JPH11172551A - パイル布帛 - Google Patents

パイル布帛

Info

Publication number
JPH11172551A
JPH11172551A JP9337292A JP33729297A JPH11172551A JP H11172551 A JPH11172551 A JP H11172551A JP 9337292 A JP9337292 A JP 9337292A JP 33729297 A JP33729297 A JP 33729297A JP H11172551 A JPH11172551 A JP H11172551A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
pile fabric
section
fiber
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9337292A
Other languages
English (en)
Inventor
Masumi Fujimoto
倍巳 藤本
Jinroku Miyamoto
仁六 宮本
Yoshihiro Konno
吉宏 近野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP9337292A priority Critical patent/JPH11172551A/ja
Publication of JPH11172551A publication Critical patent/JPH11172551A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、
パイル面のカバリング性が高く、プリントでは発色性の
良好なパイル布帛を提供すること。 【解決手段】パイル部に少なくとも20重量%の9字形
状断面繊維を含むことを特徴とするパイル布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内装用、カー
テン・椅子張り等の家庭内装用、オフィスの内装用、展
示場内装用、ホットカーペットカバー用、衣料用等に使
用するパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両内装用の布帛としては織物、
編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など種々
の布帛が使用されている。この中で特に多く使用されて
いる布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコッ
トの起毛布帛、ダブルラッセル編物がある。
【0003】これらパイル布帛の改良についても、例え
ば、特開平5−321060号公報に見られるように使
用時に毛倒れしないように収縮率の異なる繊維を混用す
る方法が提案されている。
【0004】また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良
するため、例えば、特開昭62−268855号公報、
特開昭63−105143号公報では、パイル糸として
用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分
より濃く染まりやすいような成分を使用したものであ
る。
【0005】さらに、シルク調パイル布帛を得るため、
例えば、特公平6−21398号公報では変形十字ある
いはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用するこ
とが提案されている。特開昭62−21842号公報、
特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフ
トな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも
提案されている。
【0006】さらにまた、特開昭63−126941号
公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛
を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントか
らなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィ
ラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ
繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラ
メントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に
凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】しかしながら、上記いずれの従来技術にお
いても、ソフトな風合いを有しながら、耐毛倒れ性が良
好で、かつパイル面のカバリング性が高く、しかもプリ
ント発色性に優れるという特性を兼ね備えたパイル布帛
は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無地染めで
はソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル
面のカバリング性が高く、プリントでは前記無地染めの
特性に加えてプリント発色性の良好なパイル布帛を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、以下の構成を有する。
【0010】すなわち、パイル部に少なくとも20重量
%の9字形状断面繊維を含むことを特徴とするパイル布
帛である。
【0011】
【本発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説
明する。
【0012】本発明のパイル布帛は、パイル部構成繊維
に9字形状断面(当然のことであるが9字形状断面は、
繊維の長さ方向の見る方向によって図3の様な逆9字形
状断面になるが、以下9字形状断面と称す)繊維を含む
ものである。
