記す) 部分におい ては、 非捲縮パイルポリ エステル繊維 ( 1 ) 及び捲縮パイル (カチ オン染料可染性ポリ エステル) 繊維 ( 2 ) の先端部分が、 非捲縮パ ィル (共重合ポリ エステル) 繊維 ( 3 ) のパイル高さまで除去され た。 すなわち第 1水玉模様部分は浅い凹部を形成し、 この部分にお いては非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び捲縮パイル繊維 ( 2 ) の先端が 露出していた。 また、 第 2水玉模様部分は深い凹部を形成し、 この 部分においては、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の 3色がすべて露出していた。 前記第 1、 第 2水玉模様の周囲部分においては、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) は 、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) によ り遮蔽されており、 非捲縮パイル繊 維 ( 3 ) は、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び捲縮パイル繊維 ( 2 ) に よ り遮蔽されていて、 力ッ トパイル層の上からの外観においては、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 中に、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) が霜降り状に 見え、 非捲縮パイル繊維 ( 3 ) がわずかに霜降り状に見えていた。 従って、 得られた凹凸模様付きパイル布帛においては、 浅い凹部、 深い凹部及びその周囲からなる凹凸模様と、 浅い凹部、 深い凹部及 びそれらの周囲部分は、 色相、 明度の少なく とも 1つにおいて異る 色彩を有する 3種のパイル繊維の露出度の相違による色彩模様とが 組み合わされて、 形成されていた。
試験結果を表 1 に示す。
実施例 2
実施例 1 と同様にして凹凸模様付き多色繊維パイル布帛を製造し た。 但し、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 形成用フィ ラメ ン ト糸条と して 、 ヤーンカウント : 75dtex/36本の黒色顔料による樹脂着色された 非捲縮ポリエステル (ポリエチレンテレフタ レー ト) フィ ラメ ント
( 1 ) を用いた。 このフィ ラメ ント ( 1 ) の沸水収縮率は、 1.2% であった。 また、 染色浴には、 Teratop Pink 2GLA及び Teratop Blu e HLBを含ませなかった。 このため、 前記染色によりカッ トパイル 層の中の捲縮カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント ( 2 ) は茶色に染色され、 その色彩は、 非捲縮ポリエステルフィ ラメ ント
( 1 ) の黒色とは色相及び明度において異なるものであった。 また 、 非捲縮共重合ポリ エステルフィラメ ント ( 3 ) は染色されなかつ た。
化学ェッチング処理後の力ッ トパイル布帛においては、 水玉模様 の深い凹部と、 水玉模様の浅い凹部とからなる凹凸模様を有してい る。 また凹部の周囲部の外観は、 顔料着色された黒色の最大パイル 高さを有する非捲縮パイル繊維 ( 1 ) と、 それに遮蔽されているが 、 パイル繊維 ( 1 ) の間に散見される茶色の捲縮パイル繊維 ( 2 ) と、 パイル繊維 ( 1 ) , ( 2) により遮蔽され、 わずかに、 霜降り 状に見える無色の非捲縮パイル繊維 ( 3 ) により構成され、 浅い凹 部の外観においては、 茶色の捲縮パイル繊維 ( 2 ) 及び非捲縮無色 パイル繊維 ( 3 ) の露出度が前記周囲部よ り増大しており、 深い凹 部の外観においては前記パイル繊維 ( 2 ) 及び ( 3 ) の露出部が更 に増大していて、 凹部周囲部、 浅い凹部及び深い凹部において、 互 に異なる色彩模様を形成していた。
試験結果を表 1に示す。
実施例 3
実施例 1 と同様にして凹凸模様付多色繊維パイル布帛を製造した 。 但し、 非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 用ポリ エステル (PET) フィラメ ン ト ( 1 ) 、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 用捲縮カチオン染料可染性ポリ エステルフィ ラメ ン ト ( 2 ) 、 非捲縮パイル繊維 ( 3 ) 用非捲縮共 重合ポリ エステルフィ ラメ ン ト ( 3 ) から、 それぞれ合計繊度が 28 4dtexになるようにフィ ラメ ン ト糸条 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) を製 造した。 また、 これらのパイル層形成用繊維 ( 1 ) , ( 2 ) , ( 3 ) 及び実施例 1 と同じ地組織用ポリエステルフィ ラメ ン ト糸条を、 図 8に示す編組織に編成して、 パイル布帛を製造した。 