JP7315366B2 - 布帛およびその製造方法および繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する布帛およびその製造方法および繊維製品に関する。
シルクを使用した織編物は、その光沢や深みのある色彩による高級感やソフトで膨らみがあり適度なハリコシ、きしみ感、また手になじむ風合の面からも、古くより愛用されてきた。しかし、絹製品は高価であること、そして洗濯や乾燥等の衣類品の取り取扱いの難しさから、より安価で取り扱いが容易な合成繊維での開発が進められてきた。
例えば、特許文献1には、野蚕の高いキシミ感を呈する織編物用繊維を得るために、太細構造を有し繊維表面に溝のある繊維及びその製造方法が開示されている。また、特許文献2では、繊維を繊維長方向に随所でフィブリル状に分割または切断し、細繊度化あるは表面を毛羽立たせることで、より優れた風合いを表現可能なことが提案されている。
いずれも絹調の風合いには近いものの、現代風な上品な光沢や発色、ソフトで膨らみがある適度なハリコシ、きしみ感を満足させるものを得るに至っていなかった。
特開昭59-192709号公報 特開平10-96163号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する布帛およびその製造方法および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエステルからなる太細糸を含む布帛であって、前記太細糸において、繊維表面に微細孔を有し、フィブリル化され、かつ太部にスリットが形成されてなり、前記微細孔において、長さが0.1~3.0μm、かつ巾が0.1~0.5μmであり、前記スリットが、繊維軸に対して直交方向に形成され、長さが0.1~0.5μm、かつ巾が0.5~5.0μmであり、前記太細糸において、単繊維横断面形状が三角形であり、かつ前記太細糸に撚りを施してなり、斑状にバフ加工を施してなることを特徴とする布帛。」が提供される。
その際、前記太細糸が芯鞘型複合糸の鞘部として布帛に含まれることが好ましい。
本発明の布帛において、前記太細糸と、フィブリル化されてないこと以外は該太細糸と同様の太細糸とが含まれることが好ましい。
また、本発明によれば、微細孔形成剤を含む太細糸を含む布帛に、起毛加工および染色加工およびアルカリ減量加工を施す前記の布帛の製造方法が提供される。その際、前記起毛加工を斑状に行うことが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなる、婦人用ブラウス、ワンピース、パーティードレス、婦人用ブラックフォーマル衣料、紳士用スーツ、ジャケット、スラックス、インナー衣料、スポーツ衣料、インテリア、生活資材からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する布帛およびその製造方法および繊維製品が得られる。
本発明の布帛を構成する単繊維のフィブリル化した部分の写真である。 本発明の布帛を構成する単繊維に形成されたスリットの部分の写真である。 本発明の布帛を構成する単繊維表面の微細孔を示す写真である。 本発明の布帛が示すフィブリル光沢差外観の写真である。
本発明は、太細糸(「シックアンドシンヤーン」ということもある。)を含む布帛であって、前記太細糸において、繊維表面に微細孔を有し、フィブリル化され、かつ太部にスリットが形成されている。
ここで、前記太細糸の繊維表面(太部および細部の表面)に形成される微細孔において、長さが0.1~3.0μm、かつ巾が0.1~0.5μmであることが好ましい。
また、太細糸の細部には、繊維軸方向への5~30μmの長さ、幅0.5~5μmの凹凸溝が形成されることが好ましい。
また、フィブリル化は太部がフィブリル化されていてもよいが、細部がフィブリル化されていることが好ましい。
また、太部に形成されるスリットが、繊維軸に対して直交方向に形成され、長さが0.1~0.5μm、かつ巾が0.5~5.0μmであることが好ましい。
前記太細糸の繊維形態としては、フィラメント、ステープルのいずれでもよいが、マルチフィラメント(長繊維)が好ましい。総繊度22~330dtex、単繊維繊度1~5dtex、フィラメント数12~200本の範囲が好ましい。
前記太細糸には、撚糸、仮撚捲縮加工、空気加工が施されていてもよい。なかでも、撚りを施すことにより、光反射を抑えて濃染性がさらに向上し好ましい。その際、撚糸の撚り数としては、200~3000回/mの範囲内であることが好ましい。
前記太細糸の単繊維の横断面形状としては、丸や扁平でもよいが、きしみ感を有する布帛を得る上で三角形状が好ましい。
また、太細糸を形成するポリマーの種類としてはポリエチレンテレフタレートまたはポリトリメチレンテレフタレートが好ましい。
以下、ポリエステルマルチフィラメントがポリエチレンテレフタレート繊維である場合を例にして製造方法を説明する。
