JP3702501B2 - パイル布帛 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両内装用、家庭内装用、事務室内装用、展示場内装用あるいは衣料用等に使用するパイル布帛に好適なパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両内装用の布帛としては織物、編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など種々の布帛が使用されている。この中で特に多く使用されている布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコットの起毛布帛、ダブルラッセル編物がある。
【0003】
これらパイル布帛の改良についても、例えば、特開平5−321060号公報に見られるように使用時に毛倒れしないように収縮率の異なる繊維を混用する方法が提案されている。
【0004】
また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良するため、例えば、特開昭62−268855号公報、特開昭63−105143号公報では、パイル糸として用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分より濃く染まりやすいような成分を使用したものである。
【0005】
さらに、シルク調パイル布帛を得るため、例えば、特公平6−21398号公報では変形十字あるいはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用することが提案されている。特開昭62−21842号公報、特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフトな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも提案されている。
【0006】
さらにまた、特開昭63−126941号公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントからなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラメントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記いずれの従来技術においてもソフトな風合いを有しながら、プリント発色性に優れ、しかもパイル表面に明度差の杢感を有するという特性を兼ね備えたパイル布帛は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ソフトな風合いを有し、プリント発色性が良好で、かつ杢感を有するパイル布帛を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のパイル布帛は、前記の課題を解決するために、以下の構成を有する。
すなわち、パイル布帛のパイル部構成繊維が肉厚1.5〜6.5μmの繊維を20〜100重量%含み、かつパイル部構成繊維に含まれるカチオン染料に実質的に染色されないポリエステル繊維Aが20〜80重量%、カチオン染料可染ポリエステル繊維Bが80〜20重量%であることを特徴とするパイル布帛である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパイル布帛について詳細に説明する。
【0011】
本発明のパイル布帛は、パイル部構成繊維に肉厚1.5〜6.5μmの繊維を20〜100重量%含むものである。図1〜3はその断面の模式図を示し、図1は扁平凹凸形状断面の模式図を示し、図2は丸中空形状断面の模式図を示し、図3は変形I型形状断面で艶消剤(a)を多量に含む場合の模式図を示す。その繊維の肉厚はパイルの1000倍電子顕微鏡断面写真をとり、断面の肉厚が一番深い部分から繊維表面に向かって一番近い繊維表面までの距離tμmを測定して、パイル繊維20本以上の平均値で表したものである。
【0012】
このパイル部構成繊維の肉厚は本発明のプリント発色性を左右する大きな要素であり、肉厚が6.5μmを越えるとパイル部構成繊維が綿染め、糸染めあるいは布帛浸漬染め等地染めされた染料を、繊維内部まで抜染することが困難になり、抜染部分の白度が得られ難いし、抜染後着色プリントした場合にも着色したい色相や彩度および明度が得られ難い問題がある。また、抜染剤入り着色プリントの場合にも同様に地染めの染料が抜染され難く、着色したい色相や彩度および明度が得られ難いため、プリント発色性の良好なパイル布帛が得られ難くなる問題がある。肉厚が1.5μm未満ではパイル部構成繊維の地染めされた染料の抜染および抜染後着色時の染料着色は繊維内部までなされるが、繊維表面からの表面反射光、つまり白色光が増加し、濃色系のプリント発色性が得られ難くなると同時に、図1〜3等のような異形断面繊維の場合には繊維のささくれ現象である、いわゆるフィブリル化し易くなる問題がある。
【0013】
本発明のパイル布帛のパイル部構成繊維に含まれる肉厚1.5〜6.5μmの繊維の割合は、20〜100重量%とすることが重要である。20重量%未満では本発明の狙いであるソフトな風合いを有し、かつプリント発色性の良好なパイル布帛が得られ難くなり、特にプリント発色性が低くなる問題がある。
【0014】
このプリント発色性とは、オーバープリントでのプリントでの発色性や柄のシャープさ、地染め後の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜染後のプリントでの発色性や柄のシャープさ、地染め後の着抜プリントでの発色性や柄のシャープさのことをいう。種々のプリント布帛を解析した結果、プリントでは液中染色に比べて繊維表面のみが染色される、いわゆるリング染色と呼ばれる状態になる。従って、本発明のポリエステル繊維の肉厚にすることによって、繊維の断面方向の肉厚が薄いために、例えリング染色状態になっても繊維内部まで染料が拡散されて未染色部分が少なくなることや、地染め後の抜染で抜染剤が繊維内部まで拡散されて未抜染部分が少なくなる作用がある。