このパイル 布帛においては、 そのコース方向に伸びる最大のパイル高さを有す る非捲縮ポリエステルパイル繊維 ( 1 ) からなり、 明度の高い (淡 色) の紫紅色パイル畝、 中間のパイル高さを有する捲縮カチオン染 料可染性ポリエステルパイル繊維 ( 2 ) からなる茶色パイル畝、 及 び最小のパイル高さを有する非捲縮共重合ポリエステルパイル繊維 ( 3 ) からなる中程度の明度を有する紫紅色のパイル畝の組み合わ せがゥエール方向に繰りかえし配置されていた。 さらに、 このカツ トパイル層に、 実施例 1の記載のアル力リ による化学ェツチング処 理が施され、 浅い水玉模様の凹部と深い水玉模様の凹部とが形成さ れた。 得られたカッ トパイル層において、 前記凹部の周囲にはパイ ル繊維 ( 1 ) (淡い紫紅色) からなるカッ トパイル畝と、 パイル繊 維 ( 2 ) (茶色) からなるカッ トパイル畝と、 パイル繊維 ( 3 ) ( パイル繊維 ( 1 ) より も濃い紫紅色) からなるパイル畝とからなる 力ッ トパイル層が形成されており、 最大パイル高さを有するパイル 繊維 ( 1 ) からなるパイル畝は、 それよ り も低いパイル高さを有す るパイル繊維 ( 2 ) 及び ( 3 ) の各々からなるパイル畝を部分的に 遮蔽していた。 前記浅い凹部においては、 パイル繊維 ( 2 ) (茶色 ) からなるパイル畝の露出度が、 前記周囲部より増大しており、 前 記深い凹部においては、 パイル繊維 ( 3 ) (比較的濃い紫紅色) の 露出度が、 前記浅い凹部よ り も増大していた。
試験結果を表 1に示す。
実施例 4
実施例 1 と同様にして凹凸模様付多色繊維パイル布帛を製造した 。 但し、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 形成用フィラメント ( 2 ) と して、 前記捲縮カチオン染料可染性ポリエステルフィ ラメ ン トの代りに、 捲縮ナイ口ン 66フイラメ ント糸条 (ヤーンカウント : 78dtexZ34本 、 捲縮度 : 15%) を用いた。 また、 染色浴において、 Bismarck Bro wn Bの代りに Sumitomo Fast Yellow EGG (住友化学工業社製) 3質 量% (糸条質量に対し) を用い、 染色浴温度を 120°Cに変更した。
捲縮ナイ ロ ンフィ ラメ ン ト ( 2 ) は黄色に染色された。 試験結果 を表 1に示す。
比較例 1 実施例 1 と同様にして、 凹凸模様付多色繊維パイル布帛を製造し た。 但し、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 形成用捲縮カチオン染料可染性ポ リエステルフィラメント糸条の代りにそれと同一のカチオン染料可 染性ポリ エステルから製造され、 非捲縮であって、 沸水収縮率 5 % の非捲縮カチオン染料可染性ポリエステルフィラメ ント糸条 (ヤー ンカウント : 100dtexZ24本) を用いた。
得られたカッ トパイル布帛 (エッチング処理前) において、 パイ ル繊維 ( 1 ) 及び比較パイル繊維 ( 2 ) がともに非捲縮フイラメ ン ト糸条であって、 パイル高さが、 ほ 同一であるため、 パイルの嵩 高性が不十分であり、 それによつて得られた多色模様も不満足なも のであった。 さらに、 アルカ リエッチング処理による浅い凹部及び 深い凹部の形成後においても、 捲縮パイル繊維の不存在によ り得ら れた凹凸模様及び色彩模様も不満足なものであり、 かつ、 倒伏抵抗 も不十分なものであった。
試験結果を表 1に示す。
比較例 2
実施例 1 と同様にして凹凸模様付多色繊維パイル布帛を製造した 。 但し、 捲縮パイル繊維 ( 2 ) 形成用カチオン染料可染性ポリエス テルフィラメ ント糸条の代りに、 捲縮パイル繊維 ( 1 ) 形成用ポリ エステル (PET) フ ィ ラ メ ン ト糸条と同一のポ リ エステル (PET) 樹 脂からなる捲縮フィ ラメ ン ト糸条 (捲縮率 20%) を用いた。
得られたパイル布帛は、 高い倒伏抵抗性を示したが、 パイル繊維 ( 1 ) とパイル繊維 ( 2 ) とが同一色相同一明度を有していたため 多色模様において不満足なものであった。 表 1
Figure imgf000037_0001
産業上の利用可能性
本発明の多色繊維パイル布帛は、 優れた倒伏抵抗性と好ましい多 色模様を有し、 産業上高い実用性を有するものである。
また、 本発明の凹凸模様付多色繊維パイル布帛も優れた倒伏抵抗 性と、 好ましい多色模様と凹凸模様との組み合わせを有し、 高い実 用性を有するものである。

Claims

請 求 の 範 囲
1. 有機繊維糸条からなる編織組織を有する地組織部と、 前記地 組織部に編み込まれ、 或いは織り込まれ、 前記地組織から、 その少 なく とも 1面側に伸び出ている複数のカツ トパイルからなる少なく とも 1層のカッ トパイル層と力 らなり、
前記力ッ トパイル層が、 非捲縮有機繊維からなる非捲縮パイル繊 維 ( 1 ) と、 捲縮有機繊維からなり、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) よ り も低いパイル高さを有する捲縮パイル繊維 ( 2 ) と、 捲縮又は 非捲縮有機繊維からなり前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) よ り も低いパイ ル高さを有する捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) とを有し、 前記パ ィル繊維 ( 1 ) , ( 2 ) 及び ( 3 ) の少なく とも 1種が、 明度又は 色相、 或いは明度及び色相において、 他から異なる色彩を有してい ることを特徴とする多色繊維パイル布帛。
