JPH08260287A - パイル布帛 - Google Patents

パイル布帛

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JPH08260287A
JPH08260287A JP7061074A JP6107495A JPH08260287A JP H08260287 A JPH08260287 A JP H08260287A JP 7061074 A JP7061074 A JP 7061074A JP 6107495 A JP6107495 A JP 6107495A JP H08260287 A JPH08260287 A JP H08260287A
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JP
Japan
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pile
pile fabric
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shaped cross
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JP7061074A
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English (en)
Inventor
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Masakatsu Umeda
正勝 梅田
Masaji Kondo
正司 近藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】パイル布帛のパイル部構成繊維がH型断面繊維
を20〜100重量%含み、該H型断面繊維の縦横の長
さ比b/aが1.2以下であり、かつ縦の長さbと連結
部の幅cとの関係が(b−c)/2≧2μmであって、
さらに単繊維繊度が1.5〜6デニールであることを特
徴とするパイル布帛。 【効果】ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、
パイル面のカバリング性が高く、かつプリント発色性の
良好なパイル布帛を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両内装用等に使用す
るパイル布帛に好適なパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両内装用の布帛としては織物、
編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など種々
の布帛が使用されている。この中で特に多く使用されて
いる布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコッ
トの起毛布帛、ダブルラッセル編物がある。
【0003】これらパイル布帛の改良についても、例え
ば、特開平5−321060号公報に見られるように使
用時に毛倒れしないように収縮率の異なる繊維を混用す
る方法が提案されている。
【0004】また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良
するため、例えば、特開昭62−268855号公報、
特開昭63−105143号公報では、パイル糸として
用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分
より濃く染まりやすいような成分を使用したものであ
る。
【0005】さらに、シルク調パイル布帛を得るため、
例えば、特公平6−21398号公報では変形十字ある
いはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用するこ
とが提案されている。特開昭62−21842号公報、
特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフ
トな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも
提案されている。
【0006】さらにまた、特開昭63−126941号
公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛
を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントか
らなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィ
ラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ
繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラ
メントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に
凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】しかしながら、上記いずれの従来技術にお
いてもソフトな風合を有しながら、耐毛倒れ性が良好
で、かつパイル面のカバリング性が高く、しかもプリン
ト発色性に優れるという特性を兼ね備えたパイル布帛は
得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフトな風
合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリン
グ性が高く、かつプリント発色性の良好なパイル布帛を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、以下の構成を有する。
【0010】すなわち、パイル布帛のパイル部構成繊維
がH型断面繊維を20〜100重量%含み、該H型断面
繊維の縦横の長さ比b/aが1.2以下であり、かつ縦
の長さbと連結部の幅cとの関係が(b−c)/2≧2
μmであって、さらに単繊維繊度が1.5〜6デニール
であることを特徴とするパイル布帛である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明のパイル布帛は、パイル部構成繊維
にH型断面繊維を含むものである。図1は、本発明のパ
イル布帛を構成するH型断面繊維の断面の一例を示す説
明図である。この断面形状は、本発明の風合い、耐毛倒
れ性、パイル面のカバリング性、プリント発色性に影響
する重要な要素であり、図1のようにH型の形状を有す
る断面である。すなわち、本発明でいうH型断面形状
は、図1でより具体的に説明すると、両側に位置して上
下方向に伸びている部分(以下「足」と称する)と、そ
の二つの足を結ぶように水平線(左右)方向に伸びてい
る連結部とから形成されてH型をなす断面形状である。
【0013】本発明においては、H型断面形状が、横方
向の長さaと縦方向の長さbとの比(すなわち、縦横の
長さ比)b/aが1.2以下であることが重要である。
ここでいうH型断面形状の横方向の長さaとは、図1で
示すように両足の外側面の接線間の長さをいう。一つの
足の外側面に接する接線L1 と他の足の外側面に接する
接線L2 が平行にならない場合は、図2に示す各交点か
ら求めるものとする。すなわち、図2に示すように、足
の外側面に接する接線L1 ,L2 を描き、接線L1 と左
の足の上端に接する水平線M1 との交点O、接線L1
左の足の下端に接する水平線M2 との交点P、接線L2
と右の足の上端に接する水平線M3 との交点Q、接線L
2 と右の足の下端に接する水平線M4 との交点Rを求め
る。次に、交点Oと交点Qをそれぞれ通過する垂線間の
距離a1 と、交点Pと交点Rをそれぞれ通過する垂線間
の距離a2 を求め、それら距離の平均値、すなわち(a
1+a2 )/2の値を横方向の長さaとする。
【0014】また、H型断面形状の縦方向の長さbと
は、図1で示すように両足の上部をむすぶ接線と両足下
部をむすぶ接線間の長さをいう。一つの足の長さと他の
一つの足の長さが異なる場合には、先の図2でいうと、
左の足の長さとして、左の足の上端に接する水平線M1
と左の足の下端に接する水平線M2 との距離b1 を求
め、右の足の長さとして、右の足の上端に接する水平線
3 と右の足の下端に接する水平線M4 との距離b2
求め、それら距離の平均値、すなわち(b1 +b2)/
2の値を縦方向の長さbとする。
【0015】H型断面繊維の縦横の長さ比b/aが1.
2を越えると両足の長さが長くなり、両足をつないでい
る連結部の長さが短くなって、両足の占める面積が大き
くなり、いわゆる扁平断面に近くなって耐毛倒れ性が低
下しやすくなる。
【0016】また、H型の両足をつないでいる連結部の
幅c(図1で説明すると、連結部の上下方向の長さ)が
bとの関係において、(b−c)/2が2μm以上であ
ることが必要である。2μm未満であればH型断面で二
つの足と連結部によって形成される溝(上側と下側に形
成される凹部)が浅くなり、単純な扁平繊維と同様の形
状となるため耐毛倒れ性が低下しやすくなり、それと共
にソフトな風合いを保ちながらパイル面の高いカバリン
グ性や高いプリント発色性を得ることができなくなる。
【0017】なお、このb/aおよび(b−c)/2
は、パイルの電子顕微鏡断面写真(倍率は1000倍)をと
り、その写真からa、b、cの長さを測定し、断面20
個所の平均を求めたものである。
【0018】次に、本発明のパイル布帛のパイル部構成
繊維に含まれるH型断面繊維の割合は、20重量%以上
100重量%以下とすることが必要である。20重量%
未満では本発明の狙いであるソフトな風合いを有し、耐
毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性が高く、か
つプリント発色性の良好なパイル布帛が得難くなり、特
にプリント発色性が低くなる。
【0019】ここでいうプリント発色性とは、通常のオ
ーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後の
オーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後
の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜染後のプリントで
の発色性や柄のシャープさ、地染め後の着抜プリントで
の発色性や柄のシャープさのことである。
【0020】本発明のパイル布帛のプリント発色性が良
いのは、従来の丸断面性繊維などと比較下に解析した結
果、H型断面形状によってプリント糊がパイルの深さ方
向に深く浸透し多量に付着し易い形状であり、そのため
いわゆる糊食い性が良いことや、H型断面形状によって
パイルが良く分散して立毛しているため、プリント糊が
いずれのパイルにも均一に付着し易いためであると考え
られる。
【0021】また、プリントでは液中染色に比べて繊維
表面のみが染色されるいわゆるリング染色と呼ばれる状
態になる。しかし、本発明のH型断面形状では繊維の断
面において、足あるいは連結部の肉厚が円形断面繊維に
比し薄いために、例えリング染色状態になっても繊維内
部まで染料が拡散されて未染色部分が少なくなること
や、地染め後の抜染で抜染剤が繊維内部まで拡散されて
未抜染部分が少なくなるという作用がある。
【0022】本発明のパイル布帛において、H断面繊維
の単繊維繊度が1.5デニール以上6デニール以下であ
る必要がある。1.5デニール未満ではソフトな風合い
は得られるが、毛倒れし易く、かつH断面繊維の断面方
向の肉厚が薄くなって、繊維のささくれ現象であるいわ
ゆるフィブリル化し易くなる。また、6デニールを越え
ると繊維の曲げ剛性が高くなってソフトなパイル布帛が
得られ難くなる。特に、パイル布帛が車両用に用いられ
る場合、パイルとしては風合い、耐毛倒れ性が重要な要
求特性となる。
【0023】一般的にH断面繊維は、その構造上側面が
扁平な面がパイル表面に現れやすいため、光がパイル面
に当たると鏡面反射しやすく、見る方向によって鏡面反
射光つまり白色光が高くなる傾向があり白ボケと呼ばれ
る現象を生じ易い。そうした白ボケを防止する観点か
ら、本発明においてパイル部を構成するH断面繊維が酸
化チタンなどの艶消剤を0.01重量%以上含有させる
ことは好ましい。上限はその要求に応じて適宜設定すれ
ばよいが、紡糸工程における工程安定性の観点からは、
高々7重量%以下である。
【0024】パイル布帛のパイル部を構成するH断面繊
維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルな
どの合成繊維であれば特に限定されないが、車両用とし
ては特に耐光性が要求されるためポリエステルからなる
ものが好ましい。また、パイル部を構成する繊維として
H断面繊維以外に他の繊維を混用することができ、その
場合、他の繊維としてウール、コットン、シルクなど天
然繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルなど
の合成繊維、半合成繊維など特に限定されないが、車両
用としては特に耐光性が要求されるためポリエステルか
らなる繊維を混用することが好ましい。
【0025】パイル布帛のパイル糸は紡績糸の形態でも
良いし、フィラメント糸形態、タスラン等のエアー加工
フィラメント糸形態や仮ヨリ等の、フィラメント加工糸
形態、さらには、それら紡績糸とフィラメント糸の複合
糸や交織・交編などの混用形態でも良い。また、パイル
布帛としては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパ
イル織物、トリコット・ダブルラッセル等の編物の形態
でも良い。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法を次に
示す。
【0027】[プリント発色性]地染めのアルカリ抜染
性、オーバープリントや着抜染時のプリントの鮮明性と
柄のシャープさを目視判定し、優から不可までの7段階
で評価した。
【0028】[耐毛倒れ性]パイル布帛の上に8cm
φ、2kgの重りをのせた状態で80℃の熱風乾燥機の
中に2時間放置した後、熱風乾燥機からパイル布帛を取
り出し、重りを除いて重りをのせた部分とのせない部分
の状態を目視判定し、優から不可まで7段階で評価し
た。
【0029】[カバリング性]パイル布帛の表面地割れ
や虫食いの状態を目視判定し、優から不可まで7段階で
評価した。
【0030】[ソフト風合い]パイル布帛の表面の触感
を判定し、ソフトから粗剛まで7段階で評価した。
【0031】[耐白ボケ性]パイル布帛を10×10c
mの方形に4枚カットし上段左に正タテ方向が上下方向
になるように置き、上段右に正ヨコ方向が左右方向にな
るように置き、下段左に逆ヨコ方向が左右方向になるよ
うに置き、下段右に逆タテ方向が上下方向になるように
置いて、種々の角度から目視判定し、優から不可まで7
段階で評価した。
【0032】[実施例1]酸化チタンを2.3重量%含
有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融
紡糸、延伸して、3デニール、51mmのH型断面形状
ステープルを製造した。このステープルのb/a=1.