【0013】図1は、本発明のパイル布帛を構成する9
字形状断面繊維の断面の一例を示す説明図である。
【0014】本発明のパイル布帛のパイル部構成繊維に
含まれる9字形状断面繊維の割合は、20〜100重量
%とすることが重要で、より好ましくは50〜100重
量%である。20重量%未満では本発明の狙いであるソ
フトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面の
カバリング性が高く、プリント発色性の良好なパイル布
帛が得難くなり、特にプリント発色性が低くなる。
【0015】ここでいうプリント発色性とは、通常のオ
ーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後の
オーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後
の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜染後のプリントで
の発色性や柄のシャープさ、地染め後の着抜プリントで
の発色性や柄のシャープさのことである。
【0016】本発明のパイル布帛のプリント発色性が良
好な理由は、従来の丸断面性繊維などと比較下に解析し
た結果、9字形状断面はプリント糊がパイルの深さ方向
に深く浸透し、多量に付着し易い形状であり、そのた
め、いわゆる糊食い性がよいことや、9字形状断面にす
ることによってパイルがよく分散し立毛するため、プリ
ント糊がいずれのパイルにも均一に付着し易いためであ
ると考えられる。
【0017】また、プリントでは液中染色に比べて繊維
表面のみが染色されるいわゆるリング染色と呼ばれる状
態になる。しかし、本発明の9字形状断面繊維では繊維
の断面方向の肉厚が丸断面繊維に比べて薄いため、例え
リング染色状態になっても繊維内部まで染料が拡散され
て未染色部分が少なくなることや、地染め後の抜染で抜
染剤が繊維内部まで拡散されて未抜染部分が少なくなる
という作用がある。
【0018】前記9字形状断面の形状は、本発明の風合
い、耐毛倒れ性、パイル面のカバリング性、プリント発
色性に影響する重要な要素である。
【0019】本発明において、9字としての形は特に限
定されないが、全体として丸みを帯びたものが抗フィブ
リル性の面で好ましい。また、9字形状断面の縦方向の
長さaと横方向の長さbとの比、すなわち、縦/横の長
さ比a/bが0.5〜3.5の範囲であることが好まし
く、より好ましくは0.8〜2.5の範囲である。
【0020】ここでいう9字形状断面の縦方向の長さa
および横方向の長さbとは、図1に示すように、まず接
線L1、L2を引き、接線L1に垂直で9字形状断面に
接する線M1、M2を引いて、接線L1と接線M1、M
2の交点間の距離を縦方向の長さaとし、接線M1と接
線L1、L2の交点間の距離を横方向の長さbとする。
接線L1とL2が平行にならない場合は、図2に示すよ
うに、まず接線L3、L4を引き、接線L3に垂直で9
字形状断面に接する線M3、M4を引いて、接線L3と
接線M3、M4の交点間の距離a1と接線L4と接線M
3、M4の交点間の距離a2を求めてその平均値、すな
はち、(a1+a2)/2を縦方向の長さaとし、接線
M3と接線L3、L4の交点間の距離b1と接線M4と
接線L3、L4の交点間の距離b2を求めてその平均
値、すなはち、(b1+b2)/2を横方向の長さbと
する。
【0021】9字形状断面の縦/横の長さ比a/bが
0.5未満では、扁平面が多くなり、白ぼけと称する現
象が発生し易い傾向にあり、かつ扁平度が高くなって耐
毛倒れ性が低下する傾向にある。また、9字形状断面の
縦/横の長さ比a/bが3.5を越えても扁平面が多く
なり、白ぼけと称する現象が発生し易い傾向にあり、か
つ扁平度が高くなって耐毛倒れ性が低下し易い傾向にあ
る。
【0022】なお、9字形状断面の縦/横の長さ比a/
bは、パイルの電子顕微鏡断面写真(倍率は1000
倍)をとり、その写真からa、bの長さを測定して、断
面20個所の平均を求めたものである。
【0023】9字形状断面繊維は、例えば、熱可塑性樹
脂を紡糸する際に、紡糸口金の孔の形を9字状にしたも
のを使用して紡糸、延伸することによって得ることがで
きる。
【0024】本発明のパイル布帛において、9字形状断
面繊維の単繊維繊度は1.5〜6デニールが好ましい。
より好ましくは2〜3.5デニールである。1.5デニ
ール未満ではソフトな風合いは得られるが、毛倒れし易
くなる傾向があり、かつ、9字形状断面繊維の断面方向
の肉厚が薄くなって、繊維のささくれ現象である、いわ
ゆるフィブリル化し易くなる傾向がある。また、6デニ
ールを越えると繊維の曲げ剛性が高くなってソフトなパ
イル布帛が得られ難くなる傾向がある。特に、パイル布
帛が車両用に用いられる場合、パイルとしては風合い、
耐毛倒れ性が重要な要求特性となる。
【0025】9字形状断面繊維においても、扁平度が高
くなると繊維側面に扁平な面がパイル表面に現れやすく
なり、光がパイル面に当たると鏡面反射しやすく、見る
方向によって鏡面反射光つまり白色光が高くなる傾向が
あり、白ボケと呼ばれる現象を生じ易い傾向がある。そ
うした白ボケを防止する観点から、本発明においてパイ
ル部を構成する9字形状断面繊維に酸化チタンなどの艶
消剤を0.01重量%以上含有させることは好ましい。
上限はその要求に応じて適宜設定すればよいが、紡糸工
程における工程安定性の観点から7重量%以下が好まし
い。
【0026】パイル布帛のパイル部を構成する9字形状
断面繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
クリルなどの合成繊維であれば特に限定されないが、車
両用としては特に耐光性が要求されるためポリエステル
からなるものが好ましい。
【0027】また、パイル部を構成する繊維として、9
字形状断面繊維以外の、例えば丸断面、中空丸断面、三
葉形等の断面を混用することができる。特に、丸断面繊
維を少なくとも20重量%混用すれば、9字形状断面繊
維は丸断面繊維に比べて同一レサイプで染色しても、繊
維の形状の影響で明度が高い、つまり淡色に見え、無地
染めで明度差の霜降り感や、杢感のあるパイル布帛が得
られる。
【0028】さらに、パイル部を構成する繊維として、
