JP4044802B2 - マルチフィラメント糸及びその製造方法並びに該糸を含む織編物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染色意匠性に富んだマルチフィラメント糸及びその製造方法並びに該糸を含む織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の糸条を用いることなく単独糸で織編物に濃淡色染色効果を付与可能な糸条として、シックアンドシン糸やその仮撚加工糸が、例えば特開平7−229030号公報、特開平10−273824号公報、特開平11−22738号公報等多数提案されている。また、より複雑な濃淡色斑の意匠効果を付与可能な糸として、従来のシックアンドシン糸に中間色の染色効果を付与可能な糸条が特開昭61−289630号公報や特開平5−25732号公報に開示されている。
【0003】
しかしながら、単純な濃淡色の組み合わせのみでは、昨今の多様化するニーズに対応することは困難な状況となっている。また、特開昭61−289630号公報や特開平5−25732号公報に提案されている濃中淡色染色効果を付与可能な糸は、濃中淡色染色効果を付与可能な複合糸条と比較して染色工程や製編織工程で取り扱い易いが、ややもすると、濃色染色部と中間色染色部と淡色染色部が織編物表面で渾然一体に見え、複雑、かつ、効果的に染色効果を発揮するためには、濃中淡色染色部のパターン設計や染色工程管理が煩雑となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題とするところは、上記問題点を解決することを目的とするもので、単独糸で構成され、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部を配置することによって、濃色染色部と淡色染色部の視覚的な濃度差が強調され、濃染部がより濃く見え、意匠性が効果的に発揮されるマルチフィラメント糸及びその製造方法並びに該糸を含む織編物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、単独糸の糸長手方向に濃色染色部と淡色染色部と中間色染色部を有し、かつ、各染色部の配置を適正化すること、更には各染色部の長さや占有率等を適正化することで、布帛としたときに、効果的に染色意匠性を付与可能とするものである。
【0006】
すなわち、本発明は熱可塑性樹脂からなる糸の長手方向に太さ変化を有するマルチフィラメント糸であって、該マルチフィラメントは太さが一様であり中間色染色部より太い濃色染色部、太さが一様であり中間色染色部より細い淡色染色部、及びその太さが一様であり濃色染色部と淡色染色部の糸の太さの中間の太さである中間色染色部を有し、かつ、上記濃色染色部の前後に隣接して淡色染色部が存在していることを特徴とするマルチフィラメント糸にある。
【0007】
また本発明は、走行する熱可塑性樹脂からなる未延伸マルチフィラメント糸をピンヒーターに間歇接触させて延伸し太さ斑を形成させる加工方法において、設定延伸倍率が1.05〜1.80倍、ピンヒーター温度が140〜250℃であることを特徴とする上記マルチフィラメント糸の製造方法にある。
さらに本発明は、上記延伸工程に引続いて仮撚捲縮加工を施すことを特徴とする上記マルチフィラメント糸の製造方法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について必要により添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明のマルチフィラメント糸は、熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメント糸で構成され、かつ、糸の長手方向に太さ変化を有するマルチフィラメント糸であって、構成フィラメントの太さが一様である濃色染色部、構成フィラメントの太さが一様である淡色染色部、及び、構成フィラメントの太さが一様であり、濃色染色部と淡色染色部の中間の太さの中間色染色部を有し、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部が隣接して存在することを特徴とする。
具体的には、添付の図1に模式的糸形態で示すごとく、糸長手方向に中間色染色部2を介して、濃色染色部1の前後に淡色染色部3、3が存在してマルチフィラメント糸を構成している。
【0009】
図2は、本発明のマルチフィラメント糸の糸長手方向の太さ変化を示すグラフの一例であり、計測器工業(株)製のイーブネステスター「KET80−C」で糸長手方向の糸の質量変動を測定して得られたチャートである。