2、(b−c)/2=8.7μmであった。このステー
プルを用いて下撚係数=3.2、上撚係数=3.4で2
0/2(綿番手)の紡績糸とし、通常のチーズ染色方法
でベージュ色に染色してパイル糸とした。また、地糸は
ポリエステル65重量%、レーヨン35重量%の30/
2(綿番手)の紡績糸を使用し、パイル経糸密度=42
本/in、地経糸密度=42本/in、地緯糸密度=4
2本/in、パイル長=2.5mmの条件で二重織モケ
ットを製織した後、毛さばき、剪毛してパイル布帛を得
た。得られたパイル布帛を通常のアルカリ抜染、プリン
ト、乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して5色の幾何学模様がプ
リントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイ
ル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その
上にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地
色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発
色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリント
パイル布帛はカバリング性良好で(パイル表面に虫食い
状の未パイル部分がない)、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が
高く、ソフトな風合いが得られた。
【0033】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0034】
【表1】 [実施例2]H型断面形状ステープル製造時に紡糸口金
のみを変更し、ステープルのb/a=0.66、(b−
c)/2=5μmとする他は実施例1と同様にしてプリ
ントされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル
布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その上
にプリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色
とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色
性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリントパ
イル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ
性が高く、ソフトな風合いが得られた。
【0035】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0036】[実施例3]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、ステープルのb/a=0.
32、(b−c)/2=2.1μmとする他は実施例1
と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られ
たプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に
良く抜け、その上にプリントした柄部分の色が鮮やかに
着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわ
ゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。ま
た、このプリントパイル布帛はカバリング性良好で、耐
毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが得られ
た。
【0037】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0038】[実施例4]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を1.6デニー
ルとする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ
染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントした
柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の
境界がシャープないわゆるプリント発色性良好なパイル
布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はカバ
リング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフ
トな風合いが得られた。
【0039】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0040】[実施例5]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を5.9デニー
ルとする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ
染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントした
柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の
境界がシャープないわゆるプリント発色性良好なパイル
布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はカバ
リング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフ
トな風合いが得られた。
【0041】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0042】[実施例6]H型断面形状ステープル製造
時に酸化チタンを含まないポリエチレンテレフタレート
を使用する他は実施例2と同様にしてプリントされたパ
イル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チー
ズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントし
た柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部
の境界がシャープないわゆるプリント発色性良好なパイ
ル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛は耐
白ボケ性は若干低めであるが問題になるほどではなく、
カバリング性良好で、耐毛倒れ性が高く、ソフトな風合
いが得られた。
【0043】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0044】[実施例7]H型断面形状ステープル製造
時に酸化チタン0.01重量%含有のポリエチレンテレ
フタレートを使用する他は実施例2と同様にしてプリン
トされたパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布
帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その上に
プリントした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色と
プリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色性
良好なパイル布帛が得られた。また、このプリントパイ
ル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性
が高く、ソフトな風合いが得られた。
【0045】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0046】[実施例8]H型断面形状ステープル製造
時に酸化チタン1重量%含有のポリエチレンテレフタレ
ートを使用する他は実施例2と同様にしてプリントされ
たパイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、
チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリン
トした柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリン
ト部の境界がシャープないわゆるプリント発色性良好な
パイル布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛
はカバリング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高
く、ソフトな風合いが得られた。
【0047】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0048】[実施例9]パイル糸として酸化チタン
0.04重量%含有のポリエチレンテレフタレートを用
いて溶融紡糸、延伸して、3デニール、51mmの丸断
面形状ステープルを製造し、これと実施例2で用いたH
型断面形状ステープルを混綿(丸断面形状ステープル7
9重量%、H型断面形状ステープル21重量%)する他
は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得
た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部分の色
が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャ
ープないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得ら
れた。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良
好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合い
が得られた。
【0049】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0050】[比較例1]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、ステープルのb/a=1.
29、(b−c)/2=12.1μmとする他は実施例
2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得ら
れたプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時
に良く抜け、その上にプリントした柄部分の色が鮮やか
に着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープない
わゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。ま
た、このプリントパイル布帛はカバリング性良好で、ソ
フトな風合いが得られた。しかし、H型断面形状の両足
の長さが長くなり、両足をつないでいる連結部が短くな
って、両足外側面の面積が大きくなって、いわゆる扁平
断面に近くなっているため耐毛倒れ性や耐白ボケ性が低
く、車両用パイル布帛としては品質的に劣るものであっ
た。
【0051】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0052】[比較例2]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、ステープルのb/a=0.
