JPH11152647A - パイル布帛 - Google Patents

パイル布帛

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JPH11152647A
JPH11152647A JP9313536A JP31353697A JPH11152647A JP H11152647 A JPH11152647 A JP H11152647A JP 9313536 A JP9313536 A JP 9313536A JP 31353697 A JP31353697 A JP 31353697A JP H11152647 A JPH11152647 A JP H11152647A
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JP
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pile
fiber
section
pile fabric
weight
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JP9313536A
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Masumi Fujimoto
倍巳 藤本
Jinroku Miyamoto
仁六 宮本
Satoshi Hirai
諭 平井
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無地染めではソフトな風合で、耐毛倒れ性、パ
イル面のカバリング性が高く、パイル表面に明度差の3
杢感を有し、プリントでは前記無地染めの特性に加えて
プリント発色性の良好なパイル布帛を提供すること。 【解決手段】パイル布帛のパイル部構成繊維に丸断面繊
維とS形状断面繊維を含むパイル布帛であって、丸断面
繊維Aを20重量%以上、S形状断面繊維で艶消剤1.
5重量%以上の繊維Bを20重量%以上、およびS形状
断面繊維で艶消剤0.7重量%以下の繊維Cを20重量
%以上含むことを特徴とするパイル布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内装用、カー
テン・椅子張り等の家庭内装用、オフィス内装用、展示
場内装用、ホットカーペットカバー用、衣料用等に使用
するパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両内装用の布帛としては、織
物、編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など
種々の布帛が使用されている。この中で特に多く使用さ
れている布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリ
コットの起毛布帛、ダブルラッセル編物がある。
【0003】これらパイル布帛の改良についても、例え
ば、特開平5−321060号公報に見られるように使
用時に毛倒れしないように収縮率の異なる繊維を混用す
る方法が提案されている。
【0004】また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良
するため、例えば、特開昭62−268855号公報、
特開昭63−105143号公報では、パイル糸として
用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分
より濃く染まりやすいような成分を使用したものであ
る。
【0005】さらに、シルク調パイル布帛を得るため、
例えば、特公平6−21398号公報では変形十字ある
いはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用するこ
とが提案されている。特開昭62−21842号公報、
特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフ
トな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも
提案されている。
【0006】さらにまた、特開昭63−126941号
公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛
を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントか
らなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィ
ラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ
繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラ
メントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に
凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】しかしながら、上記いずれの従来技術にお
いてもソフトな風合いを有しながら、耐毛倒れ性が良好
で、かつパイル面のカバリング性が高く、しかもプリン
ト発色性に優れるという特性を兼ね備えたパイル布帛は
得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無地染めで
はソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル
面のカバリング性が高く、パイル表面に明度差の3杢感
を有し、プリントでは前記無地染めの特性に加えてプリ
ント発色性の良好なパイル布帛を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、以下の構成を有する。
【0010】すなわち、パイル布帛のパイル部構成繊維
に丸断面繊維とS形状断面繊維を含むパイル布帛であっ
て、丸断面繊維Aを20重量%以上、S形状断面繊維で
艶消剤1.5重量%以上の繊維Bを20重量%以上、お
よびS形状断面繊維で艶消剤0.7重量%以下の繊維C
を20重量%以上含むことを特徴とするパイル布帛であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明のパイル布帛は、パイル部にS形状
断面(当然のことであるがS形状断面は、繊維の長さ方
向の見る方向によってZ形状断面になるが、以下S形状
断面と称す)繊維を含むものである。
【0013】図1は、本発明のパイル布帛を構成するS
形状断面繊維の断面の一例を示す説明図である。このS
形状断面の形状は、本発明の風合い、耐毛倒れ性、パイ
ル面のカバリング性、プリント発色性に影響する重要な
要素である。
【0014】本発明においては、S形状断面の縦方向の
長さaと横方向の長さbとの比、すなわち、縦/横の長
さ比a/bが0.5〜3.5の範囲であることが好まし
く、より好ましい縦/横の長さ比a/bは0.8〜2.
