JPH10110365A - 経編パイル編地 - Google Patents

経編パイル編地

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JPH10110365A
JPH10110365A JP26426896A JP26426896A JPH10110365A JP H10110365 A JPH10110365 A JP H10110365A JP 26426896 A JP26426896 A JP 26426896A JP 26426896 A JP26426896 A JP 26426896A JP H10110365 A JPH10110365 A JP H10110365A
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pile
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denier
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Fumio Hirota
文夫 広田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトでなめらかな表面タッチと異色の粗杢
調を有する経編パイル編地を提供する。 【解決手段】 パイル部がポリエステル繊維で形成され
た経編パイル編地であって、該パイル糸が、(a)酸化
チタンを0.5〜2.0重量%含有し、単繊維繊度が
0.5〜1.5デニールのポリエステル捲縮加工糸と、
(b)単繊維繊度が0.5〜5.0デニールのカチオン
可染型ポリエステルフィラメントとの混繊糸である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトでなめらか
な表面タッチと異色の粗杢調を有する経編パイル編地に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、パイル布帛のパイル素材とし
ては、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維が、ウー
ルなどの天然繊維に比較して、素材の豊富さや取り扱い
易さの点で圧倒的に優位な特徴を持っているため、広く
用いられている。
【0003】そして、パイル布帛は表面に立毛を有して
いるので高級素材として広く受け入れられており、車輌
内装材などに多く使用されてきたが、より高級化、豪華
さを求めるニーズが高まってきている。
【0004】このようなパイル布帛、とりわけ経編パイ
ル編地において、編地表面に異色の粗杢調を付与する方
法としては、例えばレギュラーポリエステル繊維とカチ
オン可染ポリエステル繊維とを混繊してパイル部に用
い、分散染料とカチオン染料で染め分ける方法が知られ
ている。
【0005】一方、編地表面の光沢反射性を改良する方
法として、ポリエステルの捲縮加工糸と捲縮を有さない
マルチフィラメントとの混繊糸でパイルを形成する方法
が実公平6−27672号公報に開示されている。
【0006】しかしながら、該方法は、非捲縮の単フィ
ラメントを分散配置させ、光沢反射性の改良を意図した
ものであり、例え互いに染着性の異なる捲縮加工糸と捲
縮を有さないマルチフィラメント糸とを使用したとして
も、本願の目的とする粗杢調を付与することはできな
い。
【0007】さらに、上記方法で得られたパイル布帛
は、捲縮加工糸の捲縮が強固であるため風合ががさつく
という欠点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、ソフトでなめらかな
表面タッチと異色の粗杢調を有する経編パイル編地を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するため鋭意検討した結果、経編パイル編地のパイ
ル糸に酸化チタンを含有するポリエステル捲縮加工糸と
カチオン可染型ポリエステルフィラメントとの混繊糸を
使用し、且つ該両繊維の単繊維繊度を特定の範囲に維持
するとき、所望の経編パイル編地が得られることを究明
した。
【0010】かくして本発明によれば、パイル部がポリ
エステル繊維で形成された経編パイル編地であって、該
パイル糸が、(a)酸化チタンを0.5〜2.0重量%
含有し、単繊維繊度が0.5〜1.5デニールのポリエ
ステル捲縮加工糸と、(b)単繊維繊度が0.5〜5.
