明細書 · ゴム組成物 技術分野
本発明は、 ゴム組成物、 さ らに詳しく は、補強用充填剤と して、 無機充填剤を含有したゴム組成物であって、 加工性及び貯蔵弾性 率が改良されたゴム組成物、 ゴム組成物に用いる貯蔵弾性率向上 剤及び該ゴム組成物を用いたタイヤに関するものである。 背景技術
従来、 ゴム用補強充填剤と しては、 カーボンブラ ックが多用さ れている。 これは、 カーボンブラ ックが他の充填剤に比べて、 高 い捕強性と優れた耐摩耗性を付与し得るからである。 一方、 近年 の省エネルギーの社会的な要請に伴い、 自動車の燃料消費節約を 目的と して、 タイヤ用ゴムの低発熱化を図る場合、 カーボンブラ ックの充填量の減量、 あるいは大粒径のカーボンブラ ックの使用 が考えられるが、 いずれの場合も、 補強性, 耐摩耗性, 湿潤路面 でのダリ ップ性が低下するのを免れないこ とが知られている。 他 方、 低発熱性と湿潤路面でのグリ ップ性を両立させる充填剤と し て 、 含水 ケ ィ 酸 (湿式シ リ カ ) が知 ら れてお り 、 例 え ば 特開平 3 — 2 5 2 4 3 1 号公報、特開平 6 — 2 4 8 1 1 6号公報、 特開平 7 — 7 0 3 6 9号公報、 特開平 7 — 1 8 8 4 6 6号公報、 特開平 7 — 1 9 6 8 5 0号公報、特開平 8 — 2 2 5 6 8 4号公報、 特開平 8 — 2 4 5 8 3 8号公報、 特開平 8 — 3 3 7 6 8 7号公報 など数多く の特許が出願されている。
しかしながら、 この湿式シリ カは、 その表面官能基であるシラ ノール基の水素結合によ り粒子同士が凝集する傾向にあり、 ゴム 中へのシ リ カの分散を良く するためには混練時間を長くする必要 がある。 また、 ゴム中へのシ リ カ の分散が不十分なためゴム組成 物のムーユー粘度が高く な り 、 押出しなどの加工性に劣るなどの 欠点を有していた。 さ らに、 シリ カ粒子の表面が酸性である こ と から、 加硫促進剤と して使用される塩基性物質を吸着し、 ゴム組 成物の加硫が十分に行われず、 貯蔵弾性率が上がらないという欠 点を有していた。
上記欠点を改良するために、 シランカ ップリ ング剤が開発され たが、依然と して、シリ 力の分散は十分なレベルに達しておらず、 特に、 工業的に、 良好なシ リ カ粒子の分散を得るこ と は困難であ つた。 また、 タイヤの操縦安定性に寄与する貯蔵弾性率を改良す る為には、 カーボン · シリ 力等の補強性充填剤の配合量を増す、 あるいはよ り小粒径物を配合する等の手法があるが、 何れも未加 硫ゴムの加工性の悪化は免れない。 さ らには、 ある種の硬化性樹 脂を添加する手法もあるが、 発熱性が悪化する といぅデメ リ ッ ト がある。
一方、 シ リ カ配合ゴムの省燃費性を損なわずに操縦安定性を向 上させる方法と して、 樹脂を添加する方法が特開 2 0 0 0 - 8 0
2 0 5号公報ゃ特開 2 0 0 0 - 2 9 0 4 3 3号公報等に開示され ている。 しかし、これらの樹脂と ゴム と の相溶性は不十分であ り 、 加硫ゴムの表面荒れが生じる等の問題を有している。
また、 重合性不飽和結合と特定の官能基をもつた化合物を添加 したゴム組成物が特開 2 0 0 2 - 1 7 9 8 4 1号公報に提案され ているが、 これらの化合物では貯蔵弾性率を向上させる効果が不
十分であった。 発明の開示
本発明は、 こ の よ う な状況下で、 無機充填剤の分散性に優れ、 従って未加硫ゴムの粘度を上げず、 加工性を損なう ことなく 、 ゴ ムの表面荒れがない上、 貯蔵弾性率が改良されたゴム組成物、 該 ゴム組成物に用いる貯蔵弾性率向上剤及び該ゴム組成物を用いた タイヤを提供するこ とを目的とするものである。
本発明者らは、 前記目的を達成するために、 鋭意研究を重ねた 結果、 (A) 天然ゴム及び/又はジェン系合成ゴム、 ( B ) 無機充 填剤、 及び ( C ) 同一分子内にゴム (A) に対する反応基 Aを 1 個以上と無機充填剤 ( B ) に対する吸着基 Bを 2個以上有する化 合物、 (D ) 同一分子内にゴム (A) に対する反応基 Aと してマ レ イ ン酸、 フマル酸、 ィタコン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽 和カルボン酸から誘導される基 Aとアミ ノ基とを各々 1個以上有 する化合物、 又は ( E ) 特定の構造を有するアク リル酸エステル またはメ タク リル酸エステルから選ばれる化合物の少なく と も 1 種を含むこ とを特徴とするゴム組成物、上記( C )、 (D)又は( E ) を有効成分とする貯蔵弾性率向上剤及び該ゴム組成物を用いたタ ィャがその目的を達成し得ることを見出 した。 本発明は、 かかる 知見に基づいて完成したものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明における ゴム組成物は、 ( A ) 天然ゴム及びノ又はジェン 系合成ゴムを必須成分とするが、 こ こで、 ジェン系合成ゴム と し ては、 例えばポ リ イ ソプレン合成ゴム ( I R ), ポ リ ブタ ジエンゴ
ム ( B R ), スチ レン一ブタジエンゴム ( S B R) , アタ リ ロ ニ ト リ ノレブタ ジエンゴム ( N B R ), ク ロ ロ プレンゴム ( C R ) , プチ ルゴム ( I I R ) などが挙げられる。 この ( A ) 成分の天然ゴム やジェン系合成ゴムは単独で用いてもよ く 、 二種以上を組み合わ せて用いてもよい。