【0015】
さらに、本発明のパイル布帛のパイル部構成繊維は、カチオン染料によって実質的に染色されない通常のポリエステル繊維A(以下、繊維Aという)とカチオン染料可染ポリエステル繊維B(以下、繊維Bという)からなるものである。これら繊維Aと繊維Bは、繊維Aを20〜80重量%、繊維Bを80〜20重量%とする必要がある。
【0016】
繊維Bとしては、例えば特公昭34−10497号公報、特公平1−20248号公報等に見られるように、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を共重合、あるいは金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分と分子量400〜6000のグリコール成分を共重合する等の改質ポリエステルを使用できる。
【0017】
この繊維Aと繊維Bはパイル繊維が分散染料で同浴染色された場合、繊維Aは繊維Bに比べて染料の吸尽量が少なく明度が高くなる効果があり、さらにカチオン染料と分散染料の併用で染色した場合、繊維Aは分散染料のみによって染着し、繊維Bはカチオン染料および分散染料共に染着するため繊維Aと繊維Bを別の色相に染め分けることができるため明度差や色相差の杢感を容易に得られる効果がある。
【0018】
杢感を表現するには繊維Aあるいは繊維Bの割合を20重量%以上にする必要がある。繊維Aあるいは繊維Bの割合が20重量%以下未満では明度の高いパイル構成繊維または明度の低いパイル構成繊維の割合あるいは色相の異なる繊維の割合が互いに低くなり過ぎて十分な杢感が得られない。
【0019】
特に、明度差杢を表現したい場合には繊維Aと繊維Bのあいだに艶消剤の含有量差をつけるのがより好ましい。すなわち、繊維Aは艶消剤1.5重量%以上、繊維Bは艶消剤0.7重量%以下とすることがより好ましい。この艶消剤は、パイルが染色された場合、ほぼ同等の染料が繊維に与えられても、艶消剤を多量に含む繊維は、艶消剤の乱反射作用により明度が高くなる効果がある。高明度化をより効果的にするには艶消剤を1.5重量%以上含有させるのが好ましい。反対に艶消剤の乱反射作用による高明度化を押さえるには艶消剤0.7重量%以下にするのが好ましい。艶消剤は特に限定されるものではないが、酸化チタンが代表的なものとして使用することができ、その他、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機粒子を用いることができるが、有機粒子であっても差し支えない。
【0020】
なお、繊維Aあるいは繊維Bは本発明の肉厚1.5〜6.5μmの繊維のみであっても良いし、肉厚1.5〜6.5μmの繊維と他の断面繊維、例えば丸断面繊維、三葉形断面繊維等との混用であっても良い。特に、肉厚1.5〜6.5μmの繊維と丸断面繊維とを組み合わせた場合には、肉厚1.5〜6.5μmの繊維がカチオン染料で実質的に染色されない通常のポリエステル繊維で艶消剤を多量に含む繊維A、丸断面繊維をカチオン染料可染ポリエステル繊維で艶消剤が少ない繊維Bとすれば組み合わせの効果によってさらに杢感が明瞭でかつ耐毛倒れ性や抗フィブリル性を向上させることができるのでより好ましい。
【0021】
なお、一般に杢感とは、明度の高いパイルと明度の低いパイルあるいは色相差や彩度差があるパイルが互いに集団で存在し、粒状を呈するものをいうが、ここでいう杢感とは、明度の高いパイルと明度の低いパイルあるいは色相差や彩度差があるパイルが互いに集団で存在し粒状を呈するものの他、これら明度差あるいは色相差や彩度差が有るパイルが分散状態で存在する、いわゆる霜降り状態のものもあえて杢感と定義する。
【0022】
車両用パイル布帛のパイルとしては風合いも重要な要求特性であり、少なくともパイルを構成する繊維については濃色系のプリント発色性や繊維のささくれ現象である、いわゆるフィブリル化を防止したり、ソフトなパイル布帛を得る観点から、その繊度が1〜6デニールであることが好ましい。
【0023】
一般に、パイルを構成する繊維は繊維表面に光が当たると鏡面反射しやすく、見る方向によって鏡面反射光つまり白色光の高い方向があり、白ボケと呼ばれる現象を生じ易い。したがって本発明の少なくともパイル部を構成する繊維Bは酸化チタンなどの艶消剤を0.01重量%以上含有させることが望ましい。
【0024】
本発明のパイル布帛のパイルを構成する繊維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルなどの合成繊維が好ましく、車両用の場合には特に耐光性が要求されるためポリエステルからなることが好ましい。また、パイルを構成する繊維として肉厚が1.5〜6.5μmの繊維以外に他の繊維を混用することができ、その場合、他の繊維としてウール、コットン、シルクなどの天然繊維やポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルなどの合成繊維、半合成繊維など特に限定されないが、車両用としては特に耐光性が要求されるためポリエステルからなる繊維を用いることが好ましい。
【0025】
パイル布帛のパイル糸は紡績糸の形態でも良いし、フィラメント糸形態、タスラン等のエアー加工フィラメント糸形態や仮ヨリ等の、フィラメント加工糸形態、さらには、それら紡績糸とフィラメント糸の複合糸や交織、交編などの混用形態でも良い。また、パイル布帛としては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコット・ダブルラッセル等の編物の形態でも良い。
【0026】
【実施例】
次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法を次に示す。
【0027】
[プリント発色性]
地染め後の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜染後のプリントの鮮明性と柄のシャープさ、地染め後の着抜プリントの鮮明性や柄のシャープさを目視判定し、優(◎)から不可(×)まで7段階で評価した。
【0028】