0デニールのカチオン可染型ポリエステルフィラメント
との混繊糸であることを特徴とする経編パイル編地が提
供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリエステル繊
維とは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも
1種のグリコール、好ましくは、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールな
どから選ばれた少なくとも1種のアルキレングリコール
を主たるグリコール成分とするポリエステルなどを常法
により溶融紡糸して得られた繊維をいう。
【0012】該ポリエステルには、必要に応じて安定
剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触
媒、耐熱剤、着色剤、等を含有させても良い。
【0013】本発明においては、パイル糸として、上記
ポリエステルに酸化チタンを0.5〜2.0重量%含有
させたポリエステルからなる、単繊維繊度が0.5〜
1.5デニールのポリエステル捲縮加工糸と、上記ポリ
エステルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸などを共
重合させたポリエステルからなる、単繊維繊度が0.5
〜5.0デニールのカチオン可染型ポリエステルフィラ
メントとの混繊糸を使用する。
【0014】ここで、上記ポリエステル仮撚加工糸に含
まれる酸化チタン量が0.5重量%未満の場合は、混繊
糸の混ざりが良くなりすぎて粗杢調が得られない上、得
られる編地の風合ががさつく。ただ、あまり酸化チタン
量が多すぎて、2.0重量%を越える場合は、仮撚加工
糸の物性が低下する。
【0015】また、上記ポリエステル仮撚加工糸の単繊
維繊度が0.5デニール未満の場合は、混繊糸の混ざり
が良くなりすぎて粗杢調が得られず、一方、単繊維繊度
が1.5デニールを越える場合は、得られる編地の風合
が粗硬化する。
【0016】さらに、上記カチオン可染型ポリエステル
フィラメントの単繊維繊度が0.5デニール未満の場合
は、異色の効果が充分に発現せず、一方、単繊維繊度が
5.0デニールを越える場合は、得られる編地の風合が
粗硬化する。
【0017】上記ポリエステル仮撚加工糸及びカチオン
可染型ポリエステルフィラメントの全繊度は、共に50
〜100デニールであることが好ましい。全繊度が50
デニール未満の場合は、得られる編地のパイル密度が低
くなり、一方、全繊度が100デニールを越える場合
は、目付が大きくなりすぎる場合がある。
【0018】ポリエステル仮撚加工糸とカチオン可染型
ポリエステルフィラメントとの混繊糸は、従来公知の方
法を用いて製造すれば良く、引き揃えや合撚、あるいは
空気交絡ノズルによる交絡等、任意の方法が採用でき
る。この際、目的とする粗杢調が得られるように混繊の
程度を調整すれば良い。
【0019】本発明においては、上記混繊糸を常法によ
り編み立てた後、染色、起毛、毛割及び剪毛処理などを
行い、経編パイル編地とする。この際の編組織について
は特に制限はなく、従来公知の編組織が任意に採用でき
る。また、編密度は、使用するポリエステル仮撚加工糸
及びカチオン可染型ポリエステルフィラメントの全繊度
に応じて適宜設定すれば良い。
【0020】本発明においては、上記の如く、パイル糸
に酸化チタンを含有するポリエステル捲縮加工糸とカチ
オン可染型ポリエステルフィラメントとの混繊糸を使用
しているので、混繊糸の混ざりが適度に制御されて異色
の粗杢調を得ることができる上、ソフトでなめらかな表
面タッチが付与できる。
【0021】その理由の詳細は明らかではないが、酸化
チタンを含有するポリエステル繊維に仮撚加工等で捲縮
を付与した場合、通常に比べてゆるやかな捲縮となり、
カチオン可染型ポリエステルフィラメントが適度に集束
しながらパイル部に分散すること、及び酸化チタンを含
有するポリエステル繊維自体の柔らかさに起因するもの
と思われる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の各特性は下記の方法により測定し
た。 (1)粗杢調の外観 杢の粗さ及び異色の発現状態を、熟練者5人により官能
判定し、良好(○)、やや不良(△)、不良(×)の3
段階で表した。 (2)編地の風合 表面タッチのソフトさ及びなめらかさを、熟練者5人に
より官能判定し、良好(○)、やや不良(△)、不良
(×)の3段階で表した。
【0023】[実施例1]カールマイヤー製28ゲージ
経編機を使用し、地組織となるL1、L2に75デニー
ル/36フィラメントのポリエチレンテレフタレートマ
ルチフィラントを配し、パイル糸となるL3には酸化チ
タンを1.9重量%含む75デニール/72フィラメン
トのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸と50デニ
ール/24フィラメントのカチオン可染型ポリエステル
マルチフィラントとの合撚糸を配列して編み立て、パイ
ル編地を得た。
【0024】該編地を常法により染色、起毛、毛割、剪
毛加工し、経密度が36本/in、緯密度が65本/i
nの経編パイル編地を得た。得られた編地の粗杢調の外
観及び風合はいずれも○で、ソフトでなめらかな表面タ
ッチと異色の粗杢調を有するものであった。
【0025】[実施例2〜4、比較例1〜4]実施例1
において、L3に配列する合撚糸の構成成分である仮撚
加工糸の酸化チタン含有量と単繊維繊度、及びカチオン
可染型ポリエステルマルチフィラントの単繊維繊度を表
1に示す如く変更した以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた編地の粗杢調の外観及び風合を表1に併せ
て示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ソフトでなめらかな表
面タッチと異色の粗杢調を有する経編パイル編地が提供
される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル部がポリエステル繊維で形成され
    た経編パイル編地であって、該パイル糸が、(a)酸化
    チタンを0.5〜2.0重量%含有し、単繊維繊度が
    0.5〜1.5デニールのポリエステル捲縮加工糸と、
    (b)単繊維繊度が0.5〜5.0デニールのカチオン
    可染型ポリエステルフィラメントとの混繊糸であること
    を特徴とする経編パイル編地。
  2. 【請求項2】 ポリエステル仮撚加工糸及びカチオン可
    染型ポリエステルフィラメントの全繊度が共に50〜1
    00デニールである請求項1記載の経編パイル編地。
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