WO2003106739A1

WO2003106739A1 - 銅−錫−酸素系合金めっき

Info

Publication number: WO2003106739A1
Application number: PCT/JP2003/007484
Authority: WO
Inventors: 浦田　和也; 北川　和広; 小川　幸雄; 建二長谷川
Original assignee: 日本ニュークローム株式会社; Ｙｋｋニューマックス株式会社
Priority date: 2002-06-13
Filing date: 2003-06-12
Publication date: 2003-12-24
Also published as: BR0312136A; HK1081604A1; CN100460570C; US20070082216A1; EP1553213A4; US20050208314A1; TW200404918A; JPWO2003106739A1; AU2003244119A1; JP4299239B2; TWI265213B; BR0312136B1; EP1553213A1; US7157152B2; AU2003244119A8; CN1659316A; EP1553213B1

Abstract

めっき中の酸素の含有率が0.3at%～50at%、銅の含有率が20at%～80at%、錫の含有率が10at%～70at%であるCu-Sn-O系合金めっきに関する。めっき密着性、脱係合力安定性に優れた銅-錫合金を提供し、さらには、規制物質を含まず、黒色系の色調を有するCu-Sn-O系合金めっきを提供する。

Description

銅一錫一酸素系合金めつき技術分野

本発明は、ブローチ、ボタン、バックル、ファスナー、カフスポタン等の衣類に使用される服飾品、ネックレス、イアリング等の装飾品、玩具およびその他工業用品等に施される銅一錫合金めつきに関する。さらに詳しく言えば、めっき密着性、および後述する脱係合力安定性に優れ、さらには、めつき中に規制物質をふくまずに黒色系の色調を有することが可能な銅一錫一酸素系合金めつき（以下、 C u _ S n— O系合金めつきという。）に関するものである。背景技術

衣料品メーカーでは、衣類、袋物等の縫製の際に使用する針の残留による人体への刺傷の危険性が問題視されており、これを防止するために磁気探針が実施されている。そのため服飾品のめつきとしては、磁性のなレ、非磁性のニッケル一リン、ニッケルースズ合金めつきの利用が主流である。しかし近年、ニッケル含有金属が人体に接触した場合、皮膚にかぶれや炎症を惹き起すアレルゲンであることが問題となっており、ヨーロッパ、米国など世界の数力国では、このようなニッケルアレルギーから人体を保護するために、なんらかの対策（法政策）を取ろうとしている。

こういった背景のもと、ニッケル系金属めつきに代わる金属めつきとして、近年、銅一錫合金めつきが見直されている。

銅一錫合金めつきとしては、特開平 10-102278号公報、特開 2001- 295092号公報（米国特許第 6416571号）等に見られるように、従来より多くの技術が提案されている。し力し、これらの従来技術は、生地に取り付けて使用されるスナップボタンのように弾発的な係合が繰り返されるような用途の服飾品等に適用された場合、係合が繰り返されるうちに脱係合力（スナップをはずす時に生じる力）のバラツキが大きくなり、脱係合力が特定範囲から外れる結果、脱係合力が強すぎる場合は生地切れが発生し、逆に弱すぎる場合は、はずす意思がないのに外れたりしてしまうという問題（脱係合力安定性の問題）が生じる。なお、スナップポタンは、図 1に示すように一般に先端が膨出された丸頭 3 aを有するスタッド部材 3と、そのスタツド部材 3を生地 Ί に定着する為の取付部材 4よりなる雄スナップ 1と、前記雄スナップ 1の丸頭 3 aと弾発的に係合しうる弾発係合手段を有するソケット部材 5、そのソケット部材を別の生地 8に定着する為の取付部材 6よりなる雌スナップ 2を一組として使用されるポタンである。

さらに、服飾品または装飾品等に銅一錫合金めつきが施される場合、めつき外観色（色調）が重要な要求品質の一つとしてとらえられている。銅一錫合金めつきにおいては、赤色、黄色（金色）、白色、銀白色の色調のものは、めっき中の銅、錫の含有率を変えることによって実用化されており、また、黒色系の色調のものは、銅一錫めつき中にコバルトやセレンを入れることによって実用化されている。