[杢感]バイル布帛の杢感あるいは霜降り感を目視判定し、優(◎)から不可(×)まで7段階で評価した。
【0029】
[ソフト風合い]
パイル布帛の表面の触感を判定し、ソフト(◎)から粗剛(×)まで7段階で評価した。
【0030】
[耐白ボケ性]
パイル布帛を10×10cmの方形に4枚カットし上段左に正タテ方向が上下方向になるように置き、上段右に正ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段左に逆ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段右に逆タテ方向が上下方向になるように置いて、種々の角度から目視判定し、優(◎)から不可(×)まで7段階で評価した。
【0031】
[抗フィブリル性]
JIS L−1084 5.5 A法のA−Iエッジ法で5000回摩擦した後、フィブリル化の程度を顕微鏡で観察し、フィブリル化の無いもの(◎)からフィブリル化が激しいもの(×)まで7段階で評価した。
【0032】
[実施例1]
繊維Aとして、酸化チタンを2.3重量%含有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、t=5.97、3デニール、51mmの扁平凹凸形状断面ステープルを製造し、このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。これとは別に繊維Bとしてエチレングリコール1重量%、ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート1.7モル%共重合し、酸化チタンを0.04重量%含有した改質ポリエチレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸、延伸して、t=5.63、3デニール、51mmの扁平凹凸形状断面ステープルを製造した。このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。これら2種類の紡績糸を上撚係数=3.4で双糸とし、通常の分散染料チーズ染色方法で薄い灰色に染色してパイル糸とした。また、地糸はポリエステル65%、レーヨン35%の30/2(綿番手)の紡績糸を使用し、パイル経糸密度=42本/in、地経糸密度=42本/in、地緯糸密度=42本/in、パイル長=2.5mmの条件で二重織モケットを製織した後、毛さばき、剪毛してパイル布帛を得た。得られたパイル布帛を通常のアルカリ抜染、分散染料プリント、乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して6色の花柄模様がプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、かつ白場を除く地場、柄場ともに繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有する杢調パイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0033】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003702501
[実施例2]
繊維Aとして酸化チタンを0.07重量%含有量した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、t=6.5、3デニール、51mmの変形I断面形状ステープルを製造し、このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。これとは別に繊維Bとして実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸、延伸して、2.5デニール、51mmの丸断面ステープルを製造し、このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。これら2種類の紡績糸を上撚係数=3.4で双糸とし、通常の分散染料チーズ染色方法で薄い灰色に染色してパイル糸とした。また、地糸はポリエステル65%、レーヨン35%の30/2(綿番手)の紡績糸を使用し、パイル経糸密度=42本/in、地経糸密度=42本/in、地緯糸密度=42本/in、パイル長=2.5mmの条件で二重織モケットを製織した後、毛さばき、剪毛してパイル布帛を得た。得られたパイル布帛を通常のアルカリ抜染、分散染料とカチオン染料併用プリント、乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して6色の花柄模様がプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0035】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0036】
[実施例3]
変形I型断面形状ステープル製造時に紡糸口金を変更し、ステープルのt=5.05とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0037】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0038】
[実施例4]
変形I型断面形状ステープル製造時に紡糸口金を変更し、ステープルのt=1.56とする他は実施例1と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0039】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0040】
[実施例5]
パイル糸を紡績時に実施例3で製造した変形I型断面形状ステープル(繊維A)を21重量%、丸断面形状ステープル(繊維B)を79重量%として撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とし、さらに上撚係数=3.4で双糸とする他は実施例3と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感(霜降り感)を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感(霜降り感)を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0041】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0042】