2. 前記カッ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮 パイル繊維 ( 2 ) '及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の 3種混合 パイル繊維からなる 3種混合繊維カツ トパイルを有する、 請求の範 囲第 1項に記載の多色繊維パイル布帛。
3. 前記カッ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 、 捲縮 パイル繊維 ( 2 ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の少なく と も 2種の混合パイル繊維からなる 2種以上の混合繊維力ッ トパイル を有する請求の範囲第 1項に記載の多色繊維パイル布帛。
4. 前記カッ トパイル層が、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) のみか らなる複数の非捲縮カッ トパイルと、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) の みからなる複数の捲縮力ッ トパイルと、 前記捲縮又は非捲縮パイル 繊維 ( 3 ) のみからなる複数の捲縮又は非捲縮カッ トパイルとを有 している、 請求の範囲第 1項に記載の多色繊維パイル布帛。
5. 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) が非捲縮ポリ エチレンテ レフタ レー ト繊維、 非捲縮ポリブチレンテレフタ レー ト繊維、 非捲縮ポリ テ'ト ラメチレンテレフタ レー ト繊維、 非捲縮ポリ ト リ メ チレンテレ フタ レー ト繊維から選ばれる、 請求の範囲第 1項に記載の多色繊維 パイル布帛。
6. 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) 力 カチオン染料可染性捲縮ポリ エステル繊維から選ばれる、 請求の範囲第 1項に記載の多色繊維パ ィル布帛。
7. 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) 力 共重合ポリエステ ルからなり、 この共重合ポリエステルの主構成モノマーがエチレン グリ コール及びテレフタール酸であり、 この主構成モノマーに共重 合する第三成分が、 イソフタール酸、 ナフタレンジカルボン酸、 ァ ジピン酸、 セパシン酸などのジカノレボン酸、 ジエチレングリ コ ーノレ 、 ポリ エチレングリ コール、 ビスフエノ ール及びビスフ エノ一ルス ルフォ ンから選ばれた少なく とも 1種からなる、 請求の範囲第 1項 に記載の多色繊維パイル布帛。
8. 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のいずれか一方が、 その構成重合体成分に混合されている顔 料によって着色されている、 請求の範囲第 1項に記載の多色繊維パ ィル布帛。
9. 請求の範囲第 1〜 8項のいずれか 1項に記載された多色繊維 パイル布帛から構成され、 伹しそのカツ トパイル層の 1以上の部分 領域において、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の先端部が化学的エツ チング法によ り除去され、 残留非捲縮パイル繊維 ( 1 一 a ) のパイ ル高さが、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) の高さより低く、 前記捲縮 パイル繊維 ( 2 ) のパイル高さよ り低くない範囲内の所望の高さに 調整され、 それによつて前記部分領域内の前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) の先端部分の露出度が増大している、 凹凸模様付多色繊維パイル 布帛。
10. 請求の範囲第 1〜 8項のいずれか 1項に記載された多色繊維 パイル布帛から構成され、 但しそのカツ トパイル層の 1以上の部分 領域において、 前記非捲縮パイル繊維 ( 1 ) 及び前記捲縮パイル繊 維 ( 2 ) の先端部が化学的エッチング法により除去され、 残留非捲 縮パイル繊維 ( 1 一 a ) 及び残留捲縮パイル繊維 ( 2 — a ) のパイ ル高さが、 前記捲縮パイル繊維 ( 2 ) のもとのパイル高さより低く 、 前記捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) のパイル高さよ り低くない 範囲内の所望の高さに調整され、 それによつて前記部分領域内の前 記残留捲縮パイル繊維 ( 2 — a ) 及び捲縮又は非捲縮パイル繊維 ( 3 ) の先端部分の露出度が増大している、 凹凸模様付多色繊維パイ ル布吊。
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