JP4985358B2 - 収縮差混繊糸 - Google Patents
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(2)1.5%≦BWS(A)−BWS(B)≦4.0%
(3)10.0%≦TWA≦23.0%
(4)0.3dtex≦T(B)≦1.5dtex
BWS(A):高収縮糸Aの沸騰水収縮率
BWS(B):低収縮糸Bの沸騰水収縮率
TWA:収縮差混繊糸の乾熱収縮率
T(B):低収縮糸Bの単糸繊度
また、高収縮糸Aのポリマブレンド方法は、ブレンド斑や異常等の不具合を起こさなければ特に制限するものではないが、共重合ポリエステルとホモポリエステルを別々に重合せしめた後にブレンドすると、ポリマの物理的、化学的安定性が高く、好ましい。さらに好ましくは、別々に重合せしめた共重合ポリエステルとホモポリエステルを、異なる溶融押出機にて溶融ポリマとし、口金に至るまでに共重合ポリエステルとホモポリエステルを混練し、ブレンドポリマとすると、容易かつ安定的にブレンドでき、良い。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K 7210(1999)にしたがい、200℃、5kg荷重で測定した。
(2)極限粘度[η]
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
(3)繊度
1回転当たり1m巻き取れる検尺器を用い、100回巻き取った糸条の重さを測定し、その値を100倍し、繊度(dtex)を求めた。
(4)強度、伸度
JIS L1013(1999)に従い、オリエンテック製テンシロンUCT−100にて測定した。
(5)沸騰水収縮率(BWS)、乾熱収縮率(TWA)
BWS(%)={(L0−L1)/L0}×100
TWA(%)={(L0−L2)/L0}×100
L0:延伸糸をかせ取りし初荷重0.09cN/dtex(0.10gf/d)下で測定したかせの原長
L1:L0を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、風乾後初荷重0.09cN/dtex(0.10gf/d)下でのかせ長
L2:L1を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で乾熱160℃下で10分間処理し、風乾後初荷重0.09cN/dtex(0.10gf/d)下でのかせ長
(6)製糸性評価
3kg巻の収縮差混繊糸の延伸糸製品を製造するに際し、次式により与えられる収率を3段階にて評価した。合格レベルは○以上である。
○○:98%以上
○ :95%以上98%未満
× :95%未満
(7)高次通過性
布帛を製織するに際し、上記(6)項にて得られた収縮差混繊糸に撚り係数2600のS撚りを施し、1kg巻の撚糸とした後、経糸および緯糸に用い平織りを製織し、98℃で精練を施した。その後180℃で中間セットを行い、常法により10%のアルカリ減量を施した後染色、最終セットを行うに際し、次式により与えられる収率を3段階にて評価した。
(高次通過性)=(得られた布帛の重量)/(3kg巻収縮差混繊延伸糸の使用量)×100
○○:95%以上
○ :90%以上95%未満
× :90%未満
(8)布帛評価
上記(7)項にて得られた布帛と、[η]=0.63、酸化チタンを含有しないホモPET単独糸を、先程用いた収縮差混繊糸と同様の方法で製糸し形成・最終セットした布帛とを、10人の評価者により同時に官能評価を行い、ホモPET単独糸を用いた布帛に対し収縮差混繊糸を用いた布帛のふくらみ感、ソフト感の優れ具合を、評価者一人当たり10点満点で採点し、10人の平均点を以下の基準で判断した。
○:5点以上、8点未満 (ホモPET糸対比、優れる)
×:5点未満 (ホモPET糸と同等)
実施例1
高収縮糸Aとして酢酸カルシウム0.05wt%を内部粒子形成剤として含み、酸化チタンを含まない極限粘度0.63のホモPET(ブライトPET)と、IPA7.0mol%およびBHPP4.0mol%を共重合させた極限粘度0.66の酸化チタンを含有しない共重合PET(高収縮PET)のブレンドポリマを用い、低収縮糸Bとして酢酸カルシウム0.05wt%を内部粒子形成剤として含み、酸化チタンを含まない極限粘度0.63のホモPET(ブライトPET)を用いた。高収縮糸Aに用いるブライトPETと、高収縮PET、低収縮糸Bに用いるブライトPETを、それぞれ別の溶融押出機を用いて290℃、285℃、290℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、口金までの配管内にて高収縮糸Aに用いるブライトPETと高収縮PETを溶融ブレンドし、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用いて高収縮糸Aと低収縮糸Bを別々に濾過を行った後、紡糸温度290℃にていずれも丸孔の同一口金から吐出させ、紡糸速度3000m/分で一旦収縮差混繊POY(中間配向糸)を巻き取った後、一対のホットローラーを有する延伸機を用いて延伸倍率1.81倍、第2ホットローラー4(以下、2HRと略す)温度116℃で延伸した後、延伸糸を巻き取り速度500m/分でボビンに巻き取り、84dtex−48fの延伸糸を得た。得られた収縮差混繊糸は、表1に示す通り製糸操業性が良好であり、得られた布帛は表2に示す通り、極めて優れた収率で得られ、極めて優れたふくらみ感、ソフト感を示した。