次に、 本発明のゴム組成物において、 ( B ) 成分と しては、 無機 充填剤が用い られるが、 ここで無機充填剤と は、 シリ カ又は下記 一般式 (VIII) で表される化合物をいう。
d M, ■ X S i O y ■ z H 2 O ■ · ' (VIII)
ここで、 式 (VIII) 中、 は、 アルミ ニ ウム、 マグネシウム、 チタ ン、 カルシウム、 及びジルコニウムからなる群から選ばれる 金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及ぴそれらの水和物、 またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なく と も一種であ り . d、 x、 y及び z は、 それぞれ 1 〜 5 の整数、 0〜 1 0 の整数、 2〜 5 の整数、 及び 0〜 : L 0の整数である。
尚、 一般式 (VIII) において、 x、 z がと もに 0 である場合に は、 該無機化合物はアルミ ニウム、 マグネシウム、 チタン、 カル シゥム及びジルコェゥムから選ばれる少なく と も 1 つの金属、 金 属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記一般式 (VIII) で表わされる無機充填材と しては、 γ —ァ ルミ ナ、 ひ 一アルミ ナ等のアルミ ナ (Α 1 203)、 ベーマイ ト 、 ダ ィ ァスポア等のアル ミ ナ一水和物 (Α 1 203 · Η20 )、 ギブサイ ト、 バイ ャライ ト等の水酸化アルミ ニウム [A l ( Ο Η ) 3]、 炭 酸アルミ ニウム [ A 1 2 ( C O 3 ) 2 3 s 水酸化マグネシウ ム [ M g ( O H) 2]、 酸化マグネシウム ( M g O )、 炭酸マグネシウム ( M g C〇 3 )、 タノレク ( 3 M g O ' 4 S i 02 ' H20 )、 ァタパルジャ
イ ト ( 5 M g O . 8 S i 02 ■ 9 H20)、 チタ ン白 ( T i 02)、 チ タ ン黒 ( T i 02n_1), 酸化カルシウム ( C a O )、 水酸化カルシゥ ム [ C a ( O H) 2]、 酸化アルミ ニウムマグネシウム (M g O - A 1 203)、 ク レー (Α 1 203 · 2 S i 02)、 カオリ ン (Α 1 2〇 3 · 2 S i O 2 · 2 H20)、 ノ、。イ ロ フィ ライ ト (Α 1 203 ' 4 S i O 2 ■ H20 )、 ベン トナイ ト (Α 1 203 ' 4 S i 〇2 , 2 H20)、 ケィ酸 アルミ ニ ウム (A l 2S i 05 、 A 1 4■ 3 S i O 4■ 5 H20等)、 ケィ酸マグネシウム (M g 2S i 〇4、 M g S i 〇 3 等)、 ケィ酸力 ルシゥム ( C a 2 - S i 〇4等)、 ケィ酸アルミ ニウムカルシウム (A 1 203 · C a O ■ 2 S i 02 等)、 ケィ酸マグネシウムカルシウム ( C a M g S i 〇4)、 炭酸カルシウム ( C a C 03)、 酸化ジルコ -ゥム ( Z r 〇 2 )、 水酸化ジルコェゥム [ Z r O ( O H) 2 · η Η 20 ]、 炭酸ジルコニウム [ Z r ( C O 3 ) 2]、 各種ゼォライ ト のよ う に電荷を捕正する水素、 アル力 リ 金属又はアル力 リ 土類金 属を含む結晶性アルミ ノケィ酸塩などが使用でき る。 また、 前記 一般式 (VIII) 中の がアルミ ニウム金属、 アルミ ニウムの酸 化物又は水酸化物、 及ぴそれらの水和物、 またはアルミ ニウムの' 炭酸塩から選ばれる少なく と も一つである場合が好ま しい。
一般式 (VIII) で表される これらの無機化合物は、 単独で使用 しても ょレ、し、 2種以上を混合して使用 しても よい。 また、 これ らの化合物はシリ カ と混合して使用する こ と もできる。
本発明では上記無機充填剤の う ち特にシリ カが好ま しい。
また、 本発明における無機充填剤は、 その粒径が 0. 0 1 〜 1 0 // mの粉体である こ とが好ま しい。 粒径が 0. 0 1 z m未満で はグリ ップ力の向上が望めない割に混練作業が悪化し、 l O / m を超える と貯蔵弾性率が極端に低下し、 耐磨耗性が悪く なるため
好ま しく ない。 また、 これらの効果の観点から、 粒径は 0 . 0 5 〜 5 μ mの範囲がさ らに好ま しい。
上記無機充填剤は、 水銀圧入法で測定した比表面積が 8 0〜 3 0 O mS Z g の範囲にある ものが好ま しく用いられる。 この比表 面積を 8 0 m2 // g 〜 3 0 0 m2 とするこ と によ り無機充填 剤のゴムへの分散がよ く なり、 ゴム組成物の加工性, 耐摩耗性が 良好となる。 捕強性, 加ェ性及び耐摩耗性のバラ ンスなどの面か ら、 よ り 好ま しい比表面積は 1 0 0 〜 2 5 0 m2 / g の範囲であ る。 なお、 こ の比表面積 ( S Hg) の算出法は、 細孔を円筒形と仮 定し、 S Hg (m2 Z g ) = 2 V / r 〔V =全細孔容積 (m3 Z g )、 r =平均細孔半径 (m)〕 で算出する。
本発明の組成物において、 この ( B ) 成分の無機充填剤の含有 量は、 前記 ( A) 成分 1 0 0質量部当た り 、 1 0〜 1 4 0質量部 の範囲が好ま しい。 この含有量を 1 0〜 1 4 0質量部とすること によ り 、 補強性その他のゴム物性に悪影響を与えることなく本発 明の目的を達成するこ とができる。 この ( B ) 成分の含有量はさ らに 2 0 〜 9 0質量部が好ま しい。
