JPH09170139A - 杢調パイル布帛 - Google Patents

杢調パイル布帛

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JPH09170139A
JPH09170139A JP7332018A JP33201895A JPH09170139A JP H09170139 A JPH09170139 A JP H09170139A JP 7332018 A JP7332018 A JP 7332018A JP 33201895 A JP33201895 A JP 33201895A JP H09170139 A JPH09170139 A JP H09170139A
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仁六 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】パイル布帛のパイル部を構成する繊維の2
0〜100重量%が肉厚1.5〜6.5μmのポリエス
テル繊維であって、かつ該パイル部を構成する繊維とし
て、艶消剤を1.5重量%以上含有する実質的にカチオ
ン染料で染色されないポリエステル繊維A、艶消剤を
0.7重量%以下含有する実質的にカチオン染料で染色
されないポリエステル繊維B、カチオン染料可染ポリエ
ステル繊維Cの少なくとも3種のポリエステル繊維がい
ずれも全パイル部構成繊維中の20重量%以上を占めか
つ60重量%を超えることなく組合せ使用されてなるこ
とを特徴とする杢調パイル布帛。 【効果】プリント発色性が良好で、3杢感を有し、耐毛
倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性、耐白ボケ性
が高く、ソフトな風合いを有する良好な杢調パイル布帛
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内装用、家庭
内装用、オフィス内装用、展示場内装用あるいは衣料用
等に使用するパイル布帛に好適なパイル布帛に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両内装用の布帛としては織物、
編物、パイル織編物、レザー、レザー調の布帛など種々
の布帛が使用されている。この中で特に多く使用されて
いる布帛は、モケットと呼ばれるパイル織物、トリコッ
トの起毛布帛、ダブルラッセル編物である。
【0003】これら布帛の改良手段として、特開平5−
321060号公報に見られるように、使用時に毛倒れ
しないように収縮率の異なる繊維を混用する方法が提案
されている。
【0004】また、パイル布帛特有の白ボケ現象を改良
するため、例えば、特開昭62−268855号公報、
特開昭63−105143号公報では、パイル糸として
用いるポリエステル繊維が芯鞘構造で、鞘成分は芯成分
より濃く染まりやすいような成分を使用したものであ
る。
【0005】さらに、シルク調パイル布帛を得るため、
例えば、特公平6−21398号公報では変形十字ある
いはT字断面形状繊維の繊度ミックス繊維を使用するこ
とが提案されている。特開昭62−21842号公報、
特開昭63−59454号公報では扁平糸を用いてソフ
トな風合いを有し、立毛感や地透け感を改善したものも
提案されている。
【0006】さらにまた、特開昭63−126941号
公報にはソフトな風合いで毛倒れしない立毛パイル布帛
を得る方法として、少なくとも2種類のフイラメントか
らなり、繊度の小さいフィラメントが繊度の大きいフィ
ラメントを中心にして周囲を囲むように配列され、かつ
繊度の小さいフィラメントの先端が繊度の大きいフィラ
メントの先端よりも高く突出してカットパイル先端面に
凹凸が形成されている立毛布帛が提案されている。
【0007】しかしながら上記いずれの従来技術におい
ても、ソフトな風合いを有しながら、耐毛倒れ性が良好
で、かつパイル面のカバリング性が高く、さらにパイル
表面に明度差あるいは色相差の3杢感を有し、しかもプ
リント発色性に優れるという特性を兼ね備えた杢調パイ
ル布帛は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフトな風
合いを有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリン
グ性が高く、パイル表面に明度差あるいは色相差の3杢
感を有し、かつプリント発色性の良好な杢調パイル布帛
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、以下の構成を有する。
【0010】すなわち、パイル布帛のパイル部を構成す