本発明のマルチフィラメント糸は、質量変動の平均値を示す中間色染色部に該当するチャート部分5を介して、質量変動の平均値よりも大きい濃色染色部に該当するチャート部分4の前後に質量変動の平均値よりも小さい淡色染色部に該当するチャート部分6、6が存在する特徴のあるチャート形態を示す。
なお、本発明では濃色染色部の前後に淡色染色部を配置することによって、濃色染色部と淡色染色部の視覚的な濃度差が強調され、より効果的に染色意匠性を得ることが可能となる。
【0010】
本発明のマルチフィラメント糸において、構成フィラメントは各染色部内では一様な太さであることが必要であり、マルチフィラメント糸の濃色染色部を構成するフィラメントは濃染性の太部のみからなり、マルチフィラメント糸の淡色染色部を構成するフィラメントは淡染性の細部のみからなっている。各染色部内で、構成フィラメントの太さが一様でない場合には各染色部内で染色斑が形成され、濃色染色部と中間色染色部と淡色染色部が織編物表面で渾然一体に見えてしまい、好ましくない。
【0011】
本発明のマルチフィラメント糸は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリル系重合体等の熱可塑性樹脂からなる合成繊維であれば特に限定されるものではなく、使用用途や必要な糸物性等を考慮して適宜選択すればよい。また、共重合系熱可塑性樹脂からなる合成繊維、或いは、サイドバイサイド型や芯鞘型等に複合紡糸された合成繊維であってもよい。なお、酸化チタン、導電性物質、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤等の他成分が含有されていても特に問題なく、本発明の目的である染色意匠性に他の機能効果が付与され、実用的により好ましいものとなる。さらに熱可塑性マルチフィラメント糸は、構成フィラメントの断面も特に限定されるものではなく、多角形断面糸、多様型断面糸、扁平断面糸、凹凸糸や中空糸等を用いることができ、目的とする織編物の風合いや光沢外観等を考慮して決定すればよい。
【0012】
なお、本発明のマルチフィラメント糸は、その形態は特に限定されることはなく、エア処理が施された交絡糸やループ毛羽糸、或いは、追撚糸であってもよい。さらには、仮撚処理等を施した捲縮糸であってもよい。
【0013】
本発明のマルチフィラメント糸において、濃色染色部及び淡色染色部の平均長さは特に限定されるものではないが、濃色染色部平均長さが1〜50cm、好ましくは3〜30cm、淡色染色部平均長さが0.5〜40cm、好ましくは2〜25cmであり、濃色染色部平均長さが淡色染色部平均長さより大であることにより濃色染色部と淡色染色部の視覚的な濃度差が強調される。
【0014】
また、本発明のマルチフィラメント糸において、中間色染色部の長さや糸長手方向の占有率は、目的の染色意匠性等を考慮して適宜設定すればよいが、中間色染色部の長さは0.05〜10m、好ましくは0.1〜5mであり、糸長手方向における中間色染色部占有率が50〜99.5%、好ましくは65.0〜95.0%であると、染色意匠性に特に効果のある( 淡色染色部〜濃色染色部〜淡色染色部) で構成された染色部群が効果的に配置されて、より好ましい染色意匠性を得ることができる。
【0015】
次に、本発明のマルチフィラメント糸の製造方法を説明する。図3は本発明のマルチフィラメント糸を得るのに使用する装置の一例を示すものである。
熱可塑性樹脂からなる未延伸マルチフィラメント糸7を、フィードローラー8及びフィードローラー12の間で、ピンヒーター9に間歇的に接触させながら延伸して太さ斑を形成させた後、引き続いてフィードローラー12とフィードローラー14の間でエア交絡ノズル13を用いて交絡処理し、ガイド15を介して、巻取機16で巻き取る。なお、ピンヒーター9を間歇的にマルチフィラメント糸7に接触させる方法は特に限定されるものではないが、例えば、コンピューター11等を含む装置で稼動条件を制御されたエアシリンダー10を用いて、該マルチフィラメント糸7をピンヒーター9に接触あるいは非接触処理を行えばよい。
【0016】
図4は仮撚捲縮加工と組み合わせた場合の装置の一例を示すものである。
上述の図3を用いた製造方法と同様に、熱可塑性未延伸マルチフィラメント糸7を、フィードローラー8及びフィードローラー12の間で、間歇的にピンヒーター9に接触させながら延伸して太さ斑を形成させた後、引き続いて仮撚加撚域に供給し、第1ヒーター18及び仮撚ユニット19により加撚状態で熱固定し、仮撚ユニット19とデリベリーローラー20の間を通過時に解撚される。次いでデリベリーローラー20と第2デリベリーローラー22の間で、第2ヒーター21により熱処理を施し、巻取機23で巻き取る。