し力し、この黒色系の色調を有する銅一錫一（コノレト、セレン）系合金めっきは、めっき中のコバルトおよびセレンが、 E N 7 1— 3の欧州玩具安全基準、あるいはェコテックス規格 1 0 0により、その含有量が規制されているので、規制物質を含まない黒色系の色調を有する銅一錫合金めつきが求められている。

コバノレト .セレンを含有しない黒色系の色調を有する銅一錫合金めつきとしては、唯一、前記特開平 10- 102278号公報に、重量比が C u Z S n = 4 1 / 5 9の淡黒色の色調を有する銅一錫合金めつきの製法が提案されているが、 JP03/07484

この黒色めつきは、脱係合力安定性に劣り、めっき自体の密着性が悪く、例えば、衣類等で擦られることにより衣類へ転写し、衣類の商品価値を損ねるという問題があり実用化には至っていない。

また、黒色系の色調を有する装飾、耐食用のめっきとしては、ニッケル一スズ合金よりなる黒色めつきが工業的に実用化されているが、これはめつきの密着性が悪いため脱係合力安定性が著しく劣るほか前述した二ッケルァレルギの問題もある。発明の開示

したがって、本願発明の課題は、めっき密着性、脱係合力安定性に優れた銅一錫合金めつきを提供することにあり、さらには、規制物質を含まず、黒色系の外観を有する C u— S n— O系合金めつきを提供することにある。

本願発明者らは、銅一錫合金めつき中のめっきの組成と品質性能（脱係合力安定性、めっき密着性、耐食性おょぴめっきの色調）について銳意検討した結果、めっき中に酸素を特定量含有する C u— S n—O系の合金めつきとすることにより、めつき密着性、耐食性を劣化させることなく、優れた脱係合力安定性を有し、さらには、黒色系の色調を有する合金めつきが得られることを見出し本発明を完成した。

すなわち、本願発明は以下の構成よりなる。

1 . めっき中の酸素の含有率が 0. 3at°/。〜5 O at%である C u— S n— O系合金めつき。

2 . めっき中の酸素の含有率が 0. 5at°/o〜4 7 at%である前項 1に記載の C u - S n— O系合金めつき。

3 . めっき中の酸素の含有率が 1. 5at%〜5 O at%である黒色系の外観を有する前項 1に記載の C u— S n— O系合金めつき。

4. めっき中の銅の含有率が 2 0 at%〜 8 0 at%、錫の含有率が 1 0 at%〜 7 O at%である前項 1乃至 3のいずれかに記載の C u— S n— O系合金めつき。

5 . 前項 1乃至 4のいずれかに記載の C u— S n— O系合金めつきが施された服飾品。

6 . 服飾品が、スナップボタンである前項 5に記載の C u— S 11— O系合金めっきが施されたスナップボタン。図面の簡単な説明

図 1はスナップポタンを説明するための断面図である。発明の詳細な説明

以下、本願発明を詳細に説明する。

本発明においては、めっき中の酸素含有率を 0. 3at°/_fl〜5 O at%とした C u 一 S n— O系合金めつきとすることにより初めて優れためつき密着性、耐食性、脱係合力安定性が得られる。

本願発明では、めっき中に酸素を含有させる手段は、特に限定されない。好ましい方法として、例えば酸化剤および Zまたは特殊な界面活性剤等の添加剤（例えば、トップリンス（奥野製薬工業（株）製））を添加しためっき浴でめっきする方法が挙げられる。

銅一錫合金めつき中に酸素を 0. 3at。〜 5 0 3 ％含有させることにより脱係合力安定性が向上する理由は明確ではないが、酸化物が形成されることにより、（1 ) めっきの硬度が上がること、（2 ) めっき表面に微細な凹凸が形成され、係合時の雌雄部材接触部の接触面積が小さくなるため、潤滑性が向上して摩擦係数が低下すること等の複合的な効果により、雌雄部材同士のかじりの抑制および/またはめっきの磨耗が低減されることに起因すると推定される。