る繊維の20〜100重量%が肉厚1.5〜6.5μm
のポリエステル繊維であって、かつ該パイル部を構成す
る繊維として、艶消剤を1.5重量%以上含有する実質
的にカチオン染料で染色されないポリエステル繊維A、
艶消剤を0.7重量%以下含有する実質的にカチオン染
料で染色されないポリエステル繊維B、カチオン染料可
染ポリエステル繊維Cの少なくとも3種のポリエステル
繊維がいずれも全パイル部構成繊維中の20重量%以上
を占めかつ60重量%を超えることなく組合せ使用され
てなることを特徴とする杢調パイル布帛である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のパイル布帛は、パイル部
を構成する繊維に後述する肉厚1.5〜6.5μmの繊
維を20〜100重量%含むものである。
【0012】図1〜3は、本発明のパイル布帛を構成す
る肉厚1.5〜6.5μmの繊維の例を示した摸式図で
ある。図1は偏平凹凸形状断面の摸式図、図2は丸型中
空断面の摸式図、図3はI型形状断面の摸式図を示す。
【0013】本発明でいう繊維の肉厚とは、パイル糸の
繊維軸に対して直角な断面について1000倍の電子顕
微鏡写真を撮って、図1または図3のように中空の断面
でない形状の繊維では、断面中心から繊維表面に向かっ
て一番近い繊維表面までの距離tμmをパイル繊維20
本について測定したときの平均値をいう。なお、図3の
ような断面では、図示するように繊維断面において内接
円を描いたときに最も大きい内接円となるものの中心を
断面中心として繊維表面に向かって一番近い繊維表面ま
での距離tμmを測定する。また、中空繊維の場合は、
図2のように繊維表面から中空部までの厚みが肉厚とな
る。
【0014】本発明において、パイル部を構成する繊維
の肉厚は、耐毛倒れ性、パイル面のカバリング性、さら
にプリント発色性に関与する重要な要素であり、パイル
部を構成する繊維の20重量%以上が1.5〜6.5μ
mの範囲の肉厚を有する必要がある。好ましくは肉厚が
1.5〜6μm、さらに好ましくは肉厚が1.5〜5μ
mである。この範囲の肉厚の断面形状とすることによっ
て、耐毛倒れ性、パイル面のカバリング性に優れ、さら
にパイルが良く分散して、虫食いなく立毛するため、そ
こにプリント糊および染料がパイル面に均一に付着し易
くなるので、プリント染色加工後の発色性や柄がシャー
プに描かれる。
【0015】また、プリントでは液中染色に比べて繊維
表面のみが染色される、いわゆるリング染色と呼ばれる
状態になるが、本発明の肉厚1.5〜6.5μmを有す
る繊維を用いたパイル布帛は、たとえリング染色状態に
なっても繊維内部まで染料が拡散されて未染色部分が少
なくなることや、地染め後の抜染で抜染剤が繊維内部ま
で拡散されて未抜染部分が少なくなるという作用があ
る。
【0016】しかしながら、肉厚1.5μm未満では、
よりプリント発色性に優れるという観点からは望ましい
ものであるが、偏平凹凸形状断面やI型形状断面糸では
必然的に繊維断面の長手方向に長くなる。すなわち、偏
平化が進みすぎるためにパイル布帛としての要求特性で
ある耐毛倒れ性が低下したり(パイルが倒れやすくなっ
たり)、フィブリル化の問題も発生してくる。また、丸
型中空断面糸においては大円方向に進むとともに、中空
率も高くなり過ぎて円形を保持することが難しくなって
くるので要求特性を阻む問題が起きてくる。
【0017】一方、肉厚6.5μmを越えるとリング染
色状態がきつくなって、未抜染部分が多くなること、パ
イル面のカバリング性にも影響してプリント発色性が悪
くなる。また、肉厚が大厚化することは、逆偏平化(す
なわち、球形傾向)の方向へ進み耐毛倒れ性や耐白ボケ
性は向上するが、風合い面でやや堅くなったり、別途品
質上の問題が起きてくる。
【0018】また、このパイル部を構成する特定の肉厚
を有する繊維は、図1に示すような繊維表面に凹凸を有
する偏平の形状断面、図2に示すような中空断面あるい
は図3に示すようなドックボーンの形状如きI型形状断
面であることが、耐毛倒れ性を向上させる観点から好ま
しい。
【0019】さらに、本発明においてパイル部を構成す
る繊維は、艶消剤を1.5重量%以上含有する実質的に
カチオン染料で染色されないポリエステル繊維A(以
下、「繊維A」と略称する。)、艶消剤を0.7重量%
以下含有する実質的にカチオン染料で染色されないポリ
エステル繊維B(以下、「繊維B」と略称する。)、お
よびカチオン染料可染ポリエステル繊維C(以下、「繊
維C」と略称する。)から少なくともなるものである。
繊維A、繊維Bおよび繊維Cの割合は、少なくとも20
重量%以上とする必要があり、他の成分との関係から多
くても60重量%以下とすることが必要である。
【0020】なお、繊維Aに含まれる艶消剤の量は1.
