JP3480765B2 - 青色装飾部材の製造方法 - Google Patents

青色装飾部材の製造方法

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芳雄 金城
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株式会社ナウケミカル
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は青色装飾部材の製造
方法に関し、更に詳しくは、表面が鮮やかな紺青の色調
になっていて、黄金色の金製装飾品と組み合わせるとア
クセントの強い装飾効果を発揮する青色装飾部材を電気
めっき法を応用して工業的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】装飾品業界では、真鍮やステンレス鋼の
ような安価な基材の表面にAuまたはAu合金をめっき
して美麗な各種の表面色調を付与することが行われてい
る。例えば、Auのみをめっきすれば部材表面は黄金色
に輝く。また、Au合金に関しては、これまでに、緑色
金(グリーンゴールド),白色金(ホワイトゴール
ド),赤色金(ピンクゴールド),古代色金(アンティ
ックゴールド)などの色調を基材表面に付与するめっき
技術が知られている。
【0003】しかしながら、現在までのところ、基材の
上にめっき法で形成されたAu合金層の表面を青色に変
色させる技術は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基材の上に
めっき法で形成されたAu合金層の表面を鮮やかな紺青
に変色させることにより、従来は知られていなかった新
たな装飾効果を発揮する青色装飾部材を工業的に製造す
る方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、基材の表面に、Coを含有
するAuめっき浴を用いてAu−Co合金めっき層を形
成し、ついで、含酸素雰囲気中で加熱して表面に青色層
を形成することを特徴とする青色装飾部材の製造方法が
提供される。
【0006】本発明方法においては、まず、基材の表面
に所望厚みのAu−Co合金層がめっき法で形成され
る。このとき、用いるめっき浴には、Co成分を10〜
20重量%含有させることが好ましく、そのことによ
り、形成されたAu−Co合金めっき層におけるCo含
有量も多くなる。そして、このAu−Co合金めっき層
は、めっき条件で規定される所定粒径のAu−Co合金
粒子が層状に堆積して形成されたものになっている。
【0007】したがって、次に含酸素雰囲気中で加熱処
理を行うと、Au−Co合金めっき層の表面部では、酸
素の拡散が進み、また、層内部に存在するCo成分が表
面部に熱拡散してきて、それが酸化されることにより表
面部におけるAu−Co合金の酸化が進む。その結果、
Au−Co合金めっき層の表面部ではCo3 4 (2C
oO・CoO2 、紺青の色調)を主成分とする酸化物が
生成し、ここに表面部は薄い青色層に転化する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法の実施に当たっては、
まず、基材が用意される。基材としては、後述する加熱
処理時の適用温度に対する耐熱性を備えていると同時
に、少なくとも表面は導電性を備えているものであれば
何であってもよい。具体的には、真鍮,洋白,ステンレ
ス合金,AuまたはAu合金,AgまたはAg合金など
をあげることができる。
【0009】この基材の表面に、常用の酸洗,アルカリ
洗などの処理を行って表面を清浄にしたのち、そこにA
u−Co合金めっきを行う。用いるめっき浴において、
Au源としては、例えばKAu(CN)2,KAu(C
N)4・1/2H2 O,などを用いることができ、またC
o源としては、例えば、CoSO4 ・7H2 O,CoC
2 ・6H2 O,Co(SO3 ・NH2)2 ,Co(CH
3 COO)2などを用いることができる。
【0010】このめっき浴は、Co成分の濃度が10〜
20重量%となるように建浴されることが好ましい。C
o濃度が10重量%よりも低い場合には、形成されたA
u−Co合金めっき層におけるCo濃度も低くなり、そ
のため、後述する加熱処理を行っても、Au−Co合金
めっき層の表面部では充分な量のCo3 4 が生成しな
いため、全体に鮮やかな青色色調が得られないからであ
る。また、めっき浴のCo濃度を20重量%よりも高く
すると、青色層の光沢度が低下するような問題が生じて
くるからである。
【0011】そして、Coの標準単極電位(−0.277
V,25℃)はAuの標準単極電位(+1.498V,2
5℃)に比べて大幅に卑であるため、これら成分を基材
表面に同時に所定の割合で電析させ、また、めっき浴の
継時的失活を抑制するために、用いるめっき浴には、上
記したAu源,Co源の外に、更に、クエン酸,スルフ
ァミン酸,酢酸のような有機酸の所定量を添加して、p
H値が3〜5程度となるように酸性側に調整することが
好ましい。
【0012】めっきは、温度20〜40℃,電流密度0.
