JP3962841B2 - めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 - Google Patents
めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3962841B2 JP3962841B2 JP2004232245A JP2004232245A JP3962841B2 JP 3962841 B2 JP3962841 B2 JP 3962841B2 JP 2004232245 A JP2004232245 A JP 2004232245A JP 2004232245 A JP2004232245 A JP 2004232245A JP 3962841 B2 JP3962841 B2 JP 3962841B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- plating
- alloy
- plating member
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Description
例えば、次のような装身具用の素材が提案されている(特許文献1を参照)。
そして、この合金は各成分を所定量比で溶融・混合して合金化することにより調製され、その後所定形状に加工して使用される。
なお、このような問題は、精密加工された被めっき材の表面を電気めっき法で含Ge合金のめっき皮膜で被覆すれば解消することができる。そのようなことから、装飾品業界では、含Ge合金から成るめっき皮膜の成膜に関して鋭意研究が重ねられている。しかしながら、現在までのところ、含Ge合金から成るめっき成膜を電気めっき法で成膜することに成功した事例はない。その最大の理由は、適切なめっき浴が未だ開発されていないからである。
ところで、黒色めっきとしては、従来から黒色Crめっき、黒色Niめっきなどが知られている。しかしながら、これらのめっき皮膜は、いずれも金属光沢に乏しく、そして装飾効果にも劣る。しかも、これらのめっき皮膜の場合、Crは環境や人体に有害な成分として忌避され、またNiは例えば肌アレルギーを引き起こす成分として忌避されているという問題がある。このようなことから、次のような黒色めっき皮膜が提案されている(特許文献2を参照)。
このめっき膜は、硫酸ロジウムのようなロジウム塩、硫酸のような遊離酸および次亜リン酸ナトリウムのような次亜リン酸塩を含むめっき浴を用いた電気めっき法で成膜される。
Ge源;Rh源;クエン酸、スルファミン酸、グリコール酸、酢酸、コハク酸、およびリンゴ酸の1種または2種以上から成る有機酸;水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムから成るアルカリ成分;ならびに硫酸、塩酸、リン酸、またはスルファミン酸から成る遊離酸を含む酸性めっき浴を用いて、pHは5.5以下、浴温が常温から60℃以下、電流密度0.1〜10A/dm 2 の条件で、被めっき材にGe−Rh2元系合金を電着して電気めっき皮膜を成膜することを特徴とするめっき部材の製造方法が提供される。
上記した製造方法によって製造された装身具用めっき部材であって、表面に、青みがかった黒色光沢を有するGe−Rh2元系合金の電気めっき皮膜が成膜されていることを特徴とする装飾用めっき部材が提供される。
とりわけ、前記合金におけるGeの含有量が1〜48.8質量%である装身具用めっき部材が提供される。
このめっき皮膜は、鏡面光沢を備えている。
このめっき部材は、電気めっき法で製造される。
まず、めっき浴としては、Ge源、Rh源、有機酸、アルカリ成分、遊離酸を必須成分として含む酸性のめっき浴が調製される。
Rh源としては、例えば硫酸ロジウム、塩化ロジウム、リン酸ロジウムなどを用いる。
めっき浴における有機酸としては、例えば、クエン酸、スルファミン酸、グリコール酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸などの1種または2種以上を用いることができる。そして、これら有機酸のめっき浴における濃度は、0.1〜200g/L程度にすることが好ましい。
遊離酸としては、酸性めっき浴に常用されている酸であれば何であってもよく、例えば硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸などを用いることができる。そして、その使用量は、めっき浴のpHを5.5以下の酸性に確保できる量に設定される。
めっき浴の温度は常温から60℃の範囲内の適宜な温度に設定すればよい。温度が常温より低いと析出効率が悪くなり、また温度を60℃より高くすると、めっき浴の蒸発が進んで浴組成の変動が激しくなるからである。
下記の成分を用いてめっき浴を建浴した。
二酸化ゲルマニウム:13g/L(Ge換算)、硫酸ロジウム:2g/L(Rh換算)、スルファミン酸:50g/L、グリコール酸:50g/L、クエン酸:50g/L、水酸化カリウム:40g/L、硫酸:80g/L。
このめっき浴の温度を45±2℃に制御し、陽極としてTi製の不溶性電極、陰極として銅箔を配置し、電流密度3A/dm2で電気めっきを6分間行った。
銅箔の表面に、青みがかった黒色光沢のめっき皮膜が形成された。厚みは約1μmであった。
図1から次のことが明らかである。
(1)2θ:60°付近にCuのエネルギーピーク、2θ:75°付近にGeのエネルギーピーク、2θ:155°付近にRhのエネルギーピークが認められる。
(2)銅箔の表面には、Ge−Rhから成るめっき皮膜が成膜されている。そしてそのめっき皮膜は上記したエネルギーピークの計算から、Ge:48.8質量%、Rh:51.2%の合金組成になっている。
塩化ナトリウム:9.9g/L、硫酸ナトリウム:0.8g/L、尿素:1.7g/L、乳酸:1.7mL/L、アンモニウム:0.2mL/Lを含み、温度40℃、pH5.6の試験用水溶液に、めっき部材を48時間浸漬したのち取りだして、めっき皮膜の状態を目視観察した。
また、銅箔を硝酸で溶解したところ、めっき皮膜は粉体化することなく、細かいフレーク状になって残存した。そして、このフレークの集合体を充分に水洗いしたのち、温度100℃の乾燥器内に1昼夜放置して乾燥したところ、重量が30%程度増量するという現象がみられた。これは、例えば大気中の酸素を吸蔵したのではないかと考えられる。
実施例2
下記の成分を用いてめっき浴を建浴した。
この浴のpHは約5.0である。このめっき浴の温度を50±2℃に制御し、陽極としてTi製の不溶性電極、陰極として銅箔を配置し、電流密度2.0A/dm2で電気めっきを6分間行った。