5重量%以上であればよいが、紡糸工程における工程安
定性、繊維製造コストを考慮すれば高々7重量%までの
範囲の含有量で本発明の効果は達成できる。また、繊維
Bには艶消剤を全く含まない繊維も含まれる。艶消剤は
特に限定されるものではないが、酸化チタンが代表的な
例として挙げられ、その他、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウムなどの無機粒子があげられるが、有機粒子であって
も差し支えない。
【0021】艶消剤を多量に含む繊維Aは、パイルが染
色された場合、艶消剤の乱反射作用により明度が高くな
る効果がある。一方、艶消剤の乱反射作用による艶消剤
が少量である繊維Bが明度が低くなる。そして、繊維A
および繊維Bは、繊維Cに比べてポリエステルの組成が
異なることから染料の吸着量が少なくなり明度が高くな
るため、明度差による3種類の杢感すなわち3杢感を表
現できる。
【0022】杢感を効果的に表現するには、繊維Aと繊
維Bに含まれる艶消剤の含有量の差が大きいことが好ま
しく、具体的には、1重量%以上であることが好まし
い。
【0023】さらに繊維A、繊維Bおよび繊維Cをカチ
オン染料と分散染料の併用で同浴染色した場合、繊維A
および繊維Bは分散染料のみによって染着し、繊維Cは
カチオン染料および分散染料共に染着するため繊維Aお
よび繊維Bと繊維Cとの間を別の色相に染め分けること
ができるので明度差に加えて色相差のある3杢感を容易
に得られる効果がある。カチオン染料可染ポリエステル
繊維としては、例えば特公昭34−10497号公報、
特公平1−20248号公報等に見られるように、金属
スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を共重合、
あるいは金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成
分と分子量400〜6000のグリコール成分を共重合
する等の改質ポリエステルを用いて繊維とすることがで
きる。
【0024】繊維A、繊維Bあるいは繊維Cの割合のい
ずれかが20重量%未満ではそれぞれの繊維で得られる
明度差や色相差のパイル構成繊維割合が互いに低くなり
バランスが悪く、十分な3杢感が得られない。
【0025】なお、繊維A、繊維Bあるいは繊維Cは、
本発明の肉厚範囲の単一断面繊維のみであってもよい
し、他の断面繊維、例えば丸断面繊維、三葉形断面繊
維、扁平断面繊維等との混用であってもよい。特に、I
型断面繊維と丸断面繊維とを組み合わせた場合を例にと
れば、I型断面繊維を通常ポリエステル繊維で艶消剤を
多量に含む繊維Aと艶消剤の少ない繊維Bとし、丸断面
繊維をカチオン染料可染ポリエステル繊維Cで艶消剤が
少ない繊維とすれば組み合わせの効果によってさらに杢
感が明瞭でかつ耐毛倒れ性や抗フィブリル性を向上させ
ることができるので好ましい。
【0026】なお、一般に杢感とは、明度の高いパイル
と明度の低いパイルあるいは色相差や彩度差等があるパ
イルが互いに集団で存在し、粒状を呈するものをいう
が、本発明においていう杢感には、明度が高いパイル、
明度が中程度のパイルおよび明度が低いパイルあるい色
相が異なるパイルが互いに集団で存在し、粒状を呈する
ものの他、これら明度差や色相差を有するパイルが分散
状態で存在する、いわゆる霜降り状のものも含むもので
ある。
【0027】本発明のパイル布帛において、パイル部を
構成する繊維の繊維A、繊維Bおよび繊維Cの単繊維繊
度、耐毛倒れ性、繊維のささくれ現象いわゆるフィブリ
ル化を防止する観点から1デニール以上であることが好
ましく、またソフトな風合いを得て、リング状染色を防
止する観点から6デニール以下であることが好ましい。
【0028】杢調パイル布帛が車両用に用いられる場
合、パイルとしては風合い、耐毛倒れ性が重要な要求特
性となる。一般的にパイル部を構成する繊維のパイル側
面は表面に現れやすいため、光がパイル面に当たると鏡
面反射し易く、見る方向によって鏡面反射光つまり白色
光が高くなる傾向があり白ボケと呼ばれる現象を生じ易
い。そうした白ボケを防止する観点から、本発明におい