本発明のポリエステルにおいて使用されるジカルボン酸は、テレフタル酸が主に用いられるが、物性を失わない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。テレフタル酸以外の成分としては、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、p-ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸などを挙げることができるが、得られるポリエステル組成物の基本品質を維持するためには、該ジカルボン酸成分の80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上がテレフタル酸であることが好ましい。使用されるジオール成分としては、エチレングリコールが主に用いられるが、物性を失わない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。エチレングリコール以外の成分としては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチレングリコール)、ジプロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールプロピオン酸、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等を挙げることができる。得られるポリエステル組成物の基本品質を維持するためには、該ジオール成分の80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上がエチレングリコールであることが好ましい。
なお、ポリエステルは、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸、グリセリン、ペンタエリトリトール、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどの多価ヒドロキシ化合物を、本発明の目的を達成する範囲内であれば、該酸成分の1モル%以内で共重合してもよい。
かかるポリエステル繊維を製造するために、下記一般式(I)で表される含金属リン化合物からなる微粒子を含むポリエステルを重合し、これを溶融紡糸して原糸を得、複合糸、製織工程の後に、塩基性化合物水溶液などによるポリエステル繊維を減量する工程を経て、繊維軸方向に配列した微細孔を繊維表面及びその近傍に多数形成させることができ、染色した際により深みのある発色感を呈するようになる。
Figure 0007315366000001
式中、Arは未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子又はOR基を表す。Rは未置換若しくは置換された1~20個の炭素原子を有するアルキル基、未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基又は未置換若しくは置換された7~20個の炭素原子を有するベンジル基を表す。Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であって、mはMがアルカリ金属の場合は1、Mがアルカリ土類金属の場合は1/2である。
上記含金属リン化合物を含有するポリエステルの製造方法について詳細に説明する。
テレフタル酸を主とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主とするジオール成
分からエステル化反応を行い、オリゴマーを生成する直接重合法に適用される。ここで、オリゴマーとはジカルボン酸成分、ジオール成分がそれぞれテレフタル酸、エチレングリコールの場合にはビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの他、一分子内にエチレンテレフタレートの繰り返し単位を2以上含み、いまだポリエチレンテレフタレートと呼べるほど固有粘度・分子量・重合度が上がっておらず、末端がカルボキシル基またはヒドロキシエチル基である化合物を表す。そのようなオリゴマーが生成するまでエステル化反応を行う。エステル化反応の反応率は生成する水の量を測定することによって検知することができる。
本発明に用いられるポリエステル組成物は、下記一般式(II)で表されるリン化合物と、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を、あらかじめ反応させることなく、個別にポリエステル組成物製造段階に添加し、ポリエステル組成物の合成反応中にアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とリン化合物が反応することで形成される下記一般式(I)で表される含金属リン化合物微粒子を含有することが好ましい。これを反応槽内部で反応することによって形成される微粒子であることから、以下「内部析出粒子」と称することがある。
Figure 0007315366000002
[上記式(II)中、Arは未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子又はOR基を表す。Rは未置換若しくは置換された1~20個の炭素原子を有するアルキル基、未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基又は未置換若しくは置換された7~20個の炭素原子を有するベンジル基を表す。]