本発明の ( C ) 同一分子内にゴムに対する反応基 Aを 1個以上 と無機充填剤に対する吸着基 Bを 2個以上有する化合物は、 本発 明に係る主にゴム組成物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤の有効 成分であ り、 ゴムに対する反応基 Aは、 2重結合を有する基であ つて、 該 2重結合を活性化する基が隣接するものが好ま しく 、 特 に非芳香族共役 2重結合基又は 2重結合にカルボュル基、 カルボ キシル基、 ォキシカルボュル基及びア ミ ド基から選ばれる 1種が 隣接した基であるこ とが好ま しい。 尚、 こ こで隣接とは 2重結合 の両端又は一方にカルボニル基、 カルボキシル基、 ォキシカルボ
ニル基及びア ミ ド基から選ばれる 1種を有する こ と をいう。
本発明の化合物 ( C ) と しては、 反応基 Aがマ レイ ン酸、 フマ ル酸、 ィ タ コ ン酸、 アク リ ル酸、 メ タ ク リ ル酸又はソルビン酸か ら選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基である こ とが好ま しく 、 中でもマ レイ ン酸、 フマル酸、 ィ タ コン酸、 アク リ ル酸か ら誘導される基、 特にはマ レイ ン酸、 アク リ ル酸から誘導される 基である こ と が最も好ま しい。 吸着基 Bに関 しては、 カルボキシ ル基が好ま しい。
また、 化合物 ( C ) はさ らにォキシアルキレン基を有する こ と が好ま しい。 ォキシアルキレン基を有する こ と によって、 ゴム と の相溶性が向上し、 シ リ カ等の無機充填剤 ( B ) と の親和性が良 好と なる。 ォキシアルキレン基の平均付加モル数は、 ゴムに対す る反応基 Aの倜数 1 個当た り 、 1 〜 3 0モルの範囲である こ と が 好ま しく 、 さ らには 1 〜 2 0モル、 特には 2〜 1 5モルの範囲で ある こ とが好ま しい。
ィ匕合物 ( C ) の具体例と しては、 ト リ メ リ ッ ト酸、 ピロ メ リ ッ ト酸、 クェン酸等のポリ カルボン酸のモノ ((メ タ) アタ リ ロイル ォキシアルキル) エステル (こ こで ((メ タ) アタ リ ロイ ルは、 メ タ ク リ ロイル又はァク リ ロイルを示す);マレイ ン酸モノ リ ンゴ酸 エステル等の不飽和カルボン酸とォキシカルボン酸との (ポリ ) エステノレ ; エチレングリ コ ーノレ、 へキサンジォーノレ、 シク ロへキ サンジメ タ ノーノレ等のジォーノレ と マ レイ ン酸、 フマル酸、 イ タ コ ン酸等の不飽和ジカルボン酸との両末端にカルボキシル基を有す るエステノレ ; N— ( 2 —力ルポキシェチル) マレア ミ ド酸等の N 一 (カルボキシアルキル) マ レア ミ ド酸 ; 下記式 ( I ) (II) 又は
(III) で表される化合物が挙げられる。
ΑΊΟΟ
式中、 1、 A 2及び A 3はこれらの う ち一つが式一 (尺 1。) n 一 C O— C R 2 = C R 3— R 4で表される基であり、 他は水素原子 である。 ここで R 1は炭素数 2 〜 4のアルキレン基、 好ま しく は エチレン基又はプロ ピレン基である。 また R 2、 R 3及び R 4はそ れぞれ独立に水素原子又はメ チル基であって、 好ま しく は R 2が 水素原子又はメチル基、 R 3及び R 4が水素原子である。 nはォキ シアルキ レン基の平均付加モル数を示す 1 〜 3 0 の数であり 、 好 ま しく は 1 〜 2 0、 さ らに好ま しく は 2〜 1 5の数である。
CH20-(R50)m1-CO-CH=CH-COOH
CHO-(R60)m2-CO-CH=CH-COOH …(II)
CH20—(R70)m3— CO— CH=CH— COOH
式中、 R 5、 R 6及び R 7はそれぞれ独立に炭素数 2〜 4のアル キレン基、好ま しく はエチレン基又はプロ ピレン基であり、m 1 、 m 2及び m 3はそれぞれォキシアルキ レン基の平均付加モル数を 示す数で、 m l + m 2 + m 3力 0 〜 9 0、 好ま しく は 3 〜 6 0 、 さ らに好ま しく は 6〜 4 5 となる数である。
HOOC— CH=CH—COO— R8— CO— CH=CH— COOH ■■■ (ΠΙ) 式中、 R 8は、 式一 R 9 〇 一で示される基、 式一 ( R 1 () 0 ) s 一で示される基、 式 _ C H 2 C H ( O H) C H 20 _で示される基
又は式一 ( 1 1 。一 C O R 1 2— C O O—) t R i i O—で示され る基である。 こ こで R 9は炭素数 2 ~ 3 6 のアルキレン基, アル ケ- レン基又は 2価の芳香族炭化水素基であって、 好ま しく は炭 素数 2 〜 1 8 のアルキ レン基又はフエ二 レン基、 さ らに好ま しく は炭素数 4〜 1 2 のアルキレン基である。 また R 1 0は炭素数 2〜 4のアルキレン基、 好ま しく はエチレン基又はプロ ピレン基であ り 、 s はォキシアルキ レン基の平均付カロモノレ数を示す 1 〜 6 0 の 数であ り 、 好ま しく は 2〜 4 0 、 さ らに好ま しく は 4〜 3 0 の数 である。 R 1 1は炭素数 2〜 1 8 のアルキレン基、ァルケ-レン基、 2価の芳香族炭化水素基又は— ( R 1 3〇) U R 1 3 —であ り ( R 1 3は炭素数 2 〜 4 のアルキレン基、 uはォキシアルキレン基の平 均付カロモル数を示す 1 〜 3 0 の数であ り 、 好ま しく は 1 〜 2 0、 さ らに好ま しく は 2 ~ 1 5 の数である)、 R 1 2は炭素数 2 〜 1 8 のアルキレン基、 アルケニレ ン基又は 2価の芳香族炭化水素基で あって、 好ま しく は炭素数 2〜 1 2のアルキ レン基又はフ エユ レ ン基、 さ らに好ま しく は炭素数 2 〜 8 のアルキ レン基である。 t は平均値で 1 〜 3 0、 好ま しく は 1 〜 2 0 、 さ らに好ま しく は 1 〜 1 5 の数である。
