JP3197671B2 - タスラン布帛 - Google Patents

タスラン布帛

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JP3197671B2 JP09831793A JP9831793A JP3197671B2 JP 3197671 B2 JP3197671 B2 JP 3197671B2 JP 09831793 A JP09831793 A JP 09831793A JP 9831793 A JP9831793 A JP 9831793A JP 3197671 B2 JP3197671 B2 JP 3197671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーシートあるいはカ
ーペットなどに好適な布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーペットや椅子張地、カーシー
トなどの自動車内装用途などにポリエステルタスラン糸
からなる織物(以下タスラン織物と称する)が広く用い
られている。近年、特に消費者の高級化志向が高まるに
つれ、これらの自動車内装用織物に対しても、色数の少
ない単調な柄物よりも、多色化し、より複雑で個性的な
デザインが要求されるようになってきている。
【0003】従来、これらのタスラン織物における多色
化の方法としては、あらかじめ糸の状態で染められた先
染め糸を用いるか、あるいは染色特性の異なる繊維、例
えば通常のポリエステル、カチオン染料可染型ポリエス
テルおよびナイロンを用いて分散染料、カチオン染料、
および酸性染料で各々染め分ける方法などが行われてい
る。
【0004】ところで、先染め糸をツー・フィード・タ
スラン加工に供すると、芯側および鞘側のどちらに使用
するかにかかわらず、反染めでは得ることのできない、
複雑で多色感に富んだ製品を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、反面、先染め
糸は製造工程も複雑でコストが高くなるばかりでなく、
均一な染色自体困難であるため、色斑が発生しやすく、
高品位の製品を得ることは困難であった。
【0006】また、染色特性の異なる繊維としてポリエ
ステル以外のものを使用した場合は、一般に耐光堅牢度
や耐候強度が低くなり、カーペットあるいは自動車内装
用途としての機能を満足しえないという問題があるばか
りでなく、色数についても高々2〜3色に限定されるた
め、得られる布帛において高級感に欠けるという解決す
べき課題が残されていた。
【0007】従って、本発明は、反染めによる複雑で多
色感に富んだ高級感を有し、かつ耐光堅牢度や耐候強度
に優れた、カーペットあるいは自動車内装用途に好適な
タスラン布帛を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、分散染料に可
染性のポリエステルに顔料を分散して得られた原着ポリ
エステル糸A、分散染料に可染性の非原着ポリエステル
糸B、およびカチオン染料に可染性の非原着ポリエステ
ル糸Cの3種類の糸条からなり、これら3種類の糸条が
それぞれ芯糸および/または鞘糸としてタスラン加工を
施されており、これらの糸条の布帛構成比率が、布帛の
全重量に対して、Aが5〜30重量%、Bが50〜90
重量%、Cが5〜40重量%(A+B+C=100)で
あり、かつ布帛全体が追加染色されていることを特徴と
するタスラン布帛である。
【0009】本発明で用いる分散染料に可染性のポリエ
ステルは、カチオン染料には実質的に不染性のポリエス
テルであって、ジカルボン酸成分およびグリコール成分
の各々の80モル%以上が、テレフタル酸およびアルキ
レングリコールからなるポリアルキレンテレフタレート
を対象とするものであり、実質的にポリエチレンテレフ
タレートまたはポリブチレンテレフタレートからなるこ
とが特に望ましい。
【0010】また、カチオン染料に可染性のポリエステ
ルとしては、前記ポリエステルに、例えば5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸成分を0.1〜10モル%共重合
したものが挙げられ、具体的には、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチルまたは5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジエチルを1.0〜5.0モル%共重合した
ものが特に望ましい。
【0011】原着ポリエステルとは、前記分散染料に可
染性のポリエステルに各種顔料を添加分散させたもので