Figure 0007315366000003
[上記式(I)中、Arは未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基を表し、Rは水素原子又はOR基を表す。Rは未置換若しくは置換された1~20個の炭素原子を有するアルキル基、未置換若しくは置換された6~20個の炭素原子を有するアリール基又は未置換若しくは置換された7~20個の炭素原子を有するベンジル基を表す。Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であって、mはMがアルカリ金属の場合は1、Mがアルカリ土類金属の場合は1/2である。]
で示される官能基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ジメチルフェニル基等を挙げることができる。更にこれらの炭化水素基中の1または2以上の水素原子がカルボキシル基、エステル基、ハロゲン基、アルキルオキシ基等に置換されていてもよい。
Arで示される官能基としてはフェニル基、モノ-(ジ-又はトリ-)ハロゲン化フェニル基、メトキシフェニル基、モノ-(ジ-又はトリ-)カルボキシフェニル基、1-(2-)ナフチル基、モノ-(ジ-又はトリ-)ハロゲン化-1-(2-)ナフチル基、1-(2-、又は、9-)アントラニル基、4-(2-、又は、3-)ビフェニル基を挙げることができる。
このような一般式(I)の化合物としては、例えばフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ノルマルプロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2-カルボキシフェニルホスホン酸、3-カルボキシフェニルホスホン酸、4-カルボキシフェニルホスホン酸、2,3-ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4-ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5-ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6-ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4-ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5-ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4-トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5-トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6-トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5-トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6-トリカルボキシフェニルホスホン酸が例示されるが、中でもフェニルホスホン酸がもっとも好ましく用いられる。上記のリン化合物は溶媒に溶解させた状態で使用されることが望ましい。このときの溶媒としては、公知の溶媒から適切なものを選択することができるが、対象のポリエステルの原料として使用するグリコールを使用することが最も好ましい。すなわち本発明においては上記の説明から明らかなようにエチレングリコールを用いることである。
上記リン化合物のポリエステル中への添加時期は、前述のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加前若しくは添加後のどちらでもよい。リン化合物はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物と反応して、ポリエステルに不溶の粒子を形成するが、どちらを先に添加しても同様の粒子が形成される。但し、リン化合物をエステル化反応の初期に添加すると、エステル化反応を阻害する可能性があるため、望ましくはエステル化反応の後半、若しくはエステル化反応終了後、重縮合反応開始の前半(30分以内)で添加することが望ましい。
上記式(I)中にMとして記載されるアルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素は、Li,Na,Mg,Ca,Sr,Baが好ましく、特にCa,Sr,Baが好ましく用いられる。そのなかでもCaが最も好ましく用いられる。また、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物としては、上記リン化合物と反応して含金属リン化合物を形成するものであれば特に限定されない。具体的には、有機カルボン酸との塩が好ましく、なかでも酢酸塩は反応により副生する酢酸を容易に除去できるので、特に好ましく用いられる。前記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物は1種のみに単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、溶媒に溶解させた状態で使用されることが望ましい。このときの溶媒としては、公知の溶媒から適切なものを選択することができるが、対象のポリエステルの原料として使用するグリコールを使用することが最も好ましい。すなわち本発明においては上記の説明から明らかなようにエチレングリコールを用いることである。