29、(b−c)/2=1.8μmとする他は実施例2
と同様にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られ
たプリントパイル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に
良く抜け、その上にプリントした柄部分の色が鮮やかに
着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわ
ゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。また
ソフトな風合いのパイル布帛であるが、H型断面で形成
される上部および下部細溝が浅くなり、単純な扁平繊維
と同様耐毛倒れ性や耐白ボケ性が低く、カバリング性も
低くて、パイル布帛としては品質的に劣るものであっ
た。
【0053】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0054】[比較例3]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を1.3デニー
ルとする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ
染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントした
柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の
境界がシャープないわゆるプリント発色性良好なパイル
布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はカバ
リング性良好で、耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが
得られた。しかし、耐毛倒れ性が低くて、パイル布帛と
しては品質的に劣るものであった。
【0055】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0056】[比較例4]H型断面形状ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を6.2デニー
ルとする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、チーズ
染めの染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントした
柄部分の色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の
境界がシャープないわゆるプリント発色性良好なパイル
布帛が得られた。また、このプリントパイル布帛はカバ
リング性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高ものであ
った。しかし、パイル面の風合いが粗剛でパイル布帛と
しては品質的に劣るものであった。また、単繊維繊度が
高く紡績もやや困難であった。
【0057】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0058】[比較例5]酸化チタン0.04重量%含
有のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延
伸して、3デニール、51mmの丸断面形状ステープル
を製造し、この丸断面形状ステープルのみを使用する他
は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を得
た。得られたプリントパイル布帛は、耐毛倒れ性は良好
であるが、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難く、くす
んだ色のプリントで、カバリング性、耐白ボケ性も低
く、風合い的にやや粗剛感がありパイル布帛としては品
質的に劣るものであった。
【0059】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0060】[比較例6]パイル糸として紡績時に酸化
チタン0.04重量%含有のポリエチレンテレフタレー
トを用いて溶融紡糸、延伸して、3デニール、51mm
の丸断面形状ステープルを製造し、これと実施例2で用
いたH型断面形状ステープルを混綿(丸断面形状ステー
プル82重量%、H型断面形状ステープル18重量%)
する他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布
帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、カバリング
性良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風
合いであるが、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難く、
くすんだ色のプリントでパイル布帛としては品質的に劣
るものであった。
【0061】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0062】
【発明の効果】本発明のパイル布帛は、単繊維繊度が
1.5〜6デニールの特定の形状のH型断面繊維をパイ
ル構成繊維の20重量%以上パイル部に使用することに
より、ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パ
イル面のカバリング性が高く、かつプリント発色性の良
好なパイル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のH型断面繊維の一例を示す模式的断面
図である。
【図2】H型断面繊維における縦および横の長さを説明
する説明図である。
【符号の説明】
a:H型断面繊維の横の長さ b:H型断面繊維の縦の長さ c:H型断面繊維の両足をつなぐ連結部の厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 D03D 15/00 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル布帛のパイル部構成繊維がH型断面
    繊維を20〜100重量%含み、該H型断面繊維の縦横
    の長さ比b/aが1.2以下であり、かつ縦の長さbと
    連結部の幅cとの関係が(b−c)/2≧2μmであっ
    て、さらに単繊維繊度が1.5〜6デニールであること
    を特徴とするパイル布帛。
  2. 【請求項2】H型断面繊維が艶消剤を0.01重量%以
    上含んでなることを特徴とする請求項1記載のパイル布
    帛。
  3. 【請求項3】少なくともパイル部を構成するH型断面繊
    維がポリエステルであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のパイル布帛。
JP7061074A 1995-03-20 1995-03-20 パイル布帛 Pending JPH08260287A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101018256B1 (ko) * 2008-06-23 2011-03-03 도레이첨단소재 주식회사 이형단면 중공사의 방사구금 및 그 제조방법
CN111433404A (zh) * 2017-12-13 2020-07-17 株式会社可乐丽 经印刷的起毛片及印刷用起毛片

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