JPH02104741A - パイルを有する編織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、カットパイルやループパイルなどのパイル
を有する編織物、特にカーシートその他の椅子張り地、
または敷物、クツションの被い布等に好適な編織物に関
するものである。

（従来の技術） パイルを有する１ｇ織物、例えばカーシート用パイル編
物として、あらかじめ染色されたポリエステル糸をパイ
ル糸に用い、ダブルラッセル機で編製された先染め製品
、および未染色のポリエステル糸をパイル糸に用い、上
記と同様に編成したのちに染色した反染め製品が知られ
ている。

（発明が解決しようとする課題） 先染め製品は１色の異なる多種類の糸をパイル糸に用い
ることができ、色調の変化に富んだ多種類のパイル編物
が得られる反面、糸の段階で染色するので、均一な染色
が困難で、色むらが発生し易く、かつ意匠を設計してか
ら製品が仕上がるまでに長期間を必要とし、迅速な商品
開発ができず、顧客の要望に添い難いという問題があっ
た。これに対して反染め製品は、未染色の原反を用意し
ておくことにより、顧客の要望に応じて染色するだけで
製品が得られるので、意匠の決定から仕上りまでの期間
が短縮される反面、反染めであるから。

得られる意匠が単純なものに限られるという問題があっ
た。なお、染色性の異なる糸をパイル糸に混用すること
が知られているが、染色性を異にする糸を混用するとい
っても２〜３種類に限られ。

かつ得られる色調差も鮮明でなく、また染色性の異なる
糸としてポリエステル糸以外の繊維糸条を用いた場合は
、色の耐光性および耐候強度が低くなってカーシート用
として不適当になるという問題があった。

この発明は、ポリエステル糸をパイル糸に用い、従来の
先染め製品に比べて迅速で、かつ安価なコストの商品開
発が可能であり、しがも従来の反染め製品に比べて色の
変化に富む多彩な色調のパイルを有する編織物を提供す
るものである。

（課題を解決するための手段） 上記のＲＭを解決するため、この発明は、カチオン染料
に可染性のポリエステルマルチフィラメント糸Ａと、通
常のポリエステルに顔料を分散して得られる原着ポリエ
ステル糸Ｂとをパイル糸に混用し、前者のポリエステル
フィラメント糸Ａをカチオン染料によって後者の原着ポ
リエステル糸Ｂとは異色に染色する。ただし、前者のポ
リエステルフィラメント糸Ａの使用量を後者の原着ポリ
エステル糸Ｂの使用量の２．５〜２５倍に設定する。

この発明で使用するポリエステルマルチフィラメント糸
Ａは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られ
る共重合ポリエステルにおいて、ジカルボン酸成分の８
０モル％以上がテレフタル酸またはそのエステル形成性
誘導体であり、０．８〜５．０モル％、好ましくは０．
８〜２．５モル％が　５−金属スルホイソフタル酸また
はそのエステル形成性誘導体である共重合ポリエステル
を紡糸、延伸して得られたマルチフィラメント糸であり
、その構成フィラメントの繊度は、０．５〜５．０デニ
ールが好ましい。

また、原着ポリエステル糸Ｂは、ジカルボン酸成分中に
上記の５−金属スルホイソフタル酸を含有せず、カチオ
ン染料に可染性を有しない通常のポリエステルおよび共
重合ポリエステルを紡糸。

延伸して得られたマルチフィラメント糸、または延伸後
にステープル化し紡績して得られた紡績糸である。

（作用） ポリエステルマルチフィラメント糸Ａをカチオン染料で
染色した場合、このポリエステルマルチフィラメント糸
Ａが鮮明に染色される一方、原着ポリエステル糸Ｂは、
上記のカチオン染料で染色されることなく、顔料によっ
て着色された鮮明な色調をそのまま保持する。したがっ
て、原着ポリエステル糸Ｂの色数にポリエステルマルチ
フィラメント糸Ａの色が加えられ、多色模様を現出する
。

ただし、ポリエステルマルチフィラメント糸Ａの使用量
が原着ポリエステル糸Ｂの使用量の２．５倍未満では、
原着ポリエステル糸Ｂの使用量が多くなり過ぎてパイル
の美観が損なわれると共に、コスト高となり、反対に２
５倍を超えると、原着ポリエステル糸Ｂの使用量が少な
過ぎ、原着ポリエステル糸Ｂを使用する意義が失なわれ
る。そして、原着ポリエステル糸Ｂに比べて使用量の多
いポリエステルマルチフィラメント糸Ａが、ＦＭ度０．
５〜５．０デニールのフィラメントで構成されることに
より、カットパイルとした場合にもパイルの高さが均一
化され、凹凸のない平滑なパイル表面が得られる。ただ
し、上記フィラメントの繊度が０．５デニ一ル未満では
、パイルの剛性が小さ過ぎて椅子張り等には不適当にな
り、反対に５．０デニールを超えると剛性が過大で、風
合が硬くなり易い。