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、ジカルボン酸成分に対して、アルカリ金属原子および/またはアルカリ土類金属原子が金属原子換算で0.1~2.0モル%の範囲で含有するように添加する必要がある。添加量が0.1モル%未満では、後述するリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物から形成される粒子量が減少するため、得られるポリエステル組成物を溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となり、十分な鮮明性を発現できない。一方、2.0モル%を越えると、これらのリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物から形成される粒子が粗大な粒子を形成するため、得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となるうえ、溶融紡糸工程での製糸性を著しく悪化させるため好ましくない。これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加量は、金属元素換算として0.2~1.8モル%の範囲が好ましく、0.5~1.5モル%の範囲が更に好ましい。
上記のアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物のポリエステル組成物の製造工程中への添加時期は、エステル化反応工程、重縮合反応工程の中の任意の段階を選択することができるが、エステル化反応及び重縮合反応へ及ぼす影響から、エステル化反応中、若しくはエステル化反応終了後、重縮合反応開始の前半(30分以内)で添加することが好ましい。
しかしながらポリエステルに添加する前に、あらかじめリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物とを反応させたものをポリエステルに添加する方法では、あらかじめ調整されるリン化合物とアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物とから形成される粒子の大きさが大きくなる。そのため、それをポリエステル中に添加して得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造が、所望の微細化した凹凸構造を形成することができず、目的の鮮明性を発現するポリエステル繊維を得ることができない。従って本願のポリエステル組成物の製造方法においては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とリン化合物を、オリゴマーを生成する工程および/または重縮合反応を行う工程に添加する前に反応させる事なく、個別にポリエステルの製造工程に添加する方法を好ましく採用することができる。但し必要に応じて、双方の化合物の単なる混合物として添加することが本発明に用いられるポリエステルに製造方法としては肝要である。
リン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加量は、下記式(1)で示す比率で添加する必要がある。
0.5≦P/M≦2.0 ・・・(1)
上記数式(1)のP/Mが0.5未満では、リン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物から形成される粒子量が減少するため、得られるポリエステルを溶融紡糸し、次いでアルカリ減量することで得られるポリエステル繊維の表面凹凸構造の形成が不十分となり、十分な鮮明性を発現できないうえ、ポリエステル中のアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物量が過剰となり、過剰な金属原子成分がポリエステルの熱分解を促進し、熱安定性を著しく損なうため好ましくない。一方、P/Mが2.0を越えると、逆にリン化合物が過剰となり、過剰なリン化合物がポリエステルの重合反応を阻害するため好ましくない。P/Mは好ましくは0.8~1.8、更に好ましくは0.9~1.5の範囲である。
ポリエステル組成物には、ポリエステルの製造時に通常用いられるアンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの化合物の金属化合触媒、着色防止剤としてのリン化合物、その他として酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤又は艶消し剤などを、本発明の目的を奏する範囲内で含有していてもよい。