5〜2.0A/dm2 の条件下で行うことが好ましい。この
ようにして、基材表面には、めっき浴の組成、めっき条
件に規定された組成を有するAu−Co合金のめっき層
が形成される。なお、めっき層の厚みは格別限定される
ものではないが、厚すぎると基材との密着強度が低くな
り、また薄すぎるとCoの絶対量が不足して鮮やかな青
色が発色しづらくなるので、その厚みは、0.5〜10μ
m程度にすることが好ましい。
【0013】ついで、含酸素雰囲気中で全体に加熱処理
が施される。含酸素雰囲気としては格別限定されるもの
ではなく、大気であれば充分である。また、加熱温度は
400〜450℃に設定することが好ましい。低い温度
ではめっき層中のCo成分の酸化が充分に進まず、めっ
き層の表面部において鮮明な青色が発色せず、また温度
が高くなりすぎると、淡い青色から淡い緑色になり、ま
た、基材の熱損傷や基材とめっき層との熱膨張差に基づ
く密着強度の低下などが起こりはじめるからである。
【0014】加熱時間は、Au−Co合金めっき層の組
成や厚みとの関係で適宜に選定されるが、あまり短いと
Co成分の酸化は不充分で鮮明な青色が発色せず、逆に
長すぎると、青色層の色調は青色から淡い緑色に変化し
ていくので、通常、1〜5分であることが好ましい。な
お、前記したAu−Co合金めっき層の形成に先立ち、
基材の表面に厚みが0.5〜2μm程度のPdめっき層や
Niめっき層を形成しておくと、加熱処理時に、Au−
Co合金めっき層のCo成分が基材の方に熱拡散するこ
とを抑制することができる。
【0015】また、上記した加熱処理によって青色に変
色した表面の青色層を、例えば、ガラス,アクリルなど
を用いて厚みが1.0mm程度となるように被覆すると、こ
れらは保護層として機能し、前記青色層を腐食環境から
守ることができるので好適である。
【0016】
【実施例】真鍮製基材に、電解脱脂と酸洗を行って表面
を清浄にした。この基材を、下記の組成:NiSo4
6H2 O 240g/リットル,NiCl2 ・6H2 O40
g/リットル,H3 BO3 30g/リットル,光沢剤4ミリリットル
/リットル のニッケルめっき浴を用い、pH4.0,浴温55℃,電
流密度4A/dm2 の条件でニッケルめっきを行い、表面
に、厚み3μmのNiめっき層を形成した。
【0017】ついで、下記の組成:KAu(CN)2
g/リットル,クエン酸ソーダ 150g/リットル,クエン酸
100g/リットル のAuめっき浴を用い、温度30℃,pH4.0,電流密
度1.0A/dm2 の条件でAuめっきを行い、厚み1μm
のAuめっき層を形成した。
【0018】下記の組成:KAu(CN)2 4g/リット
ル,Co(CH3 COO)2 2g/リットル,CH3 COO
Na 100g/リットル,CH3 COOH 50ミリリットル/
リットル から成るAu−Coめっき浴を建浴した。
【0019】このめっき浴を用い、pH4.5,浴温30
℃,電流密度1.0A/dm2 の条件でめっきを行い、前記
した厚み1μmのAuめっき層の上に、色調は淡い金色
であり、厚みが2μmであるAu−Co合金層を形成し
た。ついで、大気中において、温度400℃で5分間加
熱した。表面は鮮やかな紺青に変色した。
【0020】この表面の青色層に対し、スガ摩耗して消
失するまでの摩耗回数を測定し、また、青色層の厚みを
測定した。資料の測定点は5個所。その結果、摩耗回数
は2400〜2450回であり、また、青色層の厚みは
平均して0.24μmであった。また、青色層の組織構造
を解析したところ、Co3 4 を主成分としていること
が判明した。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、表面が鮮やかな紺青の色調を有する装飾部
材を、めっき法と、形成されためっき層への加熱処理を
併用することにより容易に製造することができる。この
部材は、従来にない各種の装飾効果を発揮することがで
きる。例えば、全体が黄金色の金から成る金装飾材のあ
るポイント個所に、形状は小さい本発明の部材を例えば
埋め込むことにより、全体としては鮮やかな紺青色のア
クセントが際立つ金装飾品になり、しかも全体としては
例えば18K,24Kにほとんど等しい純度の金装飾品
になる。
【0022】また、比較的大きな基材に、所定パターン
のマスキングを施して本発明方法を適用すれば、表面に
様々な紺青模様が形成されている装飾品にすることがで
きる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に、Coを含有するAuめっ
    き浴を用いてAu−Co合金めっき層を形成し、つい
    で、含酸素雰囲気中で加熱して表面に青色層を形成する
    ことを特徴とする青色装飾部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記Auめっき浴におけるCo濃度が1
    0〜20重量%である請求項1の青色装飾部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記基材と前記Au−Co合金めっき層
    の間に、PdまはたNiから成る層を介在させる請求項
    1の青色装飾部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記青色層の表面を保護層で被覆する請
    求項1または2の青色装飾部材の製造方法。
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