5の範囲である。ここでいうS形状断面の縦方向の長さ
aおよび横方向の長さbとは、図1で示すように、まず
接線L1、L2を引き、接線L1に垂直でS形状断面に
接する線M1、M2を引いて、接線L1と接線M1、M
2の交点間の距離を縦方向の長さaとし、接線M1と接
線L1、L2の交点間の距離を横方向の長さbとする。
接線L1とL2が平行にならない場合は、図2に示すよ
うに、まず接線L3、L4を引き、接線L3に垂直でS
形状断面に接する線M3、M4を引いて、接線L3と接
線M3、M4の交点間の距離a1と接線L4と接線M
3、M4の交点間の距離a2を求めてその平均値、すな
わち、(a1+a2)/2を縦方向の長さaとし、接線
M3と接線L3、L4の交点間の距離b1と接線M4と
接線L3、L4の交点間の距離b2を求めてその平均
値、すなわち、(a1+a2)/2を横方向の長さbと
する。
【0015】S形状断面の縦/横の長さ比a/bが0.
5未満では、例えば、図3のように扁平面が多くなり白
ぼけと称する現象が生じ易い傾向があり、かつ扁平度が
高くなって耐毛倒れ性が低下し易い傾向がある。また、
S形状断面の縦/横の長さ比a/bが3.5を越えても
扁平面が多くなり、白ぼけと称する現象が生じ易い傾向
があり、かつ扁平度が高くなって耐毛倒れ性が低下し易
い傾向がある。
【0016】なお、S形状断面の縦/横の長さ比a/b
はパイルの電子顕微鏡断面写真(倍率は1000倍)を
とり、その写真からa、bの長さを測定して、断面20
個所の平均を求めたものである。
【0017】本発明のパイル布帛は前記したような特定
形状のS型断面の繊維を使用することにより、本発明の
狙いであるソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好
で、パイル面のカバリング性が高く、プリント発色性の
良好なパイル布帛が得られる。ここでいうプリント発色
性とは、通常のオーバープリントの発色性や柄のシャー
プさ、地染め後のオーバープリントの発色性や柄のシャ
ープさ、地染め後の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜
染後のプリントでの発色性や柄のシャープさ、地染め後
の着抜プリントでの発色性や柄のシャープさのことであ
る。
【0018】本発明のパイル布帛のプリント発色性が良
好な理由は、従来の丸断面性繊維などと比較下に解析し
た結果、S形状断面はプリント糊がパイルの深さ方向に
深く浸透し多量に付着し易い形状であり、そのためいわ
ゆる糊食い性がよいことや、S形状断面にすることによ
ってパイルがよく分散し立毛するため、プリント糊がい
ずれのパイルにも均一に付着し易いためであると考えら
れる。
【0019】また、プリントでは液中染色に比べて繊維
表面のみが染色されるいわゆるリング染色と呼ばれる状
態になる。しかし、本発明のS形状断面繊維では繊維の
断面方向の肉厚が丸断面繊維に比べて薄いため、例えリ
ング染色状態になっても繊維内部まで染料が拡散されて
未染色部分が少なくなることや、地染め後の抜染で抜染
剤が繊維内部まで拡散されて未抜染部分が少なくなると
いう作用がある。
【0020】さらに、本発明のパイル布帛のパイル部構
成繊維は、丸断面繊維Aが20重量%以上、例えば、図
4に示す様に、S形状断面で艶消剤を1.5重量%以上
含む繊維Bが20重量%以上、さらに図1に示す様に、
S形状断面で艶消剤を0.7重量%以下含む繊維Cが2
0重量%以上とからなるもので、いずれの繊維も30重
量%以上であることがより好ましい。いずれの繊維もそ
の混用割合が20重量%未満では杢感が弱くなり好まし
くない。混用率の上限はその合計が100重量%を越え
ない範囲で適宜選択できる。
【0021】本発明において、S形状断面繊維で艶消剤
を1.5重量%以上含む繊維Bと、艶消剤を0.7重量
%以下含む繊維Cとを混用し、同一レサイプで染色して
も艶消剤を多く含む繊維は艶消剤の乱反射により明度が
高い、つまり淡色に見える。さらに、S形状断面繊維と
丸断面繊維Aを混用し、同一レサイプで染色してもS形
状断面繊維は丸断面繊維Aに比べて断面の形状から明度
が高くなる。本発明の目的の一つはこの艶消剤を多く含
む繊維と艶消剤が少ない繊維との明度差および丸断面繊
維とS形状断面繊維の明度差を利用し、無地染めで3段
階の明度差杢感のあるパイル布帛を得ることにある。S
形状断面繊維の艶消剤を多く含む繊維の高明度化を効果
的にするためには艶消剤を1.5重量%以上含有させる
ことが重要である。反対に艶消剤の乱反射作用による高
明度化を抑えるためには、艶消剤を0.7重量%以下に
することが重要である。さらに、S形状断面繊維に比べ
て丸断面繊維を低明度化、つまり濃色に見えるようにす
るためには、丸断面繊維に含まれる艶消剤をできるだけ
少なくすることが好ましい。
【0022】S形状断面繊維においても、扁平度が高く
なると繊維側面に扁平な面がパイル表面に現れやすくな
り、光がパイル面に当たると鏡面反射しやすく、見る方