【0017】
本発明の上述の製造方法において、第2ヒーター21による熱処理は本発明のマルチフィラメント糸の製造方法に必須のものではなく、得られるマルチフィラメント糸の物性等の目的に応じて省略しても何ら問題はない。例えば、緊張下で熱処理を施すと、仮撚で付与された顕在トルクを低減され、後工程通過性を良好にすることが可能となる。また、緩和熱処理を施した場合には、糸長手方向の太さ斑が強調されて、より好ましい意匠効果が得られる。
【0018】
本発明の製造方法で用いられる未延伸マルチフィラメント糸は、前述のごとく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリルニトリル系等の熱可塑性樹脂からなる合成繊維であれば特に限定されるものではない。なお、取り扱い性を考慮すると熱可塑性高配向未延伸糸を用いることが好ましい。例えば、複屈折率が20×10-3〜80×10-3のポリエチレンテレフタレートを主成分とした熱可塑性高配向未延伸マルチフィラメント糸等を好ましく用いることができる。
【0019】
本発明の製造方法において、フィードローラー8とフィードローラー12で設定された設定延伸倍率及びピンヒーター9の設定温度は、濃色染色部、中間色染色部及び淡色染色部の形成並びに相対的な意匠効果の程度に重大な影響を与える条件であり、一定の延伸条件下で適正な温度のピンヒーター9に間歇的に接触処理/非接触処理を施して熱可塑性高配向未延伸マルチフィラメント糸の可塑化状態を瞬間的に変化させることで、構成フィラメントが一様に太い濃色染色部、構成フィラメントが一様に細い淡色染色部、及び、構成フィラメントが中間の太さを有する中間色染色部を有し、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部が存在した本発明のマルチフィラメント糸を得ることが可能となる。
【0020】
本発明の製造方法における設定延伸倍率は1.05〜1.80倍好ましくは1.2〜1.65倍、ピンヒーター9の設定温度は、140〜250℃好ましくは160℃〜220℃が必要である。延伸倍率が1.05倍未満であると糸を延伸する応力が低いためにピンヒーターに間歇的に接触したとしても糸太さ変化すなわち染色意匠効果は得られないものとなり、1.80倍を超えると糸全体が一様に延伸されてしまうために糸太さ変化は得られなくなる。
一方、ピンヒーター9の設定温度が140℃未満であると比較的低温であるために熱可塑性高配向未延伸マルチフィラメント糸の可塑化状態を瞬間的に変化させることが困難となり、従来の濃中淡色形成糸のごとく濃色染色部と淡色染色部と中間色染色部がランダムに形成されてしまい、本発明の目的である染色意匠効果が得られなくなり、250℃を超えると単純なシックアンドシン糸となって濃中淡色の3種類の染色部を形成することが困難となる。
【0021】
本発明のマルチフィラメント糸を含む織編物は、その混率並びに織編物組織を、目的の風合いや製品外観が得られる範囲で決定すればよい。また、本発明のマルチフィラメント糸単独からなる織編物、または該マルチフィラメント糸と他繊維との合撚糸からなる織編物、該マルチフィラメント糸を織編物の一部に用いた交編織物でもよく、本発明のマルチフィラメント糸の効果が得られる範囲内で種々の織編物を得ることが可能である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明する。
なお、本発明のマルチフィラメント糸における各染色部の長さは、計測器工業(株)製のイーブネステスター「KET80−C」を用いて、糸長手方向の質量変動を測定し、得られたチャートから図3に示したように濃色染色部、中間色染色部、淡色染色部をそれぞれ測定した後、該測定速度とチャート記録紙速度を勘案して各染色部の長さを計算し、次いで、各染色部10個所の平均値を算出して各染色部の平均長さとした。上記イーブネステスターによる測定は、試料を速度20m/分で走行させ、試料の繊度により加撚レベル、スロット、張力設定レベルを選択し、ノーマルテストで2.5分間測定し、速度100cm/分でチャートを描いた。
また、糸長手方向に糸長20mの質量変動測定を実施し、得られたチャートの内、中間色染色部の長さの総和を計算し、該総和の測定糸長(20m)に占める割合を中間色染色部占有率とした。
【0023】
得られたマルチフィラメント糸を用い、16ゲージの一口通編み機で製編し、この筒編み地を常法により精練、分散染料で染色し、目視にて染色意匠効果の評価を行った。なお、精練は通常の精練剤等を用いて70℃で15分間処理を行い、次いで、下記条件で分散染色を行った。
使用染料:Terasil Navy Blue(日本チバガイギー社製)