めっき中の酸素の含有率が 0. 3at%未満では、 C u— S n— O系皮膜の金蘭 84

属的性質が強くなるため、本発明が目的とする優れた脱係合力安定性が得られない。また 5 O at%を超えると、 C u— S n— O系合金めつきは、ほとんど酸化物で形成されることになるため、めっきの密着性が悪くなり脱係合力安定性も低下する。特に優れた脱係合力安定性、めっき密着性を得るには酸素の含有率を 0. 5at%〜4 7 at%とすることが好ましく、特に 1. Oat%〜 3 7 at°/₀が好ましい。

さらに、本発明においては、めっき中の酸素の含有率を 1. 5at%以上、さらに好ましくは、 3 at°/₀以上、最も好ましくは 5 at°/。以上とすることにより黒色系の色調（黒味）を有するめっきを得ることができる。なお、めっきの色調の観点からのみ言えば、めっき中の酸素の含有率を增加させることにより、黒味を増すことが可能であり、この酸素の含有率を適宜選択することにより、用途に適した黒味を得ることができるが、前述したようにめつき中の酸素の含有率を過度に上昇させることは、脱係合力安定性、めっき密着性が劣ってくるため好ましくない。本発明では、黒色系の色調を有し、かつ、優れた脱係合力安定性、めっき密着性を有するめっきを得るための酸素含有率として、 1. 5at%〜 5 0 at%が好ましく、 3 at%〜 4 7 at%がより好ましく、 5 at%〜 3 7 at%が最も好ましい。

なお、ここでいう黒色系の色調は種々の方法で評価できるが、例えば、ハンターの色差式における明度指数（L値）（L = l O X Y^1/2) (Yは J I S Z 8722に規定する三刺激値（変数）のひとつである。）で、 L値が 8 7以下のものを言う。

本発明では、めっき中の銅の含有率を 2 O at°/。〜8 O at%、錫の含有率を 1 O at%〜7 0 3セ％とすることが好ましい。めっき中の銅の含有率が 2 O at %未満か、あるいは錫の含有率が 7 O at%を超えると、めっきの硬度が過度に低下し脱係合力安定性の劣ったものとなる。一方、銅の含有率が 8 0 at% を超える力、あるいは錫の含有率が 1 O at°/₀未満では、めっきの硬度が過度に高くなりすぎるため、めっきが脆くなり密着性、耐食性の劣ったものとなる。

また、黒色系の色調を有する銅一錫一酸素系合金めつきの場合、このめつき中の銅、錫の含有率を調整する事により、赤味をおびた黒、グレー系の黒、青味をおびた黒、緑がかった黒、黄味をおびた黒等、色彩を変化させることが可能となる。

銅および錫のより好ましい含有率は、銅の含有率が 3 O at%〜7 5 at%、錫の含有率が 1 5 at°/。~ 6 O at%である。

なお、本発明の C u— S n— O系合金めつきは、銅、錫、酸素以外の成分を品質に悪影響を及ぼさない範囲の少量含有するものも含む。すなわち、めつき液原料水に由来する、カルシウム、珪素、塩素等の成分、光沢剤等のめつき助剤に由来する炭素、窒素、硫黄、りん等の成分を少量含有するものも品質に悪影響を及ぼさない範囲に限り本発明の C u— S n— O系合金めつきに含まれる。

本発明において、銅、錫、酸素原子の含有率は、ォージェ電子分光法（以下オージュという）による深さ方向の組成分析結果に基く値である。但し、めっき最表面は、自然酸化、表面の汚染等の影響により、再現性の良い正確な分析値を得にくいので、本発明ではこの最表面の分析値は除外する。すなわち、自然酸化、表面の汚染等の影響を受けにくく、めっき組成が極端な経時変化を起しにくい部分、通常はめつき最表面より内側（基材側）の深さ方向に約 1 0 n m以上（スパッタリング速度とスパッタリング時間より換算した値）の部分の分析値をもって銅、錫、酸素原子の含有率とする。