[実施例6]
パイル糸を紡績時に実施例3で製造した変形I型断面形状ステープル(繊維A)を79重量%、丸断面形状ステープル(繊維B)を21重量%とする他は実施例5と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感(霜降り感)を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感(霜降り感)を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0043】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0044】
[実施例7]
繊維Aとして酸化チタンを0.07重量%含有量した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、t=1.57、0.9デニール、51mmの変形I断面形状ステープルを製造し、このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。これとは別に繊維Bとして実施例1の改質ポリエチレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸、延伸して、0.8デニール、51mmの丸断面形状ステープルを製造し、このステープルを用いて撚係数=3.2の20番手(綿番手)の紡績糸とした。前記以外は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛は抗フィブリル性がやや低いもののソフトな風合いで、耐白ボケ性も良好なものが得られた。
【0045】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0046】
[実施例8]
繊維Aをt=1.72、1デニール、51mmの変形I断面形状ステープル、繊維Bを丸断面形状ステープル、1.1デニールとする他は実施例7と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0047】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0048】
[実施例9]
繊維Aをt=5.05、5.8デニール、51mmの変形I断面形状ステープル、繊維Bを丸断面形状ステープル、6デニールとする他は実施例7と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0049】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0050】
[実施例10]
繊維Aをt=5.07、6.1デニール、51mmの変形I断面形状ステープル、繊維Bを丸断面形状ステープル、6.2デニールとする他は実施例7と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はやや風合いがかた目であるが、耐白ボケ性、抗フィブリル性の良好なものが得られた。
【0051】
本発明のパイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0052】
[実施例11]
繊維Aとして酸化チタンを2.3重量%含有量した通常のポリエチレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸、延伸して図3の様な変形I断面形状断面の75デニール、36フィラメントのフィラメント糸(t=5.15)を使用し、これとは別に繊維Bとしてエチレングリコール1重量%、ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート1.7モル%共重合し、酸化チタンを0.01重量%含有した改質ポリエチレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸、延伸して丸断面の75デニール、36フィラメントのフィラメント糸を得た。得られたフィラメント糸を通常のカバリング機で芯繊維A、鞘繊維Bのカバリング糸として、フロント糸とし、地糸としてはミドル糸およびバック糸とも酸化チタンを0.04重量%含有量したポリエチレンテレフタレートチップを用いて得られた75デニール、24フィラメントの丸断面フィラメント糸を使用して、フロント1/6、ミドル1/1、バック1/2、生機密度ウエール28コ/in、コース60コ/inのトリコットを編成した。得られた生機を通常の分散染料染色加工、パイル化・剪毛して薄い焦茶色の無地染めパイルトリコット地とした後、通常のアルカリ抜染、分散染料とカチオン染料併用プリント、乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して、6色の幾何学模様がプリントされたパイル布帛とした。得られたパイル布帛は、パイル長2.55mm、ウエール34コ/in、コース62コ/in、目付621g/m2 で、無地染めの染料がよく抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地染め抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性が良好で、さらに地場は繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有し、柄場は繊維Aのパイルと繊維Bのパイルの色相が異なる明瞭な杢感を有するパイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好なものが得られた。
【0053】
[比較例1]