1.0%(筒編地重量に対して)
染色助剤:Ultra MT−N2 (大和化学工業社製、商品名)
0.5g/L(染浴容積に対して)
浴 比:1:30
処 理:120℃×30分
【0024】
(実施例1)
供給糸としてポリエステル高配向未延伸マルチフィラメント糸(複屈折率42×10-3、135デシテックス/36フィラメント)を用いて、図3の装置により、延伸倍率1.50倍、ピンヒーター温度200℃、ピンヒーターへの糸接触/非接触時間のランダム変動値0.53〜0.93秒/0.02〜0.05秒、エア交絡ノズルのエア圧力0.4MPa、エア交絡時のオーバーフィード率1.5%、加工速度400m/分(フィードローラー:14換算)で加工を行った。
【0025】
得られた加工糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、構成フィラメントの太さが一様である濃色染色部、構成フィラメントの太さが一様である淡色染色部、及び、構成フィラメントの太さが一様であり、濃色染色部と淡色染色部の中間の太さを有する中間色染色部を有し、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部が隣接して存在した染色意匠効果を有していた。
得られた加工糸の各染色部の長さを評価しところ、濃色染色部平均長さは27.4cm、淡色染色部平均長さは13.5cm、中間色染色部の長さが4.8m〜6.0m、糸長手方向の中間色染色部占有率が91.7%であった。
【0026】
(実施例2)
供給糸として実施例1と同じポリエステル高配向未延伸マルチフィラメント糸を用いて、図4の装置により、仮撚加撚工程前の延伸倍率1.50倍、ピンヒーター温度200℃、ピンヒーターへの糸接触/非接触時間のランダム変動値0.53〜0.93秒/0.02〜0.05秒、加工速度100m/分(デリベリーローラー換算)、仮撚数(仮撚方向:Z)2500T/m、第1ヒーター温度200℃、仮撚加撚時オーバーフィード−5%で延伸仮撚加工を行った。なお、仮撚後の熱セットは行わず、デリベリーローラー20から直接巻取機23で巻取った。
得られたマルチフィラメント糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、構成フィラメントが一様に太い濃色染色部、構成フィラメントが一様に細い淡色染色部、及び構成フィラメントが中間の太さを有する中間色染色部を有し、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部が存在した染色意匠効果を有していた。
得られたマルチフィラメント糸の各染色部の長さを評価しところ、濃色染色部平均長さは7.4cm、淡色染色部平均長さは3.3cm、中間色染色部の長さが0.8m〜1.5m、糸長手方向の中間色染色部占有率が91.9%であった。
【0027】
(実施例3)
供給糸として実施例1で用いたものと同じポリエステル高配向未延伸マルチフィラメント糸を用いて、図4の装置により、仮撚加撚工程前の延伸倍率1.30倍、ピンヒーター温度160℃、ピンヒーターへの糸接触/非接触時間のランダム変動値0.07〜0.42秒/0.05〜0.10秒、加工速度200m/分(デリベリーローラー換算)、仮撚数(仮撚方向:Z)2200T/m、第1ヒーター温度200℃、第2ヒーター温度200℃、仮撚加撚時オーバーフィード−10%、熱セット時オーバーフィード10%で延伸仮撚加工を行った。
得られたマルチフィラメント糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、構成フィラメントが一様に太い濃色染色部、構成フィラメントが一様に細い淡色染色部、及び、構成フィラメントが中間の太さを有する中間色染色部を有し、かつ、濃色染色部の前後に淡色染色部が存在した染色意匠効果を有していた。
得られたマルチフィラメント糸の各染色部の長さを評価しところ、濃色染色部平均長さは21.3cm、淡色染色部平均長さは8.4cm、中間色染色部の長さが0.2m〜1.2m、糸長手方向の中間色染色部占有率が71.3%であった。
【0028】
(比較例1)
仮撚加撚工程前の延伸倍率を1.00倍とするほかは実施例3と同様の条件で加工を行った。イーブネステスターを用いて糸長手方向の質量変動を測定したところ、糸太さ変化は殆ど見られず、従って、筒編地による染色評価においても、濃中淡の異なる染色意匠効果が得られないものであった。
【0029】
(比較例2)
