JP3074369B2 - 金合金メッキ液 - Google Patents

金合金メッキ液

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JP3074369B2 JP05186455A JP18645593A JP3074369B2 JP 3074369 B2 JP3074369 B2 JP 3074369B2 JP 05186455 A JP05186455 A JP 05186455A JP 18645593 A JP18645593 A JP 18645593A JP 3074369 B2 JP3074369 B2 JP 3074369B2
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和正 正司
敏之 赤座
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株式会社ビクトリア
セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢、延性のある金合金
メッキ液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来公知の金メッキ液は、卑金属として
コバルト塩、ニッケル塩、インジウム塩などを含有して
いる。しかし上記従来のメッキ液では析出物の硬度はビ
ッカース硬さで150〜280Hv程度と小さく柔らか
いものであった。更にメッキ層そのものの延性が乏しく
2〜3μm以上の厚さのメッキを施すとメッキ層に割れ
が入り、メッキ厚を厚くして光沢を得ることも困難であ
った。また更に、ニッケル塩、コバルト塩などは金属ア
レルギーの主な原因であり、金属アレルギーに敏感な人
には利用できないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属ア
レルギーの原因であるニッケル塩、コバルト塩などを除
くと、得られるメッキは純金となり、硬度が低下し、色
調も異なるので好ましくなく、また金属アレルギーに関
係のないインジウム塩だけでは色調が黄緑色となり、装
飾品としては用途が限定されてしまい、新技術の開発が
望まれていた。本発明は上記従来技術の欠点を解消する
ためになされたものであり、金属アレルギーの原因とな
るニッケル塩、コバルト塩などを含まずにメッキの色調
を著しく異ならせず、しかも延性に富み、厚いメッキが
可能で光沢の得られる金合金メッキ液を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明金合金メッキ液
は、弱有機酸とアルカリで所定のPHに調整した電導塩
を10〜500g/Lと、シアン化第一金アルカリ塩、
シアン化第二金アルカリ塩からなる群より選ばれた金化
合物を金属金として0.2〜10g/L含有し、更に卑
金属として鉄塩を金属鉄として0.05〜10g/L、
チタン塩を金属チタンとして0.001〜5g/L含有
することを特徴とする。
【0005】
【実施例】金化合物は、シアン化第一金ナトリウム、シ
アン化第一金カリウム、シアン化第二金ナトリウム、シ
アン化第二金カリウムからなる群より選ばれ、金属金に
換算した量で0.2〜10g/Lを含有される。上記の
金化合物の量が金属金に換算して0.2g/L未満にな
ると、電流効率が低く作業性が低下し、10g/Lより
多いと作業での金のロスが多くなりコスト的な負担が大
きくなり好ましくない。また金化合物の種類は上記の群
から選ばれたどの化合物でもよいが、シアン化第一金カ
リウムが原料の入手しやすさの点から好ましい。また本
発明では上記の金化合物は1種だけ用いてもよいが、2
種以上を混合することもできる。
【0006】鉄塩はシュウ酸塩、クエン酸塩、グルコン
酸塩、硫酸塩などの水容性鉄塩化合物の群より選ばれ、
金属鉄に換算して0.05〜10g/Lを含有される。
上記の鉄塩の量が金属鉄に換算して0.05g/L未満
になると、延性、光沢性の効果が確保できず、10g/
Lを超えると水に安定して溶解しなくなり好まれない。
【0007】チタン塩はシュウ酸塩、クエン酸塩、グル
コン酸塩、硫酸塩、フッ酸塩などの化合物の群より選ば
れ、金属チタンに換算して0.001〜5g/Lを含有
される。上記チタン塩の量が金属チタンに換算して0.
001g/L未満になると、耐磨耗性、延性、光沢性色
調の改善の効果が確保できず、5g/Lを超えるとメッ
キ液に安定して溶解しない。
【0008】電導塩はクエン酸塩、酒石酸塩、グルコン
酸塩、リン酸塩などの化合物の群より選ばれ、塩として
10〜500g/Lを含有される。上記電導塩の量が1
0g/L未満では鉄、チタンが安定して溶解せず、50
0g/Lを超えると過飽和になり好ましくない。
【0009】上記PHは弱有機酸とアルカリで中和して
所定の数値に調整される。PH調整用の弱有機酸として
は例えばクエン酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸、シュ
ウ酸等が挙げられ、アルカリとしては例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0010】本発明金合金メッキ液は、従来公知の方