本発明の実施形態としては、本願発明による C u— S n— O系合金めつきが基材上に少なくともめつきの最上層として施されたものであればよく、単層めつき品でも多層めつき品でもよい。具体的には基材上に本発明による合金めつきが 1層のみ施された単層めっき品、あるいは品質"生能を損なわない範囲において、 C u— S n—O系合金めつき皮膜の下層にエッケルめっき、ニッケル系合金めつき、銅めつき、銅系合金めつき、亜鉛めつき、亜鉛系合金めつき、錫めつき、錫系合金めつき等の金属めつき層を 1層以上設けた多層めつき品とすることも可能である。また、 C u— S n— O系合金の同一皮膜を、複数層重ねた多層めつき品とすることも可能である。

本発明に利用可能な基材（被めつき品）としては、特に限定されるものではなく用途に合わせて適宜選択することができる。例えば、鉄、鋼、綱、真鍮等の銅系合金等の金属素材、セラミックあるいはプラスチック素材、あるいはセラミックあるいはプラスチック素材に予めなんらかの金属めつきが施された物等が挙げられる。

めっき厚も特に限定されず、利用される用途により適宜選択することが可能であるが、 0. 05 μ ΐη以上とすることが望ましい。 0. 05 μ πι未満では、本願発明のめっきの品質性能が得られない。

また、本発明の C u— S n— O系合金めつきには、意匠性、耐食性をさらに向上させるために、合金めつき皮膜層の上にニス、塗装などの皮膜を形成させることもできる。

以上説明したように、本発明では、銅一錫めつき中に適正量（0. 3at¾〜5 O at%) の酸素を含有させた C u— S n—O系の合金めつきとすることにより、めっき密着性、耐食性、脱係合力安定性に優れためつきを得ることができ、さらに、酸素の含有量を特定範囲（1. 5at%〜5 O at%) に調整することにより、黒色系の色調を有する C u— S n— O系の合金めつきを得ることができる。

• 本発明によるめつき品は、例えば、上述の特殊な界面活性剤成分を配合しためつき浴を使用して通常のめっき工程を含む方法により製造することができる。

本願発明によるめつき品の製造工程としては、例えば、単層めつき品の場合は、脱脂処理（浸漬脱脂および/または電解脱脂） →水洗→酸活性化処理

→水洗→めっき処理→水洗→乾燥（詳細は後述する実施例 1参照）、また、 2層めつき品の場合は、脱脂処理（浸漬脱脂および Zまたは電解脱脂） →水洗→酸活性化処理→水洗→めっき処理→水洗→酸活性化処理→水洗→めっき処理→水洗→乾燥（詳細は後述する実施例 2、 1 6参照）、あるいは、脱脂処理（浸漬脱脂および/または電解脱脂） →水洗→酸活性化処理→水洗→めつき処理→水洗→めっき処理→水洗→乾燥（詳細は後述する実施例 1 7参照）が挙げられるが、本願発明は上記工程に限定されるものではなく、化成処理、塗装処理等の後処理工程、ベーキング工程等を適宜組み合わせることも出来るし、めっき工程中の酸活性化処理、脱脂処理、水洗等、適宜省略したり、さらに追加したりすることも可能である。

めっき処理の手段としては、無電解めつき、およびバレルめつき、ラックめっき、高速めつきに代表される電気めつき等の公知めつき技術を利用することができる。

本宪明によるめつきは、特にポタン、バックル、スライドファスナー、力フスボタン等に代表される衣類用の服飾品、イアリング、ネックレス等の装飾品あるいは、玩具、その他工業用品等の耐食用、装飾用のめっきとして好適に利用可能であるが、これに限定される物ではなく、電子部品等にも利用可能である。

