JP2006328566A - 立毛布帛および繊維製品 - Google Patents

立毛布帛および繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2006328566A
JP2006328566A JP2005150628A JP2005150628A JP2006328566A JP 2006328566 A JP2006328566 A JP 2006328566A JP 2005150628 A JP2005150628 A JP 2005150628A JP 2005150628 A JP2005150628 A JP 2005150628A JP 2006328566 A JP2006328566 A JP 2006328566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
section
flat cross
polyester
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005150628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4782472B2 (ja
Inventor
Hirokazu Hayashi
宏和 林
Sukefumi Fukunaga
右文 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Frontier Co Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2005150628A priority Critical patent/JP4782472B2/ja
Publication of JP2006328566A publication Critical patent/JP2006328566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4782472B2 publication Critical patent/JP4782472B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

【課題】ポリエステルカットパイル繊維からなるカットパイル層と地組織部とで構成される立毛布帛であって、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れた立毛布帛および繊維製品を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維糸条からなり編織組織を有する地組織部と、前記地組織部に編み込まれ、または織り込まれてなる複数のポリエステルカットパイル繊維からなるカットパイル層とを有する立毛布帛であって、前記ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上の扁平断面繊維と扁平度が2未満の非扁平断面繊維が含まれることを特徴とする立毛布帛。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエステルカットパイル繊維からなるカットパイル層と地組織部とで構成される立毛布帛であって、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れた立毛布帛および繊維製品に関する。
立毛布帛は、布帛の表面に立毛を有し、優雅な光沢やソフトな表面タッチを有していることから、カーシート用、家庭内装用、オフィス内装用、展示場内装用、衣料用などの用途で広く使用されている。
しかしながら、立毛布帛は前記のような特徴を有している反面、ほこりが付着しやすいという問題を有している。
ほこりの付着を抑制する方法としては、扁平断面繊維で立毛糸を構成することが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。かかる方法によれば、扁平断面の広い面側が生地表面に広がり、ほこりが内部まで侵入することを妨げることができ、ほこりの付着を抑制することが可能である。しかしながら、扁平断面繊維で立毛糸を構成すると毛倒れが発生しやすいという問題があった。
他方、異型断面繊維で立毛糸を構成した立毛布帛としては、十字型断面のアクリル繊維を用いたもの(例えば特許文献3参照)や扁平度が異なる2種類の異型断面繊維を用いたもの(例えば特許文献4参照)などが知られている。
特開2002−339186号公報 特開2003−201651号公報 特開平11−217725号公報 特開平8−74151号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れた立毛布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、扁平断面繊維と非扁平断面繊維とで立毛糸を構成することにより、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れた立毛布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエステル繊維糸条からなり編織組織を有する地組織部と、前記地組織部に編み込まれ、または織り込まれてなる複数のポリエステルカットパイル繊維からなるカットパイル層とを有する立毛布帛であって、