これらの化合物の中では、多塩基酸の部分エステルが好ま しく 、 式 ( I .)、 (II) 又は (III) で表される化合物から選ばれる化合物 がさ らに好ま しい。
式 ( I ) で表される化合物の具体例と しては、 ト リ メ リ ッ ト酸 モノ ( 2 - (メ タ) ァク リ 口 イ ノレオキシェチル) エステル、 ト リ メ リ ッ ト酸モノ [ 2 — ( 2 — (メ タ) ァク リ ロ イルォキシェ ト キ シ) ェチル] エステル、 ト リ メ リ ッ ト酸モノ ( ω — (メ タ) ァク リ ロイルォキシポリ オキシエチレン ( 1 0 )) エステル等の ト リ メ
リ ッ ト酸モノ ( ω — (メ タ) アタ リ ロイルォキシ Ρ Ο Α ( η ) ) ェ ステル (こ こで (メ タ) ァク リ ロイルはメ タ タ リ ロイル又はァク リ ロイルを示し、 Ρ Ο Α ( η ) はォキシエチレン又はォキシプロ ピレンが平均して 1〜 3 0モル付加 したポ リ オキシエチレン (以 下 「 Ρ Ο Ε」 と略記する こ とがある) 又はポリ オキシプロ ピレン (以下「 P O P」 と略記する こ とがある) を示す。) が挙げられる。 式 (II) で表される化合物の具体例と しては、 P O E ( 8 ) グ リ セ リ ン ト リ マ レエー ト、 P O E ( 3 ) グ リ セ リ ン ト リ マ レエ一 ト、 P O P ( 1 0 ) グリ セ リ ン ト リ マレエー ト等の P O A (m) グ リ セ リ ン ト リ マ レエー ト (ここで P O A (m) はォキシェチレ ン又はォキシプロ ピレンが平均して 0〜 9 0モル付加したポ リ オ キシエチレン又はポリ ォキシプロ ピレンを示す。)等が挙げられる , 式 ( II I) で表される化合物の具体例と しては、 グリ セ リ ンジマ レエ一 ト 、 1, 4 ーブタ ンジォ一/レジマ レエ一ト , 1, 6 —へキ サンジォ一/レジマレエー ト等のァノレキレンジ才ーノレのジマレエ一 ト、 1, 6 —へキサンジオールジフマレー ト等のアルキレンジォ 一ノレのジフマレー ト、 P E G 2 0 0 ジマ レエー ト , P E G 6 0 0 ジマ レエー ト等のポ リ ォキシァノレキ レング リ コーノレのジマ レエ一 ト (こ こで P E G 2 0 0、 P E G 6 0 0 と は、 それぞれ平均分子 量 2 0 ◦ 又は 6 0 ◦ のポリエチレンダリ コールを示す)、両末端に 力ルポキシル基を有するポリ ブチレンマ レエー ト、 両末端にカル ボキシル基を有するポ リ ( P E G 2 0 0 ) マ レエー ト等の両末端 カルボン酸型ポ リ アルキレンダリ コール マレイ ン酸ポリ エステ ル、 両末端に力 ポキシル基を有するポリ プチレンアジぺー トマ レエー ト 、 P E G 6 0 0 ジフマレー ト等のポリ オキシアルキレン グリ コールのジフマ レー ト、 両末端に力ルポキシル基を有するポ
リ ブチレンフマ レー ト 、両末端にカルボキシル基を有するポリ( P E G 2 0 0 ) フマレー ト等の両末端カルボン酸型ポリ アルキ レン グリ コールノフマル酸ポ リ エステル等が挙げられる。
前記化合物 ( C ) は分子量 2 5 0以上であるこ とが好ま しく 、 さ らには 2 5 0 〜 5 0 0 0の範囲であるこ と、 特には 2 5 0〜 3 0 0 0の範囲であるこ とが好ま しい。 こ の範囲である と引火点が 高く 、 安全上望ま しいばかり でなく 、 発煙が少なく 作業環境上も 好ま しい。
本発明の無機充填剤配合ゴム用貯蔵弾性率向上剤 ( C ) 中の有 効成分である化合物 ( C ) の含有量は 5 0〜 1 0 0質量%の範囲 であるこ とが好ま しく 、 さ らには 8 0〜 1 0 0質量%の範囲であ ることが好ま しい。
尚、 本発明において、 ( C ) 成分は単独で用いてもよ く 、 二種以 上を組み合わせて用いてもよい。 また、 該ゴム用貯蔵弾.性率向上 剤には、 化合物 ( C ) の製造過程における未反応分を含んでいて もよ く、 さ らにはプロセス油、 本発明以外のエステル等を含有す る こ とができる。 さ らに該ゴム用貯蔵弾性率向上剤は、 取り扱い 性の観点からシリ カ等の粉体に担持させて用いるこ とが好ま しい 次に、 本発明の (D ) 同一分子内にゴムに対する反応基 Aとァ ミ ノ基と を各々 1個以上有する化合物は、 ( C )と同様にゴム組成 物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤の有効成分であ り 、 反応基 A がマ レイ ン酸、 フマル酸、 ィ タ コ ン酸及びソルビン酸から選ばれ る不飽和カルボン酸から誘導される基であるこ とを必須とする。 これらの中でも、 反応基 Aはマレイ ン酸、 フマル酸、 ィタコン酸 から誘導される基が好ま しく 、 特にはマ レイ ン酸から誘導される 基が好ま しい。