本発明による C u— S n— O系合金めつきは、脱係合力安定性が優れていることから服飾品の用途、特にスナップボタン用のめっきとして好ましく利用される。発明を実施するための最良の形態

以下、実施例および比較例を挙げて本願発明を説明するが、本願宪明は以下の記載により限定されるものではない。なお、実施例および比較例によるめつき品の銅含有率、錫含有率、酸素含有率は、オージ電子分光法により下記測定条件で深さ方向分析を実施し、その 5分スパッタリング後の分析値を採用した。

[測定条件]

装置： Physical Electronics製 PHI- 660

〈電子ビーム条件〉

加速電圧： 5 k V

照射電流： 0.5/ A

測定領域： 200Χ 200 Χ Π1²

く A r +スノッタリング条件〉

加速電圧： 3 k V

スパッタ領域： 2 X 2mm²

スパッタ速度： 1 1 nniZm i n (S i 0₂の実測ィ直）

めっき外観色（色調）は、 25 mmX 25 mm角の黄銅板を 1枚、各実施例、比較例の服飾品をめつきする際に同時にバレルに投入しめっきを行い、このめつき品の L値を下記測定条件で測定した（なお、黄銅板サンプルのめつき組成は、各実施例、比較例のめっき品と同一組成のものであり、外観色も同一であった）。

装置：スガ試験機タツチパネル式 SMカラ一コンピューター（型式 SM— T)

測定条件： C光 2度視野、測定径： 15mm

光学条件： 8° 照明、拡散光受光（8— D方式）

評価基準を下記に記す。

◎： L値 67以下

〇： L値 67以上 77未満

△： L値 77以上 87未満 X : L値 87以上

[めっき浴]

実施例及び比較例で使用しためつき液を下記に記す。

めっき浴（1)

ピロリン酸カリウム： 300 g/L

ピロリン酸銅： 0.6 g/L

ピロリン酸第一錫： 8 gZL

メタンスルホン酸： 60 g/L

光沢剤（ェピクロロヒドリン Z無水ピぺラジン = 1 mo 1/lmo 1の反応生成物) ： 0.015g/L (有効成分として)

パーフルォロアルキルトリメチルアンモニゥム塩： 0.003m 1 /L 界面活性剤（商品名；トップリンス，奥野製薬工業（株）製）： 1ml p H： 7.5

めっき浴 (2)

ピロリン酸カリウム： 300 gZL

ピロリン酸銅： 0.6g/L

ピロリン酸第一錫： 8 gZL

メタンスノレホン酸： 60 g / L

光沢剤（ェピクロロヒドリン Z無水ピぺラジン = lmo 1 m o 1の反応生成物) ： 0.015g/L (有効成分として)

パー： -ゥム塩： 0.05m 1 /L p H： 7.5

めっき浴 (3)

ピロリン酸第一錫： 23 gZL

ピロリン酸銅： 7.5 g/L ピロリン酸カリウム： 160 g/L

光沢剤（ェピクロロヒドリン /無水ピぺラジン = lmo 1 /lmo 1の反応生成物) : 4ml/L (有効成分として 0.712 g/L)

光沢補助剤（パラホルムアルデヒド）： 0.5〜1.0gZL

表面張力処理剤（アセチレングリコール） LiHgZL

N—べンジルニコチニゥム塩酸塩： l〜2mlZL

p比（「Sn + Cu」に対する「P₂0₇」の割合）： 6.18

H8.10

めっき浴（4) (市販のアルカンスルホン酸錫めつき浴）

エバソルダ SN (有機酸および錫塩が主剤、荏原ユージライト（株）製）： 100 g/L (錫として 10 g/L)

エバソルダ A (有機酸が主剤、荏原ユージライト（株）製）： 100 エバソルダ # 1 OR (ノニオン系界面活性剤，カチオン性界面活性剤，カルボン酸誘導体が主剤、荏原ユージライト（株）製）： l OmlZL [服飾品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性およぴ脱係合力安定性の評価方法]

