JPH0649731A - 混繊糸の製造方法 - Google Patents

混繊糸の製造方法

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JPH0649731A
JPH0649731A JP4198539A JP19853992A JPH0649731A JP H0649731 A JPH0649731 A JP H0649731A JP 4198539 A JP4198539 A JP 4198539A JP 19853992 A JP19853992 A JP 19853992A JP H0649731 A JPH0649731 A JP H0649731A
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JP
Japan
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yarn
filament
filament yarn
pitch
entanglement
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JP4198539A
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English (en)
Inventor
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Takashi Takahashi
敬 高橋
Masaaki Okazaki
正明 岡崎
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Toray Textiles Inc
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Textiles Inc
Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】2種以上(n種)の異染色性フィラメント糸ま
たは異色フィラメント糸をそれぞれ別々に流体加工する
ことにより、それぞれの交絡ピッチを9.5mm以上2
0.0mm以下とし、次いで前記n種のフィラメント糸の
うち少なくとも1種を仮撚加工した後、全種フィラメン
ト糸を流体加工処理により、混繊交絡ピッチ5mm以上2
000mm以下で混繊加工することを特徴とする混繊糸の
製造方法。 【効果】カットパイル織編物の後染めにより、先染め調
の杢感が得られる。また、フィラメント糸を用いなが
ら、先染め紡績糸の複数本合撚糸をパイルに使用した場
合のような、明瞭で自然なイレギュラリティーのある杢
感と良好な風合いを発揮するカットパイル用に好適な混
繊糸を得ることができ、さらに合理的、かつ低コストで
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、明度差、色相差などの
杢感を表現する織編物、ことにビロード、パイルトリコ
ット、シンカーパイルニットなどのパイル織編物に好適
に使用される混繊糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】杢感を表現する方法としては、例えば紡
績糸の先染糸を合撚する方法、あるいはフィラメント糸
からなる400〜800T/m程度の加撚糸の先染糸を
さらに合撚する方法が一般的である。これらの方法は、
明瞭で自然なイレギュラリティーのある杢感が得られる
方法であるが、しかしながら前者は細物用用途に使用す
ることが困難であり、また後者は下撚と上撚が必要であ
り加工コストが高くなるという欠点を有していた。
【0003】一方、後染で杢感を表現する方法は、パイ
ル織物の異色効果を得るためのカーペット用加工糸とし
て、2種類以上の異なる染色性を有するフィラメント糸
を使用し交絡処理する方法が、特開昭55−84429
号公報、特開平2−300343号公報、特開平2−3
00344号公報などに提案されている。しかしなが
ら、これらの方法は、トータル繊度が600〜2000
デニール、単繊維繊度が10〜15デニールと太繊度糸
を用い、単繊維の移動が少ないループパイルにおいて異
色効果を得ることができたとしても、トータル繊度が5
00デニール以下、単繊維繊度が5デニール以下の織編
物用途に用いると、明度差や色相差のある集団フィラメ
ントサイズが人間の目の弁別域より小さくなり、異染効