あり、その顔料としては、従来公知のアゾレーキ系、ベ
ンゾイミダゾロン系、ジアソライド系、縮合アゾ系、キ
ナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、
バット系、フタロシアニン系などからなる各種有機顔
料、またはチタンイエロー、酸化鉄、コバルトブルー、
酸化クロム、硫化カドミウム、カーボンブラックなどか
らなる各種無機顔料が使用でき、その他一般にポリエス
テルの着色に使用しうる公知の色素あるいはそれらの混
合物はいずれも使用できる。
【0012】本発明においては、カーペットあるいは自
動車内装用途の布帛として良好で、しかも高級感ある風
合いを付与するため、原糸の段階にてツー・フィード・
タスラン加工を施すものであるが、この場合、原着糸の
使用は、その芯糸、鞘糸にかかわらず、任意の部位に使
用することができる。もちろん、芯鞘の両方に使用して
も差し支えない。
【0013】ただし、細かい多色表現を考える上では、
芯あるいは鞘のいずれかに非原着のポリエステル糸(B
およびC)を用い、他方の、鞘あるいは芯に原着ポリエ
ステル糸を用いてタスラン加工を施し、最終的に布帛を
形成したのちにさらに追加的に分散染料およびカチオン
染料で染色するのが好ましい。これにより、布帛中大半
を占める非原着糸BおよびCの部分が鮮明に染色されつ
つ、これに原着糸Aの色調が加味され、二回の染色工程
で少なくとも3色以上の多色感に富み、しかも高級感の
あるタスラン布帛が得られるからである。
【0014】本発明のタスラン布帛においては、分散染
料に可染性のポリエステルに顔料を分散して得られた原
着ポリエステル糸Aの割合が5〜30重量%であること
が必要である。原着ポリエステル糸Aの割合が5重量%
未満の場合は、コスト安とはなるが、多色表現が困難と
なり原着糸を使用する意義が失われる。一方、30重量
%を超えると反染めによって色の変化する部分の割合が
小さくなるので、鮮明染色感が低下するとともに色変更
幅が狭くなって好ましくないことや、原着糸の割合が多
くなるのでコスト高となる。
【0015】また、分散染料に可染性の非原着ポリエス
テル糸B(カチオン染料に不染性)の割合は50〜90
重量%である必要がある。この割合が50重量%未満で
は、布帛全体の強度が低下したり、コスト高となって好
ましくない。一方、90重量%を超えると、相対的に原
着糸A、カチオン染料に可染性の非原着ポリエステル糸
Cの使用量が減少し、多色表現が困難となる。
【0016】さらに、カチオン染料に可染性の非原着ポ
リエステル糸Cの割合は、5〜40重量%であることが
必要である。この割合が5重量%未満では、多色表現が
困難となることや鮮明染色部分の割合が少なくなるので
好ましくない。一方、40重量%を超えると耐光性およ
び耐候強度が低下したり、コスト高となって好ましくな
い。
【0017】本発明の布帛の製造にあたっては、前記3
種類のポリエステル糸を用いて、ツー・フィード・タス
ラン加工を施したのち、製織または製編し、さらに染色
すればよい。さらに詳しくは、ツー・フィード・タスラ
ン加工時には、例えばデリベリーローラー速度70〜1
0m/分として、芯糸を70〜110m/分、鞘糸を1
15〜220m/分で供給すればよい。
【0018】このようにして得られたツー・フィード・
タスラン加工糸は、製織または製編されて布帛が作成さ
れる。このようなツー・フィード・タスラン加工糸を用
いた織物の構成例を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】次に、得られた布帛は、精練、リラックス
処理に続いて、カチオン染料および分散染料で追加染色
を施される。
【0021】
【作用】本発明のタスラン布帛は、原着糸を含む布帛を
さらにカチオン染料および分散染料で追加染色を施され
ているため、従来、反染めでは得られなかった複雑で多
色感に富む布帛であり、ポリエステル糸からなるため耐
光堅牢度および耐候強度に優れ、カーペット、自動車内
装用途素材として好適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、「%」は「重量%」を示
す。 実施例1 A1:通常の分散染料に可染性のポリエチレンテレフタ
レートに縮合アゾ系赤色顔料を1.0%含有させた赤色
原着ポリエステル糸(75デニール/24フィラメン
ト)、 A2:A1と同じポリエステルにフタロシアニン系青色
顔料を1.0%含有させた青色原着ポリエステル糸(7
5デニール/24フィラメント)、 A3:A1と同じポリエステルにアンスラキノン系黄色
顔料を1.0%含有させた黄色原着ポリエステル糸(7
5デニール/24フィラメント)、の3種類の原着ポリ
エステル糸、および C1:カチオン染料に可染性の非原着ポリエチレンテレ
フタレート糸(75デニール/36フィラメント)の合
計4種類の糸条を鞘糸とし、芯糸側には B1:分散染料に可染性の非原着ポリエチレンテレフタ
レート糸(150デニール/48フィラメント)を3本
合糸したものを用い、芯糸を100m/分、鞘糸を18
0m/分で供給し、70m/分で巻き取って、トータル
デニールが1,000デニールの多色のツー・フィード
・タスラン糸を得た。
【0023】得られたタスラン糸を経糸、緯糸の両方に
用い、織密度、経105本/10cm、緯115本/1
0cmの平織りにて織物を形成した。その際の各糸の重
量比率を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】得られた原反をカチオン染料にて緑色に染
色したのち、グレー系分散染料にてさらに追加染色を施
し、仕上げを行った。得られた製品は原着ポリエステル
糸の赤、青、黄およびカチオン染料の緑色の4色がグレ
ー地の中に多彩な細かい色模様として現出し、高級感の
ある品位の高いものであった。また、耐光堅牢度、耐候
強度ともに優れており、カーペット、自動車内装用素材
として充分に使用に耐えるものであった。
【0026】実施例2〜4、比較例1〜4 原着ポリエステル糸(A1+A2+A3)、分散染料に
可染性の非原着ポリエステル糸(B1)、およびカチオ
ン染料可染性の非原着ポリエステル糸の使用比率を表3
に記載のように変更するほかは、実施例1と同様にして
タスラン布帛原反を作成した。次いで、得られた原反を
実施例1と同様に染色、仕上げを行い、タスラン織物製
品を得た。得られた製品の評価結果を表3に併せて示
す。
【0027】
【表3】
【0028】表3にみるとおり、得られた製品のうち、
本発明のタスラン織物はいずれも多彩な色模様が高級感
をかもしだしており、品位も高く耐光堅牢度も良好であ
った。これに対して、本発明以外のタスラン織物は、原
着糸(A1+A2+A3)の使用量が少ないので多色表現が困難
(比較例1)、分散染料可染性の非原着糸(B1) の使用
量が少ないので布帛強度が不充分(比較例2)、カチオ
ン染料可染性の非原着糸(C1)の使用量が多すぎ耐光堅牢
度が不充分(比較例3)、原着糸(A1+A2+A3)の使用量が
多く染色による色変更範囲が狭い(比較例4)という諸
欠点を有するものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、反染めにより得られた
複雑で多色感に富み、かつ耐光堅牢度や耐候強度に優れ
た、カーペットあるいは自動車内装用途などに好適なタ
スラン布帛を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−281050(JP,A) 特開 昭57−21526(JP,A) 特開 昭55−158329(JP,A) 特開 昭54−131062(JP,A) 特開 昭63−227826(JP,A) 特開 昭57−121632(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 3/87 D06P 3/52 D06P 3/854

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散染料に可染性のポリエステルに顔料
    を分散して得られた原着ポリエステル糸A、分散染料に
    可染性の非原着ポリエステル糸B、およびカチオン染料
    に可染性の非原着ポリエステル糸Cの3種類の糸条から
    なり、これら3種類の糸条がそれぞれ芯糸および/また
    は鞘糸としてタスラン加工を施されており、これらの糸
    条の布帛構成比率が、布帛の全重量に対して、Aが5〜
    30重量%、Bが50〜90重量%、Cが5〜40重量
    %(A+B+C=100)であり、かつ布帛全体が追加
    染色されていることを特徴とするタスラン布帛。
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CN106367980A (zh) * 2016-09-26 2017-02-01 北京珑景科技发展有限公司 一种纺织品材料的生产方法,以及其产品作为医用包装材料的应用
EP3587638B1 (en) * 2018-06-29 2021-05-19 Dongguan Shichang Metals Factory Ltd. Woven fabric for seats

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