前記ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上の扁平断面繊維と扁平率が2未満の非扁平断面繊維が含まれることを特徴とする立毛布帛。」が提供される。
ただし、扁平度とは長軸方向と短軸方向との長さの比であり、下記式により算出される。
扁平度=長軸方向の長さ/短軸方向の長さ
その際、前記の扁平断面繊維が2個以上のくびれ部を有することが好ましい。かかる扁平断面繊維の扁平断面において、その幅の最大値(C1)の、最小値(C2)に対する比(C1/C2)が1.05〜4.00の範囲内であることが好ましい。一方、前記の非扁平断面繊維が3箇所以上の凹部を有する異型断面繊維であることが好ましく、特に十字断面繊維であることが好ましい。前記扁平断面繊維と非扁平断面繊維とのトータル繊度比としては、前者:後者で70:30〜10:90の範囲内であることが好ましい。また、前記ポリエステルカットパイル繊維の単糸繊度が、0.6〜5.0dtexの範囲内であることが好ましい。また、ポリエステルカットパイル繊維が無撚であることが好ましい。
本発明の立毛布帛において、ポリエステルカットパイル繊維のパイル密度が5×10dtex/cm以上であることが好ましい。パイル密度カバーファクターとしては、2×10以上であることが好ましい。また、ポリエステルカットパイル繊維が、扁平度が2以上の扁平断面繊維からなるポリエステルマルチフィラメント糸と、扁平度が2未満の非扁平断面繊維からなるポリエステルマルチフィラメント糸とを含む複合糸から形成されたものであることが好ましい。また、耐ほこり付着性が4級以上、耐毛倒れ性が4級以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の立毛布帛を用いてなる、自動車内装用またはインテリア用繊維製品が提供される。
本発明によれば、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れた立毛布帛および繊維製品が得られる。
本発明の立毛布帛は、ポリエステル繊維糸条からなり編織組織を有する地組織部と、少なくとも1層のカットパイル層とからなる。かかるカットパイル層は、前記地組織部に編み込まれ、または織り込まれ、前記地組織部からその少なくとも1面側に伸び出ており、扁平度が2以上の扁平断面繊維と扁平度が2未満の非扁平断面繊維とを含むポリエステルカットパイル繊維からなる。
ただし、扁平度とは長軸方向と短軸方向との長さの比であり、下記式により算出される。
扁平度=長軸方向の長さ/短軸方向の長さ
ここで、上記ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上(好ましくは2〜5)の扁平断面繊維と扁平度が2未満(好ましくは1〜1.5)の非扁平断面繊維が含まれることが肝要である。ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上の扁平断面繊維が含まれることにより、扁平断面の広い面側が生地表面に広がり、ほこりが内部まで侵入することを妨げることができ、ほこりの付着を抑制することが可能となる。一方、ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2未満の非扁平断面繊維が含まれることにより、耐毛倒れ性が向上する。
前記の扁平断面繊維において、2個以上のくびれ部を有していると、ほこりとの接触面積が小さくなるため、ほこりが付着しにくく好ましい。図1はくびれ部を有する扁平断面形状を模式的に示すものであり、断面1において、その長手中心線の両側に、長手中心線から外側に向かって膨出している片面当り3個以上(図1においては4個)の膨出部と、この膨出部の間に形成されている片面当たり2個以上(図1においては3個)のくびれ部とが長手中心線に関して対称に形成されている。
その際、一方の片面に形成された膨出部が、他方の片面に形成された膨出部とほぼ対称に位置し、かつ、片面に形成されたくびれ部が、長手中心線に対して、他方の片面に形成されたくびれ部とほぼ対称に位置しておればよく、両側に形成された膨出部やくびれ部の形状が、完全に対称な形状である必要はない。また、その長手中心線に、直交する方向の最大幅(C1)の、最小値(C2)に対する比(C1/C2)は、1.05〜4.00(より好ましくは1.10〜2.50)の範囲内であることが好ましい。
一方、前記の非扁平断面繊維は、3箇所以上の凹部を有する異型断面繊維であることが好ましい。このように、非扁平断面繊維に凹部が形成されていると、耐毛倒れ性が向上するだけでなく、ほこりとの接触面積が小さくなるため、ほこりが付着しにくく好ましい。
なお、本発明でいう凹部とは、ポリエステルカットパイル繊維につき、その任意の横断面において、図2に示すように、凹部の開口部の長さをL、凹部の最大深さをHとし、下記式を用いて開口深度S(%)を算出したとき、該開口深度Sが1%以上の場合、凹部と定義する。
S(%)=H/L×100
前記3箇所以上の凹部を有する異型断面繊維としては、十字断面繊維、Y字断面繊維、歯車型断面繊維などが例示される。なかでも、優れた耐毛倒れ性とほこりの耐付着性を得る上で十字断面(4箇所の凹部を有する)繊維が特に好ましい。
前記扁平断面繊維と非扁平断面繊維とのトータル繊度比としては、前者:後者で70:30〜10:90の範囲内であることが好ましい。扁平断面繊維のトータル繊度が該範囲よりも小さいと、ほこりが付着しやすくなるおそれがある。一方、非扁平断面繊維のトータル繊度が該範囲よりも小さいと、耐毛倒れ性が低下するおそれがある。なお、トータル繊度とは、立毛糸の単糸繊度に単糸本数をかけあわせたものである。
前記ポリエステルカットパイル繊維の単糸繊度としては、0.6〜5.0dtex(より好ましくは1.0〜4.0dtex)の範囲内であることが好ましい。該単糸繊度が5.0dtexよりも大きいと、表面タッチが硬くなるおそれがある。逆に該単糸繊度が0.6dtexよりも小さいと毛倒れが発生するおそれがある。
前記ポリエステルカットパイル繊維は、無撚であることが好ましい。撚りがかけられていると、扁平断面の広い面側が生地表面に広がりにくく、ほこりが内部まで侵入し、付着しやすくなるおそれがある。また、かかるポリエステルカットパイル繊維には、捲縮が付与されていてもよいし、捲縮が付与されてなくてもよい。捲縮を付与する方法としては、通常の仮撚捲縮加工、空気ジェット捲縮法、圧縮捲縮法などを使用することができる。なお、捲縮を付与する場合、捲縮率としては10%以下(より好ましくは3%以下)であることが好ましい。
前記ポリエステルカットパイル繊維の立毛高さとしては、特に限定はないが、0.5〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。かかるパイル高さが0.5mmよりも小さいと、ソフトな風合いが損なわれるおそれがある。逆に、3.0mmよりも大きいと、毛倒れが発生するおそれがある。
また、前記ポリエステルカットパイル繊維のパイル密度が5×10dtex/cm以上(より好ましくは6×10〜1.2×10dtex/cm)であることが好ましい。また、パイル密度カバーファクターが2×10以上(より好ましくは6×10〜2.5×10であることが好ましい。かかるパイル密度およびパイル密度カバーファクターがこれらの範囲よりも小さいと、立毛糸間の空隙が大きくなり、ほこりが内部まで侵入し、付着しやすくなるおそれがある。パイル密度およびパイル密度カバーファクターが大きいほどほこりの耐付着性が向上するが、あまり大きいとソフトな風合いが損なわれるおそれがある。
なお、かかるパイル密度は、直接1cmあたりの単繊維の本数を数え、それに単糸繊度をかけ算してもよいが、例えば、本発明の立毛布帛が経編物である場合、コース数(本/cm)×ウエール数(本/cm)×パイル用糸条の総繊度(dtex)×2で算出してもよい。ただし、総繊度とは、パイル用糸条の単繊維繊度(dtex)×1糸条内の単繊維数である。また、パイル密度カバーファクターは、直接1cmあたりの単繊維の本数を数え、それに単糸繊度の平方根の逆数をかけ算してもよいが、例えば、本発明の立毛布帛が経編物である場合、コース数(本/cm)×ウエール数(本/cm)×パイル用糸条の単繊維繊度(dtex)の平方根の逆数×1糸条内の単繊維数×2で算出してもよい。ただし、総繊度とは、パイル用糸条の単繊維繊度(dtex)×1糸条内の単繊維数である。
前記ポリエステルカットパイル繊維を形成するポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される通常のポリエステルでよい。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。また、必要に応じて、艶消し剤、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上を含有させてもよい。
本発明の立毛布帛において、地組織部はポリエステル繊維糸条からなる編織組織を有するものである。かかるポリエステル繊維を形成するポリエステル樹脂としては、前述のものでよく、艶消し剤の含有量も特に限定されない。また、該ポリエステル繊維糸条の単糸繊維繊度および総繊度は、布帛の風合いを損なわない上で、単糸繊維繊度0.5〜5.0dtex、総繊度30〜300dtexであることが好ましい。また、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の丸型断面のほかに三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六葉形、あるいは中空形の断面形状であってもよい。さらに、かかるポリエステル繊維糸条は、仮撚捲縮加工糸や2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸、さらには芯部に弾性糸、鞘部に非弾性糸が位置するカバリング糸であってもよい。
本発明の立毛布帛において、編織組織に制限はなく、例えば経パイル織物、緯パイル織物、シンカーパイル編物、ラッセルパイル編物、トリコットパイル編物などのループパイルをカットしたパイル布帛やモケット(二重織)織機によるパイル織物をセンターカットしたパイル布帛を包含する。
本発明の立毛布帛は、例えば以下の製造方法により製造することができる。