果の少い無地染め調となることが避けられない。こと
に、最終的に交絡を解いて使用されるカットパイル織編
物のパイル糸に採用すると、単繊維がばらばらに解きほ
ぐされて結果的に均一に分散し、無地染め調になり、各
々のフィラメント糸が集合体で存在する明瞭な杢感を表
現することができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うに、異色に先染めされた紡績糸を複数本合撚した糸、
あるいは異色に先染めされた加撚フィラメント糸を複数
本合撚した糸を、一般の織編物やパイル織編物のパイル
糸に使用した場合のような、明瞭で自然なイレギュラリ
ティーのある杢感を表現できる混繊糸を得ることを目的
とする。また、他の目的は、その様な混繊糸を合理的、
かつ低コストで製造することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、2種以
上(n種)の異染色性フィラメント糸または異色フィラ
メント糸をそれぞれ別々に流体加工することにより、そ
れぞれの交絡ピッチを9.5mm以上20.0mm以下と
し、次いで前記n種のフィラメント糸のうち少なくとも
1種を仮撚加工した後、全種フィラメント糸を流体加工
処理により、混繊交絡ピッチ5mm以上2000mm以下で
混繊加工することを特徴とする混繊糸の製造方法によっ
て達成できる。
【0006】以下、図面を参照しながら本発明について
さらに詳細に説明する。図1は、本発明に係る混繊糸の
製造方法の一例を示す工程概略図である。図1では、フ
ィラメント糸1、フィラメント糸2の2種を用いて、2
種とも仮撚加工する混繊糸の製造方法を示している。
【0007】フィラメント糸1として塩基性染料可染ポ
リエステルフィラメント糸、フィラメント糸2として主
としてポリエチレンテレフタレートからなるポリエステ
ルフィラメント糸をフィードローラ3および4に供給す
る。続いてフィードローラ3と第2ローラ7、フィード
ローラ4と第2ローラ8の間の第1流体処理ノズル5お
よび6で流体処理した後、第2ローラ7と第3ローラ1
3、第2ローラ8と第3ローラ14の間の第1ヒータ9
および10、さらに仮撚スピナー11および12で仮撚
加工し、第3ローラ13と第4ローラ17、第3ローラ
14と第4ローラ18の間の第2ヒータ15および16
で熱処理する。次いで、第1流体処理、仮撚、熱処理さ
れた2種のフィラメント糸を同時に第2流体処理ノズル
19に導入し、流体処理による混繊加工して、第5ロー
ラ20、巻取機21を経てチーズ22に巻取る。
【0008】前記の方法は2種のフィラメント糸を用い
た混繊糸の製造方法の例であるが、本発明は2種を越え
るフィラメント糸を供給し、多色・多明度差を表現でき
る混繊糸とする方法でもよい。また、2種以上のフィラ
メント糸を供給し、一部のフィラメント糸は第1流体処
理後、仮撚−熱処理しないで、第1流体処理−仮撚−熱
処理をしたフィラメント糸と第2流体処理により混繊す
る方法でもよい。
【0009】さらに、前記した方法は、第1流体処理で
各々のフィラメント糸を第1流体処理し個々のフィラメ
ント糸を集束し、仮撚−熱処理する工程と、第1流体処
理−仮撚−熱処理したフィラメント糸を全部集めて、第
2流体処理による混繊工程を連続して実施する方法であ
るが、第1流体処理から熱処理までの工程と第2流体処
理による混繊工程とを分離し、熱処理までの工程で一旦
巻取った後、混繊工程を実施する方法でもよい。
【0010】本発明の特徴である明度差や色相差を有す
る杢感を得るには、次の方法が挙げられる。(1)染着
速度の異なるフィラメント糸を使用する。(2)飽和染
料吸尽率の異なるフィラメント糸を使用する。(3)異
なる品種の染料に染着性を示すフィラメント糸を使用す
る。(4)顔料練込みで明度あるいは色相の異なる原着
フィラメント糸を使用する。(5)明度や色相が異なる
色に染色したフィラメント糸を使用する。(6)(1) 〜
(5) のフィラメント糸の組合せを使用する。
【0011】なかでもパイル織編のパイル糸に使用する
場合は、パイルの風合い、へたり難さ、染色堅牢度の良
さなどの面から、塩基性染料可染ポリエステルフィラメ
ント糸と、主としてポリエチレンテレフタレートからな
るポリエステルフィラメント糸の組合せが好ましい。
【0012】ここでいう塩基性染料可染ポリエステルフ
ィラメント糸とは、例えば5−ナトリウムスルホイソフ
タレートなどを共重合したポリエステルである。主とし
てポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルフ
ィラメント糸とは、95モル%以上がエチレンテレフタ
レートからなるポリエステルのことをいい、酸化チタン
等の艶消剤、耐光剤、難燃剤等の添加物が添加されてい
てもよい。
【0013】本発明において、明瞭な杢感は、2種以上
の異染色性または異色フィラメント糸のそれぞれのフィ
ラメント糸を第1流体処理交絡によって集束させて得ら
れるものである。そのため、構成フィラメント糸が互い
に均一に混繊されないようにする必要があり、第1流体
処理交絡による各フィラメント糸の交絡ピッチは、20
mm以下とすることが重要であり、18mm以下であること
はさらに好ましい。
【0014】さらに本発明では、全構成フィラメント糸
を第2流体処理による混繊交絡で高次加工性の高い糸と
する。第2流体処理による混繊交絡するには、構成フィ
ラメント糸個々に交絡可能な開繊部が必要であるため、
構成フィラメント糸の第1流体処理交絡での各フィラメ
ント糸交絡ピッチは9.5mm以上とすることが重要であ
り、10mm以上であることはさらに好ましい。
【0015】ここで、構成フィラメント糸個々の第1流
体処理交絡ピッチは次のようにして求めた値である。交
絡フィラメント糸に0.1グラム/デニールの荷重を掛
けた状態で50cm間に印をつける。この加工糸を適当な
バットの中に満たした水道水上に自由状態で浮かせ、交
絡集束部と開繊部が目立つようにして、交絡集束部の数
を読み取って、次式で交絡ピッチを求め、それを構成フ
ィラメント糸別に50個所について測定し、その平均値
を個々のフィラメント糸の交絡ピッチとする。交絡ピッ
チ(mm)=500/交絡集束部の数また、仮撚−熱処理
後の糸の巻縮は、特に限定されるものではないが、カッ
トパイル織編物のパイル糸に使用する場合、優れたパイ
ルの風合いや杢の大きさ、明瞭さを得るために、仮撚−
熱処理後のフィラメント糸の伸縮復元率が2%以上10
%以下となる条件を採用することが好ましい。なお、本
発明では、一般に2段ヒータ仮撚と称する工程を使用す
ることができる。
【0016】なかでも、パイルの風合い、杢の大きさ、
染色堅牢度などの面から、塩基性染料可染ポリエステル
フィラメント糸と、主としてポリエチレンテレフタレー
トからなるポリエステルフィラメント糸を使用し、前者
は非仮撚加工で、後者は伸縮復元率2〜10%となる仮
撚加工する方法が好ましい。
【0017】ここでいう伸縮復元率はJIS L−10
77−1966 5.8項と同様な方法で測定した値で
ある。
【0018】また、全構成フィラメント糸の第2流体処
理による混繊交絡において、混繊交絡ピッチの分布範囲
は、短ピッチでは自然感が少なく、長ピッチでは構成フ
ィラメント糸間の分離が生じ、チーズからの解舒性、製
編織性の低下をまねくため、5mm以上2000mm以下の
範囲に分布(混繊交絡ピッチ分布幅)させることが重要
である。また、その平均混繊交絡ピッチは30mm以上3
00mm以下の範囲とすることが好ましく、55mm以上3
00mm以下の範囲であることはより好ましい。全構成フ
ィラメント糸の混繊交絡ピッチは、比較的均一な杢を得
たい場合には、均一で短ピッチにすればよいし、杢の自
然感を得たい場合には、混繊交絡ピッチをある程度分散
させるとよい。
【0019】ここで、全構成フィラメント糸の混繊交絡
ピッチ分布幅および平均混繊交絡ピッチは次のようにし
て求めた値である。本発明で得られた加工糸を垂直にた
らした状態で、まず分解針で構成フィラメント糸の任意
のいずれか1種の構成フィラメント糸が他の構成フィラ
メント糸と分離している点を探し、この分離部に加工糸
トータルデニールの1/30グラムの重さのフックを入
れて落下が止まる点を見つけ、この下部を第1の混繊交
絡集束部とする。次に、この第1の混繊交絡集束部にお
いて他の構成フィラメント糸と開繊していない任意のい
ずれかのフィラメント糸が他の構成フィラメント糸と分
離する部分を、第1の混繊交絡集束部より下方で分解針
を用いて探し、この分離部分に前記フックを入れて落下
が止まる点を見つけ、この下部を第2の混繊交絡集束部
とする。順次この操作を繰返す。
【0020】第1の混繊交絡集束部と第2の混繊交絡集
束部の各中央の間の長さを第1番目の交絡ピッチ(m
m)、第2の混繊交絡集束部と第3の混繊交絡集束部の
各中央の間の長さを第2番目の交絡ピッチ(mm)として
読み取り、50個所の混繊交絡ピッチを求め、その最小