てパイル部を構成する繊維Bおよび繊維Cには酸化チタ
ンなどの艶消剤を0.01重量%以上含有させることは
好ましい。
【0029】パイル布帛のパイル部を構成する繊維は、
少量の羊毛、木綿、絹など天然繊維、また、ポリアミ
ド、ポリアクリルなどの合成繊維が含まれても差し支え
ないが、特に耐光性が要求される車両用としてはポリエ
ステル100重量%からなるものが好ましい。
【0030】本発明の杢調パイル布帛は無地染めであっ
てもプリントであってもソフトな風合いを有し、耐毛倒
れ性が良好で、パイル面のカバリング性が高く、パイル
表面に明度差や色相差の3杢感を有する効果を発揮す
る。なかでも特にパイル部を構成する繊維A、繊維Bお
よび繊維Cが綿染め・糸染めあるいは布帛液中染色等地
染めされ、プリント抜染または抜染後着色プリントまた
は抜染剤入りプリントされたものがより効果的である。
これらプリントパイル布帛では、上記ソフトな風合いを
有し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性が
高く、パイル表面に明度差や色相差の杢感を有する効果
に加えて優れたプリント発色性を発揮する。
【0031】杢調パイル布帛のパイル糸条は、紡績糸の
形態でもよいし、フィラメント糸形態、タスラン等のエ
ァー加工糸や仮ヨリ等のフィラメント加工糸形態、さら
には、それら紡績糸とフィラメント糸の複合糸や交織・
交編などの混用形態でもよい。また、パイル布帛構造と
しては、特に限定されず、モケットと呼ばれるパイル織
物、トリコット、ダブルラッセル等の編物の形態でもよ
い。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。実施例において示した諸特性の測定は以下の
方法により求めたものである。
【0033】[3杢感]パイル布帛の3杢感あるいは3
色霜降り感を目視判定し、優から不可まで7段階で評価
した。すなわち、表1において、優:二重丸、優〜良:
二重丸〜丸、良:丸、良〜可:丸〜三角、可:三角、可
〜不可:三角〜×、不可:×の7段階評価である。
【0034】[プリント発色性]地染めのアルカリ抜染
性、オーバープリントや着抜染時のプリントの鮮明性と
柄のシャープさを目視判定し、優から不可までの7段階
で評価した。なお、表1における表示は[3杢感]に記
載と同じである。
【0035】[耐毛倒れ性]パイル布帛の上に8cm
φ、2kgの重りをのせた状態で80℃の熱風乾燥機の
中に2時間放置した後、熱風乾燥機からパイル布帛を取
り出し、重りを除いて重りをのせた部分とのせない部分
の状態を目視判定し、優から不可まで7段階で評価し
た。なお、表1における表示は[3杢感]に記載と同じ
である。
【0036】[カバリング性]パイル布帛の表面地割れ
や虫食いの状態を目視判定し、優から不可まで7段階で
評価した。なお、表1における表示は[3杢感]に記載
と同じである。
【0037】[ソフト風合い]パイル布帛の表面の触感
を判定し、ソフトから粗剛まで7段階で評価した。な
お、表1における表示は[3杢感]に記載と同じであ
る。
【0038】[耐白ボケ性]パイル布帛を10×10c
mの方形に4枚カットし上段左に正タテ方向が上下方向
になるように置き、上段右に正ヨコ方向が左右方向にな
るように置き、下段左に逆ヨコ方向が左右方向になるよ
うに置き、下段右に逆タテ方向が上下方向になるように
置いて、種々の角度から目視判定し、優から不可まで7
段階で評価した。なお、表1における表示は[3杢感]
に記載と同じである。
【0039】実施例1 繊維Aとして酸化チタンを2.0重量%含有したポリエ
チレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、肉
厚5.8μm、単繊維繊度3.0デニール、繊維長51
mmの図1のような偏平凹凸形状断面ステープルを製造
した。このステープルを用いて撚係数=3.1の30番
手(綿番手)の紡績糸とした。
【0040】繊維Bとしては酸化チタンを0.04重量
%含有したポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡
糸、延伸して、同じく肉厚5.8μm、単繊維繊度3.