また、 ア ミ ノ基は、 3級のア ミ ノ基である こ とが好ま しく 、 さ らには脂肪族 3級ァ ミ ンから誘導される基である こ とが好ま しい c 化合物 ( D ) の具体例と しては、 マ レイ ン酸、 フマル酸、 イ タ コ ン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸の N , N— ジアルキル (アルキル基の炭素数 1 〜 4 ) ア ミ ノ アルキル (アル キル基の炭素数 1 〜 2 2 、 好ま しく は 4〜 2 2 ) エステル、 上記 不飽和カルボン酸の N—アルキル(アルキル基の炭素数 6 ~ 2 2 ) _ N— (ァノレキル又はヒ ドロ キシァノレキル (ァノレキノレ基又はヒ ド ロ キシアルキル基の炭素数 1 〜 4 )) ァ ミ ノ アルキル (アルキル基 の炭素数 1 〜 4 ) エステル、 上記不飽和カルボン酸の N— [ N ' , N, ージァノレキル (アルキル基の炭素数 1 〜 4 ) ア ミ ノアルキノレ (アルキル基の炭素数 1 〜 2 2、 好ま しく は 4〜 2 2 )] アミ ド等 が挙げられ、 マ レイ ン酸の N, N—ジァルキノレ (アルキル基の炭 素数 1 〜 4 ) アミ ノ アルキル (アルキル基の炭素数 1 〜 2 2、 好 ま し く は 4 〜 2 2 ) エステル、 マ レイ ン酸の N—アルキル (アル キル基の炭素数 6 〜 2 2 ) - N - (アルキル又はヒ ドロ キシアル キル (アルキル基又はヒ ドロ キシアルキル基の炭素数 1 〜 4 )) ァ ミ ノ アルキノレ (ァノレキル基の炭素数 1 〜 4 ) エステル、 マ レイ ン 酸の N— [ N ' , N ' ージアルキル (アルキ /レ基の炭素数 1 〜 4 ) ア ミ ノ アルキル (アルキル基の炭素数 1 〜 2 2、 好ま しく は :〜 2 2 )] ア ミ ドが好ま しい。
本発明の無機充填剤配合ゴム用貯蔵弾性率向上剤 (D ) 中の有 効成分である化合物 ( D ) の含有量は 5 0〜 1 0 0質量%の範囲 である こ と が好ま しく 、 さ らには 8 0〜 1 0 0質量%の範囲であ る こ とが好ま しい。
尚、 本発明において、 ( D ) 成分は単独で用いても よ く 、 二種以
上を組み合わせて用いてもよい。 また、 該ゴム用貯蔵弾性率向上 剤には、 化合物 (D ) の製造過程における未反応分を含んでいて もよく 、 さ らにはプロセス油、 本発明以外のエステル等を含有す るこ とができる。 さ らに該ゴム用貯蔵弾性率向上剤は、 取り扱い 性の観点からシリ カ等の粉体に担持させて用いるこ とが好ま しい ( さ らに、 本発明においては、 ( E ) —般式 (IV)
R14
I
H。C= C一 C— O— (R1 50) ,.— R16 - - - (IV)
II
0
で表されるァク リル酸エステルまたはメ タク リル酸エステルが好 適に用いられる。 上記一般式 (IV) において、 R "は水素、 又は メチル基を示し、 R is はエチ レン基またはプロ ピ レン基を示す。
R 16.は飽和若しく は不飽和のアルキル基、 ァリール基または一部 または 2 か所以上が一 O H、 一 C O O H、 一 ( C = O ) —で置換 されたも のであ り 、 R 16部分の末端に力ルポキシル基を持ち、 か つ、 式中 kは 0 〜 3 0の整数である。 また該アク リル酸エステル またはメ タク リル酸エステルの分子量は 2 5 0以上である。
上記アルキル基は直鎖状, 分岐状, 環状のいずれであってもよ く 、 その例と しては各種ォクチル基 ( n—ォクチル基, 分岐オタ チル基, シク ロォクチル基など、 以下同様), 各種ノエル基, 各種 デシル基, 各種 ドデシル基, 各種テ トラデシル基, 各種へキサデ シル基, 各種ォクタデシル基, 各種べへニル基, 各種ォクテニル 基, 各種デセニル基, ォレイル基などが挙げられる。 ァリ ール基 は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよ く、 その例と してはフエ -ル基, 各種 ト リル基, 各種キシリル基, α
一若しく は β —ナフチル基, 各種メチルナフチル基, 各種ジメチ ルナフチル基などが挙げられる。
前記一般式の例と しては、 2 —メ タク リ ロイ ロキシェチルへキ サヒ ドロフタノレ酸、 2 —アタ リ ロイ 口キシェチノレーフタノレ酸、 2 ーァク ロイ ロキシェチルへキサヒ ドロフタル酸等が挙げられる。 本発明の無機充填剤配合ゴム用貯蔵弾性率向上剤 (Ε ) 中の有 効成分である化合物 ( Ε ) の含有量は 5 0 〜 1 0 0質量。 /。の範囲 である こ とが好ま しく 、 さ らには 8 0〜 1 0 0質量%の範囲であ るこ とが好ま しい。
尚、 本発明において、 ( Ε ) 成分は単独で用いてもよく 、 二種以 上を'組み合わせて用いてもよい。 また、 該ゴム用貯蔵弾性率向上 剤には、 化合物 ( Ε ) の製造過程における未反応分を含んでいて もよ く 、 さ らにはプロセス油、 本発明以外のエステル等を含有す るこ とができる。 さ らに該ゴム用貯蔵弾性率向上剤は、 取り扱い 性の観点からシリ カ等の粉体に担持させて用いるこ とが好ま しい 本発明の ( C ) 成分、 (D ) 成分及び ( Ε ) 成分は、 ゴム成分 1 0 0質量部に対して、 0 . 1 〜 1 0質量部添加することが好ま し く 、 0 . 5〜 6質量部の範囲が更に好ま しい。
また、本発明のゴム組成物及び本発明の貯蔵弾性率向上剤( C )、 (D ) 又は ( Ε ) は、 さ らに ( F ) 脂肪族ァミ ンを含有するこ と が好ま しい。 こ こで、 脂肪族ァミ ンと しては、 脂肪族 3級ァミ ン が好ま しく 、 式 (VIII) で表されるァミ ンが更に好ま しい。
R18
R 7-N "-(VIII)
R19
式中、 R i7は炭素数 4〜 2 4 のアルキル基、 好ま しく は 8 〜 2 2 のアルキル基、 R is及ぴ R 19 は、 それぞれ炭素数 1 〜 8 のアル キル基、 好ま しく は 1 〜 2のアルキル基を示す。
尚、 ( C ) (D ) 又は( E )成分と ( F ) 成分の比率( C ) ( F )、 ( D ) / ( F ) 又は ( E ) / ( F ) (質量比) は 0. 1 〜 : L 0 の範 囲が好ま しく 、 特に 0 . 2〜 5 の範囲が好ま しい。 さ らに、 ( F ) 成分は (A) ゴム 1 0 0質量部に対して、 0 . 1 〜 : L 0質量部が 好ま しく 、 さ らには 0. 5〜 6質量部の範囲が好ま しい。
本発明のゴム組成物においては、 本発明の効果をさ らに向上さ せるために、 所望によ り 、 ( G ) シランカ ップリ ング剤を含有させ るこ とが望ま しい。 このシランカ ップリ ング剤と しては、 従来公 知のシラン力 ップリ ング剤の中から任意のものを用いる こ とがで きるが、 特に一般式 (V)
A a B 3 - a S i - X - S b - X - S i A a B 3 - a · ' ■ ( V) (式中、 Aは C cH2c+10 ( c は 1 〜 3 の整数) 又は塩素原子、 B は炭素数 1 〜 3 のアルキル基、 Xは炭素数 1 〜 9 の飽和または不 飽和アルキ レン基あるいは炭素数 7〜 1 5 のァリーレン基、 a は
1 〜 3 の整数、 b は 1以上の整数で分布を有すること もある。 但 し、 a 力 S 1 のときは 2つの Bは同じであっても異なっていてもよ く 、 a が 2又は 3のときは 2つ又は 3つの Aは同じであっても異 なっていてもよい。) で表される化合物、 一般式 (VI)
A a B 3— a S i — X— Y · · ■ (VI)
(式中、 A、 B、 X、 a は上記と同じ、 Yはメルカプ ト基, ビエ ル基, アミ ノ基, グリシ ドキシ基又はエポキシ基) で表される化 合物、 及ぴ一般式 (VII)
A a B 3 - a S i - X - S b - Z ■ ■ ■ (VII)
(式中、 A、 B、 X、 a、 b は上記と 同 じ、 Z はべンゾチアゾ リ ル基, N, N —ジメ チルチオ力ルバモイ ル基又はメ タ ク リ ロ イル 基、 炭素数 1〜 1 5 の飽和又は不飽和の炭化水素基) で表される 化合物の中から選ばれた少なく と も一種を用いるのが好ま しい。
前記一般式(V) で表されるシラ ンカ ップリ ング剤の例と しては、 ビス ( 3 — ト リ エ ト キシシ リ ルプロ ピル) テ ト ラ スルフ ィ ド, ビ ス ( 3 — ト リ メ ト キシシリ ルプロ ピル) テ ト ラ スルフ イ ド, ビス ( 3 — メ チルジメ ト キシシリ ルプロ ピル) テ ト ラ スルフ ィ ド, ビ ス ( 3 — ト リ エ ト キシシ リ ルェチル) テ ト ラスルフィ ド, ビス ( 3 — ト リ エ トキシシリ ルプロ ピル) ジスルフイ ド, ビス ( 3 — ト リ メ ト キシシ リ ルプロ ピル) ジスルフ イ ド, ビス ( 3 — ト リ エ ト キ シシ リ ルプロ ピル) ト リ スルフ ィ ドなどが、 一般式 ( VI) で表さ れる シラ ンカ ツプ リ ング剤の例 と しては、 3 — メ ルカプ ト プロ ピ ル ト リ メ ト キシシラ ン, 3 — メ ルカプ トプロ ピル ト リ エ ト キシシ ラ ン, ビニノレ ト リ エ ト キシシラ ン, ビエル ト リ メ ト キシシラ ン, 3 —ァ ミ ノ プロ ピノレ ト リ エ ト キシシラ ン, 3 —ァ ミ ノ プロ ピル 1、 リ メ ト キシシラ ン, 3 _メ ルカ プ ト プロ ピルメ チルジメ ト キシシ ラ ン, Y — グ リ シ ドキシプロ ビル ト リ メ ト キシシラ ン, Y — ダ リ シ ドキシプロ ピルメ チルジェ ト キシシラ ンな どが、 一般式 (VII) で表される シラ ン力 ップリ ング剤の例と しては、 3 — ト リ メ トキ シシ リ ノレプロ ピノレー N, N —ジメ チノレ力 /レバモイ ノレテ ト ラ スノレフ ィ ド, 3 — ト リ メ ト キシシリ ルプロ ピルべンゾチアゾ リ ルテ ト ラ スルフ ィ ド, 3 - ト リ メ ト キシシ リ ルプロ ピルメ タ ク リ ロ イルモ ノ スノレフ ィ ド, 3 — ト リ エ ト キシシ リ ノレプロ ピノレ n —ォク チルジ スルフ ィ ドなどが、 それぞれ挙げられる。
本発明においては、 この所望によ り 用いられる ( G ) 成分のシ
ランカ ツプリ ング剤は単独で用いてもよ く 、 2種以上を組み合わ せて用いても よい。 また、 組成物中のその含有量は、 前記 ( B ) 成分に対して 1〜 2 0質量%の範囲で選ばれる。 この含有量が 1 質量%未満ではシランカ ツプリ ング剤を配合した効果が十分に発 揮されないおそれがあり、 一方、 2 0質量%を超える とその量の 割には効果の向上がみられず、 むしろ経済的に不利となる。 配合 効果及び経済性などを考慮する と、 この ( G ) 成分のシランカ ツ プリ ング剤の好ま しい含有量は 3〜 1 5質量。/。の範囲である。 本発明における ( C )、 ( D ) 及び ( E ) の化合物の添加方法は、 特に限定されず、 ゴム成分に通常の混練機、 例えばバンバ リ ーミ キサ一、 ロール、 イ ンテンシブミ キサー等を用いて、 添加混合す るこ とができる。