向によって鏡面反射光つまり白色光が高くなる傾向があ
り、白ボケと呼ばれる現象を生じ易い。そうした白ボケ
を防止する観点から、本発明におけるS形状断面で艶消
剤0.7重量%以下の繊維Cおよび丸断面繊維Aにも艶
消剤を0.01重量%以上含有させることは好ましい。
また、S形状断面で艶消剤1.5重量%以上の繊維の艶
消剤添加量上限はその要求に応じて適宜設定すればよい
が、紡糸工程における工程安定性の観点から7重量%以
下が好ましい。
【0023】前記艶消剤は特に限定されるものではない
が、酸化チタンを代表的なものとして用いることがで
き、その他、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機
粒子を用いることができるし、有機粒子であっても差し
支えない。
【0024】なお、一般に杢感とは、高明度が高いもの
と低いものが互いに集団で存在し、粒状を呈するものの
他、これら高明度が高いものと低いものが分散状態で存
在する、いわゆる霜降り状のものもあえて杢感と定義す
る。
【0025】S形状断面繊維は、例えば、熱可塑性樹脂
を紡糸する際に、紡糸口金の孔の型をS字状にしたもの
を使用して紡糸、延伸することによって得ることができ
る。本発明のパイル布帛に用いるパイル部構成繊維の単
繊維繊度は1.5〜6デニールが好ましい。より好まし
くは2〜3.5デニールである。1.5デニール未満で
はソフトな風合いは得られるが、毛倒れし易く、かつS
形状断面繊維では断面方向の肉厚が薄くなって、繊維の
ささくれ現象であるいわゆるフィブリル化し易くなる傾
向がある。また、6デニールを越えると繊維の曲げ剛性
が高くなってソフトなパイル布帛が得られ難くなる傾向
がある。特に、パイル布帛が車両用に用いられる場合、
パイルとしては風合い、耐毛倒れ性が重要な要求特性と
なる。パイル布帛のパイル部を構成するS形状断面繊維
としてはポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルなど
の合成繊維であれば特に限定されないが、車両用として
は特に耐光性が要求されるためポリエステルからなるも
のが好ましい。
【0026】また、パイル部を構成する繊維としてS形
状断面繊維や丸断面繊維以外に他の断面繊維や他の繊維
を混用することができ、その場合、他の繊維としてウー
ル、コットン、シルクなど天然繊維、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリルなどの合成繊維、半合成繊維な
ど特に限定されないが、車両用としては特に耐光性が要
求されるためポリエステルからなる繊維を混用するのが
好ましい。
【0027】本発明のパイル布帛は無地染めであっても
通常の着色プリントであってもソフトな風合い、耐毛倒
れ性、パイル面の高カバリング性、耐白ボケ性、明度差
杢感を発揮するが、特にパイル部を構成する繊維が綿染
め、糸染めあるいは布帛液中染色のいずれかの地染めが
施され、かつ着色プリント、プリント抜染、抜染後着色
プリントまたは抜染剤入り着色プリントされたものによ
り効果を発揮する。これらプリントパイル布帛では、前
記ソフトな風合い、耐毛倒れ性、パイル面の高カバリン
グ性、耐白ボケ性に加えて、優れたプリント発色性を発
揮する。
【0028】パイル布帛のパイル糸は紡績糸の形態でも
よいし、フィラメント糸形態、タスラン等のエァー加工
フィラメント糸形態や仮ヨリ等のフィラメント加工糸形
態、さらには、それら紡績糸とフィラメント糸の複合糸
や交織・交編などの混用形態でもよい。また、パイル布
帛としては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパイ
ル織物、トリコット・ダブルラッセル、シールフライス
等の編物の形態でもよい。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法を次に
示す。
【0030】[杢感]同一規格のパイル布帛を作成し、
パイル布帛の3杢感あるいは3段階霜降り感を目視判定
し、優から不可まで7段階で評価した。
【0031】[プリント発色性]同一規格のパイル布帛
を作成し、地染めのアルカリ抜染性、オーバープリント
や着抜染時のプリントの鮮明性と柄のシャープさを目視
判定し、優から不可までの7段階で評価した。
【0032】[耐毛倒れ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛の上に8cmφ、2kgの重りをのせ
た状態で80℃の熱風乾燥機の中に2時間放置した後、
熱風乾燥機からパイル布帛を取り出し、重りを除いて重
りをのせた部分とのせない部分の状態を目視判定し、優
から不可まで7段階で評価した。
【0033】[カバリング性]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面地割れや虫食いの状態を目視
判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0034】[ソフト風合い]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面の触感を判定し、ソフトから
粗剛まで7段階で評価した。
【0035】[耐白ボケ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛を10×10cmの方形に4枚カット
し上段左に正タテ方向が上下方向になるように置き、上
段右に正ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段左
に逆ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段右に逆
タテ方向が上下方向になるように置いて、種々の角度か
ら目視判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0036】[実施例1]繊維Aとして酸化チタンを
0.04重量%含有した通常のポリエチレンテレフタレ
ートを用いて溶融紡糸、延伸して、2.3デニール、5
1mmの丸断面ステープルを製造した。これとは別に繊
維Bとして酸化チタンを1.6重量%含有した通常のポ
リエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸し
て、2.3デニール、51mmのS形状断面ステープル
を製造した。このステープルのa/b=1.82であっ
た。さらに、繊維Cとして酸化チタンを0.6重量%含
有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融
紡糸、延伸して、2.3デニール、51mmのS形状断
面ステープルを製造した。このステープルのa/b=
0.5であった。前記3種類のステープルを用いて、そ
れぞれ撚係数=3.3で33番手(綿番手)の紡績糸と
した。3種類の紡績糸を上撚係数=2.8で3子撚糸と
し、通常のチーズ染色方法で灰色に染色してパイル糸と
した。また、地糸はポリエステル65重量%、レーヨン
35重量%の33/2(綿番手)の紡績糸を使用し、パ
イル経糸密度=42本/in、地経糸密度=42本/i
n、地緯糸密度=42本/in、パイル長=2.5mm
の条件で二重織モケットを製織した後、毛さばき、剪毛
してパイル布帛を得た。
【0037】得られたパイル布帛はS形状断面ステープ
ルで酸化チタン1.6重量%の糸が淡色、S形状断面ス
テープルで酸化チタン0.6重量%の糸が中色、丸断面
ステープルの糸が濃色の明瞭な3杢感を呈するパイル布
帛であった。さらに、通常のアルカリ抜染、プリント、
乾燥、蒸し、洗浄、乾燥して4色(地部:灰、柄部:
緑、朱、黒)の花柄がプリントされたパイル布帛を得
た。得られたプリントパイル布帛は、地部に明瞭な3杢
感があり、柄部はチーズ染めの染料が抜染時に良く抜
け、その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、
かつ地部とプリント部の境界がシャープないわゆるプリ
ント発色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプ
リントパイル布帛はカバリング性良好で(パイル表面に
虫食い状の未パイル部分がない)、耐毛倒れ性や耐白ボ
ケ性が高く、ソフトな風合いが得られた。
【0038】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1および表2に示す。
【0039】[実施例2]繊維Aとしては実施例1の丸
断面ステープルを使用した。繊維Bとして酸化チタンを
2.3重量%含有した通常のポリエチレンテレフタレー
トを用いて溶融紡糸、延伸して、2.3デニール、51
mmのS形状断面ステープルを製造した。このステープ
ルのa/b=1.82であった。さらに、繊維Cとして
酸化チタンを0.04重量%含有した通常のポリエチレ
ンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、2.3
デニール、51mmのS形状断面ステープルを製造し
た。このステープルのa/b=0.5であった。前記3
種類のステープルを用いて、それぞれ撚係数=3.3で
33番手(綿番手)の紡績糸とする他は実施例1と同様
にしてプリントされたパイル布帛を得た。得られたプリ
ントパイル布帛は、地部の繊維Bを用いた糸が淡色、繊
維Cを用いた糸が中色、繊維Aを用いた糸が濃色の明瞭
な3杢感を有し、柄部はチーズ染めの染料が抜染時に良
く抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色
し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわゆる
プリント発色性良好なパイル布帛が得られた。また、こ
のプリントパイル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒れ
性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが得られた。
【0040】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1および表2に示す。
【0041】[実施例3]繊維A、繊維Bおよび繊維C
としては実施例2で使用したステープルをそれぞれ用
い、繊維Aを22重量%、繊維Bを39重量%および繊
維Cを39重量%混綿して撚係数=3.3で33番手
(綿番手)の紡績糸とし、上撚係数=2.8で3子撚糸
とする他は実施例1と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、地部の繊
維Bが淡色、繊維Cが中色、繊維Aが濃色の明瞭な3段
の霜降り感を有し、柄部はチーズ染めの染料が抜染時に
良く抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着
色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわゆ
るプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。また、
このプリントパイル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒
れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが得られた。
【0042】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1および表2に示す。
【0043】[実施例4]実施例3において、繊維Aを
39重量%、繊維Bを22重量%および繊維Cを39重
量%混綿する他は実施例3と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、地
部の繊維Bが淡色、繊維Cが中色、繊維Aが濃色の明瞭
な3段の霜降り感を有し、柄部はチーズ染めの染料が抜
染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮や
かに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープな
いわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。
また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好で、
耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが得ら
れた。
【0044】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0045】[実施例5]実施例3において、繊維Aを
39重量%、繊維Bを39重量%および繊維Cを22重
量%混綿する他は実施例3と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、地
部の繊維Bが淡色、繊維Cが中色、繊維Aが濃色の明瞭
な3段の霜降り感を有し、柄部はチーズ染めの染料が抜
染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮や
かに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャープな
いわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られた。
また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好で、
耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが得ら
れた。
【0046】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0047】[比較例1]繊維Aとして酸化チタンを
0.04重量%含有した通常のポリエチレンテレフタレ
ートを用いて溶融紡糸、延伸して、2.3デニール、5
1mmの丸断面ステープルを製造した。これとは別に繊
維Bとして酸化チタンを1.4重量%含有した通常のポ
リエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸し
て、2.3デニール、51mmのS形状断面ステープル
を製造した。このステープルのa/b=1.82であっ
た。さらに、繊維Cとして酸化チタンを0.8重量%含
有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融
紡糸、延伸して、2.3デニール、51mmのS形状断
面ステープルを製造した。このステープルのa/b=
0.5であった。