めっき厚：

めっき品の断面を、電子顕微鏡で観察し、めっき厚を測定した。

耐食性：

恒温恒湿試験機で 60°C、 98%RH、 20時間経過後の、外観の変色の有無を目視により以下の基準で評価した。

〇：表面積の 5 %以下が変色

△：表面積の 5。/。超 25 %未満が変色

X：表面積の 25 %以上が変色

めっき密着性： (転写テスト）

サンプルを、紙に強く擦りつけ、紙への転写の有無を目視により以下の基準で評価した。

〇：転写有り

X ：転写無し

試験 2 (ペンチ剥離テスト）

さらに厳しくめっき密着性を評価するため、試験 2としてサンプルをぺンチで潰し、その時のめっき剥離の有無を目視により以下の基準で評価した。

〇：めっき剥離無し

X ：めっき剥離有り

脱係合力安定性：

各実施例および比較例と同一条件で黄銅製のソケット部材（商品名 1 6 ソケット（Y K Kニューマックス（株）製））をめつきした後、夫々を取付け部材により別々の生地に取り付けた。

その後、これら同一めつきよりなるスナップボタン (ソケット部材およびスタッド部材）による係合を、引張り力測定ゲージにより脱係合力を測定しながら繰り返し実施し、その脱係合力が、初回係合時の脱係合力から ± 2 0 %以上はじめて変動した時点の係合回数を限界係合回数とし、この限界係合回数により脱係合力安定性を評価した（限界係合回数が多いほど、脱係合力安定性に優れていることを意味する。 ) 。以下に評価基準を示す。

◎： 1000回以上

〇： 750回以上 1000回未満

△： 500回以上 750回未満

X ： 500回未満実施例 1 黄銅製のスタッド部材（商品名 1 6デュオ（YKKニューマックス (株）製） 15 k gをバレルに投入し、浸漬脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 60 g//L 50°C、 12分）を行い水洗後、さらに電解脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 100 gZL、 50°C、 5V、 12分）、水洗を行った。その後、 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行い、めっき浴（1)中で 30°C、電流密度 0.15AZdm ²で 24分間バレルめつきを行った後、水洗し、 100 °Cの温風で乾燥を行い実施例 1のめつき品を得た。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。実施例 2

黄銅製のスタッド部材（商品名 1 6デュオ（YKKニューマックス (株）製）） 1 5 k gをバレルに投入し、浸漬脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 60 g/L、 50°C、 12分）を行い水洗後、さらに電解脱脂（エースクリーン⁵³00 (奥野製薬工業（株）製）： 100 g ZL、 50°C、 5V、 12分）、水洗を行った。その後 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行い、めっき浴（1)中で 30°C、電流密度 0.15AZ dm ²で 24分間バレルめつきを行い水洗した。さらに、再度、 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行いめつき浴（1)中で 30°C、電流密度 0.15A/dm²で 12分間バレルめつきを行った後、水洗し、 100°Cの温風で乾燥を行い実施例 2のめつき品を得た。このめつき品のめっき組成、めつき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。実施例 3〜 15

実施例 1と同様に、黄銅製のスタツド部材（商品名 16デュオ（YKK ニューマックス（株）製）） 15 k gをバレルに投入し、適宜前処理を行つた後、めっき浴（1)をベースとしてピロリン酸銅、ピロリン酸錫、光沢剤、界面活性剤の濃度を調整し、かつ、めっき時の電流密度およびめつき時間を変化させバレルめつきを行い、水洗後、 10 o°cの温風で乾燥を行いめつき中の銅、錫、酸素の含有率の異なる実施例 3〜15のめつき品を得た。このめっき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。実施例 16