まず、例えば、特開昭56−107044号公報第5ページ第2図Cなどのような吐出孔を有する口金を用いてポリエステル樹脂を紡糸、延伸して、扁平度が2以上の扁平断面繊維糸条(マルチフィラメント糸)を得る。一方、通常の丸型、十字型、T字型などの吐出孔を有する口金を用いてポリエステル樹脂を紡糸、延伸して、扁平度が2未満の非扁平断面繊維糸条(マルチフィラメント糸)を得る。次いで、両糸条をインターレース空気ノズルなどにより混繊させ複合糸とすることにより、ポリエステルカットパイル繊維用糸条としてもよい。ここで、ポリエステルカットパイル繊維用糸条の形態としては、長繊維であることが好ましく、紡績糸では、撚りがかけられているため扁平断面の広い面側が生地表面に広がりにくく、ほこりが内部まで侵入し、付着しやすくなるおそれがある。また、紡績糸では、フィラメントのソフトタッチが得られないおそれがある。
一方、通常の口金を用いてポリエステル樹脂を紡糸することにより、地組織部用ポリエステル繊維糸条を得る。次いで、ポリエステルカットパイル繊維用糸条と地組織部用ポリエステル繊維糸条とを用いて立毛布帛を得る。
その際、編物組織を有するカットパイル層を形成するのは、地組織を製編し、その上に伸び出るシンカーパイル、ポールトリコットパイル、ダブルラッセルパイルなどのループパイル組織を形成し、このループパイルをカットする方法などが用いられる。ポールトリコットパイルは、トリコット編組織のパイル編み部分を、起毛機を用いてループパイルに形成することによって得られる。
一方、織物組織を有するカットパイル層を形成するには、経パイル織物又は緯パイル織物を製織し、そのループパイルをカットするか、あるいはモケット織物を製織し、そのパイル糸をセンターカットする。
かかる立毛布帛は、通常、プレセット乾熱処理された後、通常の染色加工、ファイナル乾熱処理される。その際、プレセット乾熱処理の温度としては150〜200℃、染色加工の温度としては130〜135℃、ファイナル乾熱処理の温度としては140〜160℃の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明の立毛布帛の地組織部において、カットパイル層と反対側の面には、公知のバックコーテイング層やパイル層などの他の層が形成されていてもよい。さらには、常法のエッチングによる模様づけ、エンボス加工、アルカリ減量加工、着色プリント、撥水加工、紫外線遮蔽剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた立毛布帛において、ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上の扁平断面繊維と扁平度が2未満の非扁平断面繊維とが混在しているので、扁平断面の広い面側が生地表面に広がり、ほこりが内部まで侵入することを妨げることができ、ほこりの付着を抑制することが可能となる。また、扁平度が2未満の非扁平断面繊維が含まれることにより、耐毛倒れ性が向上する。
ここで、下記に定義する耐ほこり付着性が4級以上であることが好ましい。
まず、JIS R 6252規定の研磨紙(P400C−Cw、P800C−Cw、P1200C−Cw)をJIS L 0849準拠の摩擦試験機(II型)を用いて、日本薬局方脱脂綿を3〜5mm厚に裂いたものを摩擦布として荷重2N、片道1秒のスピードで片方向1回摩擦する。このとき脱脂綿は綿繊維の方向が摩擦方向と垂直になるようセットする。ほこり付着のスケールを繊維の付着が少ない順に5級(P1200C−Cw)、3級(P800C−Cw)、1級(P400C−Cw)と定め、1〜5級で評価し、ほこり付着スケールを作製する。
次いで、サンプリングした試料をJIS L 0849準拠の摩擦試験機(II型)を用いて、日本薬局方脱脂綿を3〜5mm厚に裂いたものを摩擦布として荷重2N、片道1秒のスピードで5往復摩擦する。このとき脱脂綿は綿繊維の方向が摩擦方向と垂直になるようセットする。摩擦後の試料を上記で作製したほこり付着のスケールと比較して級を判断する。なお、サンプリングした生地のタテ方向とヨコ方向についてそれぞれ実施し、その平均値をその生地の耐ほこり付着性とし、0.5級刻み、1〜5級で評価する。
また、下記に定義する耐毛倒れ性が4級以上であることが好ましい。
布帛のカットパイル層を上にして水平に設置し、カットパイル面上に39.2cN/cm(40gf/cm)の荷重を載せて80℃の環境に120分設置し、荷重除去後の毛倒れ状態について変退色グレースケールで判定し、判定等級5級から1級の間で判定する。なお、級の数値が大きいほど耐毛倒れ性が良好である。
次に、本発明の繊維製品は、前記の立毛布帛を用いてなる、カーシートや天井部材などの車両内装用、椅子張り、カーペットなどのインテリアおよびオフィス内装用、展示場内装用、衣料用などの繊維製品である。かかる繊維製品は、前記の立毛布帛を用いているので、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れている。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)ほこり付着スケールの作製
JIS R 6252規定の研磨紙(P400C−Cw、P800C−Cw、P1200C−Cw)をJIS L 0849準拠の摩擦試験機(II型)を用いて、日本薬局方脱脂綿を3〜5mm厚に裂いたものを摩擦布として荷重2N、片道1秒のスピードで片方向1回摩擦する。このとき脱脂綿は綿繊維の方向が摩擦方向と垂直になるようセットする。ほこり付着のスケールを繊維の付着が少ない順に5級(P1200C−Cw)、3級(P800C−Cw)、1級(P400C−Cw)と定め、1〜5級で評価し、ほこり付着スケールを作製する。
(2)耐ほこり付着性試験