9字形状断面繊維以外の他の繊維を混用することができ
る。その場合、他の繊維として、ウール、コットン、シ
ルクなどの天然繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
アクリルなどの合成繊維、半合成繊維など特に限定され
ないが、車両用としては特に耐光性が要求されるためポ
リエステルからなる繊維を混用するのが好ましい。
【0029】本発明のパイル布帛は無地染めであって
も、通常の着色プリントであってもソフトな風合い、耐
毛倒れ性、パイル面の高カバリング性、耐白ボケ性を発
揮するが、特にパイル部を構成する繊維が綿染め、糸染
めあるいは布帛液中染色のいずれかの地染めが施され、
かつ着色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリント
または抜染剤入り着色プリントされたものにより効果を
発揮する。これらプリントパイル布帛では、前記ソフト
な風合い、耐毛倒れ性、パイル面の高カバリング性、耐
白ボケ性に加えて優れたプリント発色性を発揮する。
【0030】パイル布帛のパイル糸は紡績糸の形態でも
よいし、フィラメント糸形態、タスラン等のエァー加工
フィラメント糸形態や仮ヨリ等のフィラメント加工糸形
態、さらには、それら紡績糸とフィラメント糸の複合糸
や交織・交編などの混用形態でもよい。また、パイル布
帛としては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパイ
ル織物、トリコット・ダブルラッセル、シールフライス
等の編物の形態でもよい。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法を次に
示す。
【0032】[プリント発色性]同一規格のパイル布帛
を作成し、地染めのアルカリ抜染性、オーバープリント
や着抜染時のプリントの鮮明性と柄のシャープさを目視
判定し、優から不可までの7段階で評価した。
【0033】[耐毛倒れ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛の上に8cmφ、2kgの重りをのせ
た状態で80℃の熱風乾燥機の中に2時間放置した後、
熱風乾燥機からパイル布帛を取り出し、重りを除いて重
りをのせた部分とのせない部分の状態を目視判定し、優
から不可まで7段階で評価した。
【0034】[カバリング性]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面地割れや虫食いの状態を目視
判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0035】[ソフト風合い]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面の触感を判定し、ソフトから
粗剛まで7段階で評価した。
【0036】[耐白ボケ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛を10×10cmの方形に4枚カット
し上段左に正タテ方向が上下方向になるように置き、上
段右に正ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段左
に逆ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段右に逆
タテ方向が上下方向になるように置いて、種々の角度か
ら目視判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0037】[杢感・霜降り感]同一規格のパイル布帛
を作成し、パイル布帛の杢感あるいは霜降り感を目視判
定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0038】[実施例1]酸化チタンを0.04重量%
含有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶
融紡糸、延伸して、図2の形態の9字形状断面ステープ
ルA(2.6デニール、51mm)を製造した。このス
テープルのa/b=2.05であった。これとは別に、
酸化チタン2.3重量%含有のポリエチレンテレフタレ
ートを用いて溶融紡糸、延伸して、丸形状断面ステープ
ルB(2.5デニール、51mm)を製造した。前記9
字形状断面ステープルAを20重量%、丸形状断面ステ
ープルBを80重量%混綿し、下撚係数=3.2、上撚
係数=3.4で24/2(綿番手)の紡績糸とし、通常
のチーズ染色方法で茶褐色に染色してパイル糸とした。
また、地糸はポリエステル65重量%、レーヨン35重
量%の30/2(綿番手)の紡績糸を使用し、パイル経
糸密度=42本/in、地経糸密度=42本/in、地
緯糸密度=42本/in、パイル長=2.5mmの条件
で二重織モケットを製織した後、毛さばき、剪毛してパ
イル布帛を得た。得られたパイル布帛を通常のアルカリ
抜染、プリント、乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して4色(地
部:茶褐色、柄部:緑色、赤色、黄色)の花柄がプリン
トされたパイル布帛を得た。
【0039】得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地部とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で(パイル表面に虫食い状の未パイル部分がない)、耐
毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いで、やや
霜降り感を有するものであった。パイル布帛に使用した
原綿構成とプリントパイル布帛特性を表1に示す。
【0040】[実施例2]実施例1で製造した9字形状
断面ステープルAのみを使用して係数=3.2、24
(綿番手)の紡績糸とし、同様に実施例1で製造した丸
形状断面ステープルBのみを使用して係数=3.2、2
4(綿番手)の紡績糸とて、この2種類の紡績糸を用い
て上撚係数=3.4で24/2(綿番手)の紡績糸とす
る他は、実施例1と同様にしてプリントされたパイル布
帛を得た。