黄銅製のスタッド部材（商品名 1 6デュオ（YKKニューマックス (株）製）） 1 5 k gをバレルに投入し、浸漬脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 60 gZL、 50°C、 12分）を行い水洗後、さらに電解脱脂（エースクリーン⁵³00 (奥野製薬工業（株）製）： 100 g ZL、 50°C、 5V、 1 2分）、水洗を行った。その後 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行い、めっき浴（2)中で 30°C、電流密度 0.15A/ dm ²で 24分間バレルめつきを行い水洗した。さらに、再度、 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行いめつき浴（1)中で 30° (、電流密度 0.15A,dm²で 12分間バレルめつきを行った後、水洗し、 100°Cの温風で乾燥を行い実施例 16のめつき品を得た。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。実施例 17

黄銅製のスタッド部材（商品名 1 6デュオ（YKK-ユーマックス (株）製）） 1 5 k gをバレルに投入し、浸漬脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 60 gZL、 50°C、 12分）を行い水洗後、さらに電解脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 100 g /L、 50°C、 5V、 12分）、水洗を行った。その後 3.5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行い、めっき浴（4)中で 25 °C、電流密度 0.2 AZ d m²で 20分間バレルめつきを行い水洗した。その後、めっき浴（1)中で 3 0°C、電流密度 0.15AZ dm²で 12分間バレルめつきを行った後、水洗し、 100°Cの温風で乾燥を行い実施例 17のめつき品を得た。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。比較例 1

めっき浴 (2)を使用する以外は、実施例 1と同様の方法でめっき品を作成し、比較例 1とした。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めつき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。比較例 2

めっき浴（3)を使用し、浴温 50°C、電流密度 0.5A/dm²、めっき時間 20分とする以外は、実施例 1と同様の方法でめっき品を作成し、比較例 2 とした（特開平 10 - 102278実施例 4と同等品）。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。比較例 3

黄銅製のスタッド部材（商品名 1 6デュオ（YKKニューマックス (株）製)'） 15 k gをバレルに投入し、浸漬脱脂 (エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 60 gZL、 50°C、 12分）を行い水洗後、さらに電解脱脂（エースクリーン 5300 (奥野製薬工業（株）製）： 100 g / L、 5 0 °C、 5 V、 1 2分）、水洗を行った。その後 3. 5%塩酸溶液に室温で 6分浸漬後、水洗を行い、めっき液（1)中で 3 0 °C、電流密度 0. 15AZ d m ²で 3 6分間めつきを行った後、水洗を行った。さらに、ェボノール C スペシャル（メルテックス（株）製、 1 0 0 °C) 液中に 1分間浸漬し水洗した後、 1 0 0 °Cの温風で乾燥を行レ、比較例 3のめつき品を得た。このめつき品のめっき組成、めっき厚、耐食性、めっき密着性、脱係合力安定性、色調を表 1にまとめて示す。

表 1：めっき組成とめっき品の品質性能

産業上の利用可能个生

本願発明によれば、（1)非磁性、（2)金属アレルギーの心配が無い、（3)めつき密着性、脱係合力安定性、耐食性等の品質性能に優れるめっきが得られ、さらには、（4)規制物質が含有せず高級感のある黒味を帯びた色調を有するめっきが得る事が可能となつた。

Claims

請求の範囲

1. めっき中の酸素の含有率が 0.3at%〜 5 Oat%である C u - S n— O系合金めつき。

2. めっき中の酸素の含有率が 0.5at°/_o〜47at%である請求の範囲 1に記載の C u— S n— O系合金めつき。

3. めっき中の酸素の含有率が 1.5at%〜 5 Oat%である黒色系の外観を有する請求の範囲 1に記載の Cu_S n— O系合金めつき。

4. めっき中の銅の含有率が 20at%〜8 Oat%、錫の含有率が 1 Oat%〜 7 Oat%である請求の範囲 1乃至 3のいずれかに記載の Cu_S n— O系合金めつき。

5. 請求の範囲 1乃至 4のいずれかに記載の Cu— S n—〇系合金めつきが施された服飾品。

6. 服飾品が、スナップポタンである請求の範囲 5に記載の Cu— S n— O 系合金めつきが施されたスナップボタン。