サンプリングした試料をJIS L 0849準拠の摩擦試験機(II型)を用いて、日本薬局方脱脂綿を3〜5mm厚に裂いたものを摩擦布として荷重2N、片道1秒のスピードで5往復摩擦する。このとき脱脂綿は綿繊維の方向が摩擦方向と垂直になるようセットする。摩擦後の試料を上記で作製したほこり付着のスケールと比較して級を判断する。なお、サンプリングした生地のタテ方向とヨコ方向についてそれぞれ実施し、その平均値をその生地の耐ほこり付着性とし、0.5級刻み、1〜5級で評価する。
(3)ほこり除去性試験
耐ほこり付着性の測定を行った試料を手のひらで軽く5回はたいた後、繊維の付着状況を観察する。評価は5段階とし、ほとんど付着していない場合を5級、付着しているが目立たない場合を3級、付着が目立つ場合を1級とする。
(4)表面タッチ
試験者3名により、表面タッチを官能評価する。滑らかさに優れるものを「○」、滑らかさにやや劣るものを「△」、滑らかさに劣るものを「×」とする。
(5)耐毛倒れ性
布帛のカットパイル層を上にして水平に設置し、カットパイル面上に39.2cN/cm(40gf/cm)の荷重を載せて80℃の環境に120分設置し、荷重除去後の毛倒れ状態について変退色グレースケールで判定し、判定等級5級から1級の間で判定する。なお、級の数値が大きいほど耐毛倒れ性が良好である。
[実施例1]
艶消し剤(酸化チタン)の含有量が2.5重量%であるポリエチレンテレフタレート樹脂を、十字形状の吐出孔を有する口金を用いて紡糸温度300℃で押し出し、通常の方法により延伸することにより、ヤーンカウントが70dtex/24フィラメントで、扁平度が1の、図2に示すような十字断面(4箇所の凹部を有する)延伸マルチフィラメント糸条を作製した。
一方、艶消し剤(酸化チタン)の含有量が2.5重量%であるポリエチレンテレフタレート樹脂を、図1に示されているくびれ付き扁平形状の吐出孔を有する口金を用いて紡糸温度300℃で押し出し、通常の方法により延伸することにより、ヤーンカウントが84dtex/30フィラメントの扁平断面延伸マルチフィラメント糸条を作製した。該扁平断面延伸マルチフィラメント糸条において、その断面形状の断面扁平度(B/C1)は3.2であり、扁平断面において、その幅の最大値(C1)の、最小値(C2)に対する比(C1/C2)が1.2であった。
次いで、両糸条を引き揃えて公知のインターレース空気ノズルを用いて空気混繊することにより、混繊糸(交絡数60個/m)を作製し、パイル用糸条とした。
一方、通常のポリエチレンテレフタレート樹脂を、通常の丸断面形状の溶融紡糸孔を通して、紡糸、延伸することにより、ヤーンカウントが84dtex/36フィラメントの延伸マルチフィラメント糸条を作製し、ミドル糸用糸条および地糸用糸条とした。
次いで、カールマイヤー社製のトリコット経編機を使用して、前記パイル糸用糸条を筬の振り表示:1056、前記ミドル糸用糸条を筬の振り表示:2310、地糸用糸条を筬の振り表示:1012で、コース数:60コース/2.54cm、ウエール数:28ウエール/2.54cmの編地を編成した。そして、得られたループパイル布帛を染色工程に供し、下記組成の染料組成物
(染色浴):
Teratop Blue HLB(商標、チバガイギー社製) 0.4%(布帛質量に対して)
Irgasol DAM(商標、チバガイギー社製) 1g/リットル
酢酸 0.5g/リットル
により、液流染色機(日阪製作所製)を用いて130℃45分間の染色を施した。染色後の布帛をショートループドライヤー(ヒラノテクシード社製)に供し、乾燥を施した。起毛剤処理をパディング機(ヒラノテクシード社製)にて実施し、乾熱セッターに供して、拡布状態において、温度:170℃、時間:1分間のプレセット乾熱熱処理を施した後、針布起毛機(日機(株)社製)にてループパイルの先端部分を起毛しカットし、その後、シャーリング機(日機(株)社製)に供して、ループパイルの先端部分を剪毛し、カットパイル(パイル高さ2.0mm)を形成した。得られたカットパイル布帛を、乾燥セッター(ヒラノテクシード社製)に供してこれに160℃×1分のファイナル乾熱処理を施し、コース数:56コース/2.54cm、ウエール数:39ウエール/2.54cmの立毛布帛を得た。
得られた立毛布帛において、パイル密度が104300dtex/cm、パイル密度カバーファクターが21650であり、耐ほこり付着性4.5級、ほこり除去性5級、耐毛倒れ性4級、滑らかな表面タッチ(○)を呈するものであった。
[実施例2]
実施例1において、十字断面延伸マルチフィラメント糸条のかわりにヤーンカウントが70dtex/24フィラメントで、扁平度が1の、通常の丸断面の延伸マルチフィラメント糸条を用いること以外は実施例1と同様にした。
得られた立毛布帛において、パイル密度が104300dtex/cm、パイル密度カバーファクターが21650であり、耐ほこり付着性4級、ほこり除去性4級、耐毛倒れ性3級、滑らかな表面タッチ(○)を呈するものであった。
[比較例1]
実施例1において、パイル糸用糸条として、扁平断面延伸マルチフィラメント糸条単独で使用すること以外は実施例1と同様にした。
得られた立毛布帛において、耐ほこり付着性4級、ほこり除去性4級、耐毛倒れ性1級、滑らかな表面タッチ(○)を呈するものであった。
本発明の立毛布帛は、ほこりが付着しにくく、かつ耐毛倒れ性に優れているので、カーシートや天井部材などの車両内装用、椅子張り、カーペットなどのインテリアおよびオフィス内装用、展示場内装用、衣料用などの繊維製品として使用することができ、その工業的価値は極めて大である。