値と最大値を求める。この操作を10回繰返し、最小値
10回の平均値と最大値10回の平均値とによって決ま
る範囲を混繊交絡ピッチ分布幅とする。また平均混繊交
絡ピッチは、前記の方法で測定した50個所の混繊交絡
ピッチ(10回)の測定値の平均値とする。
【0021】なお、本発明において使用する原糸の繊度
は、本発明の用途によって適宜設定すればよいが、一般
的には、全構成フィラメント糸トータル繊度が100〜
500デニール、それぞれの単繊維繊度が5デニール以
下の範囲であることが、風合いや外観の面から好まし
い。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0023】実施例1〜4,比較例1〜4 5−ナトリウムスルホイソフタレートを1.8モル%共
重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを用いて、
通常の溶融紡糸・延伸方法により得られた塩基性染料可
染ポリエステルフィラメント糸(75デニール、36フ
ィラメント、ブライト、丸断面)を図1の加工機におけ
るフィラメント糸1として供給し、一方、通常のポリエ
チレンテレフタレートを用い通常の溶融紡糸・延伸方法
により得られたポリエチレンテレフタレート糸(75デ
ニール、36フィラメント、ブライト、丸断面)をフィ
ラメント糸2として供給して糸加工した。
【0024】加工条件は、フィードローラ3,4の表面
速度143.2m/min、第1流体処理ノズル5、6への
圧縮空気圧力3.0kg/cm2 、第2ローラ7,8の表面
速度141.8m/min、第1ヒータ9、10は190℃
×1.2m、仮撚スピナーの回転数35万r.p.m 、第3
ローラ13、14の表面速度139.0m/min、第2ヒ
ータ15、16は210℃×1.0m、第4ローラ1
7、18の表面速度119.9m/min、第2流体処理ノ
ズル19への圧縮空気圧力4.0kg/cm2 、第5ローラ
20の表面速度119.9m/min、巻取速度121.5
m/minで加工した。
【0025】得られた混繊糸の交絡ピッチは、フィラメ
ント糸1が16.1、フィラメント糸2が16.3、第
4ローラを出た糸を直接巻取った加工糸の伸縮復元率
は、フィラメント糸1が5.1%、フィラメント糸2が
5.8%、フィラメント糸1と2の混繊交絡ピッチ分布
幅は6.8〜201.9mm、平均混繊交絡ピッチは5
5.3mmであった(実施例1)。
【0026】この混繊糸をパイル糸に使用し、地糸はポ
リエチレンテレフタレート糸(100デニール、48フ
ィラメント、セミダル、丸断面)を用いて、地糸1×
1、パイル1×6のトリコットを編成し、通常のカット
パイルトリコットの仕上げ加工および塩基性染料で塩基
性染料可染ポリエステルをエンジ染に染色し、通常のポ
リエステルは白残しの染色加工したところ、エンジ色と
白の明瞭な杢感がある、良好な風合いのパイルトリコッ
トが得られた。
【0027】また、前記の糸加工において第1流体加工
ノズル5、6のノズルの種類を変えて(ノズル入口と出
口の糸ガイド間距離が異なるA、B、C、D、E、F6
種)加工した加工糸のフィラメント糸1およびフィラメ
ント糸2のそれぞれの交絡ピッチ、伸縮復元率、フィラ
メント糸1とフィラメント糸2の混繊交絡ピッチ分布幅
や平均混繊交絡ピッチを測定した後、実施例1と同様に
パイルトリコットを編成・染色・仕上げ加工した。その
結果を表1に示した(実施例2〜4、比較例1〜4)。
【0028】フィラメント糸1およびフィラメント糸2
それぞれの交絡ピッチが20mmを越える混繊糸の編地
は、風合いやチーズからの解舒性は良好であるが、エン
ジ色の塩基性染料可染ポリエステルフィラメント糸と白
色の通常ポリエステルフィラメント糸が単繊維オーダー
で比較的均一に混繊し、本発明が目的とする明瞭で大き
な杢感が得られなかった(比較例1,2)。
【0029】また、フィラメント糸1およびフィラメン
ト糸2それぞれの交絡ピッチが9.5mm未満の場合ある
いは混繊交絡ピッチの最大値が2000mmを越える場合
は、整経時にチーズからの解舒性が悪く、整経張力ムラ
や糸切れが発生した(比較例3,4)。
【0030】
【表1】 実施例5〜9 図1のような加工機において、第2流体処理ノズルおよ
び第5ローラを使用せず仮撚工程のみを用いて、通常の
ポリエステルフィラメント糸(100デニール、36フ
ィラメント、セミダル、丸断面)を予め実施例1と同一
条件で加工し、仮撚糸とした。得られた仮撚糸の交絡ピ