仮撚加撚工程前の延伸倍率を2.00倍とするほかは実施例3と同様の条件で加工を行った。イーブネステスターを用いて糸長手方向の質量変動を測定したところ、明確な濃色染色部、淡色染色部が存在しないものであった。また、得られたマルチフィラメント糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、糸長手方向に染色濃度差が認められず、布帛表面に染色意匠効果の乏しいものであった。
【0030】
(比較例3)
ピンヒーター温度を125℃とするほかは実施例3と同様条件で加工を行った。イーブネステスターを用いて糸長手方向の質量変動を測定したところ、濃色染色部、淡色染色部、中間染色部がランダムに存在したものであった。また、得られたマルチフィラメント糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、濃色染色部と淡色染色部と中間色染色部がランダムに形成された布帛表面となり、染色濃度差が渾然一体となった染色意匠効果の乏しいものとなった。
【0031】
(比較例4)
ピンヒーター温度を260℃とするほかは実施例3と同様の条件で加工を行った。イーブネステスターを用いて糸長手方向の質量変動を測定したところ、濃色染色部と淡色染色部からのみなるものであった。また、得られたマルチフィラメント糸を用いた筒編地の染色意匠効果を目視にて評価を行ったところ、濃淡色染色効果を発現する従来のシックアンドシン糸を用いた布帛と同様の染色意匠効果が得られるのみであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明のマルチフィラメント糸は、濃色染色部、中間色染色部、淡色染色部による意匠性が効果的に発揮可能となるものであり、該マルチフィラメント糸を含む織編物は、上述の染色濃度の異なる染色部が布帛表面に効果的に配置されることで、極めて染色意匠性の富んだものとなり、衣料用織編物として好適なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチフィラメント糸の糸形態の模式的な一例を示すものである。
【図2】本発明のマルチフィラメント糸の糸長手方向における太さ変化を示すグラフの一例を示すものである。
【図3】本発明のマルチフィラメント糸の製造方法の一例を示す工程図である。
【図4】本発明のマルチフィラメント糸の製造方法の別の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 濃色染色部
2 中間色染色部
3 淡色染色部
4 濃色染色部に該当するチャート部分
5 中間色染色部に該当するチャート部分
6 淡色染色部に該当するチャート部分
7 熱可塑性未延伸マルチフィラメント糸
8 フィードローラー
9 ピンヒーター
10 エアシリンダー
11 コンピューター
12 フィードローラー
13 エア交絡ノズル
14 フィードローラー
15 ガイド
16 巻取機
17 ガイド
18 第1ヒーター
19 仮撚ユニット
20 デリベリーローラー
21 第2ヒーター
22 第2デリベリーローラー
23 巻取機

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂からなり糸の太さが長手方向に変化を有するマルチフィラメント糸であって、該マルチフィラメントは太さが一様であり中間色染色部より太い濃色染色部、太さが一様であり中間色染色部より細い淡色染色部、及びその太さが一様であり濃色染色部と淡色染色部の糸の太さの中間の太さである中間色染色部を有し、かつ、上記濃色染色部の前後に隣接して淡色染色部が存在していることを特徴とするマルチフィラメント糸。
  2. 濃色染色部の平均長さが1〜50cm、淡色染色部の平均長さが0.5〜40cmであり、濃色染色部の平均長さが淡色染色部の平均長さより大であることを特徴とする請求項1に記載のマルチフィラメント糸。
  3. 中間色染色部の長さが0.05〜10mであり、糸長手方向の中間色染色部の占有率が50〜99.5%であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチフィラメント糸。
  4. 走行する熱可塑性樹脂からなる未延伸マルチフィラメント糸をピンヒーターに間歇接触させて延伸し太さ斑を形成させる加工方法において、設定延伸倍率が1.05〜1.80倍、ピンヒーター温度が140〜250℃であることを特徴とする請求項1記載のマルチフィラメント糸の製造方法。
  5. ピンヒーターに間歇接触延伸して太さ斑を形成させる工程に引続いて仮撚捲縮加工を行うことを特徴とする請求項4記載のマルチフィラメント糸の製造方法。
  6. 請求項1、2または3記載のマルチフィラメント糸を含む織編物。
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