また、 本発明のゴム組成物には、 本発明の目的が損なわれない 範囲で、 所望によ り 、 通常ゴム工業界で用いられる各種配合剤、 例えばカーボンブラ ック, 加硫剤, 加硫促進剤, 老化防止剤, ス コーチ防止剤, 軟化剤, 亜鉛華, ステア リ ン酸などを含有させる こ とができる。 そして、 本発明のゴム組成物はタイヤの ト レ ッ ド ゴムや ト レッ ドベース ゴムに好適に用レ、られる。 尚、 空気入り タ ィャは、 本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造さ れる。 すなわち、 必要に応じて、 上記のよ う に各種薬品を含有さ せた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で、 例えばト レ ツ ド用部 材に押出し加工され、 タイヤ成形機上で通常の方法によ り貼り付 け成形され、 生タイヤが成形される。 この生タイヤを加硫機中で 加熱加圧して、 タイヤが得られる。
尚、 上記添加剤中、 カーボンブラ ックの場合にその添加量は、 ゴム 1 0 0質量部に対し、 0 ~ 8 0質量部、 好ま しく は 0〜4 0
質量部の範囲である。 カーボンブラックは、 製造方法によ り、 チ ヤ ンネノレブラ ック、 フ ァ ーネスブラ ック、 アセチレンブラ ック及 びサーマルブラ ック等に分類されるが、 いずれのものも用いるこ とができる。 実施例
次に、 本発明を実施例によ り さ らに詳細に説明するが、 本発明 は、 これらの例によってなんら限定されるも のではない。 なお、 各例で得られたゴム組成物の物性は、 以下に示す方法によ り測定 した。
( 1 ) 動的粘弾性
アイティー計測制御 (株) 製 D V A— 2 0 0 を用いて行ない、 測定は J I S K 7 1 9 8 に基づき、 試験片は長さ 2. O mm X 幅 5 mm X厚さ約 2 mmの も のを用い、 試験温度一 8 0 °C〜 1 0
0 °C、 歪率 2 %、 周波数 5 0 H z、 昇温速度 5 °C /分で行った。
6 0 °Cにおける貯蔵弾性率( E ') の値を、対象物 (比較例 1, 5,
9及び 1 3 ) と対比した指数と して第 1表〜第 4表に示した。 貯 蔵弾性率 ( E ' ) の指数が大きいほどゴム物性と して良好である こ とを示す。
( 2 ) 表面荒れ評価
テス ト ピース (縦 2 0 O mm X幅 1 5 O mm X厚さ約 2 mm) の表面状態を肉眼で観察し、 下記基準で評価した。 尚、 表面荒れ がないこ とは、 貯蔵弹性率向上剤と ゴム と の相溶性あるいは充填 剤の分散性が優れていることを示す。
〇 ; 全く キズ、 凹みが見られない。
Δ ; キズ、 凹みが若干見られる。
X ; キズ、 凹みがかなり見られる。
( 3 ) ムーニー粘度
J I S K 6 3 0 0 — 1 9 9 4に基づき、 1 2 5 °Cにてムーニー 粘度 〔 M L 1+4 〕 を測定し、 比較例 1、 5、 9及び 1 3 をそれぞ れ 1 0 0 と して指数表示した。 数値が小さいほど加工性が良好で ある。
<実施例 1〜 1 2及び比較例 1〜 5 >
第 1表に示す各成分を、 第 1表に示す配合割合で混合して、 ゴ ム組成物を調製した。 調製にはバンバ リ一ミ キサー及びロ ールミ キサーを用いた。 加硫は温度 1 6 5 °Cで行い、 加硫時間はキユラ ス ト T 9 0値 (分) X I . 5倍で規定した。
これらのゴム組成物それぞれにおいて、 加硫ゴム物性の指標と して、 動的粘弾性測定試験、 ムーニー粘度及び表面荒れの評価を 行った。 その結果を第 1表に示す。 尚、 動的粘弾性測定試験、 ム 一二一粘度においては、 比較例 1 を基準と して指数表示した。
第 1表一 1
第 1表一 2
室施例 8 荬施例 9 室施例 10実施例 11室施例 12
SBR #1502" 1UU 1 UU I UU I UU 1 UU I UU 力一ボンブラック * 2 10 10 10 10 10 10 シリカ *3 40 40 40 40 40 40 シランカップリング剤 * 4 4 4 4 4 4 4
3 3 3 3 3 3 ステアリン酸 2 2 2 2 2 2 ィォゥ 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 マレイン酸モノリンゴ酸エステル
エチレングリコ一ルジマレエ一ト
1, 6—へキサンジオールジマレエ一
N—(2—カルボキシェチル)マレア
ミド酸
トリメリット酸モノ(ω—ァクリロイル
ォキシ ΡΟΕ(ΙΟ))エステル *5
卜リメリツ卜 asモノ (2—メタクリロイメレ
才キンェナノレ)エス丁ノレ
i J り、ソ Κ·! ^干ノ —ヌ々 ^りロイ し
2
POE(8)グリセリン卜リマレエ一ト *5
グリセリンジマレエー卜 2
ポリプチレンマレエ一ト * 6 2
ポリ (PEG200)マレエート *7 2
ポリブチレンアジペートマレエ一ト * 8 2 マレイン酸ジェチル
力プリル酸
コハク酸モノ(2—メタクリロイルォキ
シェチル)
ビスマレイ Sド樹脂 * 9
加硫促進剤 *1D 2 2 2 2 2 2 老化防止剤 *" 1 1 1 1 1 1
E'指数 132 136 141 145 147 133 ム一二一粘度(ML1+4) 98 96 101 96 94 95 表面荒れ 〇 〇 〇 O 〇 〇
T/JP02/10376 第 1表一 3
* 1 : ジヱイ エスアール (株) 製
* 2 : 東海カーボン (株) 製 シース ト 3 0 0