ッチは15.6mm、伸縮復元率は6.3%であった。
【0031】次に、この仮撚糸を図1のような構造の高
速エアー加工機において、フィラメント糸2として使用
し、フィードローラ3から第2ヒータ16までを使用せ
ず、直接第4ローラ18に供給した。
【0032】一方、フィラメント糸1には、通常の溶融
紡糸・延伸方法により得られた塩基性染料可染ポリエス
テルフィラメント糸(50デニール、36フィラメン
ト、ブライト、丸断面)を用い、フィードローラ3に供
給した。加工機としては、第2ローラ、第1ヒータ、仮
撚スピナー、第3ローラ、第2ヒータのないエアー加工
機で、フィードローラ3と第4ローラ17の間で第1流
体処理ノズル5で処理した後、第2流体処理ノズル19
で前記フィラメント糸2の仮撚糸と混繊交絡処理して加
工した。
【0033】加工条件は、第1流体処理ノズル5への圧
縮空気圧力3.0kg/cm2 、第1流体処理時オーバーフ
ィード率+1%、第2流体処理ノズル19への圧縮空気
圧力4.2kg/cm2 、第2流体処理時オーバーフィード
率+1%、第5ローラ20の表面速度500m/min、巻
取速度501.5m/minで加工した。
【0034】得られた混繊糸の塩基性可染ポリエステル
フィラメント糸のみの交絡ピッチは16.1mm、両糸の
混繊交絡ピッチ分布幅は7.1〜315.2mm、両糸の
平均混繊交絡ピッチは63.1mmであった(実施例
5)。
【0035】この混繊糸をパイル糸に使用し、実施例1
と同一条件で編成して、塩基性染料可染ポリエステルを
濃紺に染色し、通常のポリエステルは白残しの染色・仕
上げ加工したところ、濃紺と白の明瞭な杢感があり、か
つ、良好な風合いのパイルトリコットが得られた。な
お、整経、編成時の張力ムラや糸切れもなく、良好な編
成性であった。
【0036】前記の仮撚加工において、仮撚数および第
2ヒータでのフィード率を変更して、予め仮撚加工した
ものをフィラメント糸2として用い、実施例5と同一条
件で混繊交絡加工した。次いで、その混繊糸を実施例5
と同一条件で編成・染色・仕上げ加工した結果を表2に
示した(実施例6〜9)。
【0037】実施例6〜9に示すように、良好なパイル
トリコットが得られた。2種のフィラメント糸の内、一
方が仮撚糸で他方が生糸使いの場合が最も優れており、
なかでも仮撚糸の伸縮復元率が2〜10%の範囲が杢の
大きさ、明瞭さ、風合いの面で特に優れていた。
【0038】
【表2】 実施例10 実施例5と同様に、予め通常のポリエチレンテレフタレ
ートフィラメント糸(50デニール、36フィラメン
ト、ブライト、三角断面)を実施例5と同一条件で仮撚
加工して仮撚糸とした。得られた仮撚糸の交絡ピッチは
16.2mm、伸縮復元率は5.8%であった。
【0039】次いで、図1のような構造の高速エアー加
工機においてフィラメント糸1として通常のポリエチレ
ンテレフタレートを紡糸速度5500m/minで高速紡糸
して得られたポリエステルフィラメント糸(50デニー
ル、24フィラメント、セミダル、丸断面)をフィラメ
ント糸1として使用し、一方、通常のポリエチレンテレ
フタレートの中に赤色顔料を練込んだチップを通常の溶
融紡糸・延伸方法により得られた原着ポリエステルフィ
ラメント糸(50デニール、24フィラメント、ブライ
ト、丸断面)をフィラメント糸2として使用し糸加工し
た。
【0040】加工機としては、第2ローラ、第1ヒー
タ、仮撚スピナー、第3ローラ、第2ヒータのないエア
ー加工機で、前記フィラメント糸1およびフィラメント
糸2は、フィードローラ3、4と第4ローラ17、18
の間で第1流体処理ノズル5、6で処理した。
【0041】さらに、前記仮撚糸は、第4ローラ18に
原着糸と一緒に供給し加工した。
【0042】加工条件は、第1流体処理ノズル5、6へ
の圧縮空気圧力3.0kg/cm2 、第1流体処理時オーバ
ーフィード率+1%、第2流体処理ノズル19への圧縮
空気圧力4.0kg/cm2 、第2流体処理時オーバーフィ
ード率+1%、第5ローラ20の表面速度500m/mi
n、巻取速度501.5m/minで加工した。
【0043】得られた加工糸のフィラメント糸1の交絡
ピッチは16.3mm、フィラメント糸2の交絡ピッチは
16.4mm、3品種フィラメント糸の混繊交絡ピッチ分
布幅は7.0〜187.2mm、平均混繊交絡ピッチは5
0.7mmであった。
【0044】この糸をパイル糸に使用し、地糸は通常の
ポリエチレンテレフタレート糸(75デニール、36フ
ィラメント、セミダル、丸断面)を用いて、地糸1×1