繊維Aとして変形I型断面形状ステープル製造時に紡糸口金を変更し、ステープルのt=6.55とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、ソフトな風合いで、杢感、耐白ボケ性、抗フィブリル性は良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時にやや抜け難いため、きれいな白場が得られないと同時に、抜染部分の上にプリントした柄部分の色がややくすんで杢調パイル布帛としてはプリント発色性がやや劣るものであった。 パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0054】
[比較例2]
繊維Aとして変形I型断面形状ステープル製造時に紡糸口金を変更し、ステープルのt=1.45とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜けた白場と抜染部分の上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色抜染の白場およびプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性良好で、かつ白場を除く地場、柄場ともに繊維Aによるパイルが繊維Bによるパイルに比べて明度が高い明度差杢感を有するパイル布帛が得られ、風合いもソフトなものが得られたが、繊維の肉厚が薄く、抗フィブリル性に難点のあるものであった。
パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0055】
[比較例3]
実施例2で製造した繊維Bのみを使用し20/2番手(綿番手)の紡績糸とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、風合いがソフトで抗フィブリル性も良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時にやや抜け難いため、きれいな白場が得られないと同時に、抜染部分の上にプリントした柄部分の色がややくすんでパイル布帛としてはプリント発色性がやや劣り、杢感のないものであった。
【0056】
パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0057】
[比較例4]
繊維Aとして実施例1で製造した扁平凹凸形状断面ステープル、繊維Bとして実施例2で製造した丸断面ステープルを使用し、繊維Aを18重量%、繊維Bを82重量%する他は、実施例5と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、ソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時にやや抜け難いため、きれいな白場が得られないと同時に、抜染部分の上にプリントした柄部分の色がややくすんでパイル布帛としてはプリント発色性がやや劣り、繊維Aと繊維Bの比がアンバランスで杢感(霜降り感)が少ないものであった。
【0058】
パイル布帛に使用した原綿特性とプリントパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0059】
[比較例5]
繊維Aとして実施例1で製造した扁平凹凸形状断面ステープル、繊維Bとして実施例2で製造した丸断面ステープルを使用し、繊維Aを82重量%、繊維Bを18重量%する他は、実施例5と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、ソフトな風合いで、耐白ボケ性、抗フィブリル性も良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時にやや抜け難いため、きれいな白場が得られないと同時に、抜染部分の上にプリントした柄部分の色がややくすんでパイル布帛としてはプリント発色性がやや劣り、繊維Aと繊維Bの比がアンバランスで杢感(霜降り感)が少ないものであった。
【0060】
パイル布帛に使用した原綿特性とプリントパイル布帛特性を併せて表1に示す。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、プリント発色性が良好で杢感を有し、ソフトな風合いで耐白ボケ性、抗フィブリル性の良好なパイル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平凹凸形状断面繊維の一例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の丸中空形状断面繊維の一例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の変形I型形状断面繊維の一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
t:繊維の肉厚

Claims (4)

  1. パイル布帛のパイル部構成繊維が肉厚1.5〜6.5μmの繊維を20〜100重量%含み、かつパイル部構成繊維に含まれるカチオン染料に実質的に染色されないポリエステル繊維Aが20〜80重量%、カチオン染料可染ポリエステル繊維Bが80〜20重量%であることを特徴とするパイル布帛。
  2. 少なくともパイル部構成繊維の単繊維繊度が1〜6デニールであることを特徴とする請求項1記載のパイル布帛。
  3. 少なくともパイル部構成繊維がポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1または2記載のパイル布帛。
  4. 少なくともパイル部構成繊維が綿染め、糸染めまたは布帛浸漬染めのいずれかの地染めが施されてなり、かつ、着色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリントまたは抜染剤入り着色プリントのいずれかが施されてなることを特徴とする請求項1、2または3記載のパイル布帛。
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