（実施例） ジカルボン酸成分の１．８モル％が５−ナトリウムスル
ホイソフタル酸である共重合ポリエステルを溶融紡糸し
て１００デニール３６フイラメントのポリエステルマル
チフィラメント糸Ａを得た。

また、ポリエチレンテレフタレートに顔料を練込んで溶
融紡糸し、繊度２デニールのフィラメントからなるトウ
を得、このトウを切断して繊維長５１ｍのステープルと
し、更に紡績し、色を異にする４種類の３０番手の原着
ポリエステル糸Ｄａ、Ｂｂ、　Ｂｅ、８ｄを得た。

上記のポリエステルマルチフィラメント糸Ａおよび原着
ポリエステル糸Ｂａ、　Ｂｂ、　Ｂｅ、　Ｂｄをパイル
糸とし、上記パイル糸用ポリエステルマルチフィラメン
ト糸Ａと同じ共重合ポリエステルからなるｌＯｏデニー
ル３６フイラメントのポリエステルマルチフィラメント
糸を地糸とし、２２ゲージのダブルラッセル機を用いて
カーシート用のパイル編地を編成した。すなわち、前部
の第１おさ、第２おさおよび後部の第５おさ、第６おさ
にそれぞれ上記の地糸をフルセットに供給して前後の地
組織を編成し、上記の各パイル糸を第３おぎ、第４おさ
に供給して前部針床および後部針床間を往復させて前部
の地組織および後部の地組織をパイル糸で連結し、編成
後に前後の地組織の中間で上記パイル糸を切断し、カッ
トパイルを有する目付量６３０ｇ／ｒｒｌ”の２枚のラ
ッシェル編地を得た。ただし。

幅１０．２ａｎの区間に一方のパイル糸のポリエステル
マルチフィラメント糸Ａの８０本および他方のパイル糸
の４種の原着ポリエステル糸Ｂａ、　Ｂｂ、　Ｂｅ、Ｂ
ｄの各２本（４種合計８本）とをＡ２０本、　Ｂａ２本
、Ａ２０本、　Ｂｂ２本、Ａ２０本、Ｂａ２本、Ａ２０
本、Ｂａ２本の順で混合配列し、ポリエステルマルチフ
ィラメント糸Ａの使用量を原着ポリエステル糸Ｂａ”Ｂ
ｄの使用量の１０．０倍とした。

上記の編地をカチオン染料液に浸漬し、上記パイル糸中
のポリエステルマルチフィラメント糸Ａのみを青色に染
色し、！！理加工を施したところ、原着ポリエステル糸
Ｂａの赤色、８ｂの紫色、Ｂｅの黄色およびＢｄの緑色
の４色の比較的少量のパイルがポリエステルマルチフィ
ラメント糸Ａの鮮明な青色の比較的多量のパイル中に点
在し、多彩な色模様を現出した。また、カチオン染料の
色をエンジ色に変更する以外は全く同様にして得られた
パイル編地は、上記原着ポリエステル糸Ｂの４色に変り
がないにもかかわらず、比較的多量のポリエステルマル
チフィラメント糸Ａの色が異なることによって全く異な
る外観を呈した。なお、２種のパイル糸Ａ、　Ｂ　（Ｂ
ａ、Ｂｂ、　Ｂｅ、　Ｂｄ）が双方ともポリエステル糸
であるため、色の耐光性、強度の耐候性、パイルのへた
り耐久性の全てが優れていた。

（発明の効果） この発明は、カチオン可染性のポリエステルマルチフィ
ラメント糸Ａおよび原着ポリエステル糸Ｂの２種のポリ
エステル糸でパイルを形成し、［成後に上記ポリエステ
ルマルチフィラメント糸Ａのみをカチオン染料で染色し
たものであるから、鮮明な異色効果が反染めによって得
られる。しかも、ポリエステルマルチフィラメント糸Ａ
の使用量を原着ポリエステル糸Ｂよりも多く、２．５〜
２５倍にしているので、同じ原反を反染めしても、反染
めによって色の変化する部分が変化しない部分よりも広
く、そのため反染めの際の色変更によって異色効果が大
幅に変更され、従来の糸染め製品に比べて迅速な商品開
発が可能であり、かつ原着ポリエステル糸Ｂを使用して
いることにより、従来の反染め製品では得られない異色
効果が得られる。そして、２種のパイル糸がすべてポリ
エステル糸であるためパイルの強度、パイルの色の耐光
性に優れており、しかもパイルの大部分がポリエステル
マルチフィラメント糸Ａで構成されるので、紡績糸をパ
イル糸に用いた場合に比べてパイルの高さが均一である
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 〔１〕パイル糸がカチオン染料に可染性のポリエステル
   マルチフィラメント糸Ａと、通常のポリエステルに顔料
   を分散して得られた原着ポリエステル糸Ｂとからなり、
   前者のポリエステルマルチフィラメント糸Ａの使用量が
   後者の原着ポリエステル糸Ｂの使用量の２．５〜２５倍
   であり、前者のポリエステルマルチフィラメント糸Ａが
   カチオン染料によって後者の原着ポリエステル糸Ｂとは
   異色に染色されていることを特徴とするパイルを有する
   編織物。