【0041】得られたパイル布帛の地部は、9字形状断
面ステープルAを用いた糸のかたまりが淡色で、丸形状
断面ステープルBを用いた糸のかたまりが濃色の明瞭な
杢感があり、柄部は、チーズ染めの染料が抜染時に良く
抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色
し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわゆる
プリント発色性良好なパイル布帛が得られた。また、こ
のプリントパイル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒れ
性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いの面でも優れた
ものであった。パイル布帛に使用した原綿構成とプリン
トパイル布帛特性を表1に示す。
【0042】[実施例3]実施例1で製造した9字形状
断面ステープルAのみを使用して24/2(綿番手)の
紡績糸とする他は、実施例1と同様にしてプリントされ
たパイル布帛を得た。
【0043】得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いの
面でも優れたものであった。プリントパイル布帛特性を
表1に示す。
【0044】[実施例4]9字形状断面ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=3.
5とする他は実施例3と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。
【0045】得られたパイル布帛は、9字形状断面ステ
ープルの扁平度が高いため耐毛倒れ性や耐白ボケ性がや
や低いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、
その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ
地色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント
発色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリン
トパイル布帛はカバリング性良好で、ソフトな風合いが
得られた。パイル布帛に使用した原綿構成とプリントパ
イル布帛特性を表1に示す。
【0046】[実施例5]9字形状断面ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=0.
5とする他は実施例3と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。
【0047】得られたパイル布帛は、9字形状断面ステ
ープルの扁平度が高いため耐毛倒れ性や耐白ボケ性がや
や低いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、
その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ
地色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント
発色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリン
トパイル布帛はカバリング性良好で、ソフトな風合いが
得られた。パイル布帛に使用した原綿構成とプリントパ
イル布帛特性を表1に示す。
【0048】[実施例6]パイル糸(フロント糸)とし
て酸化チタンを0.04重量%含有した通常のポリエチ
レンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して9字形
状断面の75Dデニール、36フィラメントのフィラメ
ント糸を製造した。このフィラメント糸のa/b=2で
あった。得られたフィラメント糸を2本引揃えて250
T/mの追撚してフロント糸とした。これとは別に地糸
用としてミドル糸およびバック糸ともに酸化チタンを
0.04重量%含有した通常のポリエチレンテレフタレ
ートを用いて溶融紡糸、延伸して得られた75Dデニー
ル、36フィラメントの丸形状断面フィラメント糸を使
用した。得られたパイル糸および地糸を用いて、フロン
ト1/6、ミドル1/1、バック1/2、生機密度ウエ
ール28コ/in、コース60コ/inのトリコットを
編成した。得られた生機を通常の染色加工で灰色の無地
染めパイルトリコット地とした後、剪毛パイル化、毛さ
ばきしたところ、パイル長2.5mm、ウエール35コ
/in、コース62コ/in、目付620g/m2 で、
カバリング性良好、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソ
フトな風合いの無地染めパイル布帛が得られた。
【0049】[比較例1]実施例1で製造した丸形状断
面ステープルAのみを使用して24/2(綿番手)の紡
績糸とする他は、実施例1と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。 得られたパイル布帛は、耐毛倒れ
性は良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難
く、くすんだ色のプリントで、カバリング性も低く、風
合い的にはやや粗剛感があり、パイル布帛としては品質
的に劣るものであった。プリントパイル布帛特性を表1
に示す。
【0050】[比較例2]実施例1で9字形状断面ステ
ープルAを10重量%、丸形状断面ステープルBを90
重量%混綿する他は、実施例1と同様にしてプリントさ
れたパイル布帛を得た。
【0051】得られたパイル布帛は、耐毛倒れ性は良好
であるが、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難く、くす
んだ色のプリントで、カバリング性も低く、風合い的に
やや粗剛感がありパイル布帛としては品質的に劣るもの
であった。パイル布帛に使用した原綿構成とプリントパ
イル布帛特性を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のパイル布帛は9字形状断面繊維