次に、ポリエステル組成物を得るための好ましい製造方法の一例を詳細に説明する。すなわち、ポリエステルを作成した後に上記リン化合物やアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物をブレンド等の方法で混合してポリエステル組成物を得るのではなく、ポリエステルを製造する途中の段階で、本発明に係るリン化合物並びにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物を添加してポリエステルの重合反応を行いポリエステル組成物を製造する方法である。この手法により内部析出粒子を生成させることができる。さらに本発明方法におけるポリエステル製造反応条件には格別の制限はないが、重縮合反応は一般に230~320℃の温度において、常圧下、または減圧下(0.1Pa~0.1MPa)において、あるいはこれらの条件を組み合わせて、15~300分間重縮合することが好ましい。
次いで、かかるポリエステルからなるマルチフィラメント糸を用いて太細糸(シックアンドシンヤーン)を得る。太細糸の製造方法は特に限定されず、特開2000-234232号公報に記載されているような穴付きローラーを用いる方法、特開2003-328248号公報に記載されているような固定ピンを用いる方法などいずれでもよい。
次いで、前記太細糸を用いて布帛を得る。その際、前記太細糸を単独で用いて布帛を得てもよいし、該太細糸を他糸条と複合させて布帛を得てもよい。
例えば、前記太細糸を鞘糸とし、芯糸に鞘糸よりも収縮の高い糸を配置した芯鞘型異収縮混繊糸(複合糸)として布帛を得てもよい。その際、芯糸が、2成分ポリマーが接合された複合繊維とすると、混繊糸に伸縮性が付加され好ましい。
本発明の布帛において、織編物の組織は限定されず通常の方法で製編織されたものでよい。例えば、織組織としては、平織、斜文織、サテン織物等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。また、編物としては、2枚筬または3枚筬を用いた、ハーフ組織、ハーフベース組織、サテン組織などが好適に例示される。
なかでも、深みのある発色感および吸水性を得る上で、織編密度としては高密度のほうが好ましい。例えば、布帛が織物の場合、織物のカバーファクターCFが1200~3000の範囲内であると、深みのある発色感が得られ好ましい。
ただし、カバーファクターCFは下記式により定義する。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
かかる布帛に起毛加工を施した後、染色加工を施し、アルカリ減量加工を施すことにより、布帛に含まれる太細糸において、繊維表面に微細孔が形成され、フィブリル化され、かつ太部にスリットが形成される。なお、起毛加工、染色加工、アルカリ減量加工の順番は適宜入れ替えてもよいが、起毛加工を先に行うことが好ましい。
その際、起毛加工はバフローラーを用いた方法など公知の起毛加工でよい。また、起毛は布帛表面の全面に施してもよいが、例えば斑状に水溶性糊剤を塗布(例えば、プリント塗布)した後に起毛加工を施すことにより斑状に起毛加工を行い、フィブリル化された太細糸と、フィブリル化されてない太細糸とを混在させてもよい。
また、アルカリ減量率としては、5~40%(より好ましくは10~30%)の範囲内であることが好ましい。アルカリ減量率が5%よりも小さいと、繊維表面に微細孔が十分に形成されないおそれがある。逆に、アルカリ減量率が40%よりも大きいと強度が損なわれるおそれがある。
さらには、エンボス加工、着色プリント、撥水加工、紫外線遮蔽剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。特に、深みのある発色感をさらに高めるため、濃染剤(例えば、日本化薬社製カヤディーパー(商品名))を用いて濃染加工することは好ましいことである。
かくして得られた布帛は、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなる、婦人用ブラウス、ワンピース、パーティードレス、婦人用ブラックフォーマル衣料、紳士用スーツ、ジャケット、スラックス、インナー衣料、スポーツ衣料、インテリア、生活資材からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する。
次に、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