扁平断面繊維の1例を模式的に示す図である。 凹部を説明するための説明図である。
符号の説明
1 単繊維の断面
L 凹部の開口部の長さ
H 凹部の最大深さ

Claims (14)

  1. ポリエステル繊維糸条からなり編織組織を有する地組織部と、前記地組織部に編み込まれ、または織り込まれてなる複数のポリエステルカットパイル繊維からなるカットパイル層とを有する立毛布帛であって、
    前記ポリエステルカットパイル繊維に、扁平度が2以上の扁平断面繊維と扁平度が2未満の非扁平断面繊維が含まれることを特徴とする立毛布帛。
    ただし、扁平度とは長軸方向と短軸方向との長さの比であり、下記式により算出される。
    扁平度=長軸方向の長さ/短軸方向の長さ
  2. 前記の扁平断面繊維が2個以上のくびれ部を有する、請求項1に記載の立毛布帛。
  3. 前記扁平断面繊維の扁平断面において、その幅の最大値(C1)の、最小値(C2)に対する比(C1/C2)が1.05〜4.00の範囲内である、請求項2に記載の立毛布帛。
  4. 前記の非扁平断面繊維が3箇所以上の凹部を有する異型断面繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の立毛布帛。
  5. 前記の非扁平断面繊維が十字断面繊維である、請求項4に記載の立毛布帛。
  6. 前記扁平断面繊維と非扁平断面繊維とのトータル繊度比が、前者:後者で70:30〜10:90の範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の立毛布帛。
  7. 前記ポリエステルカットパイル繊維の単糸繊度が、0.6〜5.0dtexの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の立毛布帛。
  8. ポリエステルカットパイル繊維が無撚である、請求項1〜7のいずれかに記載の立毛布帛。
  9. ポリエステルカットパイル繊維のパイル密度が5×10dtex/cm以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の立毛布帛。
  10. パイル密度カバーファクターが2×10以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の立毛布帛。
  11. ポリエステルカットパイル繊維が、扁平度が2以上の扁平断面繊維からなるポリエステルマルチフィラメント糸と、扁平度が2未満の非扁平断面繊維からなるポリエステルマルチフィラメント糸とを含む複合糸から形成されたものである、請求項1〜10のいずれかに記載の立毛布帛。
  12. 耐ほこり付着性が4級以上である、請求項1〜11のいずれかに記載の立毛布帛。
  13. 耐毛倒れ性が3級以上である、請求項1〜12のいずれかに記載の立毛布帛。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の立毛布帛を用いてなる、自動車内装用またはインテリア用繊維製品。
JP2005150628A 2005-05-24 2005-05-24 立毛布帛および繊維製品 Expired - Fee Related JP4782472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005150628A JP4782472B2 (ja) 2005-05-24 2005-05-24 立毛布帛および繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005150628A JP4782472B2 (ja) 2005-05-24 2005-05-24 立毛布帛および繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006328566A true JP2006328566A (ja) 2006-12-07
JP4782472B2 JP4782472B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=37550544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005150628A Expired - Fee Related JP4782472B2 (ja) 2005-05-24 2005-05-24 立毛布帛および繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4782472B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280634A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Teijin Fibers Ltd 起毛編地およびその製造方法および衣料
JP2009285144A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Teijin Fibers Ltd 面ファスナーおよび繊維製品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0874151A (ja) * 1994-09-05 1996-03-19 Toyobo Co Ltd 立毛布帛