そのため、このめっき部材は、Geの効能も併有する装身具としての有用性が大である。
Claims (3)
- Ge源;Rh源;クエン酸、スルファミン酸、グリコール酸、酢酸、コハク酸、およびリンゴ酸の1種または2種以上から成る有機酸;水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムから成るアルカリ成分;ならびに硫酸、塩酸、リン酸、またはスルファミン酸から成る遊離酸を含む酸性めっき浴を用いて、pHは5.5以下、浴温が常温から60℃以下、電流密度0.1〜10A/dm2の条件で、被めっき材にGe−Rh2元系合金を電着して電気めっき皮膜を成膜することを特徴とするめっき部材の製造方法。
- 請求項1の製造方法によって製造された装身具用めっき部材であって、表面に、青みがかった黒色光沢を有するGe−Rh2元系合金の電気めっき皮膜が成膜されていることを特徴とする装身具用めっき部材。
- 前記合金におけるGeの含有量が1〜48.8質量%である請求項2の装身具用めっき部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004232245A JP3962841B2 (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004232245A JP3962841B2 (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006045653A JP2006045653A (ja) | 2006-02-16 |
JP3962841B2 true JP3962841B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=36024574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004232245A Expired - Fee Related JP3962841B2 (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3962841B2 (ja) |
-
2004
- 2004-08-09 JP JP2004232245A patent/JP3962841B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006045653A (ja) | 2006-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR940001680B1 (ko) | 백금 전주(電鑄) 및 백금 도금(鍍金) | |
CN110607539A (zh) | 一种金首饰的加工工艺 | |
JP5436569B2 (ja) | 装飾物品のための貴金属含有層連続物 | |
JP3203247B2 (ja) | 有色被膜を有する装身具およびその製造方法 | |
JP2005154902A (ja) | ニッケルおよびクロム(vi)を含有しない金属皮膜を析出する方法 | |
JP3962841B2 (ja) | めっき部材の製造方法、その方法で製造された装身具用めっき部材 | |
JP3029948B2 (ja) | Sn−Cu−Pd合金めっき部材、その製造に用いるめっき浴 | |
JP2577832B2 (ja) | 白金電鋳浴 | |
KR100498772B1 (ko) | 음이온 또는 원적외선 방사체가 내재된 기능성 귀금속장신구 및 이의 제조방법 | |
CN104651892A (zh) | Abs塑料仿红古铜电镀的工艺方法 | |
JPWO2020179310A1 (ja) | 銀宝飾品及び銀宝飾品の製造方法 | |
JP4188408B1 (ja) | 電解技術を用いて、金属ゲルマニウムの薄膜を形成する方法 | |
JP3074369B2 (ja) | 金合金メッキ液 | |
JPH05271981A (ja) | 白金合金めっき浴及びそれを用いた白金合金めっき品の製造方法 | |
JP2560842B2 (ja) | 耐食性皮膜の製造方法 | |
JP3012762U (ja) | 抗菌性を有する装飾品 | |
KR101589631B1 (ko) | 금속 또는 무니켈 합금의 금도금 방법 | |
JP5544617B2 (ja) | 合金皮膜の無電解めっき方法およびめっき液 | |
KR101917121B1 (ko) | 장식용 Pd-Fe 합금 도금액 조성물 및 이를 이용한 도금 방법 | |
JPS6152389A (ja) | チタン又はチタン合金の直付け光沢貴金属メツキ方法 | |
JP2009209436A (ja) | ルテニウム−パラジウム合金めっき物およびその製造方法 | |
JP2002212018A (ja) | 歯科用材料 | |
JPH06125922A (ja) | 歯科用材料 | |
JP2015157966A (ja) | 黒色合金メッキ皮膜 | |
JPS5923895A (ja) | 黒色系の色調を呈する装飾部品のメツキ方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060804 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20060829 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20060905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060913 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061024 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070305 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070404 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426 Effective date: 20070502 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070502 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100601 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |