JP2521055Y2 - 原着立毛布帛 - Google Patents

原着立毛布帛

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JP2521055Y2
JP2521055Y2 JP1990062986U JP6298690U JP2521055Y2 JP 2521055 Y2 JP2521055 Y2 JP 2521055Y2 JP 1990062986 U JP1990062986 U JP 1990062986U JP 6298690 U JP6298690 U JP 6298690U JP 2521055 Y2 JP2521055 Y2 JP 2521055Y2
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太郎 村田
勉 成瀬
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鐘紡株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は原着糸を立毛部に用いた布帛に関する。詳し
くは、発色性と耐光性に優れ、自動車内装材等の用途に
適した原着立毛布帛に関する。
(従来の技術) 立毛布帛は、衣服の他に椅子やソファーなどの家具,
カーシート等の自動車内装材としても用いられている。
自動車内装材の素材としては、耐光性に比較的良好なポ
リエステル繊維が多く用いられている。しかし近年、ポ
リエステル繊維を用いた立毛布帛も、自動車内装材とし
ての品位向上の要求が強くなって来ている。具体的に
は、発色性が良好で、且つ高温下に於る長時間紫外線照
射後でも変褪色のない立毛布帛の提供が望まれている。
染色による、発色性の優れたポリエステル繊維からな
る立毛布帛としては特開平1-306646号公報に、実質的に
ポリエチレンテレフタレートからなり、鞘部にのみポリ
エチレンテレフタレートより高屈折率の無機粒子を含有
し、光沢度が250〜450%、反射率が75〜87%の芯鞘複合
繊維をパイル糸として用いたパイル布帛が開示されてい
る。しかし染料を用いると、苛酷な紫外線照射条件下で
の変褪色は避けられない。又鞘部に用いる高屈折率の顔
料が酸化チタンの場合、酸化チタンそのものは物性変化
しないものの、酸化チタンが触媒的作用をして染料やポ
リマーの物性変化を促進し、変褪色を大きくする恐れが
ある。故に、着色については染色法から顔料混合の原着
法へ移行しつつある。
原着繊維の製造方法としては、重合工程時に所定濃度
の顔料を混合して得られたポリエステルチップをそのま
ま溶融して紡糸する方法,高濃度に顔料を混合して得た
ポリエステルのマスターチップを通常のポリエステルチ
ップとチップブレンドして溶融紡糸する方法がある。し
かし前者は色斑発生はないが二酸化チタンやカーボンブ
ラック等の耐熱性が良い顔料に制限され、又重合釜を著
しく汚染する為専用の釜を必要としたり、釜の洗浄に多
大の労力を要するなどの欠点がある。後者は、所定濃度
となる様に一定比率にチップブレンド希釈する際に混合
バラツキを生じ易く、得られる繊維に色斑を生じ、立毛
布帛の立毛部の色が不均一になるという欠点がある。特
公昭63-64531号公報等の如く、顔料をビヒクルと混合し
スラリーとし、これを溶融ポリマー中に圧入し、混練紡
糸する方法もある。しかし、色斑発生はし難いが、繊維
中にビヒクルという液状第3成分を含有することにな
り、これが耐熱性,耐光性に悪影響を及ぼすことが多
い。
又、以上の原着繊維に関する従来技術はいずれも繊維
中に一様に混合するもので、繊維表面近くにある顔料が
有機系顔料の如き、耐光性に比較的劣る顔料の場合は、
変褪色が無機顔料より劣ることが考えられる。一方無機
顔料は二酸化チタンやカーボンブラックを除くと0.5μ
以下といった微粒子とし難く紡糸操業性低下やフィッシ
ュ・アイの原因となることもある。
(本考案が解決しようとする問題点) 本考案者等は、自動車内装材として用いる立毛布帛
の、立毛部の原着繊維の上記の如き欠点を改善し、発色
性と耐光性に優れた立毛部を有する原着立毛布帛を提供
せんと、鋭意研究の結果、本考案に到達したのである。
(問題点を解決する為の手段) 本考案の原着立毛布帛は、高濃度に顔料を含むポリエ
ステルを芯部に、顔料をほとんど含まないポリエステル
を鞘部に配置した芯鞘型複合繊維を立毛糸として用いて
なることを特徴とする。
立毛糸に用いる顔料は無機系であっても、有機系であ
っても良いが、有機系顔料の場合に本考案の効果は顕著
となる。有機系顔料は粒子径を小さくすることが容易で
あり、溶融紡糸の操業安定性が高く、又発色性が良い
が、無機系顔料に比べると耐光性が比較的劣る。しかし
乍ら本考案の如く、顔料含有ポリマーの芯部を、ポリエ
ステルの鞘部で被覆することにより光劣化を防止するこ
とが出来るのである。
立毛糸の芯鞘型複合糸の鞘部の厚さは発色度と紫外線
の浸透度に関係する。芯部と鞘部の容積比で表わすと
芯:鞘=1:1〜1:10が好ましく、1:2〜1:6がより好まし
い。鞘部の比率が大きすぎると発色度が低下し、芯部顔
料混合率を大きくする必要があり、紡糸操業性を低下さ
せることもある。一方、芯部の比率を上げると、鞘部の
厚さが小さくなり紫外線の芯部にまで透過する量が多く
なり、顔料の変色を生じる場合がある。
立毛糸の芯鞘型複合糸の芯部の顔料含有ポリエステル
を、顔料を含まないポリエステルで被覆すると、全体と
しての顔料混合率は、一様均一混合した場合の顔料混合
率よりも高くする必要があるかと考えられるが、実際に
は芯鞘型とした方が、全体としての顔料混合率を同等か
むしろ低くすることが出来ることが判った。その理由は
不明だが、芯の高濃度の色調が出ているものと推察され
る。
本考案における芯鞘部の顔料濃度はこれらの容積比に
もよるが、通常顔料全体の60重量%以上、好ましくは80
重量%以上が立毛糸の芯鞘型複合糸の芯部に含有され、
鞘部は顔料をほとんど含まない。溶融紡糸の際のポリマ
ー流動性向上の為に二酸化チタン等を0.1%以下程度含
有しても良いが、出来る限り含有しないことが好まし
い。但し鞘部に紫外線吸収剤を含むことはむしろ好まし
い。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系,ベ
ンゾフェノン系及びそれらの混合物が好ましい。
立毛糸の繊維の断面形状は丸断面が好ましいが、第2
図〜第3図の如き異形でも、又第4図〜第5図の如き芯
部が異形でも差しつかえはない。
本考案にいうポリエステルとは、ポリエチレンテレフ
タレート及びエチレンテレフタレート単位を主成分とす
る共重合体である。共重合成分としてはイソフタル酸,
ソジュウムスルホイソフタル酸,ナフタレンジカルボン
酸,アジピン酸等の二塩基酸,ジエチレングリコール,
ポリエチレングリコール,ブタンジオール等のジオール
が挙げられるが、耐光性の点で共重合量は少ない方(例
えば10モル%以下)が好ましい。
上述の如き芯鞘型複合の原着糸を立毛糸として立毛布
帛を作る。第6図に本考案の立毛布帛の一例を示す。立
毛布帛は編物でも織物でもよい。立毛編物とは、ボア
調,シール調の裏毛編,ダブルラッセル編,ブラッシュ
編などの添毛編やハイパイル編,パイル丸編,パイル経
編などの起毛品やシャーリング品である。又立毛織物と
は経毛ビロード織や緯糸ビロード織などの添毛織あるい
は経二重織,緯朱子織,緯綾織などの起毛品である。
以下、本考案の好適な実施態様を整理して記してお
く。
(イ) 顔料が有機系顔料である実用新案登録請求の範
囲第1項記載の布帛。
(ロ) 芯部と鞘部の容積比が1:1〜1:10である実用新
案登録請求の範囲第1項記載の布帛。
(ハ) 鞘部のポリエステルにベンゾトリアゾール及び
/又はベンソフェノン系耐光剤を含有している実用新案
登録請求の範囲第1項記載の布帛。
(実施例) 二酸化チタンを全く含まない固有粘度が0.75のポリエ
チレンテレフタレートに下記第1表記載の組成の顔料A
を1.8重量%含有させる様に二軸溶融混練機で混合・押
出しガット化及びチップ化した。該チップを乾燥した
後、二酸化チタン及び顔料を含まない固有粘度0.65のポ
リエチレンテレフタレートと共に複合紡糸及び延伸し第
1図の如き断面の原着ポリエステル糸75d/24fのブラウ
ン原着繊維(a)を得た。芯:鞘比=1:4とした。
次に、上記顔料含有ポリエチレンテレフタレートチッ
プと上記ポリエチレンテレフタレートチップとを混合し
て、顔料全体の83重量%が芯部に残りの17%が鞘部に含
有されるブラウン原着繊維(b)を得た。
一方、比較の為に、上記顔料含有ポリエチレンテレフ
タレートチップと上記ポリエチレンテレフタレートチッ
プを1:4の比率でチップ混合し、溶融紡糸及び延伸して
同じく75d/24fのブラウン原着繊維(c)を得た。
これらの繊維を各々6本合糸し450d/144fとした後、
別々にフロント部のパイル糸に用い、地糸にポリエステ
ル50/レーヨン50を用いてパイル目付450g/m2,立毛長2.
5mm,地糸目付140g/m2のモケット2種を作成した。
これら3種のモケットを、フェードメーター83℃で60
0時間紫外線照射し、色調の変化を観察した。顔料を均
一分散させた原着繊維(c)を用いたモケットは赤味が
なくなり、色濃度も淡色化していたが、本考案の芯鞘型
複合原着繊維(a)及び(b)を用いたモケットはほと
んど色の変化はなかった。
(考案の効果) 本考案の原着立毛布帛は、鮮明な色の発色性が良く、
苛酷な紫外線照射後に色変化がない。その為、カーシー
ト等の自動車内装材として好適に用いることが出来る。
勿論、ソファー,椅子貼り等の家具等にも好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は立毛糸として用いる芯鞘型複合原着繊
維の横断面形態の例であり、第6図はその芯鞘型複合原
着繊維を立毛部に用いた立毛布帛の一例である。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】高濃度に顔料を含むポリエステルを芯部
    に、顔料をほとんど含まないポリエステルを鞘部に配置
    した芯鞘型複合繊維を立毛糸として用いてなることを特
    徴とする原着立毛布帛。
JP1990062986U 1990-06-14 1990-06-14 原着立毛布帛 Expired - Lifetime JP2521055Y2 (ja)

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JPH0421583U JPH0421583U (ja) 1992-02-24
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