法、条件で取り扱うことができる。例えば電圧2〜15
V、電流密度0.1〜10A/dm2 等の条件で使用で
きる。
【0011】次に具体的実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるも
のではない。 (実施例1) 金合金メッキ液組成 シアン化第二金カリウム 1g/L(金属金とし
て) シュウ酸 30g/L シュウ酸第一鉄 0.05g/L(金属鉄とし
て) フッ化チタン 0.001g/L(金属チタンと
して) PH 3.5 (水酸化カリウ
ムで中和) 上記組成の金合金メッキ液によるメッキ浴を温度40℃
とし、電圧3V、電流密度2A/dm2 で黄銅素材10
cm×15cm×0.1cmの板に銅合金用の一般の前
処理〔アルカリ脱脂(マクダミッド社 WSP)、次い
で電解脱脂(マクダミッド社 DEW)、次いで酸浸漬
(5%Wt 硫酸)〕を施した後、20分間メッキした
ところ、明るい色調の光沢のある、割れのない金メッキ
が5μm得られ、剥離強度試験の結果、良好な耐磨耗
性、密着性を有していることが確認された。
【0012】(実施例2) 金合金メッキ液組成 シアン化第一金カリウム 5g/L(金属金とし
て) グルコン酸 500g/L グルコン酸第二鉄 5g/L(金属鉄とし
て) 硫酸化チタン 2g/L(金属チタン
として) PH 3.5 (水酸化カリ
ウムで中和) 上記組成の金合金メッキ液によるメッキ浴をを用いて、
温度35℃とし、電圧3V、電流密度1A/dm2 、メ
ッキ時間を90分間とした以外は実施例1と同様にして
メッキ処理したところ、光沢のある、割れのない金メッ
キが18μm得られ、180度折り曲げ試験を行った結
果、割れも入らず、剥離もない耐磨耗性の良好な皮膜で
あった。
【0013】(比較例1)実施例1のメッキ液からフッ
化チタンを除いたメッキ液を使用し、実施例1と同様の
方法でメッキしたところ、金メッキが5μm得られた
が、色調が暗く耐磨耗性の低いメッキ皮膜であり、実施
例1とは大きく異なる結果であった。
【0014】(比較例2)実施例1のメッキ液からシュ
ウ酸第一鉄を除いたメッキ液を使用し、実施例1と同様
の方法でメッキしたところ、得られた金メッキは外観光
沢がなく、実施例1とは大きく異なる結果であった。
【0015】(比較例3)実施例2のメッキ液から硫酸
チタンを除いたメッキ液を使用し、実施例2と同様の方
法でメッキしたところ、金メッキが5μm得られたが、
色調が暗く耐磨耗性の低く、実施例2とは大きく異なる
結果であった。
【0016】(比較例4)実施例2のメッキ液から酒石
酸第一鉄を除いたメッキ液を使用し、実施例2と同様の
方法でメッキしたところ、得られた金メッキは外観光沢
がなく、実施例2とは大きく異なる結果であった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明金合金メッ
キ液は特定の金化合物を特定の金属金の特定量含有し、
かつ金属アレルギーの原因であるニッケル塩、コバルト
塩を含有せず、その代わりに特定の鉄塩と特定のチタン
塩とを、おのおの特定量含有する組成を有しているの
で、金属アレルギーに敏感な人にも扱え、かつメッキの
色調を著しく異ならせず、しかも延性、耐磨耗性に富
み、厚いメッキが可能で光沢の得られるメッキを行うこ
とができる効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭63−12954(JP,B2) 特公 昭63−12955(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 3/00 - 3/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弱有機酸とアルカリで所定のPHに調整
    した電導塩を10〜500g/Lと、シアン化第一金ア
    ルカリ塩、シアン化第二金アルカリ塩からなる群より選
    ばれた金化合物を金属金として0.2〜10g/L含有
    し、更に卑金属として鉄塩を金属鉄として0.05〜1
    0g/L、チタン塩を金属チタンとして0.001〜5
    g/L含有することを特徴とする金合金メッキ液。
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GB9522591D0 (en) * 1995-11-03 1996-01-03 Enthone Omi Suisse S A Electroplating processes compositions and deposits
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JP2013177654A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Matex Japan Co Ltd 電解硬質金めっき液、めっき方法、及び、金−鉄合金被膜の製造方法

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