0デニール、繊維長51mmの図1のような偏平凹凸形
状ステープルを製造した。このステープルを用いて撚係
数=3.1の30番手(綿番手)の紡績糸とした。
【0041】繊維Cとしてジメチル5−ナトリウムスル
ホイソフタレート(2.7モル%)/エチレンテレフタ
レート(97.3モル%)共重合体で酸化チタンを0.
01重量%含有したチップを用いて溶融紡糸、延伸し
て、単繊維繊度2.5デニール、繊維長51mmの丸断
面形状ステープルを製造した。このステープルを用いて
撚係数=3.1の30番手(綿番手)の紡績糸とした。
【0042】前記3種類の紡績糸を用いて上撚係数=
3.0の3子撚糸(すなわち繊維A,B,C等比率)と
し、通常の分散染料チーズ染色方法でエンジ色に染色し
てパイル糸とした。また、地糸にはポリエステル65
%、レーヨン35%の30/2(綿番手)の紡績糸を使
用し、パイル経糸密度=40本/in、地経糸密度=4
0本/in、地緯糸密度=40本/in、パイル長=
2.6mmの条件で二重織モケットを製織した後、毛さ
ばき、剪毛してパイル布帛を製造した。
【0043】得られたパイル布帛を常法によりアルカリ
抜染、分散染料とカチオン染料の併用プリント、乾燥、
蒸し、洗浄、乾燥して4色の幾何学模様がプリントされ
たパイル布帛を得た。
【0044】得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部分の色
が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャ
ープないわゆるプリント発色性が良好であった。さら
に、地部は、繊維Aの明度が一番高く、繊維Bは中間、
最も低いものが繊維Cとなる明度差3杢感が有り、柄部
は、繊維Aによるパイル繊維が繊維Bによるパイル繊維
に比べて明度が高く、かつ繊維Cは色相が異なる明度差
と色相の混じった3杢感を有する杢調パイル布帛が得ら
れた。また、このパイル布帛はカバリング性良好で(パ
イル表面に虫食い状の未パイル部分がない)、耐毛倒れ
性や耐白ボケ性が優れ、ソフトな風合いが得られた。
【0045】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0046】実施例2 繊維Aおよび繊維Bの製造時に紡糸口金、紡糸ポリマ−
吐質量を変更して肉厚が6.5μmのものとした以外
は、実施例1と同様の方法によりプリントパイル布帛を
得た。
【0047】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0048】実施例3 繊維Aおよび繊維Bの製造時に紡糸口金、紡糸ポリマ−
吐質量を変更して肉厚が1.5μmのものとした以外
は、実施例1と同様の方法によりプリントパイル布帛を
得た。
【0049】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0050】実施例4 繊維Aとして酸化チタンを2.0重量%含有したポリエ
チレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、肉
厚5.8μm、単繊維繊度3.0デニール、繊維長51
mmの丸断面形状ステープルを製造した。このステープ
ルを用いて撚係数=3.1の30番手(綿番手)の紡績
糸とした。
【0051】繊維Bとしては酸化チタンを0.04重量
%含有したポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡
糸、延伸して、同じく肉厚5.8μm、単繊維繊度3.
0デニール、繊維長51mmの図3のようなI型断面形
状ステープルを製造した。このステープルを用いて撚係
数=3.1の30番手(綿番手)の紡績糸とした。
【0052】繊維Cとしては、実施例1の繊維Cと同様
の紡績糸を用いた。
【0053】次いで、3子撚糸の撚り合わせ、布帛の構
成、プリント仕上条件、評価基準など実施例1と同様に
行いプリントパイル布帛を得た。
【0054】得られたパイル布帛は、プリント発色性が
良好で、さらに地部は、繊維Aの明度が一番高く、繊維
Bは中間、最も低いものが繊維Cとなる明度差3段階の
霜降り状杢感が有り、柄部は、繊維Aによるパイル繊維
が繊維Bによるパイル繊維に比べて明度が高く、かつ繊
維Cは色相が異なる明度差と色相の相混じった3段階の
霜降り状杢感を有する杢調パイル布帛が得られた。
【0055】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0056】実施例5 実施例4と同様の繊維A、繊維Bおよび繊維Cのステー
プルを用いて、繊維Aのステープル20重量%、繊維B
のステープル40重量%、繊維Cのステープル40重量
%の30番手(綿番手)混紡糸とする他は、実施例4と
同様にプリントされたパイル布帛を得た。
【0057】得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部分の色
が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャ
ープないわゆるプリント発色性が良好なものであった。
さらに地部は、繊維Aの明度が一番高く、繊維Bは中
間、最も低いものが繊維Cとなる明度差3段階の霜降り
状杢感が有り、柄部は、繊維Aによるパイル繊維が繊維
Bによるパイル繊維に比べて明度が高く、かつ繊維Cは
色相が異なる明度差と色相の混じったバランスの良い3
段階の霜降り状杢感を有する杢調パイル布帛が得られ
た。また、耐毛倒れ性や耐白ボケ性にも優れ、ソフトな
風合いを兼ね備えたパイル布帛が得られた。
【0058】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0059】実施例6 実施例4と同様の繊維A、繊維Bおよび繊維Cのステー
プルを用いて、繊維Aのステープル40重量%、繊維B
のステープル40重量%、繊維Cのステープル20重量
%の30番手(綿番手)混紡糸とする他は、実施例4と
同様にプリントされたパイル布帛を得た。
【0060】得られたパイル布帛は、チーズ染めの染料
が抜染時に良く抜け、その上にプリントした柄部分の色
が鮮やかに着色し、かつ地色とプリント部の境界がシャ
ープないわゆるプリント発色性が良好な布帛であった。
さらに地部は、繊維Aの明度が一番高く、繊維Bは中
間、最も低いものが繊維Cとなる明度差3段階の霜降り
状杢感が有り、柄部は、繊維Aによるパイル繊維が繊維
Bによるパイル繊維に比べて明度が高く、かつ繊維Cが
持つ鮮やかな色相は強まるが明度差と色相の混じった3
段階の霜降り状杢感を有する杢調パイル布帛が得られ
た。また、このパイル布帛は、カバリング性良好で耐毛
倒れ性や耐白ボケ性が優れ、ソフトな風合いのものが得
られた。
【0061】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0062】比較例1 繊維Aとして酸化チタンを2.0重量%含有したポリエ
チレンテレフタレートを用いて溶融紡糸、延伸して、肉
厚7.0μm、単繊維繊度3.0デニール、繊維長51
mmの偏平凹凸形状断面ステープルを製造した。このス
テープルを用いて撚係数=3.1の30番手(綿番手)
の紡績糸とした。
【0063】繊維Bとしては酸化チタンを0.04重量
%含有したポリエチレンテレフタレートを用いて溶融紡
糸、延伸して、同じく肉厚6.7μm、単繊維繊度3.
0デニール、繊維長51mmの偏平凹凸形状ステープル
を製造し、繊維Aと同様の紡績糸とした。
【0064】繊維Cとしては、実施例1の繊維Cと同様
の紡績糸を用いた。
【0065】前記3種類の紡績糸を用いて上撚係数=
3.0の3子撚糸とし、通常の分散染料チーズ染色方法
でエンジ色に染色してパイル糸とした。以下、実施例1
と同じ製造条件によりプリントパイル布帛を得た。
【0066】得られたパイル布帛は、地部の繊維Aは明
度が一番高く、繊維Bは中間、最も低いものが繊維Cと
なる明度差3杢感が有り、柄部は、繊維Aによるパイル
繊維が繊維Bによるパイル繊維に比べて明度が高く、か
つ繊維Cは色相が異なる明度差と色相の混じった3杢感
を有する杢調パイル布帛が得られた。
【0067】しかし、このパイル布帛は、繊維の厚さが
厚いためリング染色傾向になることから、プリント発色
性の面で劣るものであった。
【0068】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0069】比較例2 繊維A、繊維Bの肉厚を1.0μmとし、単繊維繊度
3.0デニール、繊維長51mmの偏平凹凸形状断面ス
テープルをそれぞれ製造した。以下、実施例1と同じ製
造条件によりプリントパイル布帛を得た。
【0070】得られたパイル布帛は、プリント発色性が
良好で3杢感を有する杢調パイル布帛が得られた。
【0071】しかし、肉厚を薄化方向にすると、より偏