をパイル構成繊維の20重量%以上使用することによ
り、ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイ
ル面のカバリング性が高く、プリントでは発色性の良好
なパイル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の9字形状断面繊維の一例で、断面の縦
および横の長さを説明する説明図である。
【図2】本発明の変形9字形状断面繊維における断面の
縦および横の長さを説明する説明図である。
【図3】本発明の9字形状断面繊維の長さ方向の他の面
から見た繊維断面を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
a:9字形状断面繊維の断面の縦の長さ b:9字形状断面繊維の断面の横の長さ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル部に少なくとも20重量%の9字形
    状断面繊維を含むことを特徴とするパイル布帛。
  2. 【請求項2】パイル部に少なくとも20重量%の丸断面
    繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のパイル布
    帛。
  3. 【請求項3】9字形状断面繊維の断面の縦/横の長さ比
    a/bが0.5〜3.5の範囲であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のパイル布帛。
  4. 【請求項4】パイル部構成繊維の単繊維繊度が1.5〜
    6デニールであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のパイル布帛。
  5. 【請求項5】パイル部構成繊維が艶消剤を0.01重量
    %以上含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のパイル布帛。
  6. 【請求項6】少なくともパイル部を構成する繊維がポリ
    エステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のパイル布帛。
  7. 【請求項7】パイル部構成繊維に着色プリントが施され
    ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    のパイル布帛。
  8. 【請求項8】パイル部構成繊維が、綿染め、糸染め、あ
    るいは布帛液中染色のいずれかの地染めが施され、か
    つ、着色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリント
    または抜染剤入り着色プリントのいずれかが施されてい
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパ
    イル布帛。
JP9337292A 1997-12-08 1997-12-08 パイル布帛 Pending JPH11172551A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9337292A JPH11172551A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 パイル布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9337292A JPH11172551A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 パイル布帛

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11172551A true JPH11172551A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18307256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9337292A Pending JPH11172551A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 パイル布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11172551A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006045731A (ja) ソフトな風合いと耐摩耗性を有する深色性立毛布帛および繊維製品
JP4155853B2 (ja) 織編物
JP4500266B2 (ja) 立毛布帛の製造方法
JP3989883B2 (ja) 凹凸模様付き多色パイル布帛
JPH11172551A (ja) パイル布帛
JPH11200188A (ja) パイル布帛
JP3541492B2 (ja) 杢調パイル布帛
JP3475619B2 (ja) 杢調パイル布帛
JP3702501B2 (ja) パイル布帛
JPH11131340A (ja) パイル布帛
JPH11152646A (ja) パイル布帛
JPH11117145A (ja) パイル布帛
JPH11152647A (ja) パイル布帛
JP3391156B2 (ja) パイル布帛
JPH11200186A (ja) パイル布帛
JPS61152849A (ja) 内装用パイル布帛
JPH11200189A (ja) パイル布帛
JP3770345B2 (ja) 立毛パイル織編物の製造方法
JPH11200190A (ja) パイル布帛
JPH08260287A (ja) パイル布帛
JPH11152649A (ja) ポリエステルパイル布帛
JPH11200187A (ja) パイル布帛
JPH11152648A (ja) パイル布帛
JPH0874151A (ja) 立毛布帛
JPH11158753A (ja) ポリエステルパイル布帛

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060307