* 3 : 日 本シ リ カ工業 (株) 製 エップシール A Q ( S Hg = 1 4 0 m2 / g : エ ップシール V N 3 を顆粒に したもの)
* 4 : ビス ( 3 — ト リ エ ト キシシ リ /レプロ ピノレ) テ ト ラ スノレフ ィ ド、
* 5 : P O E ( n ) はォキシエチレンが nモル付加 したポリ オキ 、ンエチ レンを示 し、 P O P ( n ) はォキシプロ ピレンが nモノレ付
加したポリ ォキシプロ ピレンを示す。
* 6 : 式 (III) において、 R 8が一 ( 1 1 。一 C O R 1 2 _ C O 0—) t R 1 1 〇 一で示される基であ り 、 R 1 1がプチレン基、 R 1 2がー C H = C H—、 t = 4の化合物である。
* 7 : 式 (III) において、 R 8力 S— ( R x l O - C O R 1 2 - C O 〇 一) t R 1 1 〇 一で示される基であ り 、 R 1 1が一 ( R 1 3 O ) u R 1 3 - ( R 1 3がエチ レ ン基、 u = 3 . 5 ) であり 、 R 1 2力 S— C H = C H—、 t = 4 の化合物である。
* 8 : 式 (III) において、 R 8力 ( R ^ O - C O R ^ - C O O—) t R 1 1 O—で示される基であ り 、 R 1 1がブチ レン基、 R 1
2がブチ レン基、 t = 4 の化合物である。
* 9 : ビスマ レイ ミ ド ト リ アジン樹脂、 三菱ガス化学 (株) 製、 B T— 2 6 8 0 を粉砕して使用
* 1 0 : N—ォキシジエチレン一 2 —ベンゾチテ ゾーノレスノレフ エ ンア ミ ド
* 1 1 : N― ( 1 , 3 — ジメ チルブチノレ) 一 N ' 一 フエ二ルー フ 工ニ レンジア ミ ン
<実施例 1 3〜 2 3及び比較例 6〜 1 0 >
第 2表に示す各成分を、 第 2表に示す配合割合で混合して、 ゴ ム組成物を調製 した。 ゴムの調製方法及び加硫方法は実施例 1 と 同様に した。
これらのゴム組成物それぞれにおいて、 加硫ゴム物性の指標と して、 動的粘弾性測定試験、 ム一-一粘度及び表面荒れの評価を 行った。 その結果を第 2表に示す。 尚、 動的 弾性測定試験、 ム 一二一粘度においては、 比較例 6 を基準と して指数表示した。
第 2表一 1
第 2表 2
第 2表 3
<実施例 2 4:〜 2 6及び比較例 1 1〜 1 5 〉
第 3表に示す各成分を、 第 3表に示す配合割合で混合して、 ゴ ム組成物を調製した。 ゴム の調製方法及び加硫方法は実施例 1 と 同様にした。
これらのゴム組成物それぞれにおいて、 加硫ゴム物性の指標と して、 動的粘弾性測定試験、 ムーニー粘度及び表面荒れの評価を 行った。 その結果を第 3表に示す。 尚、 動的粘弾性測定試験、 ム 一二一粘度においては、 比較例 1 1 を基準と して指数表示した。
第 3表一 1
実施例 24実施例 25実施例 26
SBR # 1 502 " 100 100 100
カーボンブラック * 2 10 10 10
シリカ * 3 40 40 40
シランカップリング剤 * 4 4 4 4
亜鉛華 3 3 3
ス亍アリン酸 2 2 2
ィォゥ 1.5 1.5 1.5
マレイン酸ジ (N, N—ジメチルアミ
2
ノへキシノレ)エステル
マレイン酸モノ [N—ドデシルー N
- (2—ヒドロキシェチル)アミノエ 2
チル]エステル
フマル酸ジ(N, N—ジメチルアミ
2
ノへキシル)エステル
マレイン酸ジェチル 『
N, N—ジメチルデシルァミン
コハク酸モノ(2—メタクリロイルォ
キシェチル)
ビスマレイミド桉 }脂 * 9
加硫促進剤 * 1 D 2 2 2
老化防止剤 * 1 1 1 1 1
E,指数 1 18 113 122
ムーニー粘度(ML1 +4) 94 97 93
表面荒れ O 〇 〇
第 3表— 2
第 4表に示す各成分を、 第 4表に示す配合割合で混合して、 ゴ ム組成物を調製した。 ゴムの調製方法及び加硫方法は実施例 1 と 同様に した。
これらのゴム組成物それぞれにおいて、 動的粘弾性測定試験、 ムーニー粘度及び表面荒れの評価を行った。 その結果を第 4表に 示す。 尚、 動的粘弾性測定試験及びムーニー粘度は、 比較例 1 6 を基準と して指数表示した。
第 4表
* 1 2 : ジェイ エ スアーノレ (株) 製
* 1 3 : 天然ゴム
* 1 4 : 東海カーボン (株) 製 シース ト K H
* 1 5 : 日本シ リ カ工業 (株) 社製, ニップシール A Q ( S Hg =
1 4 0 m 2 / g )
* 1 6 : ジベンゾチアジノレジスルフ ィ ド
* 1 7 : N - t e r t — ブチノレ ー 2 —べンゾチアジ/レスノレフ ェ ン ア ミ ド
* 1 8 : 6 C 〔N— フエ 二ルー Ν'— ( 1 , 3 — ジメ チルブチノレ) 一 ρ — フ エ二 レンジァ ミ ン
尚、 本願発明のゴム組成物をサイ ズ 2 0 5 / 6 O R 1 5 の乗用 車用タ イ ヤの ト レ ツ ドに用いる こ と によ り 、 タ イ ヤの操縦安定性 が向上する こ とを確認した。
産業上の利用の可能性
本発明におけるゴム組成物は、 無機充填剤の分散性に優れ、 従 つて未加硫ゴムの粘度を上げず、 加工性を損な う こ となく 、 ゴム の表面荒れがない上、 本発明の貯蔵弾性率向上剤を配合するこ と によって、 その貯蔵弾性率が改良されている。 また、 このゴム組 成物を空気入り タイヤの ト レッ ド等に用いた場合、 操縦安定性の 向上がみられる。