エステル化反応槽にて、テレフタル酸86部とエチレングリコール40部とを、常法に従ってエステル化反応させオリゴマーを得た。このオリゴマーに、テレフタル酸86部とエチレングリコール40部を65分間かけて連続的に供給し、245℃にてエステル化反応を行った。ついで三酸化アンチモン0.045部を添加して20分後、追加供給したテレフタル酸とエチレングリコールとから生成されるオリゴマー量と等モル量のオリゴマーを重縮合反応槽へ送液した。送液終了後直ちに酢酸カルシウムをポリマー中の酸成分に対して0.5モル%を重縮合反応槽に添加した。さらに5分後にフェニルホスホン酸をポリマー中の酸成分に対して0.6モル%を重縮合反応槽に添加した。その後290℃まで昇温し、0.03kPa以下の高真空化にて重縮合反応を行い、固有粘度が0.64dL/gの含金属リン化合物(二フェニルホスホン酸カルシウム)を含有するポリエステルチップを得た。該当ペレットを溶融エクストルーダーにて溶融し紡糸温度290℃でポリマーを三葉形状の口金吐出孔から押し出した後、雰囲気温度が200~250℃の冷却遅延ゾーンを通過させた後、冷却固化およびオイリングを施し1000m/min.の速度で未延伸糸を引き取り、得られた未延伸マルチフィラメントを3.8倍で延伸し、熱処理と交絡付与を施し、特開2003-328248号公報の実施例1と同様のシックアンドシン加工により、66dtex/24filのシックアンドシンのポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られたシックアンドシンヤーン(太細糸)を経糸に用い、ダブルツイスターで300回/m撚りを施した後、経密度178本/25.4mmで整経し経糸とした。また、ポリエチレンテレフタレート加工糸76dtex/15filを、ダブルツイスターを用い1400回/mの撚りを施し、この撚糸を緯糸とし、繰り返し単位組織における経糸の浮き糸に対する比率が、1/5となるように103本/25.4mmにて、朱子組織の織物に製織した。この織物を120℃の熱水中でリラックス処理し、表面に斑状に水溶性糊剤を塗布(プリント塗布)し起毛(バフ加工)した後、減量率13%のアルカリ減量し、130℃で分散染料の液中で染色仕上げ実施した。
得られた織物は、シルク特有のキシミ感をもち、またナチュラルスパナイズドタッチとフィブリル光沢差による外観、深みのある発色感をもつ天然シルク調織物であった。
また、この織物の経糸を走査電子顕微鏡にて拡大、表面観察したところ、シックアンドシンヤーンの細部には、繊維軸方向への5~30μmの長さ、幅0.5~5μmの凹凸溝と微細なフィブリル発現が確認され(図1)、太部には、繊維軸に対して直交方向に巾3.0~5.0μmのスリットが発現し、隣り合うスリット間の距離は、其々のスリットの繊維軸と直角方向の長さよりも短い(図2)。また繊維表面には0.5μm以下の多数の微細孔が確認された(図3)。また、この織物を垂直に設置し、鉛直方向に対して45度より白黒に撮影することで、フィブリル光沢差外観を確認した(図4)。
[実施例2]
口金形状を円形とした以外は、実施例1と同様にして、製糸~製織~染色仕上げした。得られた織物は、シルク特有のキシミ感は実施例1対比やや劣るが、ナチュラルスパナイズドタッチ、フィブリル光沢差による外観、深みのある発色感は十分であった。また、この織物の経糸を走査電子顕微鏡にて拡大、表面観察したところ、シックアンドシンヤーンの細部への繊維軸方向へ凹凸溝と微細なフィブリル発現、太部に繊維軸方向と直角のスリットの発現、および繊維表面の0.5μm以下の多数の細孔が実施例1と同様に確認された。
[比較例1]
実施例1において使用するチップを含金属リン化合物を含まないポリエチレンテレフタレートとし、準じて、三葉形状の口金を使用し製糸~製織~染色仕上げした。得られた織物は、シルク特有のキシミ感とナチュラルスパナイズドタッチがなく、フィブリル光沢差による外観が発現しなかった。また、この織物の経糸を走査電子顕微鏡にて拡大、表面観察したところ、シックアンドシンヤーンの細部の繊維軸方向への凹凸溝、微細なフィブリルは発現せず、繊維表面が平滑で、細孔も確認できなかった。
本発明によれば、ナチュラルなスパナイズド外観、繊細なシルク調のフィブリル外観、深みのある発色感、およびきしみ感を有する布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. ポリエステルからなる太細糸を含む布帛であって、前記太細糸において、繊維表面に微細孔を有し、フィブリル化され、かつ太部にスリットが形成されてなり、
    前記微細孔において、長さが0.1~3.0μm、かつ巾が0.1~0.5μmであり、
    前記スリットが、繊維軸に対して直交方向に形成され、長さが0.1~0.5μm、かつ巾が0.5~5.0μmであり、
    前記太細糸において、単繊維横断面形状が三角形であり、かつ前記太細糸に撚りを施してなり、
    斑状にバフ加工を施してなることを特徴とする布帛。
  2. 前記太細糸が芯鞘型複合糸の鞘部として布帛に含まれる、請求項1に記載の布帛。
  3. 前記太細糸と、フィブリル化されてないこと以外は該太細糸と同様の太細糸とを含む、請求項1または請求項2に記載の布帛。
  4. 微細孔形成剤を含む太細糸を含む布帛に、起毛加工および染色加工およびアルカリ減量加工を施す、請求項1に記載の布帛の製造方法。
  5. 前記起毛加工を斑状に行う、請求項4に記載の布帛の製造方法。
  6. 請求項1~3のいずれかに記載された布帛を用いてなる、婦人用ブラウス、ワンピース、パーティードレス、婦人用ブラックフォーマル衣料、紳士用スーツ、ジャケット、スラックス、インナー衣料、スポーツ衣料、インテリア、生活資材からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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