高収縮糸AとしてIPA7.0mol%およびBHPP4.0mol%を共重合させた極限粘度0.66の酸化チタンを含有しない共重合PET(高収縮PET)を用い、低収縮糸Bとして鞘部に酢酸カルシウム0.05wt%を内部粒子形成剤として含み、酸化チタンを含まない極限粘度0.63のホモPET(ブライトPET)を配し、芯部に東洋スチレン社製のPSTである“トーヨースチロールG15L”(MFR=4.0g/10min)を、芯鞘糸全体に対して10重量%の割合で配した芯鞘糸(以下PST/PET複合糸と略す)を用いた。高収縮糸Aに用いる高収縮PET、低収縮糸Bに用いるブライトPETとポリスチレンを、それぞれ別の溶融押出機を用いて285℃、290℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、各々を絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用いて濾過を行った後、紡糸温度290℃にていずれも丸孔の同一口金から吐出させた。この時、低収縮糸Bの芯部に低収縮糸B全体に対し10重量%の割合でポリスチレンを配し、鞘部にブライトPETを配した。吐出させた後、紡糸速度3000m/分で一旦収縮差混繊POY(中間配向糸)を巻き取った後、一対のホットローラーを有する延伸機を用いて延伸倍率1.81倍、2HR温度116℃で延伸した後、延伸糸を巻き取り速度500m/分でボビンに巻き取り、84dtex−48fの延伸糸を得た。得られた収縮差混繊糸は、実施例1と同様に、表1に示す通り製糸操業性が良好であり、得られた布帛は表2に示す通り、極めて優れた収率で得られ、極めて優れたふくらみ感、ソフト感を示した。
2HR温度を表1の通りに変更し、高収縮糸Aの沸騰水収縮率BWS(A)を変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感および軽量感について評価した結果を表2に示す。
高収縮糸Aに含まれる高収縮PETのブレンド比率を表1の通りに変更し、高収縮糸Aの沸騰水収縮率BWS(A)と低収縮糸Bの沸騰水収縮率BWS(B)の差BWS(A)−BWS(B)を変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表2に示す。
高収縮糸Aに含まれる高収縮PETのブレンド比率と延伸熱セット温度とをそれぞれ表1の通りに変更し、収縮差混繊糸の乾熱収縮率TWAを変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表2に示す。
収縮差混繊糸の原糸構成および低収縮糸Bの単糸繊度を表3の通りに変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表4に示す。
収縮差混繊糸の原糸構成および高収縮糸Aの単糸繊度を表3の通りに変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表4に示す。
高収縮糸Aを共重合PET単独糸、低収縮糸Bの芯部に配したPSTの複合比を5重量%とし、また収縮差混繊糸の原糸構成を表3の通り変更し、収縮特性を変化させた以外、実施例2と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例2と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表4に示す。
高収縮糸Aを共重合PET単独糸とし、原糸構成を表3の通りに変更し、収縮特性を変化させた以外、実施例1と同様に製糸して収縮差混繊糸を得た。実施例1と同様に製糸性評価、高次通過性、ふくらみ感、ソフト感について評価した結果を表4に示す。
2:不織布フィルター
3:口金
4:チムニー
5a:高収縮糸側糸条
5b:低収縮糸側糸条
6:給油ガイド
7:第1ローラー
8:第2ローラー
9:巻取糸
10:供給糸
11:フィードローラー
12:第1ホットローラー
13:第2ホットローラー
14:コールドローラー
15:延伸糸
Claims (4)
- 高収縮糸Aと低収縮糸Bからなる収縮差混繊糸であって、(1)〜(4)の要件を満たすことを特徴とする収縮差混繊糸。
(1)7.0%≦BWS(A)≦13.0%
(2)1.5%≦BWS(A)−BWS(B)≦4.0%
(3)10.0%≦TWA≦23.0%
(4)0.3dtex≦T(B)≦1.5dtex
BWS(A):高収縮糸Aの沸騰水収縮率
BWS(B):低収縮糸Bの沸騰水収縮率
TWA:収縮差混繊糸の乾熱収縮率
T(B):低収縮糸Bの単糸繊度 - 高収縮糸Aが高収縮性を示す共重合ポリエステルとホモポリエステルのブレンドポリマからなり、低収縮糸Bがポリエステルからなることを特徴とする請求項1記載の収縮差混繊糸。
- 高収縮糸Aがポリステルからなり、低収縮糸Bが芯にポリスチレンを配し、鞘にポリエステルを配した芯鞘複合糸であることを特徴とする請求項1記載の収縮差混繊糸。
- 高収縮糸の単糸繊度T(A)が1.5〜5.0dtexであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収縮差混繊糸。
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