【0048】前記3種類のステープルを用いて、それぞ
れ撚係数=3.3で33番手(綿番手)の紡績糸とする
他は、実施例1と同様にしてプリントされたパイル布帛
を得た。得られたプリントパイル布帛は、プリント発色
性、耐毛倒れ性、耐白ボケ性の面では問題ないが、本発
明の目的である3杢感の面で劣るものであった。
【0049】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0050】[比較例2]実施例3において、繊維Aを
10重量%、繊維Bを45重量%および繊維Cを45重
量%混綿する他は実施例3と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、プ
リント発色性、耐毛倒れ性、耐白ボケ性の面では問題な
いが、本発明の目的である3杢感(霜降り感)の面で劣
るものであった。
【0051】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0052】[比較例3]実施例3において、繊維Aを
45重量%、繊維Bを10重量%および繊維Cを45重
量%混綿する他は実施例3と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、プ
リント発色性、耐毛倒れ性、耐白ボケ性の面では問題な
いが、本発明の目的である3杢感(霜降り感)の面で劣
るものであった。
【0053】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0054】[比較例4]実施例3において、繊維Aを
45重量%、繊維Bを45重量%および繊維Cを10重
量%混綿する他は実施例3と同様にしてプリントされた
パイル布帛を得た。得られたプリントパイル布帛は、プ
リント発色性、耐毛倒れ性、耐白ボケ性の面では問題な
いが、本発明の目的である3杢感(霜降り感)の面で劣
るものであった。
【0055】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明は、無地染めではソフトな風合い
を有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性
が高く、パイル表面に明度差の3杢感を有し、プリント
では前記無地染めの特性に加えてプリント発色性の良好
なパイル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のS形状断面繊維の一例で、断面の縦お
よび横の長さを説明する説明図である。
【図2】本発明の変形S形状断面繊維における断面の縦
および横の長さを説明する説明図である。
【図3】本発明の他のS形状断面繊維の断面を示す模式
的断面図である。
【図4】本発明の他のS形状断面繊維で、艶消剤を多量
に含む繊維を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
a:S形状断面繊維の断面の縦の長さ b:S形状断面繊維の断面の横の長さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル布帛のパイル部構成繊維に丸断面繊
    維とS形状断面繊維を含むパイル布帛であって、丸断面
    繊維Aを20重量%以上、S形状断面繊維で艶消剤1.
    5重量%以上の繊維Bを20重量%以上、およびS形状
    断面繊維で艶消剤0.7重量%以下の繊維Cを20重量
    %以上含むことを特徴とするパイル布帛。
  2. 【請求項2】S形状断面繊維の断面の縦/横の長さ比a
    /bが0.5〜3.5の範囲であることを特徴とする請
    求項1に記載のパイル布帛。
  3. 【請求項3】パイル部構成繊維の単繊維繊度が1.5〜
    6デニールであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のパイル布帛。
  4. 【請求項4】少なくともパイル部を構成する繊維がポリ
    エステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のパイル布帛。
  5. 【請求項5】パイル部構成繊維に着色プリントが施され
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のパイル布帛。
  6. 【請求項6】パイル部構成繊維が綿染め、糸染めあるい
    は布帛液中染色のいずれかの地染めが施され、かつ、着
    色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリントまたは
    抜染剤入り着色プリントのいずれかが施されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパイル布
    帛。
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