および1×2、パイル糸1×6のサテン組織トリコット
を編成し、通常のカットパイルトリコットの仕上げ加工
および青色分散染料で染色したところ、原着フィラメン
ト糸の赤が赤紫に、他の2種フィラメント糸は、高速紡
糸の糸が濃い青で、仮撚糸が淡い青の明度差をもち、色
相差と明度差が混在した良好な杢感があり、風合いも良
好なパイルトリコットが得られた。なお、整経、編成時
の張力ムラや糸切れもなく、良好な編成性であった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の混繊糸の製
造方法によれば、カットパイル織編物の後染めにより、
先染め調の杢感が得られる。また、フィラメント糸を用
いながら、先染め紡績糸の複数本合撚糸をパイルに使用
した場合のような、明瞭で自然なイレギュラリティーの
ある杢感と良好な風合いを発揮するカットパイル用に好
適な混繊糸を得ることができ、さらに合理的、かつ低コ
ストで得ることができる。
【0046】本発明で得られる混繊糸は、特にカットパ
イル織編物のパイル糸として最適で、椅子張り地等のイ
ンテリア用や、車のシート材、サイド材等の車内装用織
編物に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る混繊糸の製造方法の一例を示す工
程概略図である。
【符号の説明】
1,2:フィラメント糸 3,4:フィードローラ 5,6:第1流体処理ノズル 7,8:第2ローラ 9,10:第1ヒータ 11,12:仮撚スピナー 13,14:第3ローラ 15,16:第2ヒータ 17,18:第4ローラ 19:第2流体処理ノズル 20:第5ローラ 21:巻取機 22:チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 正明 愛知県中島郡平和町上三宅1の1 東レ・ テキスタイル株式会社東海工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上(n種)の異染色性フィラメント
    糸または異色フィラメント糸をそれぞれ別々に流体加工
    することにより、それぞれの交絡ピッチを9.5mm以上
    20.0mm以下とし、次いで前記n種のフィラメント糸
    のうち少なくとも1種を仮撚加工した後、全種フィラメ
    ント糸を流体加工処理により、混繊交絡ピッチ5mm以上
    2000mm以下で混繊加工することを特徴とする混繊糸
    の製造方法。
  2. 【請求項2】仮撚加工したフィラメント糸の伸縮復元率
    を2〜10%にすることを特徴とする請求項1記載の混
    繊糸の製造方法。
  3. 【請求項3】塩基性染料可染ポリエステルフィラメント
    糸と、主としてポリエチレンテレフタレートからなるポ
    リエステルフィラメント糸の2種を用いることを特徴と
    する請求項1または2記載の混繊糸の製造方法。
  4. 【請求項4】塩基性染料可染ポリエステルフィラメント
    糸は仮撚加工することなく、主としてポリエチレンテレ
    フタレートからなるポリエステルフィラメント糸は仮撚
    加工することを特徴とする請求項3記載の混繊糸の製造
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1077553A (ja) * 1995-07-26 1998-03-24 Kuraray Co Ltd 面ファスナー雌材
US7021085B2 (en) 2002-09-26 2006-04-04 Teijin Fibers Limited Concave and convex-patterned multi-colored fiber pile fabric
JP2013087372A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Toyota Boshoku Corp 車両内装縫製用杢糸およびこれを用いた車両内装品
JP2016216869A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 山越株式会社 特殊仮撚加工糸およびその製造方法
CN114108148A (zh) * 2020-08-31 2022-03-01 东华大学 仿生纤维以及仿生纤维的制造装置

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