JPH09170139A (ja) * 1995-12-20 1997-06-30 Toray Ind Inc 杢調パイル布帛
JP2001303410A (ja) * 2000-04-27 2001-10-31 Teijin Ltd 立毛布帛
JP2002339186A (ja) * 2001-03-13 2002-11-27 Kuraray Co Ltd 織編物
JP2004052167A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Teijin Fibers Ltd 吸汗性とドレープ性を有する嵩高編物
JP2006045731A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Teijin Fibers Ltd ソフトな風合いと耐摩耗性を有する深色性立毛布帛および繊維製品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0874151A (ja) * 1994-09-05 1996-03-19 Toyobo Co Ltd 立毛布帛
JPH09170139A (ja) * 1995-12-20 1997-06-30 Toray Ind Inc 杢調パイル布帛
JP2001303410A (ja) * 2000-04-27 2001-10-31 Teijin Ltd 立毛布帛
JP2002339186A (ja) * 2001-03-13 2002-11-27 Kuraray Co Ltd 織編物
JP2004052167A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Teijin Fibers Ltd 吸汗性とドレープ性を有する嵩高編物
JP2006045731A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Teijin Fibers Ltd ソフトな風合いと耐摩耗性を有する深色性立毛布帛および繊維製品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280634A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Teijin Fibers Ltd 起毛編地およびその製造方法および衣料
JP2009285144A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Teijin Fibers Ltd 面ファスナーおよび繊維製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4782472B2 (ja) 2011-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006014020A1 (ja) ソフトな風合、耐磨耗性及び深色効果に優れたポリエステル立毛布帛
US20070215231A1 (en) Pile Fabric And Method For Producing The Same
JP2003306851A (ja) 清掃用立毛布帛
WO2017104338A1 (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
JP2006249610A (ja) ぬれ感の少ない織編物および繊維製品
JP5692958B2 (ja) 面ファスナーおよび繊維製品
JP3895227B2 (ja) 衣料関連商品
JP4782472B2 (ja) 立毛布帛および繊維製品
JP4410029B2 (ja) 繊維製品
JP7162758B2 (ja) 立体弾性丸編地
JP4155853B2 (ja) 織編物
JP2006316370A (ja) 黒ずみが抑制された立毛布帛および繊維製品
JP5113094B2 (ja) 撥水性布帛およびその製造方法および繊維製品
JP2002266249A (ja) 吸水・撥水性の二層構造織編地およびその製造方法
JP2008127722A (ja) 暗幕カーテン用黒原着ポリエステルマルチフィラメントおよび暗幕カーテン用織物
JP2004060064A (ja) 吸汗性を有する防透性織物
JP2008050722A (ja) 立毛布帛およびカーシート部材
JP2005320654A (ja) 新規外観パイル布帛およびカーシート
JP2000328393A (ja) パイル布帛
JP2007154363A (ja) 撥水性立毛布帛およびその製造方法および繊維製品
JP7238341B2 (ja) 織物
JP4541094B2 (ja) 凹凸織編地の製造方法
JP4520342B2 (ja) 経編物および該経編物を用いた薄起毛調経編物の製造方法
JP2021095644A (ja) 織物
JPH11200188A (ja) パイル布帛

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110707

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees