JPH11117145A - パイル布帛 - Google Patents

パイル布帛

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JPH11117145A
JPH11117145A JP9280354A JP28035497A JPH11117145A JP H11117145 A JPH11117145 A JP H11117145A JP 9280354 A JP9280354 A JP 9280354A JP 28035497 A JP28035497 A JP 28035497A JP H11117145 A JPH11117145 A JP H11117145A
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pile
pile fabric
section
fiber
shaped cross
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JP9280354A
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Masumi Fujimoto
倍巳 藤本
Jinroku Miyamoto
仁六 宮本
Yoshihiro Konno
吉宏 近野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、
パイル面のカバリング性が高く、プリントでは発色性の
良好なパイル布帛を提供すること。 【解決手段】パイル部に少なくとも20重量%のS形状
断面繊維を含むことを特徴とするパイル布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内装用、カー
テン・椅子張り等の家庭内装用、オフィス内装用、展示
場内装用、ホットカーペットカバー用、衣料用等に使用
するパイル布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両内装用の布帛としては織物、
編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など種々
の布帛が使用されている。この中で特に多く使用されて
いる布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコッ
トの起毛布帛、ダブルラッセル編物がある。
【0003】これらパイル布帛の改良についても、例え
ば、特開平5−321060号公報に見られるように使
用時に毛倒れしないように収縮率の異なる繊維を混用す
る方法が提案されている。
【0004】また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良
するため、例えば、特開昭62−268855号公報、
特開昭63−105143号公報では、パイル糸として
用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分
より濃く染まりやすいような成分を使用したものであ
る。
【0005】さらに、シルク調パイル布帛を得るため、
例えば、特公平6−21398号公報では変形十字ある
いはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用するこ
とが提案されている。特開昭62−21842号公報、
特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフ
トな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも
提案されている。
【0006】さらにまた、特開昭63−126941号
公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛
を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントか
らなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィ
ラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ
繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラ
メントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に
凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】しかしながら、上記いずれの従来技術にお
いても、ソフトな風合いを有しながら、耐毛倒れ性が良
好で、かつパイル面のカバリング性が高く、しかもプリ
ント発色性に優れるという特性を兼ね備えたパイル布帛
は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無地染めで
はソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル
面のカバリング性が高く、プリントでは前記無地染めの
特性に加えてプリント発色性の良好なパイル布帛を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、以下の構成を有する。
【0010】すなわち、パイル部に少なくとも20重量
%のS形状断面繊維を含むことを特徴とするパイル布帛
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明のパイル布帛は、パイル部構成繊維
にS形状断面(当然のことであるがS形状断面は、繊維
の長さ方向の見る方向によってZ形状断面になるが、以
下S形状断面と称す)繊維を含むものである。
【0013】図1は、本発明のパイル布帛を構成するS
形状断面繊維の断面の一例を示す説明図である。本発明
のパイル布帛のパイル部構成繊維に含まれるS形状断面
繊維の割合は、20〜100重量%とすることが重要
で、より好ましくは50〜100重量%である。20重
量%未満では本発明の狙いであるソフトな風合いを有
し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性が高
く、プリント発色性の良好なパイル布帛が得難くなり、
特にプリント発色性が低くなる。
【0014】ここでいうプリント発色性とは、通常のオ
ーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後の
オーバープリントの発色性や柄のシャープさ、地染め後
の抜染での染料の抜け易さ、地染め抜染後のプリントで
の発色性や柄のシャープさ、地染め後の着抜プリントで
の発色性や柄のシャープさのことである。
【0015】本発明のパイル布帛のプリント発色性が良
好な理由は、従来の丸断面性繊維などと比較下に解析し
た結果、S形状断面はプリント糊がパイルの深さ方向に
深く浸透し、多量に付着し易い形状であり、そのため、
いわゆる糊食い性がよいことや、S形状断面にすること
によってパイルがよく分散し立毛するため、プリント糊
がいずれのパイルにも均一に付着し易いためであると考
えられる。
【0016】また、プリントでは液中染色に比べて繊維
表面のみが染色されるいわゆるリング染色と呼ばれる状
態になる。しかし、本発明のS形状断面繊維では繊維の
断面方向の肉厚が丸断面繊維に比べて薄いため、例えリ
ング染色状態になっても繊維内部まで染料が拡散されて
未染色部分が少なくなることや、地染め後の抜染で抜染
剤が繊維内部まで拡散されて未抜染部分が少なくなると
いう作用がある。
【0017】前記S形状断面の形状は、本発明の風合
い、耐毛倒れ性、パイル面のカバリング性、プリント発
色性に影響する重要な要素である。本発明においては、
S形状断面の縦方向の長さaと横方向の長さbとの比、
すなわち、縦/横の長さ比a/bが0.5〜3.5の範
囲であることが好ましく、より好ましくは0.8〜2.
5の範囲である。
【0018】ここでいうS形状断面の縦方向の長さaお
よび横方向の長さbとは、図1で示すように、まず接線
L1、L2を引き、接線L1に垂直でS形状断面に接す
る線M1、M2を引いて、接線L1と接線M1、M2の
交点間の距離を縦方向の長さaとし、接線M1と接線L
1、L2の交点間の距離を横方向の長さbとする。接線
L1とL2が平行にならない場合は、図2に示すよう
に、まず接線L3、L4を引き、接線L3に垂直でS形
状断面に接する線M3、M4を引いて、接線L3と接線
M3、M4の交点間の距離a1と接線L4と接線M3、
M4の交点間の距離a2を求めてその平均値、すなは
ち、(a1+a2)/2を縦方向の長さaとし、接線M
3と接線L3、L4の交点間の距離b1と接線M4と接
線L3、L4の交点間の距離b2を求めてその平均値、
すなはち、(b1+b2)/2を横方向の長さbとす
る。
【0019】S形状断面の縦/横の長さ比a/bが0.
5未満では、例えば、図3のように扁平面が多くなり、
白ぼけと称する現象が発生し易い傾向にあり、かつ扁平
度が高くなって耐毛倒れ性が低下する傾向にある。ま
た、S形状断面の縦/横の長さ比a/bが3.5を越え
ても扁平面が多くなり、白ぼけと称する現象が発生し易
い傾向にあり、かつ扁平度が高くなって耐毛倒れ性が低
下し易い傾向にある。
【0020】なお、S形状断面の縦/横の長さ比a/b
はパイルの電子顕微鏡断面写真(倍率は1000倍)を
とり、その写真からa、bの長さを測定して、断面20
個所の平均を求めたものである。
【0021】S形状断面繊維は、例えば、熱可塑性樹脂
を紡糸する際に、紡糸口金の孔の形をS字状にしたもの
を使用して紡糸、延伸することによって得ることができ
る。本発明のパイル布帛において、S形状断面繊維の単
繊維繊度は1.5〜6デニールが好ましい。より好まし
くは2〜3.5デニールである。1.5デニール未満で
はソフトな風合いは得られるが、毛倒れし易くなる傾向
があり、かつS形状断面繊維の断面方向の肉厚が薄くな
って、繊維のささくれ現象であるいわゆるフィブリル化
し易くなる傾向がある。また、6デニールを越えると繊
維の曲げ剛性が高くなってソフトなパイル布帛が得られ
難くなる傾向がある。特に、パイル布帛が車両用に用い
られる場合、パイルとしては風合い、耐毛倒れ性が重要
な要求特性となる。
【0022】S形状断面繊維においても、扁平度が高く
なると繊維側面に扁平な面がパイル表面に現れやすくな
り、光がパイル面に当たると鏡面反射しやすく、見る方
向によって鏡面反射光つまり白色光が高くなる傾向があ
り、白ボケと呼ばれる現象を生じ易い傾向がある。そう
した白ボケを防止する観点から、本発明においてパイル
部を構成するS形状断面繊維に酸化チタンなどの艶消剤
を0.01重量%以上含有させることは好ましい。上限
はその要求に応じて適宜設定すればよいが、紡糸工程に
おける工程安定性の観点から7重量%以下が好ましい。
【0023】パイル布帛のパイル部を構成するS形状断
面繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアク
リルなどの合成繊維であれば特に限定されないが、車両
用としては特に耐光性が要求されるためポリエステルか
らなるものが好ましい。
【0024】また、パイル部を構成する繊維としてS形
状断面繊維以外の断面の繊維やその他の繊維を混用する
ことができ、その場合、他の繊維として、ウール、コッ
トン、シルクなどの天然繊維、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリルなどの合成繊維、半合成繊維など特に
限定されないが、車両用としては特に耐光性が要求され
るためポリエステルからなる繊維を混用するのが好まし
い。
【0025】本発明のパイル布帛は無地染めであって
も、通常の着色プリントであってもソフトな風合い、耐
毛倒れ性、パイル面の高カバリング性、耐白ボケ性を発
揮するが、特にパイル部を構成する繊維が綿染め、糸染
めあるいは布帛液中染色のいずれかの地染めが施され、
かつ着色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリント
または抜染剤入り着色プリントされたものにより効果を
発揮する。これらプリントパイル布帛では、前記ソフト
な風合い、耐毛倒れ性、パイル面の高カバリング性、耐
白ボケ性に加えて優れたプリント発色性を発揮する。
【0026】パイル布帛のパイル糸は紡績糸の形態でも
よいし、フィラメント糸形態、タスラン等のエァー加工
フィラメント糸形態や仮ヨリ等のフィラメント加工糸形
態、さらには、それら紡績糸とフィラメント糸の複合糸
や交織・交編などの混用形態でもよい。また、パイル布
帛としては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパイ
ル織物、トリコット・ダブルラッセル、シールフライス
等の編物の形態でもよい。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法を次に
示す。
【0028】[プリント発色性]同一規格のパイル布帛
を作成し、地染めのアルカリ抜染性、オーバープリント
や着抜染時のプリントの鮮明性と柄のシャープさを目視
判定し、優から不可までの7段階で評価した。
【0029】[耐毛倒れ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛の上に8cmφ、2kgの重りをのせ
た状態で80℃の熱風乾燥機の中に2時間放置した後、
熱風乾燥機からパイル布帛を取り出し、重りを除いて重
りをのせた部分とのせない部分の状態を目視判定し、優
から不可まで7段階で評価した。
【0030】[カバリング性]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面地割れや虫食いの状態を目視
判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0031】[ソフト風合い]同一規格のパイル布帛を
作成し、パイル布帛の表面の触感を判定し、ソフトから
粗剛まで7段階で評価した。
【0032】[耐白ボケ性]同一規格のパイル布帛を作
成し、パイル布帛を10×10cmの方形に4枚カット
し上段左に正タテ方向が上下方向になるように置き、上
段右に正ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段左
に逆ヨコ方向が左右方向になるように置き、下段右に逆
タテ方向が上下方向になるように置いて、種々の角度か
ら目視判定し、優から不可まで7段階で評価した。
【0033】[実施例1]酸化チタンを0.04重量%
含有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて溶
融紡糸、延伸して、2.7デニール、51mmのS形状
断面ステープルを製造した。このステープルのa/b=
1.82であった。これとは別に、酸化チタン2.3重