平化することでありソフトな風合いとプリント発色性面
で良好にはなるが、耐毛倒れ性が低く品質的にも劣るも
のとなった。
【0072】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。 比較例3 実施例4と同様の繊維A、繊維Bおよび繊維Cのステー
プルを用いて、繊維Aのステープル45.0重量%、繊
維Bのステープル10.0重量%、繊維Cのステープル
45.0重量%の30番手(綿番手)混紡糸とする他
は、実施例4と同様にしてプリントパイル布帛を得た。
【0073】得られたパイル布帛は、繊維B比率が少な
くなったため、霜降り感の表現が小さくなり(2杢感調
のもの)、バランスの良い3杢感を有する杢調パイル布
帛が得られなかった。また、プリント発色性やソフト感
にも欠けるものであった。
【0074】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0075】比較例4 実施例4で得られた繊維A、繊維Bおよび繊維Cのステ
ープルを用いて、繊維Aのステープル10.0重量%、
繊維Bのステープル45.0重量%、繊維Cのステープ
ル45.0重量%の30番手(綿番手)混紡糸とする他
は、実施例4と同様にしてプリントされたパイル布帛を
得た。
【0076】得られたパイル布帛は、プリント発色性は
良好であったが、繊維Aの明度差が消され、霜降り感の
表現が小さくなって、バランスの良い3杢感を有する杢
調パイル布帛が得られなかった。
【0077】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0078】比較例5 実施例4で得られた繊維A、繊維Bおよび繊維Cのステ
ープルを用いて、繊維Aのステープル45.0重量%、
繊維Bのステープル45.0重量%、繊維Cのステープ
ル10.0重量%の30番手(綿番手)混紡糸とする他
は、実施例4と同様にしてプリントされたパイル布帛を
得た。
【0079】得られたパイル布帛は、プリント発色性は
良好なものであったが、繊維Cのもつ色彩感や明度差が
出にくく、バランスの良い3杢感を有する杢調パイル布
帛が得られなかった。
【0080】パイル布帛に使用した原綿特性とパイル布
帛特性を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】プリント発色性が良好で、3杢感を有
し、耐毛倒れ性が良好で、パイル面のカバリング性、耐
白ボケ性が高く、ソフトな風合いを有する良好な杢調パ
イル布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のパイル部を構成する繊維とし
て用いられる繊維の一例である偏平凹凸形状断面の模式
図である。
【図2】図2は、本発明のパイル部を構成する繊維とし
て用いられる繊維の他の一例である丸型中空断面の模式
図である。
【図3】図3は、本発明のパイル部を構成する繊維とし
て用いられる繊維の他の一例であるI型形状断面の模式
図である。
【符号の説明】
t:繊維の肉厚

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル布帛のパイル部を構成する繊維の2
    0〜100重量%が肉厚1.5〜6.5μmのポリエス
    テル繊維であって、かつ該パイル部を構成する繊維とし
    て、艶消剤を1.5重量%以上含有する実質的にカチオ
    ン染料で染色されないポリエステル繊維A、艶消剤を
    0.7重量%以下含有する実質的にカチオン染料で染色
    されないポリエステル繊維B、カチオン染料可染ポリエ
    ステル繊維Cの少なくとも3種のポリエステル繊維がい
    ずれも全パイル部構成繊維中の20重量%以上を占めか
    つ60重量%を超えることなく組合せ使用されてなるこ
    とを特徴とする杢調パイル布帛。
  2. 【請求項2】前記パイル部を構成する繊維の単繊維繊度
    が1〜6デニールであることを特徴とする請求項1記載
    の杢調パイル布帛。
  3. 【請求項3】前記パイル部を構成する繊維が綿染め、糸
    染め、地染め、着色プリント、プリント抜染、抜染後着
    色プリントあるいは抜染剤入り着色プリントのいずれか
    で着色されてなることを特徴とする請求項1記載のパイ
    ル布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999019550A1 (en) * 1997-10-13 1999-04-22 Teijin Limited Warp knitting fabric exhibiting interference color tone
WO2006014020A1 (ja) * 2004-08-06 2006-02-09 Teijin Fibers Limited ソフトな風合、耐磨耗性及び深色効果に優れたポリエステル立毛布帛
JP2006328566A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Teijin Fibers Ltd 立毛布帛および繊維製品

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