量%含有のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡
糸、延伸して、2.7デニール、51mmの丸断面形状
ステープルを製造した。前記S形状断面ステープルを2
0重量%、丸断面形状ステープルを80重量%混綿し、
下撚係数=3.2、上撚係数=3.4で24/2(綿番
手)の紡績糸とし、通常のチーズ染色方法で灰色に染色
してパイル糸とした。また、地糸はポリエステル65重
量%、レーヨン35重量%の30/2(綿番手)の紡績
糸を使用し、パイル経糸密度=42本/in、地経糸密
度=42本/in、地緯糸密度=42本/in、パイル
長=2.5mmの条件で二重織モケットを製織した後、
毛さばき、剪毛してパイル布帛を得た。得られたパイル
布帛を通常のアルカリ抜染、プリント、乾燥、蒸し、洗
浄、乾燥して3色(地部:灰、柄部:紺、青)の幾何学
模様がプリントされたパイル布帛を得た。得られたパイ
ル布帛は、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、その
上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ地部
とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発色
性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリントパ
イル布帛はカバリング性良好で(パイル表面に虫食い状
の未パイル部分がない)、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高
く、ソフトな風合いが得られた。
【0034】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0035】[実施例2]実施例1で製造したS形状断
面ステープルのみを使用して24/2(綿番手)の紡績
糸とする他は、実施例1と同様にしてプリントされたパ
イル布帛を得た。得られたパイル布帛は、チーズ染めの
染料が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の
色が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシ
ャープないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得
られた。また、このプリントパイル布帛はカバリング性
良好で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合
いの面でも優れたものであった。
【0036】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0037】[実施例3]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=0.4
とする他は実施例1と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、S形状断面ステー
プルの扁平度が高いため耐毛倒れ性や耐白ボケ性がやや
低いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、そ
の上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ地
色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発
色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリント
パイル布帛はカバリング性良好で、ソフトな風合いが得
られた。
【0038】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0039】[実施例4]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=0.5
とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが
得られた。
【0040】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0041】[実施例5]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=3.5
とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが
得られた。
【0042】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0043】[実施例6]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、ステープルのa/b=3.7
とする他は実施例1と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、S形状断面ステー
プルの扁平度が高いため耐毛倒れ性や耐白ボケ性がやや
低いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、そ
の上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ地
色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発
色性良好なパイル布帛が得られた。またソフトな風合い
のパイル布帛であった。
【0044】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0045】[実施例7]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を1.4デニール
とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、耐毛倒れ性がやや
低いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く抜け、そ
の上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色し、かつ地
色とプリント部の境界がシャープないわゆるプリント発
色性良好なパイル布帛が得られた。また、このプリント
パイル布帛はカバリング性良好で、耐白ボケ性が高く、
ソフトな風合いが得られた。
【0046】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0047】[実施例8]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を1.6デニール
とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが
得られた。
【0048】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0049】[実施例9]S形状断面ステープル製造時
に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を5.8デニール
とする他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル
布帛を得た。得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部の色が
鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャー
プないわゆるプリント発色性良好なパイル布帛が得られ
た。また、このプリントパイル布帛はカバリング性良好
で、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合いが
得られた。
【0050】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0051】[実施例10]S形状断面ステープル製造
時に紡糸口金のみを変更し、単繊維繊度を6.1デニー
ルとする他は実施例1と同様にしてプリントされたパイ
ル布帛を得た。得られたパイル布帛は、パイル面の風合
いがやや固いものの、チーズ染めの染料が抜染時に良く
抜け、その上にプリントした柄部の色が鮮やかに着色
し、かつ地色とプリント部の境界がシャープないわゆる
プリント発色性良好なパイル布帛が得られた。また、こ
のプリントパイル布帛はカバリング性良好で、耐毛倒れ
性や耐白ボケ性が高いものであった。
【0052】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0053】[実施例11]パイル糸として酸化チタン
を0.04重量%含有した通常のポリエチレンテレフタ
レートを用いて溶融紡糸、延伸してS形状断面の75D
デニール、36フィラメントのフィラメント糸を製造し
た。このフィラメント糸のa/b=1.7であった。得
られたフィラメント糸を2本引揃えて250T/mの追
撚してフロント糸とした。これとは別に地糸用としてミ
ドル糸およびバック糸ともに酸化チタンを0.04重量
%含有した通常のポリエチレンテレフタレートを用いて
溶融紡糸、延伸して得られた75Dデニール、36フィ
ラメントの丸断面フィラメント糸を使用した。得られた
パイル糸および地糸を用いて、フロント1/6、ミドル
1/1、バック1/2、生機密度ウエール28コ/i
n、コース60コ/inのトリコットを編成した。得ら
れた生機を通常の染色加工で灰色の無地染めパイルトリ
コット地とした後、剪毛パイル化、毛さばきしたとこ
ろ、パイル長2.5mm、ウエール34コ/in、コー
ス62コ/in、目付615g/m2 で、カバリング性
良好、耐毛倒れ性や耐白ボケ性が高く、ソフトな風合い
の無地染めパイル布帛が得られた。
【0054】[比較例1]酸化チタン2.3重量%含有
のポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸
して、2.7デニール、51mmの丸断面形状ステープ
ルを製造し、この丸断面形状ステープルのみを使用する
他は実施例2と同様にしてプリントされたパイル布帛を
得た。得られたパイル布帛は、耐毛倒れ性は良好である
が、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難く、くすんだ色
のプリントで、カバリング性も低く、風合い的にやや粗
剛感があり、パイル布帛としては品質的に劣るものであ
った。 パイル布帛に使用した原綿特性とプリントパイ
ル布帛特性を表1に示す。
【0055】[比較例2]実施例1でS形状断面ステー
プルを10重量%、丸断面形状ステープルを90重量%
混綿する他は、実施例1と同様にしてプリントされたパ
イル布帛を得た。得られたパイル布帛は、耐毛倒れ性は
良好であるが、チーズ染めの染料が抜染時に抜け難く、
くすんだ色のプリントで、カバリング性も低く、風合い
的にやや粗剛感がありパイル布帛としては品質的に劣る
ものであった。
【0056】パイル布帛に使用した原綿特性とプリント
パイル布帛特性を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のパイル布帛はS形状断面繊維を
パイル構成繊維の20重量%以上使用することにより、
ソフトな風合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面
のカバリング性が高く、プリントでは発色性の良好なパ
イル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のS形状断面繊維の一例で、断面の縦お
よび横の長さを説明する説明図である。
【図2】本発明の変形S形状断面繊維における断面の縦
および横の長さを説明する説明図である。
【図3】本発明の他のS形状断面繊維の断面を示す模式
的断面図である。
【符号の説明】
a:S形状断面繊維の断面の縦の長さ b:S形状断面繊維の断面の横の長さ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル部に少なくとも20重量%のS形状
    断面繊維を含むことを特徴とするパイル布帛。
  2. 【請求項2】S形状断面繊維の断面の縦/横の長さ比a
    /bが0.5〜3.5の範囲であることを特徴とする請
    求項1に記載のパイル布帛。
  3. 【請求項3】パイル部構成繊維の単繊維繊度が1.5〜
    6デニールであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のパイル布帛。
  4. 【請求項4】少なくともS形状断面繊維が艶消剤を0.
    01重量%以上含んでいることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のパイル布帛。
  5. 【請求項5】少なくともパイル部を構成する繊維がポリ
    エステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のパイル布帛。
  6. 【請求項6】パイル部構成繊維に着色プリントが施され
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のパイル布帛。
  7. 【請求項7】パイル部構成繊維が、綿染め、糸染め、あ
    るいは布帛液中染色のいずれかの地染めが施され、か
    つ、着色プリント、プリント抜染、抜染後着色プリント
    または抜染剤入り着色プリントのいずれかが施されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパ
    イル布帛。
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